JP4026604B2 - 車両用駆動装置の制御装置 - Google Patents

車両用駆動装置の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4026604B2
JP4026604B2 JP2004052211A JP2004052211A JP4026604B2 JP 4026604 B2 JP4026604 B2 JP 4026604B2 JP 2004052211 A JP2004052211 A JP 2004052211A JP 2004052211 A JP2004052211 A JP 2004052211A JP 4026604 B2 JP4026604 B2 JP 4026604B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
state
switching
stepped
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004052211A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005240917A5 (ja
JP2005240917A (ja
Inventor
淳 田端
豊 多賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2004052211A priority Critical patent/JP4026604B2/ja
Priority to US11/019,337 priority patent/US7822524B2/en
Priority to KR1020077025340A priority patent/KR100863172B1/ko
Priority to KR1020077025345A priority patent/KR20070112430A/ko
Priority to CN2004800421005A priority patent/CN1926356B/zh
Priority to KR1020077025344A priority patent/KR20070112304A/ko
Priority to KR1020077025342A priority patent/KR100882176B1/ko
Priority to EP11002541.8A priority patent/EP2375103B1/en
Priority to KR1020067015144A priority patent/KR100887204B1/ko
Priority to PCT/JP2004/019743 priority patent/WO2005064199A1/ja
Priority to CN201110079155.5A priority patent/CN102166950B/zh
Priority to KR1020077025343A priority patent/KR100882177B1/ko
Priority to EP04808093A priority patent/EP1701061B1/en
Priority to CN2011100791521A priority patent/CN102166946B/zh
Priority to KR1020077025341A priority patent/KR100863173B1/ko
Publication of JP2005240917A publication Critical patent/JP2005240917A/ja
Publication of JP2005240917A5 publication Critical patent/JP2005240917A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4026604B2 publication Critical patent/JP4026604B2/ja
Priority to US12/269,633 priority patent/US7941259B2/en
Priority to US12/269,591 priority patent/US20090075774A1/en
Priority to US12/269,659 priority patent/US7848858B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/7072Electromobility specific charging systems or methods for batteries, ultracapacitors, supercapacitors or double-layer capacitors

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Structure Of Transmissions (AREA)

