JP4032708B2 - 近接場光発生器およびそれを用いた近接場光学顕微鏡および光記録/再生装置およびセンサ - Google Patents

近接場光発生器およびそれを用いた近接場光学顕微鏡および光記録/再生装置およびセンサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近接場光学顕微鏡もしくは近接場光を用いた光記録/再生装置もしくは近接場光を用いたセンサにおいて用いる近接場光発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光学顕微鏡では、光はレンズを用いて集光させる。この場合、分解能は光波長により制限される。これに対し近接場光学顕微鏡では、レンズの代わりに、寸法がナノメートルオーダーの微小構造、例えば径が光波長以下の微小開口を用いて光を集光させる。光をこの微小構造に当てると、その微小構造近傍には近接場光と呼ばれる局在した光が発生する。この近接場光を試料近傍に近づけ、試料表面上を走査させることにより、微小構造の寸法で決まる分解能で試料の形状や光学特性を測定することができる。近年この顕微鏡は、生体試料、半導体量子構造、高分子材料等の形状測定や分光、および高密度光記録など幅広い分野に応用され始めている。なお、本明細書で近接場光とは、局在した光、すなわち波数が虚数成分を持つ光をいう。
【0003】
近接場光発生器(以下近接場光プローブと呼ぶ)としては、光波長以下の微小開口をもつ先鋭化された光ファイバ(光ファイバ・プローブ)が広く用いられる。このファイバ・プローブは、光ファイバの一端を、加熱しながら引き伸ばしたり、化学エッチング法を用いることにより先鋭化した後、先端以外を金属でコーティングすることにより作製される。光ファイバに光を導入することにより、先端に形成された微小開口近傍に近接場光を発生させることができる。
【0004】
しかし上記のファイバ・プローブは、光利用効率が低いという欠点を持つ。例えば開口径が80nmのとき、ファイバに入射する光の強度とファイバ先端から出射する光の強度の比は10−5以下である(Applied Physics Letters, (和名)アプライドフィジックスレターズ, Vol.68, No 19, p2612-2614,1996)。
【0005】
そこで、平面金属散乱体を用いたプローブが提案されている。これは、図16に示すように、三角形の形状をした平面状金属散乱体341を平面基板上に形成したプローブである。a)には、金属散乱体341を1つ形成したプローブを、b)には、金属散乱体341を2つ形成したプローブを示す。X方向に偏光した光を入射させると、頂点342に局在した近接場光が発生する。特に、入射光の波長をプラズモンの共鳴に合せることにより非常に強い近接場光を発生させることが出来る(Technical Digest of 6th international conference on near field optics and related techniques, the Netherlands, Aug. 27-31, 2000, p55)。a)では、金属散乱体341の頂点342から、近接場光が発生し、b)では、金属散乱体314を2つ、それぞれの頂点の間隔が数10nm以下になるように配置され、頂点間343に局在した近接場光が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記実施例の金属の散乱体を近接場光の発生源として使った近接場光発生器は、非常に強い近接場光を発生させることができる。しかし散乱体に当たらなかった光がバックグランド光として検出器で検出されてしまう。その結果、信号検出のS/N比が低下してしまう。本発明は、導電性の散乱体を用いた近接場光発生器においてバックグランド光の発生を抑制することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
近接場光を発生させる導電性の散乱体の近傍すなわち、近接場光が発生する領域または領域に接するように、入射光の波長とは異なる波長を持つ光を発生させる発光体を形成する。この発光体からの光をフィルタを通して選択的に検出することにより、バックグランド光を除去する。ここで、近接場光が発生する領域とは、光パワー密度が入射光の光パワー密度の1倍以上となる領域と定義する。発光体は入射光の波長と異なる波長を持つ光を発生させるものであれば何でも良く、例えば自然放出による発光、第2次高調波、第3次高調波、ラマン散乱、2光子吸収に伴う発光等を発生する物質をもちいる。
【0008】
この近接場光発生器の分解能は発光体の寸法すなわち発光体の外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さで決まる。したがって、従来の光学顕微鏡では実現不可能であった入射光の波長以下の分解能を実現するには、その長さを光波長以下にする必要がある。ただし、発光体が非線形光学材料である場合、発光強度は励起光強度に比例せず、光の強い部分、すなわち近接場光が存在する部分でのみ強く発生するので、発光体の寸法は必ずしも光波長以下にする必要はない。
【0009】
