JP4032408B2 - 駐車場管理システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の駐車区画を有する駐車場の駐車、空車の状況に関する情報を得ることにより駐車場を管理する駐車場管理システムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の駐車場管理システムとしては、例えば以下に示す種々のシステムが実用化されている。
【０００３】
一つの駐車区画ごとに自動車検出のためのカメラ及び課金システムを設置する個別分散システム。
この場合、カメラとしては例えばＣＣＤやＣＭＯＳイメージセンサを使用したものが用いられ、一台のカメラで一つの駐車区画を撮像することにより画像データを得て、この画像データに基づいて駐車区画が駐車状態であるか、空車状態であるかを判定する。
【０００４】
（２）例えば大型スーパー等において、誘導員が駐車場を目視することにより空区画を探し、空区画に自動車を案内誘導するシステム。
【０００５】
（３）例えば大型私営駐車場において、駐車場の入口付近や駐車場のフロアごとに大型掲示板を設置し、この大型掲示板に満車、空車等の簡易情報を掲示するシステム。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の駐車場管理システムにおいては次のような問題点があった。
【０００７】
上述の個別分散システムにおいては、多くの駐車区画を有する大型の駐車場では多数の自動車検出のためのカメラ又はセンサが必要であり、そのカメラ又はセンサのコスト及びカメラ又はセンサを設置するためのコストが高くなる。
【０００８】
また、個別分散システムにおいては、ＣＣＤやＣＭＯＳイメージセンサの入出力特性はリニアであり、光の強度に比例してそのセンサ出力も大きくなる。従って、例えば屋外における晴天時のように、センサへの入力が実際の画面表示器の認識可能な輝度に対応するレベルを超えた場合、表示される画像は信号は飽和した白抜けの状態となり、誤った判定を行う確立が高くなる。
また、大入力でも一定レベルを超えない出力となるようにＣＣＤやＣＭＯＳイメージセンサの入出力特性を調整した場合（入出力の傾きを小さくした場合）も、その特性がリニアであるために、例えば雨天時のようにセンサへの入力が実際の画面表示器の認識可能な輝度に対応するレベル以下となると、得られる画像が不鮮明な状態となり、誤った判定を行う確立が高くなる。
【０００９】
誘導員が空区画に自動車を案内誘導するシステムにおいては、人手が多く必要なことからその人件費が高くなると共に、長時間の労働による排気ガスが人体へ悪影響を与える。
【００１０】
（４）満車、空車等の簡易情報を掲示するシステムにおいては、空区画がある場合でもその数がどの程度なのか把握できず、その数が少ない場合、運転者はどこに空区画があるのかを探し回らなければならない。
【００１１】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、広視野角の反射鏡または広角レンズ及び許容入力ダイナミックレンジの広いカメラを用いて駐車場を撮像することにより、低コストで、昼夜、日差しの強弱、照明環境等によらず安定した空区画判定を行い、空区画がどこにあるのかを運転者に広報することができる駐車場管理システムを提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１においては、駐車場の駐車状況を管理する駐車場管理システムにおいて、前記駐車場の中央に設置され、この駐車場における全方位を映し出す双曲線円錐状の全方位ミラーと、対数関数状の入出力特性を有し、前記全方位ミラーを介して前記駐車場の複数の駐車区画を含む領域を撮像して画像データを出力する広ダイナミックレンジカメラと、前記画像データに基づいて前記駐車区画ごとに車両の有無を判別する空区画判別手段、とを具備することを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１３】
本発明の請求項２においては、請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、前記空区画判別手段による判別結果に基づいて生成される駐車状況情報を表示する表示手段を設けたことを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１４】
本発明の請求項３においては、請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、前記空区画判別手段による判別結果に基づいて生成される駐車状況情報を通信ネットワークに接続された外部に送信する送信手段を設けたことを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１５】
