JP4030199B2 - 投写型液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶用光源から出射される光を液晶ライトバルブに入射させ、この液晶ライトバルブの画像形成面から出射される投写画像をスクリーンに投写する投写型液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶プロジェクタ(投写型液晶表示装置)には、図9に示すように、周辺光を検出する外部測光器19が設けられており、この外部測光器19から出力される周辺光の輝度情報に基づき、周辺が明るい場合と暗い場合で投写画像の色温度を変える機能を備えていた。これは、図10に示すように、人間の比視感度が、明るい場所と暗い場所では異なることに起因する。図10において、明るい場所での比視感度(明所視の比視感度)はV(λ)に相当し、暗い場所での比視感度(暗所視の比視感度)はV’(λ)に相当する。図10からも明らかなように、暗い場所においては、人間の視覚特性は短波長で敏感になる。逆に、明るい場所においては、人間の視覚特性は長波長で敏感になる。従って、周辺が明るくなるほど、投写画像の色温度を高めるように補正することによって、投写画像の色再現性を保つことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の液晶プロジェクタでは、周辺光の色合いの違いを検出していなかったため、例えば欧米など日本とは異なる色温度の照明光下や、展示会場やコンサートなど様々な色の光源が使用される場所での投写画像の色補正を十分することはできなかった。
【0004】
液晶プロジェクタは、以前は、投写画像の明るさが十分でなかったため、室内を暗くして使用してきた。しかし、近年、液晶プロジェクタの投写画像は、以前のものに比較して明るくなり、通常の照明下でも十分実用に耐えるものとなってきた。実際、会議や学会などの発表での使用下ではメモを取る必要性から、ある程度以上の明るさの照明光が液晶プロジェクタ使用中に望まれる。そのため、以前であれば気にする必要のなかった照明光の投写画像への影響が強まってきている。
【0005】
照明光としては、日本国内では比較的色温度の高い蛍光灯が好まれるが、欧米では比較的色温度の低い照明が好まれている。このような、照明光の色温度も投写画像の色再現性に影響を与える。
【0006】
また、通常、人間の目には色順応、明順応・暗順応の性質があるため、多少の照明光の変化では、色の見え方は変化しないが、液晶プロジェクタが使用されるであろう展示会・コンサート会場などでは、通常使用される照明とは異なった色合いの照明が使用されることも多く、白色光からずれた色合いの照明光の下では投写画像にも影響を与え、色再現性が損なわれる。
【0007】
本発明は以上のような従来の問題点を解決するためになされたものであり、周辺光の明るさおよび色合いに応じて投写画像の色合いを補正し、色再現性を保つことができる投写型液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の請求項1の発明に係る投写型液晶表示装置は、液晶用光源から出射される光を液晶ライトバルブに入射させ、この液晶ライトバルブの画像形成面から出射される投写画像をスクリーンに投写する投写型液晶表示装置において、投写型液晶表示装置の周辺光を検出し、装置周辺の輝度および色情報を出力する外部測光手段と、前記輝度および色情報に基づいて前記投写画像の色合いを補正する画質改善手段とを備え、前記外部測光手段が、装置周辺の輝度および色情報を特定時間ごとに出力し、前記画質改善手段が、前記外部測光手段から入力された輝度および色情報とその直前に入力された輝度および色情報との差が、第1の特定値よりも大きければ入力された輝度および色情報に基づいて前記投写画像の色合い補正値を更新し、第1の特定値よりも小さければ補正値を更新せず、さらに補正値を更新しない色合い補正が特定回数以上連続した場合には、最後に補正値を更新したときの輝度および色情報と入力された輝度および色情報との差が、第2の特定値より大きければ入力された輝度および色情報に基づいて補正値を更新し、第2の特定値より小さければ補正値を更新しないものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の液晶プロジェクタを示すブロック回路図である。図1において、実施の形態1の液晶プロジェクタは、外部測光器1と、A/D変換器2,3,4と、画質改善処理部5と、D/A変換器6〜8と、駆動回路9,10,11と、赤色画像用液晶パネル12と、緑色画像用液晶パネル13と、青色画像用液晶パネル14とを備えている。液晶パネル12〜14は、それぞれ赤色画像用液晶ライトバルブ、緑色画像用液晶ライトバルブ、青色画像用液晶ライトバルブを構成している。また、図示していないが、実施の形態1の液晶プロジェクタは、液晶用光源となるメタルハライドやキセノン等のランプ、分光/投射光学手段、映像信号処理部等を備えている。
【0018】
上記の分光/投写光学手段は、ランプからの光を、赤色光,緑色光,青色光に分光し、それぞれ液晶パネル12〜14に入射させ、液晶パネル12〜14の画像形成面からの赤色画像,緑色画像,青色画像をスクリーン上にカラー画像として拡大重畳する。また、上記の映像信号処理部は、外部の入力信号源から入力された映像信号に、A/D変換処理、液晶パネル12〜14の画素数に応じた画素変換処理、メニュー画像の重畳処理、拡大縮小処理等の各種信号処理を施し、上記の入力映像信号をディジタルの赤色映像信号R,緑色映像信号G,青色映像信号Bに変換する。
