JP4032085B2 - 温度補正機能を備えた青果類の硬度測定装置および青果類の硬度測定方法 - Google Patents

温度補正機能を備えた青果類の硬度測定装置および青果類の硬度測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、果実、野菜などの青果類の硬度を非破壊で測定するための温度補正機能を備えた青果類の硬度測定装置および青果類の硬度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、果実、野菜などの青果類においては、例えば、リンゴなどの果肉の硬度、オレンジ、グレープフルーツなどの外皮の硬度、ミカンなどの浮皮の程度を測定することによって、青果類の内部品質や、貯蔵、運搬に耐え得るものであるかなどの品質を測定することが行われている。
【0003】
このような青果類の硬度を測定する方法として、従来は、青果類に対して荷重計を押し当てて、青果類の表面が破壊する際のバネ圧力を測定して、これにより青果類の硬度を測定するバネ圧式硬度測定装置が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなバネ圧式硬度測定装置では、青果類の表面を破壊することになるので、青果場では、測定のために表面が破壊された青果類を破棄せざるを得ないため、その損失は年間に換算すれば、多大な損害となっている。
ところで、従来より、特許文献1において、ゴム、樹脂、食材、食品等の被測定物の硬さ測定、人体の皮膚、臓器等の生体組織を被測定物とした硬さ測定方法として、周波数偏差検出回路を利用した硬さ測定器が提案されている。
【0005】
この特許文献1の硬度測定装置100では、図9に示したように、接触子105、振動子103、自励発振回路111、ゲイン変化補正回路113を備えている。そして、自励発振回路111が、振動子103の振動情報を帰還し共振状態にする。
また、ゲイン変化補正回路113が、自励発振回路111に設けられており、ゲイン変化補正回路113は、自励発振回路111の中心周波数と異なる中心周波数を有し、周波数の変化に対してゲインを上昇させ、これによって、周波数の変化によって被測定物の硬さを測定するように構成されている。
【0006】
しかしながら、このように構成される特許文献1の硬度測定装置100を、青果類の硬度を測定する場合にそのまま用いた場合には、測定する場所の環境温度によって、接触子105、振動子103の温度が上下することになる。すなわち、例えば、測定場所が、室内であるか、冷蔵庫の中であるか、真夏の屋外の農園であるかによって、接触子105、振動子103の温度が上下することになる。
【0007】
従って、この温度の影響によって、周波数が影響を受けて変化してしまい、正確な硬度を測定できないことになる。
また、同様に、被検査対象である青果類自体の温度によって、接触子105が青果類に接触した際に、接触子105、振動子103の温度が上下することになり、この温度の影響によって、周波数が影響を受けて変化してしまい、正確な硬度を測定できないことになる。
【0008】
本発明は、このような現状に鑑み、例えば、室内や農園地などの環境温度によって影響を受けることなく、正確な硬度測定が可能な温度補正機能を備えた青果類の硬度測定装置および硬度測定方法を提供する。
また、被検査対象である青果類自体の温度によって影響を受けることなく、正確な硬度測定が可能な温度補正機能を備えた青果類の硬度測定装置および硬度測定方法を提供する。
【0009】
【特許文献1】
特許第3151153号公報(特に、段落[0062]〜段落[0065]、図1参照)
【0010】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明なされたものであって、本発明の青果類の硬度測定装置は、青果類に接触する接触子と、
前記接触子を振動させる振動子と、
前記接触子を青果類に接触させた状態で、前記振動子の振動情報を帰還して共振状態にする自励発振回路とを備え、
前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定装置であって、
前記振動子の温度を測定する測温装置と、
前記測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、
前記測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うように制御する測温制御装置とを備えることを特徴とする
【0014】
また、本発明の青果類の硬度測定方法は、接触子を青果類に接触させた状態で、自励発振回路を介して、前記接触子を振動させる振動子の振動情報を帰還して共振状態にして、
前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定方法であって、
前記振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、
前記振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うように制御することを特徴とする。
【0015】
このように測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うようになっている。
これにより、振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合、すなわち、接触子に接触した被検査対象である青果類自体の温度が、接触子、振動子の温度との温度差が一定レベル以上で大きい場合に、所定の短時間で測定を終了するようになっている。
【0016】
従って、青果類自体の温度によって、接触子および振動子の温度が変化しない時間内で、硬度測定を終了するので、被検査対象である青果類自体の温度による周波数の変化を抑えることができ、正確な硬度の測定が可能である。