本発明の請求項４においては、請求項２及び請求項３記載の駐車場管理システムにおいて、前記駐車状況情報は、前記空区画、前記空区画の有無及び前記空区画の数、の少なくとも一つを含むことを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１６】
本発明の請求項５においては、請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、前記広ダイナミックレンジカメラは半導体イメージセンサにより構成されることを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１７】
本発明の請求項６においては、請求項５記載の駐車場管理システムにおいて、前記半導体イメージセンサと前記空き区画判別手段とは同一半導体チップ上に形成されることを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１８】
本発明の請求項７においては、請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、通信ネットワークに接続された遠隔保守手段からの保守データを受信する受信手段を設け、前記空区画判別手段は、前記保守データに基づいて保守されるようにしたことを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１９】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図１は本発明の一実施例の構成概略図である。
図１において、１は広ダイナミックレンジカメラであり、駐車場の複数の駐車区画を含む領域を撮像して画像データを出力する。
尚、駐車場が大型の場合は、駐車場内に複数の広ダイナミックレンジカメラ１が設置される。
【００２０】
２は駐車場を一元的に管理するホストコンピュータであり、イーサネット等の伝送線または無線により複数の広ダイナミックレンジカメラ１が接続されている。
そして、ホストコンピュータ２の内部には空区画判別手段２ａ、情報生成手段２ｂ、送信手段２ｃ、受信手段２ｄが内部に設けられている。
【００２１】
３は駐車場の駐車状況に関する情報を表示させる表示手段であり、例えば駐車場の入口に設置され、イーサネット等の伝送線または無線によりホストコンピュータ２に接続される。
【００２２】
４は例えばインターネット等の通信ネットワークであり、５ａ，５ｂは、携帯電話の回線を利用して、道路交通情報、ニュース、天気予報などの運転に役立つ情報や電子メールをリクエストに応じて車に搭載されたカーナビゲーション装置に送信して表示させる会員制の情報提供システムである。
【００２３】
６はホストコンピュータ２に設けられた空区画判別手段２ａを遠隔保守する遠隔保守手段であり、ホストコンピュータ２、表示手段３及び情報提供システム５ａ，５ｂ及び遠隔保守手段６は、それぞれ通信ネットワーク４に接続されている。
【００２４】
次に、図１に示した駐車場管理システムの動作について説明する。
空区画判別手段２ａは、複数の広ダイナミックレンジカメラ１から定期的あるいはリクエストにより出力される画像データを入力し、それらの画像データの色情報や輝度情報を所定の画像認識アルゴリズムにより処理することにより、特徴抽出、パターン認識等を行い、例えば全ての駐車区画が空区画である時の画像データと比較することにより駐車区画ごとに車両の有無を判別する。
【００２５】
そして、情報生成手段２ｂは、空区画判別手段２ａの判別結果に基づいて、例えば、駐車場を駐車と空区画とに区別してパターン表示する画面情報、空区画があるか否かを表示する簡易情報、空区画がある場合はその数値を表示する簡易情報等の駐車状況情報を生成する。
【００２６】
送信手段２ｃは、情報生成手段２ｂで生成される駐車状況情報を一定周期あるいは外部からのリクエストに応じて表示手段３に送信すると共に、通信ネットワーク４を介して一定周期あるいは外部からのリクエストに応じて情報提供システム５ａ，５ｂに送信する。
【００２７】
そして、表示手段３は、図２に示すように、例えば駐車場の駐車済みの区画を黒、空区画を白として両者を区別したパターン、その他として満車、空車、空区画の数等をリアルタイムに表示させ、情報提供システム５ａ，５ｂは、リクエストに対応して会員の車に駐車状況情報を送信する。
【００２８】
従って、駐車場を利用したい運転者は、駐車場の入口等で事前に空区画の場所をリアルタイムに確認することができ、空区画を探しまわる必要がなく、安全かつ容易に駐車することができる。
【００２９】
また、駐車場から離れた運転者も情報提供システム５ａ，５ｂから駐車状況情報をリアルタイムに入手することにより、目指す駐車場に行く前に遠方よりその状況を把握することができる。
