JP4033344B2 - 眼鏡レンズ設計方法及び眼鏡レンズ - Google Patents

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    • G02C2202/06Special ophthalmologic or optometric aspects

Description

【技術分野】
【0000】
本発明は、眼鏡レンズ設計方法及びその設計方法によって設計された眼鏡レンズに関する。
【背景技術】
【0001】
眼球運動おいてリスティング則とは、眼球が遠方前方を見るとき(第一眼位)、眼球回旋点を含み、その眼位に垂直な面(リスティング面)内に眼球運動の回転軸があることをいう。そうすると、乱視眼鏡を装用したさい、眼鏡主経線(ガウスの曲面での直交する縦線と横線の2本の線を示す。以下同様)に沿って眼球が第一眼位よりリスティング則に従い回転する場合は、眼鏡主経線とリスティング則に従い回転した座標系の軸は互いに平行になり、挟む角は0となる。
しかし、眼鏡主経線と異なる方向に変化する場合、眼鏡主経線とリスティング則に従い回転した座標軸との挟む角は0とはならなくなり、角ずれが起こる。
【0002】
この座標系の角ずれを考慮することにより、正確な非点収差、像面湾曲(度数誤差ともいう)が計算できるようになる。
特開昭57−10112号公報(以下、従来技術1という)にはその眼球運動(リスティング則)を考慮した眼鏡レンズ設計方法が開示されている(前記従来技術1の図5等参照)。
一方、レンズ設計において、収差補正の過程では、例えば 特公平2−38930号公報に開示するように、いくつかの種類の収差、レンズ形状等の評価関数を、最適化計算にて、最小計算することが知られている。
【0003】
この最適化計算は眼鏡レンズの設計では周知技術であるが、概略的に説明すると、例えば、単焦点非球面レンズの設計を例にとると、基本的な設計仕様として、レンズの素材に関するデータと処方に関する仕様とが与えられ、更に付加的な仕様としてプラスレンズの場合には中心厚といった事項を入れたり、それらを満足し、かつ、光学収差ができるだけ少ない前面と後面の屈折面形状の組み合わせを計算により求めていく。前記屈折面は関数で数式化された面として表現されており、眼鏡レンズを定義する複数のパラメータから構成される。そのパラメータには、素材の屈折率、レンズ外径、前面及び後面の曲率半径、中心厚、非球面円錐係数、高次非球面係数等がある。この中で、固定的なファクターと可変的なファクターとにレンズ設計目的に応じて区分し、可変的ファクターは変数パラメータとして取り扱う。
【0004】
そして、光線追跡法や波面追跡法を用いて、この屈折面上での光軸からの距離が異なる複数の評価点をレンズ面に設定し、その評価点における光学的収差を評価関数(メリット関数)として表し、その評価関数が最小になるように、減衰最小自乗法などの最適化計算の手法を用いて計算する。その際、前記屈折面の可変パラメータを操作しながらそのシミュレーションが繰り返し実施され、目標とする値になったところで、屈折面の最終形状が決定される。
【0005】
一般的に、前記最適化計算において評価関数(メリット関数)を構成するパラメータとして、非点収差と像面湾曲が知られており、従来からの設計方法で、例えば、レンズが前面、後面とも球面設計の場合、図11に示すように、焦点Ft、Fsを近軸光線追跡より求めた焦点Dを基準として、光線追跡法により求めた2つの焦点位置をディオプター単位で表示した収差を、t(タンゼンシャルエラー)、s(サジタルエラー)とすると、非点収差 =(t−s)が最小のレンズは、チェルニングフォーム、像面湾曲 =(t+s)/2を最小にしたレンズは、パーシバルフォームと呼ばれている。また、特公昭42−9416号公報には、t、sを複雑に組み合わせ、横収差として表現した評価関数が開示されている。
【0006】
また、前記の設計最適化計算において、歪曲収差も重要な評価関数であることは知られており、それを考慮して設計することが、例えば、特開昭55−59425号公報(以下、従来技術2)やAPPIED OPTICS Vol.21、No.162982−2991:Milton Katz 著(以下、従来技術3という)に提案されている。
また、レンズ屈折面形状には球面、乱視面のほかに自由曲面の一つとしてアトーリック(ATORIC)面が知られている。そのアトーリック面の表現に用いる式として、特開昭62−30216号公報(従来技術4)にはてスプライン関数を使用することが開示され、国際公開番号WO93/07525号公報(以下、従来技術5という)には、xyの直交関数を使用した式が開示されている。
【0007】
しかしながら、近年、視力は、脳内処理と密接な関係があることが明らかになっており、主に網膜上の像とその像の網膜及び脳の処理により構成されていることがわかっている。
一方、いままでの眼鏡レンズの設計においては、レンズの光学性能が上がれば、眼鏡レンズの性能が上がるという考え方が支配的であった。
例えば、前述の最適化計算の手法において、従来の評価関数は、図11における遠点球面(FPS)で、光線追跡法により計算された、像の大きさ、収差等のt(タンゼンシャルエラー)、s(サジタルエラー)を代表する光学計算のみの評価によるものであり、更に、像面または網膜面も眼球運動等の眼生理学機能を考慮にせず、カメラのフィルム面のように取り扱うものである。
【0008】
また、歪曲収差に関して、前記従来技術3も前述のようにカメラの光学量のように取り扱っているため、眼鏡において使用されている視角倍率M(例えば、光学 第19巻第10号「再び角倍率について」三宅和夫)に基づく評価関数とは異なるものであり、更に、乱視レンズや、眼球運動を考慮した設計についても開示がない。また、前記従来技術2は、その具体的技術内容が開示されず、その実態は不明である。
