JP4029004B2 - 貯蔵安定性に優れたエポキシ化有機系重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、樹脂改質剤、ゴム改質剤、接着剤等に使用されるエポキシ化有機系重合体の製造方法に関する。更に詳しくは、有機系重合体の分子鎖中にある炭素原子間の二重結合をエポキシ化し塩基性無機物を添加することにより貯蔵安定性に優れたエポキシ化有機系重合体製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ化対象の有機系重合体を酸化してエポキシ化された有機系重合体は溶媒の除去および酸成分の除去のため、水洗や中和といった工程が必要となる。重合体と溶媒とを分離する方法としては種々の方法があるが、その一つとして重合体溶液を熱水中に注入し、溶媒を水蒸気と共に蒸留し、重合体をクラム状で析出させるスチームストリッピング法が知られている。例えば、特公昭55−7457号公報、特公昭55−22489号公報、特公昭58−10411号公報等に記載された方法が知られている。かかる方法により得られたクラム状の重合体は、脱水・乾燥工程で水分が除去される。脱水・乾燥方法としては、例えば特開昭59−53504号公報、特開昭61−218614号公報等に記載された方法が知られている。特開平09−165418号公報では有機系重合体を溶媒に分散、懸濁させた状態でエポキシ化を行い、後処理の簡略化されたエポキシ化有機系重合体の製造方法に関する特許も紹介されている。
これらの方法で得られたエポキシ化有機系重合体はその中に残る酸成分および熱や水分などの影響で常温環境下でも徐々に高分子量成分由来と思われるゲルが増えたり、溶融粘度が変動したりし、ポリマーが変色する等の貯蔵安定性に劣るという問題がある。特開平08−104709号公報ではエポキシ化ブロック共重合体の熱安定性を向上させる手段としてエポキシ化ブロック共重合体の酸価を10mgKOH/g以下にする方法が紹介されているが、長期にわたる貯蔵安定性といった点で十分とは云えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる状況にあって、エポキシ化有機系重合体製造の脱水、脱溶媒工程における安定性、および製品の貯蔵安定性を向上させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、エポキシ化有機系重合体を製造する際に、塩基性無機物を添加することによってかかる問題点を解決し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち本発明は、有機系重合体をエポキシ化剤によりエポキシ化してエポキシ有機系重合体を製造する際に、塩基性無機物として下記一般式(1)で示される複合化合物であるハイドロタルサイト系化合物が添加されることを特徴とするエポキシ化有機系重合体の製造方法を提供する。
x Al y (OH) 2x+3y-2z (A) z ・aH 2 O (1)
( 式中、MはMg、CaはZn、AはCO 3 又はHPO 4 、x、y、z、aは正の整数である。)
塩基性無機物としてのハイドロタルサイト系化合物がエポキシ化反応後の水洗工程の終了以降の工程で添加される前記発明のエポキシ化有機系重合体の製造方法を提供する。
前記発明において有機系重合体100重量部に対して塩基性無機物としてのハイドロタルサイト系化合物が0.01〜10重量部添加されるエポキシ化有機系重合体の製造方法を提供する。
エポキシ化剤が、過酸化水素から誘導される過カルボン酸である前記発明のエポキシ化有機系重合体の製造方法を提供する。
前記発明の過カルボン酸として過酢酸を使用するエポキシ化有機系重合体の製造方法を提供する。
有機系重合体が、ジエン系単量体の重合体又はジエン系の単量体を含む2種以上の単量体からなるブロックもしくはランダム共重合体である前記発明のエポキシ化有機系重合体の製造方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法が適用できるエポキシ化対象有機系重合体は、分子内に炭素原子間の二重結合を持つものであれば特に制限はなく、1種類の単量体の重合体、2種以上の単量体混合物からの共重合体、更には2種以上の重合体又は共重合体の混合物のいずれであってもよい。エポキシ化対象有機系重合体は、特にゴム系重合体であることが好適である。
【0007】
1種類の単量体の重合体の具体例としては、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレンゴム、ポリブチレン、脂環式ジエン単量体の重合体であるジシクロペンタジエン(DCPD)樹脂、シクロペンタジエン(CPD)樹脂などが挙げられる。2種以上の単量体混合物からの共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