前記散乱体の形状は、球または半球または回転楕円体または半回転楕円体または平面状の円または半円または平面状の楕円または半楕円にする。ここで、この散乱体の外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さは散乱体に入射する光の波長以下になるようにする。このようにすることで、散乱体中にプラズモン共鳴を発生させることが出来、強い近接場光を発生させることができる。したがって、その近傍に発光体を形成するとその発光体から強い発光が発生する。
【0010】
前記散乱体の形状は、頂点の曲率半径が散乱体に入射する光の波長よりも小さな円錐もしくは多角錐にしても良い。発光体は、この散乱体全体を覆うように形成しても良いし、頂点部近傍のみに形成しても良い。
【0011】
前記散乱体は、1つの頂点に向かい幅が小さくなった形状をした散乱体であっても良い。ここで、頂点の曲率半径を入射光の波長よりも小さくすると、散乱体中の電荷が頂点部に集中し、そこに強い近接場光が発生する。したがって、頂点部近傍に発光体を形成すると、そこから強い発光が発生する。前記散乱体の形状は実際には、例えば3点以上の頂点を持つ多角形や扇型にする。
前記の近接場光が発生する頂点に向かい幅が小さくなった形状を持つ散乱体を2つ以上、それぞれの頂点の間隔が前記散乱体に入射する光の波長以下になるように配置しても良い。この散乱体に光を入射させると、それぞれの頂点に集中した電荷が互いに相互作用し、その結果それぞれの頂点の間に強い近接場光が発生する。したがって、それぞれの頂点の間に発光体を形成すると、そこから強い発光が発生する。
前記球または半球または回転楕円体または半回転楕円体または平面状の円または半円または平面状の楕円または半楕円または1つの頂点に向かい幅が小さくなった形状をした散乱体に入射する光スポットの中心位置は散乱体の中心位置に実質的に一致するようにすると良い。ここで実質的に一致とは、位置のずれが入射光の光スポットの半値全幅の1/2以内であることをいう。このようにすれば発光強度を最も強くすることができる。また、近接場光の発生する頂点に向かい幅が小さくなった形状をもつ散乱体に光を入射させるときは、近接場光が発生する頂点すなわち発光体の形成された位置に入射光の中心位置を実質的に合わせても良い。このようにすることにより、入射光の光軸と検出する光の光軸を一致させることが可能になり、光学系を単純にすることが可能になる。散乱体を2つ以上組み合わせる場合は、それぞれの頂点までの距離の総和が一番小さくなる点すなわち発光体が形成された位置に入射光の中心位置を実質的に合わせても良い。
【0012】
前記導電性の散乱体に入射光の光スポットの半値全幅diが、入射光の光強度の最大値をIi、試料と平行で散乱体表面に接する面上で測定した近接場光分布の半値全幅をdn、強度の最大値をIn、発光体の量子効率をq、効率(入射光のエネルギと近接場光のエネルギの比)をeとしたとき、
【0013】
【式1】
Figure 0004032708
が成り立つ。したがって、1%の効率を実現するためには、入射光のスポット径は
【0014】
【式2】
Figure 0004032708
を満たす必要がある。
前記散乱体の形状が球で、前記散乱体に入射する光スポットの半値全幅diが、球の半径をr、発光体の量子効率をqとしたとき、近接場光分布の半値全幅dnは半径の約2倍となり、強度は最大で入射光強度の約500倍となるので、上式はおよそ
【0015】
【式3】
Figure 0004032708
となる。
前記散乱体が頂点に向かい幅が小さくなる形状を持ち、前記散乱体に入射する光スポットの半値全幅diが、頂点の曲率半径をr、発光体の量子効率をqとしたとき、近接場光分布の半値全幅dnは曲率半径の2倍におよそ等しく、強度は入射光強度の約1000倍となるので、上式はおよそ
【0016】
【式4】
Figure 0004032708
となる。
前記散乱体が頂点に向かい幅が小さくなる形状をした散乱体を2つ組み合わせたものであり、前記散乱体に入射する光スポットの半値全幅diが、2つの頂点の間隔をg、発光体の量子効率をqとしたとき、近接場光分布の半値全幅dnは2つの頂点の間隔gにおよそ等しく、強度は入射光強度の約2000倍となるので、上式はおよそ
【0017】
【式5】
Figure 0004032708
となる。
【0018】
前記散乱体および発光体を試料または媒体に近づける際、散乱体および発光体が磨耗するのを防ぐために、散乱体および発光体周辺にパッド部を形成しても良い。このとき散乱体または発光体表面とパッド部表面とが実質的に同一平面上にあるようにする。ここで実質的に同一平面とは、段差が50nm以内であることをいう。
【0019】
前記散乱体および発光体は集光素子の焦点または半導体レーザーの出射面近傍または光共振器の出射面近傍または光検出器の受光面近傍に形成しても良い。また前記発光体から発生する発光を選択的に検出するためのフィルタを基板中に形成しても良い。このようにすることにより、散乱体および発光体と光学部品の位置合わせが不要になる。
【0020】
