JP4033431B2 - 像安定化装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単眼鏡、双眼鏡さらにはビデオカメラ等の光学装置が振動を受けた場合に、これら光学装置の光軸に対する観察物体からの光束の射出角度が変動し、光学像がブレて観察されるのを防止する、この光学装置内に配される像安定化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
単眼鏡、双眼鏡等の光学的な観測を目的とした光学装置を手で保持して操作する場合、特に光学装置を航空機や車輌等に持ち込んで使用する場合には、航空機、車輌等の振動や揺動が光学装置に伝わり、光軸に対する、観察物体からの光束の射出角度が変動し、観察される光学像を劣化させることが多い。このような光学装置に伝わる振動は、その振幅がたとえ小さくとも、単眼鏡や双眼鏡等においては視界が狭いことと観察物体を拡大して観察しているために、光軸に対する変動角度も拡大される。それ故に、比較的角度変動速度の小さい揺動時であっても、観察物体が視界の中で急速に移動したり、変動角度が大きい場合には視界から外れてしまったりする不都合が生じる。また、比較的角度変動速度の大きい揺動時には、比較的変動角度が小さくても光学装置の倍率分だけ観察物体の像の角度変動速度が大きくなって観察されるので、像のぶれとなって像の劣化となる不都合が生じる。
【0003】
これまでにも、光学装置に伝わる振動や揺動によって光軸に対する光束の射出角度が変動し観察される像が劣化することを防止するための像安定化のための装置が種々提案されている。
【0004】
例えば特公昭57-37852号公報には双眼鏡における観察像のブレを補正するためこの双眼鏡内に、回転慣性体(ジャイロモータ)を利用した防振手段を設けたものが開示されている。
【0005】
すなわち、この技術は双眼鏡の対物レンズと接眼レンズの間の光軸上に正立プリズムを配し、この正立プリズムを、回転慣性体が取り付けられたジンバル懸架手段上に固設し、双眼鏡が手ブレ等により振動しても正立プリズムを略同一姿勢に保持して双眼鏡の観察像のブレを防止するようにしたものである。
【0006】
このような、回転慣性体とジンバル懸架手段を利用した従来技術は高精度で像安定化が図れる一方、小さなスペースで大きな慣性力を得るため高速の回転体が必要であり、また回転体自身の発生する振動を小さくする必要があることから高精度である必要がある。この小型、高速、高精度の要求に対しての問題点は、価格や寿命、さらには電源投入から必要な慣性力を得るまでの時間等が不利となることである。また、双眼鏡の倍率や解像力を上げるのに伴なって対物レンズの有効径を大きくすると正立プリズムが大型化し、これに伴い大きな慣性力が必要となって上記の問題が一層大きくなることの他に、消費電力もこれに伴って大きくなる。
【0007】
そこで、本願出願人は、上記回転慣性体に代えて角速度センサをジンバル懸架手段に搭載し、この角速度センサからの出力値に基づいてこのジンバル懸架手段の回動を制御して正立プリズムの姿勢を地球(慣性系)に対して固定する像安定化装置を提案している(特開平6-250100)。この装置によれば、基本的にジンバル懸架手段に保持された正立プリズムには慣性力があり、特に、振動速度が速い、振動周波数の高い振動に対しては、比較的振幅の大きな振動に対しての姿勢保持能力が高い。したがって、角速度センサからの出力に基づく回転位置の制御力も少なくて良い。しかし、バリアングルプリズムやレンズ駆動を行う他の像安定化装置は積極的な駆動部が必要であり、周波数の高い振動では大きな振幅を補正するためには、駆動部を高速で動かす必要があるため、大きな角度範囲で補正することが難しい。
【0008】
ところで、双眼鏡やビデオカメラの使用に際しては、高速でパンニングやチルティングを行うことも多い。例えば、鳥や飛行機等の飛行物体を追従しながら観察する場合には素早いパン/チルト操作が要求される。
【0009】
そこで、ジンバル懸架手段の角速度のみならずその角度位置をも検出し、両検出値に基づいて像安定化のためのフィードバック制御を行うようにすれば、パン/チルトの際、装置内の光学系を観察物体の移動方向にスムーズに追従させることが可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ジンバル懸架手段の角速度検出は圧電振動ジャイロ等の角速度センサにより行われるが、その際、図12(a)に示すように、この角速度センサ91の出力側にはCR回路92が接続されるようになっており、これによりオフセット電圧や温度ドリフト電圧をキャンセルし、所定の基準電圧Vref を中心とする検出信号を増幅器に出力するようになっている。
