JP4024436B2 - 一つのピストンで多数のバルブピンを作動する射出成形機の樹脂注入装置 - Google Patents

一つのピストンで多数のバルブピンを作動する射出成形機の樹脂注入装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成樹脂製品を製造する射出成形機の樹脂注入装置に関するもので、特に、金型のキャビティに合成樹脂を注入する注入ノズルの注入口を開閉するバルブシステムにおいて、注入口を開閉する多数のバルブピンが一つのピストンの作動により作動されるようにして、注入ノズルと注入ノズルとの間隔を最小化して、従来のバルブシステムを使用し得ない小型製品にバルブシステムを適用し得るようにし、バルブシステムの構造を簡単にして、組立の簡素化及び原価の節減を達成し得るようにした、一つのピストンで多数のバルブピンを作動する射出成形機の樹脂注入装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、合成樹脂製品を成形する射出成形機は、樹脂原料を別のシリンダ装置でマニホルドに注入させると、前記マニホルドが、下部に結合された注入ノズルに樹脂を分配して金型の製品成形空間であるキャビティに注入し、キャビティの樹脂が充填され注入が完了されると、金型が開放され、成形された製品が取り出される。
【0003】
この際に、前記注入ノズルは、樹脂が溶融状態を維持しなければならないので、高温の状態であり、金型は、樹脂が固化する低温状態であるため、製品を取り出すとき、注入ノズルの注入口には全く固化しなかった樹脂が引き出される現象が発生して、糸のように細いスプルーが発生するため、製品の取出後、これを除去する別の作業を行う不便が発生する。前記不便を解消するための、注入ノズルの上部に、油圧(又は空圧)により昇降するピストンを有するシリンダを設け、ピストンの下部にはバルブピンを注入ノズルに挿入し得るように結合することにより、ピストンの昇降作動により注入ノズルの注入口を開閉するようにするバルブシステムが開発された。
【0004】
したがって、金型のキャビティに樹脂を注入するときは、シリンダに圧力が下部から作用してピストンを上昇させることにより、バルブピンの下端が注入ノズルの注入口を開放し、キャビティに樹脂が充填されて樹脂の注入が完了されると、シリンダの圧力が上部から作用してピストンを下降させることにより、バルブピンが注入ノズルの注入口を閉鎖して、それ以上の樹脂が、製品の取出時、引き出されないようにした。
【0005】
しかし、このようなバルブシステムは、注入ノズルとピストンを有するシリンダとが1組で装着されるため、小型製品を成形する場合、一つの金型で多数の製品を成形して生産性を高めるためには、注入孔を多数形成し、この注入孔を開閉するためには、注入孔数と同数のピストンを有するシリンダが必要であり、更に、各注入ノズルごとに樹脂の流動性を高めるためのヒーターと、該ヒーターの温度を制御するための温度感知装置である熱電対とが必要であり、このように、シリンダと注入ノズルに結合されたヒーター及び熱電対により大きい空間を占めるため、注入孔の間隔が大きくなり、これにより、一つの金型に多数の製品を成形し得なくて生産性が低下する。このような生産性の低下を防止するため、注入孔の間隔を小さくした場合は、ピストンとシリンダの大きさ及びヒーターの大きさも小さくすべきであるが、シリンダを小さくする場合は、注入ノズルに結合されたバルブピンを上下に動作させるピストンを稼動させる力が足りなくて、シリンダの動作が不可能であり、ヒーターが十分に加熱されなくて樹脂の流動性が確保されなく、シリンダ及び注入ノズルを小さくするには限界性を有するため、小型製品を多数成形するための金型にはバルブシステムを適用するのに限界性を有し、金型が無駄に大きくなる欠点が発生し、大型の射出成形を実施すべきであるなどの問題点が発生した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような従来のバルブシステムの問題点を解消するためになされたものであり、注入口を開閉する多数のバルブピンを一つのピストンで作動させて、注入ノズルの間隔を最小化して、小型製品にバルブシステムを適用し得るようにし、バルブシステムの構造を簡単にして、組立の簡素化及び原価の節減を達成し得るようにした、一つのピストンで多数のバルブピンを作動する射出成形機の樹脂注入装置を提供することにその目的がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