JP4025208B2 - 固体撮像素子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体撮像素子およびその製造方法に関し、特に縦型オーバーフロードレイン構造を有する固体撮像素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタルカメラ用固体撮像素子として、CCD型固体撮像素子やMOS型固体撮像素子が普及している。いずれも、光検出素子はホトダイオードで構成される。ホトダイオードは、入射した光の量に応じて電荷を発生する。光電変換された一方のキャリア、通常は電子、はCCDやMOS回路を介して読み出される。
【0003】
撮影を開始する際には、ホトダイオードの蓄積電荷を空にすることが望ましい。基板の厚さ方向にnpn構造を形成し、基板バイアスを印加することによりp型層が形成するポテンシャルバリアを消滅させると、全画素同時に蓄積電荷をクリアすることができる(基板抜きシャッタ)。基板に印加するバイアス電圧を変化させると、ポテンシャルバリアの高さを変えることができる。ポテンシャルバリアの高さを変えることで、ホトダイオードの飽和電荷量を変えることができる。
【0004】
さて、強い光が入射すると、ホトダイオードには、飽和電荷量以上の過剰電荷が発生する。この過剰電荷が、隣接するホトダイオード、垂直転送路等に洩れ込むと、撮像した画像の画質が損なわれる。基板抜きシャッタ構造を用い、ポテンシャルバリアが残るように基板バイアスを印加すると、過剰電荷のみを基板に抜き去るオーバーフロードレインが実現される。オーバーフロードレインを有する固体撮像素子は、例えば特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−29600号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
1つの固体撮像素子は、多数個のホトダイオードを含んで構成される。基板にバイアス電圧を印加する端子の配置パタン等により、固体撮像素子に含まれる多数個のホトダイオードすべてに対し、均一な基板電圧を印加できない場合が生じる。印加する基板電圧がばらつくことにより、各ホトダイオードが蓄積できる飽和電荷量にもばらつきが生じる。飽和電荷量が所望の値以下となりダイナミックレンジが低下したり、また、あるホトダイオードの余剰電荷が他のホトダイオード等へ流れ込みブルーミングが発生しやすくなったりする等の問題が生じる。
【0007】
本発明の一目的は、ホトダイオードごとの飽和電荷量のばらつきが抑制された固体撮像素子の製造方法を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、ホトダイオードごとの飽和電荷量のばらつきが抑制された固体撮像素子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、第1導電型の半導体基板を準備する工程と、前記半導体基板中に第1導電型と逆の第2導電型の不純物を第1のピーク深さ、第1のドーズ量でイオン注入して、第1のバリア領域を形成する工程と、前記半導体基板中に第2導電型の不純物を前記第1のピーク深さよりも浅い第2のピーク深さ、前記第1のドーズ量より低い第2のドーズ量でイオン注入して、第2のバリア領域を形成する工程と、各画素領域において、前記第2のバリア領域の上の領域中に、第1導電型の不純物を第3のピーク深さ、第3のドーズ量でイオン注入して、ホトダイオードを形成する複数の第1の第1導電型領域を形成する工程と、前記半導体基板にバイアス電圧を印加するオーバーフロードレイン端子を形成する工程とを含む固体撮像素子の製造方法が提供される。
【0010】
