〔実施の形態1〕
本発明の一実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、本発明の波形等化装置を光ディスク再生装置に適用した場合について説明する。
図1は、本実施の形態に係る光ディスク再生装置(情報再生装置)の構成を表すブロック図である。
上記光ディスク再生装置20は、光ディスク1に書き込まれている情報を再生する装置であり、光学ピックアップ2、A/D変換器3、FIRフィルタ4、ビタビ復号回路5、パスメモリ長遅延素子6、特定パターン検出回路7、目標値レジスタ8、時間Tの遅延素子9、正規方程式演算回路10を備えている。ここで、正規方程式とは、特許請求の範囲に記載の方程式に対応するものであり、その詳細については後述する。
上記光ディスク1には、(1,7)RLL(Run Length Limited)符号のようなd=1なるランレングス制限符号、すなわち最短マーク長が2Tであるよう変調方式の記録マークが記録されている。
上記光学ピックアップ2(再生手段の一部)は、再生信号列(入力信号列)を、光ディスク1(情報記録媒体)から再生するものであり、図示しない半導体レーザや各種光学部品、フォトダイオードからなっている。すなわち、光学ピックアップ2は、半導体レーザから射出されたレーザ光を光ディスク1上に集光し、反射光をフォトダイオードで電気信号に変換することによってアナログ再生波形(以下、単に再生波形)を出力する。
以下、特に断りが無い場合、再生波形は(1,7)RLL変調、PR(1,2,1)特性を持ち、理想サンプルレベルを±1に正規化(以下に詳述)したものを扱う。
上記A/D変換器3は、チャネル周波数クロックのタイミングで、光学ピックアップ2の出力した再生波形のA/D変換を行う。そして、A/D変換器3は、再生波形がA/D変換されたディジタル再生信号(以下、単に再生信号)を出力する。
上記FIRフィルタ4(等化手段)は、再生信号列に基づいて波形等化を行うことで等化後信号列を生成する。FIRフィルタ4は、時間Tの遅延素子を2個、ゲイン可変の増幅器を3個(ゲインはそれぞれc(0)、c(1)、c(2))、加算器を1個備えたディジタルフィルタである。ここで、ゲインc(0)、c(1)、c(2)はタップ係数(等化係数)であり、この値を変化させることによってFIRフィルタ4は等化特性を変化させる。FIRフィルタ4は、タップ係数を用いて再生波形に対する波形等化を行い、等化後信号y(i−1、n)を出力する。nの意味については後述する。なお、タップ係数の数を3タップとしているのは、説明の簡略化のためであり、タップ数を増やすことにより波形等化能力を上げることは可能である。
上記ビタビ復号回路5(復号手段、パスメトリック差検出手段)は、波形干渉幅が3TであるPR(1,2,1)特性に基づいて、FIRフィルタ4の出力した等化後信号y(i−1、n)のビタビ復号を行い、光ディスクに記録された記録マークの復号ビット列b(i)を出力すると同時に、ビタビ復号過程において合流する2本のパスメトリック差s(n)を計算し、出力するものである。
このパスメトリック差s(n)は、SAM(Sequenced Amplitude Margin)と呼ばれるものであり、例えば(非特許文献1)「T.Perkins,"A Window Margin Like Procedure for Evaluating PRML Channel Performance"、IEEE Transactions on Magnetics,Vol.31,No2,1995,p1109−1114」等の文献によって周知である。
上記パスメモリ長遅延素子6は、ビタビ復号回路5におけるパスメモリ長の時間Lに対応する遅延素子である。
上記特定パターン検出回路7(パターン検出手段)は、ビタビ復号回路5により復号された復号ビット列b(i−4)、b(i−3)、・・・、b(i)が、特定パターンとしての「00111」、「00011」、「11000」、「11100」のいずれかと一致するか否かを判定する。
目標値レジスタ(目標値設定手段)は、パスメトリック差s(n)の目標値dsの値を設定するものであり、この目標値dsを記憶している。この目標値は、予め設定したものであってもよいし、その都度、つまり処理毎に適宜設定するようにしてもよい。
上記正規方程式演算回路10(等化最適化手段)は、特定パターン検出回路7が上記特定パターンを検出する毎に、特定パターンに対応する信号波形の重み付け加算を行う。そして、特定パターンの検出回数が予定の回数に至ったところで、重み付け加算の平均値の相関関数行列R、入力信号列の重み付け加算と目標値の積の平均値行列pを計算し、これらR、pとタップ係数行列h0を変数とする方程式(以下、単に正規方程式と称する)、
h0=R−1p ・・・ (2)
を解くことにより、タップ係数を求めFIRフィルタ4のタップ係数を設定する。
ここで、ビタビ復号回路5による復号方法について、図2及び図3を用いて詳説する。
PR(1,2,1)特性に従う再生波形であって、ひずみ及びノイズのない理想的な1Tマークの再生波形は、図2(a)〜図2(c)に示すように、チャネルクロック毎のサンプルレベルが1:2:1になる。2Tでは、1:3:3:1、3Tでは、1:3:4:3:1になり、4Tでは、1:3:4:4:3:1となり、1Tマークの再生波形の重ね合わせによって求められる。
このように、任意のビット列について理想的な再生波形を想定することができる。理想的なサンプルレベル(理想サンプルレベル)としては、0、1、2、3、4の5つのレベルをとることになる。ここで、便宜上、サンプルレベルの最大振幅が±1になるようにサンプルレベルを正規化すると、理想サンプルレベルは、−1、−0.5、0、+0.5、+1の5つのレベルとなる。
図3は、PRML方式によるデータ検出を実現するためのビタビ復号を表すトレリス線図である。図3において、S(00)、S(01)、S(10)、S(11)はそれぞれ状態を表し、例えば状態S(01)は、前ビットが0で現在ビットが1であることを示している。状態と状態を結ぶ線は「ブランチ」と呼ばれ、このブランチは遷移状態を表すことができる。例えば、S(00)→S(01)のブランチによって「001」なるビット列を表すことができる。各ブランチの横に附した数値は、各遷移状態において期待される理想サンプルレベルを表す。例えば、S(00)→S(00)のブランチは「000」なるビット列を表すので、−1(正規化前のサンプルレベルは0)が理想サンプルレベルである。なお、S(01)→S(10)及び、S(10)→S(01)なるブランチが存在しないのは、d=1のランレングス制限により「010」及び「101」なるビット列がありえないことを反映している。
トレリス線図において、ブランチが連続するように各時刻の状態を1つずつ通っていく経路は「パス」と呼ばれる。任意の状態から任意の状態を経て生成される全てのパスを考えることは、全てのありうるビット列を考えることに相当する。よって、全てのパスについて期待される理想波形と、実際に光ディスクから再生した再生波形とを比べて、再生波形に最も近い、すなわちユークリッド距離が最も小さい理想波形を有するパスを探索すれば、最も確からしい最尤パスを正解パスとして決定することができる。これがビタビ復号の原理である。