また、振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合、すなわち、接触子に接触した被検査対象である青果類自体の温度が、接触子、振動子の温度との温度差が小さい場合には、温度差による周波数の変化がないので、このまま硬度測定を行っても、正確な硬度測定を行うことが可能である。
【0017】
また、本発明の青果類の硬度測定装置は、青果類に接触する接触子と、
前記接触子を振動させる振動子と、
前記接触子を青果類に接触させた状態で、前記振動子の振動情報を帰還して共振状態にする自励発振回路とを備え、
前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定装置であって、
前記振動子の温度を測定する測温装置と、
前記測温装置で測定した振動子の温度に基づいて、予め記憶された温度−周波数補正データに基づいて、前記周波数の変化情報を補正する温度補正制御装置と、
前記測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、
前記測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うように制御する測温制御装置とを備えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の青果類の硬度測定方法は、接触子を青果類に接触させた状態で、自励発振回路を介して、前記接触子を振動させる振動子の振動情報を帰還して共振状態にして、
前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定方法であって、
前記振動子の温度に基づいて、予め記憶された温度−周波数補正データに基づいて、前記周波数の変化情報を補正するとともに、
前記振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、
前記振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うことを特徴とする。
【0019】
このように、測温装置で測定した振動子の温度に基づいて、予め記憶された温度−周波数補正データに基づいて、温度補正制御装置によって周波数の変化情報を補正している。
また、このように測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うようになっている。
【0020】
これにより、振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合、すなわち、接触子に接触した被検査対象である青果類自体の温度が、接触子、振動子の温度との温度差が一定レベル以上で大きい場合に、所定の短時間で測定を終了するようになっている。
従って、青果類自体の温度によって、接触子および振動子の温度が変化しない時間内で、硬度測定を終了するので、被検査対象である青果類自体の温度による周波数の変化を抑えることができ、正確な硬度の測定が可能である。
【0021】
また、振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合、すなわち、接触子に接触した被検査対象である青果類自体の温度が、接触子、振動子の温度との温度差が小さい場合には、温度差による周波数の変化がないので、このまま硬度測定を行っても、正確な硬度測定を行うことが可能である。
従って、例えば、室内や農園地などの環境温度によって、また、被検査対象である青果類自体の温度によって、接触子および振動子の温度が変化しても、温度変化による周波数の変化を補正するので、周波数の正確な変化情報を得ることができ、正確な硬度測定が可能である。
【0022】
また、本発明の青果類の硬度測定装置は、前記測温装置が、前記振動子に取り付けた測温抵抗体であることを特徴とする。
また、本発明の青果類の硬度測定方法は、前記振動子の温度を、前記振動子に取り付けた測温抵抗体で測定することを特徴とする。
この場合、前記測温装置が、サーミスタ温度計であるのが好ましい。
【0023】
また、本発明の青果類の硬度測定装置は、前記測温装置が、前記振動子に取り付けた熱電対であることを特徴とする。
また、本発明の青果類の硬度測定方法は、前記振動子の温度を、前記振動子に取り付けた熱電対で測定することを特徴とする。
また、本発明の青果類の硬度測定装置は、前記測温装置が、前記振動子に取り付けた半導体測温体であることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の青果類の硬度測定方法は、前記振動子の温度を、前記振動子に取り付けた半導体測温体で測定することを特徴とする。
このように測温装置が、振動子に取り付けた測温抵抗体、サーミスタ温度計、熱電対、半導体測温体であるので、短時間でしかも正確に振動子の温度を測定でき、しかもコンパクトである。
【0025】
また、本発明の青果類の硬度測定装置は、青果類に接触する接触子と、
前記接触子を振動させる振動子と、
前記接触子を青果類に接触させた状態で、前記振動子の振動情報を帰還して共振状態にする自励発振回路とを備え、
前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定装置であって、
前記接触子が、比熱が大きい被覆物質で被覆されていることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の青果類の硬度測定方法は、接触子を青果類に接触させた状態で、自励発振回路を介して、前記接触子を振動させる振動子の振動情報を帰還して共振状態にして、
前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定方法であって、
前記接触子として、比熱が大きい被覆物質で被覆されている接触子を用いることを特徴とする。
【0027】
また、本発明は、前記被覆物質の比熱が、0.84〜1.46であることを特徴とする。
また、本発明は、前記被覆物質が、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネートから選択した少なくとも1種の被覆物質からなることを特徴とする。
