JP4032013B2 - SMG−1特異的siRNA及びmRNAサーベイランス機構抑制剤 - Google Patents

SMG−1特異的siRNA及びmRNAサーベイランス機構抑制剤 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SMG−1特異的な小分子量干渉RNA(small interfering RNA;siRNA)、及びそれを含有するmRNAサーベイランス機構の抑制剤に関する。本発明のsiRNAによれば、SMG−1の発現を特異的に抑制することによりmRNAサーベイランスを特異的に阻害することができる。
【0002】
【従来の技術】
遺伝子の変異による表現型の異常の1/4程度は、遺伝子の塩基配列の置換、組換え、及び/又は欠失などの変異により、結果的にタンパク質のコード領域にナンセンスコドンが出現してしまう形の異常であると言われている。このような遺伝子に由来するmRNAは、翻訳早期終止コドン(premature translation termination codon;PTC)に由来する途中で終わった異常なタンパク質をコードするが、通常、そのようなmRNAは検出されない。これは、異常な位置にナンセンスコドン(PTC)を有するmRNAを識別し、排除する機構を細胞が備えていることに起因する。この機構は、ナンセンスコドンに起因するmRNA分解機構、すなわち、ナンセンス媒介mRNA崩壊(nonsense-mediated mRNA decay;NMD)、あるいは、mRNAサーベイランス機構と呼ばれ、ヒトの遺伝性疾患やがんなど、遺伝子異常に起因する疾患の症状に大きく反映していることが予想されている(非特許文献1)。
【0003】
しかし、遺伝子の途中にPTCが存在したとしても、遺伝子の種類又はPTCの位置によっては、そのタンパク質断片が本来の活性を保持している場合がある。この場合、mRNAサーベイランス機構を抑制することができれば、有効な活性を有するタンパク質断片の発現が可能となる。つまり、ナンセンス変異やスプライシング部位の変異などにより、特定遺伝子の途中にPTCを生ずるタイプの変異に起因する病態の少なくとも一部を解消することができることが理論的に予測されている(非特許文献1)。
【0004】
本発明者及びその共同研究者は、プロテインキナーゼの1つであるヒトSMG−1(hSMG−1)がヒトUPF1をリン酸化することが、mRNAサーベイランスの過程に必須であることを明らかにし、既に発表している(非特許文献2)。更に、hSMG−1の阻害剤であるウォートマンニン又はカフェインがmRNAサーベイランス機構を阻害することを見いだすと同時に、それを用いて本来mRNAサーベイランス機構によってmRNAレベルで発現が抑制されているp53タンパク質の発現を、これら阻害剤が誘導することを見いだし、既に発表している(非特許文献2)。mRNAサーベイランス機構を特異的に抑制する手法に関するこの発見は、mRNAサーベイランス機構が本来働くべきでない場合に、それを特異的に阻害することにより、本来合成されないタンパク質を合成させる新たな戦略を提供するものである。しかしながら、タンパク質合成阻害剤も、hSMG−1の阻害剤であるウォートマンニンやカフェインも、様々な毒性と副作用を持つことが明らかとなっており、mRNAサーベイランス機構を特異的に抑制する新たな戦略が求められていた。
【0005】
【非特許文献1】
「トレンド・イン・ジェネッティクス(Trends in Genetics)」,(英国),1999年,第15巻,p.74−80
【非特許文献2】
「ジーンズ・アンド・デベロップメント(GENES & DEVELOPMENT)」,(米国),2001年,第15巻,p.2215−2228
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、従来技術の前記の欠点を解消し、毒性及び副作用を有しない、mRNAサーベイランス機構の抑制剤、並びにその有効成分として有用な新規siRNAを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究したところ、mRNAサーベイランス機構に必須の遺伝子であるhSMG−1の発現を特異的に抑制するsiRNAの配列を見いだした。また、これを用いることにより、培養細胞レベルで実際にhSMG−1の発現及びその活性の抑制を確認した。更に、これを用いることによりウルリッヒ(Ullrich)病と呼ばれる筋ジストロフィー症患者由来の線維芽細胞においてmRNAサーベイランスが症状を増強する原因であることを証明すると同時に、ここで見いだしたsiRNA配列が、mRNAサーベイランス機構を実際に抑制してトランケート型の異常コラーゲン分子を発現させることに成功した。更に、siRNA配列により誘導発現された異常コラーゲン分子がコラーゲンVI三重鎖構造をとって細胞外に分泌され、細胞外基質に取り込まれ、その結果、そのレセプターであるインテグリンの発現をも誘導させることに成功した。これらの結果は、siRNA配列がmRNAサーベイランス機構を阻害すること、そして、実際に細胞レベルで機能性のコラーゲン分子を誘導発現させ得ることを示したものである。本発明は、これらの知見に基づくものである。