一方、レンズ設計において、より表現に自由度を有するアトーリック面に関して、前記従来技術4に開示するスプライン関数の採用は、自由な面形状を表現できる反面、基本的に面の表現の精度が足りないという問題点がある。更に、前記従来技術5では、リスティング則を用いた眼球運動の特性を利用しておらず、不十分な光学面となっている。
また、従来技術1は、リスティング則を用いて眼球運動を考慮した設計方法が開示されている。しかし、ここでは、前記の技術的思想の説明が主体であり、具体的なレンズ設計では、光学計算より導出された非点収差のみで性能評価がなされており、最適化計算での評価関数が不十分である。
【0009】
また、レンズ面の表現について具体的開示がない。
さらに、この従来技術1は根本的には、光学性能が上がれば、眼鏡レンズの性能が上がるといういままでの眼鏡レンズの設計であって、視力との関係について一切考慮されていない。
このように、眼鏡レンズの性能を網膜上の光学的量、収差等のみの指標で評価するのは、前述のように網膜、脳の処理及び眼球運動という観点が考慮されておらず、生体のシミュレーションとして不正確であることがわかる。
【0010】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、視力の向上をはかった高性能の眼鏡レンズ及びその設計方法を提供することを目的とする。
【発明の開示】
【0011】
上述の課題を解決するための第1の発明は、
眼球運動(リスティング則)を考慮にいれた眼鏡レンズ設計方法であって、レンズ設計の最適化計算処理において用いられるメリット関数が視力測定値Vから導出された視力評価関数(logMAR)を備えていることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法である。
【0012】
ただし、視力評価関数(logMAR)は、像面湾曲を眼鏡レンズの収差とし、残留非点収差をリスティング則を考慮した眼鏡レンズ設計から定義する非点収差とするとき、下記(1)式で表されるものとする。
視力評価関数(logMAR)=log10(1/V(像面湾曲、残留非点収差)) …(1)
【0013】
第2の発明は、第1の発明の眼鏡レンズ設計方法において、前記視力測定値Vを、V=2-XK (ただし、K={(残留S度数+残留C度数/2)2+(残留C度数/2)21/2、Xは実測データにより、0.5〜2の間の係数である。)とするとき、前記視力評価関数(logMAR)が、近似式である下記(2)式で表されることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法である。
視力評価関数(logMAR)=X×log102× {像面湾曲2+(残留非点収差/2)21/2 …(2)
【0014】
第3の発明は、第1の発明の眼鏡レンズ設計方法において、前記メリット関数が歪曲収差に関する評価関数(残留歪曲収差DIST)を含み、前記評価関数が下記(3)式で表されることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法である。
残留歪曲収差DIST=Sign×100×(残留視角倍率の絶対値/ 中心の視覚倍率M 0 の絶対値) …(3)
ただし、・残留視角倍率はリスティング則を考慮した眼鏡レンズ設計から定義し た歪曲収差である。
・Signは正負の符号である。
【0015】
第4の発明は、第1乃至第3の発明のいずれかに記載のレンズ設計方法において、前記メリット関数を、前面が軸対称非球面、後面が下記(4)式で表される非球面を備えた両面非球面レンズのレンズ設計の最適化計算に用いることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法である。
【数2】
Figure 0004033344
ただし、・c(θ)、k(θ)は方位角θの関数である。
・a(n,θ)は距離rのn次と、方位角θの関数である。
・乱視レンズの面対称性により、方位角θの定義域は、0度から90度 までで、0度から360度を表す。
・c(θ)は、レンズ中心の曲率で、ガウスの曲面論での眼鏡主経線の
曲率を、0度でc(0)、90度でc(90)とすると、オイラーの
定理より下記(5)式で表される。ただし、この場合、0度を球面度
数の軸、90度を乱視度数の軸とする。
c(θ)=c(0)・cos2θ+c(90)・sin2θ …(5)
・k(θ)は前記c(θ)と同様、前記(5)式の記号cを記号kに
置き換えた式を表す。
・a(n,θ)は、面の連続性と面対称性の要件を満たすものであり、
さらにリスティング則により発生する角ずれによる収差を制御可能な
面という要件を満たす面であって、更に、以下の〔1〕〜〔4〕の条件
を満たすものである。
〔1〕:0度から90度まで方位角θの関数関係を持つ。
〔2〕:0度と90度で方位角θの1次微係数が0である。
〔3〕:高次の微係数は連続である。
〔4〕:方位角0度と90度間の関数の角θでのa(n,θ)の値を
制御可能な制御パラメータ群:Ps(n)を持つこと(ただ
し、sは1〜3が好ましくで、nは前記(4)式での次数を
意味する。
【0016】
第5の発明は、第4の発明に記載の眼鏡レンズ設計方法において、
前記(4)式のa(n、θ)が、方位角θが0、45、90度である場合のaをそれぞれa(n、0)、a(n、45)、a(n、90)としたとき、方位角θの4次式である下記(6)式で表されることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法である。