このように接触子が、比熱が大きい被覆物質で被覆されているので、例えば、室内や農園地などの環境温度によって、また、被検査対象である青果類自体の温度によっても、接触子および振動子の温度が変化することがない。
【0028】
従って、温度の影響がないので、周波数の変化がなく、周波数の正確な変化情報を得ることができ、正確な硬度測定が可能である。
また、本発明は、前記接触子の先端が、略球形状であることを特徴とする。
このように接触子の先端が、略球形状であるので、青果類との接触面積が変化せず、常に一定で正確な硬度測定を実施することが可能である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
図1は、本発明の青果類の硬度測定装置の実施例の概略正面図、図2は、図1の青果類の硬度測定装置の実施例の概略断面図、図3は、ゲイン変化補正回路に使用されるフィルタ回路の回路構成図、図4は、本発明の青果類の硬度測定装置の原理を示す周波数−ゲイン−位相特性曲線図、図5は、本発明の青果類の硬度測定装置の原理を示す振動子の温度による周波数の変化の関係を示すグラフである。
【0030】
図1において、10は、全体で本発明の青果類の硬度測定装置10(以下、単に「硬度測定装置」と言う)を示している。
硬度測定装置10は、図1に示したように、果実、野菜などの青果類Aの硬度を測定するためのものであり、略円筒形状のハンドピース型の硬度測定装置本体12を備えている。この硬度測定装置本体12は、測定者が手で把持する把持部14と、把持部14よりも先端側に形成された操作表示部16と、操作表示部16よりも先端側に形成された接触子18とを備えている。
【0031】
また、操作表示部16と接触子18とは、着脱自在なキャップ形状のカバー部材12aによって被うことによって、不使用時に保護できるようになっている。
この操作表示部16には、図1に示したように、電源の入切を行う電源ボタン20a、青果類の種類を設定する設定ボタン20bなどの操作ボタン20と、青果類の硬度を表示する液晶表示などからなる表示窓22が設けられている。
【0032】
一方、硬度測定装置本体12の内部には、図2に示したように、センサーユニット24と、制御ユニット26とが配設されている。
このセンサーユニット24は、図2に示したように、硬度測定装置本体12のセンサーユニット24の内部に、センサーユニットケース28を備えている。このセンサーユニットケース28には、センサーホルダー30が前後方向に(図2では左右方向に)摺動自在に装着されている。
【0033】
センサーホルダー30には、センサー体34が装着されている。このセンサー体34は、板状の振動子36と、この振動子36の基端部の表面に形成された検出素子38と、振動子36の先端部に装着された先端が略球状の接触子18とを備えている。そして、振動子36が、センサーホルダー30の支持部42で支持されるようになっている。
【0034】
このような振動子としては、積層型圧電セラミック振動子、超音波振動子などが使用可能であり、特に限定されるものではない。
なお、この際、支持部42は、振動子36との接触面積を小さくされるのが望ましく、また、支持部42と振動子36とは、センサー体34に生じる振動の定常波の節部において固定されるのが望ましい。
【0035】
センサーホルダー30の基端部は、図2に示したように、二股に分岐して、摺動案内部材44、44が形成され、これらの摺動案内部材44が、センサーユニットケース28の基端部の開口部48、48内に摺動自在に挿着されている。そして、この摺動案内部材44、44の外周に所定のバネ定数を有するバネ部材40、40が介装されている。
【0036】
このバネ部材40、40によって、センサーユニットケース28の先端部50、硬度測定装置本体12の先端に形成された先端開口部52から、接触子18が突出するように付勢されている。なお、この際、センサーホルダー30の先端部54が、センサーユニットケース28の先端部50に当接して一定以上接触子18が突出しないようになっている。
【0037】
そして、図2に示したように、センサー体34の振動子36と、検出素子38は、制御ユニット26に接続されている。
すなわち、図2に示したように、振動子36が、制御ユニット26のゲイン変化補正回路56に接続され、検出素子38が、増幅回路58に接続されている。
そして、振動子36と、検出素子38と、増幅回路58とから自励発振回路60が構成されている。すなわち、振動子36の振動情報を検出素子38で電気信号として取り出し、増幅回路58で電気信号を増幅した後に、振動子36に帰還する帰還ループを形成している。
【0038】
自励発振回路60は、振動子36の振動情報を、検出素子38と、増幅回路58を介して、振動子36に帰還して、振動子36を共振状態にする電気振動系を構成している。
一方、振動子36と、接触子18は、振動子36の振動情報を接触子18を介して、被測定物である青果類Aに伝達する機械振動系を構成している。
【0039】
すなわち、本発明の硬度測定装置10は、機械振動系と電気振動系とが結合された機械電気振動系を構成している。
制御ユニット26に設けられるゲイン変化補正回路56は、例えば、周波数の上昇に対してゲインを上昇させる機能などの周波数の変化に対してゲインを変化させる機能を備えている。
【0040】
また、ゲイン変化補正回路56は、自励発振回路60の入力位相と出力位相との位相差である入出力合成位相差をゼロに調節し、帰還発振を促進するフェーズトランスファ機能を備えている。
従って、ゲイン変化補正回路56は、入出力合成位相差がゼロになるまで周波数を変化させるとともに、この周波数の変化に応じて、例えば、周波数の上昇に対してゲイン変化幅を上昇させる機能などの、ゲイン変化を増大させる機能を備えている。
【0041】
この実施例では、ゲイン変化補正回路56として、周波数の変化に対してゲインが上昇する周波数−ゲイン特性を有するフィルタ回路が使用される。