Description

本発明は、車両用駆動装置の制御装置に係り、特に、その駆動装置が電気的な無段変速状態と有段変速状態とに切換制御される構成とされる場合においてその切換制御に関するものである。
エンジンの出力を第1電動機および出力軸へ分配する動力分配機構と、その動力分配機構の出力軸と駆動輪との間に設けられた第2電動機とを備えた駆動装置を制御する制御装置を備えた車両が知られている。例えば、特許文献1に記載されたハイブリッド車両の制御装置がそれである。このようなハイブリッド車両の駆動装置では、エンジンからの動力の主部を駆動輪へ直接機械的に伝達し、そのエンジンからの動力の残部を第1電動機から第2電動機への電気パスを用いて電気的に伝達することにより、エンジンを最適な作動状態に維持しつつ車両を走行させるように制御されて燃費が向上させられる。
特開2003−130202号公報 特開2003−130203号公報 特開2003−127681号公報 特開平11−198668号公報 特開平11−198670号公報 特開平11−217025号公報 WO 03/016749A1公報
一般に、無段変速機はエンジン回転速度が車速に対して固定されないのでエンジンの燃料消費率が最善域となるように制御され車両の燃費を良くする装置として知られているが、上記のような従来の車両用駆動装置では、第1電動機から第2電動機への電気エネルギの電気パスすなわち車両の駆動力の一部を電気エネルギで伝送する伝送路を含むためエンジンの出力の一部が一旦電気エネルギに変換されて駆動輪に伝達されるので、有段式自動変速機のような歯車式伝動装置に比較して伝達効率がよくない。一方、その歯車式伝動装置は上記電気パスがなく伝達効率が良い装置として知られているが、エンジン回転速度が車速に対して固定されるので必ずしもエンジンの燃料消費率が最善域となるように制御されない。そして、燃費に対してそれ等の長所を兼ね備えた動力伝達機構は未だ存在しなかった。
そこで、本発明者等は、以上の課題を解決するために種々検討を重ねた結果、上記従来の車両用駆動装置を電気的な無段変速機として作動可能な無段変速状態と電気パスが無くなって動力と電気との間の変換損失が抑制される状態すなわち専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力を駆動輪へ伝達するような有段変速機として作動可能な有段変速状態とに切り換え可能に構成することを見いだした。そしてこの車両用駆動装置を上記無段変速状態と有段変速状態とに切換制御することで燃費を向上できることが考えられる。
しかしながら、上記無段変速状態と有段変速状態との切換制御のための変速状態の選択は容易でなく、その選択によっては必ずしも燃費が良い車両走行とならない。すなわち、その選択を誤ると燃費が悪化する可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、電気的な無段変速機として機能する無段変速状態と有段変速機として機能する有段変速状態とに切り換えられる駆動装置を提供するとともに、無段変速状態と有段変速状態とが適切に切り換えられて一層燃費向上する車両用駆動装置の制御装置を提供することにある。
すなわち、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、エンジンの出力を駆動輪へ伝達する車両用駆動装置の制御装置であって、(a) 動力分配機構と、その動力分配機構の回転要素のうちの1つに動力伝達可能に連結された第1電動機と、駆動輪に動力伝達可能とされた第2電動機と、その動力分配機構の作動状態を切り換える作動状態切換装置とを備え、その第1電動機および第2電動機の運転状態が制御されることにより前記エンジンからの動力を無段階に変速して機械的に後段へ伝達するとともに前記第1電動機から第2電動機への電気パスを介して電気的に後段へ伝達する電気的な無段変速機として作動可能な無段変速状態と、前記動力分配機構の差動を制限することにより前記エンジンからの動力を所定の変速比で専ら機械的に後段へ伝達する有段の変速機として作動可能な有段変速状態とに切り換え可能な変速状態切換型変速機構と、(b) 前記無段変速状態での車両の燃料消費率と、前記電気パスによる損失のないことによる寄与分と前記エンジンの動作点がその最適燃費線からずれることによる低下分とを含む前記有段変速状態の車両の燃料消費率の何れが良いかに基づいて前記変速状態切換型変速機構を前記無段変速状態と前記有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換える切換制御手段とを、含むことにある。
このようにすれば、動力分配機構と、その動力分配機構の回転要素のうちの1つに動力伝達可能に連結された第1電動機と、駆動輪に動力伝達可能とされた第2電動機と、その動力分配機構の作動状態を切り換える作動状態切換装置とを備え、その第1電動機および第2電動機の運転状態が制御されることにより前記エンジンからの動力を無段階に変速して機械的に後段へ伝達するとともに前記第1電動機から第2電動機への電気パスを介して電気的に後段へ伝達する電気的な無段変速機として作動可能な無段変速状態と、前記動力分配機構の差動を制限することにより前記エンジンからの動力を所定の変速比で専ら機械的に後段へ伝達する有段の変速機として作動可能な有段変速状態とに切り換え可能な変速状態切換型変速機構が、前記無段変速状態での車両の燃料消費率と、前記電気パスによる損失のないことによる寄与分と前記エンジンの動作点がその最適燃費線からずれることによる低下分とを含む前記有段変速状態の車両の燃料消費率の何れが良いかに基づいて、前記切換制御手段により無段変速状態と有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換えられることから、一層燃費が向上する適切な走行が得られる。
また、好適には、請求項2にかかる発明では、前記燃料消費率は車両状態から逐次算出されるものである。このようにすれば、前記無段変速状態および前記有段変速状態での燃料消費率が逐次算出されて変速状態切換型変速機構の変速状態が燃費の良い走行状態とされる。また、好適には、前記燃料消費率を車両状態から逐次算出する燃料消費率算出手段を備えるものである。このようにすれば、燃料消費率算出手段により前記無段変速状態および前記有段変速状態での燃料消費率が逐次算出されて変速状態切換型変速機構の変速状態が常に燃費の良い走行状態とされる。
また、好適には、請求項3にかかる発明では、前記車両状態から逐次算出される燃料消費率は、予め記憶された関係から求められるエンジンの燃料消費率に基づいて算出されるものである。このようにすれば、車両の燃料消費率が適切に算出される。
また、好適には、請求項4にかかる発明では、前記車両状態から算出される燃料消費率は、エンジンから駆動輪への伝達効率が考慮されるものである。このようにすれば、燃料消費率が適切に算出される。また、好適には、エンジンから駆動輪への伝達効率を算出する伝達効率算出手段を備えるものである。このようにすれば、伝達効率算出手段により算出された伝達効率が考慮されて車両の燃料消費率が適切に算出される。
また、好適には、請求項5にかかる発明では、前記伝達効率は車両の走行抵抗によって変化するものである。このようにすれば、燃料消費率が適切に算出される。
また、好適には、請求項6にかかる発明では、前記伝達効率は車速によって変化するものである。このようにすれば、燃料消費率が適切に算出される。
また、好適には、請求項7にかかる発明では、前記伝達効率は車両の駆動力関連値によって変化するものである。このようにすれば、燃料消費率が適切に算出される。ここで、上記駆動力関連値は、エンジンの出力トルク、変速機の出力トルク、駆動輪の駆動トルク等の動力伝達経路における伝達トルクや回転力、それを要求するスロットル開度、アクセル操作量など、車両の駆動力に直接或いは間接的に関連するパラメータである。
ここで、好適には、請求項8にかかる発明の要旨とするところは、前記無段変速状態および前記有段変速状態の何れでの走行が燃料消費率が良いかにより該無段変速状態或いは該有段変速状態とするための領域が設定された予め記憶された関係から現在の車両状態に基づいて前記変速状態切換型変速機構が前記無段変速状態と前記有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換えられるものである。このようにすれば、変速状態切換型変速機構の変速状態が簡単に燃費の良い走行状態に切り替えられる。
また、好適には、請求項9にかかる発明では、前記切換制御手段は、実際の車速が予め設定された高速走行判定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである。このようにすれば、例えば実際の車速が高車速側に設定された高速走行判定値を越えると、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて、電気的な無段変速機として作動させる場合に発生する動力と電気との間の変換損失が抑制されるので燃費が向上させられる。また、上記高速走行判定値は、燃料消費率に基づくことなく前記変速状態切換型変速機構を有段変速状態に切り換える方が明らかに燃費上有利となる車両の高速走行を判定するために予め実験等で求められて設定された値である。
また、好適には、前記切換制御手段は、実際の車速が予め設定された高速走行判定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構の無段変速状態を禁止するものである。このようにすれば、例えば実際の車速が高車速側に設定された高速走行判定値を越えると、変速状態切換型変速機構の無段変速状態が禁止されて、電気的な無段変速機として作動させる場合に発生する動力と電気との間の変換損失が抑制されるので、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて、車両の燃費が向上させられる。
また、好適には、請求項10にかかる発明では、前記切換制御手段は、車両の駆動力関連値が予め設定された高出力走行判定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである。このようにすれば、例えば要求駆動力或いは実際の駆動力などの駆動力関連値が比較的高出力側に設定された高出力走行判定値を越えると、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて電気的な無段変速機として作動させる場合の電動機が伝える電気的エネルギの最大値を小さくできてその電動機或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。また、上記高出力走行判定値は、燃料消費率に基づくことなく前記変速状態切換型変速機構を有段変速状態に切り換える必要がある車両の高出力走行すなわち前記変速状態切換型変速機構を電気的な無段変速機として作動させられない電動機の定格出力に基づいて定められたエンジン出力の制限値を越えるような車両の高出力走行を判定するために予め設定された値である。
また、好適には、前記切換制御手段は、車両の駆動力関連値が予め設定された高出力走行判定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構の無段変速状態を禁止するものである。このようにすれば、例えば要求駆動力或いは実際の駆動力などの駆動力関連値が比較的高出力側に設定された高出力走行判定値を越えると、変速状態切換型変速機構の無段変速状態が禁止されて、電気的な無段変速機として作動させる場合の電動機が伝える電気的エネルギの最大値が小さくされるので、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて、その電動機或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。
また、好適には、請求項11にかかる発明では、前記切換制御手段は、前記変速状態切換型変速機構を前記電気的な無段変速状態とするための制御機器の機能低下を判定する故障判定条件が成立した場合に前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである。このようにすれば、前記変速状態切換型変速機構が通常は無段変速状態とされる場合であっても優先的に有段変速状態とされることで、有段走行ではあるが無段走行と略同様の車両走行が確保される。
また、好適には、前記切換制御手段は、前記変速状態切換型変速機構を前記電気的な無段変速状態とするための制御機器の機能低下を判定する故障判定条件が成立した場合に前記変速状態切換型変速機構の無段変速状態を禁止するものである。このようにすれば、例えば電気的な無段変速状態するための制御機器の機能低下が判定されると、変速状態切換型変速機構の無段変速状態が禁止されるので、前記変速状態切換型変速機構が無段変速状態とされない場合でも有段変速状態とされることで、有段走行ではあるが無段走行と略同様の車両走行が確保される。
また、好適には、請求項12にかかる発明では、前記切換制御手段は、前記エンジンの実際の出力トルクが予め設定された所定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである。このようにすれば、例えばエンジンの出力トルクが比較的高トルク側に設定された所定値を越えると、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて電気的な無段変速機として作動させる場合の電動機が伝える電気的エネルギの最大値を小さくできてその電動機或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。また、上記所定値は、燃料消費率に基づくことなく前記変速状態切換型変速機構を有段変速状態に切り換える必要があるエンジンの高トルク領域例えば前記変速状態切換型変速機構を電気的な無段変速機として作動させられない電動機の定格出力に基づいて定められたエンジン出力トルクの制限値を越えるようなエンジンの高トルク領域を判定するために予め設定された値である。
また、好適には、前記切換制御手段は、前記エンジンの実際の出力トルクが予め設定された所定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構の無段変速状態を禁止するものである。このようにすれば、例えばエンジンの出力トルクが比較的高トルク側に設定された所定値を越えると、変速状態切換型変速機構の無段変速状態が禁止されて、電気的な無段変速機として作動させる場合の電動機が伝える電気的エネルギの最大値が小さくされるので、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて、その電動機或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。
また、好適には、請求項13にかかる発明では、前記切換制御手段は、前記エンジンの実際の回転速度が予め設定された所定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである。このようにすれば、例えばエンジンの回転速度が比較的高回転側に設定された所定値を越えると、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて電気的な無段変速機として作動させる場合の電動機が伝える電気的エネルギの最大値を小さくできてその電動機或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。また、上記所定値は、燃料消費率に基づくことなく前記変速状態切換型変速機構を有段変速状態に切り換える必要があるエンジンの高回転領域例えば前記変速状態切換型変速機構を電気的な無段変速機として作動させられない電動機の定格出力に基づいて定められたエンジン回転速度の制限値を越えるようなエンジンの高回転領域を判定するために予め設定された値である。
また、好適には、前記切換制御手段は、前記エンジンの実際の回転速度が予め設定された所定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構の無段変速状態を禁止するものである。このようにすれば、例えばエンジンの回転速度が比較的高回転側に設定された所定値を越えると、変速状態切換型変速機構の無段変速状態が禁止されて、電気的な無段変速機として作動させる場合の電動機が伝える電気的エネルギの最大値が小さくされるので、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて、その電動機或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。
また、好適には、請求項14にかかる発明では、前記切換制御手段は、前記エンジンの実際の出力が予め設定された所定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである。このようにすれば、例えばエンジンの出力が比較的高出力側に設定された所定値を越えると、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて電気的な無段変速機として作動させる場合の電動機が伝える電気的エネルギの最大値を小さくできてその電動機或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。また、上記所定値は、燃料消費率に基づくことなく前記変速状態切換型変速機構を有段変速状態に切り換える必要があるエンジンの高出力領域例えば前記変速状態切換型変速機構を電気的な無段変速機として作動させられない電動機の定格出力に基づいて定められたエンジン出力の制限値を越えるようなエンジンの高出力領域を判定するために予め設定された値である。
また、好適には、前記切換制御手段は、前記エンジンの実際の出力が予め設定された所定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構の無段変速状態を禁止するものである。このようにすれば、例えばエンジンの出力が比較的高出力側に設定された所定値を越えると、変速状態切換型変速機構の無段変速状態が禁止されて、電気的な無段変速機として作動させる場合の電動機が伝える電気的エネルギの最大値が小さくされるので、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて、その電動機或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。
また、好適には、請求項15にかかる発明では、前記変速状態切換型変速機構は、第1電動機と、前記エンジンの出力をその第1電動機および伝達部材へ分配する動力分配機構と、その伝達部材と前記駆動輪との間に設けられた第2電動機とを備える。好適には、前記動力分配機構は、前記エンジンに連結された第1要素と、第1電動機に連結された第2要素と、第2電動機および伝達部材に連結された第3要素とを有する。その動力分配機構は、前記変速状態切換型変速機構を前記無段変速状態および前記有段変速状態のいずれかの状態に切換可能とするための作動状態切換装置を有し、前記切換制御手段は、その作動状態切換装置を制御することで前記無段変速状態と前記有段変速状態とを選択的に切り換えるものである。このようにすれば、切換制御手段により作動状態切換装置が制御されることにより、車両の駆動装置内の変速状態切換型変速機構が無段変速機として作動可能な無段変速状態と有段変速機として作動可能な有段変速状態とに簡単に切り換えられる。
また、好適には、請求項16にかかる発明では、前記動力分配機構は、前記エンジンに連結された第1要素と前記第1電動機に連結された第2要素と前記伝達部材に連結された第3要素とを有するものであり、前記作動状態切換装置は、前記第1要素乃至第3要素のうちのいずれか2つを相互におよび/またはその第2要素を非回転部材に連結する係合装置例えば摩擦係合装置であり、前記切換制御手段は、前記係合装置を解放してその第1要素、第2要素、および第3要素を相互に相対回転可能とすることにより前記無段変速状態とし、前記係合装置を係合してその第1要素、第2要素、および第3要素のうちの少なくとも2つを相互に連結するか或いはその第2要素を非回転状態とすることにより前記有段変速状態とするものである。このようにすれば、動力分配機構が簡単に構成されるとともに切換制御手段により無段変速状態と有段変速状態とが簡単に制御される。
また、好適には、請求項17にかかる発明では、前記動力分配機構は遊星歯車装置であり、前記第1要素はその遊星歯車装置のキャリヤであり、前記第2要素はその遊星歯車装置のサンギヤであり、前記第3要素はその遊星歯車装置のリングギヤであり、前記係合装置は、前記キャリヤ、サンギヤ、リングギヤのうちのいずれか2つを相互に連結するクラッチおよび/またはそのサンギヤを非回転部材に連結するブレーキを備えたものである。このようにすれば、動力分配機構の軸方向寸法が小さくなるとともに、1つの遊星歯車装置によって簡単に構成される。
また、好適には、請求項18にかかる発明では、前記遊星歯車装置はシングルピニオン型遊星歯車装置である。このようにすれば、動力分配機構の軸方向寸法が小さくなるとともに、動力分配機構が1つのシングルピニオン型遊星歯車装置によって簡単に構成される。
また、好適には、請求項19にかかる発明では、前記切換制御手段は、前記シングルピニオン型遊星歯車装置を変速比が1である変速機とするために前記キャリヤとサンギヤを相互に連結するか、或いは前記シングルピニオン型遊星歯車装置を変速比が1より小さい増速変速機とするために前記サンギヤを非回転状態とするように前記係合装置を制御するものである。このようにすれば、動力分配機構が1つのシングルピニオン型遊星歯車装置による単段または複数段の定変速比を有する変速機として前記切換制御手段によって簡単に制御される。
また、好適には、請求項20にかかる発明では、前記変速状態切換型変速機構は、前記伝達部材と前記駆動輪との間において前記動力分配機構と直列に設けられた自動変速機を含み、その自動変速機の変速比に基づいて前記変速状態切換型変速機構の変速比が形成されるものである。このようにすれば、自動変速機の変速比を利用することによって駆動力が幅広く得られるようになる。
また、好適には、請求項21にかかる発明では、前記動力分配機構の変速比と前記自動変速機の変速比とに基づいて前記変速状態切換型変速機構の総合変速比が形成されるものである。このようにすれば、自動変速機の変速比を利用することによって駆動力が幅広く得られるようになるので、動力分配機構における無段変速制御の効率が一層高められる。また、好適には、前記自動変速機は有段式自動変速機である。このようにすれば、前記変速状態切換型変速機構において動力分配機構と有段式自動変速機とで無段変速状態としての無段変速機が構成され、動力分配機構と有段式自動変速機とで有段変速状態としての有段式自動変速機が構成される。
また、好適には、請求項22にかかる発明では、前記自動変速機は有段式自動変速機であり、前記有段式自動変速機の変速は、予め記憶された変速線図に基づいて実行されるものである。このようにすれば、有段式自動変速機の変速が容易に実行される。
また、好適には、前記変速状態切換型変速機構において、第2電動機が前記伝達部材に直接に連結される。このようにすれば、前記自動変速機の出力軸に対して低トルクの出力でよいので、第2電動機が一層小型化される。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である制御装置が適用されるハイブリッド車両の駆動装置としての変速状態切換型変速機構10(以下、変速機構10という)を説明する骨子図である。図1において、変速機構10は車体に取り付けられる非回転部材としてのトランスミッションケース12(以下、ケース12という)内において共通の軸心上に配設された入力回転部材としての入力軸14と、この入力軸14に直接に或いは図示しない脈動吸収ダンパー(振動減衰装置)などを介して間接に連結された切換型変速部11と、その切換型変速部11と出力軸22との間で伝達部材(伝動軸)18を介して直列に連結されている有段式自動変速機としての自動変速部20と、この自動変速部20に連結されている出力回転部材としての出力軸22とを直列に備えている。この変速機構10は、車両において縦置きされるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両に好適に用いられるものであり、走行用の駆動力源としてのエンジン8と一対の駆動輪との間に設けられて、図5に示すように動力を差動歯車装置(終減速機)36および一対の車軸等を順次介して一対の駆動輪38へ伝達する。なお、変速機構10はその軸心に対して対称的に構成されているため、図1の変速機構10を表す部分においてはその下側が省略されている。以下の各実施例についても同様である。
