JP4029228B2 - α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents

α,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法 Download PDF

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アセチレン誘導体と、ギ酸エステルからα,β−不飽和カルボン酸エステルを製造する方法に関する。α,β−不飽和カルボン酸エステルは、香料、ポリマーの原料、他の有機化合物の中間原料として用いられる。例えばアクリル酸メチルやメタクリル酸メチルはポリマーの原料として、ケイ皮酸メチルは香料として有用な化合物である。
【従来の技術】
【0002】
α,β−不飽和カルボン酸エステルの製法として、アセチレンおよびアセチレン誘導体をアルコールや水の存在下、カルボニル化する方法が古くから知られている。この方法はレッペ反応と呼ばれ、ニッケルなどVIII族金属触媒を用い、高圧の一酸化炭素を用いるのが特徴である。ニッケル触媒を一酸化炭素存在下で用いるため、反応容器内で猛毒のニッケルカルボニルが生成するのに加えて、触媒のリサイクルプロセスが煩雑であるという欠点を持っている。
【0003】
近年、Drentらはメチルアセチレンをメタノール存在下でカルボニル化することによって、メタクリル酸メチルを製造する方法を明らかにした(例えば、特開平9−188632、特開平5−194320、J. Organomet. Chem., 475 (1994) 57. Recl. Trav. Chim. Pays-Bas, 115 (1996), 248)。彼らの開発した方法を用いれば、それ以前の方法に比べて、はるかに高い触媒のターン・オーバー数を得ることができる。一方、当然のことながら、メチルアセチレン製造装置とは別に、高純度の一酸化炭素発生装置を建設しなければメタクリル酸メチルの生産はできない。一酸化炭素の発生装置の建設費は高額であり、大量の一酸化炭素を消費しなければ経済的には利得が少ない。ところが、石油留分中のメチルアセチレンを原料とする場合、対応する量の一酸化炭素の消費では、一酸化炭素発生装置を経済的に運転することはできず、一酸化炭素発生の費用が割高になる。また、従来のレッペ法に比べれば低圧とはいえ、いまだ比較的高圧の一酸化炭素を必要とするため、昇圧器などの付帯設備や、耐圧反応器を用いなければならないという欠点がある。
【0004】
これに対して、アルコールと一酸化炭素の代わりに、ギ酸エステルを用いてアセチレン誘導体に付加させれば、一酸化炭素が不要になるというアイデアがある。これは、ギ酸メチルのC−H結合をアセチレン誘導体の炭素−炭素3重結合に付加するという形式の反応であり、カルボニル化反応とは本質的に異なる。このようなギ酸エステルのアセチレン誘導体への付加の報告例は極めて少なく、商業的生産に適するものはまだない。例えば、Alperらの報告(J.Mol.Catal.A: Chemical, 96, 1995, 197)でさえ、1、2−ジフェニルホスフィノブタン、トリフェニルホスフィン、パラ−トルエンスルホン酸、酢酸パラジウムを触媒として、20atm、100℃という条件で、48時間を要する。この方法では、ギ酸メチルを用いているのにも関わらず、高圧の一酸化炭素が欠かせない上に、長時間を要し、収率も比較的低いという欠点がある。
【0005】
なお、アセチレン誘導体ではなく、エチレンにギ酸メチルを付加する反応は、PetitやLavigneらによって明らかにされている(例えばJ.Chem.Soc., Commun., 1994, 1173. Organometallics (1995) 14, 1712)。彼らの報告によれば、160℃程度以上の高温でエチレンとギ酸メチルを、液相均一系のルテニウム触媒を用いて反応させ、プロピオン酸メチルを得ることができるという。そこで本発明者らは、同様の触媒および反応条件で種々のアセチレン誘導体にギ酸エステルを付加させることを試みたが、満足な結果を得ることはできなかった。この結果は、彼らの見いだした触媒および反応条件では、アセチレン誘導体にはギ酸メチルを十分に付加させることができないことを示している。以上のように、低圧の一酸化炭素雰囲気下または一酸化炭素を必要としないα,β−不飽和エステルの製造法の発明が待たれている。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、アセチレン誘導体とギ酸エステルを反応させることにより、低圧の一酸化炭素雰囲気下または一酸化炭素を含まない雰囲気で、α,β−カルボン酸エステルを製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、
