JP4028170B2 - ペースト供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主部は柔軟な材料から形成されている容器に収容されているペーストを適宜に供給するためのペースト供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
当業者には周知の如く、歯科用シリコーンラバー印象材は、Si−H基を有するシリコーン及びビニル基を有するシリコーンを主成分とする基材ペーストとビニル基を有するシリコーン及び白金触媒を主成分とする硬化材ペーストとを練和することによって生成され、また歯科用アルギン酸系印象材は、アルギン酸を主成分とする基材ペーストと石膏を主成分とする硬化材ペーストとを練和して生成される。更にまた、その他の歯科用ポリエーテルラバー印象材、歯科用チオコールラバー印象材等も、2種類のペーストを練和して生成される。かような練和に効果的に使用し得るペースト供給装置の典型例としては、特開平8−24273号公報、特開平8−140998号公報又は特開平9−276295号公報に開示されているペースト供給装置を挙げることができる。かかるペースト供給装置はハウジングを備え、このハウジングには2個のペースト受入口が配設されていると共に、かかる2個のペースト受入口の各々に対応せしめて容器支持機構が配設されている。ハウジングには2個のペースト受入口の各々に関連せしめて吸引手段が配設されていると共に排出口を有する練和手段も配設されている。
【0003】
容器の各々は口頸部及び柔軟な材料から形成された主部から構成されている。かような容器は、通常、倒立状態、即ち口頸部を下にして主部が口頸部から上方に延びる状態にして容器支持機構に装着され、口頸部がペースト受入口に接続される。吸引手段が作動せしめられると、容器内に収容されているペーストが吸引せしめられて練和手段に流入せしめられ、練和手段において基材ペーストと硬化材ペーストとが練和され、排出口から排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
而して、従来のペースト供給装置には、(1)容器支持機構の構成が比較的複雑であり、これに起因して製造コストが比較的高価である、(2)容器支持機構に容器を装着するための操作が比較的煩雑である、或いは(3)容器の主部が特定部位において局部的に圧搾され、圧搾部位よりも上流側のペーストが口頸部に円滑に流動しなくなる傾向がある、という解決すべき問題が存在する。
【0005】
本発明は上述したとおりの事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、容器支持機構を改良して従来のペースト供給装置に存在する上記のとおりの問題を解決すること、換言すれば、容器支持機構の構成が比較的簡潔であるにもかかわらず、容器支持機構に容器を充分容易に装着することができ、容器内のペーストの実質上全部を充分円滑に排出することができる、新規且つ改良されたペースト供給装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成するペースト供給装置として、ペースト受入口と、口頸部及び柔軟な材料から形成された主部を有し且つペーストを収容した容器を支持するための容器支持機構とを備え、該容器支持機構に支持された該容器は該口頸部が該ペースト受入口に接続され該主部が該ペースト受入口から漸次離隔する離隔方向に延びるペースト供給装置において、
該容器支持機構は、第一の支持手段、第二の支持手段、ロック手段及び該第二の支持手段のための第二の弾性偏倚手段を含み、
該第一の支持手段は、該ペースト受入口に近接せしめられた第一の位置と該第一の位置から該離隔方向に所定距離だけ離隔せしめられた第二の位置との間を移動自在に装着され、且つ該容器の該口頸部を解放自在に保持するための保持手段を有し、
該第二の支持手段は、該ペースト受入口から該離隔方向に所定距離だけ離隔せしめられた第一の位置と該第一の位置から該離隔方向に更に所定距離だけ離隔せしめられた第二の位置との間を移動自在に装着され、且つ該容器の該主部の自由端部を解放自在に把持するための把持手段を有し、
