JP4025129B2 - ジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置及び圧縮方法 - Google Patents

ジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置及び圧縮方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軽水型原子炉用使用済み燃料の再処理後に、ジルカロイ製の燃料被覆管や、使用済みの金属材等のジルコニウム合金を含む放射性金属廃棄物を減容処理するジルコニウム合金を含む放射性金属廃棄物の圧縮装置及び圧縮方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ジルカロイは、ジルコニウムを主体とした合金であり、熱中性子の吸収断面積が小さいため、原子炉材料として多用されており、特に原子炉の燃料被覆管用として好んで使用されている。このようなジルカロイからなる燃料被覆管内に装填された例えば軽水型の原子炉用の燃料を再処理するときは、まず、使用済みの燃料棒が装填された燃料被覆管の集合体を数cm単位に裁断し、得られた細片を溶解槽に投入し、溶解槽内で核燃料物質と、被覆管剪断片(以下ジルカロイハルという)や集合体部品(以下ハードウエアという)とに分離する。この燃料被覆管の裁断の際に、切り口から多量のジルコニウム合金のファイン(粉塵)が発生し、その内の相当量がジルカロイハルに随伴して、後工程まで持ち込まれることが予想される。
【0003】
分離された核燃料物質は再利用のための処理工程に送られるが、ジルカロイハルやハードウエア等の放射性金属廃棄物は、ハル缶と呼ばれるステンレス鋼製の収納容器に発生状態のまま納められ貯蔵設備内に保管される。しかしながら、ジルカロイハル等が収納されたハル缶は、使用済み核燃料の再処理が行われる毎に増加するため、貯蔵設備がすぐに満杯状態になってしまうという問題点を有している。そこで、ジルカロイハル等の放射性金属廃棄物に減容処理を施し、その結果貯蔵空間を少ないものにすることが試みられている。
【0004】
ところで、上述の燃料被覆管の裁断時に発生したジルコニウム合金のファインの他に、放射性金属廃棄物を圧縮減容するに際し、ジルコニウム合金であるジルカロイ等からファインが発生するが、これらのファインは非常に発火性が強いため、圧縮減容を施すに際し大気を遮断することが有効な対策となる。
【0005】
そして、大気を遮断する方策として、不活性ガスの雰囲気中や水中で圧縮減容する方法が種々提案されている。前者の不活性ガス雰囲気中では、酸素が存在しないため燃焼は起らないが、従来減容設備を収容した室内のすべてが不活性ガスで置換されるためには、非常に多くの不活性ガスが必要になるという問題点を有していた。
【0006】
また、後者の水中で圧縮する方法は、発火防止に対しては有効であるが、圧塊片の中に水が装入された状態になり、この装入水を完全に取り去ることは至難であり、従って水が残留した状態で圧塊片が保管されることになるが、保管が長期間に亘ると、水が放射線を受けて水素ガスが発生するなどの不都合が生じる。
【0007】
また、近年ジルカロイハルおよびハードウエアをステンレス鋼製の円筒容器(カプセル)に収納し、このカプセルに収納されたジルカロイハル等をカプセルごと機械的に金型内でプレス(単軸圧縮)して圧縮成形し、複数の被圧縮物をキャニスターと呼ばれる容器に収納して保管する、いわゆるカプセルプレス処理法が注目されるに到っている。このようなカプセルプレス処理法を採用すれば、ジルカロイハルやハードウエアが密閉状態で減容されるため、ファインの大気中への飛散が有効に防止され、容器内が真空維持されている場合は、さらに発火が有効に抑止されるといわれている。
【0008】
しかしながら、上記カプセルプレス処理においては、プレス処理時にカプセルが破損することがあり、その結果ジルカロイハルのファインがカプセルから大気中に漏洩するおそれがある。
【0009】
そこで、ジルカロイハル等の収納されたカプセルを収容するキャビティを備えた金型を用い、この金型のキャビティ内にカプセルを装填した後、金型をピストンロッドの下部にまで移動させ、ピストンロッドをキャビティ内に挿入してプレスマシンで押圧し、これによってキャビティ内のカプセルを圧縮減容することが考えられる。しかしながら、この方法では、キャビティ内に空気が残存している状態でカプセルが減容処理されるため、プレス処理時に発火の可能性がある。また、キャビティ内にピストンロッドを挿入するには、極めて精度の高い金型の定位置制御を行わなければならず、金型の位置決めのために多大の時間を消費し、減容処理の迅速性に欠けるという問題点を有している。