本発明の他の観点によれば、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板中に第1導電型と逆の第2導電型の不純物を第1のピーク深さ、第1のドーズ量でイオン注入して形成された第1のバリア領域と、前記半導体基板中に第2導電型の不純物を前記第1のピーク深さよりも浅い第2のピーク深さ、前記第1のドーズ量より低い第2のドーズ量でイオン注入して形成された第2のバリア領域と、各画素領域において、前記第2のバリア領域の上の領域中に、第1導電型の不純物を第3のピーク深さ、第3のドーズ量でイオン注入して形成された、ホトダイオードを形成する複数の第1の第1導電型領域と、前記半導体基板にバイアス電圧を印加するオーバーフロードレイン端子とを含む固体撮像素子が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施例による固体撮像素子の基板表面の構成を概略的に示す平面図である。半導体基板の表面に、多数個のホトダイオード1が、一定のピッチPhおよびPvで複数列、複数行に配列されている。簡略化した図を示すが、実際の素子においては、一行、一列内のホトダイオード数は、数百〜数千となる。ホトダイオード1は、受光した光量に応じた量の電荷を蓄積する。
【0012】
奇数列のホトダイオード1に対し、偶数列のホトダイオード1は各列内のホトダイオードのピッチPvの約1/2ずれるように、また、奇数行のホトダイオード1に対し偶数行のホトダイオード1は各行内のホトダイオードのピッチPhの約1/2ずれるように配置されており、画素ずらし配列(ハニカム配列)となっている。一列のホトダイオード列は、奇数行又は偶数行のホトダイオード1のみを含み、一行のホトダイオード列は、奇数列又は偶数列のホトダイオード1のみを含む。
【0013】
複数の垂直転送路2は、隣接するホトダイオード列間の半導体基板表面に形成され、図中左側のホトダイオード1と結合され、蛇行しつつ列方向に延在している。複数の分離領域3は、垂直転送路2とホトダイオード1とを各列間で分離するように、蛇行しつつ列方向に延在している。
【0014】
図2に、図1に示すA−A’線に沿った、ホトダイオード1近傍の基板厚さ方向の概略的な断面図を示す。基板表面の上側には、遮光膜、マイクロレンズ等の構成も示す。
【0015】
半導体基板11はn-型シリコンで形成されており、不純物濃度は、例えば6.0×1014cm-3である。半導体基板11には、オーバーフロードレイン端子Tofdを通じて基板電圧が印加される。
【0016】
半導体基板11中に、p型領域である第1のバリア領域12が形成されている。第1のバリア領域12は、例えば、B等のp型不純物をドーズ量2.0×1011〜5.0×1011cm-2、打ち込みエネルギ1.5〜2.5MeVでイオン注入することで形成される。第1のバリア領域12の直上に、第1のバリア領域12よりも低い不純物濃度に設定されたp型領域である第2のバリア領域13が形成されている。第2のバリア領域13は、例えば、B等のp型不純物をドーズ量1.0×1011〜3.0×1011cm-2、打ち込みエネルギ1.0〜2.0MeVでイオン注入することで形成される。
【0017】
第1のバリア領域12および第2のバリア領域13は、ホトダイオードに蓄積できる電荷量を定めるポテンシャルバリアを形成する。後に図3を参照して説明するように、基板電圧を正に増加させると、ポテンシャルバリアの高さは低下する。ポテンシャルバリアの高さが低下すると、ホトダイオードの飽和電荷量は減少する。
【0018】
ホトダイオードに強い光が入射すると、飽和電荷量以上の余剰電荷が発生する。この余剰電荷が他のホトダイオード等に漏れ込むと、画質を損ねることとなる(ブルーミング)。ポテンシャルバリアの高さを適当に設定することにより、発生した余剰電荷がポテンシャルバリアを越え、n型基板11側に掃き捨てられるようにすることができる(縦型オーバーフロードレイン構造)。ブルーミングを抑制できる。
【0019】
さて、ホトダイオードごとに印加される基板電圧がばらつくと、各ホトダイオードの飽和電荷量もばらついてしまう。飽和電荷量が所望の値より小さくなりダイナミックレンジが減少したり、不要な電荷が基板に掃き捨てられずに他のホトダイオード等に漏れ込み、ブルーミングが発生したりする等の不具合を生じる。
【0020】
したがって、基板電圧が変動した場合でも、ホトダイオードの飽和電荷量は大きく変動しないことが望ましい。後に図3、図4を参照して説明するように、本実施例では第2のバリア領域13を第1のバリア領域12に加えて形成することにより、基板電圧の変動に伴うホトダイオードの飽和電荷量の急激な変動を抑制できる。