【0019】
外部測光器1は、液晶プロジェクタの周辺光を検出し、この周辺光から液晶プロジェクタ周辺の輝度および色情報を生成する。この外部測光器1は、周辺光を複数の色成分に分光して受光する受光素子を有する専用デバイスであり、受光した周辺光の赤色成分に対応する測光信号Rm、緑色成分に対応する測光信号Gm、および青色成分に対応する測光信号Bmに変換する。この測光信号Rm,Gm,Bmは、装置周辺の輝度および色情報となる信号であり、A/D変換器2〜4を介して画像改善部5に入力される。
【0020】
上記の受光素子は、例えばMOS型撮像デバイスやCCD型撮像デバイスに色フィルタを取付けた構成である。この受光素子は、解像度の低いもの(画素数の少ないもの)で良い。また、測光信号Rm,Gm,Bmは、それぞれ受光素子の各画素で受光された色成分を積分した光に対応する信号であれば良い。なお、外部測光器1は、テレビジョン方式に対応する測光信号Y,R−Y,B−Yや、XYZ色空間に対応する測光信号X,Y,Zを出力するものであっても良い。また、この実施の形態1では、測光信号Rm,Gm,Bmは、受光した周辺光の色合い情報であれば良く、赤,緑,青の各成分の比率を示すものであっても良い。
【0021】
画質改善処理部5は、外部測光器1から出力される周辺の明るさおよび色合い情報に基づいて液晶パネル12〜14による投写画像の色合いを補正する。つまり、画質改善処理部5は、測光信号Rm,Gm,Bmに基づいて、入力されたディジタル映像信号R,G,Bのゲインを個別に補正し、この補正した映像信号(映像信号R’,G’,B’)をD/A変換器6〜8に出力する。
【0022】
次に動作について説明する。上記の画像信号処理部から出力されたディジタルの映像信号R,G,Bは、画質改善処理部5に入力される。また、外部測光器1から出力されたアナログの測光信号Rm,Gm,Bmは、A/D変換器2〜4によりディジタルデータに変換され、画質改善処理部5に入力される。
【0023】
画質改善処理部5により補正された映像信号R’,G’,B’は、D/A変換器6〜8によりアナログ信号に変換され、液晶パネル12〜14を駆動させる駆動回路9〜11にそれぞれ入力される。駆動回路9〜11は、入力された映像信号を液晶パネルの仕様に見合ったレベルに変換し、このレベル変換した映像信号でそれぞれ液晶パネル12〜14を駆動する。
【0024】
画質改善処理部5では、外部測光器1による測光信号Rm,Gm,BmをXYZ色空間の色度座標x,y,z(x+y+z=1)に変換し、この色度座標x,y,zから装置周辺光の相関色温度を求め、この装置周辺光の相関色温度に応じて映像信号R,G,Bの補正値を決める。以下に、画質改善処理部5による色合い補正処理の一例を説明する。
【0025】
まず、NTSC方式の測光信号Rm,Gm,Bmから式(1)〜(3)の演算によりXYZ色空間のX,Y,Z値を求め、このX,Y,Z値から式(4)〜(6)により色度座標x,y,zを求める。
X=0.6069R+0.1739G+0.2009B (1)
Y=0.2991R+0.5870G+0.1139B (2)
Z=0.0000R+0.0660G+1.1169B (3)
x=X/(X+Y+Z) (4)
y=Y/(X+Y+Z) (5)
z=Z/(X+Y+Z) (6)
【0026】
次に、色度座標x,yから装置周辺光の相関色温度を求める。図2はxy色度図上における黒体輻射軌跡(図中の太線)および等温度線(図中の細線)である。相関色温度は、黒体輻射軌跡上の色温度と同じ色温度であるとされる等温度線から求められた色温度である。ここで、例えば、x=0.15〜0.65、y=0.15〜0.50までの範囲の相関色温度をテーブルにしておき、このテーブルにより色度座標x,yから相関色温度を求める。
【0027】
次に、上記の装置周辺光の相関色温度に基づいて、投写画像の色合いを補正する、映像信号R,G,Bの補正係数RC,GC,BCを決める。この補正係数RC,GC,BCを映像信号R,G,Bにそれぞれ乗ずることにより、補正後の映像信号R’,G’,B’を得る。補正は、例えば、NTSC方式の基準白色であるCIE標準光C(x=0.3101、y=0.3163、相関色温度6770[K])の相関色温度を基準色温度とし、装置周辺光の相関色温度が基準色温度よりも高い(装置周辺光が基準白色よりも青っぽい)場合には、投写画像の相関色温度が低くなるように(投写画像が赤っぽくなるように)、映像信号R,G,Bのゲインを増減させる。逆に、装置周辺光の相関色温度が基準白色よりも低い(装置周辺光が基準白色よりも赤っぽい)場合には、投写画像の相関色温度が高くなるように(投写画像が青っぽくなるように)、映像信号R,G,Bのゲインを増減させる。なお、ここでは、CIE標準光Cの相関色温度を基準色温度としているが、ハイビジョン方式に採用されているCIE標準光D65(x=0.3127、y=0.3290、相関色温度6500[K])の相関色温度を用いても良い。
【0028】
このように実施の形態1によれば、外部測光器1において、液晶プロジェクタの周辺光を検出し、周辺の輝度および色情報を生成し、画質改善処理部5において、外部測光器1から出力された周辺の輝度および色情報に基づいて投写画像の色合いを補正することにより、液晶プロジェクタ周辺の明るさおよび色合いが変化しても投写画像の色再現性を良好に保つことが可能となる。
【0029】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2による液晶プロジェクタの構成は、図1と同様である。ただし、本実施の形態2の液晶プロジェクタでは、外部測光器1の内部構成が上記実施の形態1とは異なる。