切換型変速部11は、第1電動機M1と、入力軸14に入力されたエンジン8の出力を機械的に合成し或いは分配する機械的機構であって、エンジン8の出力を第1電動機M1および伝達部材18に分配し、或いはエンジン8の出力とその第1電動機M1の出力とを合成して伝達部材18へ出力させる動力分配機構16と、伝達部材18と一体的に回転するように設けられている第2電動機M2とを備えている。なお、この第2電動機M2は伝達部材18から出力軸22までの間のいずれの部分に設けられてもよい。本実施例の第1電動機M1および第2電動機M2は発電機能をも有する所謂モータジェネレータであるが、第1電動機M1は反力を発生させるためのジェネレータ(発電)機能を少なくとも備え、第2電動機M2は駆動力を出力するためのモータ(電動機)機能を少なくとも備える。
動力分配機構16は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24と、切換クラッチC0および切換ブレーキB0とを主体的に備えている。この第1遊星歯車装置24は、第1サンギヤS1、第1遊星歯車P1、その第1遊星歯車P1を自転および公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1遊星歯車P1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を回転要素(要素)として備えている。第1サンギヤS1の歯数をZS1、第1リングギヤR1の歯数をZR1とすると、上記ギヤ比ρ1はZS1/ZR1である。
この動力分配機構16においては、第1キャリヤCA1は入力軸14すなわちエンジン8に連結され、第1サンギヤS1は第1電動機M1に連結され、第1リングギヤR1は伝達部材18に連結されている。また、切換ブレーキB0は第1サンギヤS1とトランスミッションケース12との間に設けられ、切換クラッチC0は第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1との間に設けられている。それら切換クラッチC0および切換ブレーキB0が解放されると、第1サンギヤS1、第1キャリヤCA1、第1リングギヤR1がそれぞれ相互に相対回転可能な状態とされることから、エンジン8の出力が第1電動機M1と伝達部材18とに分配されるとともに、分配されたエンジン8の出力の一部で第1電動機M1から発生させられた電気エネルギで蓄電されたり第2電動機M2が回転駆動されるので、所謂無段変速状態(電気的CVT状態)とされて、エンジン8の所定回転に拘わらず伝達部材18の回転が連続的に変化させられる。すなわち、切換型変速部11がその変速比γ0(入力軸14の回転速度/伝達部材18の回転速度)が最小値γ0min から最大値γ0max まで連続的に変化させられる電気的な無段変速機として機能する無段変速状態とされる。
この状態で、エンジン8の出力で車両走行中に上記切換クラッチC0が係合させられて第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1とが一体的に係合させられると、第1遊星歯車装置24の3要素S1、CA1、R1が一体回転することから、エンジン8の回転と伝達部材18の回転速度とが一致する状態となるので、切換型変速部11は変速比γ0が「1」に固定された変速機として機能する定変速状態とされる。次いで、上記切換クラッチC0に替えて切換ブレーキB0が係合させられて第1サンギヤS1が非回転状態とされると、第1リングギヤR1は第1キャリヤCA1よりも増速回転されるので、切換型変速部11は変速比γ0が「1」より小さい値例えば0.7程度に固定された増速変速機として機能する定変速状態とされる。このように、本実施例では、上記切換クラッチC0および切換ブレーキB0は、切換型変速部11を、変速比が連続的変化可能な無段変速機として作動可能な無段変速状態と、無段変速機として作動させず無段変速作動を非作動として変速比変化を一定にロックするロック状態すなわち1または2種類以上の変速比の単段または複数段の変速機として作動可能な定変速状態、換言すれば変速比が一定の1段または複数段の変速機として作動可能な定変速状態とに選択的に切換える作動状態切換装置として機能している。
自動変速部20は、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置26、シングルピニオン型の第3遊星歯車装置28、およびシングルピニオン型の第4遊星歯車装置30を備えている。第2遊星歯車装置26は、第2サンギヤS2、第2遊星歯車P2、その第2遊星歯車P2を自転および公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2遊星歯車P2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を備えており、例えば「0.562」程度の所定のギヤ比ρ2を有している。第3遊星歯車装置28は、第3サンギヤS3、第3遊星歯車P3、その第3遊星歯車P3を自転および公転可能に支持する第3キャリヤCA3、第3遊星歯車P3を介して第3サンギヤS3と噛み合う第3リングギヤR3を備えており、例えば「0.425」程度の所定のギヤ比ρ3を有している。第4遊星歯車装置30は、第4サンギヤS4、第4遊星歯車P4、その第4遊星歯車P4を自転および公転可能に支持する第4キャリヤCA4、第4遊星歯車P4を介して第4サンギヤS4と噛み合う第4リングギヤR4を備えており、例えば「0.421」程度の所定のギヤ比ρ4を有している。第2サンギヤS2の歯数をZS2、第2リングギヤR2の歯数をZR2、第3サンギヤS3の歯数をZS3、第3リングギヤR3の歯数をZR3、第4サンギヤS4の歯数をZS4、第4リングギヤR4の歯数をZR4とすると、上記ギヤ比ρ2はZS2/ZR2、上記ギヤ比ρ3はZS3/ZR3、上記ギヤ比ρ4はZS4/ZR4である。
自動変速部20では、第2サンギヤS2と第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第2キャリヤCA2は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結され、第4リングギヤR4は第3ブレーキB3を介してケース12に選択的に連結され、第2リングギヤR2と第3キャリヤCA3と第4キャリヤCA4とが一体的に連結されて出力軸22に連結され、第3リングギヤR3と第4サンギヤS4とが一体的に連結されて第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結されている。
前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3は従来の車両用自動変速機においてよく用いられている油圧式摩擦係合装置であって、互いに重ねられた複数枚の摩擦板が油圧アクチュエータにより押圧される湿式多板型や、回転するドラムの外周面に巻き付けられた1本または2本のバンドの一端が油圧アクチュエータによって引き締められるバンドブレーキなどにより構成され、それが介装されている両側の部材を選択的に連結するためのものである。
以上のように構成された変速機構10では、例えば、図2の係合作動表に示されるように、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、および第3ブレーキB3が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第5速ギヤ段(第5変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)或いはニュートラルが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。特に、本実施例では動力分配機構16に切換クラッチC0および切換ブレーキB0が備えられており、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかが係合作動させられることによって、切換型変速部11は前述した無段変速機として作動可能な無段変速状態に加え、変速比が一定の変速機として作動可能な定変速状態を構成することが可能とされている。したがって、変速機構10では、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで定変速状態とされた切換型変速部11と自動変速部20とで有段変速機として作動可能な有段変速状態が構成され、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態とされた切換型変速部11と自動変速部20とで電気的な無段変速機として作動可能な無段変速状態が構成される。言い換えれば、変速機構10は、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで有段変速状態に切り換えられ、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態に切り換えられる。また、切換型変速部11も有段変速状態と無段変速状態とに切り換え可能な変速機であると言える。
例えば、変速機構10が有段変速機として機能する場合には、図2に示すように、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第3ブレーキB3の係合により、変速比γ1が最大値例えば「3.357」程度である第1速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、変速比γ2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「2.180」程度である第2速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、変速比γ3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.424」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、変速比γ4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第4速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および切換ブレーキB0の係合により、変速比γ5が第4速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.705」程度である第5速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第3ブレーキB3の係合により、変速比γRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値例えば「3.209」程度である後進ギヤ段が成立させられる。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、例えば切換クラッチC0のみが係合される。
しかし、変速機構10が無段変速機として機能する場合には、図2に示される係合表の切換クラッチC0および切換ブレーキB0が共に解放される。これにより、切換型変速部11が無段変速機として機能し、それに直列の自動変速部20が有段変速機として機能することにより、自動変速部20の第1速、第2速、第3速、第4速の各ギヤ段に対しその自動変速部20に入力される回転速度すなわち伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって変速機構10全体としてのトータル変速比γTが無段階に得られるようになる。
図3は、無段変速部或いは第1変速部として機能する切換型変速部11と有段変速部或いは第2変速部として機能する自動変速部20とから構成される変速機構10において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。この図3の共線図は、横軸方向において各遊星歯車装置24、26、28、30のギヤ比ρの相対関係を示し、縦軸方向において相対的回転速度を示す二次元座標であり、3本の横軸のうちの下側の横線X1が回転速度零を示し、上側の横線X2が回転速度「1.0」すなわち入力軸14に連結されたエンジン8の回転速度NEを示し、横軸XGが伝達部材18の回転速度を示している。また、切換型変速部11を構成する動力分配機構16の3つの要素に対応する3本の縦線Y1、Y2、Y3は、左側から順に第2回転要素(第2要素)RE2に対応する第1サンギヤS1、第1回転要素(第1要素)RE1に対応する第1キャリヤCA1、第3回転要素(第3要素)RE3に対応する第1リングギヤR1の相対回転速度を示すものであり、それらの間隔は第1遊星歯車装置24のギヤ比ρ1に応じて定められている。すなわち、縦線Y1とY2との間隔を1に対応するとすると、縦線Y2とY3との間隔はギヤ比ρ1に対応するものとされる。さらに、自動変速部20の5本の縦線Y4、Y5、Y6、Y7、Y8は、左から順に、第4回転要素(第4要素)RE4に対応し且つ相互に連結された第2サンギヤS2および第3サンギヤS3を、第5回転要素(第5要素)RE5に対応する第2キャリヤCA2を、第6回転要素(第6要素)RE6に対応する第4リングギヤR4を、第7回転要素(第7要素)RE7に対応し且つ相互に連結された第2リングギヤR2、第3キャリヤCA3、第4キャリヤCA4を、第8回転要素(第8要素)RE8に対応し且つ相互に連結された第3リングギヤR3、第4サンギヤS4をそれぞれ表し、それらの間隔は第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30のギヤ比ρ2、ρ3、ρ4に応じてそれぞれ定められている。すなわち、図3に示すように、各第2、第3、第4遊星歯車装置26、28、30毎にそのサンギヤとキャリヤとの間が1に対応するものとされ、キャリヤとリングギヤとの間がρに対応するものとされる。
上記図3の共線図を用いて表現すれば、本実施例の変速機構10は、動力分配機構(無段変速部)16において、第1遊星歯車装置24の3回転要素(要素)の1つである第1キャリヤCA1が入力軸14に連結されるとともに切換クラッチC0を介して他の回転要素の1つである第1サンギヤS1と選択的に連結され、その他の回転要素の1つである第1サンギヤS1が第1電動機M1に連結されるとともに切換ブレーキB0を介してトランスミッションケース12に選択的に連結され、残りの回転要素である第1リングギヤR1が伝達部材18および第2電動機M2に連結されて、入力軸14の回転を前記伝達部材18を介して自動変速部(有段変速部)20へ伝達する(入力させる)ように構成されている。このとき、Y2とX2の交点を通る斜めの直線L0により第1サンギヤS1の回転速度と第1リングギヤR1の回転速度との関係が示される。例えば、上記切換クラッチC0および切換ブレーキB0の解放により無段変速状態に切換えられたときは、第1電動機M1の発電による反力を制御することによって直線L0と縦線Y1との交点で示される第1サンギヤS1の回転が上昇或いは下降させられると、直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR1の回転速度が下降或いは上昇させられる。また、切換クラッチC0の係合により第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1とが連結されると、上記3回転要素が一体回転するので、直線L0は横線X2と一致させられ、エンジン回転速度NEと同じ回転で伝達部材18が回転させられる。また、切換ブレーキB0の係合によって第1サンギヤS1の回転が停止させられると、直線L0は図3に示す状態となり、その直線L0と縦線Y3との交点で示される第1リングギヤR1すなわち伝達部材18の回転速度は、エンジン回転速度NEよりも増速された回転で自動変速部20へ入力される。
自動変速部20では、図3に示すように、第1クラッチC1と第3ブレーキB3とが係合させられることにより、第8回転要素RE8の回転速度を示す縦線Y8と横線X2との交点と第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第1速の出力軸22の回転速度が示される。同様に、第1クラッチC1と第2ブレーキB2とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第2速の出力軸22の回転速度が示され、第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L3と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第3速の出力軸22の回転速度が示され、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L4と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第4速の出力軸22の回転速度が示される。上記第1速乃至第4速では、切換クラッチC0が係合させられている結果、エンジン回転速度NEと同じ回転速度で第8回転要素RE8に切換型変速部11すなわち動力分配機構16からの動力が入力される。しかし、切換クラッチC0に替えて切換ブレーキB0が係合させられると、切換型変速部11からの動力がエンジン回転速度NEよりも高い回転速度で入力されることから、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および切換ブレーキB0が係合させられることにより決まる水平な直線L5と出力軸22と連結された第7回転要素RE7の回転速度を示す縦線Y7との交点で第5速の出力軸22の回転速度が示される。
図4は、本実施例の変速機構10を制御するための電子制御装置40に入力される信号及びその電子制御装置40から出力される信号を例示している。この電子制御装置40は、CPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことによりエンジン8、電動機M1、M2に関するハイブリッド駆動制御、前記自動変速部20の変速制御等の駆動制御を実行するものである。
上記電子制御装置40には、図4に示す各センサやスイッチから、エンジン水温を示す信号、シフトポジションを表す信号、エンジン8の回転速度であるエンジン回転速度NE を表す信号、ギヤ比列設定値を示す信号、M(モータ走行)モードを指令する信号、エアコンの作動を示すエアコン信号、出力軸22の回転速度に対応する車速信号、自動変速部20の作動油温を示す油温信号、サイドブレーキ操作を示す信号、フットブレーキ操作を示す信号、触媒温度を示す触媒温度信号、アクセルペダルの操作量を示すアクセル開度信号、カム角信号、スノーモード設定を示すスノーモード設定信号、車両の前後加速度を示す加速度信号、オートクルーズ走行を示すオートクルーズ信号、車両の重量を示す車重信号、各駆動輪の車輪速を示す車輪速信号、変速機構10を有段変速機として機能させるために切換型変速部11を定変速状態に切り換えるための有段スイッチ操作の有無を示す信号、変速機構10を無段変速機として機能させるために切換型変速部11を無段変速状態に切り換えるための無段スイッチ操作の有無を示す信号などが、それぞれ供給される。また、上記電子制御装置40からは、スロットル弁の開度を操作するスロットルアクチュエータへの駆動信号、過給圧を調整するための過給圧調整信号、電動エアコンを作動させるための電動エアコン駆動信号、エンジン8の点火時期を指令する点火信号、電動機M1およびM2の作動を指令する指令信号、シフトインジケータを作動させるためのシフト位置表示信号、ギヤ比を表示させるためのギヤ比表示信号、スノーモードであることを表示させるためのスノーモード表示信号、制動時の車輪のスリップを防止するABSアクチュエータを作動させるためのABS作動信号、Mモードが選択されていることを表示させるMモード表示信号、動力分配機構16や自動変速部20の油圧式摩擦係合装置の油圧アクチュエータを制御するために油圧制御回路42に含まれる電磁弁を作動させるバルブ指令信号、上記油圧制御回路42の油圧源である電動油圧ポンプを作動させるための駆動指令信号、電動ヒータを駆動するための信号、クルーズコントロール制御用コンピュータへの信号等が、それぞれ出力される。
図5は、電子制御装置40による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
燃費曲線選択手段80は、燃費或いはエネルギ効率と運転性とが考慮されることにより車両にとって最適なエンジン10の作動となるように燃費曲線記憶手段82に予め記憶されているエンジン8の燃料消費マップ(以下、燃費マップと表す)すなわち燃費曲線を選択する。この燃費マップはリアルタイムで変化するものでもよいが、予め実験的に求められ且つ記憶されたものをマップ化して記憶したものでもよい。図6の破線に示すエンジン8の最適燃費曲線はその燃費マップの一例であって、例えばエンジン回転速度NEとエンジントルクTe との二次元座標において等高線のように表される等燃費率曲線のうちの最も低い燃費領域をエンジン回転速度NEの上昇に伴って通過するように形成された予め実験的に求められた最適燃費点を結ぶ曲線である。この最適燃費曲線は最低燃費動作点を表す点の連なりでもある。図6において、上記等燃費率曲線は等しいエンジン燃料消費率fe の点を結んだものを示している。また、この等燃費率曲線は内周側ほどエンジン燃料消費率fe が小さいすなわち良い燃費を表している。つまり、この等燃費率曲線はエンジン8の中速高負荷域に最良燃費領域が形成される。
上記燃費マップは、基本的にはエンジン8の仕様に基づいて決定されるが、車両状態例えばエンジン10の内部的要因或いは外部的要因に影響される。このため、この燃費マップはエンジン水温、触媒温度、エンジン作動油温、或いは燃焼状態すなわちリーンやストイキで示される空燃比等の内外的要因で変化させられる。従って、燃費曲線記憶手段82は複数種類の燃費マップを記憶するか、或いは1種類の燃費マップを上記内外的要因に基づいてリアルタイムで燃費マップを変化させる。結果として、燃費曲線選択手段80は上記内外的要因に基づいて複数種類の燃費マップから1つを選択することになる。
以下に、燃料消費率fとエンジン8から駆動輪38への動力伝達効率η(以下、伝達効率ηと表す)との関係を簡単に述べる。
一般にエンジン単体の燃費性能はエンジン燃料消費率fe すなわち単位出力×時間(=単位仕事)当たりの燃料消費質量で表され、例えば単位出力当たり1時間に使用される燃料をグラムで表したg/ps・h またはg/kW・h が用いられる。つまり、概念的には エンジン燃料消費率fe =燃料消費量F/エンジン出力Pe で表される。従って、燃料消費量Fが少ない程またエンジン出力Pe が大きい程エンジン燃料消費率fe が小さくなるすなわち良い燃費を示すことになる。言い換えれば、燃費の良し悪しは燃料消費量Fが同じであれば得られるエンジン出力Pe の大きさで比較することができるので、最適燃費曲線に沿ってエンジン8が作動させられる場合がそうでない場合に比較して高いエンジン出力Pe が得られていることになる。前記図6には変速機構10の無段変速状態での燃費マップが前記最適燃費曲線として示した破線で、および有段変速状態での燃費マップが実線で例示してある。無段変速状態の場合は車速Vに対してエンジン回転速度NEが最適燃費曲線に沿うように連続的に変速比が変化させられる。一方、有段変速状態の場合は段階的に変速比が変化するため車速Vに対してエンジン回転速度NEが固定される。よって、図6のようにそれぞれの燃費マップが示される。本実施例では無段変速状態の場合の燃費マップを破線に示す最適燃費曲線と同じとしたが、無段変速状態の場合と有段変速状態の場合との違いを明確にするための例示であり必ずしも一致したものでなくてもよい。
上述した燃費マップより無段変速状態での車両走行となる無段変速走行で得られるエンジン出力Pecvtと有段変速状態での車両走行となる有段変速走行で得られるエンジン出力Peuとを例えば同一エンジン回転速度NEで比較すると、最適燃費曲線により近い無段変速走行の場合がより大きくなる。すなわち、一律に無段エンジン出力Pecvt>有段エンジン出力Peuとなる。また、駆動輪38で得られる駆動輪出力Pw はエンジン出力Pe の駆動輪38への伝達効率ηおよび変速機構10のシステム効率ηsysを考慮すると一般的には 駆動輪出力Pw =エンジン出力Pe ×伝達効率η×システム効率ηsys で表され、無段変速走行で得られる駆動輪出力Pwcvtと有段変速走行で得られる駆動輪出力Pwuとを比較すると伝達効率η×システム効率ηsys(以下、伝達効率η×システム効率ηsysを走行効率ηt とする)が同じであれば一律に無段駆動輪出力Pwcvt>有段駆動輪出力Pwuとなる。よって車両としての燃費を 燃料消費率fs =燃料消費量F/駆動輪出力Pw とすれば同一の車両状態すなわち同一車速V、同一燃料消費量Fでの比較では常に無段変速走行が有段変速走行より燃費が良いことになる。
