JP4027200B2 - ホイール構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホイールの生産性を高め、また、ディスク部の設計自由度を増し、更に、不整地走行用車両におけるホイールのセンタリング精度を高めるとともにそのホイールのコストを抑えるためのホイール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホイール構造としては、(1)ディスク部の側面にリム部を取付けた2ピースホイール(特許文献1参照。)、(2)リム部を2分割したホイール(例えば、特許文献2参照。)、(3)リム部の内側にディスク部を取付けた2ピースホイール(特許文献3参照。)、(4)3ピース構造としたホイールが知られている。
【0003】
【特許文献1】
実開昭62−71003号公報(第7−8頁、第2図)
【特許文献2】
特開平9−20103号公報(第3頁、図1)
【特許文献3】
実公平3−55441号公報(第2頁、第2図)
【0004】
特許文献1の第2図を以下の図11で説明する。なお、符号は振り直した。
図11は従来のホイール構造(従来例1)の断面図であり、ディスク部201を設けたリム半体202と、同じくディスク部203を設けたリム半体204とをディスク部201及びディスク部203の外周同士で溶接したホイール構造を示す。205は溶接部である。
【0005】
特許文献2の図1を以下の図12で説明する。なお、符号は振り直した。
図12は従来のホイール構造(従来例2)の断面図であり、ディスク211の側面にリム212を溶接したことを示す。213は溶接部である。
【0006】
特許文献3の第2図を以下の図13で説明する。なお、符号は振り直した。
図13は従来のホイール構造(従来例3)の断面図であり、リムのドロップ部221に段部222を設け、この段部222にディスク部223を取付け、このディスク部223に、車体側のハブに取付けるための複数の取付孔224を開けた小径幅広ホイールが記載されている。
【0007】
上記(4)を以下の図14で説明する。
図14は従来のホイール構造(従来例4)を説明する断面図であり、ホイール231は、インナホイール232と、アウタホイール233と、これらのインナホイール232及びアウタホイール233の間に介在させたセンタディスク234と、これらの3部品を結合するとともにハブ235側への取付部を兼ねる複数の結合部材236とからなる。
【0008】
結合部材236は、ハブ235側のボルト237にねじ結合させるナット238を受けるナット座を設けたものであり、この結合部材236によってハブ235に対するホイール231のセンタリングを行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図11において、リム半体202,204のそれぞれのディスク部201,203は平面状であるが、これらのディスク部201,203に凹凸や飾り穴を設ける場合には、ディスク部201,203の形状を精度よく形成しないと、ディスク部201,203同士を合わせることが難しくなる。従って、ディスク部201,203の形状は単純なものに成らざるを得ない。これでは、ディスク部201,203の設計の自由度が少なくなる。
【0010】
図12において、ディスク211はプレス成形で製造し、リム212はロール成形で成形する。これらのディスク211及びリム212を同じ成形方法、例えば、プレス成形で成形できれば、同一の加工機、同一のラインで製造でき、生産性を向上できる。
【0011】
図13において、ホイールをハブ側に取付ける場合に、ハブ側のボルトに嵌める取付孔224の精度を高めないと、ハブに対するホイールのセンタリングの精度を高めることが難しく、また、取付孔224の精度を高めると、コストアップとなる。
【0012】
図14において、結合部材236をホイール231の他の部品と別部材としているため、部品数が多くなるとともにホイール231が3ピース構造であることによって組立工数が多くなり、コストアップを招く。
【0013】
そこで、本発明の目的は、ホイール構造を改良することで、ホイールの生産性を高め、また、ディスク部の設計自由度を増し、更に、ホイールのセンタリング精度を高めるとともにホイールのコストを抑えることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、車体側のハブに取付けるディスク部と、このディスク部の外周に設けた環状のリム部とからなるホイール構造において、ディスク部に、外周が折曲げられた折曲げ部を備え、リム部をディスク部とは別体にするとともに、ディスク部よりも車体外方に配置する外側リムと、この外側リムとは別体とし且つ外側リムよりも車体内方に配置する内側リムとから構成し、折曲げ部に外側リム及び内側リムを圧入し、外側リムと内側リムとの間に設けられた隙間を介して折曲げ部に外側リム及び内側リムを溶接し、これらの外側リム及び内側リムをディスク部の外周に同一箇所で取付けたことを特徴とする。
