JP4028345B2 - フラットケーブル用フラット導体の設計方法及びフラットケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フラットケーブル用フラット導体の設計方法及びフラットケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気機器や自動車等の電気配線に、フラットケーブルが用いられるようになってきている。フラットケーブルは、銅やアルミニウムで形成された1条のフラット導体または平行に並設された複数条のフラット導体が、ポリエチレンテレフタレートの如きプラスチックよりなるフラット絶縁被覆で被覆された構造になっている。
【0003】
このようなフラットケーブルは、配索のスペースファクターの良さやその反発力の強さを利用して、従来の丸電線を集束したワイヤーハーネスに代わり、様々な電気機器や自動車等の内部配線に利用されている。
【0004】
なお、本発明で丸電線とは、横断面が丸形の絶縁電線をいう。
【0005】
現在、自動車配線に用いられているフラットケーブルは、補機側端子のピッチに対応した接続コネクタの構造によって、そのフラット導体の幅及び並設ピッチが標準的に定められている。
【0006】
即ち、図4に示すように、所定ピッチで平行に並設された複数条のフラット導体1がフラット絶縁被覆2で一括被覆されてフラットケーブル3が構成されている。このフラットケーブル3の先端の各フラット導体1には、図示しないがフラットケーブル接続端子がそれぞれ接続されている。これらフラットケーブル接続端子が接続された先端側で、隣接するフラット導体1の間のフラット絶縁被覆2にはスリット4が設けられている。これらスリット4の存在により、フラットケーブル3は各フラットケーブル接続端子がそれぞれフリーに動けるようになると共にコネクタハウジング5内に並設された各端子収容室6に容易にフラットケーブル接続端子を挿入して係止させることができるようになっている。
【0007】
この場合、各端子収容室6の配列ピッチpは、これらコネクタハウジング5や各フラットケーブル接続端子で構成されたコネクタ7が接続される図示しない補機の端子ピッチに対応しており、フラット導体1の並設ピッチもpに設定され、各フラット導体1の幅Wも従来使用されている端子サイズとコネクタハウジング5の各端子収容室6のサイズに対応して定められている。
【0008】
実際に使用されているフラット導体1の幅Wと並設ピッチpは、例えば、標準的に下記の表1に示すようなものがある。
【0009】
【表1】
従来、これらのフラット導体1の幅Wに対するフラット導体1の厚さの設計は、許容電流容量から、従来使用されていたサイズの銅撚り導体の丸電線の導体断面積と同等の断面積になるようなフラット導体1の厚さが設定されていた。
【0010】
例えば、7.5 Aヒューズに接続される回路には、丸電線導体の断面積が0.5 sqmmの丸電線が使用されているが、この回路にフラット導体1の幅WがW=2.5 mmのフラットケーブル3を使用する場合には、丸電線導体の断面積を基準としてフラット導体1の厚さが設定されていた。
【0011】
即ち、フラット導体1の厚さtは、
(フラット導体1の厚さt)=(丸電線導体の断面積)/(フラット導体1の幅W)
より、t=0.5 /2.5 =0.2 mmとなる。
【0012】
なお、主要な各ヒューズに対しては、従来は表2に示す導体断面積の丸電線を使用していた。
【0013】
【表2】
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者は、従来の銅撚り導体にビニル絶縁被覆を施した丸電線と同一の導体断面積の銅製のフラット導体1をポリエチレンテレフタレートフィルムのフラット絶縁被覆2で被覆したフラットケーブル3に通電して、このフラットケーブル3の温度上昇を測定したところ、同一通電電流値でフラットケーブル3の方が従来の丸電線に比べて温度上昇値が低いことを見いだした。
【0015】
これは、従来の丸電線に比べフラットケーブル3の方が空気と接する表面積が大きく通電による電線の発熱を放熱する効果が大きいためと考えられる。
【0016】
このような現象が判明すると、従来のフラット導体1の寸法設計では、無駄な設計をしていたことになり、従来よりコストダウンされた適切なフラット導体の設計が必要である。
【0017】
本発明の目的は、従来の丸電線の回路にフラットケーブルを適用する場合、または新規に回路を設計する場合、簡単な方法で、従来の丸電線のサイズに対応した経済的なフラット導体の寸法を選択したり、新規に経済的なフラット導体の寸法を選択できるフラットケーブル用フラット導体の設計方法及びフラットケーブルを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルで用いるフラットケーブル用フラット導体の設計方法を対象とする。
【0019】