しかしながら、実際には上記伝達効率ηは電気的な無段変速状態に比較して専ら機械的な伝達経路が構成される有段変速状態の場合の方が高くなるので、無段エンジン出力Pecvtと有段エンジン出力Peuとの差、電気的な無段変速状態の伝達効率ηcvt とシステム効率ηsysc、および有段変速状態の伝達効率ηu とシステム効率ηsysuによっては無段駆動輪出力Pwcvt(=無段エンジン出力Pecvt×無段伝達効率ηcvt ×無段システム効率ηsysc)が有段駆動輪出力Pwu(=有段エンジン出力Peu×有段伝達効率ηu ×有段システム効率ηsysu)より必ずしも大きくなるとは限らない。従って、車両としての燃費は無段変速走行が有段変速走行より必ずしも燃費が良いとは限らない。見方を換えれば、伝達効率ηの高い有段変速走行の方が燃費上有利であるが、エンジン単体で見れば特に中低速で燃費の良い領域を使うことができる無段変速走行の方が燃費上有利となる。よって、本実施例では無段伝達効率ηcvt ×無段システム効率ηsyscおよび有段伝達効率ηu ×有段システム効率ηsysuを算出し、それら走行効率ηt 主に伝達効率ηを考慮してすなわち走行効率ηt の違いによる燃費に与える影響を加味して無段エンジン出力Pecvtおよび有段エンジン出力Peuから無段駆動輪出力Pwcvtおよび有段駆動輪出力Pwuを算出して無段変速状走行と有段変速走行との燃費を比較する。
上記無段システム効率ηsyscは変速機構10を電気的な無段変速機とした場合での蓄電装置60の充放電効率、電線の効率、インバータ58の消費電力等の電気系の効率と、オイルポンプによる損失や補機の消費エネルギ等で求められ、また、有段システム効率ηsysuはオイルポンプの損失や補機の消費エネルギ等で求められるが、本実施例では無段システム効率ηsyscおよび有段システム効率ηsysuは予め実験等で求められて記憶されている一定値が用いられる。
燃費曲線選択手段80は、上述した燃費曲線記憶手段82に予め記憶されている前記無段変速走行および前記有段変速走行におけるエンジン8の燃費マップをそれぞれ選択すること加え、それら燃費マップ例えば上記図6に示す燃費マップから現在の車両状態すなわち車速Vでの無段エンジン出力Pecvtおよび有段エンジン出力Peuを読み込む。言い換えれば、燃費マップからエンジン出力Pが求められることでエンジン8の燃料消費率fe に基づいて車両の燃料消費率fs が算出されることになる。
伝達効率算出手段84は、変速機構10の無段変速状態および有段変速状態での車両の燃料消費率fs を算出するために無段変速状態および有段変速状態でのエンジン8から駆動輪38への無段走行効率ηtcvt(=無段伝達効率ηcvt ×無段システム効率ηsysc)および有段走行効率ηtu(=有段伝達効率ηu ×有段システム効率ηsysu)とを算出する。
図7は車速Vや車両の駆動力に関連する駆動力関連値をパラメータとして伝達効率ηが設定される予め記憶された関係(マップ)であり、車速Vの変化に応じて変化するすなわち車速Vが高車速となる程高くなる無段伝達効率ηcvt を破線Aに、有段伝達効率ηu を実線Aに示した一例である。また、それぞれの線Aに対して前記駆動力関連値例えば出力トルクがTout が高くなる場合での伝達効率ηを線Bに示した。図7において伝達効率ηは出力トルクTout の変化に応じて変化するすなわち高トルク時程高くなることがわかる。高車速、高トルク時程伝達効率ηが高くなるのは大きくなる駆動輪出力Pwに対して伝達損失が相対的に低くなる為である。よって、例えば伝達効率算出手段84は、上記予め記憶された関係から実際の車両状態例えば車速Vや前記駆動力関連値に基づいて無段伝達効率ηcvt および有段伝達効率ηu を定めることになる。一般的には、無段伝達効率ηcvt は第1電動機M1および第2電動機M2の効率を含み主に電気パスによる損失を考慮した電気的な無段変速機としての伝達効率例えば0.8程度、有段伝達効率ηu は機械的な伝達経路が構成される有段変速機としての伝達効率例えば0.92程度とされるが、本実施例では車両状態によって変化するすなわち車両状態に基づいて変化する関数として予め記憶されている。
前記駆動力関連値とは、車両の駆動力に1対1に対応するパラメータであって、駆動輪38での駆動トルク或いは駆動力のみならず、例えば自動変速部20の出力トルクTout 、エンジントルクTe 、車両加速度や、例えばアクセル開度或いはスロットル開度(或いは吸入空気量、空燃比、燃料噴射量)とエンジン回転速度NEとによって算出されるエンジントルクTe などの実際値や、運転者のアクセルペダル操作量或いはスロットル開度に基づいて算出される要求駆動力等の推定値であってもよい。また、上記駆動トルクは出力トルクTout 等からデフ比、駆動輪38の半径等を考慮して算出されてもよいし、例えばトルクセンサ等によって直接検出されてもよい。上記他の各トルク等も同様である。
よって前記図7に示す高トルク時は出力トルクTout が高くなる場合以外にアクセル開度、スロットル開度等の前記駆動力関連値が高くなるときである。また、燃料噴射量、吸入空気量、負圧等も高トルク時に関連するパラメータである。さらに、登坂路走行のように車両の走行抵抗が大きくなる場合も高トルク時に相当する。この車両の走行抵抗は他にころがり抵抗、空気抵抗、加速抵抗等であり、ころがり抵抗や空気抵抗は車速に関連し、加速抵抗は前記駆動力関連値に関連しているので、車両の走行抵抗は前記駆動力関連値であるとも言える。
燃料消費率算出手段86は、無段変速走行および有段変速走行でのそれぞれの車両の燃料消費率fs を逐次算出する。例えば、燃料消費率算出手段86は最適燃費曲線選択手段80により読み込まれた無段エンジン出力Pecvtおよび有段エンジン出力Peuと、伝達効率算出手段84により算出された無段走行効率ηtcvtおよび有段走行効率ηtuと、燃料消費量センサ90によって検出された燃料消費量Fとに基づいて、無段変速走行の車両の燃料消費率fscvt{=燃料消費量F/(無段エンジン出力Pecvt×無段走行効率ηtcvt)}および有段変速走行の車両の燃料消費率fsu{=燃料消費量F/(有段エンジン出力Peu×有段走行効率ηtu)}を算出する。結果として、この燃料消費率算出手段86は、車両状態例えば車速V、前記駆動力関連値等に基づいて車両の燃料消費率fs を算出することになる。
上述した無段変速走行と有段変速走行との車両の燃料消費率fsの算出において同一の車両状態において実行されるすなわち燃料消費量センサ90によって検出される燃料消費量Fは同じであるので、車両の燃料消費率fs の比較の上では燃料消費率算出手段86は燃料消費量Fを一定値すなわち予め記憶された定数とし車両の燃料消費率fs を算出してもよい。この場合には、車両の燃料消費率fs は必ずしも正確なものではなく「燃料消費率関連値」とも言うべきものであり、燃料消費量センサ90は燃料消費量Fを検出する必要はないか或いは車両に備えられる必要はない利点がある。
切換制御手段50は、前記無段変速状態および前記有段変速状態の何れの走行での燃料消費率が良いかを逐次判断し、それに基づいて変速機構10を無段変速状態と有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換える。また、切換制御手段50は変速状態燃費判定手段88を備え、変速状態燃費判定手段88により逐次出力される判定結果に基づいて変速機構10を前記無段変速状態と前記有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換える。その変速状態燃費判定手段88は、無段変速走行および有段変速走行の何れが燃料消費率すなわち燃費が良いかを、たとえば燃料消費率算出手段86により算出された無段変速走行の車両の燃料消費率fscvtおよび有段変速走行の車両の燃料消費率fsuを逐次比較して判断する。
上述した無段変速走行と有段変速走行との車両の燃料消費率fs の比較において燃料消費率算出手段86により車両の燃料消費率fs が燃料消費量Fを一定値として算出される場合には、変速状態燃費判定手段88は無段駆動輪出力Pwcvtと有段駆動輪出力Pwuとを比較して大きい方を燃費が良いと判断してもよい。この場合には、燃料消費率算出手段86により車両の燃料消費率fs に関連する値として無段駆動輪出力Pwcvtおよび有段駆動輪出力Pwuが算出されるだけでよい。
増速側ギヤ段判定手段68は、変速機構10を有段変速状態とする際に切換クラッチC0および切換ブレーキB0のいずれを係合させるかを判定するために、例えば車両状態に基づいて変速線図記憶手段56に予め記憶された例えば図11に示す変速線図に従って変速機構10の変速されるべき変速段が増速側ギヤ段例えば第5速ギヤ段であるか否かを判定する。これは、変速機構10全体が有段式自動変速機として機能させられる場合に、第1速乃至第4速では切換クラッチC0が係合させられ、或いは第5速では切換ブレーキB0が係合させられるようにするためである。
切換制御手段50は、変速機構10を有段変速状態に切り換える場合にはハイブリッド制御手段52に対してハイブリッド制御或いは無段変速制御を不許可すなわち禁止とする信号を出力するとともに、有段変速制御手段54に対しては、予め設定された有段変速時の変速制御を許可する。このときの有段変速制御手段54は、例えば変速線図記憶手段56に予め記憶された図11に示す変速線図から車速Vおよび出力トルクTout で示される車両状態に基づいて自動変速部20の変速すべき変速段を判断して自動変速部20の自動変速制御を実行する。図2は、このときの変速制御において選択される油圧式摩擦係合装置すなわちC0、C1、C2、B0、B1、B2、B3の作動の組み合わせを示している。すなわち、変速機構10全体すなわち切換型変速部11および自動変速部20が所謂有段式自動変速機として機能し、図2に示す係合表に従って変速段が達成される。
例えば、増速側ギヤ段判定手段68により第5速ギヤ段が判定される場合には、変速機構10全体として変速比が1.0より小さな増速側ギヤ段所謂オーバードライブギヤ段が得られるために切換制御手段50は切換型変速部11が固定の変速比γ0例えば変速比γ0が0.7の副変速機として機能させられるように切換クラッチC0を解放させ且つ切換ブレーキB0を係合させる指令を油圧制御回路42へ出力する。また、増速側ギヤ段判定手段68により第5速ギヤ段でないと判定される場合には、変速機構10全体として変速比が1.0以上の減速側ギヤ段が得られるために切換制御手段50は切換型変速部11が固定の変速比γ0例えば変速比γ0が1の副変速機として機能させられるように切換クラッチC0を係合させ且つ切換ブレーキB0を解放させる指令を油圧制御回路42へ出力する。このように、切換制御手段50によって変速機構10が有段変速状態に切り換えられるとともに、その有段変速状態における2種類の変速段のいずれかとなるように選択的に切り換えられて、切換型変速部11が副変速機として機能させられ、それに直列の自動変速部20が有段変速機として機能することにより、変速機構10全体が所謂有段式自動変速機として機能させられる。
また、他の考え方として、ユーザは、例えば図8に示すような有段自動変速走行におけるアップシフトに伴うエンジン回転速度NEの変化すなわち変速に伴うリズミカルなエンジン回転速度NEの変化が楽しめる。
一方、切換制御手段50は、変速機構10を無段変速状態に切り換える場合には変速機構10全体として無段変速状態が得られるために前記切換型変速部11を無段変速状態として無段変速可能とするように切換クラッチC0および切換ブレーキB0を解放させる指令を油圧制御回路42へ出力する。同時に、ハイブリッド制御手段52に対してハイブリッド制御を許可する信号を出力するとともに、有段変速制御手段54には、予め設定された無段変速時の変速段に固定する信号を出力するか、或いは変速線図記憶手段56に予め記憶された例えば図11に示す変速線図に従って自動変速部20を自動変速することを許可する信号を出力する。この場合、有段変速制御手段54により、図2の係合表内において切換クラッチC0および切換ブレーキB0の係合を除いた作動により自動変速が行われる。このように、切換制御手段50により無段変速状態に切り換えられた切換型変速部11が無段変速機として機能し、それに直列の自動変速部20が有段変速機として機能することにより、適切な大きさの駆動力が得られると同時に、自動変速部20の第1速、第2速、第3速、第4速の各ギヤ段に対しその自動変速部20に入力される回転速度すなわち伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって変速機構10全体として無段変速状態となりトータル変速比γTが無段階に得られるようになる。
上記ハイブリッド制御手段52は、エンジン8を効率のよい作動域で作動させる一方で、エンジン8と第1電動機M1および/または第2電動機M2との駆動力の配分を最適になるように変化させて切換型変速部11の電気的な無段変速機としての変速比γ0を制御する。例えば、そのときの走行車速において、アクセルペダル操作量や車速から運転者の要求出力を算出し、運転者の要求出力と充電要求値から必要な駆動力を算出し、エンジンの回転速度とトータル出力とを算出し、そのトータル出力とエンジン回転速度NEとに基づいて、エンジン出力を得るようにエンジン8を制御するとともに第1電動機M1の発電量を制御する。ハイブリッド制御手段52は、その制御を自動変速部20の変速段を考慮して実行したり、或いは燃費向上などのために自動変速部20に変速指令を行う。このようなハイブリッド制御では、エンジン8を効率のよい作動域で作動させるために定まるエンジン回転速度NEと車速および自動変速部20の変速段で定まる伝達部材18の回転速度とを整合させるために、切換型変速部11が電気的な無段変速機として機能させられる。すなわち、ハイブリッド制御手段52は無段変速走行の時に運転性と燃費性とを両立した予め記憶された最適燃費率曲線に沿ってエンジン8が作動させられるように変速機構10のトータル変速比γTの目標値を定め、その目標値が得られるように切換型変速部11の変速比γ0を制御し、トータル変速比γTをその変速可能な変化範囲内例えば13〜0.5の範囲内で制御することになる。
このとき、ハイブリッド制御手段52は、第1電動機M1により発電された電気エネルギをインバータ58を通して蓄電装置60や第2電動機M2へ供給するので、エンジン8の動力の主要部は機械的に伝達部材18へ伝達されるが、エンジン8の動力の一部は第1電動機M1の発電のために消費されてそこで電気エネルギに変換され、インバータ58を通して電気エネルギが第2電動機M2或いは第1電動機M1へ供給され、その第2電動機M2或いは第1電動機M1から伝達部材18へ伝達される。この電気エネルギの発生から第2電動機M2で消費されるまでに関連する機器により、エンジン8の動力の一部を電気エネルギに変換し、その電気エネルギを機械的エネルギに変換するまでの電気パスが構成される。また、ハイブリッド制御手段52は、エンジン8の停止又はアイドル状態に拘わらず、切換型変速部11の電気的CVT機能によってモータ走行させることができる。
図9は、電子制御装置40の制御作動の要部すなわち車両の燃費に基づく変速機構10の変速状態の切換制御作動を示すフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
先ず、最適燃費曲線選択手段80に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、燃費曲線記憶手段82に予め記憶されているエンジン8の燃費マップが選択され、その燃費マップから車両状態すなわち車速Vに基づく無段エンジン出力Pecvtおよび有段エンジン出力Peuが読み込まれる。この燃費マップはエンジン水温、エンジン作動油温、或いは燃焼状態すなわちリーンやストイキで示される空燃比等のエンジン8の内外的要因で変化させられる。
続く、伝達効率算出手段84に対応するS2において、変速機構10の無段変速状態での無段伝達効率ηcvt が例えば図7に示す予め記憶された関係から車両状態例えば実際の車速Vや駆動力関連値に基づいて求められる。好適には、その無段伝達効率ηcvt と一定値として記憶されている無段システム効率ηsyscとで無段走行効率ηtcvt(=無段伝達効率ηcvt ×無段システム効率ηsysc)が算出される。そして、燃料消費率算出手段86に対応するS3において、上記S1で読み込まれた無段エンジン出力Pecvtと上記S2で求められた無段走行効率ηtcvtから無段変速走行での車両の燃料消費率fscvt{=燃料消費量F/(無段エンジン出力Pecvt×無段走行効率ηtcvt)}が算出される。
続いて、伝達効率算出手段84に対応するS4において、変速機構10の有段変速状態での有段伝達効率ηu が例えば図7に示す予め記憶された関係から車両状態例えば実際の車速Vや駆動力関連値に基づいて求められる。好適には、その有段伝達効率ηu と一定値として記憶されている有段システム効率ηsysuとで有段走行効率ηtu(=有段伝達効率ηu ×有段システム効率ηsysu)が算出される。そして、燃料消費率算出手段86に対応するS5において、上記S1で読み込まれた有段エンジン出力Peuと上記S4で求められた有段走行効率ηtuから有段変速走行での車両の燃料消費率fsu{=燃料消費量F/(有段エンジン出力Peu×有段走行効率ηtu)}が算出される。
さらに、変速状態燃費判定手段88に対応するS6において、無段変速走行および有段変速走行の何れが車両の燃料消費率fs すなわち燃費が良いかが、例えば上記S3およびS5において算出された無段変速走行の車両の燃料消費率fscvtおよび有段変速走行の車両の燃料消費率fsuを比較して判断される。好適には、このS6において有段変速走行での燃費が良いか否かすなわち変速機構10の変速状態を有段変速状態に切り換える方が燃費上有利であるか否かが判定される。
このS6の判断が否定される言い換えればS6において無段変速走行での燃費が良いと判断される場合は切換制御手段50に対応するS7において、変速機構10が無段変速状態とされるように切換クラッチC0および切換ブレーキB0を解放させる指令が油圧制御回路42へ出力される。同時に、ハイブリッド制御手段52に対してハイブリッド制御を許可する信号が出力されるとともに、有段変速制御手段54には、予め設定された無段変速時の変速段に固定する信号が出力されるか、或いは変速線図記憶手段56に予め記憶された例えば図11に示す変速線図における自動変速部20の変速判断の基となる変速線に従って自動変速することを許可する信号が出力される。したがって、この無段変速走行では、切換型変速部11が無段変速機として機能させられ、それに直列の自動変速部20が有段変速機として機能することにより、適切な大きさの駆動力が得られると同時に、自動変速部20の第1速、第2速、第3速、第4速の各ギヤ段に対しその自動変速部20に入力される回転速度すなわち伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって変速機構10全体としてのトータル変速比γTが無段階に得られるようになる。
このS6の判断が肯定される言い換えればS6において有段変速走行での燃費が良いと判断される場合は切換制御手段50に対応するS8において、変速機構10が有段変速状態とされるようにハイブリッド制御手段52に対してハイブリッド制御或いは無段変速制御を不許可(禁止)とする信号を出力するとともに、有段変速制御手段54に対しては、予め設定された有段変速時の変速制御を許可する。このときの有段変速制御手段54は、変速線図記憶手段56に予め記憶された例えば図11に示す変速線図に従って自動変速制御を実行する。図2は、このときの変速制御において選択される油圧式摩擦係合装置すなわちC0、C1、C2、B0、B1、B2、B3の作動の組み合わせを示している。この有段自動変速制御モードの第1速乃至第4速では、切換クラッチC0が係合させられることにより切換型変速部11が固定の変速比γ0が1の副変速機として機能しているが、第5速では、その切換クラッチC0の係合に替えて切換ブレーキB0が係合させられることにより切換型変速部11が固定の変速比γ0が0.7の副変速機として機能している。すなわち、この有段自動変速走行では、副変速機として機能する切換型変速部11と自動変速部20とを含む変速機構10全体が所謂有段式自動変速機として機能している。
この結果、一般的に燃費が良いとされる電気的な無段変速機が構成される変速機構10が車両の燃費上有利な走行となる変速状態に切り替えられるので、一層燃費が向上する。
上述のように、本実施例によれば、電気的な無段変速機として作動可能な無段変速状態と有段の変速機として作動可能な有段変速状態とに切り換え可能な変速状態切換型変速機構10が、前記無段変速状態および前記有段変速状態の何れの走行での車両の燃料消費率fが良いかに基づいて切換制御手段50(S6、S7、S8)により無段変速状態と有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換えられることから、一層燃費が向上する適切な走行が得られる。
また、本実施例によれば、燃料消費率算出手段86(S3、S5)により前記燃料消費率fが車両状態例えば車速Vや前記駆動力関連値から逐次算出されるので、リアルタイムで前記無段変速状態および前記有段変速状態での燃料消費率fが算出されて変速機構10の変速状態が燃費の良い走行状態とされる。
また、本実施例によれば、前記燃料消費率fは、例えば図6に示す予め記憶された関係から求められるエンジンの燃料消費率fe に基づいて算出されるので、燃料消費率算出手段86により車両の燃料消費率fs が適切に算出される。
また、本実施例によれば、前記車両状態から算出される燃料消費率fは、伝達効率算出手段84(S2、S4)により算出されたエンジンから駆動輪38への伝達効率ηが考慮されるので、燃料消費率算出手段86により燃料消費率fが適切に算出される。
また、本実施例によれば、前記伝達効率ηは車両の走行抵抗例えば登坂路走行等の高トルク走行によって変化するものであり、その伝達効率ηに基づいて燃料消費率算出手段86により燃料消費率fが適切に算出される。
また、本実施例によれば、前記伝達効率ηは車速Vによって変化するものであり、その伝達効率ηに基づいて燃料消費率算出手段86により燃料消費率fが適切に算出される。
また、本実施例によれば、前記伝達効率ηは前記車両の駆動力関連値によって変化するものであり、その伝達効率ηに基づいて燃料消費率算出手段86により燃料消費率fが適切に算出される。
また、本実施例によれば、動力分配機構16が、第1キャリヤCA1、第1サンギヤS1、第1リングギヤR1を3要素とするシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24によって簡単に且つ動力分配機構16の軸方向寸法が小さく構成される利点がある。さらに、動力分配機構16には油圧式摩擦係合装置すなわち第1サンギヤS1と第1キャリヤCA1とを相互に連結する切換クラッチC0および第1サンギヤS1をトランスミッションケース12に連結する切換ブレーキB0が設けられているので、切換制御手段50により変速機構10の無段変速状態と有段変速状態とが簡単に制御される。
また、本実施例によれば、動力分配機構16と駆動輪38との間に自動変速部20が直列に介装されており、その動力分配機構16の変速比すなわち切換型変速部11の変速比とその自動変速部20の変速比とに基づいて変速機構10の総合変速比が形成されることから、その自動変速部20の変速比を利用することによって駆動力が幅広く得られるようになるので、切換型変速部11における無段変速制御すなわちハイブリッド制御の効率が一層高められる。
また、本実施例によれば、変速機構10が有段変速状態とされるとき、切換型変速部11が自動変速部20の一部であるかの如く機能して変速比が1より小さいオーバドライブギヤ段である第5速が得られる利点がある。
また、本実施例によれば、第2電動機M2が自動変速部20の入力回転部材である伝達部材18に連結されていることから、その自動変速部20の出力軸22に対して低トルクの出力でよくなるので、第2電動機M2が一層小型化される利点がある。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図10は、電子制御装置40による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図5の別の実施例である。
図11は、自動変速部20の変速判断の基となる変速線図記憶手段56に予め記憶された変速線図(変速マップ或いは関係)であり、車速Vと駆動力関連値である出力トルクTout とをパラメータとする二次元座標で構成された変速線図の一例である。図11の実線はアップシフト線であり一点鎖線はダウンシフト線である。