【0010】
このような不都合を解消するものとして、金型キャビティの中心軸と、ピストンロッドの中心軸とが一致するように金型をプレスマシン内に設置し、カプセルをキャビティ内に装入後、ピストンロッドを下降させてキャビティ内に侵入させ、この状態でキャビティ内の密閉空間を真空または不活性ガスに置換した雰囲気とした後、さらに、ピストンロッドを下降させることによって密閉空間内のカプセルをピストンで圧縮減容することが考えられる。
【0011】
このような圧縮減容処理装置を採用することによって、上記精度の高い金型の定位置制御を行う必要がなくなるが、圧縮装置の大型化や、金型や真空維持用のパッキン、さらにはピストンロッドのメンテナンス性に問題がある。
【0012】
上記のような圧縮減容処理装置は、セルと呼ばれる放射線の漏洩を遮蔽した室内に設けられ、運転管理はセル外からの遠隔操作で行われるため、遠隔操作性が良好であることが望まれる他、装置の補修等が行い易いようにメンテナンス性が良好であることが望まれる。
【0013】
また、圧縮減容処理後に金型から減容カプセルを取り出すに際しては、ピストンロッドを下降させた状態で金型を上昇させるが、このとき減容カプセルにはそれが大気に曝された状態でキャビティからカプセルを押し出す際の摩擦熱や、キャビティから基盤にカプセルが落下する際の衝撃による熱エネルギーが生じるため、この状態でジルカロイファインが発火するおそれがある。
【0014】
以上の問題点を解決する減容処理のための圧縮装置として、例えば、特開平11−64588号公報に記載のものがある。このものは、ジルコニウム合金を含む放射性金属廃棄物をカプセルに装入し、このカプセルを金型のキャビティ内に装填して行う圧縮減容処理において、可動台車又は可動架台上に金型と金型キャビティ内に装入した押し棒をセットし、この押し棒を押圧することによりカプセルの圧縮を行うものである。金型内へのカプセルのセット、圧縮後のカプセルのキャビティからの取り出しのため、可動台車又は可動架台上に金型昇降機構を搭載している。そして、金型及び押し棒が圧縮装置本体と分離しているため、圧縮中に金型と押し棒、金型とカプセルが固着して分離困難となった場合、圧縮装置本体に関係なく、別途作業性の良い場所に可動台車を移動して復旧作業が行える。カプセルが存在すると圧縮作業エリアは放射能強度が極めて高くなるため、復旧作業者の近接が困難であり、本方法により圧縮装置本体は何ら影響を受けず、また作業性の良い場所での復旧作業となるため、復旧が容易となり、作業者の放射線被爆が大きく軽減される。また、金型、押し棒等の手入れ、部品交換が作業性の良い場所に移動して行えるため、保守性が優れているものである。
【0015】
ところが、この特開平11−64588号公報に記載のものは、前述のように、異常時の対応性、保守性、部品交換性の向上、異常時の圧縮装置本体への影響をなくするために、可動台車上に金型、金型昇降機構などの各種機構を搭載しており、可動台車が複雑化、大規模化しているという問題を有している。
【0016】
また、同様のカプセルプレス処理装置及び処理方法のものとして、例えば、特許第2931828号公報に記載のものがある。このものは、金型移動式であり、圧縮装置外でカプセルを金型内にセットした後、圧縮装置内に移動し圧縮する。圧縮後は別のジャッキ装置位置に移動し、圧縮物をノックアウトするようにしている。また、圧縮中は副ジャッキで金型を上から押え付けている。副ジャッキで若干押し下げられている以外にカプセルセット、ノックアウトのための金型昇降機構は設けられていない。このものは、可動台車を簡単小型化しているが、例えば、押し棒が圧縮装置本体に固定されているため、圧縮装置内に放射能レベルの高いカプセルが内蔵されている状態で押し棒と金型が固着した場合、圧縮装置と金型の分離のために作業者がアクセス出来ず、復旧作業が困難となる問題を有している。また、圧縮後のカプセルを取り出すために別の副ジャッキを設けるなど装置全体として大型化している。
【0017】