【００３０】
そして、遠隔保守手段６は、空区画判別手段２ａの有するパターン認識方法等の画像認識アルゴリズムのチューニングやバージョンアップを行う保守データをホストコンピュータ２に通信ネットワーク４を介して送信し、受信手段２ｄはこの保守データを受信し、空区画判別手段２ａは受信した保守データに基づいて画像認識アルゴリズムの更新を行う。
【００３１】
次に、広ダイナミックレンジカメラの詳細について説明する。
広ダイナミックレンジカメラ１は、例えば図３に示すように駐車場内に設置された柱７に固定され、同じく柱７に固定された広視野角の反射鏡８あるいは広角レンズによって映される駐車場を撮像して画像データを出力する。
【００３２】
この場合、反射鏡８は広視野角であるので、広ダイナミックレンジカメラ１は駐車場の複数の駐車区画を含む領域の画像を撮像することができるが、例えば大型駐車場においては、所定の駐車区画ごとに１組の広ダイナミックレンジカメラ１及び広視野角の反射鏡あるいは広角レンズを複数組設置するようにしても良い。
【００３３】
この場合、ホストコンピュータ２の空区画判別手段２ａは複数の広ダイナミックレンジカメラ１から送信される画像データに基づいて駐車場の空区画判別を行う。
【００３４】
また、反射鏡８を例えば図４に示すような全方位を映し出す双曲線円錐状の全方位ミラー９として駐車場の中央に設置した場合、駐車場の全方位の画像を撮像することができるので、一台の広ダイナミックレンジカメラ１によって、より多くの駐車区画を含む領域を撮像することができる。
【００３５】
また、双曲線円錐状の全方位ミラー等の広視野角の反射鏡を使用した場合、得られる画像データには歪みが存在するが、例えば空区画判別手段２ａによりこの歪みを補正する画像処理を行うことにより空区画の判別を行う。
【００３６】
このように、広視野角の反射鏡あるいは広角レンズを使用した場合、一台のカメラで一つの駐車区画を撮像する場合と比較して、必要なカメラの台数を大幅に削減することができ、カメラのコスト及びその設置コストを大幅に小さくすることができる。
【００３７】
そして、広ダイナミックレンジカメラ１は例えば半導体チップ上に形成されたＣＭＯＳイメージセンサ等の半導体イメージセンサにより構成され、このＣＭＯＳイメージセンサは、図５（ａ）に示すような対数関数特性、または図５（ｂ）に示すような対数関数特性に近い折れ線状の入出力特性を有している。
【００３８】
従って、広ダイナミックレンジカメラ１は、大きな入力に対しては一定レベル以下となるように出力を抑制し、小さな入力に対しては一定レベル以上となるように出力を行うので、屋外における晴天または雨天のようにレンジの広い入力に対しても白抜け等の不鮮明な画像を出力することがなく、安定して正確な空区画の判別を可能とする画像データを出力することができる。
【００３９】
この場合、ＣＭＯＳイメージセンサは、例えばＣＭＯＳトランジスタのゲート電圧を制御するか、ＣＭＯＳトランジスタの閾値電圧以下の入出力特性が指数関数特性を持つことを利用することにより、上記のような対数関数状の入出力特性を得る。
【００４０】
また、通常は、空区画判別手段２ａとＣＭＯＳイメージセンサとは個別に設けられるが、例えば空区画判別手段２ａを半導体回路により構成し、この半導体回路とＣＭＯＳイメージセンサとを同一半導体チップ上に形成し、空区画判別手段２ａが広ダイナミックレンジカメラ１に内蔵されるように構成しても良く、この場合は、ホストコンピュータ２には判別結果のみが伝送されるので、伝送負荷を低減させることができ、情報提供のリアルタイム性をより向上させることができる。
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、駐車場の複数の駐車区画を含む領域を撮像して画像データを出力する広ダイナミックレンジカメラを使用するようにしたので、低コストで、昼夜、日差しの強弱、照明環境等によらず安定した空区画判定を行うことができる。
【００４１】
また、本発明によれば、空区画の判別結果に基づいて、駐車場を駐車と空区画とに区別してパターン表示する画面、空区画があるか否かを表示する簡易情報、空区画がある場合はその数値を表示する簡易情報等からなる駐車状況情報を生成し、表示手段に表示するようにしたので、駐車場を利用したい運転者は、駐車場の入口等で事前に空区画の有無及びその場所をリアルタイムに確認することができ、空区画を探しまわる必要がなく、安全かつ容易に駐車することができる。
【００４２】
また、本発明によれば、駐車状況情報を通信ネットワークに接続された外部に送信する送信手段を設けたので、駐車場から離れた運転者も通信ネットワークを介して駐車状況情報をリアルタイムに入手することができ、目指す駐車場に行く前に遠方よりその状況を把握することができる。