具体的にトレリス線図を用いたビタビ復号の手順を説明する。任意の時間において、状態S(01)及びS(10)には1本のパスが接続されている。2本のパスが合流する状態S(00)及びS(11)について、合流する各パスの理想波形と再生波形とのユークリッド距離が小さい方を生き残りパスとして残すことにすれば、任意の時刻において、4つの各状態に至るパスがそれぞれ1本ずつ、合計4本のパスが残っていることになる。
パスの理想波形と再生波形のユークリッド距離の二乗は、「パスメトリック」と呼ばれ、ブランチの理想サンプルレベルと再生波形のサンプルレベルとの差の二乗として求められるブランチメトリックを、パスを構成する全ブランチについて累積することによって計算される。
こうして再生波形のサンプル値、つまり再生信号が入力される毎に、同じ状態に合流する2本のパスのパスメトリックの大小を比較して生き残りパスを比較する手順を繰り返していくと、パスメトリックの大きなパスが淘汰されていくため、生き残りパスはパスメトリックが最小となる1本のパスに収束していく。これを正解パスとすることにより、光ディスクに記録されたデータビット列が正しく再生されることになる。
なお、再生信号の入力時刻に対して、正解パスを決定して復号ビット列を出力する時刻までの状態遷移数を「パスメモリ長」と呼ぶ。一般にパスメモリ長は、生き残りパスが一本に収束するのに十分な長さを持たせている。
ここで、ビタビ復号が正しく行われている条件を考えると、最終的に1本に収束していくパスが正解パスとなるためには、各時刻において生き残りパスを決定する過程で、正解パスのパスメトリックが、誤りパスであるもう一つのパスのパスメトリックよりも小さくなければならない。そこで、生き残りを賭けて対決する2本のパスの差であるパスメトリック差を見れば、そのパスがどの程度エラーを起こしそうであるかを判定することができる。このパスメトリック差がSAMの定義である。
ビタビ復号においてエラーが発生しないためには、誤りパスのパスメトリックから正解パスのパスメトリックを引いたパスメトリック差が0より大きくなる必要があり、また上記パスメトリック差が大きいほどエラーを起こしにくいことになる。
従って、上記ビタビ復号回路5は、このパスメトリック差を計算してs(n)として出力する。
以下、上記構成の光ディスク再生装置20の再生動作の流れを説明する。
まず、光学ピックアップ2から光ディスク1上に光ビームを照射し、光ディスク1に記録された情報を読み出す。このとき光ディスク1上に記録された記録マークの再生波形が光学ピックアップ2から出力される。この再生波形は、A/D変換器3にて再生信号列u(i,n)に変換される。FIRフィルタ4に再生信号が入力されると、FIRフィルタ4により波形等化処理が施されて等化後信号y(i−1,n)が出力される。等化後信号y(i−1,n)は、再生信号u(i−1,n)に対応する等化後信号である。等化後信号y(i−1,n)は、タップ係数c(k)と再生信号列u(i−k,n)との畳み込み演算(以下の(3)式)により表される。
つまり、FIRフィルタ4は、複数のタップ係数c(k)(k=0,1,2)に対して、再生信号列u(i−k、n)の各再生信号を各タップ係数に順次対応づけつつ、各タップ係数と、各タップ係数に対応づけられた各入力信号との畳み込み演算を行うことで等化後信号列y(i−1,n)を生成する。
ビタビ復号回路5は、等化後信号列y(i−1,n)が入力されると、前述のようにパスメトリック差s(n)を求めて出力すると共に、ビタビ復号を行った結果得られた復号ビット列b(i)を生成する。つまり、ビタビ復号回路5は、再生信号列u(i,n)の復号結果である復号ビット列b(i)を生成する。また、ビタビ復号回路5は、等化後信号列y(i−1,n)に基づくビタビ復号過程において、生き残りパスとして決定される正解パスと、この正解パスと対決する誤りパスとのパスメトリック差s(n)を検出する。
ここで、パスメモリ長遅延素子6は、ビタビ復号におけるパスメモリ長の時間分の遅延による再生信号列u(i,n)及びパスメトリック差s(n)と、復号ビット列b(i)との時間差Lを補正して同期をとるためのものである。
特定パターン検出回路7は、復号ビット列b(i−4)、b(i−3)、・・・、b(i)が特定パターンである「00111」、「00011」、「11000」、「11100」のいずれかと一致するか否かを判定し、一致した場合には一致信号を正規方程式演算回路10に伝える。
特定パターンについては後述するが、ビタビ復号にとって理想的な波形(理想波形)を構成する理想波形信号列を想定した場合に、この理想波形信号列に基づくパスメトリック差が予め定めた特定値となるようなビット列のパターンである。特定パターン検出回路7は、このような特定パターンを復号ビット列b(i)から検出する回路である。
正規方程式演算回路10は、特定パターン検出回路7から一致信号が伝えられると、対応する入力信号の重み付け加算をもとめ、それを順次加えていく。この重み付け加算は検出された特定パターンに対応するそれぞれの入力信号のビット列間において、以下の(4)式で示すように相関をとり、
{u(−2−k,n)+u(−1−k,n)+u(−k,n)}{u(−2−m,n)+u(−1−m,n)+u(−m,n)} m,k=0,1,2 ・・・ (4)
m、kの組み合わせのそれぞれで演算し、累積していく。
最適なタップ係数を求めるのに十分な数の特定パターンを検出した後、特定パターンの検出数nで割り期待値を算出し、以下の(5)式に基づいて(6)式に示す相関関数行列Rを作成する。なお、E[ ]は期待値演算子を表す。
r(m,k)=E[{u(−2−k,n)+u(−1−k,n)+u(−k,n)}{u(−2−m,n)+u(−1−m,n)+u(−m,n)}] m,k=0,1,2 ・・・ (5)
m、kの組み合わせにおいて、3行3列の行列Rを作成する。
同時に、以下の(7)式のように目標値dsと重み付け加算の積の期待値を求める。
p(k)=E[ds{u(−2−k,n)+u(−1−k,n)+u(−k,n)}] k=0,1,2 ・・・ (7)
そして、以下の(8)式に示すような3行1列の行列pを作成する。
さらに、以下の(9)式に示すように、タップ係数をh0とし3行1列の行列を作成する。
上述した(6)、(8)、(9)式の各行列で構成されたRh0=pで表される正規方程式において、タップ係数を変数として解くことによりタップ係数を導く。導かれた係数をFIRフィルタのタップ係数c(k)として更新する。
ここで導かれたタップ係数は、FIRフィルタ4で等化した等化後信号のパスメトリック差s(n)の目標値dsに対する平均二乗誤差E[{s(n)−ds}2]を最小とし、このとき、ビタビ復号で復号される復号ビットのエラーレートは最良となる。また、上記方程式において、前記入力信号列の重み付け加算の期待値の相関関数と、前記入力信号列の重み付け加算と目標値の積の期待値は、入力信号列全体の特徴を含んでいるため、局所的な入力信号の変動の影響を最小限にとどめ、入力信号列全体の等化特性を最適化することができる。さらに、入力信号列全体の一部分から求めた結果であっても、入力信号の平均特性を含んでいるため入力信号列全体の等化特性を最適化することができる。
次に、本発明において用いられている正規方程式がどのようなものであるか、更に、正規方程式を用いることによって入力信号列に対してタップ係数が最適化される理由について説明する。