また、同様のカプセルプレス処理装置及び処理方法のものとして、例えば、特開平9−218296号公報に記載のものもある。このものは、加圧プレスを、加圧用の上部フレームと固定ベッドとからなる加圧部の下方に加圧シリンダを配し、かつ上部フレームと加圧シリンダに取着した下部フレームとをコラムを介して連結してなるプルダウン式プレスとし、そのコラムを、圧縮セルの下部壁を摺動可能に気密に貫通させることで、主油圧作動部である加圧シリンダを下部壁で隔離された下方の別室に設置し、圧縮セル内でのカプセルの圧縮を、コラムを介したプルダウンによる間接方式によって行うものである。このように、圧縮装置本体はセル内に保守部分がほとんど設けられておらず、圧縮装置全体として小型化されているが、押し棒が圧縮装置と一体化しているため、例えば、圧縮装置内に放射能レベルの高いカプセルが内蔵されている状態で押し棒と金型が固着した場合、圧縮装置と金型の分離のために作業者がアクセス出来ず、復旧作業が困難となる問題を有している。
【0018】
また、同様のカプセルプレス処理装置及び処理方法のものとして、例えば、特許第3089012号公報に記載のものもある。このものは、下部シリンダ方式圧縮装置を用いたものであり、下階の管理区域の床に設置される下部フレームと、下部フレームから上方のセル床を貫いて立設されるサイドフレームと、上方のセル内でサイドフレームの上端部で支えられる上部フレームにより枠構造体を構成するものである。そして、ピストンに上向きの加圧力を発生する油圧シリンダを下部フレーム上に設けると共に、油圧発生機構を管理区域内に設置する。ピストンが、サイドフレームにより案内されるクロスヘッドを介して押し棒を押し上げ、押し棒がセル床を貫通摺動して上部フレームの直下に位置する金型内の放射性固体廃棄物を圧縮するものである。このものは、セル床を貫通摺動する部分が押棒の1箇所のみであるので、放射性物質による汚染のリスクが低減する。また、押棒の両端が解放されていることもあって、圧縮装置全体の保守はより容易になり、保守作業者の被曝低減を図ることができる。また、油圧機部が管理区域内に位置するために、作動油の漏洩があってもセル内に漏洩する恐れはない。更に、油圧機部への作業者のアクセスが簡単となるので、その点でも保守は容易である。また金型が上方に位置していて、油圧シリンダにより上向きに押圧する構成なので、万一故障が生じても、作動油を抜き取るだけで押棒やクロスヘッドなどをその自重で降ろすことができ、対応が確実且つ容易であるという優れた点を有している。ところが、装置全体が大型化するという問題点を有している。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、カプセルプレス処理を施すことを前提とし、カプセルが装填された金型の高精度な位置決め制御を行わなくてもよく、遠隔操作性、保守性に優れ、簡易な構造で、装置全体が小型化され、圧縮、カプセル搬出容器へのカプセルの移し替え工程において、ジルカロイファインの発火を確実に防止することができるジルコニウム合金を含む放射性金属廃棄物の圧縮装置および圧縮方法を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の第1の発明に係るジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置は、ジルコニウム合金を含む放射性金属廃棄物を蓋付カプセル内に収納し、この蓋付カプセルを金型のキャビティ内に装填して圧縮し、減容処理するジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置において、前記金型を上下に昇降する金型昇降機構と、前記キャビティ内の蓋付カプセルを圧縮する圧縮機構を備え、前記金型が前記金型昇降機構による上下昇降方向に対して直角な横方向に移動可能に設置されるとともに、前記金型昇降機構に脱着自在に設置されていることを特徴とする。
【0021】
このような構成によると、金型昇降機構と金型が固定されていないため、金型の保守の際、金型昇降機構と金型を容易に分離することが可能となる。また、圧縮装置の小型化も可能となる。そして、例えば、押し棒、金型のキャビティ内に予め挿入しておけば、カプセルをキャビティに装填する都度、押し棒をキャビティに挿入する必要はないため、圧縮装置に対する精度の高い位置決め操作を施す必要はなく、高精度の位置決め操作のためにカプセル減容処理が手間取るという不都合が生じない。
【0022】