【0030】
外部測光器の採光指向性が強いと、特定方向の周辺光源の影響を強く受けるため、取付け位置によって検出誤差が大きくなる。本実施の形態2では、この問題を改善する。
【0031】
図3は本発明の実施の形態2の液晶プロジェクタにおける外部測光器の構成図である。図3において、外部測光器1は、レンズ15と、受光素子16とを有する。
【0032】
レンズ15は、周辺光を広角に採光し、外部測光器1の採光指向性を弱めるための魚眼レンズのような広角レンズである。この広角レンズ15により、特定方向に位置する蛍光等の周辺光源の影響を強く受けることがなくなり、取付け位置による検出誤差を小さくできる。また、レンズ15は、採光した周辺光を受光素子16の受光面にフォーカスさせる必要はない。受光素子16の受光面にデフォーカスされた周辺光を入射させたほうが、蛍光等の周辺光源が受光素子16の特定の画素上に結像しないので、受光素子のダイナミックレンジを有効に活用できる。なお、受光素子16は、上記実施の形態1の外部測光器に用いられる受光素子と同じもので良い。また、この実施の形態2でも、外部測光器1が出力する測光信号Rm,Gm,Bmは、受光した周辺光の色合い情報であれば良く、赤,緑,青の各成分の比率を示すものであっても良い。
【0033】
このように実施の形態2によれば、外部測光器1に指向性を弱めるためのレンズ15を設けたことにより、特定方向に位置する周辺光源の影響を強く受けないようにすることができるので、外部測光器1の取付け位置による検出誤差を小さくすることが可能となる。
【0034】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3の液晶プロジェクタの構成は、図1と同様である。ただし、本実施の形態3の液晶プロジェクタでは、画質改善処理部5における信号処理が上記実施の形態1と異なる。
【0035】
周辺が十分に暗い場合、周辺光が投写画像に与える影響は無視できる。周辺が明るくなるに従って周辺光が投写画像に与える影響が強くなる。そして周辺がある明るさ以上になると、周辺光が投写画像に与える影響が強くなり過ぎ、投写画像の色合いを補正しきれなくなる。これを改善するために、本実施の形態3では、投射画像の色合い補正が有効な周辺の明るさの範囲内で、周辺が明るくなるほど、投射画像の色合い補正の度合を強める。
【0036】
また、実際の周辺光量の増加に対し、人間の目が感知する明るさには、非線型の関係がある。そこで、本実施の形態3では、投射画像の色合い補正の度合を決めるのに、人間の目が感知する明るさを示す心理計測明度L* を用いる。心理計測明度L* は、CIE(国際照明委員会)が1976年に勧告したL* * * 均等知覚色空間の1パラメータであり、光量の1/3乗に比例する。つまり、心理計測明度L* によれば、人間の目が感知する明るさは、周辺光量の1/3乗に比例する。
【0037】
画質改善処理部5は、外部測光器1から出力される周辺の輝度および色情報に基づいて投写画像の色合いを補正するとともに、上記の明るさおよび色合い情報から周辺の心理計測明度L* を算出し、この心理計測明度L* に基づいて投写画像の色合い補正の度合を変化させる。つまり、画質改善処理部5は、上記実施の形態1と同様にR,G,B測光信号に基づいて映像信号R,G,Bのゲインを個別に補正し、この個別にゲイン補正された映像信号R,G,Bのゲインを心理計測明度L* に基づいて共通に補正し、この補正した映像信号(映像信号R’,G’,B’)をD/A変換器6〜8に出力する。
【0038】
画質改善処理部5では、外部測光器1による測光信号のRm,Gm,Bm値から上記実施の形態1と同様に映像信号R,G,Bの個別補正係数RC,GC,BCを決める。また、上記測光信号のR,G,B値をXYZ色空間のY値に変換し、このY値から心理計測明度L*を求め、この心理計測明度L*に応じて映像信号R,G,Bの共通補正係数を決める。そして、個別補正係数RC,GC,BCおよび共通補正係数により映像信号R,G,Bを補正する。以下に、画質改善処理部5による色合い補正処理の一例を説明する。
【0039】
まず、NTSC方式の測光信号Rm,Gm,Bmから心理計測明度L* を求める。NTSC方式の測光信号Rm,Gm,Bmを、CIE 1976 L* * * 均等知覚色空間のパラメータL* ,a* ,b* に変換するには、前記式(1)〜(3)による測光信号Rm,Gm,BmのX,Y,Z値と、NTSC方式の基準白色であるCIE標準光源Cの三刺激値X0 ,Y0 ,Z0 とを用いる。標準光源Cの三刺激値X0 ,Y0 ,Z0 は、Y0 を100と規格化して用いられる。Y0 を規格化したときの三刺激値X0 ,Y0 ,Z0 は(7)〜(9)式のようになる。
X0 =98.072 (7)
Y0 =100.000 (8)
Z0 =118.225 (9)
心理計測明度L* は、上記のYおよびY0 (=100)を用い、(10),(11)式により求められる。
* =116 ×(Y/Y0 )1/3 −16 :Y/Y0 >0.008856 (10)
* =903.29×(Y/Y0 ) :Y/Y0 ≦0.008856 (11)
なお、心理計測明度明度L* は、入力Rm,Gm,Bmに対する出力L* の三次元テーブルと直線近似とにより求めても良い。
【0040】
次に、上記の心理計測明度L* と、予め設定されている特定値L1,L2(>L1)を用いて、共通補正係数VCを求める。心理計測明度L* が特定値L1とL2の間の場合には、また、心理計測明L* の大きさに従って共通補正係数VCを増大させる。つまり、
