JP4024402B2 - カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カメラに関し、詳細には、オートストロボ機能を備えたカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、オートストロボ装置を備えたデジタルカメラが知られている。かかるオートストロボ装置は、ストロボ発光管を発光させた後、被写体からの反射光を測光してその光量が所定のレベルに達した時に、ストロボ発光管の発光を停止させるものである。
【0003】
上記オートストロボ装置は、被写体からの反射光を測光して適正な照明光量になった時に発光を停止させるため、従来のように一定のガイドナンバーのもとで撮影距離に対応して絞り値を決める等のいわゆるフラッシュマチック制御を行う必要がなく、撮影距離にかかわらずストロボ撮影が簡単になるという利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のオートストロボ装置には以下のような問題がある。第1に、実際の撮影時にストロボ発光をしないと調光可能か否かが分からないという問題がある。これは特に、被写体が遠距離時にストロボ発光量不足により発生するものである。第2に、近距離撮影では、当然ストロボ発光量には不足はないが、調光は立ち上がり直後の短い時間内に発光を停止させる動作となるため、実際に発光が停止するまでの回路の遅延等による照射光量の誤差が遠距離に比較し、より大きくなり、また、ラチチュードが狭いためその誤差を吸収することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、オートストロボ機能で調光可能な撮影距離範囲を広範囲にすることが可能なカメラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被写体にストロボ光を照射する照射手段と、前記照射手段が被写体にストロボ光を照射した際に、被写体からの反射光を測光する測測光手段と、前記照射手段のストロボ光の照射停止を判断するための調光値を設定する調光値設定手段と、前記測光手段で測光した測光値が、前記調光値に達した場合に前記照射手段のストロボ光の照射を停止させるストロボ光停止手段と、被写体との撮影距離を算出する撮影距離算出手段と、被写体からの反射光を受光して光電変換を行い、被写体に応じた電気信号を出力する撮像手段と、前記被写体に応じた電気信号の信号レベルを調整する利得調整手段と、を備え、ストロボ撮影時に、前記撮影距離算出手段で算出された撮影距離に基づいて、前記調光値設定手段は前記調光値を設定すると共に、前記利得調整手段は利得を設定することを特徴とする。
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被写体にストロボ光を照射する照射手段と、前記照射手段が被写体にストロボ光を照射した際に、被写体からの反射光を測光する測測光手段と、前記照射手段のストロボ光の照射停止を判断するための調光値を設定する調光値設定手段と、前記測光手段で測光した測光値が、前記調光値に達した場合に前記照射手段のストロボ光の照射を停止させるストロボ光停止手段と、被写体との撮影距離を算出する撮影距離算出手段と、被写体からの反射光を受光して光電変換を行い、被写体に応じた電気信号を出力する撮像手段と、前記被写体に応じた電気信号の信号レベルを調整する利得調整手段と、を備え、ストロボ撮影時に、前記撮影距離算出手段で算出された撮影距離が、所定の距離よりも遠い場合に、前記利得調整手段は利得を上げるよう設定すると共に、前記調光値設定手段は、前記利得調整手段が設定した利得に対応する調光値を設定することを特徴とする。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、被写体にストロボ光を照射する照射手段と、前記照射手段が被写体にストロボ光を照射した際に、被写体からの反射光を測光する測測光手段と、前記照射手段のストロボ光の照射停止を判断するための調光値を設定する調光値設定手段と、前記測光手段で測光した測光値が、前記調光値に達した場合に前記照射手段のストロボ光の照射を停止させるストロボ光停止手段と、被写体との撮影距離を算出する撮影距離算出手段と、被写体からの反射光を受光して光電変換を行い、被写体に応じた電気信号を出力する撮像手段と、前記被写体に応じた電気信号の信号レベルを調整する利得調整手段と、を備え、ストロボ撮影時に、前記撮影距離算出手段で算出された撮影距離が、所定の距離よりも近い場合に、前記利得調整手段は利得を下げるよう設定すると共に、前記調光値設定手段は、前記利得調整手段が設定した利得に対応する調光値を設定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、ストロボ光以外の外光による露光量を算出する外光露光量算出手段を備え、前記外光露光量算出手段で算出された露光量が適正露出に近い場合に、ストロボ光と外光とによる露光量とが適正露出となるように、前記調光値設定手段は調光値を設定すると共に、前記利得調整手段は利得を設定することが望ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記撮像手段が出力する被写体に応じた電気信号から、輝度データの高周波成分を積分して得られるAF評価値を出力するAF評価手段と、前記AF評価手段によるAF評価値を、撮影レンズを移動しながらサンプリングすることで、合焦位置を判定する自動合焦手段と、を備え、前記撮影距離算出手段は、前記撮影レンズの合焦位置に基づき、被写体との撮影距離を算出することが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記自動合焦手段のAF評価値を取得するサンプリング間隔は、ストロボ撮影を行う場合は、ストロボ撮影を行わない場合に比して小さくしたことが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るカメラを適用したデジタルカメラの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係るデジタルカメラの構成図である。