【0021】
第2のバリア領域13の上に存在するn-型領域11aは、半導体基板のn-型領域である。n-型領域11a中に、n型領域15が形成されている。ホトダイオードが、n型領域15およびn-型領域11aと、p型領域である第1および第2のバリア領域とを含んで形成される。ホトダイオードの電荷蓄積領域が、n型領域15とn-型領域11aとを含んで形成される。n型領域15は、例えば、P、As等のn型不純物をドーズ量1.0×1012〜3.0×1012cm-2、打ち込みエネルギ200〜700KeVでイオン注入することで形成される。
【0022】
なお、n型領域15の表面部には、高濃度の表面p+型領域17が形成され、n型領域15を埋め込んでいる。n型領域15が基板表面から離れ、表面の影響が減少する。表面p+型領域17は、例えば、B等のp型不純物をドーズ量1.0×1014〜3.0×1014cm-2、打ち込みエネルギ10〜50KeVでイオン注入することで形成される。
【0023】
n型領域15に隣接して、p型領域18が形成されている。p型領域18は、例えば、B等のp型不純物をドーズ量1.0×1012〜3.0×1012cm-2、打ち込みエネルギ10〜100KeVでイオン注入することで形成される。p型領域18に隣接してn型領域15と反対側に、n型領域であるVCCDの垂直転送路19が形成されている。p型領域18は、ホトダイオードの電荷蓄積部を構成するn型領域15と垂直転送路19との間のポテンシャルバリアとして機能する。垂直転送路19は、例えば、P、As等のn型不純物をドーズ量3.0×1012〜7.0×1012cm-2、打ち込みエネルギ50〜200KeVでイオン注入することで形成される。
【0024】
垂直転送路19の直下と、垂直転送路19のp型領域18と反対側に隣接して、p型のチャネルストップ領域20、21が形成されている。チャネルストップ領域20は、例えば、B等のp型不純物をドーズ量1.0×1011〜5.0×1011cm-2、打ち込みエネルギ400KeV〜1.0MeVでイオン注入することで形成される。チャネルストップ領域20を形成することで、ホトダイオードから垂直転送路19への不要な電荷の漏れ込みを抑え、スミアを抑制することができる。
【0025】
チャネルストップ領域21は、例えば、B等のp型不純物をドーズ量1.0×1012〜5.0×1012cm-2、打ち込みエネルギ50〜200KeVでイオン注入することで形成される。チャネルストップ領域21は、各ホトダイオード列を電気的に分離している。
【0026】
垂直転送路19の表面には、酸化シリコン等の絶縁膜25aが形成され、その上にポリシリコン等からなる垂直転送電極26が形成されている。垂直転送電極26の一部は、n型領域15と垂直転送路19との間のp型領域18上に延在する。垂直転送電極26には電荷読み出し時に正電圧が印加される。p型領域18が形成するポテンシャルバリアが低下し、n型領域15から垂直転送路19に電荷が読み出される。
【0027】
垂直転送電極26の上を覆うように、酸化シリコン等の絶縁膜25bが形成され、その表面上にW等で形成された遮光膜27が配置される。遮光膜27は、n型領域15の上方に開口を有している。ホトダイオードのみに入射光が照射される。
【0028】
遮光膜27を覆って、ポリイミド等で形成された平坦化膜28が形成され、平坦な表面が形成されている。平坦化膜28の表面に赤色R、緑色G、青色B等のフィルタ層が個々に形成され、カラーフィルタ層29が形成される。カラーフィルタ層29の上に再び平坦化膜30が形成され、平坦な表面を形成する。平坦化膜30の上に、マイクロレンズ31が配置される。マイクロレンズ31は、例えばホトレジスト層を露光現像してレンズ平面形状のパタンとした後、加熱して軟化させることにより表面を流動化させ、レンズ状とすること等により形成される。
【0029】
次に、第1の比較例による固体撮像素子について説明する。本比較例においても実施例と同様、ホトダイオード1は、図1に示すように配列されている。
【0030】