前記散乱体および発光体は、円錐もしくは多角錐の突起の先端に形成された平坦な部分上に形成しても良い。ここで、散乱体および発光体が試料に近づきやすくするために、平坦な部分の面積はなるべく小さくする。また、円錐もしくは多角錐の突起を光透過性のある材質にすると、突起を通して光を入射させることが可能になる。さらに、円錐もしくは多角錐の突起の側面を金属の膜で覆うと、突起中を導波する光を先端に形成された散乱体および発光体の位置に集光させることができる。
【0021】
前記の頂点に向かい幅が小さくなった散乱体は多角錐の突起の側面に形成しても良い。このとき、発光体の位置は多角錐の突起の頂点に実質的に一致するようにする。ここで実質的に一致するとは、位置のずれが100nm以内であることをいう。
【0022】
前記の散乱体と発光体を組み合わせた近接場光発生器を用いれば、バックグランド光の検出量が減るためS/N比の高い近接場光学顕微鏡を実現することが可能である。
【0023】
前記の散乱体と発光体を組み合わせた近接場光発生器を用いれば、バックグランド光の検出量が減るためS/N比の高い近接場光記録/再生装置を実現することが可能である。
【0024】
前記発光体を化学物質の有無もしくは濃度により発光強度が変化する物質にすることにより、化学物質を測定する高分解能のセンサを実現することが可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明の具体的な実施の形態について説明する。
【0026】
本発明の近接場光発生器は、図1に示すように、光透過性のある基板13上に形成された導電性の散乱体11およびその近傍に形成された発光体12から成る。ここで、発光体とは、入射光とはことなる波長の光を発生させる物質をいう。光をこの散乱体に入射させると散乱体近傍に局在した強い近接場光が発生する。とくに、散乱体中に発生するプラズモン共鳴波長付近の波長をもつ光を入射させると非常に強い近接場光が発生する。発光体12は、近接場光が発生する領域内または領域に接するように配置され、近接場光が発光体12に当たると、発光体から入射光とは異なった波長を持つ光が発生する。ここで、近接場光が発生する領域とは、光パワー密度が入射光の光パワー密度の1倍以上となる領域と定義する。この発光体の外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さd1を入射光の波長以下にすると、発光体は寸法が入射光の波長以下の点光源として働く。この発光体を試料近傍に近づけ走査させ、発光強度の変化を測定することにより、試料の形状または光学特性を入射光の波長以下の分解能で測定することができる。
【0027】
発光体は導電性の散乱体に触れるように配置しても良いが、色素分子など発光体を散乱体に触れるように配置すると励起された電子が散乱体中に移動し、発光が生じなくなる可能性もある。この場合は発光体を誘電体の中にドープさせるか、散乱体と発光体の間に、誘電体の膜を形成すると良い。ここで誘電体とは、電気伝導率が10S・m以下であるものをいう。この誘電体の膜厚は、散乱体表面に発生する近接場光が発光体に到達する厚さ、すなわち50nm以下にする。
【0028】
基板としては例えばガラス、サファイア、GaNなどを用いる。散乱体の材料としては例えば、金、銀、アルミ、銅、チタンなどの金属やSiなどの半導体を用いる。発光体には、例えば、RhodamineやCoumarin、Pyridine、Fluorescein、Styrylなどの色素や、GaAs、GaN、CdSなどの半導体などを用いる。発光体は半導体量子ドットなどの微小粒状体であっても良い。また、発光体にはCdS、CdTe、LiNbO3などの非線形材料を用いても良い。ここで非線形材料とは、入射光強度と発光強度が比例しない物質、すなわち第二高調波(SHG)や第三高調波(THG)、ラマン散乱、二光子吸収に伴う発光などを発生する物質をいう。非線形材料を用いる場合、発光強度は入射光強度の2乗(第二高調波や二光子吸収の場合)、もしくは3乗(第三高調波の場合)に比例するため、近接場光強度の強い散乱体近傍でのみ強く発光する。したがって、発光体の外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さd1は必ずしも入射光の波長以下でなくても良い。
【0029】
散乱体の形状は、図2(a)のように球もしくは楕円体31にし、外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さ(球の場合直径、楕円の場合長軸の長さ)d3を入射光の波長以下にする。入射光の波長は、散乱体中に発生するプラズモンの共鳴波長に実質的に一致させる。ここで、実質的に一致とは共鳴波長の±100nm以内であることをいう。本実施例では、散乱体の形状は球で材質は金もしくは銀であるとし、半径は20nmとした。散乱体の周辺には発光色素を含んだ屈折率が1.5の誘電体32が形成されたとし、発光色素を含んだ誘電体の厚さは10nmとした。このときプラズモン共鳴波長および近接場光強度(近接場光強度と入射光強度の比)は、材質が金の時、共鳴波長が530nm、近接場光強度は30倍、材料が銀の時、共鳴波長が380nm、近接場光強度は250倍となる(H. Raether, Surface Plasmons, Springer-Verlag, Berlin Heidelberg, 1988, p38)。したがって、材料が金の場合、発光体にはRhodamin 6G、励起光には波長532nmのYAGレーザのSHG光を用いた。材料が銀の場合、発光体にはCoumarin 102、励起光には波長355nmのYAGレーザのTHG光を用いた。発光体は励起用の光を吸収するものであれば何でも良い。例えば励起光が532nmのとき、Rhodamine 110、Rhodamine B、Styryl 9、Tetramethylrhodamineを用いても良く、励起光が355nmのとき、Coumarin 152、Stibene 3などを用いても良い。