a(n,θ)=a(n,0)+(−11・a(n,0)+16・a(n,45)−
5・a(n,90))・θ2/(4・902)+(9・a(n,0)−
16・a(n,45)+7・a(n,90))・θ3/(4・903
+(−2・a(n,0)+4・a(n,45)−2・a(n,
90))・θ4/(4・904) …(6)
ただし、制御パラメータは中心からの距離rの次数nに対し1つで、制御パラメー タP1(n)はa(n,45)である。
【0017】
第6の発明は、第4の発明に記載の眼鏡レンズ設計方法において、
前記(4)式のa(n,θ)が、方位角θが0、90度である場合のaを、それぞれa(n、0)、a(n、90)としたとき、下記(7)式で表されることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法である。
a(n,θ)=a(n,0)・cos2θ+a(n,90)・sin2θ+
P1(n)・sin2(2・θ) …(7)
ただし、制御パラメータは中心からの距離rの次数nに対し、1つの
制御パラメータP1(n)とする。
【0018】
第7の発明は、第1乃至第6の発明のいずれかに記載の眼鏡レンズ設計方法によって設計されたことを特徴とする眼鏡レンズである。
【発明の効果】
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
視力に関する、網膜、脳の処理に関する文献として、Optmetric Monthly、 Nov。: 31−32 1981:Robert N.Kleinstein著)がある(以下、文献1という)。
上記文献1の図には、横軸に眼鏡用語としてS度数、縦軸にC度数を取り、分数視力値で、視力測定値を表現した図が示されており、眼鏡レンズ装用者に眼鏡をはずしてもらい、視力測定を行った実験がなされている。そこで、眼鏡レンズの設計において、この文献1をメリット関数の評価関数として使用するには、前記実験とは逆に、正常眼者が収差のある眼鏡をかけた時の視力の落かたを表す評価データとするため、横軸値S、縦軸値Cの符号反転した、横軸を残留S度数、縦軸を残留C度数とした測定値に改良する。
【0020】
前記図12には、実測データとしては、5〜15才、25〜35才、45〜55才のデータがあるが、調節力が影響していない仮想視力測定値を使用することが好ましいので、本文献1からは、便宜上、45〜55才のデータを用いた。
【0021】
上記残留S度数、残留C度数は、後述するように光学計算による非点収差、像面湾曲と関係づけられる。しかし、前述のように従来のリスティング則を考慮していない眼鏡レンズ設計では、2本の眼鏡主経線に沿っての眼球回転以外の部分では、正しく非点収差、像面湾曲を計算できない。そのため、前記文献1の視力測定の測定値を、レンズの全部の面で評価関数として使用するには、リスティング則を考慮した、新たなるレンズ収差(非点収差、像面湾曲)計算を備えた眼鏡レンズ設計システムが必要とされる。
【0021】
(レンズ収差(非点収差、像面湾曲)計算を備えた眼鏡レンズ設計システム)
図1は本発明の実施の形態にかかる眼鏡レンズ設計方法の要素となる一つのモデルを説明する図であり、図11はそれと対比関係にある従来のモデルを説明する図である。
【0022】
図1に示した乱視レンズのS,C軸を通る光線の場合は、従来の設計システムの図11に示す場合と同様な計算が成り立つ。
しかし、図1で、乱視レンズのS、C軸以外のレンズ放射方向の軸上では、眼球運動を考慮した非点収差、像面湾曲を計算する必要があり、それは、以下の方法で計算する。
以下、リスティング則を考慮した眼鏡レンズ設計システムにおける残留S度数、残留C度数と非点収差、像面湾曲との関係を簡単に説明する。
【0023】
I.(非点収差及び像面湾曲)
リスティング則を考慮にいれた従来技術1において、眼鏡主経線と異なる方向に回転する場合、眼鏡主経線とリスティング則に従い回転した座標軸との挟む角は0とはならなくなる。上記従来技術1に記載の通りのような角ずれを発生する場合、典型的には基準非点収差(レンズ中心での乱視量と乱視軸)の絶対値と同一値の非点収差の絶対値とをもつ非点収差であっても、非点収差がベクトル値のような方向を持っているため、新たに0でない値の残留非点収差が発生する。
前記残留非点収差の計算法に関しては、例えば従来技術1に開示するような乱視レンズと乱視レンズの残留非点収差の計算法を応用することができる。
【0000】
また、もう一つのファクターの像面湾曲は、ベクトルに関係しないスカラー量であるためリスティング則による座標変化では変化しない。
【0024】
I−1.(残留非点収差)
従って、上記残留非点収差と像面湾曲、残留S度数、残留C度数の関係は、
(1)残留非点収差が正の場合、以下(a),(b)の式にて関連付けられる。
残留S度数=像面湾曲−残留非点収差/2 …(a)
残留C度数=残留非点収差 …(b)
(2)光学計算において残留非点収差が負になった場合、残留C度数は定義が正である ため、眼鏡の度数変換と同様の考えで、以下の(c),(d)式にて関連付けら れる。
残留S度数=像面湾曲+残留非点収差/2 …(c)
残留C度数=−残留非点収差 …(d)
【0025】
II.(光学性能からみた生体の非線形な性質が考慮されたメリット関数の導出)
前記の文献1の図12を分析すると、まず、横軸(残留S度数)が原点に対して対称ではないことがわかる。さらに縦軸(残留C度数)も、生体に特有の非線形なデータになっている。
【0026】