VC=(L* −L1)/L1
とする。また、心理計測明度L* が特定値L1よりも小さい場合には、周辺が十分に暗いと判断し、色合い補正処理をしない。つまり、共通補正係数VCおよび個別補正係数RC,GC,BCに対し、
VC=RC=GC=BC=1
とする。また、心理計測明度L* が特定値L2よりも大きい場合には、周辺が明る過ぎると判断し、周辺の心理計測明度L* を特定値L2として共通補正係数VCを求める。つまり、
VC=(L2−L1)/L1
とする。
【0041】
次に、上記の共通係数VCと、上記実施の形態1と同様にして求めた個別補正係数RC,GC,BCとを用いて、映像信号R,G,Bを補正する。補正後の映像信号R’,G’,B’は、式(12)〜(14)で得られる。
R’=R×RC×VC (12)
G’=G×GC×VC (13)
B’=B×BC×VC (14)
このように実施の形態3によれば、画質改善処理部5において、外部測光器1から出力された周辺の輝度および色情報から、人間の視覚特性に一致した心理計測明度を算出し、この心理計測明度に基づいて投写信号の色補正の度合を変化させるようにしたため、人間の視覚特性に合った色補正を実現することが可能となる。
【0042】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4による液晶プロジェクタの構成は、図1と同様である。ただし、本実施の形態4の液晶プロジェクタでは、画質改善処理部5における信号処理が上記実施の形態1と異なる。
【0043】
一般に用いられているRGB色空間およびXYZ色空間は、人間の視覚特性にとっては非線型な色空間であり、R,G,Bの変化量およびX,Y,Zの変化量は、人間の心理的な明るさおよび色合いの変化量に一致しない。このような非線型な色空間で投写画像の色合いを補正すると、誤差が大きくなる。これを改善するために、本実施の形態4では、人間の目が感知する明るさおよび色合いを示す均等知覚色空間で投写画像の色合いを補正する。均等知覚色空間には、CIE 1976 L*** 均等知覚色空間と、CIE 1976 L*** 均等知覚色空間とがあるが、ここではL*** 均等知覚色空間を用いる。
【0044】
画質改善処理部5は、外部測光器1から出力される周辺の輝度および色情報をL* * * 均等知覚色空間の心理計測明度L* および色座標a* ,b* に変換し、このL* ,a* ,b* に基づいて投写画像の色合いを補正する。つまり、画質改善処理部5は、均等知覚色空間の色座標a* ,b* に基づいて映像信号R,G,Bのゲインを個別に補正し、この個別にゲイン補正された映像信号R,G,Bのゲインを心理計測明度L* に基づいて共通に補正し、この補正した映像信号(映像信号R’,G’,B’)をD/A変換器6〜8に出力する。
【0045】
画質改善処理部5では、外部測光器1による測光信号のRm,Gm,Bmを均等知覚色空間の心理計測明度L* および色座標a* ,b* に変換し、色座標a* ,b* に基づいて個別補正係数RC,GC,BCを決め、また上記実施の形態3と同様に心理計測明度L* に応じて共通補正係数VCを決める。そして、個別補正係数RC,GC,BCおよび共通補正係数VCにより映像信号R,G,Bを補正する。以下に、画質改善処理部5による色合い補正処理の一例を説明する。
【0046】
まず、NTSC方式の測光信号Rm,Gm,Bmを均等知覚色空間の心理計測明度L* および色座標a* ,b* に変換する。上記実施の形態3で説明したように、NTSC方式の測光信号Rm,Gm,Bmを、均等知覚色空間のL* ,a* ,b* に変換するには、前記式(1)〜(3)による測光信号Rm,Gm,BmのX,Y,Z値と、前記式(7)〜(9)によるNTSC方式の基準白色であるCIE標準光源Cの三刺激値X0 ,Y0 ,Z0 とを用いる。心理計測明度L* は、前記式(10),(11)から算出され、またa* ,b* は式(15)〜(22)から算出される。
* =500×(X’−Y’) (15)
* =200×(Y’−Z’) (16)
X’=(X/X0 )1/3 :X/X0 >0.008856 (17)
X’=7.787 ×(X/X0 )+16/116 :X/X0 ≦0.008856 (18)
Y’=(Y/Y0 )1/3 :Y/Y0 >0.008856 (19)
Y’=7.787 ×(Y/Y0 )+16/116 :Y/Y0 ≦0.008856 (20)
Z’=(Z/Z0 )1/3 :Z/Z0 >0.008856 (21)
Z’=7.787 ×(Z/Z0 )+16/116 :Z/Z0 ≦0.008856 (22)
【0047】
次に、均等知覚色空間の色座標a* ,b* に基づいて個別補正係数RC,GC,BCを決める。図4はCIE 1976 L* * * 均等知覚色空間のa* * 色度図上におけるマンセル表示系の等色相、等彩度曲線である。図4において、a* ,b* =0の場合が無彩色である。また、図4において、Yは黄色、Pは紫であり、マンセルバリュー(明度)Vは5である。ここで、例えば、a* =−100〜100、b* =−100〜100までの範囲をテーブルにし、a* ,b* を入力することにより、投写画像の個別補正係数RC,GC,BCを出力させる。
【0048】
次に、上記の個別補正係数RC,GC,BCと、心理計測明度L* に基づいて上記実施の形態3と同様にして求めた共通補正係数VCとを用いて、前記式(12)〜(14)により映像信号R,G,Bを補正する。
【0049】