本発明に係るフラットケーブル用フラット導体の設計方法では、設計の対象とするフラットケーブルに対応する丸電線の通電電流に対する温度上昇値を示す温度上昇曲線を求めておき、前記丸電線の温度上昇曲線に近い変化を示し、かつ各通電電流に対する温度上昇値が前記丸電線の温度上昇曲線から求められる丸電線の温度上昇値よりも低い値を示すフラット導体の温度上昇曲線を与えるフラット導体の断面積を求める。説明の便宜上このようにして求められた断面積を丸電線対応フラット導体断面積と呼ぶことにする。丸電線対応フラット導体断面積を求めた後、フラット導体の幅を予め定めた値としたときの該フラット導体の断面積と厚さとの関係を与える比例直線を用いて、設計の対象とするフラットケーブルのフラット導体の幅と前記丸電線対応フラット導体断面積とに対してフラット導体の厚さを求め、設計の対象とするフラットケーブルのフラット導体の厚さの設計値を、前記丸電線対応フラット導体断面積と予め定められたフラット導体の幅とから求められた厚さ以上で、設計の対象とするフラットケーブルのフラット導体の断面積を対応する丸電線の断面積に等しいとしたときに求まるフラット導体の厚さよりも小さい値に設定する。
このように、対応する丸電線の温度上昇曲線に近い変化を示し、かつ各通電電流に対する温度上昇値が前記丸電線の温度上昇曲線から求められる丸電線の温度上昇値よりも低い値を示すフラット導体の温度上昇曲線を与えるフラット導体の断面積(丸電線対応フラット導体断面積)が判れば、この断面積を有するフラット導体は、対応する丸電線と同じ通電許容電流容量を持つことになり、該丸電線対応フラット導体断面積から標準的なフラット導体幅に対する導体厚さを簡単に設定することができる。また、丸電線対応フラット導体断面積に対応した任意の導体幅と導体厚さを設定することもできる。更に、本発明の設計方法により求められるフラット導体の厚さは、従来の設計方法により求めたフラット導体の厚さより薄くなるため、フラットケーブルの薄形化やコストダウンを図ることができる。
【0020】
次に本発明は、7.5 A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルを対象とする。
【0021】
本発明に係るフラットケーブルでは、フラット導体の断面積が0.225 mm2 以上で、0.30mm2よりも小さい値に設定されている。
【0022】
上記フラット導体の断面積の上限を定める値0.30mm2は、同じヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積である。本発明によれば、7.5 A用ヒューズに接続されるフラットケーブルのフラット導体の断面積を同じ7.5 A用ヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積より小さくすることができる。
【0023】
また本発明は、10A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルを対象とする。
【0024】
本発明に係るフラットケーブルでは、フラット導体の断面積が0.390 mm2 以上で、0.50mm2よりも小さい値に設定されている。
【0025】
上記フラット導体の断面積の上限を定める値0.50mm2は、同じヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積である。本発明によれば、10 A用ヒューズに接続されるフラットケーブルのフラット導体の断面積を同じ10 A用ヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積より小さくすることができる。
【0026】
また本発明は、15A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルを対象とする。
【0027】
本発明に係るフラットケーブルでは、フラット導体の断面積が0.675 mm2 以上で、0.85mm2よりも小さい値に設定されている。
【0028】
上記フラット導体の断面積の上限を定める値0.85mm2は、同じヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積である。本発明によれば、15 A用ヒューズに接続されるフラットケーブルのフラット導体の断面積を同じ15 A用ヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積より小さくすることができる。
【0029】
また本発明は、20A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルを対象とする。
【0030】
本発明に係るフラットケーブルでは、フラット導体の断面積が0.780 mm2 以上で、1.25mm2よりも小さい値に設定されている。
【0031】