【００４３】
また、本発明によれば、広ダイナミックレンジカメラを半導体イメージセンサにより構成し、この半導体イメージセンサと空き区画判別手段を構成する回路とを同一半導体チップ上に形成するようにしたので、ホストコンピュータに伝送するデータを判別結果のみとすることができ、伝送負荷を低減させることができ、情報提供のリアルタイム性をより向上させることができる。
【００４４】
また、本発明によれば、通信ネットワークに接続された遠隔保守手段からの保守データを受信する受信手段を設けたので、空区画判別手段び画像認識アルゴリズムを遠隔保守手段からの保守データに基づいて遠隔保守することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の構成概略図である。
【図２】表示手段に駐車場を駐車と空区画とに区別したパターンを表示させた場合を示す図である。
【図３】広ダイナミックレンジカメラを駐車場内に設置する場合の具体例を示す図である。
【図４】双曲線円錐状の全方位ミラーの構成図である。
【図５】ＣＭＯＳイメージセンサの入出力特性図である。
【符号の説明】
１ 広ダイナミックカメラ
２ ホストコンピュータ
２ａ 空区画判別手段
２ｂ 情報生成手段
２ｃ 送信手段
２ｄ 受信手段
３ 表示手段
４ 通信ネットワーク
５ａ，５ｂ 情報提供システム
６ 遠隔保守手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の駐車区画を有する駐車場の駐車、空車の状況に関する情報を得ることにより駐車場を管理する駐車場管理システムに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来の駐車場管理システムとしては、例えば以下に示す種々のシステムが実用化されている。
【０００３】
一つの駐車区画ごとに自動車検出のためのカメラ及び課金システムを設置する個別分散システム。
この場合、カメラとしては例えばＣＣＤやＣＭＯＳイメージセンサを使用したものが用いられ、一台のカメラで一つの駐車区画を撮像することにより画像データを得て、この画像データに基づいて駐車区画が駐車状態であるか、空車状態であるかを判定する。
【０００４】
（２）例えば大型スーパー等において、誘導員が駐車場を目視することにより空区画を探し、空区画に自動車を案内誘導するシステム。
【０００５】
（３）例えば大型私営駐車場において、駐車場の入口付近や駐車場のフロアごとに大型掲示板を設置し、この大型掲示板に満車、空車等の簡易情報を掲示するシステム。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の駐車場管理システムにおいては次のような問題点があった。
【０００７】
上述の個別分散システムにおいては、多くの駐車区画を有する大型の駐車場では多数の自動車検出のためのカメラ又はセンサが必要であり、そのカメラ又はセンサのコスト及びカメラ又はセンサを設置するためのコストが高くなる。
【０００８】
また、個別分散システムにおいては、ＣＣＤやＣＭＯＳイメージセンサの入出力特性はリニアであり、光の強度に比例してそのセンサ出力も大きくなる。従って、例えば屋外における晴天時のように、センサへの入力が実際の画面表示器の認識可能な輝度に対応するレベルを超えた場合、表示される画像は信号は飽和した白抜けの状態となり、誤った判定を行う確立が高くなる。
また、大入力でも一定レベルを超えない出力となるようにＣＣＤやＣＭＯＳイメージセンサの入出力特性を調整した場合（入出力の傾きを小さくした場合）も、その特性がリニアであるために、例えば雨天時のようにセンサへの入力が実際の画面表示器の認識可能な輝度に対応するレベル以下となると、得られる画像が不鮮明な状態となり、誤った判定を行う確立が高くなる。
【０００９】
誘導員が空区画に自動車を案内誘導するシステムにおいては、人手が多く必要なことからその人件費が高くなると共に、長時間の労働による排気ガスが人体へ悪影響を与える。
【００１０】
（４）満車、空車等の簡易情報を掲示するシステムにおいては、空区画がある場合でもその数がどの程度なのか把握できず、その数が少ない場合、運転者はどこに空区画があるのかを探し回らなければならない。