、金型の上固定板の内部には、マニホルドの樹脂ホールに連結されるよう、内部に樹脂ホールが放射状に形成されたマニホルドを設け、前記マニホルドの上部外側にはシリンダのピストンを昇降可能に結合し、前記ピストンには、マニホルドの下部周辺に結合される注入ノズルの数と同数のバルブピンが結合して、一つのシリンダにおいて、ピストンが上下に昇降すると、多数の注入ノズルの注入孔がバルブピンにより開閉されるようにすることにより、注入孔と注入孔との間隔を最小化するとともに注入ノズルの大きさも成形しょうとする製品の大きさに応じて最小化して、一つの金型に製品成形空間であるキャビティをできるだけ多く形成して生産性を高め、マニホルドに一つのヒーター及び熱電対を設置して、温度制御のための最少のコントローラでヒーターの温度を容易に制御し、構造を単純にして組立工数及び原価の節減を図り得る、一つのピストンで多数のバルブピンを作動する射出成形機の樹脂注入装置を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成及び作用を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
添付図面において、図1は本発明の実施の一形態の構成を示す断面図であり、図2は上記実施形態の作動状態を示す断面図であり、図3は本発明の他の実施の形態を示す断面図であり、図4は本発明のさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【0010】
まず、本発明の実施の一形態の構成を図1を参照して説明する。金型1の上固定板2には、樹脂を分配するマニホルド(上マニホルド)3が設けられ、上固定板2の下部に設けられた上円板2aには注入ノズル4が設けられ、注入ノズル4の上部にはピストン8を有するシリンダ7が設けられ、注入ノズル4の注入孔5はバルブピン9により開閉され、上円板2aの下部に設けられた下円板2bにはキャビティ6が形成され、樹脂がキャビティ6に注入されるとき、ピストン8が上昇して、バルブピン9が注入ノズル4の注入孔5を開放し、キャビティ6に樹脂が充填されると、ピストン8が下降して、注入ノズル4の注入孔5を閉鎖する。
【0011】
更に、本実施形態は、前記上円板2aにマニホルド3の樹脂ホールに連結される樹脂ホール10が放射状に形成され、内部中央にはヒーター11及び温度感知器である熱電対12が設けられ、下部周辺に注入ノズル4が挿入される多数の挿入孔14が形成され、前記挿入孔14を貫通してバルブピン9が結合される結合孔15が形成されたマニホルド(下マニホルド)13と、前記マニホルド13の上部外面に、ピストン8が油圧又は空圧などの圧力を発生する圧力孔17a、17bにより案内板16の案内にしたがって昇降するように結合され、ピストン8の下部には、マニホルド13の結合孔15に結合され、注入ノズル4の注入孔5を開閉するバルブピン9が多数結合されたシリンダ7とを含む。
【0012】
そして、本発明の他の実施の形態は、注入ノズル4と注入ノズル4との間隔が最小距離に近接すると、マニホルド13の内部中央にヒーター11及び熱電対12を形成することができないので、図3に示すように、マニホルド13の下部外側に注入ノズル4を挿入するために形成された挿入孔14の外側にヒーター11及び熱電対12を設けて、樹脂の流動性を確保するものである。
【0013】
また、本発明のさらに他の実施の形態は、図4に示すように、上固定板2の上下部に第1マニホルド(第1上マニホルド)3a及び第2マニホルド(第2上マニホルド)3bを設け、前記マニホルド3a、3bの間には、ピストン8を有するシリンダ7を備える固定部18を結合し、前記シリンダ7のピストン8の中央には、樹脂ホール10を有し外部にヒーター11及び熱電対12を有する連結部19を設け、前記固定部18の下部には、ピストン8の下部が結合され、上円板2aに設けられた多数の注入ノズル4の注入孔5を開閉するバルブピン9が多数結合された作動バー20を設けることにより、シリンダ7のピストン8が昇降することにより作動バー20が昇降して、バルブピン9が注入ノズル4の注入孔5を開閉するようにするものである。
【0014】
ここで、未説明符号21はバルブピン9を案内するピンガイドブッシュであり、22は、ピストン8の上下作動時、気密を維持するO−リングである。
【0015】
このように構成される本発明の作用を図2を参照して説明すると次のようである。
【0016】