また、図11は車速Vと駆動力関連値例えば出力トルクTout とをパラメータとして前記無段変速状態および前記有段変速状態の何れでの走行が車両の燃料消費率fs が良いかによって変速機構10を前記無段変速状態とするための無段制御領域と前記有段変速状態とするための有段制御領域が設定された予め記憶された切換線図(切換マップ或いは関係)の一例でもある。例えば、それらの領域の設定すなわち図11の破線およびその破線に対してヒステリシスが設けられている二点鎖線に示す無段制御領域と有段制御領域との境界線は、変速機構10が前記無段変速状態および前記有段変速状態の何れでの走行が車両の燃料消費率fs が良いかに基づいて予め実験等で求められたものである。すなわち、この図11は変速マップと切換マップとが同一の二次元座標で構成された場合の関係を示す図でもあり、この切換マップは変速マップとともに変速線図記憶手段56に予め記憶されていることになる。なお、変速マップと切換マップとが異なる二次元座標で構成されるのはもちろんのこと、その切換マップが変速線図記憶手段56以外の別の記憶手段例えば図示しない切換線図記憶手段に予め記憶されてもいてもよい。
切換制御手段50は、前述の実施例での車両の燃料消費率fに基づいく変速機構10の変速状態の切換えに替えて、例えば図11に示すような変速線図記憶手段56に予め記憶された切換マップから現在の車両状態すなわち実際の車速Vと出力トルクTout とに基づいて変速機構10を前記無段変速状態および前記有段変速状態の何れかに選択的に切り換える。
この結果、一般的に燃費が良いとされる電気的な無段変速機が構成される変速機構10が車両の燃費上有利な走行となる変速状態に切り替えられるので、一層燃費が向上する。また、前述の実施例のように燃料消費率fが逐次算出される場合に比較して制御が簡単で電子制御装置40の計算負荷も少なくて済むことになる。
上述のように、本実施例によれば、前記無段変速状態および前記有段変速状態の何れでの走行が燃料消費率fが良いかによりその無段変速状態或いはその有段変速状態とするための領域が設定された例えば図11に示す予め記憶された関係から車両状態例えば実際の車速Vと出力トルクTout に基づいて変速機構10が前記無段変速状態と前記有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換えられるので、変速機構10の変速状態が簡単に燃費の良い走行状態に切り替えられて一層燃費が向上する。
図12は、電子制御装置40による制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であって、図5の別の実施例である。
図12において、切換制御手段50は、高車速判定手段62、高出力走行判定手段64、および電気パス機能判定手段66をさらに備えており、車両の所定条件に基づいて変速機構10の変速状態の切換えが前述の実施例での車両の燃料消費率fに基づくことなく変速機構10を前記有段変速状態に切り換える。
高車速判定手段62は、ハイブリッド車両の実際の車速Vが高速走行を判定するための予め設定された高速走行判定値である判定車速V1以上の高車速となったか否かを判定する。高出力走行判定手段64は、ハイブリッド車両の駆動力に関連する駆動力関連値例えば自動変速部20の出力トルクTout が高出力走行を判定するための予め設定された高出力走行判定値である判定出力トルクT1以上の高トルク(高駆動力)走行となったか否かを判定する。つまり、高出力走行判定手段64では車両の駆動力を直接或いは間接的に示す駆動力関連パラメータに基づいて車両の高出力走行が判定される。電気パス機能判定手段66は、変速機構10を無段変速状態とするための制御機器の機能低下が判定される故障判定条件の判定を、例えば第1電動機M1における電気エネルギの発生からその電気エネルギが機械的エネルギに変換されるまでの電気パスに関連する機器の機能低下すなわち第1電動機M1、第2電動機M2、インバータ58、蓄電装置60、それらを接続する伝送路などの故障や、故障(フェイル)とか低温による機能低下或いは機能不全の発生に基づいて判定する。
例えば、判定車速V1は、高速走行において変速機構10が無段変速状態とされるとかえって燃費が悪化するのを抑制するように、変速機構10の変速状態の切換えが前述の実施例での車両の燃料消費率fに基づくことなく変速機構10を有段変速状態に切り換える方が明らかに燃費上有利となる車両の高速走行を判定するために予め実験等で求められて記憶された値である。
また、例えば、判定トルクT1は、車両の高出力走行において第1電動機M1の反力トルクをエンジンの高出力域まで対応させないで第1電動機M1を小型化するために、例えば第1電動機M1からの電気エネルギの最大出力を小さくして配設可能とされた第1電動機M1の特性に応じて設定されることになる。つまり、判定トルクT1は、変速機構10の変速状態の切換えが前述の実施例での車両の燃料消費率fに基づくことなく変速機構10を有段変速状態に切り換える必要がある車両の高出力走行すなわち変速機構10を電気的な無段変速機として作動させられない電動機の定格出力に基づいて定められたエンジン出力の制限値を越えるような車両の高出力走行を判定するために予め記憶された値である。
切換制御手段50は、所定条件としての上記高車速判定手段62による高車速判定、高出力走行判定手段64による高出力走行判定すなわち高トルク判定、電気パス機能判定手段66による電気パス機能不全の判定の少なくとも1つが発生した場合は、変速機構10を有段変速状態に切り換える有段変速制御領域であると判定して、前述の実施例と同様にハイブリッド制御手段52に対してハイブリッド制御或いは無段変速制御を不許可すなわち禁止とする信号を出力するとともに、有段変速制御手段54に対しては、予め設定された有段変速時の変速制御を許可する。このように、切換制御手段50によって所定条件に基づいて変速機構10が有段変速状態に切り換えられるとともに、その有段変速状態における2種類の変速段のいずれかとなるように選択的に切り換えられて、切換型変速部11が副変速機として機能させられ、それに直列の自動変速部20が有段変速機として機能することにより、変速機構10全体が所謂有段式自動変速機として機能させられる。
また、切換制御手段50は切換クラッチC0および切換ブレーキB0のいずれを係合させるかを、例えば高出力走行判定手段64による高出力走行判定により切換クラッチC0の係合が、或いは高車速判定手段62による高速走行判定により切換ブレーキB0の係合を判断してもよい。但し、高出力走行時であっても第5速ギヤ段が選択された場合には切換ブレーキB0の係合が判断される。
図13はエンジン回転速度NEおよびエンジントルクTEをパラメータとする変速線図記憶手段56に予め記憶された無段制御領域と有段制御領域との境界線としてのエンジン出力線を有する切換マップである。切換制御手段50は、前述した車両の所定条件に基づく変速機構10の前記有段変速状態への切換えに替えて、この図13の切換マップから実際のエンジン回転速度NEとエンジントルクTEとに基づいて、それらのエンジン回転速度NEとエンジントルクTEとで表される車両状態が有段制御領域内すなわち燃費判定に拘わらず強制的に有段変速状態に切り換えるべき領域内であるかを判定して変速機構10を前記有段変速状態に切り換える場合もある。
つまり図13の関係は、判定車速V1および判定トルクT1以上となる領域に相当するエンジントルクTEが予め設定された所定値TE1以上の高トルク領域、エンジン回転速度NEが予め設定された所定値NE1以上の高回転領域、或いはそれらエンジントルクTEおよびエンジン回転速度NEから算出されるエンジン出力が所定以上の高出力領域、すなわち前述の実施例での車両の燃料消費率fに基づくことなく変速機構10を明らかに有段変速状態とする必要がある領域が予め実験等により求められて記憶されていることになる。
上述のように、本実施例によれば、切換制御手段10は、実際の車速が予め設定された判定車速V1を越えたときに変速機構10を前記有段変速状態とするものであるので、例えば実際の車速Vが変速機構10を有段変速状態に切り換える方が明らかに燃費上有利となる車両の高速走行を判定するための判定車速V1を越えると、専ら機械的な動力伝達経路でエンジンの出力が駆動輪へ伝達されて、電気的な無段変速機として作動させる場合に発生する動力と電気との間の変換損失が抑制されるので燃費が向上させられる。
また、本実施例によれば、切換制御手段50は実際の出力トルクTout が予め設定された判定出力トルクT1を越えたときに変速機構10を有段変速状態とするものであるので、例えば実際の出力トルクTout が変速機構10を電気的な無段変速機として作動させられない第1電動機M1の定格出力に基づいて定められたエンジン出力の制限値を越えるような車両の高出力走行を判定するための判定出力トルクT1を越えるような高出力走行となると、専ら機械的な動力伝達経路でエンジン8の出力が駆動輪38へ伝達されて変速機構10が電気的な無段変速機として作動させられる場合は専ら低中出力走行となるので、第1電動機M1が発生すべき電気的エネルギの最大値を小さくできてすなわち第1電動機M1の保障すべき出力容量を小さくできてその第1電動機M1や第2電動機M2、或いはそれを含む車両の駆動装置が一層小型化される。
また、本実施例によれば、切換制御手段50は変速機構10を電気的な無段変速状態とするための制御機器の機能低下を判定する故障判定条件が成立した場合に変速機構10を有段変速状態とするものであるので、変速機構10が無段変速状態とされない場合でも有段変速状態とされることで、有段走行ではあるが無段走行と略同様の車両走行が確保される。
図14は本発明の他の実施例における変速機構70の構成を説明する骨子図、図15はその変速機構70の変速段と油圧式摩擦係合装置の係合の組み合わせとの関係を示す係合表、図16はその変速機構70の変速作動を説明する共線図である。
変速機構70は、前述の実施例と同様に第1電動機M1、動力分配機構16、および第2電動機M2を備えている切換型変速部11と、その切換型変速部11と出力軸22との間で伝達部材18を介して直列に連結されている前進3段の自動変速部72とを備えている。動力分配機構16は、例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ1を有するシングルピニオン型の第1遊星歯車装置24と切換クラッチC0および切換ブレーキB0とを有している。自動変速部72は、例えば「0.532」程度の所定のギヤ比ρ2を有するシングルピニオン型の第2遊星歯車装置26と例えば「0.418」程度の所定のギヤ比ρ3を有するシングルピニオン型の第3遊星歯車装置28とを備えている。第2遊星歯車装置26の第2サンギヤS2と第3遊星歯車装置28の第3サンギヤS3とが一体的に連結されて第2クラッチC2を介して伝達部材18に選択的に連結されるとともに第1ブレーキB1を介してケース12に選択的に連結され、第2遊星歯車装置26の第2キャリヤCA2と第3遊星歯車装置28の第3 リングギヤR3とが一体的に連結されて出力軸22に連結され、第2リングギヤR2は第1クラッチC1を介して伝達部材18に選択的に連結され、第3キャリヤCA3は第2ブレーキB2を介してケース12に選択的に連結されている。
以上のように構成された変速機構70では、例えば、図15の係合作動表に示されるように、前記切換クラッチC0、第1クラッチC1、第2クラッチC2、切換ブレーキB0、第1ブレーキB1、および第2ブレーキB2が選択的に係合作動させられることにより、第1速ギヤ段(第1変速段)乃至第4速ギヤ段(第4変速段)のいずれか或いは後進ギヤ段(後進変速段)或いはニュートラルが選択的に成立させられ、略等比的に変化する変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力歯車回転速度NOUT )が各ギヤ段毎に得られるようになっている。特に、本実施例では動力分配機構16に切換クラッチC0および切換ブレーキB0が備えられており、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかが係合作動させられることによって、切換型変速部11は前述した無段変速機として作動可能な無段変速状態に加え、変速比が一定の変速機として作動可能な定変速状態を構成することが可能とされている。したがって、変速機構70では、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで定変速状態とされた切換型変速部11と自動変速部72とで有段変速機として作動可能な有段変速状態が構成され、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態とされた切換型変速部11と自動変速部72とで電気的な無段変速機として作動可能な無段変速状態が構成される。言い換えれば、変速機構70は、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れかを係合作動させることで有段変速状態に切り換えられ、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の何れも係合作動させないことで無段変速状態に切り換えられる。
例えば、変速機構70が有段変速機として機能する場合には、図15に示すように、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2ブレーキB2の係合により、変速比γ1が最大値例えば「2.804」程度である第1速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第1ブレーキB1の係合により、変速比γ2が第1速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.531」程度である第2速ギヤ段が成立させられ、切換クラッチC0、第1クラッチC1および第2クラッチC2の係合により、変速比γ3が第2速ギヤ段よりも小さい値例えば「1.000」程度である第3速ギヤ段が成立させられ、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および切換ブレーキB0の係合により、変速比γ4が第3速ギヤ段よりも小さい値例えば「0.705」程度である第4速ギヤ段が成立させられる。また、第2クラッチC2および第2ブレーキB2の係合により、変速比γRが第1速ギヤ段と第2速ギヤ段との間の値例えば「2.393」程度である後進ギヤ段が成立させられる。なお、ニュートラル「N」状態とする場合には、例えば切換クラッチC0のみが係合される。
しかし、変速機構70が無段変速機として機能する場合には、図15に示される係合表の切換クラッチC0および切換ブレーキB0が共に解放される。これにより、切換型変速部11が無段変速機として機能し、それに直列の自動変速部72が有段変速機として機能することにより、自動変速部72の第1速、第2速、第3速の各ギヤ段に対しその自動変速部72に入力される回転速度すなわち伝達部材18の回転速度が無段的に変化させられて各ギヤ段は無段的な変速比幅が得られる。したがって、その各ギヤ段の間が無段的に連続変化可能な変速比となって変速機構70全体としてのトータル変速比γTが無段階に得られるようになる。
図16は、無段変速部或いは第1変速部として機能する切換型変速部11と有段変速部或いは第2変速部として機能する自動変速部72から構成される変速機構70において、ギヤ段毎に連結状態が異なる各回転要素の回転速度の相対関係を直線上で表すことができる共線図を示している。切換クラッチC0および切換ブレーキB0が解放される場合、および切換クラッチC0または切換ブレーキB0が係合させられる場合の動力分配機構16の各要素の回転速度は前述の場合と同様である。
自動変速部72では、図16に示すように、第1クラッチC1と第2ブレーキB2とが係合させられることにより、第7回転要素RE7(R2)の回転速度を示す縦線Y7と横線X2との交点と第5回転要素RE5(CA3)の回転速度を示す縦線Y5と横線X1との交点とを通る斜めの直線L1と、出力軸22と連結された第6回転要素RE6(CA2,R3)の回転速度を示す縦線Y6との交点で第1速の出力軸22の回転速度が示される。同様に、第1クラッチC1と第1ブレーキB1とが係合させられることにより決まる斜めの直線L2と出力軸22と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第2速の出力軸22の回転速度が示され、第1クラッチC1と第2クラッチC2とが係合させられることにより決まる水平な直線L3と出力軸22と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第3速の出力軸22の回転速度が示される。上記第1速乃至第3速では、切換クラッチC0が係合させられている結果、エンジン回転速度NEと同じ回転速度で第7回転要素RE7に切換型変速部11からの動力が入力される。しかし、切換クラッチC0に替えて切換ブレーキB0が係合させられると、切換型変速部11からの動力がエンジン回転速度NEよりも高い回転速度で入力されることから、第1クラッチC1、第2クラッチC2、および切換ブレーキB0が係合させられることにより決まる水平な直線L4と出力軸22と連結された第6回転要素RE6の回転速度を示す縦線Y6との交点で第4速の出力軸22の回転速度が示される。
本実施例の変速機構70においても、無段変速部或いは第1変速部として機能する切換型変速部11と、有段変速部或いは第2変速部として機能する自動変速部72とから構成されるので、前述の実施例と同様の効果が得られる。
図17は、手動操作によって変速機構10の変速状態を切り換えるための変速状態手動選択装置としてのシーソー型スイッチ44である。例えば、ユーザは無段変速機のフィーリングや燃費改善効果が得られる走行を所望すれば変速機構10が無段変速状態とされるように手動操作により選択すればよいし、また有段変速機の変速に伴うエンジン回転速度の変化によるフィーリング向上を所望すれば変速機構10が有段変速状態とされるように手動操作により選択すればよい。また、スイッチ44に無段変速走行或いは有段変速走行の何れも選択されない状態である中立位置が設けられる場合には、スイッチ44がその中立位置の状態であるときすなわちユーザによって所望する変速状態が選択されていないときや所望する変速状態が自動切換のときには、前述の実施例と同様に切換制御手段50は変速機構10を前記無段変速状態と前記有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換える。すなわち切換制御手段50により前記無段変速状態と前記有段変速状態とが手動操作による切換えでなく自動で切り換えられる。これによって、一層燃費が向上する適切な走行が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例の無段システム効率ηsyscおよび有段システム効率ηsysuは予め実験等で求められて、記憶されている一定値であったが、車両状態例えば車速Vや自動変速部20の作動油温等によって逐次変化させられる関数であってもよい。或いは、無段システム効率ηsyscおよび有段システム効率ηsysuはなくてもよい。この場合には、車両の燃料消費率fs は必ずしも正確なものではないがおおよその燃費の比較は可能である。
また、前述の実施例の動力分配機構16では、第1キャリヤCA1がエンジン8に連結され、第1サンギヤS1が第1電動機M1に連結され、第1リングギヤR1が伝達部材18に連結されたいたが、それらの連結関係は、必ずしもそれに限定されるものではなく、エンジン8、第1電動機M1、伝達部材18は、第1遊星歯車装置24の3要素CA1、S1、R1のうちのいずれと連結されていても差し支えない。
また、前述の動力分配機構16には切換クラッチC0および切換ブレーキB0が備えられていたが、切換クラッチC0および切換ブレーキB0は必ずしも両方備えられる必要はなく、切換クラッチC0および切換ブレーキB0の一方のみが備えられていてもよい。また、上記切換クラッチC0は、サンギヤS1とキャリヤCA1とを選択的に連結するものであったが、サンギヤS1とリングギヤR1との間や、キャリヤCA1とリングギヤR1との間を選択的に連結するものであってもよい。要するに、第1遊星歯車装置24の3要素のうちのいずれか2つを相互に連結するものであればよい。
また、前述の実施例では、切換クラッチC0および切換ブレーキB0などの油圧式摩擦係合装置は、パウダー(磁粉)クラッチ、電磁クラッチ、噛み合い型のドグクラッチなどの磁粉式、電磁式、機械式係合装置から構成されていてもよい。
また、前述の実施例では、第2電動機M2が伝達部材18に連結されていたが、出力軸22に連結されていてもよいし、自動変速部20、72内の回転部材に連結されていてもよい。
また、前述の実施例では、切換型変速部11すなわち動力分配機構16の出力部材である伝達部材18と駆動輪38との間の動力伝達経路に、自動変速部20、72が介装されていたが、例えば自動変速機の一種である無段変速機(CVT)等の他の形式の動力伝達装置が設けられていてもよいし、必ずしも設けられていなくてもよい。その無段変速機(CVT)の場合には、動力分配機構16が定変速状態とされることで全体として有段変速状態とされる。有段変速状態とは、電気パスを用いないで専ら機械的伝達経路で動力伝達することである。
また、前述の実施例では、変速機構10、70はエンジン8以外に第1電動機M1或いは第2電動機M2のトルクによって駆動輪38が駆動されるハイブリッド車両用の駆動装置であったが、例えば変速機構10、70を構成する切換型変速部11すなわち動力分配機構16がハイブリッド制御されない電気的CVTと称される無段変速機としての機能のみを有するような車両用の駆動装置であっても本発明は適用され得る。
また、前述の実施例の動力分配機構16は、例えばエンジンによって回転駆動されるピニオンと、そのピニオンに噛み合う一対のかさ歯車が第1電動機M1および第2電動機M2に接続された差動歯車装置であってもよい。
また、前述の実施例の動力分配機構16は、1組の遊星歯車装置から構成されていたが、2以上の遊星歯車装置から構成されて、定変速状態では3段以上の変速機として機能するものであってもよい。
また、前述の実施例のスイッチ44はシーソー型のスイッチであったが、例えば押しボタン式のスイッチ、択一的にのみ押した状態が保持可能な2つの押しボタン式のスイッチ、レバー式スイッチ、スライド式スイッチ等の少なくとも無段変速走行と有段変速走行とが択一的に切り換えられるスイッチであればよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例であるハイブリッド車両の駆動装置の構成を説明する骨子図である。 図1の実施例のハイブリッド車両の駆動装置が無段或いは有段変速作動させられる場合における変速作動とそれに用いられる油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表である。 図1の実施例のハイブリッド車両の駆動装置が有段変速作動させられる場合における各ギヤ段の相対的回転速度を説明する共線図である。 図1の実施例の駆動装置に設けられた電子制御装置の入出力信号を説明する図である。 図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明する機能ブロック線図である。 燃料消費率の算出に用いられる燃費マップの一例である。 車速に対して変化する無段変速状態および有段変速状態のそれぞれの伝達効率を示した一例である。 有段式変速機におけるアップシフトに伴うエンジン回転速度の変化の一例である。 本発明の実施例における電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。 図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明する機能ブロック線図であって、図5の実施例の別の実施例である。 自動変速部の変速判断の基となる予め記憶された変速線図であって、変速機構を無段変速状態或いは有段変速状態とするための領域が設定された切換線図でもある。 図4の電子制御装置の制御作動の要部を説明する機能ブロック線図であって、図5の実施例の別の実施例である。 無段制御領域と有段制御領域との境界線を有する予め記憶された関係を示す図である。 本発明の他の実施例におけるハイブリッド車両の駆動装置の構成を説明する骨子図であって、図1に相当する図である。 図14の実施例のハイブリッド車両の駆動装置が無段或いは有段変速作動させられる場合における変速作動とそれに用いられる油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせとの関係を説明する作動図表であって、図2に相当する図である。 図14の実施例のハイブリッド車両の駆動装置が有段変速作動させられる場合における各ギヤ段の相対的回転速度を説明する共線図であって、図3に相当する図である。 切換装置としてのシーソー型スイッチであって変速状態を選択するためにユーザによって操作される変速状態手動選択装置の一例である。
符号の説明
8:エンジン
10、70:変速状態切換型変速機構(駆動装置)
12:トランスミッションケース(非回転部材)
16:動力分配機構
18:伝達部材
20、72:自動変速部(有段式自動変速機)
24:第1遊星歯車装置(シングルピニオン型遊星歯車装置)
38:駆動輪
50:切換制御手段
M1:第1電動機
M2:第2電動機
C0:切換クラッチ(作動状態切換装置)
B0:切換ブレーキ(作動状態切換装置)