(1) アセチレン誘導体とギ酸エステルを、酸の存在下、VIII族金属のうちから選んだ2種以上の金属を含む均一系触媒を用いて反応させるα,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法、および
(2) アセチレン誘導体とギ酸エステルを、酸と、リン原子および窒素原子を同一分子内に持つ配位子の存在下、VIII族金属のうちの1種の金属を含む均一系触媒を用いて反応させるα,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法に関する。以下にこの製造法についての詳細を述べる。
【0008】
反応に用いるアセチレン誘導体には特に制限が無く、アセチレンだけでなく、プロピン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチン、オクチンなどの炭素数が20以下のアルキル基で置換されたアセチレン誘導体や、フェニルアセチレン、トリルアセチレン、メトキシフェニルアセチレンなどの炭素数が20以下のアリール基で置換されたアセチレン誘導体や、アセチレンカルボン酸エステルやシアノアセチレンなど炭素数が20以下の電子吸引性置換基で置換されたアセチレン誘導体や、プロパルギルアルコールやプロパルギルエーテルなどのプロパルギル基をもつ化合物の他、シリルアセチレン、ハロゲノアセチレンなど、ヘテロ元素で置換されたアセチレン誘導体なども採用することができる。
【0009】
反応に用いるギ酸エステルにも特に制限が無く、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸ペンチル、ギ酸ヘキシル、ギ酸ヘプチル、ギ酸オクチル、ギ酸フェニル、ギ酸ベンジルなど、炭素数が20以下のエステルであれば、ギ酸2−エチルヘキシル、ギ酸グリシジルなどの官能基で置換されたエステルであっても問題なく用いることができる。
【0010】
特に、フェニルアセチレンとギ酸メチルからはケイ皮酸メチルを製造することができ、メチルアセチレンとギ酸メチルからはメタクリル酸メチルを、アセチレンとギ酸メチルからはアクリル酸メチルを製造することができる。
【0011】
反応溶媒としては特に制限なく用いることができるが、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ニトロベンゼン、ニトロメタンなどの含窒素化合物や、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、ジエチルエーテルやジオキサン、テトラエチレングリコール、メトキシエタノールなどのアルコール類やエーテル類などの含酸素化合物の他、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類が望ましい。もちろん、ギ酸メチル等、反応基質であるギ酸エステルをそのまま溶媒として用いることもできる。
【0012】
触媒としては均一系のVIII族金属触媒を用いることができる。ここで言うVIII族金属とは、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、ニッケル、パラジウム、白金のことであり、VIII族金属触媒とは、これらVIII族金属のうち少なくとも一種類を含む触媒である。本発明においては、VIII族金属触媒の中でも、パラジウム、ルテニウム、鉄から少なくとも1種類を含む均一系触媒を用いることは、高収率で反応が進行するので望ましい。特に、(1) パラジウムおよびルテニウム、または(2) パラジウムおよび鉄をを含むVIII族金属触媒が好ましい。本発明では、いずれの金属触媒においても、アセチレン誘導体やギ酸エステルの配位が可能になるように、解離可能な配位子が配位している錯体が望ましい。これらの錯体は、ギ酸エステルとアセチレン誘導体が反応する時に存在していれば良いのであって、仕込みの際には取り扱いやすい前駆体を用い、反応器内で活性な錯体が生成するようにしても構わない。