同図において、100はデジタルカメラを示しており、デジタルカメラ100は、レンズ系101、絞り・フィルター部等を含むメカ機構102、CCD103、CDS回路104、可変利得増幅器(AGCアンプ)105、A/D変換器106、IPP107、DCT108、コーダー109、MCC110、DRAM111、PCカードインタフェース112、CPU121、表示部122、操作部123、SG(制御信号生成)部126、CPU121の制御により発光を行うオートストロボ装置127、バッテリ128、DC−DCコンバータ129、EEPROM130、フォーカスドライバ131、フォーカスパルスモータ132、ズームドライバ133、ズームパルスモータ134、モータドライバ135を具備して構成されている。また、PCカードインタフェース112を介して着脱可能なPCカード150が接続されている。
【0014】
レンズユニットは、レンズ101系、絞り・フィルター部等を含むメカ機構102からなり、メカ機構102のメカニカルシャッタは2つのフィールドの同時露光を行う。レンズ系101は、例えば、バリフォーカルレンズからなり、フォーカスレンズ系101aとズームレンズ系101bとで構成されている。
【0015】
フォーカスドライバ131は、CPU121から供給される制御信号に従って、フォーカスパルスモータ132を駆動して、フォーカスレンズ系101aを光軸方向に移動させる。ズームドライバ133は、CPU121から供給される制御信号に従って、ズームパルスモータ134を駆動して、ズームレンズ系101bを光軸方向に移動させる。また、モータドライバ135は、CPU121から供給される制御信号に従ってメカ機構102を駆動し、例えば、絞りの絞り値を設定する。
【0016】
CCD(電荷結合素子)103は、レンズユニットを介して入力した映像を電気信号(アナログ画像データ)に変換する。CDS(相関2重サンプリング)回路104は、CCD型撮像素子に対する低雑音化のための回路である。
【0017】
また、AGCアンプ105は、CDS回路104で相関2重サンプリングされた信号のレベルを補正する。なお、AGCアンプ105のゲインは、CPU121により、CPU121が内蔵するD/A変換器を介して設定データ(コントロール電圧)がAGCアンプ105に設定されることにより設定される。さらにA/D変換器106は、AGCアンプ105を介して入力したCCD103からのアナログ画像データをデジタル画像データに変換する。すなわち、CCD103の出力信号は、CDS回路104およびAGCアンプ105を介し、またA/D変換器106により、最適なサンプリング周波数(例えば、NTSC信号のサブキャリア周波数の整数倍)にてデジタル信号に変換される。
【0018】
また、デジタル信号処理部であるIPP(Image Pre-Processor )107、DCT(Discrete Cosine Transform )108、およびコーダー(Huffman Encoder/Decoder )109は、A/D変換器106から入力したデジタル画像データについて、色差(Cb、Cr)と輝度(Y)に分けて各種処理、補正および画像圧縮/伸長のためのデータ処理を施す。
【0019】
さらに、MCC(Memory Card Controller)110は、圧縮処理された画像を一旦蓄えてPCカードインタフェース112を介してPCカード150への記録、或いはPCカード150からの読み出しを行う。
【0020】
CPU121は、ROMに格納されたプログラムに従ってRAMを作業領域として使用して、操作部123からの指示、或いは図示しないリモコン等の外部動作指示に従い、上記デジタルカメラ内部の全動作を制御する。具体的には、CPU121は、撮像動作、自動露出(AE)動作、自動ホワイトバランス(AWB)調整動作や、AF動作等の制御を行う。
【0021】
また、カメラ電源はバッテリ128、例えば、NiCd、ニッケル水素、リチウム電池等から、DC−DCコンバータ129に入力され、当該デジタルカメラ内部に供給される。
【0022】
表示部122は、LCD、LED、EL等で実現されており、撮影したデジタル画像データや、伸長処理された記録画像データ等の表示を行う。操作部123は、機能選択、撮影指示、およびその他の各種設定を外部から行うためのボタンを備えている。EEPROM130には、CPU121がデジタルカメラの動作を制御する際に使用する調整データ等が書き込まれている。
【0023】
オートストロボ装置127は、ストロボ充電・発光部127a、ストロボ調光部127bを備え、ストロボ放電管を発光させた後、被写体からの反射光を測光し当該測光した測光量が所定レベルに達した場合に当該ストロボ放電管の発光を停止させるものである。