【0008】
共重合体を構成し得る単量体としては、ビニル芳香族炭化水素化合物、ジエン系化合物、オレフィン系化合物、その他の共重合性単量体などが挙げられる。ビニル芳香族炭化水素化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどの種々のアルキル置換スチレン、アルコキシ置換スチレン、ビニルナフタレン、アルキル置換ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエンなどが挙げられる。これらは1種でも、2種以上の混合物であってもよい。
【0009】
共重合体がランダム共重合体の場合、共重合体の組成はエチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、ブタジエン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)が好ましく、その物性はヨウ素価が10程度のものから、500程度のものまで、エポキシ化対象有機系重合体とすることができる。
【0010】
共重合体がブロック共重合体の場合、共重合体の組成は、例えばスチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)などが挙げられる。これらブロック共重合体の分子自体の構造は、直鎖状、分岐状、放射状などいずれの構造であってもよい。エポキシ化対象有機系重合体となる樹脂又はゴム系重合体の末端基については、特に制限はない。更に、これらのブロック共重合体は部分的に水素化されていてもよい。
【0011】
エポキシ化反応を行う際に使用される有機溶媒は、エポキシ化対象有機系重合体の種類、エポキシ化の反応条件によって異なるが、ヘキサン、オクタンなどの直鎖および分岐状炭化水素類、並びにそれらのアルキル置換誘導体類;シクロヘキサン、シクロヘプタンなどの脂環式炭化水素類、およびそれらのアルキル置換誘導体類;ベンゼン、ナフタレン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、およびアルキル置換芳香族炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル類;クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;などが挙げられる。これらの中では、エポキシ化対象有機系重合体の溶解性がよいこと、及びその後の有機溶媒回収の容易性などの観点から、シクロヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム、トルエン、キシレン、ヘキサンなどが好ましい。
【0012】
エポキシ化剤として使用される過酸化物としては、過蟻酸、過酢酸、過プロピオン酸などの過カルボン酸化合物が挙げられる。これらの過酸化物は、無水系であることが好ましいが、過酸化水素から誘導された水分を含む過酸化物を用いた系でもエポキシ化は可能である。過カルボン酸類をエポキシ化剤として使用する場合には、過カルボン酸類を溶媒に溶解して使用することが好ましい。過カルボン酸類の溶媒としては、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、酢酸エチルなどの有機酸エステル類、トルエンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。エポキシ化対象有機系重合体を溶解、分散ないし懸濁させるための溶媒と同じであってもよい。これら溶媒は、エポキシ化対象有機系重合体の内部に浸透してエポキシ化反応を促進するので、これらを使用することが望ましい。
【0013】
過酸化水素から誘導された過酸化物を用いる系では、予め過酸化水素と蟻酸、酢酸などの低級カルボン酸とを反応させ過カルボン酸を製造し、この過カルボン酸を反応系にエポキシ化剤として加え、エポキシ化反応を行う方法がある。
また、オスミウムの塩、タングステン酸などの触媒および溶媒の存在下、過酸化水素を使用してエポキシ化する方法がある。この場合に使用できる溶媒は、上に挙げたものと同じである。
本発明においては、過カルボン酸として過酢酸を使用することが好ましい。
【0014】
本発明の製造方法によりエポキシ化する際、得られるエポキシ化物のオキシラン酸素濃度は、エポキシ化対象有機系重合体の炭素原子間二重結合量とエポキシ化剤との反応モル比を変えることにより、調節することが可能である。この反応モル比は、得られるエポキシ化物のオキシラン酸素濃度の水準により変わるが、エポキシ化対象有機系重合体に含まれる被エポキシ化二重結合量(A)と過酸化物純分(B)の反応モル比(B/A)を、1.0〜2.0の範囲で選ぶことができ、特に1.1〜1.8の範囲で選ぶことが好ましい。