まず、一般的に知られている最小二乗平均法における正規方程式の概念について説明する。参考文献(非特許文献2)として「適応フィルタ入門」,S.Haykin著,式部幹訳,現代工学社(1999)を挙げる。
光ディスク再生系において理想的な望みの応答d(i)と実際のフィルタ出力y(i)を想定すると、望みの応答d(i)と出力y(i)の誤差信号であるe(i)は、以下の(10)式のような関係となる。
e(i)=d(i)−y(i) ・・・ (10)
すなわち、上記(10)式において、二乗平均値を最小にすることを考える。
誤差信号の二乗平均を以下の(11)式のように、
ε=E[e2(i)] ・・・ (11)
と表すと(ここでは、E[]はiについての期待値を意味する)、上記(10)式を代入して、
ε=E[d2(i)]−2E[d(i)y(i)]+E[y2(i)]・・・(12)
が得られる。
さらに、上記(12)式に上記(3)式を代入して、以下の(13)式
が得られる。
入力信号u(i)と望みの応答d(i)が結合定常(d(i)とu(i−k)が定常で、それらの相互相関関数が時間差kにのみ依存する場合をいう)であると仮定すると、上記(13)式の右辺は次のように解釈される。
1.期待値E[d2(i)]は、望みの応答d(i)の二乗平均に等しい。すなわち、期待値E[d2(i)]をPdとすると、
Pd=E[d2(i)] ・・・ (14)
となる。
2.期待値E[d(i)u(i−k)]は、望みの応答d(i)と、入力信号u(i)をk遅延させたものとの相互相関関数に等しい。すなわち、相互相関関数をp(k)とすると、
p(k)=E[d(i)u(i−k)]、k=0,1,2 ・・・ (15)
よって、(13)式の第二項目は、以下の(16)式
の形に書きなおせる。
3.期待値E[u(i−k)u(i−m)]は、入力信号u(i)にm−kの時間差を与えたときの自己相関関数に等しい、
r(m−k)=E[u(i−k)u(i−m)]・・(17)
となる。
従って、(13)式の第三項目は、以下の(18)式
となる。
よって、(14)、(16)、(18)式を(13)式に代入すると、二乗平均誤差の式は、以下の(19)式
のようになる。
上記(19)式より、平均二乗誤差εは、タップ係数の二次関数であることがわかる。従って、平均二乗誤差εがタップ係数に依存する様子は単一の最小点を有するボール状の曲面として表すことができる。このため、最小点を与えるタップ係数を求めることで、最小二乗誤差の意味で最適な等化を実現できる。
εは、タップ係数c(k)に関する導関数が同時に0になる時に最小値をとる。そこで、(19)式をc(k)で偏微分すると、以下の(20)式
が得られる。この結果を0とするとタップ係数の最適値を得ることができる。
最適なタップ係数をh0(0)、h0(1)、h0(2)とすると、これらは方程式の組は、以下の(21)式
の解として与えられる。上記(21)式は3元連立方程式で、正規方程式と呼ばれる。
以上が一般的な正規方程式の概念についての説明である。
ここから、本発明における正規方程式に関する説明を行う。
上記正規方程式は、望みの応答とフィルタ出力の誤差信号e(i)の二乗平均を最小にするが、復号された信号のエラーレートを考慮に入れていないため、必ずしもエラーレートが最良となる等化特性にはならない。そこで、パスメトリック差を用いて等化特性の最適化を行うことにより、エラーレートを考慮に入れる。
上述したように、パスメトリック差は、そのパスメトリック差の検出の元となった等化後信号列が、復号過程において誤ったパスを生き残りパスとして決定してしまう危険性をどの程度はらんでいるものであるか、つまり復号におけるエラーの発生する度合いを示している。そこで、誤差信号e(n)を次のように定める。
e(n)=s(n)−ds ・・・ (22)
特定パターンに一致するn番目のビットパターンとして、「00111」が検出されたとする。この場合、図4に示すように、ビタビ復号のトレリス線図では、正解パスは「・・・→S(00)→S(01)→S(11)→S(11)」であり、この正解パスと最後の状態S(11)(図中右端のS(11))で合流する誤りパスは、この正解パスと理想波形が最も近い「・・・→S(00)→S(00)→S(01)→S(11)」である場合がほとんどである。
この場合、それぞれのパスの理想波形におけるサンプルレベルは、正解パスが(−0.5、+0.5、+1)であり、誤りパスが(−1、−0.5、+0.5)である。したがって、これらに対応する等化後信号y(−3,n)、y(−2,n)、y(−1,n)を用いて、この場合のパスメトリック差s(n)は、次式
s(n)={y(−3,n)−(−1)}2+{y(−2,n)−(−0.5)}2+{y(−1,n)−(+0.5)}2−{y(−3,n)−(−0.5)}2−{y(−2,n)−(+0.5)}2−{y(−1,n)−(+1)}2
=y(−3,n)+2y(−2,n)+y(−1,n) ・・・ (23)
のように簡易的に求めることができる。等化後信号が完全に正解パターンに一致するときのs(n)は、
s(n)=−0.5+2(0.5)+1=1.5・・・(24)
となり、これがこの特定パターンに対応するパスメトリック差の理想値である。そして、この値を目標値dsとして設定する。
一方、(3)式を用いることにより、s(n)は次式のように表すことができる。
すると、目標値ds(=1.5)に対するパスメトリック差s(n)の誤差e(n)=s(n)−dsの平均二乗(平均二乗誤差)ε=E[e(n)2]は、次式のようになる。
よって、(13)式と同じ形に表現できるため、同様の方法で正規方程式(以下の(27)式)を導出することができる。
ただし、p(k)、r(m,k)は以下の通りである。
p(k)=E[ds{u(−2−k)+2u(−1−k)+u(−k)}]、k=0,1,2 ・・・ (28)
r(m,k)=E[{u(−2−k)+2u(−1−k)+u(−k)}{u(−2−m)+2u(−1−m)+u(−m)}]、m,k=0,1,2 ・・・ (29)
具体的には、目標値ds=1.5であり、相関関数行列の作成開始後n番目の、特定パターンに一致するビット列「00111」が検出された場合、対応する再生信号列をu(−4,n)、(−3,n)、(−2,n)、(−1,n)、(0,n)(図5(a)〜(c)参照)とすると、上記の(29)式の行列Rに対して、各要素は次のように計算される。表記は、1行1列目、1行2列目、・・・、3行3列目のように表記している。
r(0,0):E[{u(−2)+2u(−1)+u(0)}{u(−2)+2u(−1)+u(0)}]
r(0,1):E[{u(−3)+2u(−2)+u(−1)}{u(−2)+2u(−1)+u(0)}]
r(0,2):E[{u(−4)+2u(−3)+u(−2)}{u(−2)+2u(−1)+u(0)}]
r(1,0):E[{u(−2)+2u(−1)+u(0)}{u(−3)+2u(−2)+u(−1)}]
r(1,1):E[{u(−3)+2u(−2)+u(−1)}{u(−3)+2u(−2)+u(−1)}]
r(1,2):E[{u(−4)+2u(−3)+u(−2)}{u(−3)+2u(−2)+u(−1)}]
r(2,0):E[{u(−2)+2u(−1)+u(0)}{u(−4)+2u(−3)+u(−2)}]
r(2,1):E[{u(−3)+2u(−2)+u(−1)}{u(−4)+2u(−3)+u(−2)}]