【0024】
上記ストロボ充電・発光部127aは、CPU121の充電制御信号に基づき充電されるコンデンサや、該コンデンサの充電電圧に基づき、CPU121からの発光制御信号に従ってストロボ光を発するストロボ発光管等を備える。また、ストロボ調光部127bは、被写体からのストロボ光の反射光を受光して電気信号に変換する受光部と、該電気信号とCPU121により設定される調光値(基準値)とを比較して該電気信号が調光値より大となった場合にストロボ発光管の発光を停止させる比較部等を備える。
【0025】
上記オートストロボ装置127のオートストロボ動作について説明する。CPU121は、ストロボ発光が必要な場合に、ストロボ充電・発光部127aに充電制御信号を送出してコンデンサを充電させる。このコンデンサの充電電圧はCPU121で検出され、CPU121は所定の電圧に達するとコンデンサの充電を終了させる。また、CPU121はストロボ充電・発光部127aに発光制御信号信号を送出しストロボ発光管を発光させる。これにより、被写体にはストロボ光が照射される。そして、ストロボ光が照射されている間、ストロボ調光部127bの受光部は、被写体からのストロボ光の反射光を受光して電気信号に変換して出力する。これに応じて、ストロボ調光部127bの比較部は、受光部から入力される電気信号とCPU121により設定される調光値(基準値)とを比較して該電気信号が調光値より大となった場合にストロボ発光管の発光を停止させる。
【0026】
上記したデジタルカメラ100(CPU121)は、被写体を撮像して得られる画像データをPCカード150に記録する記録モードと、PCカード150に記録された画像データを表示する表示モードと、撮像した画像データを表示部122に直接表示するモニタリングモード等を備えている。
【0027】
図2は、上記IPP107の具体的構成の一例を示す図である。IPP107は、図3に示す如く、A/D変換器106から入力したデジタル画像データをR・G・Bの各色成分に分離する色分離部1071と、分離されたR・G・Bの各画像データを補間する信号補間部1072と、R・G・Bの各画像データの黒レベルを調整するペデスタル調整部1073と、R、Bの各画像データの白レベルを調整するホワイトバランス調整部1074と、CPU121により設定されたゲインでR・G・Bの各画像データを補正するデジタルゲイン調整部1075と、R・G・Bの各画像データのγ変換を行うガンマ変換部1076と、RGBの画像データを色差信号(Cb、Cr)と輝度信号(Y)とに分離するマトリックス部1077と、色差信号(Cb、Cr)と輝度信号(Y)とに基づいてビデオ信号を作成し表示部122に出力するビデオ信号処理部1078と、を備えている。
【0028】
さらに、IPP107は、ペデスタル調整部1073によるペデスタル調整後の画像データの輝度データ(Y)を検出するY演算部1079と、Y演算部1079で検出した輝度データ(Y)の所定周波数成分のみを通過させるBPF1080と、BPF1080を通過した輝度データ(Y)の積分値をAF評価値としてCPU121に出力するAF評価値回路1081と、Y演算部1079で検出した輝度データ(Y)に応じたデジタルカウント値をAE評価値としてCPU121に出力するAE評価値回路1082と、デジタルゲイン調整部1075によるゲイン調整後のR・G・Bの各画像データの輝度データ(Y)を検出するY演算部1083と、Y演算部1083で検出した各色の輝度データ(Y)をそれぞれカウントして各色のAWB評価値としてCPU121に出力するAWB評価値回路1084と、CPU121とのインターフェースであるCPUI/F1085と、およびDCT108とのインターフェースであるDCTI/F1086等を備えている。
【0029】
つぎに、AF制御について説明する。AF制御においては、シャッタ速度およびゲインが設定された後、フォーカスパルスモータ132が1VD期間に規定パルス駆動される。この規定パルス駆動の間に、IPP107内で得られたデジタル映像信号が処理されて輝度信号が得られる。この輝度信号の高周波成分を積分してAF評価値が求められ、このAF評価値のピークが合焦位置となる。
【0030】
ズーム制御においては、現在のフォーカス位置が後述する設定値「fp far calc」(無限)から設定値「fp near calc」(至近;約0.2m)までのどの位置(距離)にあるかを比で求められる。フォーカス位置は、ズーム駆動に併せてそのズームポイントでの「fp far def」と「fp near def」から同じ比になるフォーカス位置に駆動され、バリフォーカルレンズのズームによるピントずれが補正される。
【0031】
つぎに、AFのための調整値である各設定値について説明する。図3は設定値を説明する図である。オートフォーカスでは、図4に示した如く、00〜08までの9ズームステップ(ポジション)のバリフォーカルレンズを用いて行われるものとする。また、撮影距離範囲は、無限から約0.2mであるが、ワイドのみ約0.01mとする。
【0032】
図3に示したテーブルには、各ズームステップに対して6種類の設定値として「ccdaf drv data」、「fp far def」、「fp near def」、「fp far calc」、「fp near calc」、「nml smp」が対応付けられている。なお、図3中の各設定値は16進表示とする。
【0033】