【0008】
前記課題は、本発明による、配列番号3で表される塩基配列における第8番〜第28番の塩基からなる配列に基づいて設計される、siRNAにより解決することができる。本発明のsiRNAの好ましい態様によれば、二重鎖RNA部分が、配列番号1で表される塩基配列における第1番目〜第19番目の塩基からなる。
【0009】
また、本発明は、前記siRNAを投与対象内で発現可能な発現ベクターに関する。
更に、本発明は、(1)前記siRNA、又は
(2)前記siRNAを投与対象内で発現可能な発現ベクター
を有効成分とする、mRNAサーベイランス機構の抑制剤に関する
【0010】
本明細書において、「siRNA」とは、小分子量干渉RNA(small interfering RNA)を意味する。siRNAは、二重鎖のRNA部分と、好ましくはセンス鎖及びアンチセンス鎖の3’末端のオーバーハングとからなり、RNA干渉(RNA interference;RNAi)と呼ばれる配列特異的な遺伝子発現抑制を誘導する[Elbaishir, S.M. et al., Duplexes of 21-nucleotide RNAs mediate RNA interference in cultured mammalian cells. Nature 411, 494-498 (2001)]。
【0011】
また、本明細書において、SMG−1は、mRNAサーベイランスの過程に必須なフォスファチジルイノシトールキナーゼ(PIK)−関連タンパク質キナーゼ(PIKK)であり、自己リン酸化能を有すると同時に、ナンセンス媒介mRNA崩壊(nonsense-mediated mRNA decay;NMD)の必須因子であるUPF1/SMG−2[Sun, X. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95, 10009-10014 (1998); and Bhattacharya, A. et al., Rna 6,1226-1235 (2000)]をリン酸化する活性を有するタンパク質であり、SMG−1の活性がNMDを正に制御している[Yamashita, A. et al., GENES & DEVELOPMENT 15, 2215-2228 (2001)]。
【0012】
【発明の実施の形態】
[1]本発明のsiRNA
本発明のsiRNAは、二重鎖のRNA部分と、好ましくはセンス鎖及び/又はアンチセンス鎖の3’末端のオーバーハングとからなる。前記オーバーハング部分は、それぞれ、1又は2塩基の任意の核酸(リボ核酸又はデオキシリボ核酸)であるが、2塩基が好ましい。また、標的であるSMG−1の塩基配列に相補した塩基が好ましいが、相補していないものでも充分なRNAi効果が認められる。また、オーバーハングがないsiRNAもRNAi効果を示す。
本発明のsiRNAの塩基数は、センス鎖又はアンチセンス鎖の塩基数として、21〜23塩基である。また、センス鎖及びアンチセンス鎖は、同じ塩基数であることもできるし、異なる塩基数であることもできるが、同じ塩基数であることが好ましい。
【0013】
siRNAの3’側オーバーハングを構成するリボ核酸としては、例えば、U(ウリジン)、A(アデノシン)、G(グアノシン)、又はC(シチジン)を用いることができ、3’側のオーバーハングを構成するデオキシリボ核酸としては、例えば、dT(チミジン)、dA(デオキシアデノシン)、dG(デオキシグアノシン)、又はdC(デオキシシチジン)を用いることができる。
前記オーバーハングとしては、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の3’末端に、それぞれ独立して、1又は2塩基のU又はdTが付加されたオーバーハングが好ましく、センス鎖及びアンチセンス鎖の3’末端に、それぞれ独立して、1又は2塩基のU又はdTが付加されたオーバーハングがより好ましく、センス鎖及びアンチセンス鎖の3’末端に、2塩基のU又はdTが付加されたオーバーハングが特に好ましい。
【0014】
本発明のsiRNAは、SMG−1[好ましくは哺乳動物(例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、ハムスター、又はイヌ)SMG−1、より好ましくはヒトSMG−1(hSMG−1)]に特異的なDNA塩基配列(好ましくは21塩基〜23塩基からなる塩基配列、より好ましくはAAに続く19〜21の塩基配列)に基づいて設計され、前記SMG−1の発現を特異的に抑制することのできるsiRNAである限り、特に限定されるものではなく、常法[例えば、Natasha J. Caplen, Susan Parrish, Farhad Imani, Andrew Fire, and Richard A. Morgan. Specific inhibition of gene expression by small double-stranded RNAs in invertebrate and vertebrate