また、第2の発明に係るジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置は、第1の発明において、前記金型昇降機構が、前記金型を昇降する駆動手段と、前記金型に付設された金具と、一端側が前記金具に係合し、他端側が前記駆動手段に連結された昇降ロッドとを備えてなり、前記金具と前記昇降ロッドの一端側の係合手段が、上ストッパと下ストッパからなる第1ストッパと、前記第1ストッパの上ストッパと下ストッパ間に位置する第2ストッパとで構成されているものである。
【0023】
このような構成によると、金型昇降機構を簡易な構造とすることが可能となる。また、金型を金型昇降機構から分離させる際に、容易に分離することが可能となり、保守性が向上する。
【0024】
また、第3の発明に係るジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置は、第1又は第2の発明において、前記金型が、圧縮室内を移動可能な台車又は架台に載置されることを特徴とする。
【0025】
このような構成によると、金型、押し棒等を圧縮室外に引き出すことが容易となり、これら金型、押し棒等の取り替えを容易に行うことができる。
【0026】
また、第4の発明に係るジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置は、第1乃至第3の発明のいずれかにおいて、前記金型昇降機構及び前記圧縮機構の各駆動手段が、前記蓋付カプセルを圧縮する圧縮室と別室に設けられていることを特徴とする。
【0027】
このような構成によると、各駆動手段が別室に設けられているため、これら各駆動手段の保守を容易に行うことができる。また、駆動手段に油圧式のものを使用した場合であっても、油分が圧縮室内に漏れこむことを防止できる。
【0028】
また、第5の発明に係るジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置は、第1乃至第4の発明のいずれかにおいて、前記圧縮機構の駆動手段が、前記圧縮室下に設けられるプルダウン式油圧装置であり、前記金型昇降機構及び前記圧縮機構の各駆動手段がそれぞれ別個独立して駆動可能であることを特徴する。
【0029】
このような構成によると、各駆動手段の作動油が圧縮室内に漏れこむことが防止され、圧縮室内の油汚染が防止されるとともに、この油による圧縮室内の油火災が防止される。
【0030】
また、第6の発明に係るジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮方法は、ジルコニウム合金を含む放射性金属廃棄物を蓋付カプセル内に収納し、この蓋付カプセルを金型のキャビティ内に装填して圧縮し、減容処理するジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮方法において、圧縮室内において前記金型を移動可能な台車又は架台に搭載し、前記金型を前記圧縮室外に設けられた駆動手段によって昇降する金型昇降機構によって上昇させて、前記蓋付カプセルを前記台車又は架台に設置し、前記金型昇降機構を下降させて、前記蓋付カプセルを前記金型の下方から装入し、前記金型内に摺接状態で挿入されている押し棒を前記圧縮室と別室に設けられた駆動手段によって昇降する圧縮機構によって押圧、下降させて、前記金型内に装填されている前記蓋付カプセルを圧縮する。
【0031】
このような方法によると、金型昇降機構と金型が固定されていないため、金型の保守の際、金型昇降機構と金型を容易に分離することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置の実施形態の一例について説明する。
【0033】
図1は、減容処理装置の処理対象となる、加圧水型原子炉の使用済み燃料集合体の一例を示す側面視の説明図である。この図に示すように、使用済みの燃料集合体Nは、燃料棒を封入したジルカロイ製の被覆管N1と、この被覆管N1の上部に設けられた上部ノズルN2と、同下部に設けられた下部ノズルN3と、上記被覆管N1を集合状態で支持する支持格子(ハードウエア)N4等とを備えて形成されている。各被覆管N1内には複数のペレットN5が装填され、スプリングN6によって被覆管N1内で動かないように保持されている。
【0034】
使用済み燃料の再処理を行うときは、上記のような燃料集合体Nはまず数cm単位の細片に剪断される。そして、剪断された細片は所定の溶解液の充填された溶解槽に投入され、溶解槽内で核燃料物質と、被覆管N1の切断片や、ハードウエアN4のいわゆるジルカロイハル等とに分離される。分離された核燃料物質は再利用のため処理工程に送られ、残余のジルカロイハル等は本発明の減容処理装置によって減容処理され保管される。