上記フラット導体の断面積の上限を定める値1.25mm2は、同じヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積である。本発明によれば、20 A用ヒューズに接続されるフラットケーブルのフラット導体の断面積を同じ20 A用ヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積より小さくすることができる。
【0032】
また本発明は、30A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルを対象とする。
【0033】
本発明に係るフラットケーブルでは、フラット導体の断面積が1.300 mm2 以上で、2.00mm2よりも小さい値に設定されている。
【0034】
上記フラット導体の断面積の上限を定める値2.00mm2は、30A用ヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積2.00mm2 に相当するものであり、本発明によれば、30A用ヒューズに接続されるフラットケーブルのフラット導体の断面積を同じ30A用ヒューズに接続されていた丸電線の導体断面積よりも小さくすることができる。
【0035】
上記のようにフラット導体の断面積が決まると、用途に応じて設定されるフラット導体の幅に対して、フラット導体の厚みが決まる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して詳細に説明する。
【0037】
一般に、抵抗R(Ω)をもつ導体に電流I(A)を流した場合の発熱量Qは、
Q=I×IR=I2 R
で表わされる。即ち、発熱量Qは、通電電流Iの2乗に比例する。
【0038】
図1は、電線に通電電流I1 ,I2 ,I3 を流した場合の温度上昇値△Tの時間に対する変化を示したものである。この図によれば、或る時間で各通電電流I1 ,I2 ,I3 に対する温度上昇値△T1 ,△T2 ,△T3 が飽和している。
【0039】
これらの通電電流I1 ,I2 ,I3 に対する温度上昇値△Tを実際の電線でプロットしたものが図2に示す温度上昇曲線である。この温度上昇曲線は、抵抗Rの異なる導体サイズ、絶縁材料、絶縁構造によって異なってくる。
【0040】
この図2では、従来の丸電線W1 (導体断面積0.3 sqmm),W2 (導体断面積0.5 sqmm),W3 (導体断面積0.85sqmm)の温度上昇曲線が描かれている。
【0041】
なお、従来の丸電線に対応するヒューズは、それぞれ丸電線W1 が7.5 A用ヒューズ、丸電線W2 が10A用ヒューズ、丸電線W3 が15A用ヒューズとなっている。
【0042】
これらの各サイズの温度上昇曲線に最も近く且つその曲線より下側(温度上昇が低く安全側)にくるフラットケーブルの導体サイズを、前述した標準的な幅で導体厚さを変えて温度上昇値を測定し、選んだフラット導体の温度上昇曲線(破線表示)がSQ1 ,SQ2 ,SQ3 である。即ち、SQ1 ,SQ2 ,SQ3 はそれぞれ、丸電線の温度上昇曲線W1、W2、W3に近い変化を示し、かつ各通電電流に対する温度上昇値が丸電線の温度上昇曲線から求められる丸電線の温度上昇値よりも低い値を示すフラット導体の温度上昇曲線である。このようにして求めたフラット導体の温度上昇曲線SQ1 ,SQ2 ,SQ3 をそれぞれ与えるフラット導体の断面積を、温度上昇曲線がW1、W2、W3となる丸電線にそれぞれ対応するフラット導体の導体断面積(丸電線対応フラット導体断面積と呼ぶ。)とする。
【0043】
これら温度上昇曲線SQ1 ,SQ2 ,SQ3 をそれぞれ与えるフラット導体の導体サイズは、表3に示す通りである。
【0044】
【表3】
これらの値から判るように、電線の温度上昇、即ち許容通電電流に対しては、フラット導体の導体サイズは同じヒューズに接続されていた対応する丸電線の導体サイズに比べて約25%程度のサイズダウンをしても同等の性能を有していると言える。例えば、0.225 /0.3 =0.75であり、フラット導体の導体サイズは従来の丸電線の導体サイズに比べて25%のサイズダウンとなっている。なお段落0014の記載から明らかなように、表3に示された丸電線は、銅撚り導体にビニル絶縁被覆を施したものであり、フラット導体は銅製である。
【0045】
図3は、本発明によるフラット導体の導体サイズ決定のための設計直線図である。まず、前述した標準的なフラット導体の導体幅が5.2 mm、2.7 mm、2.5 mm、1.5 mm、1.3 mmのフラットケーブルF1 ,F2 ,F3 ,F4 ,F5 の導体厚さと導体断面積の関係直線(比例直線)を引く。即ち、一定の導体幅に横軸の導体厚さを掛けて縦軸の導体断面積をプロットする。
【0046】
次に、先に温度上昇曲線から求めた、丸電線サイズに対応するフラット導体断面積の値(丸電線対応フラット導体断面積)、即ち、同じヒューズに接続されていた対応する丸電線の温度上昇曲線に近い変化を示し、かつ各通電電流に対する温度上昇値が丸電線の温度上昇曲線から求められる丸電線の温度上昇値よりも低い値を示すフラット導体の温度上昇曲線を与える丸電線対応フラット導体断面積(0.225 sqmm、0.375 sqmm、0.675 sqmm)で図3の横軸に沿って直線(SQ1 ,SQ2 ,SQ3 )を引く。