例えば、横軸値の絶対値が同じであって符号が異なる視力値を見ていくと、単純な関数関係を持たないことがわかる。そのため、生体に特有の非線形な性質を考慮しないで、光学計算において直接最適化計算を行った場合、視力値は光学性能値に対して非線形あるため、必ずしも、設計されたレンズを通した視力が上がることを意味しない。
【0027】
そこで、本発明の実施の形態では、まず、図12の分数視力測定値データから分数視力の補間関数Vを用意する。具体的には、横軸値(残留S度数)、縦軸値(残留C度数)を、離散値(0.1〜1ディオプトリー刻み)によって視力値をとり、公知の補間法を用いて、連続の残留S度数、残留C度数であっても補間関数Vが算出可能な式(e)を作成する。
【0028】
数式で表すと、
補間関数V=V(残留S度数、残留C度数) …(e)
となる。
この補間関数Vを使い、前述のレンズの残留非点収差、像面湾曲を計算し、(a),(b)式または(c),(d)式にて残留S度数、残留C度数に代入する。
すると下記(f)式のように、光学的な計算より求めた右辺、実測の視力値である左辺というように、光学値と視力値とが関連づけられる。
補間関数V=V(像面湾曲、残留非点収差) …(f)
【0029】
(f)式のまま評価関数としても使用できるが、非線形性が強いので、最適化計算にベストの状態ではない。
そこで、さらに、視力表示の定義式である視力評価関数logMARにて表現した下記(g)式の関係に変形する。
視力評価関数(logMAR)=log10(1/V(像面湾曲、残留非点収差)) …(g)
【0030】
以上の処理により、生体の光学性能よりみた非線形な性質が考慮された評価関数が導出される。
もちろん、生体の視力は、年齢、測定環境等で大きく変化する。
ただ、実務的には、上記基本的な手法では、最適化計算において、計算量が大きくなる。
【0031】
そこで、前述の補間関数Vが算出可能な(e)式の代わりに、以下の(h),(i)式のような簡単な近似式を使用することも可能である。
V=2-XK …(h)
ただし、・Kは、次の(i)式で表される。
K={(残留S度数+残留C度数/2)2+(残留C度数/2)21/2 …(i)
・Xは、実測データによって、0.5〜2の間の係数である。
【0032】
上記の場合、Vのまま評価関数としても良いが、上記基本的な手法で説明したのと同様に、視力評価関数logMARとの関係は以下の式にて関連付けられる。
視力評価関数(logMAR)=X×log102×{像面湾曲2
(残留非点収差/2)21/2 …(j)
また、近似式は実測視力資料中のほかに年齢による測定値を加えたり、他の視力測定データを使用して変形処理したりすることもできる。例えば(h)式をXの可変範囲の中という条件下で次式V=3―K のような変形が可能である。すると(j)式は以下のようなる。
視力評価関数(logMAR)=log103× {像面湾曲2+(残留非点収差/2)21/2
【0033】
III.(リスティング則を考慮にいれた歪曲収差)
さらに、視力値には無関係である眼鏡にとって矯正すべき収差として、歪曲収差がある。
これは、主に装用初期の揺れ、歪みの原因として広く知られている。
従来、眼鏡の歪曲は視角倍率(例えば、光学 第19巻第10号「再び角倍率について」三宅和夫著作等参照)として表現されている。
中心の視角倍率をM0として式で表現すると、次の(k)式のようになる。
中心の視角倍率M0=lim射出角→0(tan(射出角)/tan(入射角)) …(k)
【0034】
ここで、中心の視角倍率M0は近軸光学計算により容易に計算できる。 中心の視角倍率M0の簡単な説明をする。射出光線が眼球入射瞳中心を通る場合において、中心の視角倍率M0は眼鏡倍率と呼ばれている。
また、周辺の視角倍率をMとすると、この視覚倍率Mは次の(l)式で表される。
周辺の視角倍率M=tan(射出角)/tan(入射角)…(l)
そうすると、眼鏡の歪曲収差(DIST)は、(k)、(l)式より、次の(m)式で表わされる。
歪曲収差DIST=100×((M/M0)−1) …(m)
尚、図1のモデルにおいて、射出光線は、眼球回旋点を通り、歪曲収差DISTは眼鏡の動的歪曲収差と呼ばれている。
【0035】
ここで、(m)式を検討すると、前述の非点収差についての説明と同様に、同一量の歪曲収差DISTでも歪曲収差DISTはベクトル値のため軸方向の違い(角ずれ)により、残留歪曲収差DISTを発生する。
すなわち、従来の中心の視角倍率M0と周辺の視角倍率Mとは、同一方向であるとき、歪曲収差DISTとして計算されている。
例えば、同一方向の中心の視角倍率M0と周辺の視角倍率Mが同じ量なら(m)式より歪曲収差DIST=0と計算される。
眼球運動より生じる、前述の角ずれを計算に入れるため、中心の視角倍率M0と周辺の視角倍率Mともベクトル量であるとする拡張的に定義づける。
【0036】
すると、レンズが乱視レンズである場合、回転視角倍率M0はレンズ度数基準点(通常レンズ中心部)において、放射方向に異なる値を持つベクトル値となる。
残留視角倍率を周辺の視角倍率Mより中心の視角倍率引いたものと定義すると、この残留視角倍率は、次の式で表される。
残留視角倍率=周辺の視角倍率M−中心の視角倍率M0
リスティング則を考慮にいれた本発明の実施の形態にかかる拡張された眼鏡の歪曲収差の定義は以下の(n)、(o)式になる。
残留視覚倍率=周辺の視覚倍率M−中心の視覚倍率M0 …(n)
残留歪曲収差DIST=Sign×100×(残留視角倍率の絶対値/ 中心の視覚倍率M0の絶対値) …(o)
但し、Signを残留視角倍率と中心の視角倍率M0の内積の正負の符号と定義する。
【0037】
図2は式(n),(o)の関係を図示したものである。
