JP4025369B2 - 材料の機械的特性を判別する光学方法 - Google Patents

材料の機械的特性を判別する光学方法 Download PDF

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Description

同時継続暫定特許出願からの優先権の主張
優先権は、1996年4月26日に出願されたハンフリー J.マリス(Humphrey J. Maris)およびロバート J.ストーナー(Robert J. Stoner)による「材料の機械的特性を測定する光学方法」と題された同時継続暫定特許出願第60/017,481号から、35 U.S.C.§119(e)の下にここに主張する。優先権は、1996年5月8日に出願されたハンフリー J.マリス(Humphrey J. Maris)およびロバート J.ストーナー(Robert J. Stoner)による「材料の機械的特性を測定する光学方法」と題された同時継続暫定特許出願第60/017,391号からも、35 U.S.C.§119(e)の下にここに主張する。これらの両方の暫定特許出願の開示は、本願に引用例として取り込まれている。
政府権利の申告
本発明は、エネルギー省が与えた認可・契約番号第DEFG02-86ER45267号の及び全米科学財団が与えた認可・契約番号DMR-9121747の下に、政府の支援によってなされた。政府は、本発明の一定の権利を有する。
発明の技術分野
本発明は、電磁放射を使用してサンプルの特性を調べる方法及び装置に関する。
発明の背景
現在、薄膜および界面の非破壊評価は、薄膜を使う電気、光学、機械装置の製造業者にとって関心がある。1つの非破壊技術において、圧電変換器が圧電変換器と調査すべきフィルムとの間の基板に装着され、無線周波数パルスが、圧電変換器に印加される。ストレスパルスは、基板を介してフィルムに向けて伝搬する。基板およびフィルム間の界面で、パルスの一部は、変換器に反射される。残りは、フィルムに入って、反対側で部分的に反射されて基板を介して変換器に戻る。パルスは、電気信号に変換されて、電子工学的に増幅され、オシロスコープに表示される。2つのパルス間の時間遅延は、フィルムの音速が分かっている場合はフィルムの厚さを示し、また、フィルムの厚さが分かっている場合は音速を示す。パルスの相対振幅は、フィルム内での減衰や、フィルムと基板との間の結合の質に関する情報を提供する。
従来の超音波学を使用して測定できるフィルムの最小膜厚とフィルム界面状態への感度とは、パルス長により制限される。ストレスパルスの持続時間は、通常、3×105cm/secの音響速度に対して少なくとも3×10-2cmの空間長に相当する少なくとも0.1μ秒である。フィルムが音響パルスの長さよりも厚くなければ、変換器に戻っているパルスはそのうちに重なる。0.001μ秒と持続時間が短いパルスが使われるとしても、フィルムの厚さは、少なくとも数μでなければならない。
別の技術、超音波顕微鏡法は、先端に球形レンズを有するロッドを介して音を放出する。先端は、フィルムをカバーする液体に浸される。音は、液体を介して伝搬し、サンプルの表層で反射して、ロッドを介して変換器に戻る。サンプルが水平に移動する間に、変換器に戻る信号の振幅が測定される。振幅は、サンプル表層のコンピュータ生成写真に変換される。表面下のサンプルの特性は、サンプルを上げて表面下に焦点を持っていくことにより観測される。超音波顕微鏡の横向および垂直方向の分解能は、ほぼ等しい。
超短波長が結合液体に通されるときに、超音波顕微鏡に対する分解能は最大である。これによって、例えば液体ヘリウム等の低音速の液体が必要になる。液体ヘリウムを使用する超音波顕微鏡は、サンプルが0.1Kまで冷却されたときだけ、500Å程度の表面形状を解像できる。
別の技術は、ストレスパルスの生成および検出を含まず、フィルム厚の測定には有効である。楕円偏光計は、楕円偏光をフィルムサンプルに向けて、反射光の偏光状態を分析して3−10Åの精度でフィルム厚を測定する。楕円偏光は、別々の偏光方向および相対移相を有する2つの成分に分解される。2つの偏光成分の偏光状態とビーム振幅と位相との変化は、反射の後観測される。
楕円偏光法は、適度に透明なフィルムを使う。多くの場合、偏光放射の少なくとも10%は、フィルムを通過しなければならない。故に、金属サンプルフィルムの厚みは、数百オングストロームを越えることができない。
別の技術は、小さい針を使用して機械的にフィルム厚を測定する。針は、基板の表層を横切るように移動して、サンプルフィルムの端に達したときに、基板とフィルムとの間の高さの差を測定する。10−100オングストロームの精度を得ることが可能である。フィルムが鋭い、はっきりした端を欠いていたり、または堅さにおいて正確に針を支えるにはあまりにも柔らかい場合、この方法は使うことができない。
ラザフォード散乱に基づく、別の非破壊法は、後方散乱されたヘリウムイオンのエネルギを測定する。この方法の横方向の分解能は貧弱である。
別の技術は、抵抗測定値を使用してフィルム厚を測定する。抵抗率が周知の材料に対して、フィルム厚は、フィルムの電気抵抗を測定することにより測定される。しかし、1000Å未満のフィルムに対して、この方法の精度は、限られる。何となれば、抵抗率がフィルム厚に依存して不均一になるからである。
また別の技術において、ストレスパルスが表面に到着するとき、表層から離れた反射光ビームの方向の変化が調査される。特定の用途において、ストレスパルスは、調査されるフィルムの一側にある圧電変換器により生成される。他側に集束されるレーザビームは、サンプルを横切ったあとストレスパルスを検出する。この方法は、フィルム厚が10ミクロンを超える場合に有効である。
フィルムは、強い光ポンプビームをフィルムの表面に入射させてフィルムの表面を粉砕することによっても調べられる。しかし、この方法は、ストレスパルスの伝搬を観測するよりはむしろ、表面の破壊的な励振を観測する。熱溶解等の破壊は、光プローブビームでポンプビームの入射場所を照らして、プローブビームの強度変化を測定することによって観測される。プローブビームの強度は、フィルム表面の沸騰、融解した材料の除去、次の表面の冷却等の破壊的崩壊的な影響によって変えられる。ドーナ M.C.(Downer, M.C.)フォーク R.L.(Fork, R.L.)シャンク C.V.(Shank, C.V.)の「フェムト秒光パルスによる描画」超高速現象IV(Ultrafast Phenomena IV)編集D.H.アストン(D.H. Auston)、K.B.アイゼンタル(K.B.Eisenthal)(スピンガ・バーラグ、ニューヨーク、1984)第106頁乃至110頁を参照のこと。
他のシステムは、放射の適切に選択された波長の吸収を測定することによって、材料の厚さ、組成、濃度を測定する。この方法は、フィルムが透明基板の上にある場合だけ使用できる。
米国特許第4,710,030号(タック特許(Tauc et al.))に記載されている非破壊超音波技術において、超高周波数音パルスが、超高速レーザパルスによって生成されて検出される。音パルスは、界面を調べるために用いられる。この技術で使われる超音波周波数は、1THz未満であり、多くの材料において対応する音の波長は、数百Åよりも大きい。これは、この技術においてコヒーレントな縦方向音響フォノンとして生成される高周波数超音波パルスを参照することと等価である。
より詳細には、タック特許波、0.01〜100ピコ秒までの持続期間を有するポンプおよびプローブビームの使用を教示する。これらのビームは、サンプル表面の同じ位置に入射したり、または、プローブビームの入射点は、ポンプビームの入射点に対して移動することもできる。一実施例において、測定されるフィルムは、ポンプおよびプローブビームに対して並進せしめることができる。プローブビームは、サンプルによって伝達されたりまたは反射されてもよい。タック特許によって教示された方法において、ポンプパルスは、サンプル内にストレスパルスを非破壊的に生成するために少なくとも一つの波長を有する。プローブパルスは、サンプルに案内されてストレスパルスを遮り、そして、ストレスパルスが遮られたあと、この方法は、さらに、プローブビームの強度を測定することによって、ストレスパルスによって誘起された光学定数の変化を検出する。
一実施例において、ミラーおよび角立方体の間の距離が変更されて、サンプルへのポンプビームおよびプローブビームの入射の間の遅延を変化させる。更なる実施例において、光・音響学的に不活性なフィルムは、ヒ素テルル化物等の光・音響学的に活性な媒体からなる重畳フィルムを使用することによって調査される。もう一つの実施例において、フィルムおよび基板の間の結合の質は、境界でのストレスパルスの反射係数の測定値から測定でき、測定値を理論値と比較する。
タック特許の方法及び装置は、簡単なフィルムに限定されず、超格子と多層の薄いフィルム構造体と他の不均一なフィルムとの層の厚さ及び界面に関する情報の獲得まで拡張される。タック特許も、1ミクロン程度のサンプル領域に対するポンプおよびプローブビームのスキャンと、反射されたり透過されるプローブビーム強度の変化のプロットとを提供する。
多数の測定用途における使用に適しているが、本発明の目的は、タック特許の教示を拡張し且つ改良することである。