【0047】
同様に、先に温度上昇曲線から求めた、丸電線サイズ1.25sqmm、2.0 sqmmに対応した丸電線対応フラット導体断面積の値(1.12sqmm、1.32sqmm)で図3の横軸に沿って直線(SQ4 ,SQ5 )を引く。
【0048】
なお図2では、導体断面積が0.3 sqmm,0.5 sqmm,0.85sqmmの丸電線の温度上昇曲線W1、W2、W3とこれらの温度上昇曲線に対応するフラット導体の温度上昇曲線SQ1 ,SQ2 ,SQ3 のみが示され、導体断面積が1.25sqmm、2.0 sqmmの丸電線の温度上昇曲線及びそれらに対応するフラット導体の温度上昇曲線の図示は省略されている。
【0049】
同じヒューズに接続されていた対応する丸電線の導体サイズに対応したフラット導体の導体サイズを求めるには、フラット導体の種々の幅に対して描かれたフラット導体の断面積と厚さとの関係を示す比例直線F1ないしF5の内、選択したフラット導体の幅に対する直線と、対応する丸電線の電線サイズに相当するフラット導体の断面積を示す水平の直線との交点にあたる導体厚さ以上の厚さにフラット導体厚さを設定すれば良いことになる。
【0050】
例えば、従来、15A用ヒューズが接続された回路に0.85sqmmの導体断面積を有する丸電線で対応していた場合、この丸電線に替わって、導体幅 2.5mmのフラットケーブルF3 を使うのであれば、該フラットケーブルのフラット導体の厚みの設計値を、F3 の直線と0.85sqmm(SQ3 )の直線の交点に対応した導体厚さ0.28mm以上に設定して、フラット導体の断面積を、
2.5 ×0.28=0.7 sqmm
以上に設定すればよいことになる。
【0051】
一方、フラットケーブル製造上やコネクタの構造上の問題から標準的なフラット導体幅にない幅のフラット導体を有するフラットケーブルを使用したい場合、例えば新規のフラット導体幅として2.0 mmを使いたい場合には、図3でフラットケーブルF6 のようにその導体幅での導体厚さと導体断面積の関係を与える比例直線を引き、この直線と0.85sqmm直線との交点から、フラット導体の厚さを0.34mm以上に設定すればよいことになる。
【0052】
図示しないが、このようにして設計されたフラットケーブルは回路に設けられたヒューズが溶断する前にフラットケーブルが規定温度に達することがない特性を有する。所謂ヒューズマッチングが条件であるが、この特性については、各フラット導体サイズ毎に通電電流に対するヒューズの溶断時間、フラットケーブルの規定温度到達時間を測定して問題ないことが確認されている。
【0053】
【表4】
表4は、従来の丸電線の各導体断面積に対する本発明のフラットケーブルのフラット導体の各断面積の例及びフラット導体が対応できるヒューズの例を示したものである。
【0054】
即ち、従来の丸電線の導体断面積0.30mm2 に対応する本発明のフラットケーブルのフラット導体の断面積は0.225 mm2 以上であり、対応できるヒューズは7.5 A用ヒューズと10A用ヒューズである。
【0055】
また、従来の丸電線の導体断面積0.50mm2 に対応する本発明のフラットケーブルのフラット導体の断面積は0.390 mm2 以上であり、対応できるヒューズは7.5 A用ヒューズと10A用ヒューズと15A用ヒューズである。
【0056】
また、従来の丸電線の導体断面積0.85mm2 に対応する本発明のフラットケーブルのフラット導体の断面積は0.675 mm2 以上であり、対応できるヒューズは7.5 A用ヒューズと10A用ヒューズと15A用ヒューズと20A用ヒューズである。
【0057】
また、従来の丸電線の導体断面積1.25mm2 に対応する本発明のフラットケーブルのフラット導体の断面積は0.780 mm2 以上であり、対応できるヒューズは7.5 A用ヒューズと10A用ヒューズと15A用ヒューズと20A用ヒューズと30A用ヒューズである。
【0058】
また、従来の丸電線の導体断面積2.00mm2 に対応する本発明のフラットケーブルのフラット導体の断面積は1.300 mm2 以上であり、対応できるヒューズは7.5 A用ヒューズと10A用ヒューズと15A用ヒューズと20A用ヒューズと30A用ヒューズである。
【0059】
本発明では、設計の対象とするフラットケーブルのフラット導体のサイズを対応する丸電線の導体サイズに対してサイズダウンして経済的なフラット導体のサイズを設定することを解決すべき課題としているので、当然のことながら、フラット導体の断面積は、対応する丸電線の導体断面積よりも小さく設定される。
【0060】
このように本発明のフラット導体の断面積が定まると、この断面積は対応する従来の丸電線の導体断面積より小さくなり、断面積を減少させることができる。
【0061】