Claims (23)

  1. エンジンの出力を駆動輪へ伝達する車両用駆動装置の制御装置であって、
    動力分配機構と、該動力分配機構の回転要素のうちの1つに動力伝達可能に連結された第1電動機と、駆動輪に動力伝達可能とされた第2電動機と、該動力分配機構の作動状態を切り換える作動状態切換装置とを備え、該第1電動機および第2電動機の運転状態が制御されることにより前記エンジンからの動力を無段階に変速して機械的に後段へ伝達するとともに前記第1電動機から第2電動機への電気パスを介して電気的に後段へ伝達する電気的な無段変速機として作動可能な無段変速状態と、前記動力分配機構の差動を制限することにより前記エンジンからの動力を所定の変速比で専ら機械的に後段へ伝達する有段の変速機として作動可能な有段変速状態とに切り換え可能な変速状態切換型変速機構と、
    前記無段変速状態での車両の燃料消費率と、前記電気パスによる損失のないことによる寄与分と前記エンジンの動作点がその最適燃費線からずれることによる低下分とを含む前記有段変速状態の車両の燃料消費率の何れが良いかに基づいて前記変速状態切換型変速機構を前記無段変速状態と前記有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換える切換制御手段と
    を、含むことを特徴とする車両用駆動装置の制御装置。
  2. 前記燃料消費率は車両状態から逐次算出されるものである請求項1の車両用駆動装置の制御装置。
  3. 前記車両状態から逐次算出される燃料消費率は、予め記憶された関係から求められるエンジンの燃料消費率に基づいて算出されるものである請求項2の車両用駆動装置の制御装置。
  4. 前記車両状態から逐次算出される燃料消費率は、エンジンから駆動輪への伝達効率が考慮されるものである請求項2または3の車両用駆動装置の制御装置。
  5. 前記伝達効率は車両の走行抵抗によって変化するものである請求項4の車両用駆動装置の制御装置。
  6. 前記伝達効率は車速によって変化するものである請求項4または5の車両用駆動装置の制御装置。
  7. 前記伝達効率は車両の駆動力関連値によって変化するものである請求項4乃至6のいずれかの車両用駆動装置の制御装置。
  8. 前記無段変速状態および前記有段変速状態の何れでの走行が燃料消費率が良いかにより該無段変速状態或いは該有段変速状態とするための領域が設定された予め記憶された関係から現在の車両状態に基づいて前記変速状態切換型変速機構が前記無段変速状態と前記有段変速状態とのいずれかに選択的に切り換えられるものである請求項1の車両用駆動装置の制御装置。
  9. 前記切換制御手段は、実際の車速が予め設定された高速走行判定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである請求項1乃至8のいずれかの車両用駆動装置の制御装置。
  10. 前記切換制御手段は、車両の駆動力関連値が予め設定された高出力走行判定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである請求項1乃至9のいずれかの車両用駆動装置の制御装置。
  11. 前記切換制御手段は、前記変速状態切換型変速機構を前記電気的な無段変速状態とするための制御機器の機能低下を判定する故障判定条件が成立した場合に前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである請求項1乃至10のいずれかの車両用駆動装置の制御装置。
  12. 前記切換制御手段は、前記エンジンの実際の出力トルクが予め設定された所定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである請求項1乃至8のいずれかの車両用駆動装置の制御装置。
  13. 前記切換制御手段は、前記エンジンの実際の回転速度が予め設定された所定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである請求項1乃至8、および12のいずれかの車両用駆動装置の制御装置。
  14. 前記切換制御手段は、前記エンジンの実際の出力が予め設定された所定値を越えたときに前記変速状態切換型変速機構を前記有段変速状態とするものである請求項1乃至8、12、および13のいずれかの車両用駆動装置の制御装置。
  15. 前記変速状態切換型変速機構は、前記エンジンに連結された第1要素と、第1電動機に連結された第2要素と、第2電動機および伝達部材に連結された第3要素とを有する動力分配機構を備え、
    該動力分配機構は、前記変速状態切換型変速機構を前記無段変速状態および前記有段変速状態のいずれかの状態に切換可能とするための作動状態切換装置を有し、
    前記切換制御手段は、該作動状態切換装置を制御することで前記無段変速状態と前記有段変速状態とを選択的に切り換えるものである請求項1乃至14のいずれかの車両用駆動装置の制御装置。
  16. 前記作動状態切換装置は、前記第1要素乃至第3要素のうちのいずれか2つを相互におよび/または該第2要素を非回転部材に連結する係合装置であり、
    前記切換制御手段は、前記係合装置を解放して該第1要素、第2要素、および第3要素を相互に相対回転可能とすることにより前記無段変速状態とし、前記係合装置を係合して該第1要素、第2要素、および第3要素のうちの少なくとも2つを相互に連結するか或いは該第2要素を非回転状態とすることにより前記有段変速状態とするものである請求項15の車両用駆動装置の制御装置。
  17. 前記動力分配機構は遊星歯車装置であり、
    前記第1要素は該遊星歯車装置のキャリヤであり、
    前記第2要素は該遊星歯車装置のサンギヤであり、
    前記第3要素は該遊星歯車装置のリングギヤであり、
    前記係合装置は、前記キャリヤ、サンギヤ、リングギヤのうちのいずれか2つを相互に連結するクラッチおよび/または該サンギヤを非回転部材に連結するブレーキを備えたものである請求項16の車両用駆動装置の制御装置。
  18. 前記遊星歯車装置はシングルピニオン型遊星歯車装置である請求項17の車両用駆動装置の制御装置。
  19. 前記切換制御手段は、前記シングルピニオン型遊星歯車装置を変速比が1である変速機とするために前記キャリヤとサンギヤを相互に連結するか、或いは前記シングルピニオン型遊星歯車装置を変速比が1より小さい増速変速機とするために前記サンギヤを非回転状態とするように前記係合装置を制御するものである請求項18の車両用駆動装置の制御装置。
  20. 前記変速状態切換型変速機構は、前記伝達部材と前記駆動輪との間において前記動力分配機構と直列に設けられた自動変速機を含み、
    該自動変速機の変速比に基づいて前記変速状態切換型変速機構の変速比が形成されるものである請求項15乃至19のいずれかの車両用駆動装置の制御装置。
  21. 前記動力分配機構の変速比と前記自動変速機の変速比とに基づいて前記変速状態切換型変速機構の総合変速比が形成されるものである請求項20の車両用駆動装置の制御装置。
  22. 前記自動変速機は有段式自動変速機であり、該有段式自動変速機の変速は、予め記憶された変速線図に基づいて実行されるものである請求項20または21の車両用駆動装置の制御装置。
  23. 前記切換制御手段は、前記車両の燃料消費率の比較により前記変速状態切換型変速機構を前記無段変速状態と前記有段変速状態とのいずれかに切り換えるとともに、車両状態が予め設定された状態となった場合は、前記車両の燃料消費率に基づくことなく前記変速状態切換型変速機構を前記無段変速状態から前記有段変速状態へ切り換えるものである請求項1乃至21のいずれか1の車両用駆動装置の制御装置。
JP2004052211A 2003-12-26 2004-02-26 車両用駆動装置の制御装置 Expired - Lifetime JP4026604B2 (ja)