特に、材料特性(すなわち音速、密度、光学定数等)が十分な精度で分かっている状況に対して(例えば積層源が純粋であることが分かっていたり、積層プロセスによって高い再現性の結晶構造(grain structure)や構造相(structural phase)を与えることが分かっているので)、フィッティング(fitting)は、対象のサンプル特性(例えば厚さや粘着強度)を測定するために、多数の材料特性(例えば密度、音速、光学定数)に対する所定値を使用して実行されてもよい。これは、純金属フィルムを含むサンプルに対する好ましい方法である。何となれば、それは計算的に効率的であり、故に、測定を高速にすることが可能だからである。
しかし、この方法は、材料特性(例えば音速、密度および光学定数)が、温度、ガス混合物、基板種等の蒸着状態によって影響を受けることがあるフィルムを含むサンプルに対して、不正確な結果に至ることがある。かかる場合に、サンプルの厚さおよび音速により検出されたプローブ信号の時間依存性への貢献をはっきりと測定することは、可能ではない。
発明の目的
本発明の第1の目的は、前述及びその他の問題を克服する材料の非破壊評価用に改善された方法を提供することである。
本発明の更なる目的は、ポンプ及びプローブ光ビームによって得られたデータを分析する2つのステップ法を提供することである。本発明において、バックグランド信号は、材料の機械的特性を測定するために使われ、反射率(ΔR(t))等のポンプビームによって生成される光学特性の測定された時間依存変化は、測定された材料特性を使用して分析される。
発明の概要
サンプルの特性を調べる方法が開示される。この方法は、
(a)少なくとも一つのプローブビーム波長を使用してサンプルからデータを獲得して、数ナノ秒未満の時間の間、ポンプビームにより誘導されるサンプルの反射率等の光学応答の過渡変化を測定する行程。
(b)データを分析して、ある一定の物理的および化学的材料特性を引き出すために周知の条件下で用意された1つ以上のサンプルから同様の遅延時間範囲において得られたデータに、データのバックグラウンド信号成分を比較することによって、少なくとも一つの材料特性を判別する行程。
(c)少なくとも一つの測定された材料特性を使用して、ポンプビームにより生成される超音波によって引き起こされるプローブビームの過渡応答の成分を分析する行程。分析の第1行程は、基準サンプルの間で補間して材料特性の中間セットを得る行程を含む。
獲得行程は、光放射のポンプパルスに対するサンプルの少なくとも一つの過渡応答を測定する非破壊のシステムと方法とともに実行される。測定された過渡応答は、プローブパルスの反射部分の強度の変調変化ΔR、プローブパルスの透過部分の強度変化ΔT、反射プローブパルスの偏光の変化ΔP、反射プローブパルスの光位相の変化Δφ、プローブパルスの反射角度の変化Δθのうちの少なくとも1つの測定を含むことができ、その各々が、プローブパルスの反射及び透過部分の特性における変化と見なされる。次に、測定された過渡応答は、サンプルの対象の少なくとも一つの特徴と対応される。
一実施例において、構造相、結晶配向、化学量論等の少なくとも1つの特性と関つけられる。
本発明も、次の行程から成って、サンプルの特性を調べる方法を教示する。すなわち、
(a)少なくとも一つのプローブビーム波長を使用してサンプルからデータを獲得し、数ナノ秒未満の時間の間、ポンプビームにより誘導されるサンプルの光学応答内の過渡変化を測定する行程。
(b)データのバックグラウンド信号成分を、同様のサンプル準備技術によって用意されたサンプルから同様の遅延時間範囲において得られたデータと比較することによって、データを分析して少なくともサンプル準備技術を判別する行程。
(c)判別されたサンプル準備技術に相当するデータを使用するポンプビームによって生成された超音波によって生じる、測定時間依存性の反射率の成分を分析する行程。
さらに、本発明により、サンプルの特性を調べる、以下の行程からなる方法が教示される。
(a)少なくとも一つのプローブビーム波長を使用してサンプルからデータを獲得し、遅延時間の間に、ポンプビームによって誘起されたサンプルの少なくとも1つの過渡光応答の変化を測定する行程。
(b)フィルムの厚みの値を仮定する行程。
(c)獲得したデータの非音響成分の結果、バックグラウンド信号を、仮定した厚さを有する同じ一般的なタイプのフィルムに相当するデータと比較して、フィルムの最も可能性の高い組成を測定する行程。
(d)ステップ(c)の実行の結果としてフィルムの測定された物理的特性をサンプルフィルムと相関せしめる行程。
この方法は、更に、
(e)獲得したデータの音響成分の分析から、厚さの改善された値を推定する行程と、
(f)フィルム厚と材料特性との間の収束が得られるまで行程c-eを繰り返す行程と、を含む。
本発明も、以下の行程を含むサンプルの特性を調べる方法を含む。
(a)少なくとも一つのプローブビーム波長を使用してサンプルからデータを獲得し、遅延時間の間に、ポンプビームによって誘起されたサンプルの少なくとも1つの過渡光応答の変化を測定する行程。
(b)フィルムの組成を仮定する行程。
(c)データの音響成分のからフィルムの厚みの値を推定し、さらに、仮定した組成を有するフィルムに基づいてフィルムの材料特性を考慮する行程。
(d)推定された厚みを有する同じ一般的なタイプのフィルムに相当するバックグランド信号を比較して、フィルムの改良された組成を判別する行程。
この方法は、更に、
(e)行程(d)からのフィルムの材料特性をサンプルフィルムに相関させる行程と、
(f)サンプルのフィルム組成と厚みとの間の収束が得られるまで行程c-eを繰り返す行程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
本発明の上記および他の特徴は、添付図面と共に読むときに、次の発明の詳細な説明においてより明らかにされる。図面において、
図1Aは、本発明を実行するときの使用に適したピコ秒超音波システムの第1実施例、特に、平行且つ斜めビーム実施例の構成図である。
図1Bは、本発明を実行するときの使用に適したピコ秒超音波システムの第2の実施例、特に垂直ポンプ且つ斜めプローブ実施例の構成図である。
図1Cは、本発明を実行するときの使用に適切なピコ秒超音波システムの第3の実施例、特に単一波長、垂直ポンプ、斜めプローブ、合成楕円偏光実施例の構成図である。
図1Dは、本発明を実行するときの使用に適切なピコ秒超音波システムの第4実施例、特に2つの波長、垂直ポンプ、斜めプローブ、合成楕円偏光実施例の構成図である。
図1Eは、本発明を実行する時の使用に適切であるピコ秒超音波システムの第5実施例、特に、2つの波長、垂直入射ポンプおよびプローブ、合成楕円偏光実施例の構成図である。
図2は、バックグラウンド信号に重畳されている音響エコーを示すデータを説明するグラフである。
図3は、本発明による方法を示すフローチャートである。
図4は、350℃から765℃までの温度範囲でアニールされるTi-Siフィルムの時間に対するピコ秒反射率を示すグラフであり、このグラフにおいて、アニールしてないサンプルの結果は、350℃の曲線となって示される。
図5は、図4に示す曲線に相当する曲線を示すグラフであるが、この曲線からTi-Siフィルムの音響振動を強調するために低速で変化するバックグラウンド信号が除去され、曲線は、分かり易くするために互にオフセットされているグラフである。
図6は、図4に示す曲線の任意の位置からのピコ秒反射率とアニール温度との比較を示すグラフであり、これはこの曲線の相関を示し、曲線がシート抵抗率を表している。
図7Aおよび図7Bは、最初のTiの厚さが予め(priori)分かっている本発明による方法を示すフローチャートである。
図8Aおよび図8Bは、最初のTi厚さが予め分からない本発明による方法を示すフローチャートである。
発明の詳細な説明
本発明の教示は、以下に詳細に説明するように、タック特許の教示と共にサンプルの特徴を増やすために使うことができる。但し、これ、すなわち類似した非破壊光学ベースのシステムの使用は、本発明を実施する際の制限として解釈すべきでない。
本発明の教示によれば、光パルスは、サンプルに向けられて、サンプル内の電子キャリアによって部分的に吸収される。そして、それは、その後エネルギをサンプルから成る材料へ移す。これは、サンプルの温度の小さく且つ局所化された増加を引き起こす。サンプルの光学反応の小さく且つ局所化された過渡変化は、サンプルの温度の増加と対応している。すなわち、光放射のポンプパルスに対するサンプルの少なくとも一つの過渡的且つ測定可能な反応が、明らかにされる。測定された過渡応答は、反射されたプローブパルス強度の変調変化ΔRと、透過したプローブパルス強度の変化ΔTと、反射されたプローブパルスの偏光の変化ΔPと、反射プローブパルスの光学位相の変化Δφと、プローブパルスの反射角度の変化Δθとのうちの少なくとも1つの測定値を含み、その各々が、プローブパルスの反射または透過部分の特性の変化と考えられている。ポンプパルスに対するサンプルの過渡応答は、励起された電子キャリアがそのエネルギをサンプルの残りの部分に移す速度と、サンプルを含む材料の熱拡散率及び厚みとに主に依存した速度で、減衰する。
タック特許により以前に開示されたように、光パルスの第2の効果は、サンプル内に超音波を生成することである。これらの超音波も、サンプルの光反射率の変化を引き起こし、この変化は、熱平衡へのサンプルリターンに対応した反射率変化よりも高速で変化する。多くのサンプルにおいて、超音波及び温度変化と対応する反射率変化が付随して発生する。
本願では、超音波の貢献を除く、反射率等のサンプルの光反応の全ての過渡現象を、「バックグラウンド」信号と称する。従って、正味の反射率変化の超音波成分は、熱「バックグラウンド」信号に重なっていると言われている。典型的なデータを図2に示す。伝搬する超音波と対応する反射率変化は、タック特許によって開示された方法で分析されて、サンプルの機械的特性を測定する。