【0011】
しかしながら、このようにCR回路92を設けるようにした場合、このCR回路92がハイパスフィルタとして機能するので、手ブレ等のような低周波領域の振動を検出することが困難となる。
【0012】
これに対し、CR回路92を構成するコンデンサ93の容量Cまたは抵抗94の抵抗値Rを大きくすれば、その分だけ検出可能な振動を低周波領域まで広げることができるが、このようにした場合には時定数τ(=CR)が大きくなるので、図13(a)に示すように、回動制御の開始(電源ON)から出力電圧が安定するまでの安定化時間(Δt)が長くかかってしまう。そしてこの間におけるジンバル懸架手段の挙動は、同図(b)に示すように、その動作自由度の端まで行き着いてメカニカルストッパに当接した後、出力電圧が基準電圧Vref に近づくにつれて動作自由度の中点に戻るといった不安定なものとなり、このため観察物体を見失いやすくなってしまうという問題がある。
【0013】
上記回動制御開始時の安定化時間を短くすれば、ジンバル懸架手段の挙動不安定化を抑制することが可能である。この回動制御開始時の安定化時間を短くする方法としては、図12(b)に示すように、CR回路92の抵抗94と並列にアナログスイッチ95を設け、このアナログスイッチ95により回動制御開始時に抵抗をショートさせる方法が一般的には考えられる。
【0014】
しかしながら、単眼鏡、双眼鏡等の光学装置においては、非常に狭いスペースに角速度センサ91が設けられるので、その基板上にアナログスイッチ95を設置するためのスペースを確保すること、さらにはコストの低減を図ることは極めて困難である。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、検出可能な振動を低周波領域まで広げるようにした上で、回動制御開始時におけるジンバル懸架手段の挙動安定化を図ることができる像安定化装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の像安定化装置は、正立プリズムを対物レンズと接眼レンズの間に配置した単眼鏡光学系もしくは双眼鏡光学系を有し、これら光学系の対物レンズおよび接眼レンズをケース内に固設してなる光学装置に搭載される像安定化装置であって、
前記光学装置の左右方向および上下方向に延びる2本の回動軸を有し、前記正立プリズムを前記ケースに回動自在に装着するジンバル懸架手段と、
該ジンバル懸架手段を該2本の回動軸の周りに回動せしめるアクチュエータと、
前記2本の回動軸周りの該ジンバル懸架手段の角度位置を各々検出する2つの角度位置検出手段と、
前記ジンバル懸架手段に固設された、前記2本の回動軸周りの該ジンバル懸架手段の角速度を検出する2つの角速度検出手段と、
前記角度位置検出手段および前記角速度検出手段により検出された角度位置および角速度に基づき、前記正立プリズムを慣性系に対して固定するよう前記アクチュエータを駆動し、前記ジンバル懸架手段の回動を制御するフィードバック制御手段と、
前記角速度検出手段の出力側に接続されたCR回路と、
前記ジンバル懸架手段の回動制御が開始されてから所定時間経過するまで、前記角度位置に基づくフィードバックループの利得を増大させる利得増大手段とを備え
前記CR回路の時定数τが、手ブレによる低周波領域の振動を検出可能な大きさに設定されるとともに、
前記所定時間は、電源スイッチがON状態となってから前記角速度検出手段の出力電圧が基準電圧V ref に収束するまでの時間と略同じ値、または前記時定数τと略同じ値に設定されてなることを特徴とするものである。
【0017】
角度位置に基づくフィードバックループの上記所定時間内における利得の特性は特に限定されるものではないが、これを、回動制御の開始直後は高い値に固定し、その後は徐々に減少するような特性に設定することが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
図2、3、4および5は、それぞれ本発明の実施形態に係る像安定化装置を双眼鏡に組み込んだ状態を示す平面断面図、正面断面図、側面断面図および斜視図である。図示されるように、本実施形態の像安定化装置20をケース30内に組み込んだ双眼鏡は1対の対物レンズ系1a,1b、1対の接眼レンズ系2a,2b、および1対の正立プリズム3a,3bを備えており、対物レンズ1a、接眼レンズ2a、正立プリズム3aは第1の望遠鏡系10a を構成し、対物レンズ1b、接眼レンズ2b、正立プリズム3bは同様に第2の望遠鏡系10b を構成し、この第1、第2の望遠鏡系10a ,10b 一対が双眼鏡系を構成している。