ここで、「ccdaf drv data」は、AF評価値をサンプリングするときの各サンプリングのフォーカスレンズ系の移動量(パルス数)を示す。「fp far def」は、各ズームステップでのAF評価値サンプリングスタート位置を示し、フォーカス繰り出しパルス数「fp inf def」の位置を基準とした差分がデータとして入力されている。
【0034】
「fp near def」は、各ズームステップでのAF評価値サンプリングエンド位置を示し、フォーカス繰り出しパルス数「fp inf def」の位置を基準とした差分がデータとして入力されている。「fp far calc」は、各ズームステップでの無限位置を示し、フォーカス繰り出しパルス数「fp inf def」の位置を基準とした差分がデータとして入力されている。
【0035】
「fp near calc」は、各ズームステップでの0.2m位置を示し、フォーカス繰り出しパルス数「fp inf def」の位置を基準とした差分がデータとして入力されている。「nml smp」は、AF評価値のサンプリング結果によらずに必ずAF評価値のサンプリングを実行する全域サンプリングフォーカスレンズ系移動を行うサンプリング数を示している。
【0036】
なお、「fp inf def」とは、フォーカスの無限側目メカ端からワイドのAF評価値サンプリングスタートまでのフォーカス繰り出しパルス数を示している。
【0037】
続いて、動作について説明する。図4はオートフォーカス動作を行うための設定動作を説明するフローチャートであり、図5はオートフォーカス動作を説明するフローチャートである。
【0038】
図5において、fp far init=フォーカス繰り出しパルス数(fp inf def)−AF評価値サンプリングスタート位置(fp far def[zoom])、fp near init=フォーカス繰り出しパルス数(fp inf def)+AF評価値サンプリングエンド位置(fp near def[zoom])、fp home=(fp far init)−(fp home def)、そして、nml smp def=nml smp[zoom]である。ここで、zoomは9ズームステップのポジションで、zoom=0のときに、「ワイド」となり、zoom=4のときに、「ミーン」となり、zoom=8のときに、「テレ」となる。
【0039】
図5に示した動作では、まず、ズーム位置とズーム駆動パルス数とを合わせてズームリセットが行われた後、フォーカス位置とフォーカス駆動パルス数とを合わせてフォーカスリセットが行われる。ズームリセット、フォーカスリセットはそれぞれメカ端にまで駆動することで実施される。
【0040】
メカ端に駆動する以上のパルス数で駆動した後の位置は規定のパルス数位置として決定される。ここで、フォーカスの場合には、near側のメカ端でfp max=205パルスとなる。また、メカ端に駆動するときの最後のパルス出力のデータは、fp home stateとして調整時に設定される。続いて、フォーカスが常焦点位置(約2.5m)に設定され、さらにズームが実施される。
【0041】
続いて図4に示した動作が開始される。図4に示した動作モードは、オートフォーカスモードである。オートフォーカスの場合には、まずAF初期設定(ccdaf init set)が実行され(ステップS101)、第1レリーズが操作される。このとき、設定されているズームポイントでの常焦点位置(約2.5m)を調整値から計算し、AF作動する。続いて、AF用AEの設定(ccdaf ae set)が行われる(ステップS102)。
【0042】
そして、処理がステップS103へ移行すると、フォーカスをホームポジションHP(fp home)に駆動する。続くステップS104では、フォーカスが初期位置INIT(fp far init)へ駆動される。このように、フォーカスがホームポジションHPから初期位置INITへ駆動されることで、バックラッシュ(fp b rash=8(パルス))を取り除くことができる。
【0043】
そして、処理はステップS105へ移行する。AF評価値サンプリング時のフォーカス駆動が垂直同期信号VDに同期して行われる。その際、フォーカスは各サンプリングのフォーカスレンズ系の移動量(ccdaf drv data)分ずつ駆動する。このとき、フォーカスの駆動は、AF評価値の値(ピークなどの情報)に関係なく、near位置(nml smp分のAF評価値をサンプリングするまでで、フォーカスの駆動量としては、(ccdaf drv data)*(nml smp)となる)まで行われる。これは通常の撮影距離範囲内(無限から約0.5m)である。
【0044】
ここでは、通常の撮影距離範囲内でサンプリングしたAF評価値からピーク位置やAF評価値の増減データなどが計算され、通常の撮影距離範囲内に合焦位置があるかの判定が下される。マクロの撮影距離範囲内で合焦を行う場合にも、フォーカスレンズは合焦位置からバックラッシュを取り除く位置までフォーカスを駆動後に合焦位置に駆動される。
【0045】
この後、処理はステップS106へ移行する。ステップS106において、通常の撮影距離範囲内に合焦位置がある場合、AF評価値のサンプリングが中止され、合焦位置からバックラッシュを取り除く位置までフォーカスが駆動された後に、フォーカスが合焦位置に駆動される。
【0046】
また、通常の撮影距離範囲内に合焦位置がない場合、マクロの撮影距離範囲内(約0.5mから約0.2m)のAF評価値のサンプリングが実施される(マクロ;fp near initまで)。ただし、マクロの撮影距離範囲内では、ピークを検出した時点でAF評価値のサンプリングが中止される。