以上、リスティング則を考慮にいれた眼鏡の残留歪曲収差式が導きだされ、それを更に、メリット関数に組み込む。
【0038】
IV.(メリット関数の作成)
本発明の実施の形態にかかる眼鏡レンズ設計方法においては、レンズに光線を通した状態を想定し、光線追跡法にてシミュレーション計算を行うのであるが、通常、軸対称レンズで5〜10点程度、本実施の形態のレンズで15〜10000点程度を採用でき、前記(g)式、(o)式を計算する。
前記(g)式の場合、評価する物体距離に応じて異なった値となる。
どの物体距離を採用するかは、レンズの特性等を考慮して決定される。
例えば、厳密には、後述する(p)式では、近方での視力実測値はないが、残留S度数、残留C度数に対しての挙動は、遠方と同様と仮定し、計算することができる。
【0039】
また、眼鏡の動的歪曲収差は理論上、物体距離には関係ないとされているが、視力と歪みの配分等をどのように取り扱うかうか等は明確な資料もないのが実情である。従って、それらは、設計の目的を逸脱しない範囲内で、任意に設定できる。
以上から、本発明の、評価関数の組み合わせ関数であり、かつ、単一評価尺度であるメリット関数は以下の(p)式になる。
【数3】
Figure 0004033344
【0040】
ここで、a,b,cは各評価関数の重み配分であり、u,v,wは、各評価点での重み配分であり、nはレンズ評価点である。むろん、重み配分は0(ゼロ)という概念(=採用しない)も含むが、当然ながら、すべて同時に0ということはない。
しかし、重みを決定する客観的な実験データは乏しく、実務上、重み配分は、レンズの使用目的、審美的、経済的、光学的等のファクターを考慮して行う。
また、本件のメリット関数にレンズ形状等の、直接視力に関係ない項を付加させることもできる。
【0041】
前記メリット関数(p)を、最適化の手法を使用して最小にする。その最適化の手法は前述の従来技術の欄(例えば、前述の特公平2−38930号公報等)で説明したとおりである。
前記メリット関数(p)を、レンズ屈折面設計の自由度の観点から考察する。
処方値に基づき、レンズの度数を固定した制限条件において、レンズの前面、後面が自由に変形できる自由曲面とすると、メリット関数は、第1項、または第2項をこの2つの面の変形により、0にすることが可能である。
【0042】
すなわち、ある一定の物体距離において、視力評価関数logMARの構成要素である、非点収差、像面湾曲をともに0にするができる。
しかし、レンズの物体側の面である前面の設計を、外観的に審美的要素を加えたり、製造コスト等の経済的観点を考慮すると、例えば、軸対称非球面という制限条件を付加した場合では、眼鏡レンズ全面で、ある一定の物体距離においての残留非点収差と像面湾曲とを同時に0にすることは難しい。
【0043】
まして、残留歪曲収差DISTは、一般的に、レンズ度数が存在する面構成では、他の評価関数に影響しないように0にすることは困難である。そのため係数、重みづけは設計的事項として取り扱われる。また、設計の自由度としての観点からでは、前面の構成を例えば球面等の条件で、固定すると設計の自由度は制限され、メリット関数中の第3項、残留歪曲収差DISTを制御することが困難になる。
すなわち、メリット関数は前述のように、収差の複雑に組み合わさった関数であり、そのメリット関数を最適化により最小化する際、面に球面等の制限があれば、最適化に影響を受ける。
従って、好ましくは、眼鏡レンズの前面、後面とも自由に変形して設計できるように設定すれば、メリット関数は、自由に制御可能で、設計の自由度を増やすことができる。
【0044】
V.(両面非球面タイプのレンズ設計)
そこで、設計の自由度を考慮した設計の事例として、上記のメリット関数を最適化計算にて精度、計算効率良く最小化可能にした両面非球面からなる眼鏡レンズについて説明する。
すでに述べたように、リスティング則は、目の第一眼位から放射方向に回転するため、対応するレンズ面の表記は、レンズ中心を原点とする球面座標系、円筒座標系で表記すると、眼球運動に直接対応した表記となる。
しかし、他の、例えば、直交座標系等の表記では、数学的には同等であっても、数値計算上で同等の効果を出すために、高次次数の係数が必要になり、計算誤差が大きくなる。
また、前述のスプライン曲面、NURBS曲面等も、非常に自由な曲面を表現できる反面、基本的に上記と同様に直交座標系であり、数値計算上、同様な問題が発生する。
そこで、本実施例では、好ましい手法として、円筒座標系の非球面式を使用する(円筒座標系の非球面式の詳細は、例えば、従来技術2を参照)。
【0045】
(前面の屈折面形状を表す非球面式)
前面のレンズ高さZ1は下記(q)式になり、レンズ断面の式として表現される。
【数4】
Figure 0004033344
右辺第一項は、回転2次曲面であり、cは中心曲率、kは円錐係数、rは円筒座標系の水平面に射影されたレンズ位置と原点との距離、第2項は、回転2次曲面からの偏差であり、nは、2からであるが、第1項と干渉するため、通常4から12の値をとる。a(n)は、rのn次係数であり、非球面係数と呼ばれる量である。
【0046】
V―1(後面の屈折面形状を表す非球面式)
本発明の後面の式は、下記(r)式になる。
【数5】
Figure 0004033344
ここで、c(θ)、k(θ)は方位角θの関数である。また、a(n,θ)は、距離rのn次と、方位角θの関数である。乱視レンズの面対称性により、方位角θの定義域は、0度から90度までで、0度から360度を表すことができる。ここで、c(θ)は、レンズ中心の曲率で、ガウスの曲面論で述べられているとおり、2本の直交する主経線の曲率を0度でc(0)、90度でc(90)とすると、オイラーの定理から下記(s)式である。