【0015】
リム部を外側リムと内側リムとから構成したことで、従来、一体構造のリムをロール成形していたのに比べて、本発明では、外側リム及び内側リムをプレス成形することができ、また、ディスク部もプレス成形であるために、ホイールの生産性及び品質を高めることができる。しかも、ディスク部が別体であるから、ディスク部の設計自由度を高めることができる。
【0016】
また、ディスク部の折曲げ部に外側リム及び内側リムを嵌めてディスク部に外側リムと内側リムとを共に溶接すれば、ディスク部に外側リム及び内側リムを安定に仮止めすることができ、安定して溶接を行うことができ、ホイールの品質を高めることができる。
【0017】
請求項2は、ディスク部を1枚の平板で構成し、このディスク部にハブに取付けるためのボルトを挿入するボルト挿通穴を開けるとともに、このボルト挿通穴の周囲に、ボルトにねじ込むナットの座となる球面座を形成したことを特徴とする。
【0018】
球面座であるから、その加工硬化層を容易に形成することができ、不整地走行用車両に装着する幅広のホイールのようにナットに大きな締付け力を必要とするものでは球面座の摩耗を抑えることができる。
【0019】
また、ディスク部は平板であるから、球面座の加工精度をより高めることができ、車体側にホイールを取付ける場合のホイールのセンタリング精度をより高めることができ、ディスク部への球面座の加工性も良好となる。
【0020】
更に、平板状のディスク部の場合には、ディスク部のプレス成形型の形状を簡素にすることができ、また更に、ディスク部が1枚であるからホイールの構造が単純になり、ホイールのコストを抑えることができる。
【0021】
請求項3は、ディスク部の板厚をリム部の板厚よりも大きくしたことを特徴とする。
ディスク部の板厚をリム部の板厚よりも大きくすることで、ディスク部に外側リム及び内側リムを溶接した場合に、折曲げ部の内周面に溶接の影響を残すことがない。
【0022】
請求項4は、折曲げ部の端面と外周面との角部を落として面取りを設けたことを特徴とする。
折曲げ部の端面と外周面との角部がリム部に当たって応力が集中するのを防止する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るホイール構造(第1の実施の形態)を採用した車両の斜視図であり、車両10は、左右の前輪11,12及び左右の後輪13,14(奥側の後輪14は不図示)を、それぞれ車体フレーム15に上下動可能に取付けた図示せぬサスペンションアームで支持し、これらの前輪11,12をフロント減速装置17を介して車体のほぼ中央のパワーユニット18に連結し、また、後輪13,14をリヤ減速装置21を介してパワーユニット18に連結した不整地走行用車両である。
パワーユニット18は、エンジン22と、このエンジン22の出力軸に連結した変速機23とからなる。
【0024】
ここで、26は前輪11,12を繰舵するハンドル、27はヘッドランプ、28は燃料タンク、31はシート、32は車体前面を保護するフロントガード、33はフロント側のサスペンション及び動力伝達系を保護するフロントアンダカバー、34,34(奥側の符号34は不図示)は前輪11,12の上方及び後方を覆うフロントフェンダ、35,35(奥側の符号35は不図示)は運転者が足を載せるステップ、36は荷物を載せるリヤキャリア、37,37(奥側の符号37は不図示)は後輪13,14の前方及び上方を覆うリヤフェンダである。
【0025】
図2は本発明に係る車両のホイールを説明する断面図(第1の実施の形態)であり、前輪11,12(前輪12については図1参照)を構成するアルミニウム合金製のホイール110をディスク部111及びこのディスク部111の外周に取付けたリム部112から構成したことを示す。なお、114はフロント減速装置17(図1参照)に図示せぬドライブシャフトを介して連結したハブ、115はハブ114に複数取付けたボルト、116はボルト115にねじ結合することでハブ114にホイール110を取付けるためのホイールナットである。
【0026】
ディスク部111は、1枚の平板状としたものであり、このディスク部111に、上記のボルト115を挿入するボルト挿通穴118(複数であるが1個のみ示す。)を開けるとともに、このボルト挿通穴118の周囲に上記のホイールナット116の座となる球面座121を形成する。