【0015】
本発明の製造方法に従いエポキシ化対象有機系重合体をエポキシ化する際の反応温度は、エポキシ化対象有機系重合体の種類、表面積の大小、溶媒の種類、エポキシ化剤の種類・量、反応時間にもよるが、20〜80℃の範囲で選ぶことができる。反応温度が20℃未満の場合は、反応速度が遅く実用的でない。逆に80℃以上になると、過酸化物の自己分解が著しくなり好ましくない。反応温度の特に好ましいのは、30〜60℃の範囲である。反応圧力は、大気圧下が普通であるが、やや減圧下でも、やや加圧下であってもよい。
【0016】
本発明の製造方法に従いエポキシ化対象有機系重合体をエポキシ化する際の反応時間は、エポキシ化対象有機系重合体の種類、表面積の大小、溶媒の種類、エポキシ化剤の種類・量、反応温度によっても変わるが、通常1〜12時間の範囲で選ぶことができる。反応時間が1時間未満の場合には、二重結合の転化率が低く実用的でなく、逆に12時間以上になると、例えば、過酸化物として過酢酸を用いた場合には、エポキシ化物と酢酸の付加反応が増大し、収率低下の原因となり好ましくない。
【0017】
本発明の製造方法によると、エポキシ化反応終了後に降温させた反応液は、生成物のエポキシ化有機系重合体が有機溶媒に溶解、もしくは固体状で分散ないし懸濁した状態であり、副生成物やカルボン酸が溶媒に溶解した均一液や懸濁液として得られる。均一液もしくは懸濁液から生成物のエポキシ化物を分離・回収するために水で洗浄して溶媒、カルボン酸などを除去することが必要になる。
【0018】
本発明の特徴は、エポキシ化有機系重合体を製造するにあたり、塩基性無機物を添加することによって貯蔵安定性に優れたエポキシ化有機系重合体の製造を提供することである。
塩基性無機物はエポキシ化反応終了後に降温させた反応系の従来法による洗浄、例えば水による水洗工程の終了以降の工程で添加されることが好ましい。後の減圧濃縮工程などでかかる熱履歴に対して、この塩基性無機物が効果的に作用すると思われるからである。添加する塩基性無機物はエポキシ化有機系重合体100重量部に対して0.01〜10重量部、更には0.05〜1重量部添加されていることが好ましい。添加量が0.01重量部より少ないとエポキシ化有機系重合体に含まれる酸成分を吸着するに十分な効果を発揮しない恐れがある。また、添加量が10重量部を超えると塩基性無機物に含まれる水分や塩基の影響で、エポキシ化有機系重合体からなる成形品の外観、塗料としての塗膜外観、接着剤として用いた場合の接着特性の低下をもたらすことがある。
【0019】
塩基性無機物としては、例えば、炭酸カルシウム、高分散性けい酸、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、タルク粉、マイカ、ドロマイト鉱石、珪藻土、ハイドロタルサイト、ラポナイト、ガラスフレーク、ガラスビーズ、石英粉、けい砂、硫酸バリウム、焼石こう等の粉末物質及び炭酸けい素、ボロンナイトライドや窒化けい素等の無機化合物などが挙げられる。そのなかで特にハイドロタルサイトがエポキシ化有機系重合体の熱劣化、保存安定性に対して効果があることが確認された。
【0020】
かかる特性が発揮される原因として、詳細は不明ではあるがハイドロタルサイトの持つイオン交換作用が該エポキシ化有機系重合体に含まれる酸成分の吸着に効果を発揮し、常温環境下で徐々に進行する該エポキシ化有機系重合体のゲル化を押えたものと考えられる。
【0021】
エポキシ化有機系重合体には本発明で使用できるハイドロタルサイト系化合物は下記一般式式(1)で示される。
xAly(OH)2x+3y-2z(A)z・aH2O (1)
(式中、MはMg、Ca又はZn、AはCO3又はHPO4、x、y、z、aは正の整数である。)
【0022】
このようなもので、特に好適なものとして次のようなものが例示される。
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O (1−1)
Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O (1−2)
Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O (1−3)
Mg10Al2(OH)22CO3・4H2O (1−4)
Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O (1−5)
Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O (1−6)
Zn6Al2(OH)16CO3・4H2O (1−7)
【0023】