【0030】
上記の散乱体の形状は図2(b)のように半球または半楕円体33であっても良い。
【0031】
また上記の散乱体の形状は、図3(a)のように、平面状の円や楕円にしても良い。このとき、外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さ(円の場合直径、楕円の場合長軸の長さ)d4は入射光の波長以下になるようにする。入射光の波長がプラズモン共鳴波長付近であるとき、この散乱体の淵に強い近接場光が発生するので、そこに発光体42を置くことにより入射光とは異なる波長の光を発生する微小な光源を作ることができる。なお上記の円もしくは楕円の形状をした散乱体に換えて、半円もしくは半楕円の形状をした散乱体を用いても良い。
【0032】
上記の形状が平面状の円や楕円の場合、入射光の偏光方向と平行で、円や楕円の中心を通る線と散乱体の淵が交わる点43において、近接場光強度は一番強くなる。したがって、図3 (b)のように、発光体44は近接場光が一番強くなる頂点43近傍のみに形成しても良い。
【0033】
散乱体の形状は、図4のような頂点23の曲率半径が入射光の波長以下の円錐もしくは多角錐にして良い。発光体22は図4(a) のように散乱体を囲むように形成するか、図4 (b) のように頂点23のみを覆うように形成する。光をこの散乱体に入射させると頂点23に強い近接場光が発生し、その近接場光により励起された発光が頂点23から発生する。本実施例では、形状は円錐とし、円錐の高さh1は90nm、底面の直径は60nm、散乱体の材質は銀とした。頂点23の曲率半径は5nmとした。この曲率半径は高い分解能を得るためには、小さいほうが好ましい。発光体は図4(b)のように頂点にのみ形成されているとし、発光体の厚さは5nmとした。上記の散乱体に対する、共鳴波長および散乱体表面での近接場光強度(頂点での値)は、形状を長軸と短軸の長さの比が3:1の楕円体に近似して計算すると、共鳴波長=500nm、近接場光強度=入射光強度の105倍となる。ここで、発光体の体積が小さいため、発光体の有無によりプラズモン共鳴周波数は変化しないとした。したがって、励起用の光源には波長514.5nmのArレーザ光を利用し、発光物質にRhodamine 6Gを用いた。この発光物質は上記の励起光を吸収するものであれば何でも良く、例えばRhodamine 110やRhodamine B、Styryl 9などを用いても良い。
【0034】
散乱体の形状は、図5のように、頂点52に向かい幅が小さくなったもの51であっても良い。頂点52の曲率半径rは入射光の波長以下になるようにし、光の偏光方向が矢印53 の方向を向くように光を入射させると、頂点52に電子が集中するため、そこに強い近接場光が発生する。したがって頂点52近傍の近接場光が発生する領域内もしくはそれに接するように発光体54を形成するとその発光体が強く発光する。なお、本明細書では、頂点とは、第1の線(辺)と第2の線(辺)が現実に交差する点のみならず、所定の曲率を有する場合も含まれる。本実施例では、散乱体の形状は三角形、散乱体の材質は銀、膜厚は30nm、先端曲率半径は20nm、長さL1は100nm、頂角は60°とした。発光体は図5のように、頂点部に形成されているとし、発光体の外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さd6は30nmとした。図6(a)に、上記の形状をした三角形の散乱体に光が入射したとき、散乱体近傍に発生する近接場光の強度分布の計算結果を示す。この計算結果はFinite Difference Time Domain法を用いて求めた。縦軸は近接場光強度と入射光強度の比を表し、膜から2nm離れた平面上で測定したものを示す。また図6(b)にこの散乱体近傍に発生する近接場光強度の波長依存性を示す。このように、波長530nm付近でプラズモン共鳴が発生し、近接場光強度が最も強くなる。したがって、発光体にはRhodamin 6G、励起光には波長532nmのYAGレーザのSHG光を用いた。発光体は励起光を吸収するものであれば何でも良く、例えば励起光が上記の波長のとき、Rhodamine 110、Rhodamine B、Styryl 9、Tetramethylrhodamineなどを用いても良い。本実施例では、頂点に向かい幅が小さくなる散乱体の形状として三角形を選んだが、扇型や上辺の長さが光波長より小さくなった台形でも良い。
【0035】