【0027】
リム部112は、ほぼ中央部に設けたリムドロップ部124と、このリムドロップ部124の両側に設けたテーパ部125,126と、これらのテーパ部125,126の端部に盛り上げ成形したハンプ部127,128と、前輪11を構成するタイヤ131のビード部132,133の内周側を保持するためにハンプ部127,128の外側に形成したビードシート部135,136と、これらのビードシート部135,136の端をカールすることでタイヤ131のビード部132,133の外側面を保持するカール部137,138とからなる。
【0028】
リムドロップ部124は、タイヤ131を脱着するときにタイヤ131のビード部132,133を落とし込ませる部分である。
ハンプ部127,128は、タイヤ131がビードシート部135,136から外れるのを防ぐ環状の凸部である。
上記したホイール110の構造は、後輪13,14(図1参照)に採用してもよい。
【0029】
図3は図2のA部拡大図であり、ホイール110のボルト挿通穴118の周縁部に凹状の球面とした球面座121を形成し、この球面座121にホイールナット116に設けた凸状の球面部141を当てたことを示す。
上記の球面座121によって、ハブ114に対するホイール110の位置決め、即ちセンタリングを精度よく行うことができる。
【0030】
図4は本発明に係る車両のホイールの正面図(第1の実施の形態)であり、十字形状のハブ114の端部にそれぞれボルト115…(…は複数個を示す。以下同じ。)を取付け、これらのボルト115…にホイール110のボルト挿通穴118(図3参照)をそれぞれ嵌め、ボルト115…にホイールナット116…をねじ込むことで、ハブ114にホイール110を取付けたことを示す。なお、143はホイール110の中央部の開口部、144はタイヤ131(図2参照)用のバルブ取付穴である。
【0031】
図5(a)〜(c)は本発明に係る車両のホイールにおける球面座の成形要領を説明する作用図(第1の実施の形態)である。
(a)において、ダイ146を用いてディスク部111にボルト挿通穴118を開けた後、ボルト挿通穴118側に、球面147を有するパンチ148を移動させ、(b)に示すように、ボルト挿通穴118の縁部にパンチ148で押付ける。
【0032】
(c)において、ディスク部111からダイ146及びパンチ148を離す。
これにより、ボルト挿通穴118の縁部には、加工硬化層151を有する球面座121が形成される。
【0033】
図6は本発明に係る車両のホイール構造(第2の実施の形態)を示す要部断面図であり、ホイール155のディスク部156に複数のボルト挿通穴157を開け、これらのボルト挿通穴157の周縁部にテーパ形状としたテーパ座158を形成し、このテーパ座158にホイールナット161に形成したテーパ部162を当てたことを示す。なお、図2及び図3に示した構成と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
【0034】
上記のようにテーパ座158を形成したことで、その形成が容易であるために、加工コストを抑えることができる。また、テーパ座158によって、車体側へホイール155を取付けたときのセンタリング精度を高めることができる。
【0035】
図7は本発明にホイール構造(第3の実施の形態)を示す正面図であり、図1〜図6に示した実施の形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
アルミニウム合金製のホイール170は、ディスク部171と、このディスク部171の外周部に取付けたリム部172とからなる。
ディスク部171は、1枚の板材からプレス成形した部材であり、図2に示したハブ114にボルト115…及びホイールナット116…で取付けるための図7に示したボルト挿通穴118…と、中央に開けたセンタ穴173と、飾りのための飾り穴174…,175…とを備える。
リム部172は、バルブ取付穴144を備える。
【0036】
図8は図7の8−8線断面図であり、ディスク部171は、ボルト挿通穴118の周囲にホイールナット116(図2参照)の座となる球面座121を形成し、外周を折曲げて筒状の折曲げ部177を形成した部材である。
【0037】
177aは、折曲げ部177の端部、詳しくは折曲げ部177の端面177bと外周面177cとの角部を落として設けた面取りであり、その角部がリム部172に当たって応力が集中するのを防止するために設けたものである。