systems. PNAS (PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES USA) vol. 98 no. 17 9742-9747, 2001 (August 14); Sayda M. Elbashir, Jens Harborth, Winfried Lendeckel, Abdullah Yalcin, Klaus Weber & Thomas Tuschl. Duplexes of 21±nucleotide RNAs mediate RNA interference in cultured mammalian cells.NATURE VOL 411, 494-498, 2001. (24 MAY); Jens Harborth, Sayda M. Elbashir, Kim Bechert, Thomas Tuschl and Klaus Weber. Identification of essential genes in cultured mammalian cells using small interfering RNAs. JOURNAL OF CELL SCIENCE 114 (24) 4557-4565, 2001.]により設計することができる。
【0015】
より具体的には、例えば、SMG−1の開始コドンから50塩基以上下流の最初のAAを見つける(転写因子の結合部位を避けるため)。AAに続く19〜21の塩基配列を記録し、AAを含む21〜23塩基のGCコンテントを計算し、50%前後であることを確認する。GCコンテントが30%以下や70%以上である場合、あるいは、50%前後であっても複数の候補が必要な場合には、更に下流のAAを選択し、同様にしてGCコンテントを計算する。得られた塩基配列候補について、データベース検索[例えば、例えば、NCBI(National Center for Biotechnology Information)のBLAST(Basic local alingment search tool; J. Mol. Biol., 215, 403-410, 1990)サーチ]を実施し、SMG−1に特異的であることを確認する。
【0016】
siRNAを設計するためのDNA塩基配列が得られると、その配列に基づいてsiRNAを設計することができる。例えば、二重鎖RNA部分が、得られたDNA塩基配列をそのままRNA配列に変換したRNA塩基配列からなる、siRNAを設計することができる。なお、本明細書において、DNA塩基配列をRNA塩基配列に変換するとは、DNA塩基配列におけるdTをUに変換し、それ以外の塩基、すなわち、dA、dG、及びdCを、それぞれ、A、G、及びCに変換することを意味する。
【0017】
SMG−1特異的siRNAの設計に用いるSMG−1特異的な塩基配列としては、例えば、SMG−1のDNA塩基配列のAA(好ましくは開始コドンから50塩基以上下流のAA)に続く19〜21塩基からなる、特異的な塩基配列(GCコンテントが好ましくは40〜60%、より好ましくは45〜55%)を挙げることができる。また、それ以外の塩基配列としては、例えば、配列番号3で表される塩基配列における第8番〜第28番の塩基からなる配列を挙げることができる。siRNAの設計に用いる塩基配列としては、通常、AAに続く19〜21の塩基配列が好ましいとされるが、配列番号3で表される塩基配列における第8番〜第28番の塩基からなる配列は、その5’末端にAAを含まない。
【0018】
配列番号3で表される塩基配列における第8番〜第28番の塩基からなる配列に基づいて設計される、本発明のsiRNAとしては、例えば、二重鎖RNA部分が、配列番号1で表される塩基配列における第1番目〜第19番目の塩基からなるsiRNAを挙げることができる。
前記siRNAには、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の3’末端に、それぞれ独立して、1又は2塩基の任意の核酸[例えば、リボ核酸(U、A、G、若しくはC等)又はデオキシリボ核酸(dT、dA、dG、若しくはdC等)]が付加されたオーバーハングを有するsiRNAと、オーバーハングを有しないsiRNAとが含まれる。
【0019】
本発明のsiRNAとしては、配列番号1で表される塩基配列からなるセンス鎖と、配列番号2で表される塩基配列からなるアンチセンス鎖とからなるsiRNAが特に好ましい。配列番号1で表される塩基配列からなるセンス鎖及び配列番号2で表される塩基配列からなるアンチセンス鎖は、それぞれ、第1番目〜第19番目の塩基からなるRNA部分の3’側に、dTが2つ付加されたRNA/DNAキメラポリヌクレオチドである。このセンス鎖とこのアンチセンス鎖とからなるsiRNAにおいては、第1番目〜第19番目の塩基からなるRNA部分が二重鎖を形成し、第20番目及び第21番目のdTが3’側オーバーハングを形成する。
【0020】
[2]本発明のmRNAサーベイランス機構抑制剤、及びナンセンス変異により早期翻訳終止コドンを生じることが原因で生じる病態の治療及び/又は予防剤