【００１１】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、広視野角の反射鏡または広角レンズ及び許容入力ダイナミックレンジの広いカメラを用いて駐車場を撮像することにより、低コストで、昼夜、日差しの強弱、照明環境等によらず安定した空区画判定を行い、空区画がどこにあるのかを運転者に広報することができる駐車場管理システムを提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項１においては、駐車場の駐車状況を管理する駐車場管理システムにおいて、前記駐車場の中央に設置され、この駐車場における全方位を映し出す双曲線円錐状の全方位ミラーと、対数関数状の入出力特性を有し、前記全方位ミラーを介して前記駐車場の複数の駐車区画を含む領域を撮像して画像データを出力する広ダイナミックレンジカメラと、前記画像データに基づいて前記駐車区画ごとに車両の有無を判別する空区画判別手段、とを具備することを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１３】
本発明の請求項２においては、請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、前記空区画判別手段による判別結果に基づいて生成される駐車状況情報を表示する表示手段を設けたことを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１４】
本発明の請求項３においては、請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、前記空区画判別手段による判別結果に基づいて生成される駐車状況情報を通信ネットワークに接続された外部に送信する送信手段を設けたことを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１５】
本発明の請求項４においては、請求項２及び請求項３記載の駐車場管理システムにおいて、前記駐車状況情報は、前記空区画、前記空区画の有無及び前記空区画の数、の少なくとも一つを含むことを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１６】
本発明の請求項５においては、請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、前記広ダイナミックレンジカメラは半導体イメージセンサにより構成されることを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１７】
本発明の請求項６においては、請求項５記載の駐車場管理システムにおいて、前記半導体イメージセンサと前記空き区画判別手段とは同一半導体チップ上に形成されることを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１８】
本発明の請求項７においては、請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、通信ネットワークに接続された遠隔保守手段からの保守データを受信する受信手段を設け、前記空区画判別手段は、前記保守データに基づいて保守されるようにしたことを特徴とする駐車場管理システムである。
【００１９】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図１は本発明の一実施例の構成概略図である。
図１において、１は広ダイナミックレンジカメラであり、駐車場の複数の駐車区画を含む領域を撮像して画像データを出力する。
尚、駐車場が大型の場合は、駐車場内に複数の広ダイナミックレンジカメラ１が設置される。
【００２０】
２は駐車場を一元的に管理するホストコンピュータであり、イーサネット等の伝送線または無線により複数の広ダイナミックレンジカメラ１が接続されている。
そして、ホストコンピュータ２の内部には空区画判別手段２ａ、情報生成手段２ｂ、送信手段２ｃ、受信手段２ｄが内部に設けられている。
【００２１】
３は駐車場の駐車状況に関する情報を表示させる表示手段であり、例えば駐車場の入口に設置され、イーサネット等の伝送線または無線によりホストコンピュータ２に接続される。
【００２２】
４は例えばインターネット等の通信ネットワークであり、５ａ，５ｂは、携帯電話の回線を利用して、道路交通情報、ニュース、天気予報などの運転に役立つ情報や電子メールをリクエストに応じて車に搭載されたカーナビゲーション装置に送信して表示させる会員制の情報提供システムである。
【００２３】
６はホストコンピュータ２に設けられた空区画判別手段２ａを遠隔保守する遠隔保守手段であり、ホストコンピュータ２、表示手段３及び情報提供システム５ａ，５ｂ及び遠隔保守手段６は、それぞれ通信ネットワーク４に接続されている。
【００２４】
次に、図１に示した駐車場管理システムの動作について説明する。
空区画判別手段２ａは、複数の広ダイナミックレンジカメラ１から定期的あるいはリクエストにより出力される画像データを入力し、それらの画像データの色情報や輝度情報を所定の画像認識アルゴリズムにより処理することにより、特徴抽出、パターン認識等を行い、例えば全ての駐車区画が空区画である時の画像データと比較することにより駐車区画ごとに車両の有無を判別する。