【0038】
リム部172は、外側リム178と、この外側リム178の内側に設けた内側リム181とに2分割した部材である。
180は、ディスク部171に外側リム178の端部と内側リム181の端部とを溶接した溶接部である。
【0039】
外側リム178は、プレス成形により成形した部材であり、端部に設けたリムドロップ部183と、このリムドロップ部183に隣接させたテーパ部184と、このテーパ部184の端部に盛り上げ成形したハンプ部185と、タイヤ131(図2参照)のビード部133(図2参照)の内周側を保持するためにハンプ部185の外側に形成したビードシート部186と、このビードシート部186の端をカールすることでタイヤ131のビード部133の外側面を保持するカール部187とからなる。
【0040】
内側リム181は、プレス成形により成形した部材であり、端部に設けたリムドロップ部193と、このリムドロップ部193に隣接させたテーパ部194と、このテーパ部194の端部に盛り上げ成形したハンプ部195と、タイヤ131(図2参照)のビード部132(図2参照)の内周側を保持するためにハンプ部195の外側に形成したビードシート部196と、このビードシート部196の端をカールすることでタイヤ131のビード部132外側面を保持するカール部197とからなる。
【0041】
リムドロップ部183,193は、タイヤ131を脱着するときにタイヤ131のビード部132,133を落とし込ませる部分である。
ハンプ部185,195は、タイヤ131がビードシート部186,196から外れるのを防ぐ環状の凸部である。
上記したホイール170の構造は、前輪11,12(図1参照)及び後輪13,14(図1参照)に採用してよい。
【0042】
以上に述べたホイール170の組立要領を次に説明する。
図9(a),(b)は本発明に係るホイールの組立要領を示す第1作用図(第3の実施の形態)である。
(a)において、プレス成形したディスク部171の折曲げ部177に、プレス成形した外側リム178のリムドロップ部183を所定位置まで圧入する。
(b)において、(a)でできた組立体170Aの折曲げ部177に、内側リム181のリムドロップ部193を所定位置まで圧入する。
【0043】
図10(a),(b)は本発明に係るホイールの組立要領を示す第2作用図(第3の実施の形態)である。
(a)は、組立体170Aに内側リム181を圧入して組立体170Bができたことを示す。
(b)は(a)のディスク部171への外側リム178及び内側リム181の圧入部を示す拡大図であり、外側リム178と内側リム181との間に間隔がCである隙間198を、例えば、治具によって設けたことを示す。
次に、外側リム178の端部と内側リム181の端部とを、隙間Cを介して折曲げ部177に溶接し、図8に示したホイール170を得る。
【0044】
本発明では、図8に示したように、ディスク部171をリム部172と別体にしたことで、ディスク部171をリム部172よりも厚くすることができ、ディスク部171に外側リム178及び内側リム181を溶接した場合に、折曲げ部177の内周面に溶接の影響を残すことがない、即ち、ディスク部の板厚が小さい場合に、溶接時の高温のために折曲げ部の内周面において組織が変化して発色したり表面が膨らんだりする(いわゆる「裏ビードが出る」)ことがない。(裏ビードが出ると、外観性を損ね、アルマイト処理時には表面むらが発生する。)
【0045】
以上の図8で説明したように、本発明は第1に、車体側のハブ114に取付けるディスク部171と、このディスク部171の外周に設けた環状のリム部172とからなるホイール構造において、リム部172をディスク部171とは別体にするとともに、ディスク部171よりも車体外方に配置する外側リム178と、この外側リム178とは別体とし且つ外側リム178よりも車体内方に配置する内側リム181とから構成し、これらの外側リム178及び内側リム181をディスク部171の外周に同一箇所で取付けたことを特徴とする。
【0046】
リム部172を外側リム178と内側リム181とから構成したことで、従来、一体構造のリムをロール成形していたのに比べて、本発明では、外側リム178及び内側リム181をプレス成形することができ、また、ディスク部171もプレス成形であるために、ホイール170の生産性及び品質を高めることができる。しかも、ディスク部171が別体であるから、ディスク部171の設計自由度、例えば、意匠性、板厚等の寸法、機械的強度等の自由度を高めることができる。
【0047】