本発明のmRNAサーベイランス機構抑制剤、あるいは、本発明のナンセンス変異によりPTCを生じることが原因で生じる病態の治療及び/又は予防剤(以下、併せて、本発明の医薬と称することがある)は、有効成分として
(1)本発明のsiRNA、又は
(2)本発明のsiRNAを投与対象内で発現可能な発現ベクター
の少なくとも1つを含み、更に、薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる通常の担体又は希釈剤を含むことができる。
【0021】
本発明のsiRNAは、mRNAサーベイランス機構に必須の遺伝子であるhSMG−1の発現を特異的に抑制することができるため、mRNAサーベイランス機構を抑制することができる。また、本発明のsiRNAは、mRNAサーベイランス機構を抑制することにより、ナンセンス変異によりPTCを生じることが原因で生じる病態の中で、この変異が軽微なものであり、産物が活性を保持する症例について、それを治療及び/又は予防することができる。ナンセンス変異によりPTCを生じることが原因で生じる病態としては、特に限定されるものではないが、例えば、遺伝性疾患(例えば、ウルリッヒ病又はデセンヌ型筋ジストロフィー症)、あるいは、体細胞変異によって生じる癌などを挙げることができる。
従って、本発明のsiRNA、あるいは、本発明のsiRNAを投与対象内で発現可能な発現ベクターは、本発明の医薬の有効成分として有用である。
【0022】
すなわち、本発明のsiRNA、あるいは、本発明のsiRNAを投与対象内で発現可能な発現ベクターは、それ単独で、あるいは、好ましくは薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる通常の担体又は希釈剤と共に、mRNAサーベイランス機構を抑制することが必要な対象[例えば、動物、好ましくは哺乳動物(特にはヒト)]、あるいは、ナンセンス変異によりPTCを生じることが原因で生じる病態の治療及び/又は予防が必要な対象に、有効量で投与することができる。
例えば、本発明のsiRNA、あるいは、本発明のsiRNAを投与対象内で発現可能な発現ベクターは、それ単独で、あるいは、好ましくは薬剤学的又は獣医学的に許容することのできる通常の担体又は希釈剤と共に、mRNAサーベイランス機構を抑制することにより、PTC含有mRNAを安定化させることができる。これを利用すると、ナンセンスサプレッション[MARINA MANUVAKHOVA KIM KEELING and DAVID M. BEDWELL. Aminoglycoside antibiotics mediate context-dependent suppression of termination codons in a mammalian translation system. RNA(2000), 6:1044-1055, 2000.]を誘導する薬剤(アミドグリコシド系の抗生剤)と併用することにより、PTC含有mRNA由来の全長ポリペプチドを合成発現させることが容易に推定できる。
【0023】
本発明の医薬の有効成分である、本発明のsiRNAは、公知の製造方法、例えば、化学合成により製造することもできるし、あるいは、適当な発現ベクターに挿入し、遺伝子工学的に製造することもできる。
また、本発明の医薬の有効成分として、本発明のsiRNAを投与対象内で発現可能な発現ベクターを用いる場合には、例えば、本発明のsiRNAをコードすることのできるDNAを、適当な遺伝子治療用ベクター[例えば、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、又はレンチウイルスベクター等]に挿入することにより構築した発現ベクターを、投与対象に投与することにより、本発明のsiRNAを投与対象内で発現させることができる。
【0024】
本発明の医薬の投与剤型としては、特に限定がなく、例えば、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、エキス剤、若しくは丸剤等の経口剤、又は注射剤、外用液剤、軟膏剤、坐剤、局所投与のクリーム、若しくは点眼薬などの非経口剤を挙げることができる。
これらの経口剤は、例えば、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、澱粉、コーンスターチ、白糖、乳糖、ぶどう糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、大豆レシチン、ショ糖、脂肪酸エステル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、ケイ酸マグネシウム、無水ケイ酸、又は合成ケイ酸アルミニウムなどの賦形剤、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、希釈剤、保存剤、着色剤、香料、矯味剤、安定化剤、保湿剤、防腐剤、又は酸化防止剤等を用いて、常法に従って製造することができる。
【0025】
非経口投与方法としては、注射(皮下、静脈内等)、又は直腸投与等が例示される。これらのなかで、注射剤が最も好適に用いられる。