図3は、ゲイン変化補正回路56に使用される一例としてのフィルタ回路の回路構成図である。
このフィルタ回路は、抵抗素子R11、R12、R13、R14、容量素子C11、C12、C13、C14、及び増幅回路AMPを備えている。この実施例では、抵抗素子R11は10KΩ、抵抗素子R12は220Ω、抵抗素子R13は420KΩ、抵抗素子R14は2.2KΩにそれぞれ設定される。
【0042】
また、増幅回路AMPには、電源端子V11から電源(12V)が供給される。また、基準電源端子V12には、電圧(−12V)が印加される。図中、符号Vinは、信号の入力端子、符号Voutは、信号の出力端子である。
このフィルタ回路は、バンドパスフィルタ回路の特性を備えている。ゲイン変化補正回路56の入力端子Vinは、増幅回路58の出力端子に接続され、出力端子Voutは、振動子36の人力端子に接続される。
【0043】
さらに、制御ユニット26には、自励発振回路60の発振周波数を測定する周波数測定部62と、この周波数測定部62により測定された周波数に基づいて、青果類Aの硬度を測定する硬度測定部64と、周波数と硬度との相関を予め記憶する記憶部66と、制御ユニット26に対する指示入力などの入力を行う入力部68と、測定された周波数値または硬度などの表示を行う表示部65を備えている。
【0044】
さらに、この実施例の硬度測定装置10では、青果類Aの種類に応じて、バネ部材40の圧縮長さを調整してバネ圧力を制御するバネ圧調整機構70が備えられている。このバネ圧調整機構70の制御によって、所定の接触圧力で青果類Aの硬度を測定できるように構成している。
すなわち、バネ圧調整機構70は、センサーユニットケース28の基端部の開口部48、48内に、摺動案内部材44、44の外周を摺動自在に移動して、バネ部材40、40の圧縮長さを調整するバネ圧調整部材72を備えている。
【0045】
このバネ圧調整部材72は、制御ユニット26に入力部68によって入力された青果類Aの種類に応じて、予め記憶部66に記憶されたバネ圧となるように、制御ユニット26のバネ圧力制御部74によって制御されて、図示しない、例えば、パルスモータ、サーボモータなどの駆動機構によって、前後方向に移動することができるようになっている。
【0046】
このように構成される本発明の硬度測定装置10の原理について、以下に説明する。
図4は、自励発振回路60、ゲイン変化補正回路56のそれぞれの周波数特性を示す周波数−ゲイン−位相特性曲線図である。
図4において、横軸は周波数を示し、縦軸はゲイン、位相のそれぞれを示している。
【0047】
ゲイン変化補正回路56の周波数−ゲイン特性曲線56Gは、低周波数側の帯域においては、周波数の増加とともにゲインが上昇し、中心周波数f2の帯域でゲインが最大となり、高周波数側の帯域においては、ゲインが減少する、山なりの曲線を描く。
特性曲線θ56は、ゲイン変化補正回路56の入出力位相差を示す位相特性である。特性曲線MGは、ゲイン変化補正回路56を除く自励発振回路60の周波数−ゲイン特性曲線である。
【0048】
周波数−ゲイン特性曲線MGは、中心周波数f1、周波数帯域、ゲイン極大値は異なるが、基本的にはゲイン変化補正回路56の周波数特性と同様に、山なりの曲線を描く。
この実施例においては、周波数−ゲイン特性曲線MG、56Gにそれぞれ示すように、ゲイン極大値P1が示す自励発振回路60の中心周波数f1と、ゲイン変化補正回路56のゲイン最大値56GPが示す中心周波数f2とを、意図的にずらした周波数帯域に設定している。
【0049】
すなわち、例えば、青果類Aの硬度係数が高い程ゲインが高くなるように、自励発振回路60の中心周波数f1に対して、ゲイン変化補正回路56の中心周波数f2を高い周波数帯域に設定している。
硬度測定装置10の接触子18を、青果類Aに接触させると、青果類Aの機械的インピーダンスまたは音響インピーダンスの増加によって、振動子36の振動モードが変化し、機械電気振動系の周波数特性が変化する。すなわち、機械電気振動系の振動周波数、ゲイン、位相、振動振幅を含む振動情報がいずれも変化する。
【0050】
すなわち、青果類Aの硬度に応じて、検出素子38により受け取られた周波数特性が変化し、これに起因して、自励発振回路60の電気信号の周波数、ゲイン、位相、振幅がいずれも変化する。
従って、自励発振回路60の周波数は、青果類Aの硬度に応じて、自励発振回路60の中心周波数f1から共振周波数f11まで変化(例えば上昇)する。
【0051】
そして、自励発振回路60の周波数−ゲイン特性曲線MGのゲイン極大値は、ゲイン極大値P1から、ゲイン変化補正回路56の周波数−ゲイン特性曲線56Gに沿って変化し、ゲイン極大値P1から上昇するように変化する。
すなわち、自励発振回路60の周波数−ゲイン特性曲線MGは、周波数−ゲイン特性曲線MG1に変化し、ゲイン極大値P1は、ゲイン極大値P11に、ゲインG1は、ゲインG11にそれぞれ変化する。
【0052】
図3に示したように、自励発振回路60の帰還ループは、抵抗素子と容量素子とを含む回路であるため、自励発振回路60の入力位相θ1と出力位相θ2との間には、必ず位相差Δθが存在する。
一方、ゲイン変化補正回路56は、フェーズトランスファ機能を備えており、ゲイン変化補正回路56を含む帰還ループの入出力合成位相差θ11がゼロになる調節をしている。
【0053】
従って、入出力合成位相差θ11がゼロになる帰還発振の安定点に到達するまで、周波数はさらに変化し、ゲインもさらに変化する。
すなわち、自励発振回路60の周波数−ゲイン特性曲線MG1は、周波数−ゲイン特性曲線MG1に変化し、共振周波数f11は、共振周波数f12に変化する。この共振周波数f12への変化に伴い、ゲイン極大値P11は、ゲイン極大値P12に変化し、ゲインG11はゲインG12に変化する。
【0054】
すなわち、位相差Δθに相当する分、自励発振回路60の中心周波数f1は、共振周波数f12まで連続的に変化、例えば、上昇するとともに、ゲインG1は、ゲインG12まで連続的に変化、例えば、上昇する。
