JP4032366B2 - 熱交換器 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱交換器に係り、殊に、熱交換媒体を供給する入口継ぎ手と熱交換媒体を排出する出口継ぎ手が設けられている外側の圧力ジャケットであって、該圧力ジャケットと接続されている管底に挿入されるＵ字状に湾曲加工されたパイプを包み囲むようにされた圧力ジャケットを備えており、Ｕ字状に湾曲加工されたパイプが導入ジャケットにより包み囲まれていて、該導入ジャケットがリング状の中間スペースを形成しながら圧力ジャケットの内側から半径方向に間隔をあけて配置されるよう構成された熱交換器に関する。
【０００２】
【従来の技術】
この種の熱交換器はＤＥ−ＰＳ２０３３１２８号より公知である。この公知の熱交換器においては、導入ジャッケトの両側が開放されていて、導入ジャッケト側の媒体に使用される供給用継ぎ手が中央に設けられている。供給された媒体は導入ジャッケトの内部で両側に分散され、その一部は対流をなして流動するとともに、一部は並流をなしてパイプ側に向かって流動する。しかるのち、ジャケット側の媒体は導入ジャッケトと外側の圧力ジャッケトとの間のリング状の中間スペースに流入し、引き続き該スペースから排出される。この構成によれば、圧力ジャッケトは流入温度の高い媒体と接触することはない。
【０００３】
ジャケット側に導入された被冷却媒体が降下する温度範囲を制御することができることは多くの使用分野で望ましいことである。この目的を達成するために、熱交換器の長さ方向の軸に配置されたセンター・パイプより成るバイパスを配置することが知られている（ＤＥ−ＰＳ２８４６５５号参照）。このセンター・パイプは、ガス入口チャンバーを直接ガス出口チャンバーと接続していて、出口端に閉止機構あるいは調節機構を備えている。しかし、このバイパス配置構成は、熱交換パイプがガス入口チャンバーまたはガス出口チャンバーを限定している２つの管底に保持されているストレート・パイプ式熱交換器にだけにしか使用することはできない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ジャケット側に導入された媒体の終端温度を制御することができるとともに、高い温度負荷から圧力ジャケットを保護することができるよう構成されたＵ字状パイプ式熱交換器を提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る熱交換器は、請求項１の前文に記載の熱交換器において、２つの互いに向かい合って位置している開口（１７、１８）を備えたチャンバー（１６）がセンター・パイプ（１１）の入口領域に設けられていて、一方の開口がセンター・パイプ（１１）と接続されているとともに、他方の開口が圧力ジャケット（１）の内部スペースと接続されていることと、パルプ・プレート（１９）が該２つの開口（１７、１８）の一方を閉止し得るよう軸方向に移動可能に前記チャンバー（１６）内に配置されていることとを特徴とするものである。
【０００６】
本発明によれば、Ｕ字状パイプを配置するとともに、熱交換器の内部でジャケット側に導入された媒体を何回にもわったて反転させるよう構成することにより、センター・パイプに閉止機構または調節機構を設けることを可能ならしめるとともに、Ｕ字状パイプ式熱交換器にバイパス配置構成を提供することが可能になったのである。この構成においては、ジャケット側の媒体は冷却された状態で圧力ジャケットと接触するよう導びかれる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図示の熱交換器は、冷却媒体としての蒸気を過熱しながらアンモニア発生装置またはメタノール発生装置から供給された高温ガスまたは石炭ガス化装置から供給された高温のガスを冷却することにより使用されるものである。
【０００８】