例えば、注射剤の調製においては、有効成分の他に、例えば、生理食塩水若しくはリンゲル液等の水溶性溶剤、植物油若しくは脂肪酸エステル等の非水溶性溶剤、ブドウ糖若しくは塩化ナトリウム等の等張化剤、溶解補助剤、安定化剤、防腐剤、懸濁化剤、又は乳化剤などを任意に用いることができる。
また、本発明の医薬は、徐放性ポリマーなどを用いた徐放性製剤の手法を用いて投与してもよい。例えば、本発明の医薬をエチレンビニル酢酸ポリマーのペレットに取り込ませて、このペレットを治療又は予防すべき組織中に外科的に移植することができる。
【0026】
本発明の医薬は、これに限定されるものではないが、0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜80重量%の量で、有効成分を含有することができる。
本発明の医薬を用いる場合の投与量は、例えば、使用する有効成分の種類、病気の種類、患者の年齢、性別、体重、症状の程度、又は投与方法などに応じて適宜決定することができ、経口的に又は非経口的に投与することが可能である。
また、投与形態も医薬品に限定されるものではなく、種々の形態、例えば、機能性食品や健康食品(飲料を含む)、又は飼料として飲食物の形で与えることも可能である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
《合成RNA(hSMG−1−siRNA)を用いたhSMG−1発現とhUPF1リン酸化の抑制》
本実施例では、化学合成したhSMG−1−siRNAをトランスフェクションして一過的にヒトHeLa細胞に導入することにより、SMG−1タンパク質の発現を抑制することができた(図1)。
【0028】
より具体的には、SMG−1のmRNAの塩基配列の中から、配列番号1で表される塩基配列を選び出し、配列番号1で表される塩基配列からなるセンス鎖と、配列番号2で表される塩基配列からなるアンチセンス鎖とをそれぞれ化学合成した後に2重鎖を形成させ、合成RNA(hSMG−1−siRNA)として使用した。
Hela TetOff細胞(Clontech)に、市販のトランスフェクション試薬[リポフェクトアミン2000(Lipofectamine 2000);Invitorogen又はトランスメッセンジャートランスフェクションキット(Transmessenger Transfection Kit);QIAGEN社]と一緒に、前記合成RNA(hSMG−1−siRNA)を添加し、45時間培養後、細胞を回収した。なお、前記トランスフェクションは、8×105個のHela TetOff細胞に対して1μgのhSMG−1−siRNAを使用し、各試薬に添付のプロトコールに従って実施した。また、コントロールsiRNAとして、配列番号5で表される塩基配列からなるセンス鎖と、配列番号6で表される塩基配列からなるアンチセンス鎖とからなるsiRNAを使用した。
【0029】
回収した各細胞から得られた細胞抽出液を下記の抗体を用いてウエスタンブロット解析を行った。結果を図1に示す。
図1において、抗体「anti−hSMG−1(C3)」は、hSMG−1のタンパク質量を確認することができる抗体であり、抗体「anti−hUPF1」は、hUPF1のタンパク質量を確認することができる抗体であり、抗体「anti−S1096P(3B8)」は、hUPF1のS1078/1096のリン酸化を特異的に認識する抗体であり、hSMG−1によるリン酸化を確認することができる。なお、S1078/1096は、hSMG−1によるリン酸化部位である。
また、図1において、レーン1は、コントロールsiRNA及びトランスメッセンジャートランスフェクションキットを使用した場合の結果であり、レーン2は、hSMG−1−siRNA及びトランスメッセンジャートランスフェクションキットを使用した場合の結果であり、レーン3は、コントロールsiRNA及びリポフェクトアミン2000を使用した場合の結果であり、レーン4は、hSMG−1−siRNA及びリポフェクトアミン2000を使用した場合の結果である。
【0030】
図1に示すように、トランスメッセンジャートランスフェクションキット又はリポフェクトアミン2000のいずれのトランスフェクション試薬を用いた場合でも、hSMG−1−siRNAを添加した場合に、hSMG−1タンパク質の発現が激減していることを確認することができた。一方、コントロールのsiRNAではこのような効果は観察されなかった。
また、その時に、hUPF1タンパク質の量は不変であるにも関わらず、anti−S1096P(3B8)抗体を用いて検出したhUPF1のS1078/1096のリン酸化は、有為に減少していた。
これらの事実は、hSMG−1−siRNAが、特異的にhSMG−1タンパク質の発現を抑制すること、同時に、hUPF1のリン酸化を抑制することを示している。
【0031】
【実施例2】
《pSUPERプラスミド(pSUPER hSMG−1)によるHela細胞におけるhSMG−1発現の抑制》
本実施例では、化学合成したsiRNAの代わりに、哺乳動物細胞内でsiRNAを安定的に発現可能なプラスミド(pSUPER hSMG−1)を用いることにより、Hela細胞におけるhSMG−1発現を抑制することができた。