【0047】
この後、処理はステップS107へ移行する。ステップS7においてフォーカスの駆動がオフ(fcsm off)されることで、本処理が終了する。
【0048】
つぎに、ズーム位置とフォーカス位置との関係について説明する。図6はフォーカス位置調整用のテーブルを示す図である。
【0049】
図6に示すテーブルは、ズーム位置に対するフォーカス位置を調整するときに使用されるものである。このテーブルでは、WIDE(ワイド)端…MEAN(ミーン)…TELE(テレ)端までの間で9つのポジション(0〜8)が割り当てられており、各ポジション(ズームステップ)には、ズームパルスモータ134のパルス数、ズーム位置(m)、フォーカスパルスモータ132のパルス数、無限位置(m)とが対応付けられる。このテーブルのデータは、CPU121のROM(付図示)などに記憶保持される。
【0050】
つぎに、ドライバについて詳述する。図7はズームパルスモータ134およびフォーカスパルスモータ132のドライバ(フォーカスドライバ131とズームドライバ133)を示す回路図、図8はパルスモータ駆動ICの真理値表を示す図である。図7において、フォーカスドライバ131とズームドライバ133とは、図8に示した真理値表に従って入出力の関係を規定する。
【0051】
図8に示した真理値表に従えば、図7に示すフォーカスドライバ131およびズームドライバ133は、自回路のイネーブル信号を“L”(ロー)としている場合には、入力(IN1、2)はなく、待機状態となることから、出力(OUT1、2、3、4)はオフとなる。一方、イネーブル信号を“H”(ハイ)としている場合には、入力のIN1とIN2との論理関係から、駆動して出力のOUT1〜4が2相励磁の変化を生じる出力となる。
【0052】
つぎに、図9を参照してストロボ撮影処理の概略を説明する。図9はストロボ撮影処理の概略を説明するためのフローチャートである。まず、レリーズキーが半押しにされると(ステップS201)、CPU121はAF処理を行う(S202)。具体的には、CPU121は、CCD103のシャッタ速度およびAGCアンプ105のゲインを設定した後、フォーカスパルスモータ132を駆動し、フォーカスレンズ系101aを所定ステップ間隔で駆動する。CPU121は、フォーカスレンズ系101aの駆動の間にAF評価値を複数サンプリングする。そして、CPU121は、このサンプリングされたAF評価値のピークとなる位置を合焦位置として、この合焦位置にフォーカスレンズ系101aを移動させる。
【0053】
続いて、CPU121は、フォーカスレンズ系101aを合焦位置に移動する際にフォーカスパルスモータ132へ送出されるパルス数をカウントして被写体までの撮影距離を算出する(ステップS203)。
【0054】
この後、CPU121は、この算出された撮影距離に基づき、AGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出して設定する(ステップS204)。そして、CPU121は、レリーズキーが全押しされると(ステップS205)、ストロボ撮影を行う(ステップS206)。具体的には、CPU121は、オートストロボ装置127にストロボ発光させると共に、被写体に応じた画像データをCCD103で取込み、CDS回路104、AGCアンプ105、A/D変換器、IPP107、DCT108、コーダー109、およびMCC等を介して、画像データをPCカード150に記録する。この場合のストロボ発光の停止は、上記した如く、オートストロボ装置127のストロボ調光部127bに設定される調光値に従って停止されることになる。すなわち、かかる調光値に対応した時間だけストロボ発光が為されることになる。また、AGCアンプ105に設定されたゲイン値に応じて画像データのレベルが調整されることになる。
【0055】
つぎに、ストロボ撮影処理の具体的な動作例について、動作例1〜動作例3を説明する。
【0056】
(動作例1)
動作例1を図10および図11を参照して説明する。図10は、撮影距離とAGCアンプ105のゲイン設定範囲およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bに設定される調光値の調光範囲との関係を説明するための説明図、図11は、撮影距離に基づき、AGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出して設定する処理を説明するためのフローチャートを示す。
【0057】
動作例1では、被写体距離に基づき、AGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出して設定しストロボ撮影を行い、これにより、擬似的にオートストロボで調光可能な撮影距離範囲を広げる場合を示す。
【0058】
動作例1におけるストロボ撮影処理を説明する。AF動作および撮影距離の算出に関しては前述した上記図9のステップS202、S203と同じ処理を行う。そして以下に示すようにして(図10および図11参照)、撮影距離に基づき、AGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出して設定する。そして、この設定された条件で上記図10のステップS206と同様にストロボ撮影を行う。
【0059】