該ロック手段は該第一の支持手段を該第一の位置に解除自在にロックし、
第二の弾性偏倚手段は少なくとも該第二の支持手段を該離隔方向に弾性的に偏倚し、
該容器の該口頸部を該第一の支持手段の該保持手段によって保持し、該容器の該主部の自由端部を該第二の支持手段の該把持手段によって把持して、該第一の支持手段を該第一の位置に移動せしめて該ロック手段によって該第一の位置にロックすると、該容器の該口頸部が該ペースト受入口に接続されると共に、該第一の支持手段の該第一の位置への移動に応じて該第二の支持手段は該容器を介して該離隔方向に対して反対方向に該第二の弾性偏倚手段の弾性偏倚作用に抗して移動せしめられ、
該容器に収容されているペーストが該容器から排出されるのに応じて該第二の弾性偏倚手段の弾性偏倚作用によって該第二の支持手段が該離隔方向に漸次移動せしめられて該容器の該主部が偏平化せしめられる、
ことを特徴とするペースト供給装置が提供される。
【0007】
該容器支持機構は、該第一の支持手段該離隔方向に弾性的に偏倚する第一の弾性偏倚手段を含むのが好適である。好適実施形態においては、該容器支持機構は、該第一の支持手段が該第一の位置に移動せしめられるとこれを検出する第一の検出手段と、該容器の該主部の偏平化に応じて該第二の支持手段が所定位置まで該離隔方向に移動せしめられると、該第二の支持手段を検出する第二の検出手段を含む。該第二の検出手段に代えて或いはこれに加えて、該容器の該主部内にペーストが実質上存在しなくなることによって該容器の該主部が偏平化せしめられるまでは該容器の該主部に近接乃至接触し、該容器の該主部が偏平化せしめられると該容器の該主部から離隔せしめられる、容器状態検出手段を配設することもできる。該容器の該主部が金属箔を含む場合、該容器状態検出手段は該第一の支持手段に装着された近接スイッチから構成し、該容器の該主部内にペーストが実質上存在しなくまるまでは、該近接スイッチの先端面が該口頸部近傍にて該容器の該主部に近接乃至接触するようにせしめることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従って構成されたペースト供給装置の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0009】
図1には本発明に従って構成されたペースト供給装置の好適実施形態が図示されている。全体を番号2で示す図示のペースト供給装置はハウジング4を備えている。このハウジング4は側面図において略傾斜L字形状であり、後方に向かって下方に傾斜して延びる上面6と、下方に向かって後方に傾斜して延びる前下面8と、上方に向かって後方に傾斜して延びる前面10とを有する。上面6と前面10とは相互に実質上垂直に延びている。ハウジング4の上面6には横方向に間隔をおいて2個のペースト受入口12が形成されている。かかるペースト受入口12の各々は、ハウジング4の上面6から突出した円錐台形状であり、その上端面は開口されている。ハウジング4の前面10には、上記2個のペースト受入口12に夫々対応せしめて2個の容器支持機構14が配設されている。ハウジング4の前下面8には練和手段15が配設されている。この練和手段15は略円筒形状の外側静止ケーシングとかかるケーシング内に配設された回転攪拌部材とから構成されている。ケーシングの先端は開口されていて練和されたペーストの排出口を構成している。かような練和手段15自体は、例えば特開2000−116675号公報に開示されている形態でよく、従って練和手段15自体の構成についての詳細な説明は省略する。
【0010】