r(2,2):E[{u(−4)+2u(−3)+u(−2)}{u(−4)+2u(−3)+u(−2)}]
また、目標値と重み付け加算の積である(28)式の行列pの各要素は、
p(0):E[1.5×{u(−2)+2u(−1)+u(0)}]
p(1):E[1.5×{u(−3)+2u(−2)+u(−1)}]
p(2):E[1.5×{u(−4)+2u(−3)+u(−2)}]
以上のように計算される。
特定パターンが検出されるたびに、{}内の計算が行われ各行列要素のそれぞれにおいて加算されていく。そしてある一定量の特定パターンを検出した時点で、各要素において加算した総数で割り、期待値の計算を行う。上記したようにパスメトリック差の理想値が1.5の場合のパスメトリック差を求める計算は、(23)式にて表現されるので({}内の計算は(23)式から導出した)、特定パターンに対応するパスメトリック差がdsに近づくような(E[{s(n)−ds}2]を最小とする)タップ係数h0がRh0=pの正規方程式を解くことによって導出される。すなわち、一定量のデータを基に波形データの平均情報から作成される一意に最適な等化係数を得ることで、局所的な欠陥の影響を最小限にとどめ、より少ないデータ量で入力信号列の平均的な波形特性に基づいた等化を行うことが可能となる。
次に、E[{s(n)−ds}2]を最小とすることによりエラーレートが最良となる理由について説明する。
図6は、(1,7)RLL符号のランダムビットパターンに基づく、PR(1,2,1)特性で想定するノイズの無い理想波形について求めたパスメトリック差のヒストグラムを表すグラフである。図6より、このパスメトリック差は、1.5,2.5,3.5,4.5,5,6,7,8,9,・・・と複数の離散的な複数の値(理想値)をとっている。理想値が様々な値をとるのは、トレリス線図において、理想波形に対応する正解パスと同じ状態から出発して同じ状態に合流する誤りパスのパスメトリック差が、ビットパターンによって異なることに起因している。
図7に、パスメトリック差の各理想値と、各理想値に対応するビットパターンの対応関係を示す。なお図において理想値の度数が異なるのは、各理想値をとるビットパターンの種類が異なるのに加え、(1,7)RLL符号のランダムビットパターンにおいて各ビットパターンの出現頻度が異なっているためである。
一方、実際に光ディスクに記録した(1,7)RLL符号のビットパターンの再生信号について求めたパスメトリック差のヒストグラムについて調べると、図8に示すように、各理想値を中心としてパスメトリック差のヒストグラムは、広がりを持つ分布となるとともに、複数の分布が重なり合う形状になっている。これは再生信号にのっている様々なノイズ成分のためである。
よって、再生信号のパスメトリック差の理想値に対するばらつき、すなわち平均二乗誤差E[{s(n)−ds}2]が最小値となるように等化特性を決定することで、パスメトリック差が0より小さくなる可能性を小さくすることができ、エラーレートを良好に低減することが可能となる。実際の動作としては、平均二乗誤差を最小とするタップ係数を上記正規方程式により導出し、タップ係数を更新することで、等化特性が改善され復号によるエラーレートを低減することが可能となる。
更に、ビタビ復号においてエラーが発生しないためにはパスメトリック差>0である必要があることを考慮すると、最もエラーを起こしやすい最小の理想値1.5のパスメトリック差のみについてばらつきを小さくするように等化特性を決めれば、効率的にエラーレートを最良に抑えられると考えられる。すなわち、パスメトリック差が1.5になるようなビットパターン「00111」、「00011」、「11000」、「11100」の4種類のパターンを検出し、これらのビットパターンに対応するパスメトリック差s(n)と目標値ds=1.5との平均二乗誤差E[{s(n)−ds}2]を最小としてもよい。なお、上記のように注目する理想値(特定値)に対応するビットパターンが特定パターンとなる。理想値としては、理想波形信号列に基づくパスメトリック差を用いることで、より等化後波形を理想波形に近づけることができるため、エラーレートを小さくすることができる。
このように、正規方程式演算回路10では、特定パターン検出回路7にて特定パターンが検出されたときに、特定パターンのビット列に関して相関関数を求め、最適タップ係数を導出する。また、目標値レジスタ8は、目標値dsとしてパスメトリック差の理想値のうち最小値を設定している。これにより、ビタビ復号過程においてエラーを起こしやすいパターンに特化して効率的に等化特性を最適化することができる。なお、理想値のうち、最小値から順に選択した複数の値を目標dsとして設定してもよい。最小値から順に複数の値を組み合わせることで、エラーを発生しやすいパターンから順に複数のパターンに対して等化特性を最適化することができる。
また、特定パターン検出回路7にて特定パターンが検出された時に限らず、ビタビ復号過程において生き残る正解パスに対応するビット列のパターンである復号パターンがビタビ復号回路5から出力される毎に相関関数を求め、最適タップ係数を導出してもよい。そのためには、目標値レジスタ8は、ビタビ復号回路5から出力される復号パターンに対応するパスメトリック差の理想値を、目標値dsとして設定する。この場合、目標値レジスタ8が図7に示すように、復号パターンとして想定される様々なパターンとそれに対応するパスメトリック差の理想値を記憶していればよい。その結果、復号される全てのパターンに対して等化特性を最適化するタップ係数を導出することができる。
上記説明では、理論展開上の必要からパスメトリック差s(n)をs(n)=y(−3、n)+2y(−2、n)+y(−1、n)として簡易的にもとめているが、上記アルゴリズムにおける{s(n)−ds}をもとめるためのパスメトリック差s(n)自体は、回路実装の都合に合わせて、実際のビタビ復号回路で合流する2本のパスのパスメトリック差から求めてもよいし、上記の式に従って簡易的にもとめても構わない。
また、上記説明では、理想値を目標値dsとして設定する場合について説明したが、実際のパスメトリック差の分布特性を考慮して、理想的な値にたいして補正を加えた値を目標値dsとしてもよい。
特定パターン検出回路7に入力する復号ビットは、特定パターンの検出に用いられるが、復号ビット列に多少の検出ミスがあったとしても、特定パターンの検出数が十分に多ければ、検出ミスはほとんど悪影響を与えず実用上問題は無い。したがって、特定パターン検出回路7に入力する復号ビット列は、通常の情報データビット列の復号に要求されるエラーレート(1×10−4以下)よりも悪いエラーレートでもかまわない。
しかしながら、ビタビ復号を開始する前にある程度エラーを減少させる等化を行っておく構成にしてもよい。まったく等化が行われていない入力信号では、特定パターンの検出精度が著しく悪化する場合もあるため、ある程度の等化が行われていることが正規方程式による最適タップ係数導出の信頼性の向上につながる。
上記の説明では、PR(1,2,1)特性と、(1,7)RLL符号とを組み合わせた再生系にて理想サンプルレベルを±1に正規化したために、パスメトリック差の理想値の最小値が1.5となったが、これを一般化すると、PR特性がインパルス応答(a,b,a)で表されるPRML再生系の場合、パスメトリック差の理想値の最小値は2a2+b2となる。例えば、上記例の場合、a=0.5、b=1であるので、パスメトリック差の理想値の最小値が2×(0.5) 2 +(1) 2 =1.5となっている。