図7(A)に、図1に示すA−A’線に沿った、ホトダイオード1近傍の基板厚さ方向の概略的な断面図を示す。第1の実施例において図2に示した構成と異なる点は、第2のバリア領域13が形成されていないことである。なお、その他の構成は図2と同様であり、各部には図2と同様の参照記号を付してある。
【0031】
第1の実施例および比較例による固体撮像素子について、ホトダイオード部分の基板厚さ方向のポテンシャルプロファイルを計算機シミュレーションにより求めた。各部の不純物濃度を所与として、ポテンシャルプロファイルを計算した。
【0032】
図3(A)〜(D)に、第1の実施例によるシミュレーション結果を示す。各グラフの横軸は、図2に示すB−B'線に沿った深さ方向の位置をμm単位で示す。横軸の下側に示す縦軸がボルト単位で表わしたポテンシャルを示す。なお、横軸の上側に、理解を容易とするため、各部の不純物濃度分布を示す。1立方センチメートル当たりのキャリア数を常用対数で表わす。
【0033】
図3(A)〜(D)のポテンシャルプロファイルからわかるように、n型領域15およびn-型領域11aがポテンシャルウェルを形成する。ポテンシャルウェルの底部はn型領域15に含まれる。ポテンシャルは、ポテンシャルウェルn型領域15およびn-型領域11aの両側に向かって上昇している。p型領域である第2のバリア領域13および第1のバリア領域12が、当該ポテンシャルウェルに蓄積される電子に対し、ポテンシャルバリアを形成している。
【0034】
n型領域で構成されるポテンシャルウェルの底部から、p型領域で構成されるポテンシャルバリアの頂上までに電荷を蓄積し、それ以上に発生した余剰電荷を、n型基板11側に流して捨てることができる(縦型オーバーフロードレイン構造)。
【0035】
このポテンシャルバリアを形成するためのp型不純物の濃度分布は、例えば図3(A)の横軸の上側に示すように、第1のバリア領域12の釣鐘型の不純物分布と、第1のバリア領域12の不純物分布よりも低いピークを持つ第2のバリア領域13の釣鐘型の不純物分布の和の形となっている。なお、第2のバリア領域13の不純物濃度を過度に高くすると、ポテンシャルウェルが狭くなり、飽和電荷量の減少を招き好ましくない。第2のバリア領域13の不純物濃度は、飽和電荷量の減少が実用上問題ない程度に抑える。
【0036】
図3(A)〜(D)の各ポテンシャルプロファイルの各々では、基板へ印加するバイアス電圧が異なっている。図3(A)、(B)、(C)、(D)の順に、基板電圧を正方向に増加させている。
【0037】
基板電圧を増加させるにつれ、n型基板11のポテンシャルは低下し、第1および第2のバリア領域12、13が形成するポテンシャルバリアも低下する。一方、n型領域15が形成するポテンシャルウェルの底部は、n型基板11から離れており、ほとんど変化しない。基板電圧の増加に伴い、ポテンシャルバリアの頂上とポテンシャルウェルの底部とのエネルギ差は減少する。つまり、ポテンシャルウェルに蓄積できる電荷量は、図3(A)、(B)、(C)、(D)の順に減少する。このように、基板電圧が増加すると、ホトダイオードの飽和電荷量は減少する。
【0038】
なお、ホトダイオードに電荷が蓄積された状態から、ポテンシャルバリアが消滅する値以上まで基板電圧を増加させると、ホトダイオードの蓄積電荷をn型基板11側に引き抜くことができる(基板抜きシャッタ)。
【0039】
図8(A)〜(D)に、第1の比較例によるシミュレーション結果を示す。各グラフの横軸は、図7(A)に示すB−B'線に沿った深さ方向の位置を示す。図3と同様、横軸の下側に示す縦軸、横軸の上側に示す縦軸はそれぞれ、ポテンシャル、不純物濃度を示す。
【0040】
第1の比較例においては、図7(A)に示したように、第2のバリア領域13が形成されていない。したがって、ポテンシャルウェルに蓄積される電子に対するポテンシャルバリアは、第1のバリア領域12のみが形成する。
【0041】
図8(A)〜(D)の順に、印加される基板電圧は増加している。図8(A)〜(D)の順に、ポテンシャルバリアは低下し、ポテンシャルウェルに蓄積できる電荷量は減少する。第1の実施例と同様、基板電圧が増加すると、ホトダイオードの飽和電荷量が減少する。
【0042】