本発明に従って構成されたペースト供給装置2においては、上記容器支持機構14の各々に改良が加えられている。2個の容器支持機構14の構成は実質上同一であり、それ故に以下においては一方の容器支持機構14について詳細に説明し、他方の容器支持機構14については重複を避けるために説明を省略する。図1と共に図2及び図3を参照して説明を続けると、容器支持機構14は第一の支持手段16と第二の支持手段18とを含んでいる。図2(図2においてはハウジング4の前面壁を省略している)及び図3に図示する如く、ハウジング4内には、前面10に沿って直線状に延在する支持レール20が固定されている。第一の支持手段16は二点鎖線で示す第一の位置と実線で示す第二の位置との間を支持レール20に沿って移動自在に支持レール20に装着されている。第二の支持手段18も二点鎖線で示す第一の位置と実線で示す第二の位置との間を支持レール20に沿って移動自在に支持レール20に装着されている。
【0011】
図1乃至図3を参照して詳述すると、第一の支持手段16は平板形状である基板22を有し、かかる基板22が適宜の装着機構(例えば商品名「アキュライド」として市販されている装着機構)を介して支持レール20に沿って上記第一の位置と上記第二の位置との間を移動自在に支持レール20に装着されている。基板22には中間部材24が固定されており、この中間部材24は幅方向中央に位置するチャンネル形状部26とその両側に位置する平板部28とを有する。中間部材24のチャンネル形状部26は平板部28の下端縁を越えて下方に延出せしめられている。中間部材24のチャンネル形状部26上にはブロック30(図3)を介して主部材32が固定されている。ハウジング4の前面壁には支持レール20に沿って延びる細長い第一の開口34(図3)が形成されており、ブロック30は第一の開口34内に位置せしめられている。第一の支持部材16が上記第一の位置と上記第二の位置との間を移動せしめられる際にはブロック30が第一の開口34内を移動せしめられる。ハウジング4の外側に配置されている主部材32は略L字形状であり、ハウジング4の前面に沿って延びる連結部36とこの連結部36の下端から前方に延出する保持部38とを有する。主部材32の連結部36が締結ねじでよい締結手段によってブロック30を介して中間部材24のチャンネル形状部26に連結されている。主部材32の保持部38は矩形状の切欠40を有し、後の説明から明らかになる如く容器の口頸部を解放自在に保持する保持手段を構成する。図2と共に図1を参照することによって理解される如く、第一の支持手段16が上記第一の位置に位置せしめられると、第一の支持手段16、特にその主部材32の保持部38は上記ペースト受入口12に近接して位置する。第一の支持手段16が支持レール20に沿って上記第二の位置に移動せしめられると、第一の支持手段16は上記ペースト受入口12から所定距離だけ離隔せしめられる。
【0012】
第二の支持手段18も平板形状である基板42を有し、かかる基板42が適宜の装着機構を介して支持レール20に沿って上記第一の位置と上記第二の位置との間を移動自在に支持レール20に装着されている。基板42上には略平板形状の補助基板43が固定され、そしてこの補助基板43上に中間部材44が固定されている。中間部材44は幅方向中央に位置するチャンネル形状部46とその両側に位置する平板部48とを有する。中間部材44のチャンネル形状部46の突出高さは、上記第一の支持手段16における中間部材24のチャンエンル形状部26の突出高さよりも幾分大きい。ハウジング4の前面壁には支持レール20に沿って延びる第二の開口50(図3)も形成されており、中間部材44のチャンネル形状部46は第二の開口50を通って前方に突出せしめられている。第二の支持手段18が上記第一の位置と第二の位置との間を移動せしめられる際には、中間部材44のチャンネル形状部46が第二の開口50内を移動せしめられる。中間部材44のチャンネル形状部46上には、比較的柔軟な合成樹脂から形成されているのが好適である主部材52が固定されている。この主部材52は中間部材44のチャンネル形状部46から幅方向両側に延出し、次いで前方に突出し、しかる後に幅方向内側に延びる一対の支持アーム54を有する。後の説明から明確に理解される如く、一対のアーム54は容器の主部の下端部を把持する把持手段を構成する。主部材52の幅方向中央部上には補強部材56が固定されている。この補強部材56はハウジング4の前面壁と平行に延びる主部と上方に向かって前方に傾斜して延びる上端部とを有する。補強部材56の主部及び主部材52の幅方向中央部を通して中間部材44のチャンネル形状部46に締結ねじを締結することによって、中間部材44のチャンネル形状部46に主部材52及び補強部材56が固定されている。