Priority Applications (18)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004052211A JP4026604B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 車両用駆動装置の制御装置
US11/019,337 US7822524B2 (en) 2003-12-26 2004-12-23 Vehicular drive system
CN2011100791521A CN102166946B (zh) 2003-12-26 2004-12-24 车辆用驱动系统以及控制该车辆用驱动系统的方法和装置
CN2004800421005A CN1926356B (zh) 2003-12-26 2004-12-24 车辆用驱动系统
KR1020077025344A KR20070112304A (ko) 2003-12-26 2004-12-24 차량용 구동장치, 상기 제어 방법 및 제어장치
KR1020077025342A KR100882176B1 (ko) 2003-12-26 2004-12-24 차량용 구동장치
EP11002541.8A EP2375103B1 (en) 2003-12-26 2004-12-24 Vehicular drive system
KR1020067015144A KR100887204B1 (ko) 2003-12-26 2004-12-24 차량용 구동장치 및 그 제어 방법
PCT/JP2004/019743 WO2005064199A1 (ja) 2003-12-26 2004-12-24 車両用駆動装置、その制御方法および制御装置
CN201110079155.5A CN102166950B (zh) 2003-12-26 2004-12-24 车辆用驱动系统以及控制该车辆用驱动系统的方法和装置
KR1020077025340A KR100863172B1 (ko) 2003-12-26 2004-12-24 차량용 구동장치
EP04808093A EP1701061B1 (en) 2003-12-26 2004-12-24 Drive device for vehicle, method of controlling the device, and device for controlling the device
KR1020077025345A KR20070112430A (ko) 2003-12-26 2004-12-24 차량용 구동장치, 상기 제어 방법 및 제어장치
KR1020077025341A KR100863173B1 (ko) 2003-12-26 2004-12-24 차량용 구동장치
KR1020077025343A KR100882177B1 (ko) 2003-12-26 2004-12-24 차량용 구동장치의 제어장치
US12/269,633 US7941259B2 (en) 2003-12-26 2008-11-12 Vehicular drive system
US12/269,591 US20090075774A1 (en) 2003-12-26 2008-11-12 Vehicular drive system
US12/269,659 US7848858B2 (en) 2003-12-26 2008-11-12 Vehicular drive system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004052211A JP4026604B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 車両用駆動装置の制御装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005240917A JP2005240917A (ja) 2005-09-08
JP2005240917A5 JP2005240917A5 (ja) 2007-03-22
JP4026604B2 true JP4026604B2 (ja) 2007-12-26