【0047】
レンズの場合では、0度を球面度数の軸、90度を乱視度数の軸に取り、c(θ)は、次の式(s)で表される。
c(θ)=c(0)・cos2θ+c(90)・sin2θ…(s)
また、k(θ)も、前記(s)式と同様に、c(θ)の記号cを記号kに置き換えた式となる。
【0048】
a(n,θ)は、面の連続性と面対称性の要請を満たすものであり、さらにリスティング則により発生する角度ずれによる収差を制御可能な面という要請を満たす面であり、以下の(1)〜(4)の条件を満たす面である。
(1):0度から90度まで方位角θの関数関係を持つ。
(2):0度と90度で方位角θの1次微係数が0である。
(3):高次の微係数は連続である。
(4):方位角0度と90度間の関数の角θでのa(n、θ)の値を制御可能な パラメータ群:Ps(n)を持つこと(ただし、sの数は、計算速度、 計算効率的から1〜3が好ましい。nは前記(r)式で次数の意味で ある。)。
【0049】
具体的には例えば、
(関数関係が角度の多項式である場合では)
多項式が方位角θの4次式で0、45、90度のaをそれぞれa(n、0)、a(n、45)、a(n、90)とすると、a(n、θ)は下記(t)式になる。
a(n,θ)=a(n,0)+(−11・a(n,0)+16・a(n,45)−
5・a(n,90))・θ2/(4・902)+(9・a(n,0)−
16・a(n,45)+7・a(n,90))・θ3/(4・903)+
(−2・a(n,0)+4・a(n,45)−2・a(n,90))・
θ4/(4・904) …(t)
この場合,前述(4)の制御パラメータは中心からの距離rの次数nに対し1つで、制御パラメータP1(n)はa(n、45)ある。
【0050】
(関数関係が角度の多項式でない例えば三角関数の場合では)
以下の関数で、方位角θが0、90度である場合のaを、それぞれa(n,0),a(n,90)とし、上記と同様、中心からの距離rの次数nに対し、1つの制御パラメータをP1(n)とすると、a(n,θ)は下記式(u)のように表される。
a(n,θ)=a(n,0)・cos2θ+a(n,90)・sin2θ+ P(1、n)・sin2(2・θ)…(u)
(t),(u)式とも上記(1)〜(4)の条件を満たしている。
このように前述の(1)〜(4)の条件を満たす式は種々存在する。
【0051】
(実施例1)
実施例1は、本発明の視力に関する評価関数を使用し,眼鏡レンズを設計したものであり、以下、その設計手順の概要を説明する。
(ステップ1):前面及び後面の屈折面の基本設計レンズフォームの設定。
本実施例では、もっとも設計の自由度がある両面非球面のレンズフォームを選択し、前面を軸対称の前記(q)式で表されるの非球面とし、後面を前記(r)式で表される非球面とした。
【0052】
(ステップ2):形状決定要素パラメータの固定条件及び可変条件の設定。
設計の条件は、図7に示すように、処方値が球面度数−7.00D、乱視度数が−2.00D、屈折率(ne)は1.7、レンズ径は、75mm、レンズ中心厚は1mmとする。
前記非球面の(q)、(r)式において、k(θ)は0、a(n、θ)は(t)式を適用する。
尚、式中の係数は、図7に示す通りである。
【0053】
(ステップ3):最適化計算のメリット関数及び目標値の設定。
メリット関数は前述の(p)式を使用し、その条件は、a=1、b=0、c=0、u=1である。
また、視力評価関数logMARの式は(j)式を使用し、その条件は、X=2である。
【0054】
(ステップ4):最適化計算。
設定したレンズ評価点に基づき、その評価を光線追跡法にて前記のメリット関数を使用して行い、光学性能評価していき、所定の目標値になるまで、レンズ屈折面を構成する変形パラメータを操作して、シミュレーション計算を繰り返し行い、最適化計算を実施する。
また、その際、前面の曲率が負(なお、負になるレンズに従来技術1記載のものがあるが、反射光が強く、審美的に最適とはいえない)にならない条件にて最適解を求める。
【0055】
本実施例では、前面の非球面の設計条件を固定して、処方値を満足するように後面の形状を変化させ、最終屈折面形状を決定していく。得られたレンズデータ(最適化を完了した後の最終のレンズ性能データ)を図3として表1に示す。
また、図3のレンズデータで、実施例1のlogMAR視力値の分布を図5に示す。
【0056】
レンズ中心部の薄い部分で、logMAR視力値が0.2以下の良好な視力が出る部分は64%である。
実施例1と同一の条件で、像面湾曲を低減したパーシバル フォームレンズを、比較のため示す。
得られたレンズデータを図4に表2、logMAR視力値の分布を図6にそれぞれ示す。
このレンズは、良好に像面湾曲は取れているが、レンズ中心部の薄い部分では、logMAR視力値が0.2以下の良好な視力が出る部分は56%である。
このように、図5は、図6に対して、良好な視力範囲が広がっていることがわかり、視力の評価関数の制御が十分行え期待した効果が得られた。
【0057】
(実施例2)
実施例2は、実施例1に対して更に、残留歪曲収差DISTに関する評価関数を加え、眼鏡レンズを設計したものである。前述メリット関数(p)式において、残留歪曲収差DISTのみを使用すると視力の出ないレンズとなること、また最適解が得られないことのため前述の(p)式でlogMAR視力値と残留歪曲収差DISTをバランスさせる。
(p)式でa=1、b=0、c=0.02、u=1、w=1、視力評価関数logMARの式は(j)式を使用。
両面非球面式として、(q)、(r)式、を、k(θ)は0,a(n、θ)は(t)式を適用する。