【0013】
図2及び図3に明確に図示する如く、第一の支持手段16における中間部材24の平板部28の片側下端には後方に突出する突起58が形成されており、かかる突起58とハウジング4内の所定位置に固定されたピン60との間には引張コイルばねでよい弾性偏倚手段62が張設されている。第一の支持手段16のための第一の弾性偏倚手段を構成する弾性偏倚手段62は第一の支持手段16を上方、即ちペースト受入口12から離隔する方向、に弾性的に偏倚する。同様に、第二の支持手段18における補助基板43の片側下端には後方に突出する突起64が形成されており、かかる突起64とハウジング4内の所定位置に固定されたピン66との間には引張コイルばねでよい弾性偏倚手段68が張設されている。第二の支持手段18のための第二の弾性偏倚手段を構成する弾性偏倚手段68は第二の支持手段18を上方、即ちペースト受入口12から離隔する方向、に弾性的に偏倚する。
【0014】
第一の支持手段16に関連せしめて、ハウジング4内の所定位置にはマイクロスイッチでよい第一の検出手段70(図3)が配設されている。第一の支持手段16が図2及び図3に二点鎖線で示す第一の位置に位置付けられると、中間部材24の平板部28の他側下端に形成されている被検出突起(図示していない)を第一の検出手段70が検出する。同様に、第二の支持手段18に関連せしめて、ハウジング4内の所定位置にはマイクロスイッチでよい第二の検出手段72(図3)が配設されている。第二の支持手段18が図2及び図3に二点鎖線で示す第一の位置から上方に移動せしめられて図2及び図3に実線で示す第二の位置に近接せしめられると、中間部材44の平板部48の他側下端に形成されている被検出突起(図示していない)を第二の検出手段72が検出する。
【0015】
図示の実施形態においては、第一の支持手段16が図2及び図3に二点鎖線で示す第一の位置にせしめられると、第一の支持手段16を第一の位置にロックするためのロック手段が配設されている。図2及び図3と共に図4を参照して説明すると、第一の支持手段16における中間部材24のチャンネル形状部26の片側壁下部には、ロック開口74が形成されている。このロック開口74は、上端に位置する円形部76とかかる円形部76から下方に延びる細長いスリット部78とを有する。スリット部78の幅は円形部76の直径よりも幾分小さい。一方、ハウジング4内の所定位置にはブラケット80が固定されている。このブラケット80は所定間隔をおいて平行に配設されている一対の直立壁82及び84を有する。一対の直立壁82及び84には相互に整合せしめられている円形孔86及び88が形成されており、かかる孔86及び88にはロックピン90が軸線方向に移動自在に装着されている。ロックピン90の片端部にはこれを直径方向に貫通して延びる止めピン92が固定されている。止めピン92と直立壁84との間にてロックピン90には圧縮コイルばね94が被嵌されており、この圧縮コイルばね94はロックピン90を図4において右方に弾性的に偏倚する。直立壁82を越えて突出するロックピン90の他端部には小径部96が形成されている。ロックピン90の小径部96の直径は上記ロック開口74のスリット部78の幅に対応せしめられ、ロックピン90の内側端部98(図4において小径部96よりも左側の部分)を含むその他の部分の直径はロック開口74の円形部76の直径に対応せしめられている。図4に図示する如く、ハウジング4の片側壁100には円形開口102が形成され、片側壁100の内面には片側壁100に対応してこれと平行に延びる主壁104を有する補助部材103が固定されている。補助部材103の主壁104には円形開口106が形成されている。円形開口106の内径は円形開口102の内径よりも幾分小さい。円形開口102と円形開口106とは相互に整合せしめられており、これらの円形開口102及び106には手動操作部材108が配置されている。手動操作部材108は小径部110、大径部112及び中径部114を有する。小径部110の外径は円形開口106の内径よりも小さく、大径部112の外径は円形開口102の内径よりも大きく、中径部114の外径は円形開口102の内径よりも小さい。補助部材103の主壁104と手動操作部材108の大径部112との間にて、手動操作部材108の小径部110には圧縮コイルばね116が被嵌されている。この圧縮コイルばね116は手動操作部材108を図4において右方に弾性的に偏倚する。