図示しなかったシリンダ装置により、製品の原料である樹脂が投入され、シリンダ装置内部のスクリューの回転力により、樹脂が金型1の上固定板2に結合されたマニホルド3に分配され、前記マニホルド3に分配された樹脂は、マニホルド3の下部に設けられ金型1の上円板2aに結合された注入ノズル4を通じて、下円板2bに形成されたキャビティ6に流入される。樹脂が注入ノズル4を通過してキャビティ6に注入されるときは、注入ノズル4の注入孔5が開放されなければならないので、図2に示すように、注入ノズル4の上部に設けられたシリンダ7の下部圧力部17bで油圧又は空圧などの圧力が作用してピストン8を上昇させると、ピストン8の下部に多数結合されたバルブピン9が上昇して、各バルブピン9が結合された多数の注入ノズル4の注入孔5を同時に開放する。キャビティ6に樹脂が充填されて注入が完了されると、上部圧力部17aから圧力が発生して、シリンダ7の内部に作用された以前の圧力が下部圧力部17bに排出されると、ピストン8を下降し、図1に示すように、このピストン8の下降によりバルブピン9が下降して注入ノズル4の注入孔5を閉鎖することにより、それ以上の樹脂がキャビティ6に注入されることを防止し、樹脂がキャビティ6で冷却されて製品に成形され、製品の成形が完了されると、金型1の下円板2bが開放され、製品が取り出される。
【0017】
この際に、前記注入ノズル4は、製品の形態に応じて、多数が設けられ、この注入ノズル4の内部に挿入されたバルブピン9が同時に作動するものである。小型製品を成形する場合は、キャビティ6の大きさが小さいため、生産性を高めるためにキャビティ6とキャビティ6との間隔を最小化して、一つの金型1に多数のキャビティ6を形成し、一つのシリンダ7のピストン8が多数のバルブピン9を作動し得るので、シリンダ7の大きさに制限されなく、キャビティ6とキャビティ6との間隔を最小にし得るものであり、製品が小型である場合、注入ノズル4の大きさが小型でなければならないため、バルブピン9の太さも細くなるが、前記バルブピン9を作動させるピストン8は、多数のバルブピン9が結合されることにより、小さくなる必要がないので、バルブピン9を作動させるための十分な力を有するものであり、前記注入ノズル4はピストン8の中央に結合されたマニホルド13に結合され、前記マニホルド13には一つのヒーター11及び熱電対12が設けられているので、樹脂の流動性を有するための温度を制御するコントローラが最少に備えられるものである。
【0018】
そして、本発明の他の実施の形態においては、図3に示すように、射出品の大きさが小型であると、注入ノズル4と注入ノズル4との間に空間が発生し、これを解消するために注入ノズル4と注入ノズル4との間隔を小さくすると、マニホルド13の中央に樹脂の流動性を確保するためのヒーター11と熱電対12を備える空間がなくなるが、樹脂の流動性を確保するため、ヒーター11及び熱電対12を、マニホルド13の下部に注入ノズル4を結合するための挿入孔14の外側に備えるものである。
【0019】
また、本発明のさらに他の実施の形態は、図4に示すように、バルブピン9がシリンダ7のピストン8に直接連結されなく、ピストン8の下部に作動バー20を結合し、前記作動バー20の底面には多数のバルブピン9を結合して、ピストン8の作動によりバルブピン9が昇降作動するようにしたもので、作動バー20には多数のシリンダ7を連結して使用し得るものである。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、射出成形機のバルブシステムにおいて、注入ノズルの上部に、個別に注入ノズルの注入口を開閉するシリンダ装置を備えなく、一つのシリンダ装置の多数の注入ノズルの注入口を開閉し得るよう、シリンダのピストンの下部に、各々の注入ノズルに挿入され注入口を開閉するバルブピンを結合して、ピストンの昇降作用により多数の注入ノズルの注入口が開閉されるようにし、シリンダを注入ノズルに個別に設置しないので、構造が簡単で価格が低廉であり、注入ノズルを最小化しても、注入ノズルの注入口を開閉させるバルブピンを作動するシリンダの大きさが注入ノズルの大きさに応じて小さくならなくてもよいので、小型製品を成形する場合、バルブシステムの適用が可能であり、特に、小型製品を成形する場合、注入ノズルの間隔を最小化して、多数の製品を成形し得るので、作業の効率性が向上される利点を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態の構成を示す断面図である。