【0020】
この双眼鏡系を構成する一対の対物レンズ系1a,1bおよび接眼レンズ系2a,2bは本光学装置のケース30に固着されており、上記正立プリズム3a,3bは装置の上下方向(光軸の延びる方向および対物レンズ系1a,1bの配列方向に直交する方向)および装置の左右方向(対物レンズ系1a,1bの配列方向)に延びる回動軸6、106(図6参照)を有するジンバル懸架部材7、107を介して上記ケース30に回動自在に装着されている。
【0021】
また、ケース30の背面部には、メインスイッチ50、および後述する制御ループにおける利得の切換えを外部操作可能とする、利得切換指示用のモード切換スイッチ40が配設されている。
【0022】
以下、図6および図7を用いて本実施形態装置の前提となる基本機能について説明する。なお、本明細書中で、装置の上下方向とは図中矢印A方向を示し、装置の左右方向とは図中矢印C方向を示す。
【0023】
図6において上記正立プリズム3a,3bの装着されているジンバル懸架部材7、107がケース30に対して固定された状態、したがってジンバル懸架部材7、107に装着されている上記正立プリズム3a,3bがケース30に固定された状態では、本光学装置は通常の双眼鏡系の構成となるが、この時の各望遠鏡光学系10a ,10b の光軸4a,4bを本光学装置の光軸と称することとする。
【0024】
なお、上記対物レンズ系1a,1b、接眼レンズ系2a,2b、正立プリズム3a,3b、ジンバル懸架部材7、107および回動軸6、106等の適切な配設位置については公知文献(例えば特公昭57-37852号公報)に詳述されているので、ここでは省略する。
【0025】
図6に示すように、本実施形態装置では内側のジンバル懸架部材107 が外側のジンバル懸架部材7に軸支されており、ジンバル懸架装置が内外2重の構造となっている。外側のジンバル懸架部材7が装置の左右方向に延びる回動軸6により上下方向の像ブレを補正するように回動するのに対し、内側のジンバル懸架部材107 は装置の上下方向に延びる回動軸106 により左右方向の像ブレを補正するように回動する。正立プリズム3a,3bは、この内側のジンバル懸架部材107 に装着されている。なお、この図6においては、上下の関係が図2〜5のものとは逆となるようにして示されている。
【0026】
また、外側のジンバル懸架部材7 の上側壁部の中央部分には角速度センサ8が固設されており、一方、 内側のジンバル懸架部材107 の前側壁部の中央部分には角速度センサ108が固設されている。角速度センサ8が、ケース30の上下方向のブレに伴なって外側のジンバル懸架部材7が矢印B方向に回動した場合に、この回転角速度ω1 を検出するセンサであるのに対し、角速度センサ108 は、ケース30の左右方向のブレに伴なって内側のジンバル懸架部材107 が矢印D方向に回動した場合に、この回転角速度ω2 を検出するセンサである。
【0027】
また、上記回動軸6の一端には、上記検出角速度による速度フィードバック制御に加えて位置フィードバック制御を行なうため回動軸6の回転角度θ1 を検出するポジションセンサ9が取り付けられており、上記回動軸6の他端には、上記角速度センサ8および上記ポジションセンサ9からの検出値に基づき、正立プリズム3a,3bをケース30のブレに対し常に初期の姿勢に戻すようにジンバル懸架部材7の回動軸6を回動せしめる回転駆動モータ5が取り付けられている。一方、上記回動軸106 の一端には、上記検出角速度による速度フィードバック制御に加えて位置フィードバック制御を行なうため回動軸106 の回転角度θ2 を検出するポジションセンサ109 が取り付けられており、上記回動軸106 の他端には、上記角速度センサ108および上記ポジションセンサ109からの検出値に基づき、正立プリズム3a,3bをケース30の左右方向のブレに対し常に初期の姿勢に戻すように内側のジンバル懸架部材107 の回動軸106 を回動せしめる回転駆動モータ105 が取り付けられている。
【0028】