さて、第1の実施例と比較例のポテンシャルバリアの形状を比較すると(例えば図3(A)と図8(A)とを参照)、実施例においては第1のバリア領域の上方(図3の各グラフにおいては左方)に第2のバリア領域も形成されているため、第1のバリア領域しか形成されていない比較例と比べて、ポテンシャルバリアは厚い。
【0043】
実施例、比較例とも、基板電圧を増加させていくと、ポテンシャルバリアの頂上は、第1のバリア領域のn型基板側から削られていくように低下していく。したがって、厚いポテンシャルバリアを有する実施例の方が、比較例よりも、基板電圧の増加に伴うポテンシャルバリアの低下は抑制されることになる。一方、基板電圧が減少する場合は、ポテンシャルバリアの上昇が抑制される。
【0044】
このように、第1のバリア領域に加え第2のバリア領域も形成することにより、基板電圧の変動に伴うポテンシャルバリアの高さの変動を抑制できる。基板電圧の変動に伴うホトダイオードの飽和電荷量の急激な変動を抑制できる。
【0045】
図4は、第1の実施例および比較例について、基板電圧とホトダイオードの飽和電荷量との関係を示すグラフである。曲線c1が実施例、曲線c2が比較例の場合を示す。ここで飽和電荷量は、第1の比較例において基板電圧6ボルトを印加した場合の飽和電荷量を100%とした場合の百分率で表わされている。
【0046】
なお、第1の実施例、比較例とも、通常の撮像時に印加される基板電圧は例えば8ボルトである。ここでは基板電圧8ボルトにおいて、実施例、比較例ともほぼ等しい飽和電荷量となるよう設定されている。
【0047】
実施例の曲線c1、比較例の曲線c2とも、基板電圧を増加させるにつれ飽和電荷量は減少することを示すが、曲線c1は曲線c2よりも緩やかに減少している。特に通常の撮像時に用いる基板電圧8ボルト付近について見ると、基板電圧7〜9ボルトにかけて、比較例の曲線c2は約92%から約40%まで約52%の減少であるのに対し、実施例の曲線c1は約85%から約45%まで約40%の減少に止まる。つまり、実施例による固体撮像素子では、基板電圧の変動に伴うホトダイオードの飽和電荷量の変動を抑制できることがわかる。
【0048】
なお、実施例の場合には、25ボルトの基板電圧の印加により飽和電荷量を0%とできる。基板電圧を25ボルトとして基板抜きシャッタ動作を行う。
【0049】
このように、第1の実施例の固体撮像素子においては、図2に示す第2のバリア領域13を有する構成としたことにより、基板電圧のばらつきに伴って生じる各ホトダイオードの飽和電荷量のばらつきを抑制することができる。ダイナミックレンジの減少やブルーミングが起こりやすくなることを抑制できる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施例による固体撮像素子について説明する。第2の実施例においても第1の実施例と同様、ホトダイオード1は、図1に示すように配列されている。
【0051】
図5に、図1に示すA−A'線に沿った、ホトダイオード1近傍の基板厚さ方向の概略的な断面図を示す。本実施例では、第1の実施例において図2に示した構成に加えて、n-型領域16が形成されている。なお、その他の構成は図2と同様であり、各部には図2と同様の参照記号を付してある。
【0052】
-型領域16は、n-型領域11a中、n型領域15の直下に形成されている。n-型領域16の不純物濃度は、n型領域15よりも低く、基板のn-型領域である11aよりは高く設定される。n-型領域16は、n型領域15およびn-型領域11aとともにホトダイオードの電荷蓄積領域を構成する。このように電荷蓄積領域を多層とし、感光領域を深くすることにより、より良好な感度が得られる。n-型領域16は、例えば、P、As等のn型不純物をドーズ量2.0×1011〜8.0×1011cm-2、打ち込みエネルギ800KeV〜1.8MeVでイオン注入することで形成される。
【0053】
次に、第2の比較例による固体撮像素子について説明する。本比較例においても実施例と同様、ホトダイオード1は、図1に示すように配列されている。
【0054】