【0032】
より具体的には、hSMG−1の塩基配列(GenBank accession no: AB061371)における第5818番〜第5836番のヌクレオチドを含む2種類の合成DNAオリゴヌクレオチド(配列番号3で表される塩基配列からなるセンス鎖と配列番号4で表される塩基配列からなるアンチセンス鎖)をアニーリングした後、pSUPERプラスミド[Brummelkamp, T.R., Bernards, R., Agami R., A system for stable expression of short interfering RNAs in mammalian cells. Science 296, 550-553 (2002)]のBglII及びHindIII部位にクローン化することにより、pSUPER hSMG−1を構築した。なお、前記pSUPERプラスミドは、Dr. Reuven Agami(Division of Molecular Carcinogenesis, the Netherland Cancer Institute、オランダ)から供与されたものであり、研究目的への利用のみが認められている。pSUPER hSMG−1を細胞にトランスフェクションすると、前記細胞内で、配列番号1で表される塩基配列からなるセンス鎖と、配列番号2で表される塩基配列からなるアンチセンス鎖とからなるsiRNAを発現する。
【0033】
Hela TetOff細胞(8×105個)に、市販のトランスフェクション試薬(リポフェクトアミン)と一緒に、前記pSUPER hSMG−1(1μg又は2μg)、HA−hUPF1(HAタグ付きhUPF1を発現するプラスミド)(0.3μg)、及びHis−hSMG−1(Hisタグ付きhSMG−1を発現するプラスミド)(0.7μg)を添加し、45時間培養後、細胞を回収した。細胞抽出液を下記の抗体を用いてウエスタンブロット解析を行った。結果を図2に示す。図2において、hSMG−1のタンパク質量は、Hisタグに対する抗体で確認した。hUPF1のタンパク質量は、HAタグに対する抗体で確認した。
【0034】
図2に示すように、pSUPER hSMG−1を添加することにより、同時に高発現したhSMG−1の発現量が減少した。このときに、同時に発現したhUPF1の量の減少は見られなかった。コントロールベクターではこのような効果は観察されなかった。合成siRNAを用いた場合にも、これをpSUPERベクターを用いて細胞内で発現させた場合にも、hSMG−1の発現の特異的な抑制が観察されたことになる。
【0035】
【実施例3】
《pSUPER hSMG−1によるウルリッヒ病患者の線維芽細胞における異常コラーゲン分子の発現誘導》
ウルリッヒ病患者では、生殖系列のコラーゲンVIのα2鎖の遺伝子に欠失が起きた結果、PTC(premature termination codon)が生じる。その結果、コラーゲンVI三重鎖の合成、細胞外への分泌、及び細胞外基質タンパク質の異常などを生じ、これが筋ジストロフィー症の原因となっている[Vanegas O.C., Bertini. E., Zhang, R-Z., Petrini, S., Minosse, C., Sabatelli, P., Giusti, B., Chu, M-L. & Pepe, G., Ullirich scleroatonic muscular dystrophy is caused by recessive mutations in collagen type VI. Proc. Natl. Acad. Sci. 98, 7516-7521 (2001); Higuchi, I., Suehara, M., Iwaki, H., Nakagawa, M., Arimura, K. & Osame, M., Collagen VI deficiency in Ulrich's disease. Ann. Neurol. 49, 544 (2001); Higuchi, I., Shiraishi, T., Hashiguchi, T., Suehara, M., Niiyama, T., Nakagawa, M., Arimura, K., Maruyama, I. & Osame, M., Frameshift mutation in the collagen VI gene causes Ulrich's disease. Ann. Neurol. 50, 261-265 (2001)]。
【0036】
ゼラチンでコートしたカバ−グラス上で培養したウルリッヒ病患者の線維芽細胞(3×105個)に、pSUPER hSMG−1(2μg)を、市販のトランスフェクション試薬(リポフェクトアミン2000)を用いてトランスフェクトした。その54時間後に、4%メタノールで−20℃にて、続いて4%のパラフォルムアルデヒドで室温にて15分間の処理を行い、細胞を固定した。その後、コラーゲンVI三重鎖構造を認識するコラーゲンVI抗体(Fuji Chemical Ind., LTD.)を添加し、室温で2時間反応させた後に、2次抗体としてローダミン結合ヤギ抗マウス抗体(COSMO BIO CO., LTD.)で室温にて30分間の処理を行った後に、蛍光顕微鏡(Nikon E600)で観察した。pSUPER hSMG−1を取り込んだ細胞は、同時にトランスフェクトしたサイトメガロウィルス−グリーン蛍光タンパク質(CMV−GFP)に起因する蛍光で判定した。