外側リム178及び内側リム181をプレス成形したことによる効果としては、詳しくは、(1)深絞り加工を行うことで板厚を安定させることができる、(2)寸法精度を高めることができる、(3)深絞り加工により効果的に加工硬化させることができる、(4)ロール成形のような溶接継ぎ目がないため、溶接部の研磨が不要になり、また、良好な外観性を得ることができ、更に、アルマイト処理を施しても溶接部と非溶接部との組織の差による表面状態の差が出ない、を挙げることができる。
【0048】
本発明は第2に、ディスク部171の外周を折曲げて折曲げ部177を形成し、この折曲げ部177に外側リム178及び内側リム181を取付けたことを特徴とする。
【0049】
ディスク部171の折曲げ部177に外側リム178及び内側リム181を嵌めてディスク部171に外側リム178と内側リム181とを共に溶接すれば、ディスク部171に外側リム178及び内側リム181を安定に仮止めすることができ、安定して溶接を行うことができ、ホイール170の品質を高めることができる。
【0050】
本発明は第3に、図2で説明したように、車体側のハブ114にボルト115及びホイールナット116にてホイール110を取付けるホイール構造において、ホイール110のディスク部111を1枚の平板で構成し、このディスク部111にボルト115を挿入するボルト挿通穴118を開けるとともに、このボルト挿通穴118の周囲に、ホイールナット116の座となる球面座121を形成したことを特徴とする。
【0051】
球面座121であるから、その加工硬化層151を容易に形成することができ、不整地走行用車両10(図1参照)に外径に対して幅の比率が大きな幅広のホイール110を装着する場合のように、ホイールナット116に大きな締付け力を必要とするものでは球面座121の摩耗を抑えることができる。
【0052】
また、ディスク部111は平板であるから、球面座121の加工精度を高めることができ、ハブ114にホイール110を取付ける場合に、ハブ114の回転中心とホイール110の形状の中心との同心度、即ち、ホイール110のセンタリング精度を高めることができ、ディスク部111への球面座121の加工性も良好となる。
【0053】
更に、平板状のディスク部111の場合には、ディスク部111のプレス成形型の形状を簡素にすることができ、また更に、ディスク部111が1枚であるからホイール110の構造が単純になり、ホイール110の加工コスト、材料コスト等の製造コストを抑えることができる。
【0054】
不整地走行用車両、特に、バギーでは幅広のホイール110を装着するために、ディスク部111に大きな荷重が作用する。従って、ディスク部111の剛性を高めるためにディスク部111の板厚を大きくする必要がある。このために、ディスク部111を平板状としたほうがより加工性を向上させることができる。
【0055】
また、ホイールナット116の座を球面座121とすることで、ホイール110とホイールナット116との接触面積を増やし、ホイールナット116を大きな力で締め込んで締結力を高めても、ディスク部111側の変形を抑えることができる。即ち、ディスク部111側の変形を抑えながらホイール110を大きな締結力で取付けることができる。
【0056】
尚、図9では、ディスク部171に外側リム178及び内側リム181を圧入したが、これに限らず、ディスク部171に外側リム178及び内側リム181を焼きばめ、冷やしばめ、ねじ込みによって仮止めしてもよい。
また、図10(b)において、外側リム178と内側リム181との間隔198を確保する技術としては、他に、ディスク部171の折曲げ部177に段やおねじを設けたり、折曲げ部177にピンを立てたりしてもよい。
【0057】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1のホイール構造は、ディスク部に、外周が折曲げられた折曲げ部を備え、リム部をディスク部とは別体にするとともに、ディスク部よりも車体外方に配置する外側リムと、この外側リムとは別体とし且つ外側リムよりも車体内方に配置する内側リムとから構成し、折曲げ部に外側リム及び内側リムを圧入し、外側リムと内側リムとの間に設けられた隙間を介して折曲げ部に外側リム及び内側リムを溶接し、これらの外側リム及び内側リムをディスク部の外周に同一箇所で取付けたので、従来、一体構造のリムをロール成形していたのに比べて、本発明では、外側リム及び内側リムをプレス成形することができ、また、ディスク部もプレス成形であるために、ホールの生産性及び品質を高めることができる。しかも、ディスク部が別体であるから、ディスク部の設計自由度を高めることができる。
【0058】