結果的に、自励発振回路60において、周波数変化量△fが得られるとともに、ゲイン変化量ΔGが得られる。そして、自励発振回路60の周波数変化量Δf1、ゲイン変化量ΔGが、それぞれ得られた時点で、入出力合成位相差θ11がゼロになり、自励発振回路60は帰還発振する。
【0055】
この実施例にかかる硬度測定装置10では、青果類Aの硬度に応じて、青果類Aに接触子18を接触する前と接触した後の周波数変化量Δfを、硬さ情報として検出することによって、青果類Aの硬さが測定できる。同様に、青果類Aに接触子18を接触する前と接触した後の位相差Δθを硬さ情報として検出することによって、軟質の青果類Aの硬さが測定できる。
【0056】
すなわち、これらの情報を、制御ユニット26の硬度測定部64に入力され、周波数と硬度との相関を予め記憶した記憶部66のデータと比較することによって、青果類Aの硬度が決定され、表示部65に、周波数、硬度などのデータが表示されるようになっている。
従って、本発明の硬度測定装置10では、周波数変化量Δf、位相差Δθのそれぞれの変化分に対応してゲインが上昇できるので、すなわち、ゲイン変化量ΔGが得られるので、これらの変化を拡大して捉えることができるため、青果類Aの硬度の判別に十分な検出電圧を得ることが可能となる。
【0057】
ところで、このような本発明の硬度測定装置10では、測定者が手で把持部14を把持して、その先端部の接触子18を青果類Aに押し当てた際に、例えば、リンゴなどの硬質の青果類と、モモなどの軟質の青果類では、荷重によって青果類Aと接触子18の接触面積が変化してしまうことになる。このため、エネルギー伝達効率が変化して、上記したゲイン変化量ΔGが変化してしまい、正確な硬度測定が困難である。
【0058】
また、青果類が比較的軟らかい、例えば、ももなどの場合には、押し付け圧力によっては、青果類の表面を破壊することになってしまう。
このため、この実施例の硬度測定装置10では、制御ユニット26に入力部68によって入力された青果類Aの種類に応じて、予め記憶部66に記憶されたバネ圧となるように、制御ユニット26のバネ圧力制御部74によって、バネ圧調整機構70が制御されて、バネ部材40、40の圧縮長さが調整さるように構成されている。
【0059】
なお、このような青果類Aの種類に応じた、適切なバネ圧(荷重)は、例えば、図8に示したようなグラフに基づいて、設定されるものである。
このように構成することによって、例えば、モモなどの比較的硬度の低い青果類Aでは、バネ圧力(押し当て圧力)が、バネ圧力の比較的低く維持されることになるので、青果類Aの表面が破壊されることがなく、しかも、青果類に傷がつかないセンサー感度が良好な比較的低いバネ圧力(押し当て圧力)、硬度測定を精度良く実施することができる。
【0060】
また、例えば、リンゴなどの比較的に硬度の高い青果類では、青果類Aに傷がつかないセンサー感度が良好な比較的高いバネ圧力(押し当て圧力)で、硬度測定を精度良く実施することができるようになっている。
ところで、このような硬度測定装置10をそのまま用いれば、測定する場所の環境温度によって、接触子18、振動子36の温度が上下することになる。すなわち、例えば、測定場所が、室内であるか、冷蔵庫の中であるか、真夏の屋外の農園であるかによって、接触子18、振動子36の温度が上下することになる。
【0061】
従って、この温度の影響によって、周波数が影響を受けて変化してしまい、正確な硬度を測定できないことになる。
また、同様に、被検査対象である青果類自体の温度によって、接触子18が青果類に接触した際に、接触子18、振動子36の温度が上下することになり、この温度の影響によって、周波数が影響を受けて変化してしまい、正確な硬度を測定できないことになる。
【0062】
このため、本発明の硬度測定装置10では、図2に示したように、振動子36の温度を測定する測温装置76が設けられている。
この場合、測温装置76としては、特に限定されるものではないが、応答性などを考慮すれば、振動子16に取り付けた測温抵抗体であるサーミスタ温度計、熱電対、半導体測温体(「LM-20」(ナショナルセミコンダクター社製)、「S-8120」(セイコー電子工業社製)であるのが望ましい。
【0063】
また、この測温装置76は、測温装置76で測定された振動子36の温度に基づいて、予め記憶部66に記憶された温度−周波数補正データに基づいて、周波数の変化情報を補正する温度補正制御装置78に接続されている。
すなわち、図5に示したように、例えば、室温が20℃である場合に、振動子16の温度が20℃である場合には、周波数の変化がない。
【0064】
しかしながら、例えば、振動子16の温度が、0℃の場合には、被測定対象である青果類Aから振動子16に熱が伝わり、振動子16の温度が上昇して、図5に示したように、周波数が下がることになる。
また、逆に、例えば、振動子16の温度が、40℃の場合には、被測定対象である青果類Aに振動子16の熱が奪われて、振動子16の温度が下降して、図5に示したように、周波数が上昇することになる。
【0065】
このため、正確に硬度を測定するためには、振動子16の温度によって、周波数変化量を補正する必要がある。すなわち、下記の補正式、
硬さ指標=Δf+k×ΔT
但し、Δfは、周波数変化量、kは、温度係数(−5Hz/℃)、ΔTは、基準振動子温度と、動作時の振動子の温度との差、
に基づいて、周波数変化量を補正するようになっている。
【0066】
すなわち、測温装置76で測定された振動子36の温度と、温度補正制御装置78に予め、入力された基準温度とに基づいて、記憶部66に記憶された温度−周波数補正データに基づいて、周波数の変化情報を補正するように構成されている。
このように、測温装置76で測定した振動子36の温度に基づいて、予め記憶された温度−周波数補正データに基づいて、温度補正制御装置78によって周波数の変化情報を補正している。
【0067】
従って、例えば、室内や農園地などの環境温度によって、また、被検査対象である青果類自体の温度によって、接触子18および振動子36の温度が変化しても、温度変化による周波数の変化を補正するので、周波数の正確な変化情報を得ることができ、正確な硬度測定が可能である。