図10において、A(近距離)〜B(遠距離)の間が、オートストロボ機能で調光可能な撮影距離範囲である。撮影距離がA(近距離)以下の場合はAGCアンプ105のゲイン値をダウンに設定し、撮影距離がA(近距離)とB(遠距離)の間の場合には、AGCアンプ105のゲイン値をノーマルに設定し、撮影距離がB(遠距離)以上の場合はAGCアンプ105のゲイン値をアップに設定する。また、AGCアンプ105に設定されるゲイン値に対応させてストロボ調光部127bの調光値が設定される。ゲイン値をダウン設定する場合には調光値を小に、ゲイン値をノーマルに設定する場合には調光値を中に、、ゲイン値をアップ設定する場合には調光値を大に設定する。なお、同図に示すように、撮影距離が正確に求められなくても、ストロボ調光範囲がオーバーラップしているので露出精度上は問題とならない。
【0060】
つぎに、図11のフローチャートを参照して、撮影距離に基づき、AGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出して設定する処理の具体的処理内容を説明する。同図において、まず、CPU121は算出した撮影距離がA(近距離)以下であるか否かを判断し(ステップS301)、撮影距離がA(近距離)以下である場合には、AGCアンプ105のゲイン値を通常よりも低い値に設定し、調光値として当該低いゲイン値に対応した値(調光値小)をストロボ調光部127b設定する(ステップS304)。他方、ステップS301で、CPU121は撮影距離がA(近距離)より大であると判断した場合には、ステップS302に移行し、撮影距離がB(遠距離)以上であるか否かを判断する。
【0061】
この判断の結果、撮影距離がB(遠距離)より小である場合、すなわち、撮影距離がA(近距離)とB(遠距離)の間となる場合には、ステップS305に移行し、AGCアンプ105のゲイン値をノーマルに設定し、調光値として当該ノーマルのゲイン値に対応した値(調光値中)をストロボ調光部127b設定する。他方、ステップS302で、CPU121は撮影距離がB(遠距離)以上であると判断した場合には、ステップS303に移行し、AGCアンプ105のゲイン値を通常よりも高い値に設定し、調光値として当該高いゲイン値に対応した値(調光値大)をストロボ調光部127b設定する。
【0062】
以上説明したように、動作例1によれば、被写体距離に基づきAGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127の調光部127bの調光値を算出することとしたので、擬似的にオートストロボで調光可能な撮影距離範囲を広げることが可能となる。
【0063】
より具体的には、遠距離時にはAGCアンプ105のゲイン値を高めに設定するとと共に、調光値として当該高いゲイン値に対応した値をストロボ調光部127b設定することとしたので、遠距離時のストロボ発光量不足を防止できる。また、近距離時にはAGCアンプ105のゲイン値を低めに設定するとと共に、調光値として当該低いゲイン値に対応した値をストロボ調光部127b設定することとしたので、近距離時に発生しやすい照射光量の誤差を吸収することが可能となる。
【0064】
(動作例2)
動作例2を図12〜図14を参照して説明する。図12は、動作例2で使用されるEv線図、図13は、撮影距離とオートストロボ装置127のストロボ調光部127bに設定される調光値の調光範囲の関係を示す図、図14は、撮影距離および外光輝度に基づき、AGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出して設定する処理を説明するためのフローチャートを示す。
【0065】
動作例2では、撮影距離および外光輝度に基づき、AGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出して設定する場合を示す。
【0066】
AF動作および撮影距離の算出に関しては上記図9のステップS202、S203と同じ処理を行う。そして以下に示す如く(図12〜図14参照)、ストロボ光以外での外光による被写体の外光輝度(AE評価値=露出量)を算出し、算出した外光輝度および撮影距離に基づきAGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出して設定する。そして、この設定された条件で上記図9のステップS206と同様にストロボ撮影を行う。
【0067】
動作例2で使用されるEv線図を図12を参照して説明する。EV線図は、一般に、目的の露出値Ev(Exposure Value)にするための開口値Av(Aperture Value)と時間値Tv(Time Value)の組み合わせを表す図であり、これら露出調整における露出値Ev、開口値Avおよび時間値Tvの間には、Ev=Av+Tvの関係がある。また、輝度値Lv(Light Value )は測光値であり、適正露出ではEv=Lvである。なお、1/Tは2のTv乗に等しく、また、FNo.の2乗は2のAv乗に等しいという関係がある。この図 に示すEv線図の特性データは、データ化されてCPU121のROM(図示せず)に格納されている。
【0068】
ここでは、Ev線図としているが、Bv線図の方が正しいかもしれないが一般的ではないので、ここでは、Ev線図とする。Bv線図は、Bv=Ev−Sv(ISO感度)=Av+Tv−SvからAvが一定であれば、BvはTvとSvの組み合わせで対応できる。輝度(明るさ)により、シャッタ秒時(Tv)とISO感度(Sv)を組み合わせて設定すれば適正露出にできる。