【0016】
上記ロック開口74及び上記ロックピン90を含むロック手段の作用は次のとおりである。第一の支持手段16が図2及び図3に実線で示す第二の位置に位置せしめられている時には、ロックピン90の小径部110がロック開口74のスリット部78内に位置せしめられており、ロックピン90の内側端部98は中間部材24の片側壁の内側に位置せしめられている。従って、ロックピン90はその内側端部98が中間部材24の片側壁に拘束され、圧縮コイルばね94の弾性偏倚作用に抗して図4に実線で示す非ロック位置に保持されている。手動操作部材108は圧縮コイルばね116の弾性偏倚作用によって図4に実線で示す位置、即ちその大径部112がハウジング4の片側壁100に当接する位置に保持されている。第一の支持手段16が図2及び図3に二点鎖線で示す第一の位置まで下降せしめられると、ロック開口74の円形部76がロックピン90と整合せしめられ、従って圧縮コイルばね94の弾性偏倚作用によってロックピン90が図4において右方に移動せしめられて、ロックピン90の内側端部98がロック開口74の円形部76内に引き込まれ、ロックピン90は図4に二点鎖線で示す位置、即ち止めピン92がブラケット80の直立壁82に当接する位置、にせしめられる。かくすると、ロックピン90の内側端部98の直径はロック開口74のスリット部78の幅より大きい故に、ロックピン98によって第一の支持手段16の中間部材24の上昇が阻止され、第一の支持手段16は図2及び図3に二点鎖線で示す第一の位置にロックされる。ハウジング4の外側から手動操作部材108に指を掛けて図4に二点鎖線で示す位置まで内側に移動せしめると、手動操作部材108の内側端がロックピン90の外側端に作用し、ロックピン90は図4に実線で示す位置まで移動せしめられ、ロックピン98の小径部110がロック開口74内に位置せしめられ、従って第一の支持手段16に配設されている上記弾性偏倚手段62の作用によって第一の支持手段16は図2及び図3に実線で示す第二の位置まで上昇せしめられ、この際にはロック開口74のスリット部78に対してロックピン90の小径部110が相対的に移動せしめられる。手動操作部材108から指を離すと、手動操作部材108は圧縮コイルばね116の作用によって図4に実線で示す位置に戻される。
【0017】
図5は、図1乃至図4を参照して説明したペースト供給装置2に使用される容器118を図示している。この容器118は口頸部120と主部122とから構成されている。口頸部120はポリプロピレン又はポリエチレンの如き適宜の合成樹脂から成形されており、比較的剛性である。口頸部120は先端が開口された円筒形状であり、その上半部外周面には雄螺条124が形成されている。口頸部120の下半部外周面には、軸線方向に間隔をおいて3枚のフランジ126、128及び130が形成されている。フランジ126、128及び130の各々はその両側に略台形状である突出部を有する。主部122は柔軟な材料、例えばアルミニウム箔の如き金属箔と合成樹脂フィルムとを積層せしめたシート材から形成されており、表面壁132、裏面壁134及び両側面壁136を有する。上端縁においては、幅方向中央部及び幅方向両側部において表面壁132と裏面壁134とが接着せしめられていると共に、両側面壁136も長手方向中心線に沿って折り畳まれて相互に接着されている。また、下端縁においても、幅方向中央部及び幅方向両側部において表面壁132と裏面壁134とが相互の接着せしめられていると共に、両側面壁136も長手方向中心線に沿って折り畳まれて両端部にて相互に接着されている。主部122内にはペースト(歯科用印象材の基材ペースト又は硬化材ペースト)が収容されている。そして、口頸部120には蓋138が装着され、これによって口頸部120が密封される。蓋138は円形天面壁とこの天面壁の周縁から垂下する円筒状スカート壁を有し、スカート壁の内周面には雌螺条が形成されている周知の形態のものでよい。