図6は、本発明の青果類の硬度測定装置の別の実施例の原理を示す被検査対象の温度による周波数の変化の関係を示すグラフである。
【0068】
この実施例の硬度測定装置10は、図1〜4に示した硬度測定装置10と基本的には同様な構成であり、その詳細な説明を省略する。
この実施例の硬度測定装置10では、図6に示したように、被検査対象である青果類自体の温度によって、接触子18が青果類に接触した際に、接触子18、振動子36の温度が上下することになり、この温度の影響によって、周波数が影響を受けて変化してしまい、正確な硬度を測定できないことになる。
【0069】
すなわち、図6に示したように、例えば、室温が20℃、すなわち振動子36の温度が20℃であり、サンプルである青果類の温度が20℃である場合と、例えば、青果類の温度が0℃である場合とでは、青果類に振動子36の熱が奪われることになるので、測定開始から60秒後には、青果類に振動子36の熱が奪われることになるので、かなりの周波数の差が生じることになる。
【0070】
また、同様に、図6に示したように、例えば、室温が20℃、すなわち振動子36の温度が20℃であり、サンプルである青果類の温度が20℃である場合と、例えば、青果類の温度が40℃である場合とでは、青果類から振動子36に熱が伝わることになるので、測定開始から60秒後には、かなりの周波数の差が生じることになる。
【0071】
これに対して、図6に示したように、測定開始から短時間であれば、例えば、5秒以内では、サンプルである青果類の温度が20℃である場合と、青果類の温度が0℃である場合、青果類の温度が40℃である場合とでは、ほとんど周波数に変化は見られない。
従って、測温装置76で測定された振動子36の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するように、温度補正制御装置78によって制御されるようになっている。
【0072】
すなわち、測温装置76で測定された振動子36の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、接触子18に接触した被検査対象である青果類自体の温度が、接触子18、振動子36の温度との温度差が一定レベル以上で大きい場合であり、この場合には、所定の短時間、例えば、2秒以内で測定を終了するように、温度補正制御装置78によって制御されるようになっている。
【0073】
これによって、青果類自体の温度によって、接触子36および振動子18の温度が変化しない時間内で、硬度測定を終了するので、被検査対象である青果類自体の温度による周波数の変化を抑えることができ、正確な硬度の測定が可能となる。
一方、測温装置76で測定された振動子36の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合は、継続して測定を行うように、温度補正制御装置78によって制御されるようになっている。
【0074】
すなわち、測温装置76で測定された振動子36の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合は、接触子18に接触した被検査対象である青果類自体の温度が、接触子18、振動子36の温度との温度差が小さい場合であり、この場合には、温度差による周波数の変化がないので、このまま硬度測定を行っても、正確な硬度測定を行うことが可能である。
【0075】
なお、このような所定時間としては、青果類Aの種類などに応じて決定すればよく、特に限定されるものではないが、0.01〜60秒、好ましくは、0.1〜5秒、好適には、2秒程度にするのが望ましい。
なお、図1〜図5の実施例に示したように、測温装置76で測定された振動子36の温度と、温度補正制御装置78に予め、入力された基準温度とに基づいて、記憶部66に記憶された温度−周波数補正データに基づいて、周波数の変化情報を補正するように構成するとともに、この図6に示した実施例のように、測温装置76で測定された振動子36の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了し、測温装置76で測定された振動子36の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合は、継続して測定を行うように構成してもよい。
【0076】
このように構成することによって、例えば、室内や農園地などの環境温度によって、また、被検査対象である青果類自体の温度によって、接触子18および振動子36の温度が変化しても、温度変化による周波数の変化を補正するので、周波数の正確な変化情報を得ることができ、より正確な硬度測定が可能である。
また、この場合、接触子18として、比熱が大きい被覆物質で被覆されている接触子を用いるのが望ましい。
【0077】
この場合、被覆物質の比熱が、0.84〜1.46、好ましくは、1.25〜1.46であるのが望ましい。
また、このような被覆物質としては、塩化ビニル、アクリル、ポリカーボネートから選択した少なくとも1種の被覆物質からなるのが望ましい。
このように接触子18が、比熱が大きい被覆物質で被覆されているので、例えば、室内や農園地などの環境温度によって、また、被検査対象である青果類自体の温度によっても、接触子および振動子の温度が変化することがない。
【0078】
従って、温度の影響がないので、周波数の変化がなく、周波数の正確な変化情報を得ることができ、正確な硬度測定が可能である。
なお、このように、接触子18が、比熱が大きい被覆物質で被覆されている場合には、上記の図1〜図5の実施例のように温度補正制御をしてもよいが、しなくても温度による影響がないので、正確な硬度測定が可能である。
【0079】
なお、上記実施例では、所定のバネ定数を有するバネ部材40を用いたが、所定の弾性定数を有する弾性部材であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ゴムから選択した1種以上の弾性部材から構成することも可能である(これは、以下の実施例においても同様である)。