したがって、再生信号列の元ビット列の変調方式がd=1なるランレングス制限符号であり、ビタビ復号回路5が、孤立マークのインパルス応答を(a,b,a)と想定し、かつ、再生信号列のランレングス制限を考慮しているとき、目標値レジスタは目標値dsを(2a2+b2)に設定し、特定パターン検出回路7は特定パターンとして「00111」、「00011」、「11000」、「11100」を検出することになる。
また、上記説明では、説明の簡略化のためにFIRフィルタ4のタップ数を3としたが、これに限る必要はなく、より高次のフィルタを用いても本発明を同様に適用できることはもちろんである。PR特性がインパルス応答(a,b,a)で表されるPRML再生系における、一般的なフィルタ数Mの場合の詳細な説明はここでは省略するが、結論だけ書くと、M次のタップ係数ベクトルC(n)=[c(0),c(1),c(2),・・・,c(M−1)](c(k)はkタップ目のタップ係数)、再生信号ベクトルU(i,n)=[u(i−2,n),u(i−3,n),・・・,u(i−M−1,n)](u(−M−1,n)、u(−M,n)、・・・、u(0,n)はn番目の特定パターンに対応する(M+2)個の再生信号列)、目標値ds、パスメトリック差s(n)、に対して、特定パターン「00111」、「11100」、「00011」、「11000」が検出された場合、以下に示す(30)式のようなM元連立方程式を解くことによって最適タップ係数を導出すればよい。なお、M行1列のタップ係数行列h0に対して、相関関数行列rは、M×M行列、pは、M行1列の行列となる。
ただし、p(k)、r(m,k)は以下の通りである。
p(k)=E[(ds−q){au(−2−k)+bu(−1−k)+au(−k)}]、k=0,1,2,・・・,M−1 ・・・ (31)
r(m,k)=E[{au(−2−k)+bu(−1−k)+au(−k)}{au(−2−m)+bu(−1−m)+au(−m)}]、k,m=0,1,2,・・・,M−1 ・・・ (32)
ただし、定数項qは、上記のようにパスメトリック差s(n)を簡易的に求める過程において発生するものである。詳しい導出過程は省略するが、一般化のため理想波形の中心をcとして考慮に入れると、qはa、b、cを用いて表され、特定パターンごとに以下のような値となる。
「00111」、「11100」の場合、q=−2c(2a+b)。
「00011」、「11000」の場合、q=2c(2a+b)。
上記のPR(1,2,1)特性と、(1,7)RLL符号とを組み合わせた再生系の例においては、サンプルレベルの最大振幅が±1になるようにサンプルレベルを正規化しているためc=0でありqの値は0となっている。
実際の光ディスク再生装置20において読み出した再生信号に対して、FIRフィルタ4のタップ係数を5タップとして正規方程式を用いて等化係数を導出した場合、最適なタップ係数を導出するために必要なデータビット数は、約1万4千ビットであった。それに対して、適応的に等化特性を変化させる方法では、エラー数が収束(平均二乗誤差が最小値になる)するまでに、数百万ビットが必要であった。この時の両方の方法におけるエラーレートは、同等であり、10−5台であった。この結果から、正規方程式を用いた方法では、適応的に等化特性を変化させる方法と比較して、より少ないデータ量で、最適なタップ係数を導くことが可能であることが確認できた。
また、上記説明では、PRMLの方式として、波形干渉幅が3TであるPR(1,2,1)(一般波形PR(a,b,a))特性を前提として説明したが、波形干渉幅が2T及び4Tの場合も説明しておく。
まず、波形干渉幅が2Tの場合について説明する。この場合PRMLの想定するインパルス応答はPR(a,a)で表される。ここでは、再生信号の変調方式がd制約を持たない(ランレングス制限符号でない)場合を考える。
波形干渉幅が2Tの場合、トレリス線図はS(0)とS(1)の2状態となる。そして、パスメトリック差は、正解パス「v1、v2、v3」と、誤りパス「v1、v2'、v3」(v1、v2、v3は0または1のビットを表し、v2'はv2の反転ビットを表す)について求めたものとなる。正解パスの理想波形値は、順にav1+av2、av2+av3であり、誤りパスの理想波形値は、順にav1+av2'、av2'+av3であるので、パスメトリック差の理想値は、次式により、
(av1+av2−av1−av2')2+(av2+av3−av2'−av3)2=2a2(v2−v2')2=2a2 ・・・ (33)
と求めることができる。すなわち、パスメトリック差の理想値は、いかなる場合も2a2であることが分かる。
従って、ビタビ復号回路5が、孤立マークのインパルス応答を(a,a)と想定しているとき、目標値レジスタ8は目標値dsを2a2に設定することになり、特定パターン検出回路7は、特定パターンとして「000」、「001」、「100」、「010」、「011」、「110」、「101」、「111」を検出することになる。
ここで、パスメトリック差s(n)とディジタル再生信号u(i−k,n)との対応関係を図9(a)〜図9(c)に示す。ただし、図9(a)〜図9(c)は、タップ数M=3の場合である。
特定パターンに一致するn番目の復号ビットとして「010」が検出された場合、この復号ビット列に対応する記録マークから再生された再生波形が図9(a)のようであったとして、対応する再生信号列をu(−3,n)、u(−2,n)、u(−1,n)、u(0,n)とする。なお、一般的にタップ係数Mの場合、対応する再生信号列は、u(−M,n)、・・・、u(0,n)のM+1個である。パスメトリック差s(n)は、再生信号列u(−3,n)、u(−2,n)、u(−1,n)、u(0,n)に対応する等化後信号y(−3,n)、y(−2,n)、y(−1,n)、y(0,n)のうち中央の2つ、すなわち、y(−2,n)、y(−1,n)から、以下の(34)式から簡易的に求めることができる。
s(n)={y(−2,n)−(av1+av2')}2+{y(−1,n)−(av2'+av3)}2−{y(−2、n)−(av1+av2)}2−{y(−1,n)−(av2+av3)}2
=(v2−v2'){2a(y(−2,n)+y(−1,n))−2a2(1+v1+v3)} ・・・ (34)
なお、y(−2,n)、y(−1,n)と再生信号との関係は次式((35)式、(36)式)の通りである。
以降、目標値dsに対するs(n)の誤差e(n)=s(n)−dsの平均二乗ε=E[e(n)2]について正規方程式を作成し、最適タップ係数をもとめてタップ係数を更新するアルゴリズムの導出はPR(1,2,1)の場合と全く同様であるので詳細な説明は省略する。
最終的なアルゴリズムにおいて、PR(1,2,1)の場合と異なるのは、簡易的に求めたパスメトリック差s(n)が上記のようであることに起因して、正規方程式が次のようになる点である。
ここで、p(k),r(m,k)は、以下の(38)式及び(39)式のようになる。
p(k)=E[(ds−q){au(−1−k)+au(−k)}]、k=0,1,2,・・・,M−1 ・・・ (38)
r(m,k)=E[{au(−1−k)+au(−k)}{au(−1−m)+au(−m)}]、m,k=0,1,2,・・・,M−1 ・・・ (39)