【0018】
次に、容器支持機構14に対する容器118の装着様式を説明する。容器118を装着していない状態においては、容器支持機構14の第一の支持手段16は弾性偏倚手段62の作用によって図1乃至図3に実線で示す第二の位置に位置せしめられており、第二の支持手段18は弾性偏倚手段68の作用によって図1乃至図3に実線で示す第二の位置に位置せしめられている。容器支持機構14がかような状態にある時に、容器118を倒立状態、即ちその口頸部120が下方に向く状態にせしめて、容器118の主部122の下端縁両側、即ち両側面壁136の相互の接着された両端部、の各々を第二の支持手段18における主部材52の一対の支持アーム54の先端部に被嵌する。かくすと、容器118の主部122の下端部即ち自由端部が第二の支持手段18に懸架され、容器118の下端部が第二の支持手段18に解放自在に保持される。その後に或いはその前に、容器118の口頸部120を第一の支持手段16における主部材32の切欠40内に挿入し、主部材32の保持部38をフランジ126とフランジ128間に位置せしめ、かくして口頸部120が第一の支持手段16に解放自在に保持されるようにせしめる。かような操作によって、図2に二点鎖線で示す如く、第二の位置にある第一の支持手段16と第二の位置にある第二の支持手段18との間に容器118が倒立状態で支持される。しかる後に、容器118の口頸部120から蓋138を離脱せしめる。次いで、第一の支持手段16を下降せしめて図2及び図3に二点鎖線で示し図6に実線で示す第一の位置に下降せしめる。かくすると、容器118の口頸部120の先端部がペースト受入口12内に挿入される。そして、ロック開口74とロックピン90とを含むロック手段によって第一の支持手段16が第一の位置にロックされる。第一の支持手段16を第一の位置まで下降せしめると、容器118を介して第二の支持手段18が下方に引っ張られ、第二の支持手段18も図2及び図3に二点鎖線で示し図6に実線で示す第一の位置に下降せしめられる。更に、第一の支持手段16が第一の位置まで下降せしめられると、第一の検出手段70がこれを検出し、例えばハウジング4に配設されている2個の表示灯138の一方を消灯せしめて容器118が所要とおり装着されていることを表示する。
【0019】
図示のペースト供給装置2においては、2個の容器支持機構14の一方に基材ペーストを収容した容器118が装着され、他方に硬化材ペーストを収容した容器118が装着される。双方の容器支持機構14に容器118が装着されると、2個の表示灯138の双方が消灯される。歯科用印象材を使用する際には、ハウジング4に配設されている排出スイッチ140を押圧する。かくすると、ハウジング4内に配設されている吸引手段(図示していない)の作用によって、一方のペースト受入口12を通して一方の容器118から基材ペーストが吸引され、他方のペースト受入口12を通して他方の容器118から硬化材ペーストが吸引され、これらのペーストが練和手段15に送給されて練和され、しかる後に練和手段15の先端から排出される。
【0020】
容器118の主部122の下端が把持されている第二の支持手段18は弾性偏倚手段68によって上方に弾性的に偏倚されている故に、容器118内のペーストが消費されるに従って容器118の主部122は偏平化されてその全長が漸次増大せしめられ、これに応じて第二の支持手段18は漸次上昇せしめられる。かように容器118の主部122に収容されているペーストの消費に応じて主部122が全体に渡って偏平化される故に、主部122の特定部位のみが局部的に圧搾されてしまうことが充分確実に回避され、従って充分円滑に容器118からペーストを排出し続けることができる。