【0069】
本動作例3では、低輝度ストロボ発光モードとストロボ強制発光モードとを有している。低輝度ストロボ発光モードは、外光輝度で撮影露光時に使用されるシャッタ速度が手ぶれがおきやすくなるシャッタ速度以下になる場合に、手ぶれがおきにくいシャッタ速度で撮影をして、露出アンダーとなるのをストロボ発光することにより適正露出とするモードである。ストロボ強制発光モードは強制的にストロボを発光させて撮影するモードである。
【0070】
図12において、低輝度ストロボ発光モードでは、ワイド時には、1/45秒〜1/8000秒のシャッタ秒時(Tv)でストロボ撮影が行われ、テレ時には、1/135秒〜1/8000秒のシャッタ秒時(Tv)でストロボ撮影が行われる。外光輝度による露光がワイド時、1/45秒、テレ時、1/135秒以下になるときにシャッタ秒時でリミットしてストロボ発光で撮影する一方、当該シャッタ秒時以上の時はストロボ発光なしで撮影する。
【0071】
ストロボ強制発光モードでは、ワイド時およびテレ時共に、1/5秒〜1/8000秒のシャッタ秒時(Tv)でストロボ撮影が行われる。すなわち、外光輝度に関係なくストロボ発光で撮影される。
【0072】
なお、ストロボ調光は、ストロボGNo.8(ISO100)で、レンズのF値4で撮影距離2mまで適正露出に調光可能となっている。
【0073】
図13は、被写体撮影距離とストロボ調光範囲の関係を示す図である。すなわち、撮影距離がA(近距離)とB(遠距離)の間の場合には、ストロボ調光範囲となる。
【0074】
例えば、外光輝度に対して適正露出となり、ストロボ光に対して適正露出となる場合には、撮影全体の露光値に対して2倍の露光量(+1Evの露光オーバー)となる。そこで、撮影全体の露光値に対して適正露出とするためにAGCアンプ105のゲイン値を−0.5Ev分(3db)下げれば適正露出とすることができる(AGCアンプ105のゲイン値はストロボ光と外光の両方の露光に同じ程度影響を与えるため)。上記方式を用いて測光値から撮影時の外光での露出誤差と撮影距離からストロボ光での露出誤差を求めて、撮影全体の露光値を適正露出にするためのAGCアンプ105のゲインの補正量を求める。
【0075】
つぎに、図14のフローチャートを参照して、撮影距離および外光輝度(AE評価値=露出量)に基づき、AGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出して設定する処理を説明する。
【0076】
図において、CPU121は、外光による被写体からの外光輝度(AE評価値=露出量)を取得する(ステップS401)。そして、CPU121は、取得した外光輝度が、外光でもほぼ適正露出となっているか否かを判断し(ステップS402)、外光でほぼ適正露出になる外光輝度でない場合には、AGCアンプ105のゲイン値をそのままとし、調光値として当該ゲイン値に対応した値をストロボ調光部127b設定する(ステップS405)。他方、CPU121は、外光でほぼ適正露出になる外光輝度である場合には、ステップS403に移行し、ストロボ発光でほぼ調光可能な撮影距離であるか否かを判断する。この判断の結果、ストロボ発光でほぼ調光可能な撮影距離でない場合はステップS405に移行して、AGCアンプ105のゲイン値をそのままとし、調光値として当該ゲイン値に対応した値をストロボ調光部127b設定する。他方、ストロボ発光でほぼ調光可能な距離である場合は、ステップS404に移行してAGCアンプ105のゲイン値を下げ、調光値として当該ゲイン値に対応した値をストロボ調光部127b設定する。
【0077】
以上説明したように、動作例2によれば、撮影距離および外光輝度(露出アンダーの度合い)に基づき、AGCアンプ105のゲイン値およびオートストロボ装置127のストロボ調光部127bの調光値を算出・設定してストロボ撮影することとしたので、ストロボ光および外光による撮影全体の露光量を適正露出にすることができる。
【0078】
(動作例3)
動作例3を図15を参照して説明する。図15は、動作例3におけるAF動作を説明するためのタイミングチャートを示す。
【0079】
一般に撮影距離は、カメラに内蔵されたAF機能を用いて検出が行われる。例えば、撮影距離を求める方法として、[1]AFのみで実際の撮影距離を直接的に求める方法、[2]本実施の形態で採用しているような、AFでのフォーカスレンズを合焦させて、合焦時のフォーカスレンズ位置により間接的に求める方法等がある。
【0080】
[2]の方法は、撮影距離とレンズ繰り出し量の関係が正確でないと誤差が大きくなり(誤差が大きくても、TTLでAFが行われるのでAF精度としては問題がない)、特に遠距離においては誤差が大きくなる。また、[2]の方法を使用した場合には、ズームレンズでは被写界深度によりテレ時よりもワイド時の方が同じ撮影距離での合焦範囲が広くとれるのでAF評価値をサンプリングする時の各サンプリングのフォーカスレンズ系101aの移動量をテレ時よりもワイド時の方が大きくできる(同じにしても良いが、合焦時間がながくなるので各ズーム位置で必要合焦精度上の値とする。)。よって、フォーカスレンズ位置により求める撮影距離はテレよりもワイドの方が粗くなることになる。
【0081】
そこで、動作例3では、テレ時には、AF評価値のサンプリングの際のフォーカスレンズ系101aの移動量をワイド時に比して小さくすると共に、撮影距離の検出が必要なストロボ撮影の場合には、撮影距離の検出が不要な撮影の場合に比して、先行して行われるAF動作のAF評価値のサンプリング時のフォーカスレンズ系101aの移動量を小さくする。