【0035】
図2は、上記ジルカロイハル等を収納するためのカプセルの一例を示す斜視図である。この図に示すように、カプセルCは、円筒状有底のカプセル本体C1と、このカプセル本体C1の上部開口を閉止する蓋体C2とから構成されている。このようなカプセル本体C1内に上記ジルカロイハルが装填され、蓋体C2によって閉止された状態で本発明に係る減容処理装置によって減容処理される。
【0036】
図3は、本実施形態例に係る圧縮装置1の概略断面図であり、圧縮装置1は、キャビティ2内の蓋付カプセルCを圧縮する圧縮機構Aと、金型3を上下に昇降する金型昇降機構Bで構成されている。
【0037】
金型昇降機構Bは、金型3を昇降する駆動手段4と、金型3に付設された金具5と、一端側が金具5に係合し、他端側が駆動手段4に連結された昇降ロッド6とを備えている。
【0038】
金具5と昇降ロッド6の一端側の係合手段は、上ストッパ5aと下ストッパ5bからなる第1ストッパ5と、前記第1ストッパの上ストッパ5aと下ストッパ5b間に位置する第2ストッパ7とで構成されている。
【0039】
金型3は、圧縮室8内を移動可能な台車9に載置されている。台車9は、スプリング機構付の車輪10を有している。これによって、金型3は、圧縮室内を前後方向に移動可能となる。また、金型3を台車9上に載置した状態で、昇降ロッド6の一端側に設けられている第2ストッパ7と、金型3に設けられている第1ストッパ5とを係合していない状態とすることによって、金型3を台車9に乗せた状態で、スライドさせることで、容易に圧縮室8外に取り出すことが可能である。また、逆に、金型3を圧縮室8内に戻すのも容易に行える。
【0040】
金型昇降機構Bの駆動手段4は、圧縮室8の下方の位置する別室の下部室11内に設けられている。これによって、駆動手段4に油圧式シリンダ等を使用した場合であっても、作動油が圧縮室8内に漏れこむことが防止され、圧縮室8内の油汚染が防止されるとともに、この油による圧縮室8内の油火災が防止される。
【0041】
前述のように構成されている金型昇降機構Bは、カプセルCを金型3にセットする際は、昇降ロッド6を上昇させると第2ストッパ7が上ストッパ5aを押上げ、これにより金型3を上昇させた後、カプセルCを図示しない方法で金型3下に移動させセットする。圧縮の際は、昇降ロッド6を下降させ、第2ストッパ7を下げ、下ストッパ5bを押下げることにより金型3を台車9上面に着底させた後、上部クロスヘッド16を下降させる。これによって、アンビル15が金型3に内挿した押し棒17を押下げ、金型3内のキャビティ2にセットされているカプセルCを圧縮する。なお、本実施形態例では、昇降ロッド6の先端に第2ストッパー7が取り付き、金型3に上ストッパ5aと下ストッパ5bとからなる第1ストッパ5が取付けられているが、逆に昇降ロッド6の先端に上ストッパと下ストッパとからなる第1ストッパを、金型3に第2ストッパを取付けても良い。また、駆動手段4にプルダウン式の油圧式シリンダを使用した場合は、駆動手段4の作動油が昇降ロッド6とのシール部から漏洩し、昇降ロッド摺動部21を伝わって圧縮室8に洩れ込むのを防止するために、油圧シリンダ4の上に油抜き口22を設けることが好ましい。さらに、この駆動手段4を油圧式のプランジャタイプにすることもできる。
【0042】
圧縮機構Aは、駆動手段13を備えた中間フレーム12と、駆動手段13の一部と連結された下部クロスヘッド14と、カプセルCを圧縮する押し棒17と接面するアンビル15を備えた上部クロスヘッド16と、この上部クロスヘッド16と下部クロスヘッド14を連結するコラム18とを主要部として構成されている。
【0043】
圧縮機構Aは、中間フレーム12に取付けられた駆動手段13の一実施形態である圧縮シリンダに油圧を導入することによりピストン19が下方に張出され、下部クロスヘッド14が下方に押し下げられる。下部クロスヘッド14は前述したように、中間フレーム12のコラム摺動部20を貫通するコラム18を経由して上部クロスヘッド16につながっており、したがって圧縮シリンダ13のピストン19の張出しにより上部クロスヘッド16が下降し、押し棒17を下方に移動させ、圧縮作業を行う。
【0044】
また、金型昇降機構の駆動手段4が中間フレーム12に取付けられ、昇降ロッド6を上下させている。圧縮装置1全体の荷重は、中間フレーム12を経由して床22で受けている。なお、中間フレーム12に設けられているコラム摺動部20及び昇降ロッド摺動部21は、圧縮室8内の気密性を保てるようにシール加工が施されている。