また、このように本発明のフラット導体の断面積が決まると、用途に応じてフラット導体の幅が決まれば、フラット導体の厚みが決まる。
【0062】
【発明の効果】
本発明に係るフラットケーブル用フラット導体の設計方法では、設計の対象とするフラットケーブルに対応する丸電線の通電電流に対する温度上昇値を示す温度上昇曲線に近い変化を示し、かつ各通電電流に対する温度上昇値が丸電線の温度上昇曲線から求められる丸電線の温度上昇値よりも低い値を示すフラット導体の温度上昇曲線を与えるフラット導体の断面積を求めて、この断面積からフラット導体の厚さを求めるようにしたので、フラット導体の厚さを、従来の方法により設定したフラット導体の厚さより薄くすることができ、フラットケーブルの薄形化やコストダウンを図ることができる。
【0063】
また本発明に係るフラットケーブルでは、7.5 A用ヒューズに対してフラット導体の断面積を0.225 mm2 以上、10A用ヒューズに対してフラット導体の断面積を0.390 mm2 以上、15A用ヒューズに対してフラット導体の断面積を0.675 mm2 以上、20A用ヒューズに対してフラット導体の断面積を0.780 mm2 以上、30A用ヒューズに対してフラット導体の断面積を1.300 mm2 以上とすればよいので、導体断面積が0.30mm2 、0.50mm2 、0.85mm2 、1.25mm2 、2.00mm2 の対応する丸電線よりも導体断面積が小さいフラット導体を用いて、対応する丸電線と同等の通電性能を有するフラットケーブルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 通電電流に対する導体の温度上昇特性曲線である。
【図2】 従来の丸電線及び同等の温度上昇性能を有するフラットケーブルの温度上昇曲線である。
【図3】 本発明に係るフラット導体の寸法を算出するフラット導体寸法算出図である。
【図4】 コネクタ付きフラットケーブルの一例の斜視図である。
【符号の説明】
1 フラット導体
2 フラット絶縁被覆
3 フラットケーブル
4 スリット
5 コネクタハウジング
6 端子収容室
7 コネクタ
Claims (6)
- フラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルで用いるフラットケーブル用フラット導体の設計方法において、
設計の対象とするフラットケーブルに対応する丸電線の通電電流に対する温度上昇値を示す温度上昇曲線を求めておき、
前記丸電線の温度上昇曲線に近い変化を示し、かつ各通電電流に対する温度上昇値が前記丸電線の温度上昇曲線から求められる丸電線の温度上昇値よりも低い値を示すフラット導体の温度上昇曲線を与える前記フラット導体の断面積を丸電線対応フラット導体断面積として求め、
フラット導体の幅を予め定めた値としたときの該フラット導体の断面積と厚さとの関係を与える比例直線を用いて、設計の対象とするフラットケーブルのフラット導体の幅と前記丸電線対応フラット導体断面積とに対して前記フラット導体の厚さを求め、
前記フラット導体の厚さの設計値を、前記丸電線対応フラット導体断面積と予め定められた前記フラット導体の幅とから求められた厚さ以上で、前記設計の対象とするフラットケーブルのフラット導体の断面積を前記対応する丸電線の断面積に等しいとしたときに求まるフラット導体の厚さよりも小さい値に設定することを特徴とするフラットケーブル用フラット導体の設計方法。 - 7.5 A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルであって、
前記フラット導体の断面積が0.225 mm2 以上で、0.30mm2よりも小さい値に設定されていることを特徴とするフラットケーブル。 - 10A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルであって、
前記フラット導体の断面積が0.390 mm2 以上で、0.50mm2よりも小さい値に設定されていることを特徴とするフラットケーブル。 - 15A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルであって、
前記フラット導体の断面積が0.675 mm2 以上で、0.85mm2よりも小さい値に設定されていることを特徴とするフラットケーブル。 - 20A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルであって、
前記フラット導体の断面積が0.780 mm2 以上で、1.25mm2よりも小さい値に設定されていることを特徴とするフラットケーブル。 - 30 A用ヒューズに接続される銅製のフラット導体がフラット絶縁被覆で被覆されたフラットケーブルであって、
前記フラット導体の断面積が1.300 mm2 以上で、2.00mm2よりも小さい値に設定されていることを特徴とするフラットケーブル。
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