【0013】
ここで言う解離可能な配位子とは、金属に配位するものの、金属から解離して配位座を空けたり、溶媒によって置換されたりする配位子のことであり、その例としては、(1)一酸化炭素、(2)水素原子、(3)酢酸イオンなど炭素数が20以下のカルボン酸イオンや、アセチルアセトナトなど、酸素原子が金属原子に配位する配位子や、(4)ベンゾニトリルやアセトニトリルなど炭素数が20以下のニトリル化合物、ピリジンおよびその誘導体などの炭素数が20以下の窒素塩基など、窒素原子が金属原子に配位する配位子、(5)エチレンやプロピレン、ブタジエン、スチレン、シクロオクタジエンやノルボルネン、ノルボルナジエンなどのオレフィン誘導体や、ジメチルアセチレンやジフェニルアセチレン、アセチレンジカルボン酸エステルなどのアセチレン誘導体、C=C−Cの構造を有するアリル基や、アルキル基、アシル基など、炭素原子が金属原子に配位している配位子、(6)ハロゲン化物イオン、(7)以下に述べる貴金属錯体の安定化配位子などが挙げられる。
【0014】
(7)の貴金属錯体の安定化配位子とは、金属種の析出を防ぐ役割を担っている配位子であり、リン原子や窒素原子を含む化合物を用いるのが望ましい。例えば、リン原子を持つ配位子として、トリフェニルホスフィン、トリス−トリルホスフィン、トリ−メトキシフェニルホスフィンなどのアリールホスフィンや、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィンなどの炭素数が合計60以下のアルキルホスフィン、トリフェニルホスファイト、トリブチルホスファイトなどの炭素数が合計60以下のホスファイト、ビス−ジフェニルホスフィノメタン、ビス−ジフェニルホスフィノエタン、ビス−ジフェニルホスフィノプロパン、ビスージフェニルホスフィノブタンなど分子内に複数のリン原子を持つ配位子などが挙げられる。
【0015】
窒素原子を持つ配位子の例としては、ピリジン、ビピリジル、フェナントロリン、ジメチルアミノピリジン、メチルアミノピリジンなどヘテロ原子として窒素のみを含む炭素数が40以下の化合物の他に、ジフェニルピリジルホスフィン、メルカプトピリジンなどリンや硫黄などのヘテロ原子を含む炭素数が40以下の配位子も含まれる。
【0016】
窒素原子とリン原子を同時に持つ配位子の内、窒素原子が1個または2個の橋かけ炭素原子を通じてリン原子と結合している配位子を用いると、反応速度が向上するので特に望ましい。このような、配位子の例としてはジフェニル−2−ピリジルホスフィン (C6H5)2P−C5H4N や、N−[(ジフェニルホスフィニル)メチル]−N−メチルアニリン (C6H5)P(O)CH2N(C6H5)(CH3)などが挙げられる。これらの配位子の効果としては、例えば、フェニルアセチレンとギ酸メチルからケイ皮酸メチルを製造する場合において、前述のAlperらの報告では1、4−ビスジフェニルホスフィノブタンを配位子とした場合、100℃、一酸化炭素圧20kgf/cm2、反応時間48時間で収率74%であるのに対して、ジフェニル−2−ピリジルホスフィンを配位子として用いた場合、一酸化炭素圧1気圧、反応時間1時間で収率81%という結果を得られることなどがある。
【0017】
なお、VIII族金属触媒を単独で用いるのではなく、VIII族金属から選んだ2種以上の金属を併用すると、2つの金属触媒が別々に基質に作用するのではなく、クラスターのような新たな分子として、アセチレン誘導体やギ酸メチルに作用し、収率や選択性が向上する。特に、パラジウムとルテニウム、またはパラジウムと鉄を併用することが好ましい。
【0018】
例えば、パラジウムとルテニウムを併用した場合、フェニルアセチレンとギ酸メチルからのケイ皮酸メチルの製造において、収率とcis選択性のいずれもが、パラジウムや、ルテニウムを単独で用いた場合に比べて向上する。同じ効果は、鉄とパラジウムを併用した場合にも見られる。