【0045】
ついで、図4乃至図11を参照しつつ、本実施形態例に係る圧縮装置によるジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮方法について説明する。
【0046】
まず、図4に示すように、金型3にカプセルCをセットするために、第2ストッパ7を上昇させ上ストッパ5aを押し上げることにより金型3を上昇させる。次に、図5に示すように、金型3の中心下に図示しない方法でカプセルCをセットする。そして、図6に示すように、第2ストッパ7を下降させ、下ストッパ5bを押下げることにより金型3を下降させ、カプセルCを金型3内にセットする。
【0047】
以上のようにして、金型3内にカプセルCを装填した後、図7に示すように、圧縮機構Aの駆動手段13である圧縮シリンダのピストン19を張出し、下部クロスヘッド14、コラム18、上部クロスヘッド16、アンビル15を下降させ、金型3内に予め挿入されていた押し棒17を押下げ、カプセルCを圧縮する。
【0048】
カプセルCの圧縮が完了すると、図8に示すように、圧縮したカプセルCをノックアウトするためのノックアウト金型23を配置できる高さまで金型3を上昇させる。そして、図9に示すように、ノックアウト金型23を図示しない方法で金型3の下に配置する。
【0049】
ノックアウト金型23を配置した後、図10に示すように、押し棒17を下降し、金型3内の圧縮カプセルCをノックアウト金型23内にノックアウトする。この後、図11に示すように、金型3を少し上げ、圧縮カプセルCとノックアウト金型23を図示しない方法で圧縮装置1から取出す。
【0050】
以上が、一連の圧縮工程である。この圧縮工程において、例えば、図10に示す状態で、カプセルCと押し棒17とが分離しない場合があったとしても、ノックアウト金型23を除いた後、金型3ごと、台車9に乗せることで、圧縮装置1から外すことが容易に行え、復旧作業を別の場所で行うことが可能である。また、金型昇降機構B、圧縮機構Aのいずれもプルダウン式の油圧装置を駆動手段として使用することで、圧縮装置全体の小型化が可能となり、限られたスペースを有効に利用することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、第1の発明によると、金型昇降機構と金型が固定されていないため、金型の保守の際、金型昇降機構と金型を容易に分離することが可能となる。また、圧縮装置の小型化も可能となる。そして、例えば、押し棒、金型のキャビティ内に予め挿入しておけば、カプセルをキャビティに装填する都度、押し棒をキャビティに挿入する必要はないため、圧縮装置に対する精度の高い位置決め操作を施す必要はなく、高精度の位置決め操作のためにカプセル減容処理が手間取るという不都合が生じない。
【0052】
また、第2の発明によると、金型昇降機構を簡易な構造とすることが可能となる。また、金型を金型昇降機構から分離させる際に、容易に分離することが可能となり、保守性が向上する。
【0053】
また、第3の発明によると、金型、押し棒等を圧縮室外に引き出すことが容易となり、これら金型、押し棒等の取り替えを容易に行うことができる。これによって、作業性及び作業の安全性が向上する。
【0054】
また、第4の発明によると、各駆動手段が別室に設けられているため、これら各駆動手段の保守を容易に行うことができる。また、駆動手段に油圧式のものを使用した場合であっても、油分が圧縮室内に漏れこむことを防止できる。
【0055】
また、第5の発明によると、各駆動手段の作動油が圧縮室内に漏れこむことが防止され、圧縮室内の油汚染が防止されるとともに、この油による圧縮室内の油火災が防止される。
【0056】
また、第6の発明によると、金型昇降機構と金型が固定されていないため、金型の保守の際、金型昇降機構と金型を容易に分離することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧縮装置の処理対象となる加圧水型原子炉の使用済み燃料集合体の一例を示す側面視の説明図である。
【図2】ジルカロイハル等を収納するためのカプセルの一例を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る圧縮装置の一実施形態を示す説明図である。
【図4】図3に示す本発明の一実施形態の圧縮装置による圧縮方法の説明図である。