また、ディスク部の折曲げ部に外側リム及び内側リムを嵌めてディスク部に外側リムと内側リムとを共に溶接すれば、ディスク部に外側リム及び内側リムを安定に仮止めすることができ、安定して溶接を行うことができ、ホイールの品質を高めることができる。
【0059】
請求項2のホイール構造は、ディスク部を1枚の平板で構成し、このディスク部にハブに取付けるためのボルトを挿入するボルト挿通穴を開けるとともに、このボルト挿通穴の周囲に、ボルトにねじ込むナットの座となる球面座を形成したので、球面座であるから、その加工硬化層を容易に形成することができ、不整地走行用車両に装着する幅広のホイールのようにナットに大きな締付け力を必要とするものでは球面座の摩耗を抑えることができる。
【0060】
また、ディスク部は平板であるから、球面座の加工精度をより高めることができ、車体側にホイールを取付ける場合のホイールのセンタリング精度をより高めることができ、ディスク部への球面座の加工性も良好となる。
【0061】
更に、平板状のディスク部の場合には、ディスク部のプレス成形型の形状を簡素にすることができ、また更に、ディスク部が1枚であるからホイールの構造が単純になり、ホイールのコストを抑えることができる。
【0062】
請求項3のホイール構造は、ディスク部の板厚をリム部の板厚よりも大きくしたので、ディスク部に外側リム及び内側リムを溶接した場合に、折曲げ部の内周面に溶接の影響を残すことがない。
【0063】
請求項4のホイール構造は、折曲げ部の端面と外周面との角部を落として面取りを設けたので、折曲げ部の端面と外周面との角部がリム部に当たって応力が集中するのを防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るホイール構造(第1の実施の形態)を採用した車両の斜視図
【図2】 本発明に係る車両のホイールを説明する断面図(第1の実施の形態)
【図3】 図2のA部拡大図
【図4】 本発明に係る車両のホイールの正面図(第1の実施の形態)
【図5】 本発明に係る車両のホイールにおける球面座の成形要領を説明する作用図(第1の実施の形態)
【図6】 本発明に係る車両のホイール構造(第2の実施の形態)を示す要部断面図
【図7】 本発明にホイール構造(第3の実施の形態)を示す正面図
【図8】 図7の8−8線断面図
【図9】 本発明に係るホイールの組立要領を示す第1作用図(第3の実施の形態)
【図10】 本発明に係るホイールの組立要領を示す第2作用図(第3の実施の形態)
【図11】 従来のホイール構造(従来例1)の断面図
【図12】 従来のホイール構造(従来例2)の断面図
【図13】 従来のホイール構造(従来例3)の断面図
【図14】 従来のホイール構造(従来例4)を説明する断面図
【符号の説明】
110,170…ホイール、111,171…ディスク部、114…ハブ、115…ボルト、116…ナット(ホイールナット)、118…ボルト挿通穴、121…球面座、172…リム部、177…折曲げ部、177a…面取り、177b…折曲げ部の端面、177c…折曲げ部の外周面、178…外側リム、181…内側リム、198…隙間。
Claims (4)
- 車体側のハブに取付けるディスク部と、このディスク部の外周に設けた環状のリム部とからなるホイール構造において、
前記ディスク部は、外周が折曲げられた折曲げ部を備え、
前記リム部は、前記ディスク部とは別体にされるとともに、ディスク部よりも車体外方に配置する外側リムと、この外側リムとは別体とし且つ外側リムよりも車体内方に配置する内側リムとから構成され、
前記折曲げ部に前記外側リム及び前記内側リムが圧入され、外側リムと内側リムとの間に設けられた隙間を介して折曲げ部に外側リム及び内側リムが溶接され、これらの外側リム及び内側リムを前記ディスク部の外周に同一箇所で取付けたことを特徴とするホイール構造。 - 前記ディスク部を1枚の平板で構成し、このディスク部に前記ハブに取付けるためのボルトを挿入するボルト挿通穴を開けるとともに、このボルト挿通穴の周囲に、前記ボルトにねじ込むナットの座となる球面座を形成したことを特徴とする請求項1記載のホイール構造。
- 前記ディスク部の板厚を前記リム部の板厚よりも大きくしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のホイール構造。
- 前記折曲げ部の端面と外周面との角部を落として面取りを設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のホイール構造。
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