なお、再生信号ベクトルは、U(i,n)=[u(i−1,n),u(i−2,n),・・・,u(i−M,n)](u(−M,n)、u(−M+1,n)、・・・、u(0,n)はn番目の特定パターンに対応する(M+1)個の再生信号列)である。
また、定数項qは、上記のようにパスメトリック差s(n)を簡易的に求める過程において発生するものである。詳しい導出過程は省略するが、一般化のため理想波形の中心をcとして考慮に入れると、qはa、b、cを用いて表され、特定パターンごとに以下のような値となる。
「000」の場合、q=−2a2+4ac。
「001」、「100」の場合、q=4ac。
「010」の場合、q=2a2−4ac。
「011」、「110」の場合、q=−4ac。
「101」の場合、q=2a2+4ac。
「111」の場合、q=−2a2−4ac。
次に、波形干渉幅が4Tの場合について説明する。この場合、PRMLの想定するインパルス応答はPR(a,b,b,a)で表される。ここでは、再生信号の変調方式がd=1制約を持つランレングス制限符号、すなわち最短マーク長が2Tであるような変調方式である場合を考える。
波形干渉幅が4Tの場合、トレリス線図は、S(000)、S(001)、S(011)、S(100)、S(110)、S(111)の6状態となる(d=1制約のためS(010)及びS(101)は存在しない)。そして、パスメトリック差の理想値が最小となるビットパターンは、誤りパスが正解パスに合流するまでの状態遷移数が最もすくない「×000110」、「×000111」、「×001110」、「×001111」、「×110000」、「×110001」、「×111000」、「×111001」(「×」は0,1のどちらでもよいことを表す。)の8種類のビットパターンである。
これらのビットパターン対応する正解パスを「v1、v2、v3、v4、v5、v6、v7」と表すと、誤りパスは「v1、v2、v3、v4'、v5、v6、v7」(v1〜v7は0又は1のビットを表す。v4'はv4の反転ビットを表す)と表せる。よって、正解パスの理想波形値は、順にav1+bv2+bv3+av4、av2+bv3+bv4+av5、av3+bv4+bv5+bv6、av4+bv5+bv6+av7であり、誤りパスの理想波形値は、順にav1+bv2+bv3+av4'、av2+bv3+bv4'+av5、av3+bv4'+bv5+av6、av4'+bv5+bv6+av7であるので、パスメトリック差は、次式により
(av1+bv2+bv3+av4−av1−bv2−bv3−av4')2+(av2+bv3+bv4+av5−av2−bv3−bv4'−av5)2+(av3+bv4+bv5+bv6−av3−bv4'−bv5−av6)2+(av4+bv5+bv6+av7−av4'−bv5−bv6−av7)2=2(a2+b2)(v4−v4')2=2(a2+b2) ・・・(39)
のように求めることができる。
従って、再生信号列の元ビット列の変調方式がd=1なるランレングス制限符号であり、ビタビ復号回路5が、孤立マークのインパルス応答を(a,b,b,a)と想定し、かつ、再生信号列のランレングス制限を考慮しているとき、目標値レジスタ8は目標値dsを2(a2+b2)に設定し、特定パターン検出回路7は特定パターンとして、「000110」、「000111」、「001110」、「001111」、「110000」、「110001」、「111000」、「111001」を検出することになる。
ここで、パスメトリック差s(n)とディジタル再生信号u(i−k,n)との対応関係を図10(a)〜図10(c)に示す。ただし、図10(a)〜図10(c)は、タップ数M=5の場合である。特定パターン検出回路に一致するn番目の復号ビット列として「001110」が検出された場合、この復号ビット列に対応する記録マークから再生された再生波形が図10(a)のようであったとして、対応する再生波形信号列をu(−7,n)、u(−6,n)、u(−5,n)、u(−4,n)、u(−3,n)、u(−2,n)、u(−1,n)、u(0,n)とする。なお、一般的にタップ数Mの場合、対応する再生信号列は、u(−M−2,n)、・・・、u(0,n)の(M+3)個である。パスメトリック差s(n)は、再生信号列u(−7,n)、u(−6,n)、u(−5,n)、u(−4,n)、u(−3,n)、u(−2,n)、u(−1,n)、u(0,n)に対応する等化後信号列y(−7,n)、y(−6,n)、y(−5,n)、y(−4,n)、y(−3,n)、y(−2,n)、y(−1,n)、y(0,n)のうちの4つ、すなわち、y(−5,n)、y(−4,n)、y(−3,n)、y(−2,n)から、以下の(40)式から簡易的に求めることができる。
s(n)={y(−5,n)−(av1+bv2+bv3+av4')}2
+{y(−4,n)−(av2+bv3+bv4'+av5)}2
+{y(−3,n)−(av3+bv4'+bv5+av6)}2
+{y(−2,n)−(av4'+bv5+bv6+av7)}2
−{y(−5,n)−(av1+bv2+bv3+av4)}2
−{y(−4,n)−(av2+bv3+bv4+av5)}2
−{y(−3,n)−(av3+bv4+bv5+av6)}2
−{y(−2,n)−(av4+bv5+bv6+av7)}2
=(v4−v4'){2(ay(−5,n)+by(−4,n)+by(−3,n)+ay(−2,n))
−2a2(v1+v7)−4ab(v2+v6)−2b(2a+b)(v3+v5)−2(a2+b2)} ・・・ (40)
なお、y(−5,n)、y(−4,n)、y(−3,n)、y(−2,n)と再生信号との関係は次式((41)式〜(44)式)の通りである。
以降、目標値dsに対するs(n)の誤差e(n)=s(n)−dsの平均二乗ε=E[e(n)2]について正規方程式を作成し、最適タップ係数をもとめてタップ係数を更新するアルゴリズムの導出はPR(1,2,1)の場合と全く同様であるので詳細な説明は省略する。
最終的なアルゴリズムにおいてPR(1,2,1)の場合と異なるのは、簡易的に求めたパスメトリック差s(n)が上記のようであることに起因して、正規方程式が次のようになる点である。
ここで、p(k),r(m,k)は、以下の(46)式及び(47)式のようになる。
p(k)=E[(ds-q){au(−3−k)+bu(−2−k)+bu(−1−k)+au(−k)}]、k=0,1,2,・・・,M−1 ・・・ (46)
r(m,k)=E[{au(−3−k)+bu(−2−k)+bu(−1−k)+au(−k)}{au(−3−k)+bu(−2−k)+bu(−1−k)+au(−k)}]、m,k=0,1,2,・・・,M−1 ・・・ (47)
なお、再生信号ベクトルは、U(i,n)=[u(i−3,n),u(i−4,n),・・・,u(i−M−2,n)](u(−M−2,n)、u(−M−1,n)、・・・、u(0,n)はn番目の特定パターンに対応する(M+3)個の再生信号列)である。
また、定数項qは、上記のようにパスメトリック差s(n)を簡易的に求める過程において発生するものである。詳しい導出過程は省略するが、一般化のため理想波形の中心をcとして考慮に入れると、qはa、b、cを用いて表され、特定パターンごとに以下のような値となる。
「0000110」、「0110000」の場合、q=−2a2+4c(a+b)。
