JP4030498B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
一方,特許文献1には,感光体内部に設けられ,該感光体の表面を加熱する感光体用ヒータへの供給電力の初期設定値を,測定された室温に基づき決定し,その後の上記感光体用ヒータへの供給電力を,加熱された感光体の温度,画像形成装置の動作モード及び予め設定された重み係数に応じて決定することにより感光体表面の温度を制御する電子写真装置が開示されている。これにより,感光体表面の温度の制御精度が向上され,高湿時に頻繁に発生する濃度のむらを防止することができる。
また,電圧仕様が我が国と異なる外国において上記画像形成装置を使用する場合は,上記待機状態において維持制御される上記給紙時温度をその国の電圧仕様に応じた温度に設定する必要があり,各国の電圧仕様毎に上記給紙時温度を設定するという手間のかかる作業を強いられることになる。
また,上記特許文献1に開示された感光体表面の温度制御を上記待機状態における定着装置の温度の維持制御に適用したとしても,上記各問題を解決することはできない。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,上記給紙時温度を供給電圧に応じた温度に自動的に設定することにより短いファーストプリントタイムを実現すると共に,上記定着装置における消費電力を軽減し,更に,煩雑な上記給紙時温度の設定作業を排除することが可能な画像形成装置を提供することにある。
これにより,画像形成装置の設置環境等により供給電力の電圧が変動した場合であっても,変動した電圧に応じて,上記給紙時間内に上記定着装置の温度を上記定着可能温度に昇温させ得るのに適した上記給紙時温度が自動的に決定されるため,従来のように,早い時期に上記定着装置の温度が上記定着可能温度に昇温されるということが無くなる。その結果,短いファーストプリントタイムを実現しつつ,上記定着装置における消費電力を軽減することが可能となる。また,上記給紙時温度が自動的に決定されるため,例えば,電圧仕様の異なる外国で上記画像形成装置を使用する場合であっても,上記給紙時温度を電圧仕様毎に設定する必要がなくなる。
また,上記電圧測定手段が,上記内部温度検出手段による検出結果に基づき,上記交流電源から供給された交流電力の交流電圧を測定するものであるから,交流電圧を測定するために高価な電圧測定器を設ける必要がなくなり経済的である。
また,上記電圧測定手段が,上記温度差と該温度差に対応して予め定められた閾値とを比較判断し,その比較判断結果に基づき上記交流電源から供給された交流電力の交流電圧を測定するものであってもよい。
また,上記直流電源装置の内部温度を検出する内部温度検出手段が更に設けられており,上記電圧測定手段が,上記内部温度検出手段による検出結果に基づき,上記交流電源から供給された交流電力の交流電圧を測定するものであるため,交流電圧を測定するために高価な電圧測定器を設ける必要がなくなり経済的である。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるレーザプリンタ50の模式断面図,図2は本発明の実施の形態に係るレーザプリンタ50を制御するプリンタ制御ユニット7の概略構成を示すブロック図,図3はプリンタ制御ユニット7が実行する給紙時温度決定処理の手順を説明するフローチャート,図4は室温20℃のときのヒータ通電時間と定着ローラ温度との対応関係の一例を示す定着ローラ温度特性グラフ図,図5は室温20℃のときの供給電圧と電源ユニット内温度との対応関係の一例を示す電源ユニット内温度特性グラフ図である。
上記レーザプリンタ50の下方には記録紙を収納する用紙カセット31,該用紙カセット31から記録紙を取り出す給紙ローラ32,記録紙を搬送する搬送ローラ33等を有する給紙部30が配設され,この給紙部30の用紙カセット31の上方には画像形成部40を構成する感光体ドラム42,帯電装置41,現像ユニット43,転写装置44が配設され,更にその上方にはレーザ発光部51を駆動させてレーザ光52を制御するレーザドライバユニット53が配設されている。また,レーザプリンタ50の上面には,該レーザプリンタ50の各種機能の設定を行なうためのスイッチや表示器等を有する操作パネル57が配設されている。