図7(B)に、図1に示すA−A’線に沿った、ホトダイオード1近傍の基板厚さ方向の概略的な断面図を示す。第2の実施例において図5に示した構成と異なる点は、第2のバリア領域13が形成されていないことである。なお、その他の構成は図5と同様であり、各部には図5と同様の参照記号を付してある。
【0055】
第2の実施例および比較例による固体撮像素子について、ホトダイオード部分の基板厚さ方向のポテンシャルプロファイルを計算機シミュレーションにより求めた。
【0056】
図6(A)〜(D)に、第2の実施例によるシミュレーション結果を示す。各グラフの横軸は、図5に示すB−B'線に沿った深さ方向の位置を示す。第1の実施例で説明した図3と同様、横軸の下側に示す縦軸、横軸の上側に示す縦軸はそれぞれ、ポテンシャル、不純物濃度を示す。
【0057】
第1の実施例の図3と第2の実施例の図6との異なる点は、図6の各ポテンシャルプロファイルでは、n型領域15とn-型領域11aと、この2つの領域に挟まれたn-型領域16とがポテンシャルウェルを形成することである。その他は、図3の場合と同様である。
【0058】
図9(A)〜(D)に、第1の比較例によるシミュレーション結果を示す。各グラフの横軸は、図7(A)に示すB−B'線に沿った深さ方向の位置を示す。図6と同様、横軸の下側に示す縦軸、横軸の上側に示す縦軸はそれぞれ、ポテンシャル、不純物濃度を示す。
【0059】
第1の比較例の図8と第2の比較例の図9との異なる点は、図9の各ポテンシャルプロファイルでは、n型領域15とn-型領域11aと、この2つの領域に挟まれたn-型領域16とがポテンシャルウェルを形成することである。その他は、図8の場合と同様である。
【0060】
第2の実施例では第1、第2のバリア領域が形成されており、第1のバリア領域しか形成されていない比較例よりもポテンシャルバリアが厚いことは、第1の実施例、比較例の場合と同様である。したがって、第2の実施例の方が、第2の比較例よりも、基板電圧の増加、減少に伴うポテンシャルバリアの低下、上昇は抑制される。なお、第1の実施例と比較例について、図4に基板電圧と飽和電荷量との関係を示したが、第2の実施例と比較例においても同様な関係が成り立つ。図示は省略する。
【0061】
このように、第2の実施例の固体撮像素子においても、第2のバリア領域13を有する構成としたことにより、基板電圧のばらつきに伴って生じる各ホトダイオードの飽和電荷量のばらつきを抑制することができる。ダイナミックレンジの減少やブルーミングが起こりやすくなることを抑制できる。
【0062】
ところで、1つの固体撮像素子には多数個のホトダイオードが含まれるが、多数個のホトダイオードをまったく同一に製造することは困難である。例えば、製造時のシリコンウェハ上の位置によって、イオン注入される不純物の濃度がばらつくこと等が考えられる。各ホトダイオードのこのような構造的なばらつきに伴い、飽和電荷量にもばらつきが生じ得る。
【0063】
以上説明したように、第2のバリア領域は、ポテンシャルバリアの高さが変動することを抑制し、飽和電荷量が変動することを抑制する機能を有する。第2のバリア領域を有する構成は、ホトダイオードの構造的なばらつきに伴う飽和電荷量のばらつきの抑制にも有効と考えられる。
【0064】
また、第2のバリア領域を設けることによって、ホトダイオード間の電荷の混合を抑制することもできる。
【0065】
第2のバリア領域の不純物濃度を低く抑えることにより、ホトダイオードの感光領域が浅くなることを防ぎ、感度の減少を抑制することができる。
【0066】
なお、n-型領域11aを、p-型領域に変更してもよい。不純物濃度が低ければp-型領域としても、n-型領域であるときと同様に、ホトダイオードごとの飽和電荷量のばらつきが抑制された固体撮像素子を作製することができる。
【0067】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば種々の変更、改良、組合せが可能なことは当業者に自明であろう。
【0068】
【発明の効果】
ホトダイオードごとの飽和電荷量のばらつきが抑制された固体撮像素子の製造方法が提供される。また、ホトダイオードごとの飽和電荷量のばらつきが抑制された固体撮像素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 固体撮像素子の基板表面の構成を概略的に示す平面図である。