「0000111」、「0110001」、「1000110」、「1110000」の場合、q=4c(a+b)。
「0001110」、「0111000」の場合、q=2a2−4c(a+b)。
「1001110」、「1111000」、「0001111」、「0111001」の場合、q=−4c(a+b)。
「1000111」、「1110001」の場合、q=2a2+4c(a+b)。
「1001111」、「1111001」の場合、q=−2a2−4c(a+b)。
例としてPR(1,2,2,1)の場合を示す。理想サンプルレベルを±3に正規化したとすると理想波形の中心c=0、a=1、b=2であることから、
「0000110」、「0110000」の場合、q=−2。
「0000111」、「0110001」、「1000110」、「1110000」の場合、q=0。
「0001110」、「0111000」の場合、q=2。
「1001110」、「1111000」、「0001111」、「0111001」の場合、q=0。
「1000111」、「1110001」の場合、q=2。
「1001111」、「1111001」の場合、q=−2、となる。
なお、以上の説明においては、PRML方式としてPR(a,a)、PR(a,b,a)、PR(a,b,b,a)の場合を取り上げたが、本発明の主旨の範囲内で、他のPRML方式に適用することも、もちろん可能である。
また、以上の説明においては、d=1のランレングス制限符号として(1,7)RLL符号を用いたが、これらに限らないことはもちろんである。
正規方程式を用いたタップ係数の導出と更新のタイミングは、例えば次のように行うとよい。各例について図11から図14を基に説明する。
一つ目の例について、図11を参照しながら以下に説明する。光ディスク再生装置において再生復号動作は、例えば次のような、(a)光ディスク再生装置に電源が入る、(b)光ディスクが挿入される、(c)異なる情報記録媒体が挿入される、(d)再生開始のスイッチが押される、等の動作に基づいて開始される。(c)について説明すると、情報記録媒体が異なると再生信号の特性が大きく異なる場合があり、そのため情報記録媒体ごとに等化係数を求めることによって各情報記録媒体に対応した等化特性を最適化することができるからである。このことは以下の各例においても同様である。
すなわち、光ディスク1から読み出された再生信号についてPRMLによる復号が開始され(S1)、特定パターンが検出される毎に上記2つの相関関数行列が更新されていく(S2)。そして、最適なタップ係数を導出可能な検出数以上の数のパターンを検出し相関関数を計算した時点で、正規方程式により最適タップ係数を導出(S3)、タップ係数を更新する(S4)。
そして、その後の再生信号に対して、導出した最適なタップ係数を用いて等化を行う。正規方程式は、検出した全ての特定パターンの波形値の期待値を使用しているため、波形データの平均情報を持っている。よって、再生信号の一部から求めたタップ係数であっても、一連の再生信号全体に対して、最適な等化が可能である。さらに、再生信号の局所的な変動の影響を最小限にとどめることができる。なお、この係数を求めるために用いた再生信号は、情報データビットでもよいし、係数導出用に付加してもよい。
二つ目の例について、図12を参照しながら以下に説明する。
まず、光ディスク1から読み出された再生信号についてPRMLによる復号が開始され(S11)、読み出したい領域を全て再生し、再生した波形データ中の全ての特定パターンが検出される毎に上記2つの相関関数行列が更新されていく(S12)。再生が終了しすなわちPRMLによる復号が終了した時点で(S13)、正規方程式によりタップ係数を導出(S14)、タップ係数を更新する(S15)。ここで求めた最適なタップ係数を用い、同じ再生領域に対して、もう一度最初から最適な等化を行いながらPRMLによる復号を行う(S16)。これにより対象領域のデータ全ての平均情報を含んだ最適なタップ係数によって、対象領域にとって最適な等化を行うことができる。
三つ目の例について、図13を参照しながら以下に説明する。
まず、光ディスク1から読み出された再生信号についてPRMLによる復号が開始され(S21)、特定パターンが検出される毎に上記2つの相関関数行列が更新されていく(S22)。そして、再生領域の一定範囲の再生が終了したところで、一定のデータ量を用いて正規方程式によりタップ係数を導出し(S23)、タップ係数を更新する(S24)。なお、上記一定範囲は、最適なタップ係数を導出するのに十分な特定パターンを含むようにする。タップ係数を更新した後は、PRMLによる復号を終えるか否かの判断を行い(S25)、続行するのであれば再び上記フローを繰り返し、終えるのであれば、タップ係数の更新動作も終了する。つまり、信号が再生されている間一定範囲毎にタップ係数が更新されることになる。一定範囲毎に更新することで、ディスクチルトやサーボオフセット等の摂動による再生波形信号の変動に対して常に最適なタップ係数の設定が可能となる。
四つ目の例について、図14を参照しながら以下に説明する。
まず、光ディスク再生装置20において、光ディスク1から読み出された再生信号についてPRMLによる復号が開始される(S31)。復号の開始と同時に再生条件の変動を監視する状態に保持して置き(S32)、再生条件に何らかの変動が生じたことを検出した場合に特定パターンが検出される毎に上記2つの相関関数行列を更新し(S33)、再生領域の一定範囲の再生が終了したところで、正規方程式によりタップ係数を導出(S34)、タップ係数を更新する(S35)。タップ係数を更新後、または変動が無い場合には、PRMLによる復号を終えるか否かの判断を行い(S36)、続行するのであれば再び変動を監視する状態に保持し、終えるのであれば、タップ係数更新動作も終了する。これにより再生条件の変動、すなわちディスクの交換がなされた時や、環境温度変化、ディスクチルトやサーボオフセット等の摂動、同一ディスク面内で記録密度が変化する、再生速度が変化する等の変化、または多層構造の光ディスクにおいて層が変わる、等による再生波形信号の変動に対して常にして最適なタップ係数を設定することができる。
ここで、本発明を実際の光ディスク再生装置に適用した結果を示す。図15に実験に用いた装置の主要なパラメータを示す。図16にディスクチルトとエラーレートの関係を示す。
図16には、本発明を適用した結果とともに、比較のためディスクチルトが0のときの最適タップ係数に固定した場合の結果を示す(固定等化と図示)。
図16から、ディスクチルトに対するエラーレートの変化は、チルト量の増加に対してエラーレートが良い(小さい)状態を保持しているのが理想であるが、固定等化の場合においては、ディスクチルトの増加に対して大きく悪化していることがわかる。また、それに対して本発明を適用した場合、エラーレートの悪化が小さく抑えられており、ディスクチルトによる再生波形信号の変動に対して、常に最適なタップ係数を設定できていることがわかる。
また、図17にフォーカスオフセットとエラーレートの関係を示す。図17からフォーカスオフセットによる再生波形信号変動に対しても、ディスクチルトと同様に常に最適なタップ係数を設定できていることがわかる。
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、ディスクチルトやサーボオフセット等による再生波形信号の変動に対して常に最適なタップ係数を設定することができる。