散乱体の形状は、上記の頂点に向かい幅が小さくなった膜を2つ以上配置したものでも良い。それぞれの頂点の間隔が入射光の波長以下になるように散乱体を配置すると、それぞれの頂点に発生する分極が互いに相互作用し、その結果、頂点間に強い近接場光が発生する。したがって、それぞれの頂点間に外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さが入射光の波長以下の発光体を形成すると、その発光体から強い発光が生じる。本実施例では、図7のように2つの散乱体51を配置し、2つの散乱体ともに同じ形状および寸法を持ち、形状は三角形、散乱体の材質は金、膜厚は30nm、先端曲率半径は20nm、長さL1は100nm、頂角q1は60°、2つの頂点間隔g1は8nmとした。発光体54は図7のように、頂点部に形成されているとし、発光体の外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さd7は10nmとした。偏光方向は図7中の矢印53で示される方向にした。図8(a)に、上記の形状をした三角形の散乱体に光が入射したとき、散乱体近傍に発生する近接場光の強度分布の計算結果を示す。この計算結果はFinite Difference Time Domain法を用いて求めた。縦軸は近接場光強度と入射光強度の比を表し、膜から2nm離れた平面上で測定したものを示す。また図8(b)にこの散乱体近傍に発生する近接場光強度の波長依存性を示す。このように、波長680nm付近でプラズモン共鳴が発生し、近接場光強度が最も強くなる。したがって、発光体にはGaAsの微粒子、励起光には波長680nmの半導体レーザ光を用いた。上記実施例では発光体にはGaAsを用いたが、励起光を吸収するものであれば何でも良い。
【0036】
散乱体の形状が、球、楕円体、平面状の円および楕円、円錐、多角錐、頂点に向かい幅が小さくなるものの場合、入射光の中心位置は、図2から4のように、散乱体の中心に実質的に一致させるのが好ましい。ここで実質的に一致とは散乱体と入射光の中心位置のずれが入射光の光スポットの半値全幅の1/2以内であることをいう。このように、散乱体と入射光の中心位置を一致させることにより、散乱体に入射する光エネルギを最大にすることができるので、発光強度を最大にすることが出来る。
【0037】
散乱体の形状が、頂点に向かい幅が小さくなるものである場合、光の中心位置は頂点の位置に実質的に一致させても良い。ここで実質的に一致とは散乱体の頂点と入射光の中心位置のずれが入射光の光スポットの半値全幅の1/2以内であることをいう。このように、散乱体の頂点と入射光の中心位置を一致させることにより、入射光の光学系と発光を集光するための光学系の光軸を一致させることができるので、光学系を単純にすることができる。
【0038】
散乱体が、頂点に向かい幅が小さくなる散乱体を2つ以上組み合わせたものである場合、光の中心位置は各散乱体の近接場光が発生する頂点までの距離の総和が一番小さくなる点に実質的に一致するようにすると良い。このように、散乱体の頂点と入射光の中心位置を一致させることにより、入射光の光学系と発光を集光するための光学系の光軸を一致させることができるので、光学系を単純にすることができる。
【0039】
強い発光パワーを実現するには、入射光のスポット径はなるべく小さくするのが好ましい。すなわち効率(入射光パワーと発光パワーの比)eはつぎの式で与えられる。
【0040】
【式6】
Figure 0004032708
ここで、qは発光体の量子効率、Ii、diは入射光の光パワー密度(中心での値)およびスポット径(半値全幅)を表す。In、dnは、試料と平行で散乱体表面に接する面上で測定した近接場光強度分布のピーク強度と半値全幅を表す。この式から分かるように、効率eを実現するには、入射光のスポット径は次の条件を満たす必要がある。
【0041】
【式1】
Figure 0004032708
例えば、本発明の近接場光発生器を光記録/再生装置に応用する場合、記録密度が約1T/inch2のとき、データー転送速度は約1Gbps必要で、このときマーク再生には約1%の効率が要求される(M. Ohtsu ed., Near-field Nano/Atom Optics and Technology, Springer-Verlag, Tokyo, 1998, p209)。したがって、上記の式は次のようになる。
【0042】
【式2】
Figure 0004032708
散乱体の形状が球である場合、近接場光のスポット径はおよそ球の半径rの2倍に等しく、強度は最大で入射光強度の約500倍となる。したがって、上記の式はおよそ次のようになる。
【0043】
【式3】
Figure 0004032708
散乱体の形状が頂点に向かい幅が小さくなるものである場合、近接場光のスポット径はおよそ頂点の曲率半径rの2倍に等しく、強度は入射光強度の約1000倍となる。したがって、上記の式はおよそ次のようになる。
【0044】
【式4】
Figure 0004032708
が頂点に向かい幅が小さくなるものを2つ対向させるように置いたである場合、近接場光のスポット径はおよそ2つの頂点の間隔gに等しく、強度は入射光強度の約2000倍となる。したがって、上記の式はおよそ次のようになる。