ここで、前記式(7)〜(11),(15)〜(22)の演算は簡単ではないため、動画をリアルタイム表示させる場合等には、各画素ごとに色度座標a* ,b* を演算し、補正係数RC,GC,BCを求めることは困難である。これを実現するには、高速な演算器が必要になり、実用的ではない。
【0050】
そこで、周辺光の測光信号Rm,Gm,Bmを入力とし、個別補正係数RC,GC,BCを出力とする三次元テーブルを用いて色補正を実施する。全ての入力に対する出力を有する三次元テーブルを用い、全ての入力に対する出力を三次元テーブルから直接求める方式は、ダイレクトマッピング方式と呼ばれ、高精度な補正を高速に実現できるが、大容量のメモリを必要とし、実用的ではない。従って、入力信号の上位信号だけで構成した三次元テーブルを用い、その三次元テーブルから直接得られない補正値に関しては、入力信号の上位信号を用いてダイレクトマッピング法により数個の近傍値を得、入力信号の下位信号を用いて、数個の近傍値から出力信号を補間(直線近似)する方法が一般に用いられる。この近傍値のダイレクトマッピング法と補間法によりRC,GC,BCを算出する処理を以下に説明する。
【0051】
まず、近傍値のダイレクトマッピング法について説明する。図5に示すように、入力信号Ri,Gi,Biを各々mビットの信号、入力信号Ri,Gi,Biの上位nビット分を各々Rn,Gn,Bnとする。ただし、m>nである。三次元テーブルから入力信号Ri,Gi,Biの近傍の8点の単位立方格子(Rn,Gn,Bn),(Rn+Dn,Gn,Bn),(Rn+Dn,Gn,Bn+Dn),(Rn,Gn,Bn+Dn),(Rn,Gn+Dn,Bn),(Rn+Dn,Gn+Dn,Bn),(Rn+Dn,Gn+Dn,Bn+Dn),(Rn,Gn+Dn,Bn+Dn)に位置する出力信号d0,d1,d2,d3,d4,d5,d6,d7を得る。Dnは三次元テーブルの単位立方格子の1辺の長さで2m-n である。
【0052】
次に、補間法について説明する。図6に示すように、入力信号Ri,Gi,Biの近傍の8点の単位立方格子に位置する出力信号をd0,d1,d2,d3,d4,d5,d6,d7、入力信号Ri,Gi,Biの下位m−nビット分を各々r,g,b、単位立方格子の一辺の長さをDnとする。入力信号Ri,Gi,Biを中心として、d0,d1,d2,d3,d4,d5,d6,d7に点対称で、かつR軸方向、G軸方向、B軸方向の3方向で8分割した直方体の体積を、各々w0,w1,w2,w3,w4,w5,w6,w7とする。入力信号Ri,Gi,Biに対する出力信号dは、式(23)〜(31)のように補間される。
d=d0w0+d1w1+d2w2+d3w3+d4w4+d5w5+d6w6+d7w7 (23)
w0=(Dn-r)(Dn-g)(Dn-b) (24)
w1=r(Dn-g)(Dn-b) (25)
w2=r(Dn-g)b (26)
w3=(Dn-r)(Dn-g)b (27)
w4=(Dn-r)g(Dn-b) (28)
w5=rg(Dn-b) (29)
w6=rgb (30)
w7=(Dn-r)gb (31)
ここでは、出力信号が1つの場合を説明したが、本実施に形態4では、RC,GC,BCの近似値を三次元テーブルから同時に得、同時に補間する。
【0053】
このように実施の形態4によれば、画質改善処理部5において、外部測光器1から出力された周辺の輝度および色情報を、人間の視覚特性に一致した均等知覚色空間の心理計測明度および色座標に変換し、この心理計測明度および色座標に基づいて投写信号の色補正の度合を変化させるようにしたため、人間の視覚特性に合った色補正を実現することが可能となる。
【0054】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5による液晶プロジェクタの構成は、図1と同様である。ただし、本実施の形態5の液晶プロジェクタでは、外部測光器1の内部構成が上記実施の形態1とは異なる。
【0055】
周辺がある程度以上暗くなると、周辺光が投写画像に与える影響をほとんど考える必要がない。このため、周辺がある程度以上暗い場合には、外部測光器1からの周辺の輝度および色情報に基づいて映像信号を色補正する必要がなく、従って外部測光器1からの輝度および色情報は不要となる。このことを考慮し、本実施の形態5では、外部測光器を構成する受光素子のダイナミックレンジを有効活用できるようにする。
【0056】
図7は本発明の実施の形態5の液晶プロジェクタにおける外部測光器の構成図である。図3において、外部測光器1は、レンズ15と、受光素子16と、NDフィルタ17とを有する。
【0057】
NDフィルタ17は、レンズ15で採光された周辺光の光量を絞り、受光素子16に入射させる。これにより、周辺が十分に暗く、色補正が不要な場合(例えば、上記実施の形態3で心理計測明度L* が特定値L1よりも小さい場合)に、採光された光がほとんど受光素子16に入射しないようにし、受光素子16のダイナミックレンジの大部分を、色補正が必要な場合(例えば、上記実施の形態3で心理計測明度L* が特定値L1よりも大きい場合)に対応させるようにする。なお、レンズ15は、上記実施の形態2の外部測光器に用いられるレンズと同じもので良い。あるいは、レンズ15を設けなくても良い。また、受光素子16は、上記実施の形態1の外部測光器に用いられる受光素子と同じもので良い。
【0058】
このように実施の形態5によれば、外部測光器1に入射光の光量を落とすNDフィルタ17を設けたことにより、この外部測光器1を構成する受光素子16のダイナミックレンジを有効に利用することが可能となる。
【0059】
実施の形態6.