【0080】
図7は、本発明の青果類の硬度測定装置の別の実施例の概略断面図である。
この実施例の硬度測定装置10は、図1〜3に示した硬度測定装置10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には同一の参照番号を付して、その詳細な説明は省略する。
図7に示した硬度測定装置10では、図7に示したように、センサーホルダー30の基端部を二股に分岐することなく、中央に単一の摺動案内部材44を形成して、これをセンサーユニットケース28の基端部の中央の開口部48に摺動自在に挿着するように構成し、バネ圧調整機構70として、センサーユニットケース28の基端部の開口部48内に、摺動案内部材44の外周を摺動自在に移動して、バネ部材40、40の圧縮長さを調整するバネ圧調整部材72を備えるようにしている。
【0081】
この実施例の硬度測定装置10でも、図1〜3に示した硬度測定装置10と同様な作用効果を奏することができる。
以上説明した実施例では、例えば、青果類Aの硬度係数が高い程ゲインが高くなるように、自励発振回路60の中心周波数f1に対して、ゲイン変化補正回路56の中心周波数f2を高い周波数帯域に設定したが、この逆に、青果類Aの硬度係数が高い程ゲインが低くなるように、自励発振回路60の中心周波数f1に対して、ゲイン変化補正回路56の中心周波数f2を低い周波数帯域に設定することも可能である。
【0082】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、ゲイン変化補正回路56は、周波数の変化に対してゲインを上昇させ、このゲインの上昇により電圧を増加する特性を備えればよく、前述の実施例におけるバンドパスフィルタ回路以外にも、例えば、ローパスフィルタ回路、ハイパスフィルタ回路、ノッチフィルタ回路、積分回路、微分回路あるいはピーキング増幅回路などを用いることができるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、測温装置で測定した振動子の温度に基づいて、予め記憶された温度−周波数補正データに基づいて、温度補正制御装置によって周波数の変化情報を補正している。
従って、例えば、室内や農園地などの環境温度によって、また、被検査対象である青果類自体の温度によって、接触子および振動子の温度が変化しても、温度変化による周波数の変化を補正するので、周波数の正確な変化情報を得ることができ、正確な硬度測定が可能である。
【0084】
また、本発明によれば、測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うようになっている。
これにより、振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合、すなわち、接触子に接触した被検査対象である青果類自体の温度が、接触子、振動子の温度との温度差が一定レベル以上で大きい場合に、所定の短時間で測定を終了するようになっている。
【0085】
従って、青果類自体の温度によって、接触子および振動子の温度が変化しない時間内で、硬度測定を終了するので、被検査対象である青果類自体の温度による周波数の変化を抑えることができ、正確な硬度の測定が可能である。
また、振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合、すなわち、接触子に接触した被検査対象である青果類自体の温度が、接触子、振動子の温度との温度差が小さい場合には、温度差による周波数の変化がないので、このまま硬度測定を行っても、正確な硬度測定を行うことが可能である。
【0086】
また、本発明によれば、接触子が、比熱が大きい被覆物質で被覆されているので、例えば、室内や農園地などの環境温度によって、また、被検査対象である青果類自体の温度によっても、接触子および振動子の温度が変化することがない。従って、温度の影響がないので、周波数の変化がなく、周波数の正確な変化情報を得ることができ、正確な硬度測定が可能であるなどの幾多の顕著で特有な作用効果を奏する極めて優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の青果類の硬度測定装置の実施例の概略正面図である。
【図2】図2は、図1の青果類の硬度測定装置の実施例の概略断面図である。
【図3】図3は、ゲイン変化補正回路に使用されるフィルタ回路の回路構成図である。
【図4】図4は、本発明の青果類の硬度測定装置の原理を示す周波数−ゲイン−位相特性曲線図である。
【図5】図5は、本発明の青果類の硬度測定装置の原理を示す振動子の温度による周波数の変化の関係を示すグラフである。
【図6】図6は、本発明の青果類の硬度測定装置の別の実施例の原理を示す被検査対象の温度による周波数の変化の関係を示すグラフである。
【図7】図7は、本発明の青果類の硬度測定装置の別の実施例の概略断面図である。
【図8】図8は、青果物による硬度計の押し当て圧力について示すグラフである。
【図9】図9は、従来の青果類の硬度測定装置の概略断面図である。
【符号の説明】
10 硬度測定装置
12a カバー部材
12 硬度測定装置本体
14 把持部
16 操作表示部
18 接触子
20 操作ボタン
20b 設定ボタン
20a 電源ボタン
22 表示窓
24 センサーユニット
26 制御ユニット
28 センサーユニットケース
30 センサーホルダー
34 センサー体
36 振動子
38 検出素子
40 バネ部材
42 支持部
44 摺動案内部材
48 開口部
50 先端部
52 先端開口部
54 先端部
56 ゲイン変化補正回路
56GP ゲイン最大値
56G ゲイン特性曲線
58 増幅回路
60 自励発振回路
62 周波数測定部
64 硬度測定部
65 表示部
66 記憶部
68 入力部
70 バネ圧調整機構
72 バネ圧調整部材
74 バネ圧力制御部
76 測温装置
78 温度補正制御装置