次に、本実施形態装置の制御ループの基本的概念を図7により説明する。図示するように、この装置は角速度センサ8からの角速度信号およびポジションセンサ9からの角度信号を各々増巾する増幅器11a ,11b と、これらの角速度信号および角度信号に基づき、正立プリズム3a,3bを元の姿勢に戻すように回転駆動モータ5の駆動量を演算し、この演算に基づく制御信号を出力するCPU12と、このCPU12からの制御信号を増幅して回転駆動モータ5を駆動するモータ駆動回路13を備えている。また、CPU12には、各種プログラムが格納されたROM12a、および該CPU12にこの制御ループの利得の切換を指示するモード切換スイッチ40が接続されている。一方、角速度センサ108 およびポジションセンサ109 からの検出信号は、上記角速度センサ8および上記ポジションセンサ9からの検出信号と同様に、図7に示す制御ループと同様の制御ループによって制御信号に変換され、この制御信号により回転駆動モータ105 が駆動される。
【0029】
したがって本実施形態装置では、外側と内側の2つのジンバル懸架部材7,107を各々元の姿勢に戻すために2組の制御ループが必要となるがCPU12は共通のものを用いればよい。
【0030】
次に、図1を用いて上記制御ループの詳細な構成について説明する。
なお、この制御ループは速度(角速度)フィードバックループと位置(角度)フィードバックループの2重の帰還ループから構成されており、また、この制御ループはCPU12のマイコンプログラムによるソフト的なループとハード的なループの組合せにより構成されている。
【0031】
まず、速度フィードバックループはジンバル懸架装置70(7,107)の回動軸6,106 周りの角速度ωを角速度センサ61(8,108 )により検出し、この検出値をハード的な増幅器62 により増幅した後、減算器66および増幅器67を介して上記検出値ωをモータ駆動系68に負帰還させる(第1の速度フィードバックループ)。これによりモータ69 に逆向きの回転トルクを発生させ、手ブレ等の振動に抗してジンバル懸架装置70 を元の姿勢に戻すように、すなわち角速度の大きい振動に対しては上記正立プリズム3a,3bが地球(慣性系)に対して固定されるような制御がなされることになる。
【0032】
また、この速度フィードバックループでは角速度センサ61により検出された検出値を減算器63および増幅器64を介して積分器65に入力せしめ、この後積分器65からの出力値と、減算器66において上記増幅器62から直接入力された検出値を減算処理し、その減算結果をこのモータ駆動系68に負帰還させている(第2の速度フィードバックループ)。このように角速度センサ61による検出値を積分器65を介して負帰還させることで速度指令に対して定常偏差が0の場合でも、すなわちフィードバックループの速度入力値と速度出力値が等しい場合でも制御系を機能させることができ、これとともにループゲインを2重にできるためジンバル懸架装置70の高速安定化を図る(スタビ精度を上げる)ことができる。
【0033】
なお、上記積分器65は入力値を平均化する機能を有し、その出力値が減算器66において検出角速度値との間で減算されるため、上記第1の速度フィードバックループの発振を防止するダンパ的機能を有しているともいえる。
【0034】
一方、上記位置フィードバックループはジンバル懸架装置70 の回動軸6,106 周りの角度位置θをポジションセンサ81(9,109 )により検出し、この検出値をハード的な増幅器82 により増幅した後モータ駆動系68 に戻すことにより、回転駆動モータ69 (5,105 )がジンバル懸架装置70を視軸中点の角度位置θ0に近づけるように制御するものである。
【0035】
なお、双眼鏡等の光学装置においては、大きくパンニングあるいはチルティングを行う場合があり、このような場合に上記速度フィードバックループのみを用いた制御であると、パンニングあるいはチルティングに対する応答性が悪く、また、そのためにジンバル懸架装置70 が大きく回動してケース30 の可動限界端部に衝突してしまうおそれがある。
【0036】
そこで、この位置フィードバックループでは、ジンバル懸架装置70 が大きく回動したことが検出された場合、その検出値に応じた信号をモータ駆動系68 に戻すようにして、ジンバル懸架装置70 を視軸中点方向に強力に戻すようモータ69 を駆動させる。これにより、パンニングあるいはチルティング時等において、ジンバル懸架装置70 がケース30 の可動限界端部に衝突する不測の事態を防止するとともに、パンニングあるいはチルティングを行う場合に、その追従性を良好なものとしている。
【0037】