本発明の実施の形態6による液晶プロジェクタの構成は、図1と同様である。ただし、本実施の形態6の液晶プロジェクタでは、外部測光器1および画質改善処理部5における信号処理が上記実施の形態1と異なる。
【0060】
周辺の照明光の小さな変動(ちらつき)に過敏に反応して投写画像の色合い補正値が変動すると、投写画像がちらつき、利用者にとっては見難いものとなる。本実施の形態6では、この問題を改善する。
【0061】
外部測光器1は、測光信号を特定時間Δtごとに出力する。画質改善処理部5は、時刻tに入力された測光信号と、このΔtだけ前に入力された測光信号との差が、特定値Dthよりも大きければ、時刻tに入力された測光信号に基づいて補正係数を更新し、特定値Dthよりも小さければ、補正係数を更新しない。また、画質改善処理部5は、補正係数を更新しない色合い補正処理がn(例えばn=10)回以上連続した場合には、最後に補正係数を更新したときの測光信号と、時刻tに入力された測光信号との差が、特定値Dth’より大きければ、時刻tに入力された測光信号に基づいて補正係数を更新し、特定値Dth’より小さければ、補正係数を更新しない。
【0062】
外部測光器1から出力される測光信号Rm,Gm,BmのいずれかをDmとする。また、時刻tに出力される測光信号Rm,Gm,Bm,DmをRm(t),Gm(t),Bm(t),Dm(t)とする。また、測光信号Rm(t),Gm(t),Bm(t)に対応する期間の補正係数をRA(t),GA(t),BA(t)とする。ここで、補正係数RA,GA,BAは、例えば上記実施の形態1の補正係数RC,GC,BCあるいは上記実施の形態3の補正係数RC×VC,GC×VC,BC×VCである。また、補正係数RA(t),GA(t),BA(t)により色合い補正される映像信号をR(t),G(t),B(t)とする。
【0063】
画質改善処理部5では、測光信号Rm(t−Δt),Gm(t−Δt),Bm(t−Δt)が記憶されており、測光信号Rm(t),Gm(t),Bm(t)が入力されると、まず測光信号Dm(t)と測光信号Dm(t−Δt)との差の絶対値|Dm(t)−Dm(t−Δt)|を算出する。
【0064】
次に、上記の|Dm(t)−Dm(t−Δt)|を特定値Dthと比較し、|Dm(t)−Dm(t−Δt)|が、
|Dm(t)−Dm(t−Δt)|>Dth (32)
を満たせば、(測光信号Rm,Gm,Bmのいずれかが前記式(32)を満たせば)、補正係数RA(t),GA(t),BA(t)を測光信号Rm(t),Gm(t),Bm(t)に基づいて算出し、この測光信号Rm(t),Gm(t),Bm(t)に基づいて更新した補正係数RA(t),GA(t),BA(t)により映像信号R(t),G(t),B(t)を色合い補正する。
【0065】
また、|Dm(t)−Dm(t−Δt)|が前記式(32)を満たさなければ(測光信号Rm,Gm,Bmのいずれも前記式(32)を満たさなければ)、補正係数RA(t),GA(t),BA(t)として補正係数RA(t−Δt),GA(t−Δt),BA(t−Δt)を用い、前回の補正係数RA(t−Δt),GA(t−Δt),BA(t−Δt)により映像信号R(t),G(t),B(t)を色合い補正する。
【0066】
また、画質改善処理部5は、補正係数が更新されない色合い補正処理がn回連続し(ただし、時刻tでの処理については前記式(32)により判定まで終了したものとする)、最後に更新された補正係数が、測光信号Rm(t−nΔt),Gm(t−nΔt),Bm(t−nΔt)に基づいて更新されたRA(t−nΔt),GA(t−nΔt),BA(t−nΔt)である場合には、時刻tでの処理に以下に説明する処理を追加する。
【0067】
画質改善処理部5では、測光信号Rm(t−nΔt),Gm(t−nΔt),Bm(t−nΔt)が記憶されており、前記式(32)により補正係数を更新しないことが判定されると、測光信号Dm(t)と測光信号Dm(t−nΔt)との差の絶対値|Dm(t)−Dm(t−nΔt)|を算出する。
【0068】
次に、上記の|Dm(t)−Dm(t−nΔt)|を特定値Dth’と比較し、|Dm(t)−Dm(t−nΔt)|が、
|Dm(t)−Dm(t−nΔt)|>Dth’ (33)
を満たせば、(測光信号Rm,Gm,Bmのいずれかが前記式(33)を満たせば)、補正係数RA(t),GA(t),BA(t)を測光信号Rm(t),Gm(t),Bm(t)に基づいて算出し、この測光信号Rm(t),Gm(t),Bm(t)に基づいて更新した補正係数RA(t),GA(t),BA(t)により映像信号R(t),G(t),B(t)を色合い補正する。また、|Dm(t)−Dm(t−nΔt)|が前記式(33)を満たさなければ(測光信号Rm,Gm,Bmのいずれも前記式(33)を満たさなければ)、補正係数RA(t),GA(t),BA(t)として補正係数RA(t−nΔt),GA(t−nΔt),BA(t−nΔt)を用い、最後に更新された補正係数RA(t−(n+1)Δt),GA(t−nΔt),BA(t−nΔt)により映像信号R(t),G(t),B(t)を色合い補正する。
【0069】
ここで、補正係数RA(t),GA(t),BA(t)を更新した場合は、時刻t+Δtでの色合い補正処理は、前記(32)式のみの処理となる。また、補正係数RA(t),GA(t),BA(t)を更新しなかった場合には、時刻t+Δtでの処理においても前記式(33)の処理を追加する。
【0070】
このように実施の形態6によれば、画質改善処理部5において、外部測光器1から入力された測光信号とその直前に入力された測光信号との差が、特定値Dthよりも小さければ補正係数を更新せず、補正係数を更新しない色合い補正がn回数以上連続した場合には、入力された測光信号と最後に補正係数を更新したときの測光信号との差が、特定値Dth’よりも大きければ補正係数を更新するようにしたため、周辺の照明光の小さな変動(ちらつき)に過敏に反応して補正値が変動することがなくなり、投写画像のちらつきを抑えることが可能となる。
【0071】
実施の形態7.