次に、最適なタップ係数を導出するために必要なデータビット数について、実験結果を示す。図18は、本発明による実施例の結果と従来例による適応的に等化特性を変化させる方法の結果とを比較した結果である。本発明による実施例の結果では、約1万ビット程度のデータ量でエラーレートを最小化する係数を導出することができているのに対して、適応的に等化特性を変化させる方法においては、50万ビット以上のデータ量が必要であることがわかる。
このように本発明の実施例では、PR(1,2,2,1)においても、PR(1,2,1)の場合と同様に、少ないデータ量で最適なタップ係数の導出が可能である。
上述した4例とはタイプが異なる、復号ビット列ではなく光ディスク1に記録された既知のビット列から特定パターンを検出する場合の例について、図19を参照しながら以下に説明する。
光ディスク再生装置21において、光ディスク1には既知のビット列が記録されたものを用い、この既知のビット列は参照ビットとして参照ビット列記憶メモリ11に記憶されている。光ディスク1としては既知のビット列が記録された等化調整用トラックが設けられているものを使用してもよい。光ディスク1から既知のビット列が読み出され、再生信号についてPRMLによる復号が開始されると、再生波形と同期して、参照ビット記憶メモリ11から、パターン検出回路7に対して参照ビット列が出力される。そして、特定パターンが検出された場合に、正規方程式により最適なタップ係数を導出し、タップ係数の更新をおこなう。なお、手順については、上記説明と全く同様のため説明を省略する。
この方法では、参照ビットに誤りが無いために正確な相関関数行列が作成できるため、より正確に最適なタップ係数の導出が可能になる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において、前記実施の形態1で説明した構成要素と同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付記してその説明を省略する。
図20に示すように、本実施の形態に係る光ディスク再生装置22では、正規方程式演算回路10によって正規方程式を用いて最適タップ係数を導出した後、この最適タップ係数を初期値としてパスメトリック差を用いて等化特性のリアルタイムな適応化をおこなうためのタップ係数適応化回路(等化適応化手段)12を備えている。
上記タップ係数適応化回路12では、従来技術で説明した方法で、パスメトリック差s(n)と目標値dsの誤差の平均二乗が最小となるようにFIRフィルタ4のタップ係数を更新していくようになっている。
このように、タップ係数適応化回路12の初期値として、正規方程式演算回路10によって正規方程式により導出したタップ係数を利用することで、タップ係数適応化回路12による適応化の収束のために必要なデータ量が格段に少なくなり、収束が極めて速くなる。
また、さまざまな情報記録媒体から信号を再生する場合に、複数の初期値の値を予め用意する必要があると考えられるが、正規方程式を用いて初期値を導出すれば、用意せずとも初期値を作成することが可能である。
初期値を、正規方程式を用いて設定し、その後等化適応化手段を用いてタップ係数を更新していくと必要な更新量が少なくてすむためより早くエラーレートを最小とする状態に置くことができ、またそれを維持することができる。
また、等化適応化手段が再生波形信号の特性の影響を受け、最適でない値にタップ係数を収束させてしまった場合、正規方程式により最適な係数を求めることで、軌道修正することが可能である。
また、適応等化手段により求めたタップ係数を正規方程式により導出したタップ係数と比較することで、適応等化が正常に行われているか監視することが可能であり、適応等化の指標値として用いることができる。タップ係数値が著しく最適状態からずれた状態の時には、正規方程式により導出したタップ係数にリセットすることで軌道修正が可能となる。これらの軌道修正は、正規方程式が局所的な波形データの変動の影響を受けずに波形データの平均情報を基にタップ係数を導出することから可能となる。
以上のように、前記実施の形態1及び2では、情報再生装置の例として光ディスク再生装置をついて説明したが、本発明はこれに限らず、PRML方式の信号再生を行う装置において等しくその効果を発揮することができる。すなわち、他の情報再生装置としてのハードディスク装置や磁気テープ装置など磁気記録再生装置はもちろん、通信データ受信装置などの通信装置にも本発明を適用することができる。
一例として、図21に示すように、前記実施の形態1の光ディスク再生装置に対応する通信データ受信装置(通信装置)の構成が考えられる。なお、ここでは、前記実施の形態1に対応する構成について説明するが、前記実施の形態2に対応する構成とすることも可能である。
通信データ受信装置30は、光ディスク再生装置における光学ピックアップの代わりに、通信経路(図21では、無線による通信経路を想定しているが、有線による通信経路であってもよい)を介して伝送されてくる通信波形を受信する受信器(受信手段)31を備えている。なお、それ以外の構成は光ディスク再生装置と同一であるため、ここでは説明を省略する。
また、前記実施の形態1及び2で説明した波形等化装置の各ブロック図は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにコンピュータを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、波形等化装置(図1もしくは図19、図20の光ディスク再生装置20(もしくは21、22)から、光ディスク1、光学ピックアップ2、及びA/D変換器3を除いた装置、または図の通信データ受信装置30のうち、受信器31、及びA/D変換器3を除いた装置)は、この装置の各機能を実現する波形等化プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えたコンピュータによって実現することもできる。つまり、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである波形等化プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースコードプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、コンピュータに供給し、そのコンピュータが記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成することになる。上記の構成より、コンピュータで上記波形等化装置の各手段を実現することによって、上記波形等化装置を実現することができる。したがって、上記した波形等化装置として、復号によるエラーレートを低減することができる。
このように、本明細書において、手段とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能がソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、もしくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。