熱交換器は圧力ジャケット１を備えていて、該ジャケット１はＵ字状に湾曲加工されたパイプ２の束を包み囲んでいる。パイプ２は、圧力ジャケット１と接続されている管支持板（３）に挿入される。熱交換媒体、例えば、蒸気を供給する入口継ぎ手５を備えた入口チャンバー（４）が、管支持板３のうちパイプ２の反対の側に設けられている。管支持板３と接続されていて、入口チャンバー４に関して閉止されている出口チャンバー６が、入口チャンバー４内に配置されている。出口チャンバー６は、入口チャンバー４から隔置されている出口継ぎ手７を備えている。Ｕ字状に湾曲加工されたパイプ２は、入口端が部分円上に位置するとともに、出口端が他方の部分円上に位置するよう形成されている。パイプ２の入口端は入口チャンバー４に開口しており、出口端は出口チャンバー６に開口している。この構成によれば、パイプ側に導びかれた媒体は矢印により表示されている方向に流動する。図１に示されている実施例においては、出口チャンバー６の横断面は円形を呈していて、中央に配置されている。すなわち、出口チャンバー６は、熱交換器の長さ方向の軸内に配置されている。
【０００９】
図２に示されているように、パイプ側に導びかれた媒体の流動方向を逆にすることもできる。この場合、入口チャンバー４を変更することなく出口チャンバー６の横断面は円形に形成されているので、大きい方の部分円上に位置しているパイプ２の出口端は出口チャンバー６に開口することになる。
【００１０】
圧力ジャッケト１は、熱交換器の管底３と反対の端部に熱交換媒体、例えば、アンモニア発生装置またはメタノール発生装置から送達された高温のガスあるいは石炭ガス化装置から送達された高温のガスを供給するために必要な供給継ぎ手８を備えている。熱交換器の同じ端部に熱交換媒体を排出するために必要な排出継ぎ手９が設けられている。
【００１１】
供給継ぎ手８は、熱交換器の長さ方向の軸内に配置されていて、パイプ２により取り囲まれている一方の側が開口したセンター・パイプ１１と供給通路１０を介して接続されている。センター・パイプ１１は、管支持板（３）の近傍で終わっている。Ｕ字状に湾曲加工されたパイプ２の直線部間に円筒状の分離壁１２が配置されている。この分離壁１２は、管支持板３と接続されていて、Ｕ字状に湾曲加工されたパイプ２の折り返し部まで延設されている。パイプ２の外側の直線部は、リング状の中間スペース１４を形成しながら圧力ジャケット１から半径方向に間隔をあけて配置されている案内ジャケット１３により包み囲まれている。案内ジャケット１３は、一方の端部がセンター・パイプ１１とガスタイトに接続されているとともに、開放端が管支持板３の近傍まで延在している。バッフル・プレート１５がセンター・パイプ１１と案内ジャケット１３により閉止されているスペース内にパイプ２に関して垂直に配置されている。
【００１２】
供給継ぎ手８を通って導びかれた媒体は、センター・パイプ１１を貫流し、管底３の近傍で反転し、センター・パイプ１１と分離壁１２との間の中間スペースを貫流し、案内ジャケット１３の閉止された端部で反転し、分離壁１２と案内ジャッケト１３との間の中間スペースを貫流し、案内ジャケット１３の開放端から流出し、案内ジャケッと１３と圧力ジャッケト１との間のリング状の中間スペース１４に到達し、この中間スペース１４から排出継ぎ手９を通って排出される。上述のようにして、ジャッケト側に導びかれた媒体は、矢印により表示されている経路を通って流動する。図１に示されている実施例においては、ジャッケト側の媒体はパイプ側の媒体に関して対流の形で導かれ、また図２に示されている実施例においては、ジャケット側の媒体はパイプ側の媒体に関して並流の形で導かれる。ジャケット側の媒体はパイプ２を通って導かれた低温の媒体との熱交換により冷却され、冷却された状態で圧力ジャッケト１にぶつかることになる。
【００１３】
円筒状のチャンバー１６が入口領域でセンター・パイプ１１の中に一体に設けられていて、供給通路１０が円筒状のチャンバー１６の中で半径方向に開口している。円筒状のチャンバー１６は互いに向かい合って位置している開口１７と１８を備えており、これらの開口１７と１８のうちの一方、開口１７はセンター・パイプ１１と接続さているとともに、他方の開口１８は圧力ジャケット１の内部スペースと接続されている。熱交換器から突設されたロッド２０により調節することができるバルブ・プレート１９が円筒状チャンバー１６の中で軸方向に移動可能に配置されている。バルブ・プレート１９は、一方の端部位置ではセンター・パイプ１１への媒体の案内を行う開口１７を閉止しているとともに、他方の端部位置では圧力ジャケット１の内部への媒体の案内を行う開口１８を閉止している。バルブ・プレート１９を両方の開口１７と１８との間の中間位置に保持することも可能である。開放状態（図３の実線により表示されている状態）では、供給継ぎ手８を通って流入した媒体の流れは、パイプ２と接触することなく、未冷却の状態で排出継ぎ手９を通って直接排出される。