【図2】 上記実施形態の作動状態を示す断面図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態を示す断面図である。
【図4】 本発明のさらに他の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 金型
2 上固定板
2a 上円板
3 マニホルド(上マニホルド)
3a 第1マニホルド(第1上マニホルド)
3b 第2マニホルド(第2上マニホルド)
4 注入ノズル
5 注入孔
6 キャビティ
7 シリンダ
8 ピストン
9 バルブピン
10 樹脂ホール
11 ヒーター
12 熱電対
13 マニホルド(下マニホルド)
14 挿入孔
15 結合孔
16 案内板
17a・17b 圧力孔
18 固定部
19 連結部
20 作動バー
21 ピンガイドブッシュ
22 O−リング

Claims (3)

  1. 樹脂を分配する上マニホルド(3)および下マニホルド(13)を設けた金型(1)を用いて、一つのピストンで多数のバルブピンを作動する射出成形機の樹脂注入装置であって、
    金型(1)の上固定板(2)には、前記上マニホルド(3)が設けられ、
    上固定板(2)の下に設けられた上円板(2a)には、注入ノズル(4)とピストン(8)を有するシリンダ(7)とが設けられ、
    注入ノズル(4)の注入孔(5)は、バルブピン(9)により開閉され、
    下円板(2b)には、キャビティ(6)が形成され、樹脂がキャビティ(6)に注入されるとき、ピストン(8)が上昇して、バルブピン(9)が注入孔(5)を開放し、キャビティ(6)に樹脂が充填されると、ピストン(8)が下降して注入孔(5)を閉鎖するようになっており、
    注入ノズル(4)の注入孔(5)を開閉するためのシリンダ(7)のピストン(8)の中央に前記下マニホルド(13)が設けられ、
    前記下マニホルドは、上マニホルド(3)の樹脂ホールに連結される樹脂ホール(10)が同一位置から異なる2つの方向へ伸びるように形成され、かつ、下マニホルド(13)の内部にはヒーター(11)と温度感知器である熱電対(12)が設けられ、
    下マニホルド(13)の上部の外側表面には、ピストン(8)が、油圧又は空圧を発生する圧力孔(17a、17b)により案内板(16)の案内にしたがって昇降するように結合され、
    ピストン(8)の下部には、注入ノズル(4)の注入孔(5)を開閉するバルブピン(9)が多数結合され、
    下マニホルド(13)の下部の周縁に、注入ノズル(4)が挿入される多数の挿入孔(14)が形成され、前記挿入孔(14)を貫通してバルブピン(9)が結合される結合孔(15)が形成されることにより、一つのシリンダ(7)で多数の注入ノズル(4)の注入孔(5)が開閉されるようにしたことを特徴とする射出成形機の樹脂注入装置。
  2. 下マニホルド(13)の下部に形成された挿入孔(14)の外側に、ヒーター(11)と熱電対(12)を備えて、樹脂の流動性を確保することを特徴とする請求項1記載の一つのピストンで多数のバルブピンを作動する射出成形機の樹脂注入装置。
  3. 金型(1)の上固定板(2)の上部に第1上マニホルド(3a)が設けられ、上固定板(2)の下方に第2上マニホルド(3b)が設けられ、
    一つのピストンで多数のバルブピンを作動する射出成形機の樹脂注入装置であって、
    前記上固定板(2)の下に設けられた上円板(2a)には多数の注入ノズル(4)を備え、
    前記上円板(2a)の下にある下円板(2b)には多数のキャビティ(6)が形成され、
    前記第1上マニホルド(3a)と前記第2上マニホルド(3b)との間には、ピストン(8)を有するシリンダ(7)を備える固定部18が、上固定板(2)及び第2上マニホルド(3b)と結合され、
    前記シリンダ(7)のピストン(8)の中央には、内部に樹脂ホール(10)を有し外部にヒーター(11)及び温度感知器である熱電対(12)を有する連結部(19)が設けられ、
    前記固定部(18)の下部と、ピストン(8)の下部とが結合され、
    前記多数の注入ノズル(4)の注入孔(5)を開閉するバルブピン(9)が多数結合された作動バー(20)がピストン(8)の下部に結合されるように設けられることにより、シリンダ(7)のピストン(8)が昇降することにより作動バー(20)が昇降して、バルブピン(9)が注入ノズル(4)の注入孔(5)を開閉するようにすることを特徴とする射出成形機の樹脂注入装置。
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