上記転写装置44の記録紙搬送方向下流側には定着装置10が配設されており,更にその定着装置10の上方には,交流電源から供給された交流電力を変換して直流電力を生成すると共に,本レーザプリンタ50の内部の制御機器や駆動機器に上記生成された直流電力を供給する電源ユニット20(直流電源装置の一例)が設けられている。また,この電源ユニット20の内部には,ユニット内の温度を検出する電源温度センサ21(内部温度検出手段の一例)が備えられている。
上記定着装置10の下方には,本レーザプリンタ50を統括制御するプリンタ制御ユニット7が設けられている。尚,上記定着装置10は,内部にヒータ14(発熱手段)を有する定着ローラ12,加圧ローラ13,上記定着ローラ12の表面温度を検出するサーミスタ等の定着温度センサ15等を備え,記録紙上に担持された未定着のトナー画像を定着可能温度で上記記録紙に定着させるものである。また,上記定着ローラ12は交流電源から供給された交流電力を受けて発熱する上記ヒータ14の熱により加熱されるものである。
不図示のホストコンピュータから印字データが入力されると,上記用紙カセット31から記録紙が取り出されて,上記画像形成部40に給紙搬送されると共に,上記プリンタ制御ユニット7により,上記定着ローラ12の表面温度が給紙時温度から定着可能温度(本実施形態では200℃とする)に昇温させるよう上記定着ローラ12内部のヒータ14が加熱制御される。
また,上記レーザ発光部51から上記印字データに応じたレーザ光52が出射され,この出射されたレーザ光52はポリゴンモータ55により回転する多面鏡54によって左右方向に走査され,この走査されたレーザ光52が上記帯電装置41により帯電された上記感光体ドラム42表面上の帯電部分に照射されることにより上記感光体ドラム42表面上に静電潜像が形成される。
上記感光体ドラム42が図1において時計方向に回転駆動されることにより,上記静電潜像が上記現像ユニット43の現像ローラ43aとの対向部分に到達すると,現像バイアスが印加された上記現像ローラ43aと上記静電潜像との間に生じた電位差により,上記現像ローラ43a上に担持されたトナー粒子が上記静電潜像に移動させられて,上記静電潜像が現像される。
上記現像ユニット43の上記感光体ドラム42の回転方向下流側に配設された上記転写装置44では,上記感光体ドラム42上に現像されたトナー画像が上記用紙カセット31から給紙ローラ32及び搬送ローラ33により搬送されてきた記録紙に転写される。この転写は電気的に行われ,トナー画像が担持された感光体ドラム42表面に記録紙を近接させ,この記録紙に上記静電潜像と同極性の電荷を与えた後に,該記録紙を上記感光体ドラム42から離間させることにより行われる。その後,上記転写装置44によってトナー画像が転写された記録紙は,その搬送方向下流側に設けられた定着装置10に搬送される。
上記プリンタ制御ユニット7は,ホストコンピュータ等の端末装置と接続して印字データや印字コマンド等を受信する外部インターフェース1(I/F)と,半導体素子を利用した記憶装置(DRAMやSDRAM等)であって,後述するCPU2のメインメモリ(主記憶装置)として演算作業領域に使用されるRAM3と,図4に示されるヒータ通電時間と定着ローラ温度との対応関係を示す定着ローラ温度特性データや,図5に示される供給電圧と電源ユニット内温度との対応関係を示す電源ユニット内温度特性データ等が記憶されたデータROM4a(データ記憶手段の一例)と,本レーザプリンタ50及び上記定着装置10(の定着ローラ12)の温度等を制御するための制御プログラムが格納されたプログラムROM4bと,後述のCPU2により時間を計時するカウンタ5と,前記給紙ローラ32,感光体ドラム42,定着ローラ12等の駆動系機器を制御すると共に,前記定着温度センサ15,前記電源温度センサ21からのセンサ出力信号(アナログ信号)をCPU2が認識できるデジタル信号に変換するエンジン制御部9と,上記プログラムROM4bに格納された上記制御プログラムを読み出して実行することにより,上記レーザプリンタ50全体を制御すると共に,後述する電圧測定処理及び給紙時温度決定処理を行うCPU2(中央演算処理装置)とを備え,上記各部がデータバス8に接続されて構成されている。
本レーザプリンタ50の電源が投入されると,上記CPU2により,上記電源温度センサ21から出力され,上記エンジン制御部9において変換された電源温度信号に基づいて,電源投入直後の上記電源ユニット20の内部温度Th1が測定(検出)される(S10)。