【0045】
【式5】
Figure 0004032708
上記の散乱体および発光体を試料または記録媒体に近づける際、磨耗により散乱体および発光体が破壊される可能性がある。これを防ぐためには、散乱体および発光体の周辺に、パッド部を形成すると良い。パッドは図9(a)に示すように、基板13の一部を突き出させて突起71を形成し、その突起71の底面と散乱体11および発光体12の試料または媒体に1番近い点73が実質的に同一平面上になるようにしても良いし、散乱体11および発光体12の周辺に、膜72を形成し、膜72の底面と散乱体11および発光体12の試料または媒体に1番近い点73が実質的に同一平面上になるようにしても良い。ここで実質的に同一平面上とは、突起71または膜72の底面と散乱体11および発光体12の試料または媒体に1番近い点73の高さのずれが50nm以内であることをいう。
【0046】
上記の球、楕円体、平面状の円および楕円、円錐、多角錐の形状をした散乱体または頂点に向かい幅が小さくなった散乱体と発光体は、Solid Immersion Lensやホログラフィックレンズなどの集光素子の焦点近傍に形成しても良い。
【0047】
上記の球、楕円体、平面状の円および楕円、円錐、多角錐の形状をした散乱体または頂点に向かい幅が小さくなった散乱体と発光体は、半導体レーザーの出射面上またはその近傍、すなわち出射面から10μm以内に形成しても良い。
【0048】
上記の球、楕円体、平面状の円および楕円、円錐、多角錐の形状をした散乱体または頂点に向かい幅が小さくなった散乱体と発光体は、光共振器の出射面上またはその近傍、すなわち出射面から10μm以内に形成しても良い。
【0049】
上記の球、楕円体、平面状の円および楕円、円錐、多角錐の形状をした散乱体または頂点に向かい幅が小さくなった散乱体と発光体を形成する基板内部に、発光のみを透過させる波長選択フィルタを形成しても良い。本実施例では、図10に示すように、基板内部に、発光のみを透過させるバンドパスフィルタの層91を形成した。バンドパスフィルタ層はZnS(高屈折率材料)とNa3AlF6(低屈折率材料)の多層膜で形成した。光は矢印92に示すように、基板の下側から入射させ、基板の上側で検出した。
【0050】
上記の球、楕円体、平面状の円および楕円、円錐、多角錐の形状をした散乱体または頂点に向かい幅が小さくなった散乱体と発光体は、フォトダイオードなどの光検出器の受光面またはその近傍、すなわち受光面から10μm以内に形成しても良い。このように検出器を形成する場合、散乱体と受光面の間には、発光のみを通過させるフィルタを形成する必要がある。
【0051】
上記の球、楕円体、平面状の円および楕円、円錐、多角錐の形状をした散乱体または頂点に向かい幅が小さくなった散乱体と発光体は、先端に平坦な部分が形成された円錐または多角錐の突起(例えば)の平坦な部分に形成しても良い。平らな部分の幅は、発光体が試料に近づきやすくするために、できるだけ小さくするのが好ましい。円錐または多角錐の突起の材質はSiOやGaNまたはSi(波長が近赤外のとき)などのような光透過性のある材質にすると、光を円錐または多角錐の突起を通して導入することが可能である。また、突起の材質が光透過性のある材質である場合、突起の側面を金属の膜で覆うことにより、突起中を伝わる光を先端に集光させることができ、効率を向上させることができる。本実施例では、図11に示すように、原子間力顕微鏡のカンチレバの先の四角錐の突起の先を平坦にしたものの上に散乱体11および発光体12を形成し、平らな部分の幅L4は400nmとした。突起の材質はGaNとし、側面120を厚さ100nmの金、またはアルミの膜で覆った。
【0052】
頂点に向かい幅が小さくなる散乱体を用いる場合、図12に示すように、散乱体51の面と試料または媒体の面のなす角が0°以上90°以下になるように散乱体51および発光体54を形成しても良い。このとき、発光体54が出来るだけ試料または媒体に近くなるように配置する。光は、例えば、矢印104に示すように、斜めに入射させる。
【0053】
頂点に向かい幅が小さくなる散乱体を用いる場合、散乱体を多角錐の突起の側面に形成しても良い。このとき、発光体は多角錐の頂点に形成する。突起の材質はSiOやGaNまたはSi(波長が近赤外のとき)などのような光透過性のある材質にすると、光を多角錐の突起を通して導入することが可能である。図13 (a)に、四角錐の突起82の1つの側面81に散乱体を形成したものの実施例を示す。突起の材料はGaNとし、散乱体の材料は金または銀にし、膜の厚さは30nm、長さL1は150nmとした。発光体83は頂点に形成し、発光体の外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さd11は40nmとした。光は四角錐の内側(矢印84)もしくは外側(矢印86)から入射させ、偏光方向は85の方向にした。また図13(b)に、四角錐の突起82の2つの側面81と87に散乱体を形成したものの実施例を示す。突起の材料はGaNとし、散乱体の材料は金または銀にし、膜の厚さは30nm、長さL1は150nmとした。発光体83は頂点に形成し、2つの散乱体の間隔g2は30nm、発光体の幅d12は30nmとした。