本発明の実施の形態7による液晶プロジェクタの構成は、図1と同様である。ただし、本実施の形態7の液晶プロジェクタでは、画質改善処理部5における信号処理が上記第1の実施形態と異なる。
【0072】
液晶用光源であるランプには寿命があり、液晶プロジェクタを構成する部品の中では短寿命であるため、一般にランプは交換できるようになっている。さらに、ランプの明るさの経時変化は著しく、特に使用開始時から数百時間の間は、急激に低下し、その後ゆっくりと低下していく。
【0073】
投写画像の明るさは当然、液晶用光源であるランプの明るさに依存しており、ランプの明るさが暗くなるにつれて、投写画像の明るさと周辺の明るさの比が変化する。この投写画像の明るさの変化に対しても高精度な色補正を補償するには、ランプの明るさを検出する必要がある。ランプの明るさを検出するには、測光器を追加する方法、外部測光器に何らかの方法でランプの明るさを検出させるなどの方法がある。しかし、前者はコストアップを伴う。また、後者は、1個の外部測光器で周辺の明るさとランプの明るさを同時に検出することは不可能であるため、一方を遮光する機構を追加した場合にはコストアップを伴い、またユーザーに遮光させる場合にはユーザーの手を煩わせることになる。
【0074】
本実施の形態7では、ランプの累積使用時間によりランプの明るさを求めることにより、ランプの明るさに応じた高精度な色補正を実現する。
【0075】
画質改善処理部5は、ランプの累積使用時間を計測し、この累積使用時間から代表的なランプの累積使用時間−輝度特性に従ってランプの現在の明るさを求め、また測光信号Rm,Gm,Bmから周辺の明るさを求め、ランプの明るさと周辺の輝度とに基づいて色合い補正の度合を変化させる。ランプの累積使用時間を計測するには、例えば時計あるいは他の処理に用いられているクロックをカウントするカウンタを用いる。
【0076】
画質改善処理部5では、まず計測したランプの累積使用時間から現在のランプの明るさを求める。また、外部測光器1から入力された測光信号Rm,Gm,Bmから周辺の明るさを求める。ここでは、ランプの明るさおよび周辺の明るさに心理計測明度を用いる。また、ランプの明るさとして、使用開始時のランプの心理計測明度に対する現在のランプの心理計測明度の比kを求める。また、代表的なランプの累積使用時間−心理計測明度比特性をテーブルにしておき、このテーブルを用いて現在のランプの心理計測明度比kを求める。例えば、代表的なランプにおいて使用開始時の心理計測明度を100%としたときに100時間使用後の心理計測明度が90%である場合には、上記のテーブルに累積使用時間として100時間を入力すると、心理計測明度比kは0.9となる。
【0077】
次に、心理計測明度比kと、上記実施の形態3と同様にして求めた個別補正係数RC,GC,BCと、上記実施の形態3と同様にして周辺の心理計測明度から求めた共通補正係数VCとを用い、映像信号R,G,Bを補正する。補正後の映像信号R’,G’,B’は式(34)〜(36)のようになる。
R’=R×RC×VC/k (34)
G’=G×GC×VC/k (35)
B’=B×BC×VC/k (36)
【0078】
このように実施の形態7によれば、画質改善処理部5において、ランプの累積使用時間を計測し、この累積使用時間から代表的なランプの累積使用時間−輝度特性に従ってランプの現在の輝度を求め、また輝度および色情報から周辺の輝度を求め、ランプの輝度と周辺の輝度とに基づいて色合い補正の度合を変化させることにより、ランプの輝度の経時変化に対する高精度な色補正が可能となる。
【0079】
実施の形態8.