上記内部温度Th1が測定されると,続いて,上記CPU2は上記カウンタ5に予め定めされた一定時間T60のカウントを開始させる(S20)。上記カウンタ5により上記一定時間T60がカウントされると(S30),ステップS40において,再度,上記ステップS10と同様にして,上記電源ユニット20の内部温度Th2が測定(検出)される。本実施形態例では,上記一定時間T60を60秒として説明するが,特にこれに限られることはない。
ステップS50では,測定された電源投入直後の内部温度Th1と一定時間T60経過後の内部温度Th2との温度差(温度変化量)ΔTh(=Th2−Th1)が上記CPU2により算出される。
上記温度差ΔThが算出されると,続いて,上記CPU2により,上記温度差ΔThと該温度差ΔThに対応して予め定められた閾値とを比較判断する処理が実行される(S60,S70)。尚,上記閾値は,前記データROM4aに閾値データとして格納されいる。この閾値は,上記データROM4aに記憶された電源ユニット内温度特性データ(供給電圧(AC220V,AC230V,AC240V)と電源ユニット20の内部温度との対応関係を示すデータ(図5参照))に基づき予め定めておく。ここに,図5中の直線X,Y,ZはそれぞれAC240V,AC230V,AC220Vが供給されたときの電源ユニット内の温度特性を示す。例えば,60秒経過後の温度変化量(直線Xの温度変化量は10℃,直線Yの温度変化量は8℃,直線Zの温度変化量は6℃)に基づいて上記閾値を定めることが考えられる。この場合,上記各直線の温度変化量から,AC240VとAC230Vとを判別する閾値を9℃,AC230VとAC220Vとを判別する閾値を7℃とすることが最も好ましいことが容易に理解できる。
また,環境温度や設置温度によって上記電源ユニット20内の温度の上昇率が変動し,上記温度差(温度変化量)ΔThも変動するため,上記レーザプリンタ50周辺の環境温度を検出する不図示の温度センサ(環境温度検出手段の一例)を新たに設け,この温度センサによる検出温度に応じて上記閾値や上記一定時間T60(60秒)を適する値に変更する閾値等変更手段を更に上記レーザプリンタ50に設ける構成とすることが望ましい。例えば,レーザプリンタ50の操作パネル57の操作キー入力により上記データROM4a内の閾値データや上記一定時間T60(60秒)の設定データを選択し,任意の閾値データ,或いは設定データに変更することが考えられる。
ステップS110では,上記データROM4aに複数の交流電圧毎に予め記憶された定着ローラ温度特性データ(上記定着ローラ12の温度と上記ヒータ14への交流電力の供給時間との関係を示す時間−温度特性データ,図4参照)から,測定された供給電圧AC220Vに対応する上記定着ローラ温度特性データ(図4の直線C)が上記CPU2により抽出される。
続いて,ステップS120では,抽出された直線Cのデータと記録紙が給紙部から上記定着装置に搬送されるまでの給紙時間とに基づき上記給紙時温度が決定される。ここで,定着可能温度を200℃,上記給紙時間を1秒と仮定する。そうすると,定着ローラ12が定着可能温度200℃に加熱されたときの時刻T4(4秒の時点)から上記給紙時間1秒を差し引いた時点T3(3秒の時点)における定着ローラ12の温度が上記給紙時温度に決定される温度である。従って,図4の直線Cと上記時点T3とから給紙時温度175℃が求められる。例えば,上記直線Cを表す演算式及び上記時点T3から上記定着ローラ12の温度(図4のグラフの縦軸)を算出することにより上記給紙時温度175℃を決定することが考えられる。また,上記データROM4aに予め上記直線Cに基づきヒータ通電時間と定着ローラ12の表面温度との対応関係示すテーブルデータを記憶させておき,上記時点T3に対応する定着ローラ12の温度を上記テーブルデータから抽出することにより上記給紙時温度175℃を決定することも考えられる。尚,図4中の直線A,BはそれぞれAC240V,AC230Vが供給されたときの定着ローラ12の温度特性を示し,上記ステップS60〜S100の処理がなされることにより供給電圧AC240V,AC230Vが測定された場合は,上記AC220Vが供給されたときの給紙時温度の決定処理と同様に,給紙時温度170℃,167.5℃が決定さる。