【図2】 第1の実施例による固体撮像素子の基板厚さ方向の概略的な断面図である。
【図3】 第1の実施例によるポテンシャルプロファイルのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図4】 第1の実施例および比較例について、基板電圧とホトダイオードの飽和電荷量との関係を示すグラフである。
【図5】 第2の実施例による固体撮像素子の基板厚さ方向の概略的な断面図である。
【図6】 第2の実施例によるポテンシャルプロファイルのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図7】 比較例による固体撮像素子の基板厚さ方向の概略的な断面図である。
【図8】 第1の比較例によるポテンシャルプロファイルのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図9】 第2の比較例によるポテンシャルプロファイルのシミュレーション結果を示すグラフである。
【符号の説明】
11 n型基板(半導体基板)
12 第1のバリア領域
13 第2のバリア領域
15 n型領域
11a、16 n-型領域
17 表面p+型領域
18 p型領域
19 垂直転送路
20、21 チャネルストップ領域
25a、25b 絶縁膜
26 垂直転送電極
27 遮光膜
28、30 平坦化膜
29 カラーフィルタ
31 マイクロレンズ
Tofd オーバーフロードレイン端子

Claims (4)

  1. 第1導電型の半導体基板を準備する工程と、
    前記半導体基板中に第1導電型と逆の第2導電型の不純物を第1のピーク深さ、第1のドーズ量でイオン注入して、第1のバリア領域を形成する工程と、
    前記半導体基板中に第2導電型の不純物を前記第1のピーク深さよりも浅い第2のピーク深さ、前記第1のドーズ量より低い第2のドーズ量でイオン注入して、第2のバリア領域を形成する工程と、
    各画素領域において、前記第2のバリア領域の上の領域中に、第1導電型の不純物を第3のピーク深さ、第3のドーズ量でイオン注入して、ホトダイオードを形成する複数の第1の第1導電型領域を形成する工程と、
    前記半導体基板にバイアス電圧を印加するオーバーフロードレイン端子を形成する工程と
    を含む固体撮像素子の製造方法。
  2. さらに、
    前記各画素領域において、前記第2のバリア領域の上の領域中に、第1導電型の不純物を前記第3のピーク深さより深い第4のピーク深さ、前記第3のドーズ量より低い第4のドーズ量でイオン注入して、ホトダイオードを形成する複数の第2の第1導電型領域を形成する工程を含む請求項1記載の固体撮像素子の製造方法。
  3. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板中に第1導電型と逆の第2導電型の不純物を第1のピーク深さ、第1のドーズ量でイオン注入して形成された第1のバリア領域と、
    前記半導体基板中に第2導電型の不純物を前記第1のピーク深さよりも浅い第2のピーク深さ、前記第1のドーズ量より低い第2のドーズ量でイオン注入して形成された第2のバリア領域と、
    各画素領域において、前記第2のバリア領域の上の領域中に、第1導電型の不純物を第3のピーク深さ、第3のドーズ量でイオン注入して形成された、ホトダイオードを形成する複数の第1の第1導電型領域と、
    前記半導体基板にバイアス電圧を印加するオーバーフロードレイン端子と
    を含む固体撮像素子。
  4. さらに、
    前記各画素領域において、前記第2のバリア領域の上の領域中に、第1導電型の不純物を前記第3のピーク深さより深い第4のピーク深さ、前記第3のドーズ量より低い第4のドーズ量でイオン注入して形成された、ホトダイオードを形成する複数の第2の第1導電型領域を含む請求項3記載の固体撮像素子。
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