反射率変化が、第2の光パルス、「プローブ」により測定され、これは、加熱パルス、「ポンプ」に対して時間τだけ遅れている。値τは、多くの場合、0.01ピコ秒〜100ナノ秒の範囲にある。「バックグラウンド」反射率変化の符号、大きさ、減衰率(rate of decay)は、プローブ光パルスの波長、入射角度、偏光に依存し、さらに、サンプル材料の電子および熱特性に依存する。このように、同じ材料のサンプルに対するバックグラウンド反射率変化は、準備状態が異なるために実質的に異なることがある。例えば、発明者は、異なるバックグラウンド信号が、同じ金属で構成されながらも異なる構造相を有するサンプルに対して、さらに、組成が異なる合金に対して生じることを見いだした。これらの観察は、かかる材料の熱および電子特性の間に存在する差を表している。
固有の電子および熱特性に加えて、上記(構造相、合金の内容、不純物の濃度、化学量論、相混合、結晶配向等)に帰される要因は、サンプル材料の弾性特性に影響を及ぼすことがある。例えば、特定の金属の2つの構造相の弾性定数および密度は、同じ化学量論を有するサンプルの音速及び容量の観察された差に相当して、かなり異なる。同様な差は、異なる結晶配向および形状につながる状態の下で蒸着された薄膜等のサンプルに見られる。
従って、「最も適当な」分析を行うとき、これらのパラメータのうちの少なくとも1つが予め分かっていることが望ましい。本発明は、可能性のある不明確さを除去することによって、以前の方法によって得られたものよりも、より正確に得られる方法を提供するものである。
本発明の教示によれば、少なくとも一つのプローブ波長を使用して、数ナノ秒未満の時間の間、ポンプレーザによって誘導されたサンプルの反射率等の光学特性の過渡変化を測定することによって、データは、後述する方法及び装置によって得られる。図4も参照すると、次に、データは、次の2行程において分析される。
ステップ1において、「バックグラウンド」信号は、例えば構造相等のある一定の物理的および化学的材料特性を引き起こすことが分かっている条件下で用意されたサンプルから同様な遅延時間範囲に対して得られたデータと、比較される。これは、材料特性の中間生成セットを得るために基準サンプル間の補間を含むことがある。次に、音速、密度、光学定数等を含む特性は、対象のサンプルと対応される。
バックグラウンド信号は、熱反射率等の対応する物理パラメータや、拡散プロセスモデルから得られた結果と比較することができるものである。
ステップ2において、音速、フィルム厚、フィルム粘着力等の対象の一つ以上のサンプル特性は、ポンプビームにより生成される超音波によって生じる、反射率等の光学特性の測定された時間依存変化から測定される。これらは、ステップ1にて測定された材料特性に応じて分析される。
このように、本発明は、起こり得る曖昧性を除去することによってより大きな精度を得る方法を提供する。
さらに、相関が、材料特性そのものよりもサンプル準備技術の特性で行われる。例えば、CVD(化学蒸着法)TiNに適切な音速は、スパッタされたTiNに適切な音速とは異なる。
実施例
図4乃至図6を参照する。サンプルシリーズは、RTP(高速熱処理)アニール温度に晒された10のサンプルから成る。アニール周期は、アニール温度が異なると若干異なった。
アニール周期の間のチタンおよびシリコンの間の反応によって、反応が進むにつれて、電子バンド構造が変化する層を生成する。上述のように、サンプルの瞬間的な反射率の変化は、短いレーザパルスに応答して測定された。上述のように、測定信号の2つの成分が存在する。1つの成分は、レーザパルスがフィルムによって吸収されたあとに起こる弛緩現象の組合せに起因する、低速で変化する「バックグラウンド」信号である。第2の成分は、これよりも速く変化し、この層の音響振動と関係している。本発明の態様によれば、両方の成分は、与えられたサンプルの特性を調べるために解釈されて使うことができる。
図4は、全サンプルに対して測定された過渡的な反射率信号を示すグラフである。サンプルがアニールされた温度をグラフに示す。データは、低速で変化するバックグラウンド信号に重ねられた約30ピコ秒未満の時間の間の音響振動を示す。議論を容易にするために、音響信号およびバックグラウンド信号を分離し、音響信号は、別に図5にプロットする。図5の曲線は、理解しやすいように、意図的に互いに並置する。さらに、図5の曲線の配列は、図4(並置を行っていない)の曲線の順番とは相関を持たない。
図4に基づいて、質的な観点から、350℃のサンプルは実質的にアニールしていないサンプルと類似することは明白であり、そこから、TiおよびSiが最高温度350℃で殆ど反応しないことが結論として導き出される。音響信号に、350℃の処理の結果として変化が生じた証拠が存在する。しかしながら、その理由は、「エコー」の振幅(例えば10ピコ秒あたりでアニールされていないサンプル用の曲線の「針のような」特徴)は、350℃のサンプルに対して小さいからである。これは、アニールの結果、界面が荒れたりまたはぼけたという兆候のことがあり、蒸着Ti−Si界面よりも劣った音響反射体を作る。しかし、大きな変化は、350℃および450℃との間に発生することが分かる。負から正までのバックグラウンド信号の変化と、音響振動のさらなる減衰とに基づいて、この変化が400℃で起こり始めたことは明白である。450℃では、バックグラウンド信号は殆ど正になり、音響信号はとても強くなった。これは、明確な界面によって下層のSi基板から分離された新しい層が形成されたという兆候であると思われる。ラマン散乱データは、これが(C49)TiSi2層でないことを示唆するが、音響データは、分子構造が何であれ、この層は適度に均一であることを示唆している。450℃および550℃の間で、混成層の特性は、ゆっくり変化する。音響信号は、低アニール温度で観測されたものよりも弱くなるとともに規則的ではなくなり、層内の内部構造の形成を示す。550℃および600℃の間に、バックグラウンドデータおよび音響データの両方に、突然の変化が存在する。ラマンデータから、この変化はC49相の突然の形成と対応することが結果として導き出された。このC49層の厚みがゆっくりと増加することが、最高700°までの更なるアニールによって観測され、650℃および700℃の間の変化は、600℃および650℃の間の変化よりも小さい。そして、これは、飽和を示唆することがある。厚さの増加は、シフトから音響ピークの長期に亘って明らかである(これは、スラブ(slab)の振動として考えられ、この周波数はその厚さが増えるにつれて低下する)。また、音響信号の振幅の増加が観測され、これは、TiSi2層および下層のSiの間の界面がより高温でのアニールによって、より明確になったことを示している。765℃でアニールされたサンプルのバックグラウンド信号に最終的な大きな変化が存在し、これは、ラマンデータが、C54相の形成によることを示している。全シリーズの最大の音響信号が、このサンプルに対して観測された。C54フィルムの振動の減衰率は、C49サンプルに対して観測されたものよりも小さく、C54層とSiとの間の界面がより滑らかであることを示していることに留意すべきである。
チタンの周知の音速及び蒸着フィルムの音響振動の周期から、Ti層の厚みは、231Åであると測定された。理想的なC54 TiSi2層に対して、対応する理論的な厚さは、580Åであると示すことができる。765℃サンプルがC54であると仮定すると、(581±3)Åの測定された厚みが、予測結果と非常に一致した状態で得られる。これは重要である。何となれば、それは、音響情報そのものが、シリサイド層を確認するためにどのように使われるか、すなわち、最初のTiの厚さが分かっている場合にシリサイド層の振動期間がC54形成の終了の測定としてどのように使われるかを示すからである。この点について、図7Aおよび図7Bのフローチャートを参照することができる。
質的に、図4と同様な曲線は、チタン・シリサイドの別の厚みに対して得られるが、詳細はある程度厚さに依存する。
効果的なシリサイドモニタを提供するために使うことができる技術が少なくとも2つ存在する。第1の技術は、図7Aおよび図7Bに示され、広範囲のアニール温度に対して開始目標Tiの厚さに対して、図4に相当する参照曲線のセットを使用する。同一の開始Tiの厚さを有する次の「未知の」サンプルに対して、相は、そのピコ秒反射率を参照曲線と比較することによって測定される。
第2の技術は、Tiのいくつかの厚みに相当する以外は、図4と同様の曲線シリーズを使用し、曲線毎にラマン散乱(または他の適宜の技術)によって構造相を判別する。このデータから、曲線は、各層のピコ秒の反射率の符号、振幅、減衰率を支配する根本的な物理パラメータによって構成される。
図8Aおよび図8Bから分かるように、任意の開始Ti厚さを有する次の「未知の」サンプルに対して、相は、同じパラメータに関してそのピコ秒反射率をパラメータで表示することによって測定され、次に、これらのパラメータは、相毎に周知の値と比較される。
第2の技術は、潜在的により移動できる効果を有する。但し、第1の技術も満足な結果を提供する。
現在のサンプルシリーズ(231Å)において使用されるTi厚さに対する第1の技術の動作の簡単な説明として、過渡的な反射率変化が、アニール温度に対して図4の曲線の任意の位置でプロットされている。結果を、図6に示す。この図を作る際、45ピコ秒での過渡的な反射率変化が使用され、アニールしていないサンプルに対して得られた値に対するパーセンテージ変化として表される。曲線の質的な特徴は、アニール温度に対する抵抗率のグラフと良好に相関している。反射率データについて、抵抗率は、アニールしていないサンプルに対して得られた抵抗率に対してのパーセンテージ変化として表される。