図8は本発明の実施の形態8の液晶プロジェクタを示すブロック回路図である。図8において、図1と同一符号のものはそれぞれ同一または相当部分を示しており、18はメモリである。
【0080】
周辺の照明光の瞬間的な変動に過敏に反応して色補正を実施したり、また聴講者や公演者の移動によって、瞬間的に外部測光器1の受光部が遮られたときにも過敏に色補正を実施すると、投写画像のちらつきとなる。本実施の形態8では、これらの問題を改善する。
【0081】
外部測光器1は、測光信号を特定時間Δtごとに出力する。メモリ18は、FIFO(First In First Out)型であり、外部測光器1から出力された測光信号Rm,Gm,Bmを順次記憶し、最も古く記録された測光信号から順次消去していく。画質改善処理部5は、メモリ18に記憶された測光信号の平均値を算出し、この平均値に基づいて投写画像の色合いを補正する。
【0082】
メモリ18が記録できる測光信号の個数を3Nとすると、測光信号Rm,Gm,BmはそれぞれN個ずつ記録される。外部測光器1から時刻tに測光信号Rm(t),Gm(t),Bm(t)が出力され、画質改善処理部5からメモリ18に転送されると、メモリ18は、測光信号Rm(t−NΔt)〜Rm(t),Gm(t−NΔt)〜Gm(t),Bm(t−NΔt)〜Bm(t)が記憶される。
【0083】
画質改善処理部5は、メモリ18から全ての測光信号Rm(t−NΔt)〜Rm(t),Gm(t−NΔt)〜Gm(t),Bm(t−NΔt)〜Bm(t)を読み出し、式(37)〜(39)に示されるように、それぞれの測光信号Rm,Gm,Bmの平均値RAVE ,GAVE ,BAVE を算出し、これらRAVE ,GAVE ,BAVE を用いて色補正を実施する。
RAVE =ΣRi/N :(i=1,2…N) (37)
GAVE =ΣGi/N :(i=1,2…N) (38)
BAVE =ΣBi/N :(i=1,2…N) (39)
なお、ランプ点灯後、NΔtが経過するまではメモリ18に測光信号Rm,Gm,Bmが貯えられないため、色補正は実施しない。一般にランプは点灯開始から明るさが十分に明るくなるまでに少し時間がかかるため、この間に色補正を実施しなくても実用上問題はない。
【0084】
このように実施の形態8によれば、外部測光器1から特定時間間隔で出力された輝度および色情報をFIFO型のメモリ18に順次記録し、画質改善処理部5において、メモリ18に記憶された輝度および色情報の平均値を算出し、この平均値に基づいて投写画像の色合いを補正することにより、周辺光の小さな変動、および聴講者や公演者の移動で瞬間的に外部測光手段対する入射光が遮られることに過敏に反応して色合い補正値が変動することがなくなり、投写画像のちらつきを抑えることが可能となる。
【0085】
なお、上記実施の形態1ないし8では、液晶パネル12〜14を3枚用いる3板式での例を挙げたが、液晶パネル1枚の単板式であっても良い。
【0086】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果がある。
【0087】
請求項1の発明によれば、外部測光手段において、投写型液晶表示装置の周辺光を検出し、装置周辺の輝度および色情報を生成し、画質改善処手段において、外部測光手段から出力された輝度および色情報に基づいて投写画像の色合いを補正することにより、装置周辺の明るさおよび色合いが変化しても投写画像の色再現性を良好に保つことが可能となる効果がある。
【0093】
さらに、画質改善手段において、外部測光手段から入力された輝度および色情報とその直前に入力された輝度および色情報との差が、第1の特定値よりも小さければ補正値を更新せず、補正値を更新しない色合い補正が特定回数以上連続した場合には、入力された輝度および色情報と最後に補正値を更新したときの輝度および色情報との差が、第2の特定値よりも小さければ補正値を更新しないようにしたことにより、周辺光の小さな変動に過敏に反応して色補正値が変動することがなくなり、投写画像のちらつきを抑えることが可能となる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1による液晶プロジェクタのブロック回路図である。
【図2】 xy色度図上における黒体輻射軌跡および等温度線を示す図である。
【図3】 実施の形態2おける外部測光器の構成図である。
【図4】 CIE 1976 L*** 均等知覚色空間のa** 色度図上におけるマンセル表色系の等色相、等彩度曲線を示す図である。
【図5】 三次元テーブルを用いた補間方法を示す図である。
【図6】 三次元テーブルを用いた補間方法を示す図である。
【図7】 実施の形態5おける外部測光器の構成図である。
【図8】 実施の形態8による液晶プロジェクタのブロック回路図である。
【図9】 従来の液晶プロジェクタの斜視図である。
【図10】 明所視、暗所視における標準比視感度曲線を示す図である。
【符号の説明】
1 外部測光器、 5 画質改善処理部、 9〜11 駆動回路、 12〜14 液晶パネル、 15 レンズ、 16 受光素子、 17 NDフィルタ、18 メモリ。

Claims (1)

  1. 液晶用光源から出射される光を液晶ライトバルブに入射させ、この液晶ライトバルブの画像形成面から出射される投写画像をスクリーンに投写する投写型液晶表示装置において、投写型液晶表示装置の周辺光を検出し、この周辺光から装置周辺の輝度および色情報を生成する外部測光手段と、前記輝度および色情報に基づいて前記投写画像の色合いを補正する画質改善手段とを備え
    前記外部測光手段が、装置周辺の輝度および色情報を特定時間ごとに出力し、前記画質改善手段が、前記外部測光手段から入力された輝度および色情報とその直前に入力された輝度および色情報との差が、第1の特定値よりも大きければ入力された輝度および色情報に基づいて前記投写画像の色合い補正値を更新し、第1の特定値よりも小さければ補正値を更新せず、さらに補正値を更新しない色合い補正が特定回数以上連続した場合には、最後に補正値を更新したときの輝度および色情報と、入力された輝度および色情報との差が、第2の特定値より大きければ入力された輝度および色情報に基づいて補正値を更新し、第2の特定値より小さければ補正値を更新しない
    ことを特徴とする投写型液晶表示装置。
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