【図5】図3に示す本発明の一実施形態の圧縮装置による圧縮方法の説明図である。
【図6】図3に示す本発明の一実施形態の圧縮装置による圧縮方法の説明図である。
【図7】図3に示す本発明の一実施形態の圧縮装置による圧縮方法の説明図である。
【図8】図3に示す本発明の一実施形態の圧縮装置による圧縮方法の説明図である。
【図9】図3に示す本発明の一実施形態の圧縮装置による圧縮方法の説明図である。
【図10】図3に示す本発明の一実施形態の圧縮装置による圧縮方法の説明図である。
【図11】図3に示す本発明の一実施形態の圧縮装置による圧縮方法の説明図である。
【符号の説明】
A 圧縮機構
B 金型昇降機構
C カプセル
1 圧縮装置
2 キャビティ
3 金型
4 駆動手段
5 金具、第1ストッパ
6 昇降ロッド
7 第2ストッパ
8 圧縮室
9 台車
10 車輪
11 下部室
12 中間フレーム
13 駆動手段
14 下部クロスヘッド
15 アンビル
16 上部クロスヘッド
17 押し棒
18 コラム
19 ピストン
20 コラム摺動部
21 昇降ロッド摺動部
22 油抜き口
23 ノックアウト金型

Claims (6)

  1. ジルコニウム合金を含む放射性金属廃棄物を蓋付カプセル内に収納し、この蓋付カプセルを金型のキャビティ内に装填して圧縮し、減容処理するジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置において、
    前記金型を上下に昇降する金型昇降機構と、
    前記キャビティ内の蓋付カプセルを圧縮する圧縮機構と、を備え、
    前記金型が、前記蓋付カプセルを圧縮する圧縮室内において、前記金型昇降機構による上下昇降方向に対して直角な横方向に移動可能に設置されるとともに、前記金型昇降機構に脱着自在に設置されていることを特徴とするジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置。
  2. 前記金型昇降機構が、前記金型を昇降する駆動手段と、前記金型に付設された金具と、一端側が前記金具に係合し、他端側が前記駆動手段に連結された昇降ロッドとを備えてなり、前記金具と前記昇降ロッドの一端側の係合手段が、上ストッパと下ストッパからなる第1ストッパと、前記第1ストッパの上ストッパと下ストッパ間に位置する第2ストッパとで構成されている請求項1に記載のジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置。
  3. 前記金型が、前記圧縮室内を移動可能な台車又は架台に載置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置。
  4. 前記金型昇降機構及び前記圧縮機構の各駆動手段が、前記圧縮室と別室に設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置。
  5. 前記圧縮機構の駆動手段が、前記圧縮室下に設けられるプルダウン式油圧装置であり、前記金型昇降機構及び前記圧縮機構の各駆動手段がそれぞれ別個独立して駆動可能であることを特徴する請求項1乃至4のいずれかに記載のジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮装置。
  6. ジルコニウム合金を含む放射性金属廃棄物を蓋付カプセル内に収納し、この蓋付カプセルを金型のキャビティ内に装填して圧縮し、減容処理するジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮方法において、
    圧縮室内において前記金型を移動可能な台車又は架台に搭載し、
    前記金型を前記圧縮室外に設けられた駆動手段によって昇降する金型昇降機構によって上昇させて、前記蓋付カプセルを前記台車又は架台に設置し、
    前記金型昇降機構を下降させて、前記蓋付カプセルを前記金型の下方から装入し、
    前記金型内に摺接状態で挿入されている押し棒を前記圧縮室と別室に設けられた駆動手段によって昇降する圧縮機構によって下降、押圧して、前記金型内に装填されている前記蓋付カプセルを圧縮するものであって、
    前記金型が前記金型昇降機構に脱着自在に設置されていることを特徴とするジルコニウム合金を含む放射性廃棄物の圧縮方法。
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