本発明による光学測定システムは、イン・ファブ(in-fab)光学計量ツールとして包装することができる。それは、完全に非破壊で、小さいスポットサイズを有する。シリサイドのモニタに対して、それは、少なくとも例えば直径が5ミクロンである装置や筆記線構造体(scribeline structures)内の製品ウェハについて測定を行うために使用できる。この値は、使用される特定の集束光学系の関数である。先端の直径が減少するファイバなどの光ファイバ集光光学系の使用は、特に魅惑的である。パターンの複雑さおよびフィルム厚等に依存して、測定時間は、1サイト当たり例えば0.1から10秒までの範囲である。この技術も、類似している分析技術を使用して、線及び点の規則的な配列等の小さい構造に印加することができる。
本発明の教示の重要な概念は、測定されたシリサイド反応の2つの独立成分(すなわち、「バックグラウンド」信号と「音響振動」信号)を使用して矛盾のない分析を実行することである。これによって、例えば、抵抗率または反射率のみの測定だけをあてにする他のシリサイドモニタ技術から、本発明の技術は容易に区別される。矛盾のない分析によって、技術は、シリサイドの誤処理事態を検出するだけではなく、その原因を識別することができる。シリサイドのシート抵抗測定が誤り導かれるが(例えば、制御不能の読出しが、蒸着Ti層の変化を原因として、または不完全なシリサイド形成を原因として生じることがある)、本発明の技術は、アニールされたフィルムの厚みと相との明確な測定を行う。それは、理想的には製品ウェハの高いスループット測定に適しており、4点プローブ測定値を通じて得られるものと同等の高解像度フィルム地図を生成できる。
図1A-1Eに、本発明の実施に適しているサンプル測定装置のさまざまな実施例を示す。これらのさまざまな実施例は、1996年8月6日に出願されたH.J.マリス(Maris)及びR.J.ストーナー(Stoner)による「改善された光学歪発生器および検出器」と題された同時継続アメリカ特許出願第08/689,287号に開示されている。
図1Aを参照して、本発明の実施に適した装置100の実施例を説明する。この実施例は、平行且つ傾斜実施例と称する。
この実施例は、光・熱源120を含む。光・熱源120は、可変高密度照明器として作用し、コンピュータ制御により温度依存測定のサンプル熱源とビデオカメラ124とを照明する。代わりの加熱方法は、サンプルステージ122に埋め込まれた電気抵抗ヒータを使用する。光ヒータの効果は、異なる温度で高速連続測定値を可能にすることである。ビデオカメラ124は、オペレータに表示画像を提供して、測定システムのセットアップを容易にする。適切なパターン認識ソフトウェアも、この目的のために使用され、故に、オペレータの介入を最小にしたり除去する。
サンプルステージ122は、好ましくは、高さ(z軸)、位置(xおよびy軸)、傾き(θ)について調整可能な多段階の自由ステージであり、これによって、ポンプおよびプローブビームに対するサンプルの一部のモータ制御による位置決めが可能となる。z軸は、ポンプ及びプローブの焦点領域にサンプルを鉛直に並進せしめるために使用され、xおよびy軸は、サンプルを焦点面と平行に並進せしめ、傾き軸は、ステージ122の向きを調整して、プローブビームに対して所望の入射角度を確立する。これは、後述する用に、検出器PDS1、PDS2およびローカルプロセッサを通して行われる。
他の実施例において、光学ヘッドは、静止且つ傾斜可能ステージ122’(図示せず)に対して移動できる。これは、特に大きな物体(例えば直径300mmのウェハや機械的構造体等)のスキャンには特に重要である。本実施例において、ポンプビーム、プローブビーム、ビデオ信号は、並進可能なヘッドに対して光ファイバやファイバ束を介して供給することができる。
BS5は、ビデオおよび少量のレーザ光をビデオカメラ124に向ける広帯域ビームスプリッタである。カメラ124およびローカルプロセッサが使用されて、ポンプおよびプローブビームを自動的に測定場所に位置決めする。
ポンプ・プローブビームスプリッタ126は、入射レーザビームパルス(好ましくはピコ秒またはそれ以下の持続時間を有する)ポンプおよびプローブビームに分け、さらに非分割ビームの偏光を回転させる回転可能な半波長板(WP1)を含む。WP1が使用されて、偏光ビームスプリッタPBS1と協動して、ポンプおよびプローブ出力間の連続可変スプリットを実行する。この分割は、コンピュータによってモータによって制御されて、特定サンプルに対する最適のSN比を得ることができる。適切な分割は、サンプルの反射率および粗さ等の要因に依存する。調整は、コンピュータ制御の下に動力マウントを回転させることによって実行される。
第1の音響光学変調器(AOM1)は、ポンプビームをおよそ1MHzの周波数で切り刻む。第2の音響光学変調器(AOM2)は、ポンプ変調器AOM1とは若干量だけ異なる周波数で、プローブビームを切り刻む。AOM2の使用は、図1Aに示すシステムでは随意である。後述するように、AOMは、共通のクロックソースに同期させてもよくて、ポンプおよびプローブビームを生成するレーザのパルス繰返しレート(PRR)にも同期させてもよい。
空間フィルタ128が使用されて、その出力で、逆反射器129として示す機械的遅延ラインの作用により変化する入力プローブビームに対して、実質的に不変のプローブビーム形状、直径、伝搬方向を保存する。空間フィルタ128は、一対の開口A1、A2と、一対のレンズL4、L5とを含む。空間フィルタの他の実施例は、上記のように光ファイバを組み込んでいる。
WP2は、PBS2によってビームスプリッタ126のWP1・PBS1と同様な方法で作用する第2の調整可能な半波長板である。WP2によって、目的は、参照として使用されるビーム部分(検出器130のD5への入力)に対してサンプルに入射するプローブビーム部分の比を変化させることである。WP2は、およそ単一の比を得るために順番にモータ制御することができる。ビームによって生じる電気信号は、増幅されて処理されるプローブの変調部分のみを残して、減らされる。PSD2は、WP2と共に使用されて、プローブビームおよび参照ビームの強度の任意の所望の比を獲得する。プロセッサは、プローブおよび参照ビームの未変調部分をゼロにするために、測定値の前にWP2を回転することによって、この比を調節することができる。これによって、差信号(プローブの変調部分)のみを増幅して電子回路に伝達せしめることができる。
ビームスプリッタBS2が使用されて、検出器D2と共に入射プローブビーム強度をサンプリングする。線形偏光子132が使用されて、散乱ポンプ光偏光を遮断するとともに、プローブビームを通過せしめる。レンズL2、L3は、それぞれポンプおよびプローブビーム用フォーカス及びコリメート対物レンズである。ビームスプリッタBS1が使用されて、第1の位置感応検出装置(PSD1)に、ポンプおよびプローブビームの一部を向ける。第1の位置感応検出装置は、サンプルステージ122の移動及びプロセッサと共に、オートフォーカスに使用される。PSD1は、プロセッサ及びコンピュータ制御ステージ122(傾きおよびz軸)とともに使用されて、ポンプ及びプローブビームをサンプルに自動で集束せしめて所望のフォーカス状態を得る。
検出器D1は、本発明の過渡光楕円偏光法および反射率測定実施例に対して共通に使用することができる。しかし、結果として生じる信号処理は、用途毎に異なる。過渡的な光学測定に対して、信号のDC成分は、基準ビーム入力D5、または必要に応じてその一部を引いてD1の未変調部分をキャンセルすることによって、または、変調したもの以外の周波数を抑制するためにD1の出力を電気的にフィルタ処理すること等によって、抑制される。次に、信号の小変調部分は、増幅されて記憶される。楕円偏光法に対して、小変調部分は存在せず、むしろ、全信号は、回転補償器(図1B参照)の各回転の間の多数回サンプリングされ、生じた波形が分析されて、楕円偏光パラメータを生成する。楕円偏光法に対して、サンプルによる全未変調プローブビーム強度の変化は、D1およびD2出力信号を使用する(D2は入射プローブの強度に比例した信号を測定する)ことによって測定される。同様に、さらなる楕円偏光データが、検出器D3、D4を使用するポンプビームから得られる。ビームの一方または両方からの楕円偏光データの分析が、サンプルの特性を明らかにするために使用することができる。2つのビームの使用は、分解能を改善するために、そして、関連した式の解の曖昧性をも解決するために有効である。
第3のビームスプリッタBS3は、検出器D4にポンプビームの一部を向けるために使用される。そして、それは、入射ポンプ強度と比例する信号を測定する。第4のビームスプリッタBS4は、検出器D3にポンプビームの一部を向けるために配置される。そして、それは、反射ポンプ強度と比例する信号を測定する。
図1Bは、装置102の、垂直ポンプビーム、斜めプローブビームの実施例を示す。図1Aと同様に符号が付された部品は、以下において異なることを示さない限り、同様に機能するものである。図1Bにおいて、上述の回転補償器132が設けられている。回転補償器132は、線形の四分の一波長板として動力回転マウントに取り付けられ、システムの楕円偏光計モードの一部を形成している。プレートは、プローブビームにおいて、例えば、数十Hzで回転されて、サンプルに入射するプローブビームの光移相を連続的に変化させている。反射光は、分析器134を通過し、強度は、各回転の間複数回に亘り測定されてプロセッサに伝達される。信号は、周知のタイプの楕円偏光法により分析されて、サンプル(透明または半透明のフィルム)の特性を測定する。これによって、(パルスされた)プローブビームを使用して楕円偏光測定を実行することができる。