容器118内から実質上全てのペーストが排出せしめられ、図6に二点鎖線で示す如く容器118が充分に偏平化され第二の支持手段18が所定位置まで上昇せしめられると、第二の検出手段72がこれを検出し、例えば2個の表示灯138の一方が点灯せしめられ、一方の容器118を交換することが必要であることが表示される。2個の表示灯138の一方を点灯せしめることに代えて、ペースト供給装置の作動自体を停止せしめることもできる。かような場合には、手動操作部材108を押圧して第一の支持手段16のロックを解除する。かくすると、弾性偏倚手段62の作用によって第一の支持手段16も上昇せしめられ、第一の支持手段16と第二の支持手段18との双方が第二の位置に戻される。しかる後に、第一の支持手段16から容器118の口頸部120を離脱せしめると共に第二の支持手段18から容器118の主部122の片端部を離脱せしめ、容器支持機構14から容器118を離脱せしめる。そして、上述したとおりの装着様式によって新しい容器118を容器支持機構14に装着する。
【0021】
上述した実施形態においては、容器118の主部122の偏平化によって第二の支持手段18が所定位置まで上昇せしめられると、第二の検出手段72が第二の支持手段18を検出し、これによって容器118から実質上全てのペーストが排出されたことを検出しているが、これに代えて或いはこれに加えて容器118の主部122の状態を直接的に検出して容器118から実質上全てのペーストが排出されたことを検出することもできる。図7及び図8は容器状態検出手段の好適実施形態を図示している。図示の容器状態検出手段140は、第一の支持手段16における主部材32の連結部36上に締結ねじの如き適宜の手段(図示していない)によって固定されたケース142を含んでいる。適宜の合成樹脂から形成することができるケース142は全体として凸形状であり、その中央突出端部の内面には凹部144が形成されており、その中央突出端部は薄肉にせしめられている。ケース142内には近接スイッチ146が配設されており、かかる近接スイッチ146の先端部はケース142の中央突出端部に形成されている凹部144内に位置せしめられている。図8に実線で示す如く、ケース142は、口頸部120の近傍にて容器118の主部122を押圧してかかる部分を局部的に没入せしめる。従って、容器118の主部122にペーストが存在しているが故に主部122が充分に偏平化されていない時には、近接スイッチ146の先端面が金属箔を含む主部122に近接し、近接スイッチ146が容器118の主部122を検出している。しかしながら、図8に二点鎖線で示す如く、容器118内から実質上全てのペーストが排出され、主部122が充分に偏平化せしめられると、主部122が近接スイッチ146から離隔し、従って近接スイッチ146は容器118の主部122を検出しなくなる。近接スイッチ146が容器118の主部122を検出しなくなると、2個の表示灯138(図6)の一方を点灯せしめ或いはペースト供給装置の作動自体を停止せしめて、一方の容器118を交換することが必要であることを表示することができる。所望ならば、ケース142の中央突出端部に開口を形成し、近接スイッチ146の先端部をかかる開口内に位置せしめ或いはかかる開口を通して前方に突出せしめ、容器118の主部122にペーストが存在しているが故に主部122が充分に偏平化されていない時には、近接スイッチ146の先端面が容器118の主部122に接触するようにせしめることもできる。
【0022】
【発明の効果】
本発明のペースト供給装置においては、容器支持機構の構成が比較的簡潔であるにもかかわらず、容器支持機構に容器を充分容易に装着することができ、また容器内のペーストの実質上全部を充分円滑に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って構成されたペースト供給装置の好適実施形態を示す斜面図。
【図2】図1のペースト供給装置における容器支持機構を示す部分斜面図。
【図3】図1のペースト供給装置にける容器支持機構を示す断面図。
【図4】図2及び図3に示す容器支持機構における第一の支持手段を第一の位置にロックするためのロック手段を示す部分断面図。
【図5】図1のペースト供給装置に使用される容器を示す斜面図。