【0054】
図14に、上記の近接場光発生器を近接場光学顕微鏡に応用した例を示す。ここでは、散乱体および発光体を原子間力顕微鏡のカンチレバの先に形成した近接場光発生器の例を示す。試料910は基板911の上に置き、その表面に、上記の散乱体および発光体が形成された突起901を近づける。レーザー906から出射した光はレンズ916によりコリメートされ、ビームスプリッタ905を通過後、対物レンズ904に入射する。光は対物レンズにより集光され散乱体部で収束する。発光体で発生した発光は、対物レンズ904により集光され、発光のみを通過させる波長選択フィルタ917を通過後、検出器907で検出されるか、もしくは試料の反対側に置かれた対物レンズ912により集光され、発光のみを通過させる波長選択フィルタ918を通過後、検出器913で検出される。試料をピエゾ素子908を使い水平方向に走査させると、近接場光と試料の相互作用の結果、集光される発光強度が変化し、その変化を記録することにより、試料の像を得ることができる。
【0055】
散乱体および発光体が形成された突起901先端と試料表面の間隔は近接場光のしみだし深さである数10 nm以内にする必要があるが、その間隔は散乱体および発光体が形成された突起91先端と試料表面の間に働く原子間力を測定することにより制御する。散乱体および発光体が形成された突起901を数10 nm以内の振幅でピエゾ909を使い縦方向に振動させ、その振幅が一定になるように散乱体および発光体が形成された突起901先端と試料表面の間隔を制御する。振幅の変化の測定は、レーザー906から出射した光とは別の光をカンチレバーの上面902に当て、そこからの反射光をPSD(Position Sensing Detector)で検出することにより行う。振幅の変化の測定は、レーザー906から出射した光のうち、カンチレバーの上面902で反射したものを、PSD 914で検出することにより行っても良い。
【0056】
上記近接場光発生器の光記録/再生装置への応用例を図15に示す。散乱体および発光体はスライダ702上に形成され、スライダは対物レンズ、光源、検出器等を搭載した光ヘッド703上に搭載される。スライダはサスペンション705を用いてディスク701に近づける。トラッキングのためには、スライダはキャリッジアクチュエーター704を用いて、ディスクの半径方向に動かされる。光ヘッド内部の光学系は図15(b)のように構成する。光源には半導体レーザー708を用い、出射光をコリメーターレンズ709、ビーム整形プリズム710を用いて円形の平行ビームにする。このビームはビームスプリッタ712、ミラー714、対物レンズ707を通過後、スライダ702に入射する。対物レンズの位置はアクチュエーター706を用いて調整される。また、トラッキングのためスライダ702の位置を微調整するためには、圧電素子711を用いる。スライダ702はサスペンション705に取り付けられていて、このサスペンションの力によりディスク701に押し付けられる。光ディスク701には、例えば相変化媒体を用い、記録マークは、散乱体により発生した近接場光により結晶相をアモルファス相に変化させることにより形成する。再生は、発光の強度変化を検出することにより行う。すなわち、記録マークの有無により発光強度が変化するので、その発光強度の変化を検出することによりマークを再生する。実際には、ディスクからの光(信号光)をビームスプリッタ-712により入射光と分離し、発光のみを通過させるフィルタ715を通過させた後、検出器717で検出する。
【0057】
上記の近接場光発生器は光波長以下の空間分解能を持つ微小なセンサとして用いることもできる。すなわち、発光体として、特定の化学物質と反応すると発光強度が変化する物質を用いることにより、化学物質の有無もしくは濃度を検出するセンサとして利用することができる。本実施例では、水素イオン濃度により発光強度が変化するFluoresceinを発光体12として用いることにより、微小なpHセンサとした。散乱体11には長さL1が90nmの三角形の形状をした銀の散乱体を用い、発光体はその頂点部に形成した。励起光には波長488のArレーザを用いた。この散乱体および発光体を、図16のように、水141の中に置いた試料143(例えば生体試料)の表面に近づけることにより、試料表面の水素イオン濃度の分布を光波長以下の高い空間分解能で測定することができる。上記の散乱体の形状は、球や楕円、円錐、多角錐などであっても良い。
【0058】
【発明の効果】
導電性の散乱体を用いた近接場光発生器において、バックグランド光の発生を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の近接場光発生器の形状を示す断面図。
【図2】形状が球または楕円体の導電性の散乱体を用いた近接場光発生器を示す図で、(a)完全な球または楕円体の場合、(b)半球、半楕円体の場合。
【図3】平面状の円または楕円の形状をした導電性の散乱体を用いた近接場光発生器を示す図で、(a)発光体が全体に渡り形成されたもの、(b)発光体が近接場光が一番強く発生する頂点近傍のみに形成されたもの。