100 測定装置
103 振動子
105 接触子
111 自励発振回路
113 ゲイン変化補正回路
A 青果類
AMP 増幅回路
C11 容量素子
f1 中心周波数
f11 共振周波数
f12 共振周波数
f2 中心周波数
fA 周波数
G11 ゲイン
G12 ゲイン
G1 ゲイン
MG ゲイン特性曲線
MG1 ゲイン特性曲線
P11 ゲイン極大値
P12 ゲイン極大値
PA 初期判定圧力
PB 初期判定圧力
PC 所定圧
R11 抵抗素子
R12 抵抗素子
R13 抵抗素子
R14 抵抗素子
V12 基準電源端子
Vin 入力端子
Vout 出力端子
Δf 周波数変化量
Δf1 周波数変化量
ΔfA 周波数変化量
ΔG ゲイン変化量
Δθ 位相差
θ1 入力位相
θ11 入出力合成位相差
θ2 出力位相
θ56 特性曲線

Claims (14)

  1. 青果類に接触する接触子と、
    前記接触子を振動させる振動子と、
    前記接触子を青果類に接触させた状態で、前記振動子の振動情報を帰還して共振状態にする自励発振回路とを備え、
    前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定装置であって、
    前記振動子の温度を測定する測温装置と、
    前記測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、
    前記測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うように制御する測温制御装置とを備えることを特徴とする温度補正機能を備えた青果類の硬度測定装置。
  2. 青果類に接触する接触子と、
    前記接触子を振動させる振動子と、
    前記接触子を青果類に接触させた状態で、前記振動子の振動情報を帰還して共振状態にする自励発振回路とを備え、
    前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定装置であって、
    前記振動子の温度を測定する測温装置と、
    前記測温装置で測定した振動子の温度に基づいて、予め記憶された温度−周波数補正データに基づいて、前記周波数の変化情報を補正する温度補正制御装置と、
    前記測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、
    前記測温装置で測定した振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うように制御する測温制御装置とを備えることを特徴とする温度補正機能を備えた青果類の硬度測定装置。
  3. 前記測温装置が、前記振動子に取り付けた測温抵抗体であることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の青果類の硬度測定装置。
  4. 前記測温装置が、サーミスタ温度計であることを特徴とする請求項3に記載の青果類の硬度測定装置。
  5. 前記測温装置が、前記振動子に取り付けた熱電対であることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の青果類の硬度測定装置。
  6. 前記測温装置が、前記振動子に取り付けた半導体測温体であることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の青果類の硬度測定装置。
  7. 前記接触子の先端が、略球形状であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の青果類の硬度測定装置。
  8. 接触子を青果類に接触させた状態で、自励発振回路を介して、前記接触子を振動させる振動子の振動情報を帰還して共振状態にして、
    前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定方法であって、
    前記振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、
    前記振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うように制御することを特徴とする青果類の硬度測定方法。
  9. 接触子を青果類に接触させた状態で、自励発振回路を介して、前記接触子を振動させる振動子の振動情報を帰還して共振状態にして、
    前記青果類に接触子を介して接触した振動子の振動の変化に基づく、前記自励発振回路からの周波数の変化情報によって、青果類の硬度を測定する青果類の硬度測定方法であって、
    前記振動子の温度に基づいて、予め記憶された温度−周波数補正データに基づいて、前記周波数の変化情報を補正するとともに、
    前記振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベル以上の場合には、所定の短時間で測定を終了するとともに、
    前記振動子の温度変化速度が、一定の温度変化レベルを超えない場合には、継続して測定を行うことを特徴とする青果類の硬度測定方法。
  10. 前記振動子の温度を、前記振動子に取り付けた測温抵抗体で測定することを特徴とする請求項8から9のいずれかに記載の青果類の硬度測定方法。
  11. 前記測温装置が、サーミスタ温度計であることを特徴とする請求項10に記載の青果類の硬度測定方法。
  12. 前記振動子の温度を、前記振動子に取り付けた熱電対で測定することを特徴とする請求項8から9のいずれかに記載の青果類の硬度測定方法。
  13. 前記振動子の温度を、前記振動子に取り付けた半導体測温体で測定することを特徴とする請求項8から9のいずれかに記載の青果類の硬度測定方法。
  14. 前記接触子の先端が、略球形状であることを特徴とする請求項8から13のいずれかに記載の青果類の硬度測定方法。
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