楕円偏光測定は、パルスレーザを使用して実行される。これは、通常の条件の下では、不利である。その理由は、パルスレーザのバンド幅は、楕円偏光測定に対して通常使用されるタイプの連続波(CW)レーザよりも非常に大きいからである。
過渡的な光学測定が行われている場合、回転補償器132は、プローブビームがポンプビームと直交する直線偏光となるように、向きが定められる。分析器134は、固定偏光子として具体化することができ、そのうえ、システムの楕円偏光モードの一部を形成する。システムが過渡的な光学測定に対して使用されるとき、偏光子134は、ポンプビームをブロックするように向きが決められる。
分析器134は、固定偏光子として具体化されることがあり、そのうえ、システムの楕円偏光モードの一部を形成する。システムが音響測定に使用されるとき、偏光子134は、ポンプ偏光をブロックするように向きが決められる。楕円偏光モードで使用するときに、偏光子134は、入射および反射プローブビームの平面に対して45°に偏光された光を遮断するように、向きが決められる。
図1Bの実施例は、更に、ダイクロイックミラー(DM2)を含む。ダイクロイックミラーは、ポンプ波長近傍の狭帯域の光に対して非常に高い反射率を呈し、それ以外の波長に対しては実質的に透明である。
尚、図1Bにおいて、BS4が移動して、BS3と共にポンプビームをサンプリングするとともに、ポンプの一部をD3及び第2PSD(PSD2)に反射するものである。PSD2(ポンプPSD)が、プロセッサ、コンピュータ制御ステージ122(傾きおよびz軸)、PSD1(プローブPSD)とともに使用されて、ポンプおよびプローブビームをサンプルに自動で集束せしめて、所望のフォーカス状態を得る。また、レンズL1は、ポンプ、ビデオ、光学加熱集束対物レンズとして使用され、一方、オプションのレンズL6が使用されて、BS5からのサンプリング光をビデオカメラ124に集束せしめる。
図1Cを参照して、装置104の実施例、特に、単一波長、垂直ポンプ、斜めプローブ、合成楕円偏光実施例を説明する。以前のように、前に記載されていない部品のみを以下に説明する。
シャッタ1およびシャッタ2は、コンピュータ制御のシャッタであり、これらによって、システムは、パルスプローブビームの代わりに、楕円偏光モードにおいてヘリウム・ネオンレーザ136を使用することができる。過渡光学測定に対して、シャッタ1は開かれ、シャッタ2は閉ざされる。楕円偏光測定に対して、シャッタ1は閉ざされ、シャッタ2は開かれる。ヘリウム・ネオンレーザ136は、低出力連続波レーザであり、フィルムによっては優れた楕円偏光性能を生成することが分かっている。
図1Dは、図1Cに示すシステムの二波長の実施例1Dである。本実施例において、ビームスプリッタ126は、入射未分割入射レーザビームの一つ以上の光高調波を生成する高調波スプリッタ、光高調波ジェネレータと置き換えられる。これは、入射レーザビームからの第二調波の生成に適している非線形光学材料(DX)及びレンズL7、L8によって行われる。ポンプビームは、ダイクロイックミラー(DM138a)によってAOM1に伝達されるように示され、一方で、プローブビームは逆反射体に反射される。逆の状況も可能である。より短い波長も伝達することができ、また、より長い波長を反射することができる。その逆も可能である。最も簡単な場合、ポンプビームは、プローブビームの第二調波である(すなわち、ポンプビームの波長は、プローブビームの半分である)。
尚、本実施例において、AOM2は省略されている。何となれば、ポンプビームの省略は、カラーフィルタF1によって行われ、これは、ヘテロダイン方式よりも簡単且つ費用効果があるからである。F1は、プローブビームおよびHe−Ne波長に対して高い透過率を呈するが、ポンプ波長に対しては透過率は非常に低い。
最後に、図1Eに、垂直入射、二つの波長、合成楕円偏光実施例108を示す。図1Eにおいて、プローブビームは、PBS2に入射し、PBS2によって通過される方向に沿って偏光される。プローブビームは、WP3、すなわち四分の一波長板を通過してサンプルから反射した後、PBS2に戻り、殆どが反射される方向に沿って偏光され、次に検出器ブロック130の検出器D0に向けられる。D0は、反射されたプローブビーム強度を測定する。
より詳細に、WP3によって、入射平面偏光プローブビームは、円偏光になる。偏光の利き手が、サンプルからの反射により逆にされ、反射の後WP3から発したとき、プローブビームは、その最初の偏光と直交する直線偏光になる。BS4は、オートフォーカス検出器AFDで反射プローブの一部を反射する。
DM3、すなわちダイクロイックミラーは、照明器と共通の軸上のプローブビームとポンプビームとを合成する。DM3は、プローブ波長に対して高い反射率を呈し、他の大部分の波長では実質的に透明である。
D1、すなわち反射ヘリウム・ネオンレーザ136検出器は、楕円偏光測定にのみ使用される。
なお、図1Eを図1Cおよび図1Dに対比すると、シャッタ1は、高調波スプリッタ138の前で入射レーザビームをさえぎるために再び配置される。
前述の説明に基づいて、測定装置の好ましい実施例のうちの選択された一つは、短い光パルス(ポンプビーム)がサンプルの表面領域に向けられ、次に第2の光パルス(プローブビーム)が同じところまたは後で近接領域に向けられるサンプルの特性調査を行う。図1A乃至図1Eの例示した実施例の全てに示される逆反射器129は、ポンプおよびプローブビームの所望の瞬間的な分離を行うために使用される。
装置100、102、104、106、108は、以下の変数を測定できる。すなわち、
(1)反射プローブビーム強度の小さな変調変化ΔR
(2)透過プローブビーム強度の変化ΔT
(3)反射プローブビームの偏光の変化ΔP
(4)反射プローブビームの光学位相の変化Δφ
(5)プローブビームの反射角の変化Δθ
これらの変数(1)-(5)の全ては、ポンプパルスによって誘導されるサンプルの過渡応答と見なされる。これらの測定は、以下のものと一緒に行われる。
(a)ポンプまたはプローブ光の入射角度の関数として示された任意の変数(1)-(5)の測定
(b)ポンプやプローブ光に対する1つ以上の波長の関数としての任意の変数(1)-(5)の測定
(c)ポンプやプローブビームの入射および反射平均強度の測定による光反射率の測定
(d)反射時のポンプやプローブビームの平均相変化の測定
(e)入射および反射されたポンプやプローブビームの平均偏光及び光位相の測定
変数量(c)、(d)、(e)は、ポンプビームに対するサンプルの平均または静止反応(static responses)であると考えられる。
サンプルの単位面積当たり単位エネルギのポンプパルスで照射される時、コンピュータシミュレーションを使用して、サンプルの光反射率の変化Rsim(t)を計算することは、本発明に含まれる。シミュレーションも、ポンプおよびプローブビームの静止反射係数用の値を与える。システムは、例えば、図1CのフォトダイオードD1によって測定されるように、反射プローブパルス出力の過渡変化Pprobe-reftを測定する。さらに、入射および反射ビームにおける出力比から、ポンプおよびプローブビームの静止反射係数も測定する。入射プローブ出力は、図1CのフォトダイオードD2によって測定され、反射プローブ出力はD1によって測定され、入射ポンプ出力はD4によって測定され、反射ポンプ出力はD3によって測定されている。
光反射率の過渡変化に対するかかるシミュレーション結果を実際のシステム測定値と相関させるために、以下のことが分かっていることが必要になる。すなわち、
(a)ポンプおよびプローブビームの出力
(b)これらのビームの強度分布
(c)サンプル表面におけるビームの重複
ポンプビームが領域Apumpに入射し、この領域内でのポンプ強度が均一であると最初に仮定する。次に、印加されたポンプパルス毎に、単位面積に吸収されるポンプエネルギは、次式で表される。
Figure 0004025369
式(1)において、fはポンプパルス列の反復レートであり、Rpumpは、ポンプビームに対する反射係数である。
このように、各プローブ光パルスの光反射率の変化は、次式で表すことができる。
Figure 0004025369
そして、反射プローブビームの出力変化は、次式で表される。
Figure 0004025369
実際のシステムにおいて、実際に、サンプルの照射は、入射ポンプビームの均一強度を生成しない。さらに、プローブ光の強度も、サンプル表面での位置によって変化する。これらの変化を考慮すると、ΔPprobe-reftに対する式は、次式のように変形される。
Figure 0004025369
但し、式(4)において、有効面積Aeffectiveは次式のように定義される。
Figure 0004025369
但し、式(5)において、
Figure 0004025369
は、それぞれサンプル表面でのプローブおよびポンプビームの強度である。ポンプおよびプローブビームの重複の有効面積をAeffectiveとする。
類似の表現を、光透過率の変化ΔT(t)、光位相の変化Δφ(t)、プローブ光の反射角度の変化Δβ(t)から導くことができる。
以下の量、すなわち、ΔPprobe-reft,Pprobe-inc,Ppump-inc,Rpump,Rprobeは、システムによって測定される。コンピュータシミュレーションによって、ARsim(t)、Rpump、Rprobeに対する予測値が得られる。このように、以下の比較を、サンプルの特性を測定するために、シミュレーションおよびシステム測定値の間で行うことができる。