【0037】
ウルリッヒ病患者の線維芽細胞では、コラーゲンVIのα2鎖の遺伝子異常により、コラーゲンVIのα2鎖タンパク質の発現に加え、それを含むコラーゲンVI三重鎖の合成が抑制されている。コントロールとしてのpSUPERプラスミド添加の場合、あるいは、pSUPER hSMG−1無添加の場合には、コラーゲンVI三重鎖が認められなかったのに対して、pSUPER hSMG−1添加の場合には、pSUPERプラスミドを用いたsiRNAにより、コラーゲンVI三重鎖の合成が確認された。
hSMG−1タンパク質の発現を抑制することにより、コラーゲンVIのα2鎖のPTC−mRNAの分解が抑制され、コラーゲンVIのα2鎖タンパク質の発現に加え、それを含むコラーゲンVI三重鎖の合成が確認されたことになる。
【0038】
【実施例4】
《pSUPER hSMG−1によるウルリッヒ病患者の線維芽細胞における異常コラーゲン分子の細胞外への分泌の誘導》
ゼラチンでコートしたカバ−グラス上で培養したウルリッヒ病患者の線維芽細胞(3×105個)に、pSUPER hSMG−1(2μg)を、市販のトランスフェクション試薬(リポフェクトアミン2000)を用いてトランスフェクトした。30時間後に、終濃度0.25mmol/Lになるようにアスコルビン酸を加え、三重鎖コラーゲン分子を細胞外に分泌させた[Colombatti, A. & Bonaldo, P., Biosynthesis of chick type VI collagen. II Processing and secretion in fibroblasts and smooth muscle cells. J. Biol. Chem. 262, 14461-14466 (1987)]。その24時間後に、4%メタノールで−20℃にて、続いて4%のパラフォルムアルデヒドで室温にて15分間の処理を行い、細胞を固定した。その後、抗コラーゲンVI抗体(Fuji Chemical Ind., LTD.)を添加し、室温で2時間反応させた後に、2次抗体としてローダミン結合ヤギ抗マウス抗体(COSMO BIO CO., LTD.)で室温にて30分間の処理を行った後に、蛍光顕微鏡(Nikon E600)で観察した。pSUPER hSMG−1を取り込んだ細胞は、同時にトランスフェクトしたCMV−GFPに起因する蛍光で判定した。
【0039】
細胞内に蓄積したコラーゲンVI三重鎖が細胞外に分泌することが知られている。しかし、ウルリッヒ病患者の線維芽細胞にアスコルビン酸を処理しても、コラーゲンVI三重鎖の合成が抑制されているために、細胞外への分泌は観察されない[Higuchi, I., Shiraishi, T., Hashiguchi, T., Suehara, M., Niiyama, T., Nakagawa, M., Arimura, K., Maruyama, I. & Osame, M., Frameshift mutation in the collagen VI gene causes Ulrich's disease. Ann. Neurol. 50, 261-265 (2001)]。コントロールとしてのpSUPERプラスミド添加の場合には、コラーゲンVI三重鎖の細胞外への分泌が認められなかったのに対して、pSUPER hSMG−1をトランスフェクトした線維芽細胞では、pSUPERプラスミドを用いたsiRNAにより、コラーゲンVI三重鎖の細胞外への分泌が確認された。
hSMG−1タンパク質の発現を抑制することにより、コラーゲンVIのα2鎖のPTC−mRNAの分解が抑制され、コラーゲンVIのα2鎖タンパク質の発現に加え、それを含むコラーゲンVI三重鎖が合成され、それが細胞外に分泌したことが確認されたことになる。
【0040】
【実施例5】
《pSUPER hSMG−1によるウルリッヒ病患者の線維芽細胞におけるコラーゲン受容体であるインテグリンの発現誘導》
ゼラチンでコートしたカバ−グラス上で培養したウルリッヒ病患者の線維芽細胞(3×105個)に、pSUPER hSMG−1(2μg)を、市販のトランスフェクション試薬(リポフェクトアミン2000)を用いてトランスフェクトした。30時間後に、終濃度0.25mmol/Lになるようにアスコルビン酸を加え、三重鎖コラーゲン分子を細胞外に分泌させた[Colombatti, A. & Bonaldo, P., Biosynthesis of chick type VI collagen. II Processing and secretion in fibroblasts and smooth muscle cells. J. Biol. Chem. 262, 14461-14466 (1987)]。その24時間後に、4%メタノールで−20℃にて、続いて4%のパラフォルムアルデヒドで室温にて15分間の処理を行い、細胞を固定した。その後、抗ヒトインテグリンアルファ5ベータ1抗体(DAKO Co., Ltd.)を添加し、室温で2時間反応させた後に、2次抗体としてローダミン結合ヤギ抗マウス抗体(COSMO BIO CO., LTD.)で室温にて30分間の処理を行った後に、蛍光顕微鏡(Nikon E600)で観察した。pSUPER hSMG−1を取り込んだ細胞は、同時にトランスフェクトしたCMV−GFPに起因する蛍光で判定した。