前面は、実施例1の図5のデータを使用する。これは前面、後面が固定した条件となっているため、残留歪曲収差DISTの大きい改善は、向かない条件であるが、ある一定範囲内では、残留歪曲収差DISTの制御が可能であることを示すために、前記の条件にて最適計算した。
得られたレンズデータは、図7に表3として示す。
図8は残留歪曲収差DISTの第1象限の分布を示す図である。右下がレンズ中心で残留歪曲収差DISTは0である。また、横軸はレンズS軸方向のレンズ射出角で3度ピッチに表示、同様縦軸はC軸方向である。
【0058】
比較例として、評価関数として残留歪曲収差DISTを評価しない実施例1の図5の条件での残留歪曲収差DISTの分布を図9に示す。
図8の横軸、縦軸値の終端値は43,60%であり、図9の横軸、縦軸値の終端値は44,63%であることから、この場合は数値が小さいことが良好を示すので、残留歪曲収差DISTの評価関数の制御が十分行え、期待した効果が得られていることがわかる。
なお、図7の条件でのlogMAR視力分布図を図10に示す。
logMAR視力値が0.2以下の範囲が53%となり、残留歪曲収差DISTとlogMAR視力値の改善は、一方の値がよくなれば一方の値が下がる、トレードオフの関係にある。
しかし、揺れを感じる部分は、一般的に、周辺部であるため、前述のメリット関数q式中の各評価点での重み(u,v,w)配分の工夫により、中心部はlogMAR視力値を重視し、周辺部は、logMAR視力値を犠牲にして、残留歪曲収差DISTの向上を図ることも可能である。
【0059】
本発明の視力評価関数を含んだメリット関数は、本実施例では単焦点で両面が非球面タイプのレンズに対して用いたが、発明の技術的構成は、最適化計算に用いるメリット関数の評価関数として、視力評価関数を用いることを特徴とするものであり、レンズ面の屈折形状で限定されることはなく、累進屈折力面を含む全てのレンズ設計において使用できる。
例えば、累進屈折力レンズでは、一般レンズのレンズ中心部、周辺部といった重付けの他に、遠用部、近用部、累進帯部等の他の要素が加わり、設計の目的も、近用重視設計、遠用重視設計、中間型設計などが付加される。しかし、レンズ面から分類すると、本実施例と同様な非球面のレンズ面を使用するものであり、本発明のメリット関数をその設計の目的に対応させ、評価点での重み配分を適宜設定させたり、目標度数や目標歪曲収差を設定させたり、これらの設計的事項を変化させることにより、対応させることができる。
【0060】
特に、リスティング則を考慮にした設計の場合正確なシミュレーションができ、有用である。
また、裏面が非球面と乱視面の融合面のレンズであっても同様である。
本実施例では、視力に関する、網膜、脳の処理に関する文献として、 Optmetric Monthly、 Nov。: 31−32 (1981:Robert N.Kleinstein著)のデータを用いている。しかし、本発明は、それに限定されるものではなく、例えば視力と度数とが関連づけられた視力の測定値データであれば、利用でき、本発明に含まれる視力評価関数を導出することができる。
【0061】
また、製造方法において、例えば、本実施例の両面非球面レンズの場合、前面を軸対称非球面、裏面を自由曲面の非球面レンズとすることにより、セミフィニッシュレンズが使用でき、時間的、コスト的に有用である。即ち、注文を受けてから、凸面、凹面の設計を行い、フィニッシュレンズを作成するより、前記のように予め、所定の複数の共通化したベースカーブを有する軸対称非球面レンズを用意しておき、受注により、その処方に応じて、まず、セミフィニッシュレンズを選択し、後面の設計を行うほうが有利である。
更に、前述の設計の固定化により、処方により、予めフィニッシュ品を在庫品として用意することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上詳述したように、従来の光学性能があがれば、眼鏡レンズの性能があがるとする技術的思想に基づき、眼鏡レンズの性能を網膜上の光学的量、収差等のみの指標で評価していた眼鏡レンズの設計に対して、網膜、脳の処理及び眼球運動という観点を考慮した、生体のシミュレーションに基づく眼鏡レンズの設計を可能とし、より高性能の眼鏡レンズを得ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる眼鏡レンズ設計方法の説明図である。
【図2】 拡張DIST説明図である。
【図3】 実施例1のレンズデータを掲げた表1を示す図である。
【図4】 実施例1の比較例のレンズデータを掲げた表2を示す図である。
【図5】 実施例1の視力評価関数(logMAR)を示す図である。
【図6】 実施例1の比較例の視力評価関数(logMAR)を示す図である。
【図7】 実施例2のレンズデータを掲げた表3を示す図である。
【図8】 実施例2の拡張DISTの第1象限の分布を示す図である。
【図9】 実施例1の比較例の拡張DISTの分布を示す図である。
【図10】 実施例2の視力評価関数(logMAR)を示す図である。
【図11】 従来の眼鏡レンズ設計方法の説明図である。
【図12】 視力実測値の図である。
【符号の説明】
【0064】
VS…後方頂点球面、V…後方頂点、W…焦点距離の基準点、R…眼球回旋点、FPS…遠方球面、Ft…放射接線方向の焦点、Fs…球欠方向の焦点、D…遠方球面上での像、Ws…S軸上を通る光線の焦点距離の基準点、Wc…C軸上を通る光線の焦点距離の基準点、FPS…S軸方向の遠方球面、FPC…C軸方向の遠方球面、Fst…S軸上を通る光線のS軸方向の焦点、Fss…S軸上を通る光線のC軸方向の焦点、Fct…C軸上を通る光線のS軸方向の焦点、Fcs…C軸上を通る光線のC軸方向の焦点、DS…S軸方向の遠方球面上での像、DC…C軸方向の遠方球面上での像、P…視角倍率評価点、M0…P方向の基準視角倍率、M…P位置での視角倍率