この位置フィードバックループにおいては、基本的にはポジションセンサ81からの検出信号が第1増幅器83を介して帰還されるように構成されている。この第1増幅器83の増幅率は、図9に実線で示すようにジンバル懸架装置70の回動角度が増大するに従って徐々に増大するリニアな特性を有しているが、その傾斜角は比較的小さい値に設定されている。すなわち、この第1増幅器83は、位置フィードバックループの利得(ポジションゲイン)を比較的小さく抑えるように設定されており、これにより防振性能を重視したモード(防振モード)とするようになっている。
【0038】
ところで、実際に双眼鏡を使用する際には、鳥や飛行機等の飛行物体を追従しながら観察することも多く、このような場合には素早いパン/チルト操作、特に素早いパンニングが要求される。このようなパンニングの操作では装置内の光学系が観察物体の移動方向にスムーズに追従していくことが必要となるから、振動に抗して光学系を元の位置に固定しようとする上記防振機能とは相反する機能が必要とされ、このようなパン/チルト操作を行う場合には、むしろ上記防振機能を無効状態とする必要がある。
【0039】
そこで、本実施形態においては、増幅率が小さい第1増幅器83 と並列で増幅率が大きい第2増幅器84 を位置フィードバックループ内に配設するとともに、ソフトスイッチ部85により第1増幅器83および第2増幅器84間の切換えを行い得るように構成されている。この第2増幅器84の増幅率は、図9に破線で示すようにジンバル懸架装置70の回動角度が増大するに従って徐々に増大するリニアな特性を有しているが、その傾斜角は第1増幅器83よりもかなり大きい値に設定されている。
【0040】
ソフトスイッチ部85の切換えは、ケース30の背面部に設けられたモード切換スイッチ40を、操作者が状況に応じて切換操作することにより行われる。そして、ソフトスイッチ部85が第2増幅器84に接続されたときには、ポジションゲインが大きくなるように設定され、これにより追従性能を重視したモード(パンニングモード)とするようになっている。
【0041】
ところで、角速度センサ61(91)からの出力電圧は、図10(a)に示すように、電源スイッチ89がONになると、一旦Vccまで急速に上昇した後、徐々に基準電圧Vref (=Vcc/2)に向かって収束する。そしてこの間におけるジンバル懸架装置70の挙動は、一般には同図(b)に2点鎖線で示すように、その動作自由度の端まで行き着いてメカニカルストッパに当接した後、出力電圧が基準電圧Vref に近づくにつれて動作自由度の中点に戻るといった不安定なものとなってしまう。これに対し、角速度センサ61(91)の出力側に設けられるCR回路(図12(a)参照)の時定数τ(=CR)を小さくすることによりある程度はジンバル懸架装置70の挙動安定化を図ることは可能であるが、このようにした場合には手ブレ等のような低周波領域の振動を検出することが困難となる。
【0042】
そこで本実施形態においては、検出可能な振動を低周波領域まで広げるようにした上で、回動制御開始時におけるジンバル懸架装置70の挙動安定化を図るべく、以下のような構成が採用されている。
【0043】
すなわち、図1に示すように、第1増幅器83と並列で増幅率が大きい第3増幅器86を配設するとともに、ソフトスイッチ部87により第1増幅器83および第3増幅器86間の切換えを行い得るように構成されている。そして、このソフトスイッチ部87の切換えは、自動モード切換スイッチ88からの出力信号により行われるようになっている。
【0044】
この自動モード切換スイッチ88は、電源スイッチ89からの制御開始信号入力により、ソフトスイッチ部87を所定時間(これについては後述する)だけ第3増幅器86に切り換えた状態とし、その後ソフトスイッチ部87を第1増幅器83に切り換えるようになっている。
【0045】
第3増幅器86の増幅率は、図9に1点鎖線で示すようにジンバル懸架装置70の回動角度が増大するに従って徐々に増大するリニアな特性を有しているが、その傾斜角は第1増幅器83よりもかなり大きい値に設定されている。
【0046】
図11に示すように、上記所定時間(すなわちソフトスイッチ部87が第3増幅器86に切り換えられている時間)は、時間Δtに設定されている。この時間Δtは、図10(a)において電源スイッチ89がONになってから、角速度センサ61(91)からの出力電圧が基準電圧Vref (=Vcc/2)に収束するまでの時間Δtと同じ値に設定されている。そして、この第3増幅器86の増幅率は、図11に示すように、電源スイッチ89のONになった直後の短い時間Δt1は高い値に固定されており、その後の時間Δt2(=Δt−Δt1)は徐々に増幅率が減少するように設定されている。この間におけるジンバル懸架装置70の挙動は、図10(b)に実線で示すように、動作自由度の中点から幾分回動した後に元の中点に戻るようなものとなる。そしてこれにより、ジンバル懸架装置70の挙動は、同図に2点鎖線で示す従来例に比して大幅に安定したものとなる。