(1)シミュレーション及び測定反射係数Rpumpの比較
(2)シミュレーションおよび測定反射係数Rprobeの比較
(3)反射プローブ光の出力におけるシミュレーションおよび測定過渡変化ΔPprobe-reftの比較
シミュレーションと測定された変化の比較を行うために、Aeffectiveの値を知ることが必要であることが、前述の式(4)から分かる。これは、以下の方法によって行われる。
(a)第1の方法は、直接サンプルの表面のポンプおよびプローブビームの強度変化、すなわち、位置の関数となる
Figure 0004025369
を測定し、これらの測定の結果を使用してAeffectiveを計算する。これは、実行できるが、工業環境において実行が困難な非常に慎重な測定を必要とする。
(b)第2の方法は、Aeffectiveが分かっているシステムSのサンプルに対する過渡応答ΔPprobe-reftの寸法を測定する。次に、この方法は、Aeffectiveが測定されることになっているシステムS’の同じサンプルの反応ΔPprobe-reftを測定する。2つのシステムでの反応の比によって、2つのシステムの有効面積の比の逆数が分かる。これは、有効な方法である。何となれば、ポンプおよびプローブビームによって照らされる面積が、高速測定能力を有する機器にとって望ましいものよりも大きい、特別に構成されたシステムとなるように、システムSが選択されるからである。面積がこのシステムに対して大きいので、位置の関数として、サンプル表面でのポンプおよびプローブビームの強度変化、すなわち
Figure 0004025369
を測定することは、簡単である。シミュレーションした反射率変化ΔRsim(t)の計算に入る量が分からない場合であっても、この方法は有効である。
(c)第3の方法は、サンプルの過渡応答ΔPprobe-reftを測定する。ここにおいて、サンプルが、サンプルの単位面積当たり単位エネルギのポンプパルスで照射されるとき、サンプルのシミュレーションされた反射率変化ΔRsim(t)の計算に入る量は、分かっている。次に、測定された過渡応答ΔPprobe-reftを図6から予測される反応と比較することによって、有効面積Aeffectiveが測定される。
有効面積Aeffectiveが一連の測定において安定していることは、重要である。これを確実にするために、図1A乃至図1Eに示す装置は、測定毎にポンプおよびプローブビームの再現性のある強度変化を行うために、ポンプおよびプローブビームをサンプルの表面に自動的に集光せしめる手段を取り入れている。オートフォーカスシステムは、サンプル表面でのビームのサイズおよび相対位置が有効過渡応答測定に対して適切となる所定の状態にシステムを維持する機構を提供する。
尚、光過渡応答の振幅がサンプルについての量的な結論を引き出すために使用されるあらゆる用途(例えばバックグラウンド信号の振幅が材料の相によって影響される時)に対して、上記した較正スキーム(calibration scheme)は測定システムの重要な特徴であり、この較正は、サンプルの表面でのポンプ及びプローブビームの重複のサイズ及び面積の測定を含むものである。
コンピュータシミュレーションの結果およびシステム測定値を比較する方法の前述の説明は、測定システムの複数の検出器が較正されることを仮定している。かかるシステムが線形範囲で動作する検出器を使用し、故に、各検出器の出力電圧Vが入射光出力Pと比例することが考慮されている。検出器毎に、V=GPとなる定数Gが存在する。前述の説明は、定数Gがどの検出器でも分かっていることを仮定している。この情報が利用できない場合、Pprobe-inc、Ppump-inc、Pprobe-reftを測定する各検出器と対応する較正因子は、Aeffectiveおよびfと合成されて単一の全システム較正値Cになる。ゆえに、較正因子Cに関して、式(4)は、次式として表される。
Figure 0004025369
式(6)において、ΔVprobe-reftは、反射プローブ光(D1)の出力変化を測定するために使用される検出器からの出力電圧であり、Vpump-incは、入射ポンプ光(D4)を測定するために使用される検出器からの出力電圧であり、Vprobe-incは入射プローブ光(D2)を測定するために使用される検出器の出力電圧である。このように、定数Cを測定すれば十分である。これは、以下の2つの方法のいずれかによって行われる。
(a)第1の方法は、サンプルの過渡応答ΔVprobe-reftを測定する。尚、このサンプルに対して、サンプルが単位面積当たり単位エネルギのポンプパルスで照射されるときに、サンプルのシミュレーションされた反射率変化ΔRsim(t)の計算に入る量が全て分かっている。次に、この方法は、Vprobe-inc、Vpump-incを測定して、次に、測定またはコンピュータシミュレーションのいずれかによってRpumpを測定する。次に、この方法は、式(6)を満たすような定数Cの値を見つける。
(b)第2の方法は、基準サンプルに対する過渡応答Vprobe-reftを測定する。なお、このサンプルに対して、サンプルが単位面積当たり単位エネルギのポンプパルスで照射される時、過渡光応答ΔR(t)は、例えば上記方法によって予め較正されたシステムを使用して測定される。次に、この方法は、Vprobe-reft、およびVpump-incを測定し、測定によってRpumpを判別し、次に、次式を満たすような定数Cの値を見つける。
Figure 0004025369
これらの両方の方法に対して、Vprobe-reftの測定を行う前にオートフォーカス状態を確立することは、重要である。何となれば、Cは、Aeffectiveの値に依存するからである。
上記の観点から、本発明は、2つのサンプル特性、すなわち、薄膜からなる材料の厚さおよび組成に対して最良の結果を得るために、サンプルからバックグラウンドおよび音響データの分析を使用する。なお、本発明において、「組成」は、相、形態学、結晶配向、粒径等を含むものである。
分析は、特性のうちの1つに対する値を仮定して、次に、シミュレーションや周知の基準サンプルから得られたデータの比較によって、もう一方を測定する。分析は、また、1つの特性に対する値を仮定し、次に、シミュレーションや周知の基準サンプルから得られるデータとの比較によってもう一方を測定し、次に仮定した特性に対する値を改善し、次に、両方の特性に対して最良の結果を得るまで繰り返しを継続することによって、筋の通ったものになる。例えば、この繰り返しは、最初にフィルムの厚みを仮定して次にフィルムの組成を測定することによって、または、最初にフィルムに対する組成を仮定して次に厚さを測定することによって、始められる。両方とも等しく有効な方法である。
例えば、第1の方法では、以下のステップが実行される。
(A)図1Cに示すように、測定システムを較正し、オートフォーカスし、サンプルを測定する。
(B)フィルムの厚み(d)に対する値を仮定する。
(C)仮定した厚みを有する同じ一般的なタイプのフィルム(例えばTiSi2)に相当するバックグラウンド信号を比較して、フィルムに対して最もあり得る組成を測定する。これは、音速、密度、nおよびκ等の光学定数、熱膨張係数、比熱、熱伝導率、歪みに対するn及びκの導関数等の特定の材料特性の使用を意味する。例えば、46-54 TiNの材料特性は、47-53 TiNの材料特性とは異なる。
(D)ステップCからのフィルムの物理的特性をサンプルフィルムと対応させる。
(E)データの音響部分の分析からdの改善された値を推理する。
(F)選択的に収束(正しい答え)が得られるまで、ステップB-Eを繰り返す。
第2の方法で、以下のステップが実行される。
(A)測定システムを較正して、オートフォーカスせしめ、サンプルを測定する。
(B)フィルム(例えば50-50 TiN)の組成を想定する。
(C)データの音響部分の分析から厚さの値を推理する。
(D)想定した厚みを有する同じ一般的なタイプ(例えばTiN)のフィルムに相当するバックグラウンド信号を比較してフィルムの改善された組成を測定する。これは、例えば音速、密度、光学定数、ストレスに関する導関数等の特定の材料特性の使用を再び意味する。
(E)ステップCからのフィルムの物理的特性をサンプルフィルムと対応させる。
(F)選択的に収束が得られるまで、ステップB-Eを繰り返す。
第3の方法、第1の方法の簡単な変形において、以下のステップが実行される。
(A)図1Cに示すような測定システムを較正し、オートフォーカスせしめ、サンプルを測定する。
(B)フィルムの厚み(d)の値を仮定する。
(C)仮定した厚さを有する同じ一般的なタイプのフィルムに相当するバックグラウンド信号を比較してフィルムの可能性のある組成を測定する。
(D)ステップCからフィルムの物理的特性をサンプルフィルムに対応させる。
第4の方法、第二の方法のの簡単な変形において、以下のステップが実行される。
(A)測定システムを較正して、オートフォーカスせしめ、サンプルを測定する。
(B)フィルムの組成を仮定する。
(C)データの音響部分の分析から厚さの値を推定する。
(D)ステップCからフィルムの物理的特性をサンプルフィルムと対応させる。
比較の上記ステップは、いずれも、複数の基準サンプルから測定されたり推定される基準データとやパラメータの間で随意に補間することができる。
さらに、方法は、化学量論、結晶構造、形態学、構造相、合金組成、不純物の内容、ドーピングレベル、欠陥密度、同位体の内容、結晶配向等によってサンプルやフィルムの仮定した組成を修正するステップを含むことができる。