閉止状態（図３の点線により表示されている状態）では、媒体の流れはセンター・パイプ１１に流入し、リング状の中間スペース１４と排出継ぎ手９を通って排出される前に、パイプ２に沿って何回も曲がりくねって流動する。この状態は図１と図２にも示されている。このようにして、唯一の調節部材であるバルブ・プレート１９と接続されたロッド２０の位置を移動することにより円筒状のチャンバー１６の開口を通って流動する媒体の量をゼロと１００パーセントとの間で変更することができる。これによりジャケット側の媒体またはパイプ側の媒体の流出温度を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例に従って構成された熱交換器を長さ方向に切断した断面図である。
【図２】本発明の他の実施例に従って構成された熱交換器を長さ方向に切断した断面図である。
【図３】図１または図２に示されているＺ部の拡大断面図である。
【符号の説明】
１ 圧力ジャケット
２ パイプ
３ 管底
４ 入口チャンバー
５ 入口継ぎ手
６ 出口チャンバー
７ 出口継ぎ手
８ 供給継ぎ手
９ 排出継ぎ手
１０ 供給通路
１１ センター・パイプ
１２ 分離壁
１３ 案内ジャケット
１４ リング状の中間スペース
１５ バッフル・プレート
１６ 円筒状のチャンバー
１７ 開口
１８ 開口
１９ バルブ・プレート
２０ ロッド

Claims (4)

1. 熱交換媒体を供給する入口継ぎ手（５）と熱交換媒体を排出する出口継ぎ手（７）が設けられている外側の圧力ジャケット（１）であって、該圧力ジャケット（１）と接続されている管支持板（３）に挿入されるＵ字状に湾曲加工されたパイプ（２）を包み囲むようにされた圧力ジャケット（１）を備えており、Ｕ字状に湾曲加工されたパイプ（２）が案内ジャケット（１３）により取り囲まれていて、該導入ジャケット（１３）がリング状の中間スペース（１４）を形成しながら圧力ジャケット（１）の内側から半径方向に間隔をあけて配置されており、Ｕ字状に湾曲加工されたパイプ（２）の内側のパイプ直線部と外側のパイプ直線部が２つの同心の部分円上に配置されており、該内側のパイプ直線部は、供給通路（１０）と接続されていて、熱交換器の内部に向かって開放され、かつ熱交換器の長さ方向の軸に配置されているセンター・パイプ（１１）を包み囲んでおり、該センター・パイプ（１１）は熱交換器の一方の端部から熱交換器の他方の端部に配置された管支持板（３）の近傍まで延在しており、管支持板（３）と接続されている分離壁（１２）がＵ字状に湾曲加工されたパイプ（２）の内側のパイプ直線部と外側のパイプ直線部との間に配置されおり、案内ジャケット（１３）の一方の端部がガスタイトにセンター・パイプ（１１）と接続されていて、開放端が管支持板（３）の近傍まで延設されており、案内ジャケット（１３）と圧力ジャケット（１）との間のリング状の中間スペース（１４）から突設された出口継ぎ手（７）が、案内ジャケット（１３）の開放端と反対側に位置している熱交換器の端部に配置されている熱交換器において、２つの互いに向かい合って位置している開口（１７、１８）を備えたチャンバー（１６）がセンター・パイプ（１１）の入口領域に設けられていて、一方の開口がセンター・パイプ（１１）と接続されているとともに、他方の開口が圧力ジャケット（１）の内部スペースと接続されていることと、パルプ・プレート（１９）が該２つの開口（１７、１８）の一方を閉止し得るよう軸方向に移動可能に前記チャンバー（１６）内に配置されていることとを特徴とする熱交換器。
2. 、管支持板（３）がパイプ（２）と反対の側で入口チャンバー（４）を限定しており、管支持板（３）と接続されていて、出口継ぎ手（７）を備えている出口チャンバー（６）が入口チャンバー（４）内に配置されていることと、すべてのパイプ（２）の出口端が出口チャンバー（６）に開口していることとを特徴とする請求項１記載の熱交換器。
3. 出口チャンバー（６）の横断面が円形を呈していて、出口チャンバー（６）の中心部が入口チャンバー（４）内に配置されていることを特徴とする請求項２記載の熱交換器。
4. 出口チャンバー（６）の横断面が円形を呈していることを特徴とする請求項２記載の熱交換器。

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