メチルアセチレンとギ酸メチルからのメタクリル酸メチルの製造においては、パラジウムに鉄またはルテニウムを併用することにより、単位時間当たりの収率の向上が見られた。本発明に用いることのできるアセチレン誘導体であれば、この様な反応速度の向上の効果が見られる。
【0019】
本発明では、反応促進剤として酸を用いる。pKa(水溶液の状態で18℃において測定)が、4未満の酸であれば用いることができるが、pKaが1未満の酸を用いることが望ましい。例えば、硝酸、硫酸、フルオロスルホン酸、クロルスルホン酸、メタンスルホン酸、2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、第三ブチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、1−ナフタリンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはスルホン化イオン交換樹脂のようなスルホン酸、トリフルオロ酢酸のようなペルフルオロカルボン酸、オルト燐酸、ベンゼンホスホン酸のうようなホスホン酸、BF3、AsF5、SbF5、TaF5またはNbF5のようなルイス酸や、これらのルイス酸とHFのようなブレンステッド酸との相互作用によって誘導された酸(例えば、フルオロ珪酸、HBF4、HPF6やHSbF5)を用いることができる。この際に水分はあってもなくても反応は進行する。
【0020】
反応温度は190℃以下であれば良いが、アセチレン誘導体の2量化やギ酸メチルの分解といった望ましくない反応を抑制するために120℃以下であるのが望ましい。位置選択性、構造異性体の選択性を高めるためには、さらに低温であるのが望ましく、−30℃から100℃の範囲が望ましい。
【0021】
雰囲気ガスとしては、窒素など不活性ガスで構わないが、触媒として加えたカルボニル錯体の分解を抑制するために、あるいは、活性種であるカルボニル錯体を反応器内で生成させるために、0.01〜1MPaの一酸化炭素雰囲気下で反応を行うのが望ましい。これは、系中のカルボニル錯体の安定化のための保圧であり、これ以上の一酸化炭素の加圧は特に必要はない。もちろん一酸化炭素加圧下で反応を行っても構わない。
【0022】
【実施例】
実施例1
酢酸パラジウム(II) 10mg、ルテニウム三ドデカカルボニル 20mg、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン 0.1g、トリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体 0.1g、ギ酸メチル 1.3g、N,N−ジメチルホルムアミド 6gを50mLオートクレーブに入れた。内部の気体を1気圧の一酸化炭素で置換してから、メチルアセチレンを0.1g導入し、25℃の室温で1時間かくはんした。反応開始時、プロピンを導入することにより、全圧は0.14MPaであったが、反応が進むにつれプロピンは転化し、0.1MPaになった。内溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、メチルアセチレンの転化率は95%であり、メタクリル酸メチルのみが生成物であった。
【0023】
実施例2
酢酸パラジウム(II) 10mg、ルテニウム三ドデカカルボニル Ru3(CO)12 20mg、ジフェニル−2−ピリジルホスフィン 0.1g、p−トルエンスルホン酸1水和物 0.1g、フェニルアセチレン 0.1g、ギ酸メチル 1.3g、N,N−ジメチルホルムアミド 6gを50mLガラス製容器に入れた。内部の気体を1気圧の一酸化炭素で置換した後、ふたを閉じて25℃の室温で1時間かくはんした。内溶液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、フェニルアセチレンの転化率は99%であり、cis−ケイ皮酸メチル、trans−ケイ皮酸メチル、スチレン、フェニルアセチレン2量体が、それぞれ選択率90%、9%、0.7%、0.3%で得られた。
【0024】
【比較例】
ギ酸メチルの代わりにメタノールを用いた他は、実施例2と同様の実験を行った。フェニルアセチレンの転化率は9%であり、 cis−ケイ皮酸メチル、trans−ケイ皮酸メチル、スチレン、フェニルアセチレン2量体が、それぞれ選択率85%、0%、9%、6%で得られた。