【0041】
細胞内に蓄積したコラーゲンVI三重鎖は、細胞外に分泌した後に、細胞外基質に取り込まれることが知られている。しかし、ウルリッヒ病患者の線維芽細胞では、コラーゲンVI三重鎖の合成が抑制されているために、細胞外への分泌は観察されない[Higuchi, I., Shiraishi, T., Hashiguchi, T., Suehara, M., Niiyama, T., Nakagawa, M., Arimura, K., Maruyama, I. & Osame, M., Frameshift mutation in the collagen VI gene causes Ulrich's disease. Ann. Neurol. 50, 261-265 (2001)]。ウルリッヒ病患者の線維芽細胞の更なる解析により、その細胞外基質には、コラーゲンVI三重鎖のみならず、そのレセプターであるインテグリンの発現が減少していることが見いだされている[Jing Hu, Itsuro Higuchi, Tadafumi Shiraishi, Masahito Suehara, Takahito Niiyama, Takashi Horikiri, Yuichi Uchida, Akiko Saito, and Mitsuhiro Osame, Fibronectin receptor reduction in skin and fibroblasts of patients with Ullrich's disease. Muscle Nerve 26, 696-701 (2002)]。
【0042】
本実施例では、pSUPER hSMG−1をトランスフェクトした線維芽細胞では、pSUPERプラスミドを用いたsiRNAにより、インテグリンの発現が誘導されることが確認された。
hSMG−1タンパク質の発現を抑制することにより、コラーゲンVIのα2鎖のPTC−mRNAの分解が抑制され、コラーゲンVIのα2鎖タンパク質の発現に加え、それを含むコラーゲンVI三重鎖が合成され、それが細胞外に分泌することにより、細胞外基質のレセプターであるインテグリンの発現が誘導されたことを示している。
【0043】
【発明の効果】
本発明のsiRNAによれば、SMG−1の発現を抑制することにより、mRNAサーベイランス機構を特異的に抑制することができる。本発明のsiRNAを有効成分とする本発明のmRNAサーベイランス機構抑制剤は、SMG−1阻害剤であるウォートマンニンやカフェインと比較して、毒性及び副作用を有しない点で優れている。
【0044】
【配列表フリーテキスト】
配列番号1又は5の配列で表される各塩基配列は、人工的に合成したsiRNAのセンス鎖であり、第1番目〜第19番目はRNAであり、第20番目〜第21番目はDNAである。
配列番号2又は6の配列で表される各塩基配列は、人工的に合成したsiRNAのアンチセンス鎖であり、第1番目〜第19番目はRNAであり、第20番目〜第21番目はDNAである。
【0045】
【配列表】
Figure 0004032013
Figure 0004032013
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【図面の簡単な説明】
【図1】化学合成したhSMG−1−siRNAをトランスフェクションしたヒトHeLa細胞から得られた細胞抽出液について、電気泳動した後、ウエスタンブロットすることによって、hSMG−1の発現抑制とhUPF1リン酸化の抑制の効果を示す、図面に代わる写真である。
【図2】pSUPERプラスミド(pSUPER hSMG−1)をトランスフェクションしたヒトHeLa細胞から得られた細胞抽出液について、電気泳動した後、ウエスタンブロットすることによって、hSMG−1の発現抑制の効果を示す、図面に代わる写真である。

Claims (4)

  1. 二重鎖RNA部分が、配列番号1で表される塩基配列における第1番目〜第19番目の塩基からなる、siRNA。
  2. 配列番号1で表される塩基配列からなるセンス鎖と、配列番号2で表される塩基配列からなるアンチセンス鎖とからなる、請求項に記載のsiRNA。
  3. 請求項1又は2に記載のsiRNAを投与対象内で発現可能な発現ベクター。
  4. (1)請求項1又は2に記載のsiRNA、又は
    (2)前記siRNAを投与対象内で発現可能な発現ベクター
    を有効成分とする、mRNAサーベイランス機構の抑制剤。
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