本発明の教示は、内容が未知の組成要素の一つ以上を有する、III-V族およびII-VI族化合物半導体等の化合物半導体とともに使用される。
本発明の教示は、特に半導体材料や金属、すなわちシリサイドから成るサンプルとの使用に特に有効である。上記に関係して、本発明の教示は、比が未知の少なくとも2つの成分の合金から成るサンプルに対して有効である。実施例は、Ti-W、Au-Cr、Al-Cu、Al-Cu-Si、Si-Ge、In-Ga-As、Ga-Al-As、Hg-Cd-Teを含む。
本発明の方法は、アニール温度、アニール層の厚み、アニール層の相を測定するために、熱アニールされたサンプルに対して有効である。
本発明が使用されて、サンプルに応力波を励起するのに十分なポンプ波長の有限の(有効な)吸収を有する広範囲の材料及び材料システムに対してを有する効果および材料システムに対して効果を呈する。図1Dに示す実施例に関して記載したように、ポンプおよびプローブパルスの波長は異なってもよい。
このように、本発明は、好ましい実施例に関して示すとともに説明したが、当業者において、形態及び詳細の変形は、本発明の請求の範囲から逸脱せずに行うことができる。

Claims (55)

  1. 対象とするサンプルの特性を調べる方法であって、
    ポンプビームから遅延時間だけ遅延せしめられた少なくとも一つのプローブビーム波長を使用して前記対象とするサンプルからのデータを獲得して、前記ポンプビームによって誘導される前記対象とするサンプルの少なくとも一つの過渡光応答の変化を測定する行程と、
    前記データを、そのバックグラウンド信号成分所定の物理的および化学的材料特性を生じることが知られている条件下で用意された一つ以上の対照サンプルから前記遅延時間と同様の遅延時間の経過時点において得られたデータと比較することによって分析し、前記対象とするサンプルの少なくとも一つの材料特性を判別する行程と、
    前記判別された少なくとも一つの材料特性を使用して、前記少なくとも一つの過渡光応答の前記測定された変化の成分を分析し、前記対象とするサンプルの少なくとも一つの第2の特性を判別する行程と、を有し、
    前記成分は、前記ポンプビームによって生成される超音波から生じることを特徴とする方法。
  2. 前記データを分析する行程は、前記対照サンプルから得られたデータ同士の間で補間することによって材料特性を得る行程を含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 前記材料特性は、音速、密度、光学定数、熱膨張係数、比熱、熱伝導率、歪みにする光学定数の導関数のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 前記対象とするサンプルの化学量論、結晶構造、形態、構造相、合金組成、不純物含有量、ドーピングレベル、欠陥密度、同位体含有量、結晶配向のうちの少なくとも1つが、判別されることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  5. 前記データを得るために使用される測定システムを較正する較正行程を最初に含み、前記較正行程は、前記対象とするサンプルの表面での前記ポンプ及びプローブビームの重複面積及びサイズを測定する行程を含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  6. 前記少なくとも一つの過渡光応答は、プローブパルスの反射部分の強度の変調変化ΔR、プローブパルスの透過部分の強度変化ΔT、反射プローブパルスの偏光の変化ΔP、反射プローブパルスの光位相の変化Δφ、プローブパルスの反射角度の変化Δθのうちの1つの測定を含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  7. 対象とするサンプルの特性を調べる方法であって、
    ポンプビームから遅延時間だけ遅延せしめられた少なくとも一つのプローブビーム波長を使用して前記対象とするサンプルからのデータを獲得して、前記ポンプビームによって誘導される前記対象とするサンプルの少なくとも一つの過渡光応答の変化を測定する行程と、
    前記データを、そのバックグラウンド信号成分前記対象とするサンプルと同様のサンプル調製技術によって用意された一つ以上の対照サンプルから前記遅延時間と同様の遅延時間の経過時点おいて得られたデータと比較することによって分析し、前記対象とするサンプルのサンプル調製技術を判別する行程と、
    前記判別されたサンプル調製技術に対応するデータを使用して、前記少なくとも一つの過渡光応答の前記測定された変化の成分を分析する行程と、を有し、
    前記成分は、前記ポンプビームによって生成される超音波から生じることを特徴とする方法。
  8. 前記対象とするサンプルは、半導体材料および金属を含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の方法。
  9. 前記対象とするサンプルは、半導体材料および珪化物を含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の方法。
  10. 前記データを分析する行程は、異なるサンプル調製技術によって用意された対照サンプルから得られたデータ同士の間で補間を行う行程を含むことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の方法。
  11. 前記データを得るために使用される測定システムを較正する較正行程を最初に有し、前記較正行程は、前記対象とするサンプルの表面での前記ポンプ及びプローブビームの重畳サイズ及び面積を設定する行程を含むことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の方法。
  12. 前記少なくとも一つの過渡光応答は、プローブパルスの反射部分の強度の変調変化ΔR、プローブパルスの透過部分の強度の変化ΔT、反射プローブパルスの偏光の変化ΔP、反射プローブパルスの光位相の変化Δφ、プローブパルスの反射角度の変化Δθの測定値のうちの1つを含むことを特徴とする請求の範囲第7項に記載の方法。
  13. 対象とするサンプルの少なくとも1つの特性を判別する非破壊システムであって、
    一連のポンプパルスおよび一連のプローブパルスを生成するとともに前記パルス前記対象とするサンプル表面に向ける手段と、
    各ポンプビームから遅延時間だけ遅延せしめられた少なくとも一つのプローブパルス波長を使用して、前記対象とするサンプルからのデータを得て、前記ポンプパルスによって誘導される前記対象とするサンプルの少なくとも一つの過渡光応答の変化を測定する手段と、
    前記データを、そのバックグラウンド信号成分と、所定の物理的および化学的材料特性を生じることが知られている条件下で用意された一つ以上の対照サンプルにおける前記遅延時間と同様な遅延時間の経過時点おいて対応するデータを比較することによって分析し、前記対象とするサンプルの少なくとも一つの材料特性を判別する手段と、を有し、
    前記分析手段は、前記判別された少なくとも一つの材料特性を使用して、前記ポンプパルスによって生成される超音波によって引き起こされる少なくとも一つの過渡光応答の前記測定された変化の成分を分析するとともに、対象とするサンプルの少なくとも一つの第2の特性を判別するように動作可能であることを特徴とする非破壊システム。
  14. 前記分析手段は、複数の対照サンプルから得られるデータ同士の間で補間を行う手段を含むことを特徴とする請求の範囲第13項に記載のシステム。
  15. 前記材料特性は、音速、密度、光学定数、熱膨張係数、比熱、熱伝導率、歪みに関する光学定数の導関数のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第13項に記載のシステム。
  16. 前記対象とするサンプルの化学量論、結晶構造、形態、構造相、合金組成、不純物含有量、ドーピングレベル、欠陥密度、同位体含有量、結晶配向のうちの少なくとも1つが、判別されることを特徴とする請求の範囲第13項に記載のシステム。
  17. 前記システムを較正する較正手段を更に有し、前記較正手段は、前記対象とするサンプル表面での前記ポンプおよびプローブパルスの重複面積及びサイズを確立する手段を含むことを特徴とする請求の範囲第13項に記載のシステム。
  18. 前記少なくとも一つの過渡光応答は、プローブパルスの反射部分の強度の変調変化ΔR、プローブパルスの透過部分の強度変化ΔT、反射プローブパルスの偏光変化ΔP、反射プローブパルスの光位相の変化Δφ、プローブパルスの反射角度の変化Δθのうちの1つの測定値を含むことを特徴とする請求の範囲第13項に記載のシステム。
  19. 前記遅延時間同様の遅延時間の経過時点おいて対応する前記データは、
    (a)少なくとも一つの対照サンプルと、
    (b)信号の拡散プロセスモデルおよび対応する物理パラメータとのうちの少なくとも一つから生成されることを特徴とする請求の範囲第13項に記載のシステム。
  20. 前記対象とするサンプルは、半導体材料及びシリサイドを含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第13項に記載のシステム。
  21. 前記対象とするサンプルは、半導体材料および金属を含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第13項に記載のシステム。