Claims (7)

  1. 眼球運動(リスティング則)を考慮にいれた眼鏡レンズ設計方法であって、レンズ設計の最適化計算処理において用いられるメリット関数が視力測定値Vから導出された視力評価関数(logMAR)を備えていることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
    ただし、視力評価関数(logMAR)は、像面湾曲を眼鏡レンズの収差とし、残留非点収差をリスティング則を考慮した眼鏡レンズ設計から定義する非点収差とするとき、下記(1)式で表されるものとする。
    視力評価関数(logMAR)=log10(1/V(像面湾曲、残留非点収差))
    …(1)
  2. 請求の範囲1記載の眼鏡レンズ設計方法において、前記視力測定値Vを、V=2―XK (ただし、K={(残留S度数+残留C度数/2)2+(残留C度数/2)21/2、Xは実測データにより、0.5〜2の間の係数である。)とするとき、前記視力評価関数(logMAR)が、近似式である下記(2)式で表されることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
    視力評価関数(logMAR)=X×log102× {像面湾曲2+(残留非点収差/2)21/2 …(2)
  3. 請求の範囲1記載の眼鏡レンズ設計方法において、前記メリット関数が歪曲収差に関する評価関数(残留歪曲収差DIST)を含み、前記評価関数が下記(3)式で表されることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
    残留歪曲収差DIST=Sign×100×(残留視角倍率の絶対値/ 中心の視覚倍率M 0 の絶対値) …(3)
    ただし、・残留視角倍率はリスティング則を考慮した眼鏡レンズ設計から定義した 歪曲収差。
    ・Signは正負の符号である。
  4. 請求の範囲1乃至請求の範囲3のいずれかに記載のレンズ設計方法において、前記メリット関数を、前面が軸対称非球面、後面が下記(4)式で表される非球面を備えた両面非球面レンズのレンズ設計の最適化計算に用いることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
    Figure 0004033344
    ただし、・c(θ)、k(θ)は方位角θの関数である。
    ・a(n,θ)は距離rのn次と、方位角θの関数である。
    ・乱視レンズの面対称性により、方位角θの定義域は、0度から90度ま でで、0度から360度を表す。
    ・c(θ)は、レンズ中心の曲率で、ガウスの曲面論での眼鏡主経線の曲 率を、0度でc(0)、90度でc(90)とすると、オイラーの定理 より下記(5)式で表される。ただし、この場合、0度を球面度数の 軸、90度を乱視度数の軸とする。
    c(θ)=c(0)・cos2θ+c(90)・sin2θ …(5)
    ・k(θ)は前記c(θ)と同様、前記(5)式の記号cを記号kに置 き換えた式を表す。
    ・a(n,θ)は、面の連続性と面対称性の要件を満たすものであり、 さらにリスティング則により発生する角度ずれによる収差を制御可能 な面という要件を満たす面であって、更に、以下の(1)〜(4)の条 件を満たすものである。
    (1):0度から90度まで方位角θの関数関係を持つ。
    (2):0度と90度で方位角θの1次微係数が0である。
    (3):高次の微係数は連続である。
    (4):方位角0度と90度間の関数の角θでのa(n、θ)の値を 制御可能な制御パラメータ群:Ps(n)を持つこと
    (ただし、sは1〜3が好ましくで、nは前記(4)式での 次数を意味する。)。
  5. 請求の範囲4記載の眼鏡レンズ設計方法において、前記(4)式のa(n,θ)が、方位角θが0、45、90度である場合のaをそれぞれa(n、0)、a(n、45)、a(n、90)としたとき、方位角θの4次式である下記(6)式で表されることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
    a(n,θ)=a(n,0)+(−11・a(n,0)+16・a(n,45)−
    5・a(n,90))・θ2/(4・902)+(9・a(n,0)−
    16・a(n,45)+7・a(n,90))・θ3/(4・903
    +(−2・a(n,0)+4・a(n,45)−2・a(n,
    90))・θ4/(4・904) …(6)
    ただし、・制御パラメータは中心からの距離rの次数nに対し1つで、P1(n)は a(n、45)である。
  6. 請求の範囲4記載の眼鏡レンズ設計方法において、前記(4)式のa(n,θ)が、方位角θが0、90度である場合のaをそれぞれa(n、0)、a(n、90)としたとき、下記(7)式で表されることを特徴とする眼鏡レンズ設計方法。
    a(n,θ)=a(n,0)・cos2θ+a(n,90)・sin2θ+ P1(n)・sin2(2・θ) …(7)
    ただし、制御パラメータは中心からの距離rの次数nに対し、1つの制御パラメー タP1(n)とする。
  7. 請求の範囲1乃至請求の範囲6のいずれかに記載の眼鏡レンズ設計方法によって設計されたことを特徴とする眼鏡レンズ。
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