【0047】
以上詳述したように、本実施形態においては、ジンバル懸架装置70の回動制御が開始されてから時間Δt経過するまで第3増幅器86を選択して増幅率を増大させることによりフィードバックループの利得を増大させるようになっているので、角速度センサ61(91)の出力側に設けられるCR回路92の時定数τを、手ブレ等のような低周波領域の振動を検出することができる程度の大きい値に設定した場合においても、回動制御開始時におけるジンバル懸架装置70の挙動安定化を図ることができる。そしてこれにより、観察物体を見失うことなくスムーズに像安定化制御に移行することができる。
【0048】
しかも本実施形態においては、第3増幅器86の増幅率が、電源スイッチ89のONになった直後の短い時間Δt1は高い値に固定される一方、その後の時間Δt2は徐々に増幅率が減少するように設定されているので、フィードバックループの利得が不必要に増大するのを防止することができ、これにより像安定化制御への移行をよりスムーズに行うことができる。
【0049】
ところで本実施形態においては、回動制御開始時におけるジンバル懸架装置70の挙動安定化を図るためのフィードバックループの利得増大時間が、角速度センサ61(91)からの出力電圧が基準電圧Vref に収束するまでの時間Δtと同じ値に設定されているが、これを例えば角速度センサ61(91)の出力側に設けられるCR回路92の時定数τ(τ<Δt)と同じ値に設定するようにしても、本実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。
【0050】
なお、前述の正立プリズム3a,3bとしてはシュミット(Schmidt)の正立プリズム、アツベ(Abbe)の正立プリズム、バウエルン フエント(bauern fend)の正立プリズム、ポロの正立プリズムおよびダハの正立プリズム等があるが、このうち図8にはシュミットの正立プリズムを示す。シュミットの正立プリズムは図に示すようにプリズム23とプリズム24から構成されており、プリズム24の一部25がダハ反射面となっている。このような正立プリズムでは図示するように入射光軸21と射出光軸22を同一直線上にとることのできる入射光軸の位置が存在する。このような入射光軸21と射出光軸22を同一直線上にとることのできる正立プリズムにおいては、図8に示す如く、光軸21より上側にhだけ離れた、該光軸21に平行な光線21′は、上記正立プリズムを通った後は射出光軸22より下側にhだけ離れた、光軸22に平行な光線22′になるという性質を持っている。
【0051】
また、上記角速度センサ8、108は、円柱状等の柱状振動子と複数個の圧電セラミックからなる、コリオリの力を利用した圧電振動ジャイロセンサであって、柱状振動子の側面に少なくとも2個の検出用圧電セラミックと少なくとも1個の帰還用圧電セラミックを設けてなる。
【0052】
各検出用圧電セラミック からは振動に応じて値の異なる検出信号が出力され、これらの差分を演算することにより角速度を得る。
なお、帰還用圧電セラミックは検出信号の位相補正用に使用される。
【0053】
この角速度センサ8、108は構造が簡単で超小型であることから像安定化装置20自体を構造簡単かつ小型とすることができる。また、高S/N比で高精度であるから角速度制御を高精度とすることができる。
【0054】
なお、本発明の像安定化装置としては上記実施形態のものに限られるものではなく、その他種々の態様の変更が可能であり、例えば、角速度検出手段としては、円柱状振動子タイプの圧電振動ジャイロセンサの他、三角柱振動子タイプ、四角柱振動子タイプや音叉状振動子タイプ等の種々のタイプの振動子を用いた圧電振動ジャイロセンサを使用することが可能であり、さらに、その他の種々の角速度センサを使用することが可能である。
【0055】
なお、角度位置検出手段としては、上記ポジションセンサに代えてレゾルバ、シンクロ、ロータリエンコーダ等の種々の角度センサを用いることができる。
また、上記実施形態装置は双眼鏡に適用するための構成とされているが、本発明の像安定化装置としては単眼鏡に適用し得る構成とすることも可能である。また、ビデオカメラ等のカメラに搭載しても同様の効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】