【0025】
実施例3
フェニルアセチレンの代わりに、1−ペンチンを用い、p−トルエンスルホン酸の代わりにトリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体を用いた他は、実施例2と同様の実験を行った。1−ペンチンの転化率は100%であり、2−プロピルプロペン酸メチルのみが生成物であった。
【0026】
実施例4
酸としてトリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体の代わりに、テトラフルオロホウ酸ジエチルエーテル錯体を用いた他は、実施例1と同様の実験を行った。メチルアセチレンの転化率は100%であり、生成物はメタクリル酸メチルのみであった。
【0027】
実施例5
酸としてトリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体の代わりに、p−トルエンスルホン酸1水和物を用いた他は、実施例1と同様の実験を行った。メチルアセチレンの転化率は100%であり、メタクリル酸メチルが83%、メタクリル酸が17%の収率で得られた。
【0028】
実施例6
酸としてトリフルオロホウ素ジエチルエーテル錯体の代わりに、オルガノ株式会社製のスルホン酸型のイオン交換樹脂であるアンバーリスト15Eを1g用いた他は、実施例1と同様の実験を行った。メチルアセチレンの転化率は72%であり、生成物はメタクリル酸メチルのみであった。
【0029】
実施例7
酢酸パラジウムを入れない他は実施例2と同様の実験を行った。フェニルアセチレンの転化率は25%であり、cis−ケイ皮酸メチル、スチレン、フェニルアセチレン2量体が、それぞれ選択率15%、52%、33%で得られた。実施例2と比較することによって、パラジウムとルテニウムの併用によって収率および選択性が上昇することがわかる。
【0030】
実施例8
ルテニウム三ドデカカルボニルを入れない他は実施例2と同様の実験を行った。フェニルアセチレンの転化率は90%であり、cis−ケイ皮酸メチル、trans−ケイ皮酸メチル、スチレン、フェニルアセチレン2量体が、それぞれ選択率60%、34%、3%、3%で得られた。実施例2と比較することによって、パラジウムとルテニウムの併用によって収率および選択性が上昇することがわかる。
【0031】
実施例9
ルテニウム三ドデカカルボニルの代わりに鉄ノナカルボニル Fe2(CO)9を用いた他は実施例2と同様の実験を行った。フェニルアセチレンの転化率は98%であり、cis−ケイ皮酸メチル、trans−ケイ皮酸メチル、スチレン、フェニルアセチレン2量体が、それぞれ選択率99.7%、0.2%、0.1%、0%で得られた。
【0032】
実施例10
配位子としてトリフェニルホスフィンを用いた他は、実施例2と同様の実験を行った。フェニルアセチレンの転化率は17%であり、cis−ケイ皮酸メチル、trans−ケイ皮酸メチル、スチレン、フェニルアセチレン2量体が、それぞれ選択率55%、38%、3%、4%で得られた。実施例2と比較することによって、窒素とリンを同一分子内に持つ配位子によって収率および選択性が上昇することがわかる。
【0033】
実施例11
一酸化炭素の代わりに窒素で置換したことと、60℃で反応を行った他は、実施例2と同様の実験を行った。フェニルアセチレンの転化率は41%であり、cis−ケイ皮酸メチル、スチレン、フェニルアセチレン2量体が、それぞれ選択率50%、23%、26%で得られた。

Claims (3)

  1. アセチレン誘導体とギ酸エステルを、酸と、リン原子および窒素原子を同一分子内に持つ配位子の存在下、VIII族金属のうちの(1)パラジウムおよびルテニウム、または(2)パラジウムおよび鉄を含む均一系触媒を用いて反応させることを特徴とするα,β−不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
  2. メチルアセチレンとギ酸メチルから、メタクリル酸メチルを製造する請求項1記載の製造方法。
  3. フェニルアセチレンとギ酸メチルから、ケイ皮酸メチルを製造する請求項1記載の製造方法。
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