塩基性無機物の添加が終了したエポキシ化有機系重合体の反応液を常圧下又は減圧下で、加熱下又は非加熱下の状態で乾燥させることにより目的の該エポキシ化有機系重合体を得ることができる。固体状を呈する生成物のエポキシ化物は、ろ過、遠心分離などの方法により該エポキシ化有機系重合体の分離・回収することができる。この場合、塩基性無機物の添加は分離回収した該エポキシ化有機系重合体の再ペレット化など製品化する時にドライブレンドやサイドフィードなどによって添加することもできる。このようにして得られたエポキシ化有機系重合体は貯蔵安定性及び成形加工性に優れており、塗料、樹脂改質剤、ゴム改質剤、接着剤等に使用される。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記載例において、「部」および「%」は、いずれも重量基準によるものとする。エポキシ化された生成物についての(1)酸価、(2)エポキシ当量、(3)溶融粘度、(4)MI値、および(5)GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定について以下に記載の方法で測定した。
【0025】
(1)酸価:JIS K 0070
表1および2:酸価は水酸化カリウムの中和滴定[mgKOH/g]の値を示す。
(2)オキシラン酸素濃度:ASTM−1652に従って測定した。
なお、オキシラン酸素濃度は、ブロック共重合体に占めるエポキシ基に由来するオキシラン酸素の重量%を、臭化水素の酢酸溶液を用いて滴定して求めた。
表1および2のエポキシ当量は、1600/オキシラン酸素濃度(%)の値を示す。
(3)MI値(メルトインデックス): JIS K 6760(190℃、2160g)
(4)溶融粘度:フローテスター[ダイス直径1mm×10mm、荷重100kgf]を用いて200℃で測定した値(単位はポイズ)を示す。
【0026】
以下に示す実施例1〜4および比較例1〜4で調製した全サンプルを50℃の恒温オーブンにて保管し、評価項目(1)〜(4)を6ヶ月間にわたり測定し、その経時変化を確認した。
(実施例1)
ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン(SBS)のブロック共重合体[日本合成ゴム(株)製、商品名:TR−2000]100重量部を酢酸エチル500重量部に完全に溶解し、これに過酢酸の30%酢酸エチル溶液56重量部を連続的に滴下し、攪拌下40℃で3時間エポキシ化反応を行った。
反応液を常温に戻し、反応液と等量の純水で3回洗浄し、エポキシ化ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン重合体(ESBS)の酢酸エチル溶液を得た。この溶液に前記(1−1)の化合物であるハイドロタルサイト[協和化学工業(株)製、商品名:DHT−4C]をブロック共重合体に対して0.1重量部添加した後、撹拌を行い十分に分散させた。次にこのブロック共重合体に対して界面活性剤(花王(株)製、商品名:エマルゲンPP−290)を水に対して100ppm添加し、反応槽の下部からスチームを吹き込むことによって水温90℃でスチームストリッピングを行い、3〜6mm径のクラム状の重合体を濾別回収した。このクラムを絞り機に送り脱水した後、乾燥機にて乾燥した。
なお、使用したDHT−4Cはカタログによれば、Mg4-3Al2(OH)12-6CO3・mH2Oであり、モル比(MgO/Al23)は4.21、乾燥減量(105℃×1時間)は0重量%である。
【0027】
(実施例2)
実施例1の方法において、ハイドロタルサイト[協和化学工業(株)製、商品名:DHT−4C]をブロック共重合体に対して0.01重量部添加した以外は、実施例1と同様の方法にてESBSを得た。
【0028】
(実施例3)
ポリスチレン−ポリブタジエン(SB)のブロック共重合体〔旭化成工業(株)製、商品名:タフプレン125〕ペレット100重量部、水200重量部をそれぞれ仕込み、撹拌してよく混合し、SBペレットを分散させた。フラスコ内温を40℃に加温し、これに過酢酸20%の酢酸エチル溶液50重量部を連続的に滴下し、撹拌下40℃で4時間エポキシ化を行った。
反応終了後の反応液から、固形物をろ過により回収した後、脱イオン水で洗浄した。回収した固形物を減圧下で水や残存する溶媒を取り除き、エポキシ化されたSB100重量部を得た。次に、得られたエポキシ化されたSB100重量部に対しハイドロタルサイト[協和化学工業(株)製、商品名:DHT−4C]をブロック共重合体に対して10重量部添加し、ヘンシェルミキサーを用いて撹拌混合を行った後、東洋精機製作所製2軸押出機(2D25W)を用い、混練温度200℃で押出して、ペレット化した。
【0029】
(実施例4)
ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン(SIS)のブロック共重合体[シェル化学(株)製、商品名:KRATON D1107]100重量部をシクロヘキサン300重量部に溶解し、これに過酢酸の30%酢酸エチル溶液64重量部を連続的に滴下し、攪拌下40℃で3時間エポキシ化反応を行った。反応液を常温に戻し、反応液と等量の純水で3回洗浄し、エポキシ化ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン重合体(ESIS)の溶液を得た。この溶液から、実施例1と同様の方法にてハイドロタルサイト0.05重量部を添加した後、溶剤除去及び樹脂回収をした。
【0030】
(比較例1)
ハイドロタルサイトを添加していないことを除いて、実施例1と同様に行って試料を調製した。
(比較例2)
ハイドロタルサイトを0.001重量部添加した以外は、実施例2と同様に行い試料を調製した。
(比較例3)
ハイドロタルサイトを20重量部添加したことを除いて、実施例3と同様に行い試料を調製した。
(比較例4)
ハイドロタルサイトを添加していないことを除いて、実施例4と同様に行い試料を調製した。
表1に実施例及び比較例で得た試料の酸価の経時変化を、表2にエポキシ当量の経時変化を、表3にMI値の経時変化を、表4に溶融粘度の経時変化を示した。
【0031】
【表1】
Figure 0004029004
【0032】
ハイドロタルサイトを添加した系では酸価の変動が少ない。樹脂中の酸成分が吸着保持されていると思われる。なお、ハイドロタルサイトの添加量の少ない比較例2および添加していない比較例1では、樹脂中の酸成分が反応し、酸価が低下したものと思われる。
【0033】
【表2】
Figure 0004029004
【0034】
ハイドロタルサイトを0.01重量部以上添加した系ではエポキシ当量の変動が少なく、エポキシ基が安定していると考えられる。また滴定のために用意した有機溶媒(クロロホルム/クロルベンゼン=50/50重量比)へ各試料を溶解しても、不溶物は認められなかった。
【0035】
【表3】
Figure 0004029004
【0036】
ハイドロタルサイドを適正量添加した系ではMI値の低下が比較的抑えられている。添加量が20重量部の比較例においてもMI値変動は殆どみられないが、溶融樹脂中に気泡が認められた。すなわち水分による成形物の外観不良が発生することが分かった。
【0037】
【表4】
Figure 0004029004
【0038】
ハイドロタルサイトを適正量添加した系では溶融粘度の上昇が比較的抑えられており、樹脂粘度が安定していることが確認できる。
【0039】
【発明の効果】
塩基性無機物を添加することによって酸価を低減することにより、ゲル含量の少ない貯蔵安定性及び成形加工性に優れたエポキシ化有機系重合体が得られる。このようなエポキシ化有機系重合体は、ゲル生成量が少なく、熱可塑性樹脂又はゴム状重合体との組成物、アスファルト組成物、接着剤、樹脂充填剤等に特に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 有機系重合体をエポキシ化剤によりエポキシ化してエポキシ化有機系重合体を製造する際に、塩基性無機物として下記一般式(1)で示される複合化合物であるハイドロタルサイト系化合物が添加されることを特徴とするエポキシ化有機系重合体の製造方法。
    x Al y (OH) 2x+3y-2z (A) z ・aH 2 O (1)
    (式中、MはMg、Ca又はZn、AはCO 3 又はHPO 4 、x、y、z、aは正の整数である。)
  2. 塩基性無機物としてのハイドロタルサイト系化合物がエポキシ化反応後の水洗工程の終了以降の工程で添加されることを特徴とする請求項1記載のエポキシ化有機系重合体の製造方法。
  3. 有機系重合体100重量部に対して塩基性無機物としてのハイドロタルサイト系化合物が0.01〜10重量部添加されることを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ化有機系重合体の製造方法。
  4. エポキシ化剤が、過酸化水素から誘導される過カルボン酸であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエポキシ化有機系重合体の製造方法。
  5. 過カルボン酸として過酢酸を使用することを特徴とする請求項記載のエポキシ化有機系重合体の製造方法。
  6. 有機系重合体が、ジエン系単量体の重合体又はジエン系の単量体を含む2種以上の単量体からなるブロックもしくはランダム共重合体であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のエポキシ化有機系重合体の製造方法。
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