【００２５】
そして、情報生成手段２ｂは、空区画判別手段２ａの判別結果に基づいて、例えば、駐車場を駐車と空区画とに区別してパターン表示する画面情報、空区画があるか否かを表示する簡易情報、空区画がある場合はその数値を表示する簡易情報等の駐車状況情報を生成する。
【００２６】
送信手段２ｃは、情報生成手段２ｂで生成される駐車状況情報を一定周期あるいは外部からのリクエストに応じて表示手段３に送信すると共に、通信ネットワーク４を介して一定周期あるいは外部からのリクエストに応じて情報提供システム５ａ，５ｂに送信する。
【００２７】
そして、表示手段３は、図２に示すように、例えば駐車場の駐車済みの区画を黒、空区画を白として両者を区別したパターン、その他として満車、空車、空区画の数等をリアルタイムに表示させ、情報提供システム５ａ，５ｂは、リクエストに対応して会員の車に駐車状況情報を送信する。
【００２８】
従って、駐車場を利用したい運転者は、駐車場の入口等で事前に空区画の場所をリアルタイムに確認することができ、空区画を探しまわる必要がなく、安全かつ容易に駐車することができる。
【００２９】
また、駐車場から離れた運転者も情報提供システム５ａ，５ｂから駐車状況情報をリアルタイムに入手することにより、目指す駐車場に行く前に遠方よりその状況を把握することができる。
【００３０】
そして、遠隔保守手段６は、空区画判別手段２ａの有するパターン認識方法等の画像認識アルゴリズムのチューニングやバージョンアップを行う保守データをホストコンピュータ２に通信ネットワーク４を介して送信し、受信手段２ｄはこの保守データを受信し、空区画判別手段２ａは受信した保守データに基づいて画像認識アルゴリズムの更新を行う。
【００３１】
次に、広ダイナミックレンジカメラの詳細について説明する。
広ダイナミックレンジカメラ１は、例えば図３に示すように駐車場内に設置された柱７に固定され、同じく柱７に固定された広視野角の反射鏡８あるいは広角レンズによって映される駐車場を撮像して画像データを出力する。
【００３２】
この場合、反射鏡８は広視野角であるので、広ダイナミックレンジカメラ１は駐車場の複数の駐車区画を含む領域の画像を撮像することができるが、例えば大型駐車場においては、所定の駐車区画ごとに１組の広ダイナミックレンジカメラ１及び広視野角の反射鏡あるいは広角レンズを複数組設置するようにしても良い。
【００３３】
この場合、ホストコンピュータ２の空区画判別手段２ａは複数の広ダイナミックレンジカメラ１から送信される画像データに基づいて駐車場の空区画判別を行う。
【００３４】
また、反射鏡８を例えば図４に示すような全方位を映し出す双曲線円錐状の全方位ミラー９として駐車場の中央に設置した場合、駐車場の全方位の画像を撮像することができるので、一台の広ダイナミックレンジカメラ１によって、より多くの駐車区画を含む領域を撮像することができる。
【００３５】
また、双曲線円錐状の全方位ミラー等の広視野角の反射鏡を使用した場合、得られる画像データには歪みが存在するが、例えば空区画判別手段２ａによりこの歪みを補正する画像処理を行うことにより空区画の判別を行う。
【００３６】
このように、広視野角の反射鏡あるいは広角レンズを使用した場合、一台のカメラで一つの駐車区画を撮像する場合と比較して、必要なカメラの台数を大幅に削減することができ、カメラのコスト及びその設置コストを大幅に小さくすることができる。
【００３７】
そして、広ダイナミックレンジカメラ１は例えば半導体チップ上に形成されたＣＭＯＳイメージセンサ等の半導体イメージセンサにより構成され、このＣＭＯＳイメージセンサは、図５（ａ）に示すような対数関数特性、または図５（ｂ）に示すような対数関数特性に近い折れ線状の入出力特性を有している。
【００３８】
従って、広ダイナミックレンジカメラ１は、大きな入力に対しては一定レベル以下となるように出力を抑制し、小さな入力に対しては一定レベル以上となるように出力を行うので、屋外における晴天または雨天のようにレンジの広い入力に対しても白抜け等の不鮮明な画像を出力することがなく、安定して正確な空区画の判別を可能とする画像データを出力することができる。
【００３９】
この場合、ＣＭＯＳイメージセンサは、例えばＣＭＯＳトランジスタのゲート電圧を制御するか、ＣＭＯＳトランジスタの閾値電圧以下の入出力特性が指数関数特性を持つことを利用することにより、上記のような対数関数状の入出力特性を得る。
【００４０】
また、通常は、空区画判別手段２ａとＣＭＯＳイメージセンサとは個別に設けられるが、例えば空区画判別手段２ａを半導体回路により構成し、この半導体回路とＣＭＯＳイメージセンサとを同一半導体チップ上に形成し、空区画判別手段２ａが広ダイナミックレンジカメラ１に内蔵されるように構成しても良く、この場合は、ホストコンピュータ２には判別結果のみが伝送されるので、伝送負荷を低減させることができ、情報提供のリアルタイム性をより向上させることができる。