【図6】図1のペースト供給装置に図5の容器を装着した状態を示す斜面図。
【図7】容器状態検出手段を示す部分斜面図。
【図8】図7の容器状態検出手段と容器との関係を示す部分断面図。
【符号の説明】
2:ペースト供給装置
4:ハウジング
14:容器支持機構
16:第一の支持手段
18:第二の支持手段
38:保持部(保持手段)
54:把持手段
62:弾性偏倚手段
68:弾性偏倚手段
70:第一の検出手段
72:第二の検出手段
74:ロック開口(ロック手段)
90:ロックピン(ロック手段)
118:容器
120:容器の口頸部
122:容器の主部
140:容器状態検出手段
146:近接スイッチ

Claims (6)

  1. ペースト受入口と、口頸部及び柔軟な材料から形成された主部を有し且つペーストを収容した容器を支持するための容器支持機構とを備え、該容器支持機構に支持された該容器は該口頸部が該ペースト受入口に接続され該主部が該ペースト受入口から漸次離隔する離隔方向に延びるペースト供給装置において、
    該容器支持機構は、第一の支持手段、第二の支持手段、ロック手段及び該第二の支持手段のための第二の弾性偏倚手段を含み、
    該第一の支持手段は、該ペースト受入口に近接せしめられた第一の位置と該第一の位置から該離隔方向に所定距離だけ離隔せしめられた第二の位置との間を移動自在に装着され、且つ該容器の該口頸部を解放自在に保持するための保持手段を有し、
    該第二の支持手段は、該ペースト受入口から該離隔方向に所定距離だけ離隔せしめられた第一の位置と該第一の位置から該離隔方向に更に所定距離だけ離隔せしめられた第二の位置との間を移動自在に装着され、且つ該容器の該主部の自由端部を解放自在に把持するための把持手段を有し、
    該ロック手段は該第一の支持手段を該第一の位置に解除自在にロックし、
    第二の弾性偏倚手段は少なくとも該第二の支持手段を該離隔方向に弾性的に偏倚し、
    該容器の該口頸部を該第一の支持手段の該保持手段によって保持し、該容器の該主部の自由端部を該第二の支持手段の該把持手段によって把持して、該第一の支持手段を該第一の位置に移動せしめて該ロック手段によって該第一の位置にロックすると、該容器の該口頸部が該ペースト受入口に接続されると共に、該第一の支持手段の該第一の位置への移動に応じて該第二の支持手段は該容器を介して該離隔方向に対して反対方向に該第二の弾性偏倚手段の弾性偏倚作用に抗して移動せしめられ、
    該容器に収容されているペーストが該容器から排出されるのに応じて該第二の弾性偏倚手段の弾性偏倚作用によって該第二の支持手段が該離隔方向に漸次移動せしめられて該容器の該主部が偏平化せしめられる、
    ことを特徴とするペースト供給装置。
  2. 該容器支持機構は、該第一の支持手段該離隔方向に弾性的に偏倚する第一の弾性偏倚手段を含む、請求項1記載のペースト供給装置。
  3. 該容器支持機構は、該第一の支持手段が該第一の位置に移動せしめられるとこれを検出する第一の検出手段を含む、請求項1又は2記載のペースト供給装置。
  4. 該容器支持機構は、該容器の該主部の偏平化に応じて該第二の支持手段が所定位置まで該離隔方向に移動せしめられると、該第二の支持手段を検出する第二の検出手段を含む、請求項1から3までのいずれかに記載のペースト供給装置。
  5. 該容器の該主部内にペーストが実質上存在しなくなることによって該容器の該主部が偏平化せしめられるまでは該容器の該主部に近接乃至接触し、該容器の該主部が偏平化せしめられると該容器の該主部から離隔せしめられる、容器状態検出手段が配設されている、請求項1から3までのいずれかに記載のペースト供給装置。
  6. 該容器の該主部は金属箔を含み、該容器状態検出手段は該第一の支持手段に装着された近接スイッチから構成され、該容器の該主部内にペーストが実質上存在しなくまるまでは、該近接スイッチの先端面が該口頸部近傍にて該容器の該主部に近接乃至接触する、請求項5記載のペースト供給装置。
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