このように,測定された供給電圧に応じて給紙時間内に上記定着装置10の温度を定着可能温度に昇温させるのに好適な給紙時温度が自動的に決定されるため,本レーザプリンタ50の設置環境等により供給電力の電圧が変動した場合であっても,早い時期に上記定着装置10温度が定着可能温度に昇温されるということが無くなり,短いファーストプリントタイムを実現しつつ,上記定着装置における消費電力を軽減することが可能となる。
また,上記レーザプリンタ50の設置環境温度(室温)に応じた上記定着ローラ温度特性データ(図4),上記電源ユニット内温度特性データ(図5)を上記データROM4a(図2)に予め記憶させておき,上記レーザプリンタ50周辺の環境温度を検出する上記温度センサ(不図示)の検出結果に応じた上記定着ローラ温度特性データ(図4),上記電源ユニット内温度特性データ(図5)に基づき,図3のフローチャートの説明で述べた電圧測定処理及び給紙時温度決定処理を実行することも考えられる。
2…CPU
3…RAM
4a…データROM(データ記憶手段の一例)
4b…プログラムROM
5…カウンタ
7…プリンタ制御ユニット
8…データバス
9…エンジン制御部
10…定着装置
12…定着ローラ
13…加圧ローラ
14…ヒータ(発熱手段)
15…定着温度センサ
20…電源ユニット20(直流電源装置の一例)
21…電源温度センサ(内部温度検出手段の一例)
30…給紙部
31…用紙カセット
32…給紙ローラ
33…搬送ローラ
40…画像形成部
41…帯電装置
42…感光体ドラム
43…現像ユニット
44…転写装置
50…レーザプリンタ
51…レーザ発光部
53…レーザドライバユニット
55…ポリゴンモータ
Claims (5)
- 記録紙上に担持された未定着トナー画像を定着可能温度で上記記録紙に定着させる定着装置であって,交流電源から供給された交流電力を受けて発熱する発熱手段の熱により加熱される定着装置と,
画像非形成時は上記定着装置の温度を上記定着可能温度より低い給紙時温度に維持するよう上記発熱手段を加熱制御する給紙時温度維持手段と,
画像形成指示を受けて上記記録紙が上記給紙部から上記定着装置に搬送されるまでの給紙時間内に上記定着装置の温度を上記給紙時温度から上記定着可能温度に昇温させるよう上記発熱手段を加熱制御する定着温度制御手段と,
上記交流電源から供給された交流電力を変換して直流電力を生成すると共に,画像形成装置内部に上記生成された直流電力を供給する直流電源装置と,
を備えた画像形成装置において,
上記直流電源装置の内部温度を検出する内部温度検出手段と,
上記内部温度検出手段による検出結果に基づき,上記交流電源から供給された交流電力の交流電圧を測定する電圧測定手段と,
上記電圧測定手段により測定された交流電圧に応じて,上記給紙時温度維持手段により維持される上記給紙時温度を決定する給紙時温度決定手段と,
を具備してなることを特徴とする画像形成装置。 - 上記電圧測定手段が,上記内部温度検出手段により検出された第1の内部温度と,上記第1の内部温度が検出されてから予め定められた一定時間が経過した後に上記内部温度検出手段により検出された第2の内部温度との温度差に基づき上記交流電源から供給された交流電力の交流電圧を測定するものである請求項1に記載の画像形成装置。
- 上記電圧測定手段が,上記温度差と該温度差に対応して予め定められた閾値とを比較判断し,その比較判断結果に基づき上記交流電源から供給された交流電力の交流電圧を測定するものである請求項2に記載の画像形成装置。
- 上記画像形成装置の周辺の環境温度を検出する環境温度検出手段と,
上記環境温度検出手段による検出結果に応じて上記閾値及び/又は上記一定時間を変更する閾値等変更手段とを更に備えてなる請求項3に記載の画像形成装置。 - 上記定着装置の温度と上記発熱手段への交流電力の供給時間との関係を示す時間−温度特性データが複数の交流電圧毎に予め記憶されたデータ記憶手段を更に備え,
上記給紙時温度決定手段が,上記データ記憶手段から上記電圧測定手段により測定された交流電圧に対応する上記時間−温度特性データを抽出し,抽出された上記時間−温度特性データと上記給紙時間とに基づき上記給紙時温度を決定するものである請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
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