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、駐車場の複数の駐車区画を含む領域を撮像して画像データを出力する広ダイナミックレンジカメラを使用するようにしたので、低コストで、昼夜、日差しの強弱、照明環境等によらず安定した空区画判定を行うことができる。
【００４１】
また、本発明によれば、空区画の判別結果に基づいて、駐車場を駐車と空区画とに区別してパターン表示する画面、空区画があるか否かを表示する簡易情報、空区画がある場合はその数値を表示する簡易情報等からなる駐車状況情報を生成し、表示手段に表示するようにしたので、駐車場を利用したい運転者は、駐車場の入口等で事前に空区画の有無及びその場所をリアルタイムに確認することができ、空区画を探しまわる必要がなく、安全かつ容易に駐車することができる。
【００４２】
また、本発明によれば、駐車状況情報を通信ネットワークに接続された外部に送信する送信手段を設けたので、駐車場から離れた運転者も通信ネットワークを介して駐車状況情報をリアルタイムに入手することができ、目指す駐車場に行く前に遠方よりその状況を把握することができる。
【００４３】
また、本発明によれば、広ダイナミックレンジカメラを半導体イメージセンサにより構成し、この半導体イメージセンサと空き区画判別手段を構成する回路とを同一半導体チップ上に形成するようにしたので、ホストコンピュータに伝送するデータを判別結果のみとすることができ、伝送負荷を低減させることができ、情報提供のリアルタイム性をより向上させることができる。
【００４４】
また、本発明によれば、通信ネットワークに接続された遠隔保守手段からの保守データを受信する受信手段を設けたので、空区画判別手段び画像認識アルゴリズムを遠隔保守手段からの保守データに基づいて遠隔保守することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の構成概略図である。
【図２】表示手段に駐車場を駐車と空区画とに区別したパターンを表示させた場合を示す図である。
【図３】広ダイナミックレンジカメラを駐車場内に設置する場合の具体例を示す図である。
【図４】双曲線円錐状の全方位ミラーの構成図である。
【図５】ＣＭＯＳイメージセンサの入出力特性図である。
【符号の説明】
１ 広ダイナミックカメラ
２ ホストコンピュータ
２ａ 空区画判別手段
２ｂ 情報生成手段
２ｃ 送信手段
２ｄ 受信手段
３ 表示手段
４ 通信ネットワーク
５ａ，５ｂ 情報提供システム
６ 遠隔保守手段
Claims (7)
- 駐車場の駐車状況を管理する駐車場管理システムにおいて、
前記駐車場の中央に設置され、この駐車場における全方位を映し出す双曲線円錐状の全方位ミラーと、
対数関数状の入出力特性を有し、前記全方位ミラーを介して前記駐車場の複数の駐車区画を含む領域を撮像して画像データを出力する広ダイナミックレンジカメラと、
前記画像データに基づいて前記駐車区画ごとに車両の有無を判別する空区画判別手段、とを具備することを特徴とする駐車場管理システム。 - 請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、
前記空区画判別手段による判別結果に基づいて生成される駐車状況情報を表示する表示手段を設けたことを特徴とする駐車場管理システム。 - 請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、
前記空区画判別手段による判別結果に基づいて生成される駐車状況情報を通信ネットワークに接続された外部に送信する送信手段を設けたことを特徴とする駐車場管理システム。 - 請求項２及び請求項３記載の駐車場管理システムにおいて、
前記駐車状況情報は、前記空区画、前記空区画の有無及び前記空区画の数、の少なくとも一つを含むことを特徴とする駐車場管理システム。 - 請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、
前記広ダイナミックレンジカメラは半導体イメージセンサにより構成されることを特徴とする駐車場管理システム。 - 請求項５記載の駐車場管理システムにおいて、
前記半導体イメージセンサと前記空き区画判別手段とは同一半導体チップ上に形成されることを特徴とする駐車場管理システム。 - 請求項１記載の駐車場管理システムにおいて、
通信ネットワークに接続された遠隔保守手段からの保守データを受信する受信手段を設け、前記空区画判別手段は、前記保守データに基づいて保守されるようにしたことを特徴とする駐車場管理システム。
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