【図4】円錐の形状をした導電性の散乱体を用いた近接場光発生器を示す図で、(a)散乱体全体が発光体で覆われたもの、(b) 頂点のみに発光体が形成されたもの。
【図5】頂点に向かい幅が小さくなった形状をした導電性の散乱体を用いた近接場光発生器を示す図。
【図6】三角形の形状をした散乱体近傍に発生する近接場光強度分布および波長依存性を示すもので、(a) 近接場光強度分布、(b)波長依存性。
【図7】頂点に向かい幅が小さくなった形状をした導電性の散乱体を2つ組み合わせた近接場光発生器を示す図。
【図8】三角形の形状をした散乱体を2つ組み合わせたものの近傍に発生する近接場光強度分布および波長依存性を示すもので、(a) 近接場光強度分布、(b)波長依存性。
【図9】導電性の散乱体および発光体を保護するための構造を持つ近接場光発生器を示す図で、(a)散乱体周辺の基板が飛び出たもの、(b)散乱体周辺に膜が形成されたもの。
【図10】基板中に波長選択フィルタが形成された近接場光発生器を示す図。
【図11】導電性の散乱体および発光体が原子間力顕微鏡のカンチレバの先に形成された近接場光発生器を示す図。
【図12】散乱体の面と試料または媒体の面のなす角が0°以上90°以下になった近接場光発生器を示す図。
【図13】頂点に向かい幅が小さくなった導電性の散乱体を四角錐の側面に形成した近接場光発生器を示す図で、(a)1つの側面に導電性膜が形成されたもの、(b)2つの側面に導電性膜が形成されたもの。
【図14】本発明の近接場光発生器を近接場光学顕微鏡へ応用した場合の装置構成図。
【図15】本発明の近接場光発生器を近接場光記録/再生装置へ応用した場合の装置構成図で、(a)全体図、(b)ヘッドの光学系の部分を表す図。
【図16】センサへの応用例を示す図。
【図17】従来の平面金属散乱体を用いたプローブを示す図。
【符号の説明】
11 導電性の散乱体
12 発光体
13 基板
14 入射光
21 円錐または多角錐の形状をした導電性の散乱体
22 発光体
23 頂点
31 球または楕円体の形状をした導電性の散乱体
32 発光体
33 半球または半楕円体の形状をした導電性の散乱体
41 円もしくは楕円の形状をした導電性の散乱体
42 発光体
43 近接場光が一番強く発生する頂点
44 発光体
45 偏光方向
51 頂点に向かい幅が小さくなった形状をした導電性の散乱体
52 近接場光が発生する鋭角
53 偏光方向
54 発光体
71 散乱体および発光体を保護するための突起
72 散乱体および発光体を保護するための膜
91 波長選択フィルタ
92 光の入射方向
120 先端が平坦になった四角錐の突起
104 光の入射方向
105 試料と接する面
81 散乱体を形成する面
82 四角錐の突起
83 発光体
84 基板側から入射させる場合の光の入射方向
85 偏光方向
86 基板の外側から入射させる場合の光の入射方向
87 散乱体を形成する面
901 散乱体および発光体が形成された突起
902 カンチレバの裏面
904 集光レンズ
905 ビームスプリッタ
906 半導体レーザ
907 検出器
908 走査用ピエゾ素子
909 振動用ピエゾ素子
910 試料
911 基板
912 集光レンズ
913 検出器
914 PSD
916 コリメートレンズ
917 波長選択フィルタ
918 波長選択フィルタ
701 記録ディスク
702 スライダ
703 光ヘッド
704 アクチュエータ
705 サスペンション
706 アクチュエーター
707 対物レンズ
708 半導体レーザー
709 コリメートレンズ
710 ビーム整形プリズム
711 圧電素子
712 ビームスプリッタ
714 ミラー
715 波長選択フィルタ
717 光検出器
141 水
142 基板
143 試料
341 平面状金属パターン
342 頂点
343 2つの頂点間。

Claims (6)

  1. 光源と、
    近接場光を発生させるための導電性の平面状散乱体と、
    前記光源からの光の波長とは異なる波長の光を発生させる発光体を備え、
    前記光源から光が入射されることにより前記平面状散乱体内にプラズモン共鳴が発生し、
    前記発光体が平面状散乱体により近接場光が発生する領域内または領域に接して設けられことを特徴とする近接場光発生器。
  2. 前記発光体の外周の1点と他点が最も遠くなる線分の長さが前記平面状散乱体に入射する光の波長以下であることを特徴とする請求項1記載の近接場光発生器。
  3. 前記発光体が非線形光学材料であることを特徴とする請求項1記載の近接場光発生器。
  4. 前記導電性の平面状散乱体に入射する光の中心位置が実質的に平面状散乱体の中心位置に一致すること特徴とする請求項1から何れかに記載の近接場光発生器。
  5. 前記発光体は、前記近接場光により励起されて発光することを特徴とする請求項1に記載の近接場光発生器。
  6. 前記発光体は、前記平面状散乱体の入射光の偏光方向と平行且つ前記平面状散乱体の中心を通る線と淵とが交わる部分の近傍に設けられることを特徴とする請求項1記載の近接場光発生器。
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