Family

ID=35022864

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004052211A Expired - Lifetime JP4026604B2 (ja) 2003-12-26 2004-02-26 車両用駆動装置の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4026604B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4293176B2 (ja) * 2005-10-20 2009-07-08 トヨタ自動車株式会社 動力出力装置及びこれを搭載する車両並びに動力出力装置の制御方法
JP2007118720A (ja) * 2005-10-26 2007-05-17 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置の制御装置
JP4358178B2 (ja) 2005-10-26 2009-11-04 トヨタ自動車株式会社 エンジンの始動制御装置
JP4052329B2 (ja) 2005-10-26 2008-02-27 トヨタ自動車株式会社 自動変速機の変速制御装置
JP4600421B2 (ja) * 2007-04-25 2010-12-15 トヨタ自動車株式会社 車両用動力伝達装置の制御装置
JP2010036708A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置の制御装置
JP2010052497A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置の制御装置
JP4600549B2 (ja) 2008-08-29 2010-12-15 トヨタ自動車株式会社 車両用動力伝達装置の制御装置
JP5229385B2 (ja) 2009-05-19 2013-07-03 トヨタ自動車株式会社 車両用動力伝達装置の制御装置
CN104968548B (zh) * 2013-01-31 2017-06-23 丰田自动车株式会社 混合动力车辆的控制装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005240917A (ja) 2005-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4155230B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4207920B2 (ja) 車両用駆動装置
JP4046103B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP2005264762A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP2007001390A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP2006298067A (ja) 動力伝達装置
JP4134954B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4228942B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4168954B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP2006009942A (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4144561B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4311358B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4026604B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4069903B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4442398B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4151614B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4410655B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4225253B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP2009227096A (ja) 車両用動力伝達装置の制御装置
JP4151735B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4182917B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4214963B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4483892B2 (ja) ハイブリッド車両用駆動装置の制御装置
JP4289242B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置
JP4039384B2 (ja) 車両用駆動装置の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070206

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071001

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4026604

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111019

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121019

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131019

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term