  22. 前記対象とするサンプルは、基板と、前記基板の表面に積層された少なくとも一つの熱アニール層とを含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第13項に記載のシステム。
  23. 前記分析手段は、前記少なくとも一つの熱アニール層のアニール温度を報告することを特徴とする請求の範囲第22項に記載のシステム。
  24. 前記分析手段は、前記少なくとも一つの熱アニール層対応した予想される相構造の有無を報告することを特徴とする請求の範囲第22項に記載のシステム。
  25. 前記分析手段は、前記少なくとも一つ熱アニール層の厚みを報告することを特徴とする請求の範囲第22項に記載のシステム。
  26. 前記対象とするサンプルの特性を調べる方法であって、
    (A)ポンプビームから遅延時間だけ遅延せしめられた少なくとも一つのプローブビーム波長を使用して前記対象とするサンプルからデータを獲得し、前記ポンプビームによって誘導される前記対象とするサンプルの少なくとも一つの過渡光応答の変化を測定する行程と、
    (B)前記対象とするサンプルのフィルムの厚みの値を仮定する行程と、
    (C)前記獲得したデータの非音響成分から生じたバックグラウンド信号を、前記仮定した厚さを有し、前記対象とするサンプルと同じ一般的なタイプの対照フィルムにおける対応するデータと比較して、前記対象とするサンプルのフィルムの組成を判別する行程と、
    (D)前記行程Cの実行の結果として前記対象とするサンプルのフィルムの測定された物理的特性を前記対象とするサンプルフィルムに対応せしめる行程と、を含むことを特徴とする方法。
  27. (E)前記獲得したデータの音響成分の分析から厚さの改善された値を推定する行程をさらに有することを特徴とする請求の範囲第26項に記載の方法。
  28. (F)前記対象とするサンプルのフィルム厚みと材料特性との間の収束が成し遂げられるまで、前記行程C-Eを繰り返す行程をさらに有することを特徴とする請求の範囲第27項に記載の方法。
  29. 前記対象とするサンプルのフィルムの最も可能性のある組成を判別する行程は、前記対照サンプルから得られたデータ同士の間で補間することによって前記対象とするサンプルのフィルムの材料特性を得る行程を含むことを特徴とする請求の範囲第26項に記載の方法。
  30. 前記材料特性は、音速、密度、光学定数、熱膨張係数、比熱、熱伝導率、歪に関する光学定数の導関数のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求の範囲第29項に記載の方法。
  31. 前記対象とするサンプルのフィルムの化学量論、結晶構造、形態、構造相、合金組成、不純物含有量、ドーピングレベル、欠陥密度、同位体含有量、結晶配向のうちの少なくとも1つが、判別されることを特徴とする請求の範囲第26項に記載の方法。
  32. 前記少なくとも一つの過渡光応答は、プローブパルスの反射部分の強度の変調変化ΔR、プローブパルスの透過部分の強度変化ΔT、反射プローブパルスの偏光変化ΔP、反射プローブパルスの光位相の変化Δφ、プローブパルスの反射角度の変化Δθのうちの1つの測定値を含むことを特徴とする請求の範囲第26項に記載の方法。
  33. 前記比較行程は
    (a)少なくとも一つの対照サンプル、
    (b)信号の拡散プロセスモデルおよび対応する物理パラメータ、のうちの少なくとも1つから生成される遅延時間の経過時点おいて対応するデータを使用することを特徴とする請求の範囲第26に記載の方法。
  34. 前記対象とするサンプルは、半導体材料およびシリサイドを含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第26項に記載の方法。
  35. 前記対象とするサンプルは、半導体材料および金属を含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第26項に記載の方法。
  36. 前記対象とするサンプルは、基板と、前記基板の表面に積層される少なくとも一つの熱アニール層とを含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第26項に記載の方法。
  37. 前記少なくとも一つの熱アニール層のアニール温度を報告する行程を更に有することを特徴とする請求の範囲第36項に記載の方法。
  38. 前記少なくとも一つの熱アニール層に対応する予測される構造の有無を報告する行程を更に有することを特徴とする請求の範囲第36項に記載の方法。
  39. 前記少なくとも一つの熱アニール層の厚みを報告する行程を更に有することを特徴とする請求の範囲第36項に記載の方法。
  40. 前記データを得るために使用される測定システムを較正する較正行程を最初に有し、前記較正行程は、前記対象とするサンプルの表面での前記ポンプ及びプローブビームの重複領域のサイズ及び面積を測定する行程を含むことを特徴とする請求の範囲第26項に記載の方法。
  41. 対象とするサンプルの特性を調べる方法であって、
    (A)ポンプビームから遅延時間だけ遅延せしめられた少なくとも一つのプローブビーム波長を使用して前記対象とするサンプルからのデータを獲得し、前記ポンプビームによって誘導される前記対象とするサンプルの少なくとも一つの過渡光応答の変化を測定する行程と、
    (B)前記対象とするサンプルのフィルムの組成を仮定する行程と、
    (C)前記データの音響部分の分析から前記対象とするサンプルのフィルムの厚みの値を推定し、仮定した組成を有する対照フィルムに基づいて前記対象とするサンプルのフィルムの材料特性を考慮する行程を含む推理行程と、
    (D)前記推定した厚みを有し、前記対象とするサンプルと同じ一般的なタイプの対照フィルムに対応するバックグラウンド信号を比較して、前記対象とするサンプルのフィルムの改善された組成を判別する行程と、を有することを特徴とする方法。
  42. (E)前記対象とするサンプルフィルムに、前記行程Dから得られたフィルムの材料特性を対応せしめる行程をさらに有することを特徴とする請求の範囲第41に記載の方法。
  43. (F)前記対象とするサンプルフィルムの組成および厚さの間の収束が成し遂げられるまで、前記行程C-Eを繰り返す行程をさらに有することを特徴とする請求の範囲第42項に記載の方法。
  44. 前記対象とするサンプルのフィルムの改善された組成を判別する前記行程は、前記対照サンプルから得られたデータ同士の間で補間することによって前記対象とするサンプルのフィルムの材料特性を得る行程を含むことを特徴とする請求の範囲第41項に記載の方法。
  45. 材料特性は、音速、密度、光学定数、熱膨張係数、比熱、熱伝導率、歪に関する光学定数の導関数のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求の範囲第41項に記載の方法。
  46. 前記対象とするサンプルのフィルムの組成は、化学量論、結晶構造、形態、構造相、合金組成、不純物含有量、ドーピングレベル、欠陥密度、同位体含有量、結晶配向の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求の範囲第41項に記載の方法。
  47. 前記少なくとも一つの過渡光応答は、プローブパルスの反射部分の強度の変調変化ΔR、プローブパルスの透過部分の強度変化ΔT、反射プローブパルスの偏光の変化ΔP、反射プローブパルスの光位相の変化Δφ、プローブパルスの反射角度の変化Δθの1つの測定値を含むことを特徴とする請求の範囲第41項に記載の方法。
  48. 前記比較行程は、
    (a)少なくとも一つの対照サンプル
    (b)信号の拡散プロセスモデルおよび対応する物理パラメータ、のうちの少なくとも1つから生成される遅延時間の経過時点おいて対応するデータを使用することを特徴とする請求の範囲第41項に記載の方法。
  49. 前記対象とするサンプルは、半導体材料およびシリサイドを含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第41項に記載の方法。
  50. 前記対象とするサンプルは、半導体材料および金属を含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第41項に記載の方法。
  51. 前記対象とするサンプルは、基板と、前記基板の表面に積層される少なくとも一つの熱アニール層とを含むウェハから成ることを特徴とする請求の範囲第41項に記載の方法。
  52. 前記少なくとも一つの熱アニール層のアニール温度を報告する行程を更に有することを特徴とする請求の範囲第51項に記載の方法。
  53. 前記少なくとも1つの熱アニール層と対応する予測相の有無を報告する行程を更に有することを特徴とする請求の範囲第51項に記載の方法。
  54. 前記少なくとも一つの熱アニール層の厚みを報告する行程を更に有することを特徴とする請求の範囲第51項に記載の方法。
  55. 前記データを得るために使用される測定システムを較正する較正行程を最初に有し、前記較正行程は、前記対象とするサンプルの表面での前記ポンプ及びプローブビームの重複領域の面積及びサイズを判別する行程を含むことを特徴とする請求の範囲第41項に記載の方法。
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