本願発明の像安定化装置によれば、ジンバル懸架手段の回動制御が開始されてから所定時間経過するまで、角度位置に基づくフィードバックループの利得を増大させるように構成されているので、角速度検出手段の出力側に設けられるCR回路の時定数を手ブレ等のような低周波領域の振動を検出することができる程度の大きい値に設定した場合においても、回動制御開始時におけるジンバル懸架手段の挙動安定化を図ることができる。そしてこれにより、観察物体を見失うことなくスムーズに像安定化制御に移行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る像安定化装置の制御ループを示すブロック線図
【図2】本発明の実施形態に係る像安定化装置を内蔵した双眼鏡を示す平面断面図
【図3】 本発明の実施形態に係る像安定化装置を内蔵した双眼鏡を示す正面断面図
【図4】本発明の実施形態に係る像安定化装置を内蔵した双眼鏡を示す側面断面図
【図5】本発明の実施形態に係る像安定化装置を内蔵した双眼鏡を示す斜視図
【図6】本発明の実施形態に係る像安定化装置の機能を説明するための装置概略斜視図
【図7】本発明の実施形態に係る像安定化装置の機能を説明するためのブロック図
【図8】図2に示す正立プリズムを説明するための側面図
【図9】本発明の実施形態に係る像安定化装置の第1、第2および第3増幅器の増幅率を示す図
【図10】本発明の実施形態に係る像安定化装置の角速度センサからの出力電圧特性およびジンバル懸架装置の挙動を示す図
【図11】上記第3増幅器の増幅率の特性を示す図
【図12】角速度センサの出力側の構成を示す図であって、同図(a)は一般的な構成であり同図(b)は考え得る構成
【図13】従来例を示す、図10と同様の図
【符号の説明】
1a,1b 対物レンズ(対物レンズ系)
2a,2b 接眼レンズ(接眼レンズ系)
3a,3b 正立プリズム
4a,4b 光軸
5,105 回転駆動モータ
6,106 回動軸
7, 107 ジンバル懸架部材
8,61,91,108 角速度センサ
9,81,109 ポジションセンサ
10a ,10b 望遠鏡光学系
12 CPU
12a ROM
30 ケース
40 モード切換スイッチ
68 モータ駆動系
70 ジンバル懸架装置
83 第1増幅器
84 第2増幅器
85,87 ソフトスイッチ部
86 第3増幅器
88 自動モード切換スイッチ(利得増大手段)
89 電源スイッチ
92 CR回路
93 コンデンサ
94 抵抗

Claims (2)

  1. 正立プリズムを対物レンズと接眼レンズの間に配置した単眼鏡光学系もしくは双眼鏡光学系を有し、これら光学系の対物レンズおよび接眼レンズをケース内に固設してなる光学装置に搭載される像安定化装置であって、
    前記光学装置の左右方向および上下方向に延びる2本の回動軸を有し、前記正立プリズムを前記ケースに回動自在に装着するジンバル懸架手段と、
    該ジンバル懸架手段を該2本の回動軸の周りに回動せしめるアクチュエータと、
    前記2本の回動軸周りの該ジンバル懸架手段の角度位置を各々検出する2つの角度位置検出手段と、
    前記ジンバル懸架手段に固設された、前記2本の回動軸周りの該ジンバル懸架手段の角速度を検出する2つの角速度検出手段と、
    前記角度位置検出手段および前記角速度検出手段により検出された角度位置および角速度に基づき、前記正立プリズムを慣性系に対して固定するよう前記アクチュエータを駆動し、前記ジンバル懸架手段の回動を制御するフィードバック制御手段と、
    前記角速度検出手段の出力側に接続されたCR回路と、
    前記ジンバル懸架手段の回動制御が開始されてから所定時間経過するまで、前記角度位置に基づくフィードバックループの利得を増大させる利得増大手段とを備え
    前記CR回路の時定数τが、手ブレによる低周波領域の振動を検出可能な大きさに設定されるとともに、
    前記所定時間は、電源スイッチがON状態となってから前記角速度検出手段の出力電圧が基準電圧V ref に収束するまでの時間と略同じ値、または前記時定数τと略同じ値に設定されてなることを特徴とする像安定化装置。
  2. 前記角度位置に基づくフィードバックループの前記所定時間内における利得が、前記回動制御の開始直後は高い値に固定され、その後は徐々に減少するような特性に設定されていることを特徴とする請求項1記載の像安定化装置。
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