【0082】
撮影距離検出が必要なストロボ撮影の際に行われるAF動作を図15を参照して説明する。同図において、(a)は垂直同期信号(VD)、(b)はAF評価値のサンプリングタイミング(画像取込タイミング)、(c)は撮影距離検出が必要なストロボ撮影の際のAF動作において、AF評価値をサンプリングする場合のフォーカスパルスモータ駆動タイミング(ワイド)、同図(d)は撮影距離検出が必要なストロボ撮影の際のAF動作において、AF評価値をサンプリングする場合のフォーカスパルスモータ駆動タイミング(テレ)、同図(e)は撮影距離検出が不要な撮影の際のAF動作において、AF評価値をサンプリングする場合のフォーカスパルスモータ駆動タイミング(ワイド)、同図(f)は撮影距離検出が不要な撮影の際のAF動作において、AF評価値をサンプリングする場合のフォーカスパルスモータ駆動タイミング(テレ)を示す。
【0083】
まず、CPU121は、ワイドの場合およびテレの場合に、それぞれ同図(c)および同図(d)に示すタイミングでフォーカスレンズ系101aを駆動する。なお、撮影距離検出が必要なストロボ撮影時のAF評価値のサンプリングの際のフォーカスレンズ系101aの駆動量(同図(c)および同図(d)参照)は、距離検出が必要でない撮影時のAF評価値のサンプリングの際のフォーカスレンズ系101aの駆動の場合(同図(e)および同図(f)参照)に比して小さくしている。また、CPU121は、フォーカスレンズ系101aを駆動しながら、同図(a)に示す垂直同期信号(VD)のタイミングに同期した、同図(b)に示すタイミングでAE評価値をサンプリングする。
【0084】
この動作に続く、合焦位置の特定、撮影距離の算出、撮影距離もしくは撮影距離および外光輝度に基づくAGCアンプ105のゲイン値およびストロボ装置の調光部の調光値の算出・設定、この設定された条件でのストロボ撮影の各動作は、上記動作例1または動作例2と同様である。
【0085】
以上説明したように、動作例3によれば、撮影距離の検出が必要なストロボ撮影の場合には、撮影距離の検出が不要な撮影の場合に比して、先行して行われるAF動作のAF評価値のサンプリング時のフォーカスレンズ系101aの移動量を小さくすることとしたので、高精度な撮影距離の検出が可能となる。
【0086】
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で適宜変形して実行可能である。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、オートストロボ機能を備えたカメラにおいて、撮影距離算出手段で算出された撮影距離に基づき、利得調整手段のゲイン値およびストロボの発光を停止するための基準値となる調光値の値を算出して設定しストロボ撮影を行うこととしたので、オートストロボ機能で調光可能な撮影距離範囲を広げることが可能となる。
【0088】
また、本発明によれば、オートストロボ機能を備えたカメラにおいて、撮影距離算出手段で算出された撮影距離が、オートストロボ機能で調光できる撮影距離よりも遠い場合に、利得調整手段のゲイン値を上げると共に、利得調整手段に設定したゲイン値に対応する調光値を調光値変更・設定手段に設定してストロボ撮影を行うこととしたので、オートストロボ機能で調光可能な撮影距離範囲を広げることができ、また遠距離時のストロボ発光量不足を防止可能となる。
【0089】
また、本発明によれば、オートストロボ機能を備えたカメラにおいて、撮影距離算出手段で算出された撮影距離がオートストロボ機能で調光できる撮影距離よりも近い場合に、利得調整手段のゲイン値を下げると共に、利得調整手段に設定したゲイン値に対応する調光値を調光値変更・設定手段に設定することとしたので、オートストロボ機能で調光可能な撮影距離範囲を広げることができ、また近距離時に発生しやすい照射光量の誤差を吸収することが可能となる。
【0090】
また、本発明によれば、オートストロボ機能を備えたカメラにおいて、露光量算出手段で算出された露光量が適正露出に近い場合に、ストロボ光と外光とによる露光量とが適正露出となるように、利得調整手段のゲイン値およびストロボの発光を停止するための基準値となる調光値の値を設定して、ストロボ撮影を行うこととしたので、ストロボ光および外光による撮影全体の露光量を適正露出にすることが可能となる。
【0091】
また、本発明によれば、被写体に応じた電気信号の輝度データの高周波成分を積分して得られるAF評価値を出力するAF評価手段と、フォーカスレンズ系の位置を移動させながら前記AF評価手段により得られたAF評価値をサンプリングするサンプリング手段と、サンプリング手段のAF評価値のサンプリング結果により合焦を判定し、フォーカスレンズ系を合焦位置に駆動するフォーカス駆動手段と、フォーカスレンズ系の合焦位置に基づき被写体との撮影距離を算出する撮影距離算出手段とを有し、撮影距離算出手段により撮影距離を算出する場合には、AF評価値をサンプリングする際の各サンプリングの際のフォーカスレンズ系の移動量を、当該撮影距離算出手段により撮影距離を算出しない場合に比して小さくすることとしたので、高精度な撮影距離の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に係るデジタルカメラの構成図である。
【図2】 図1のIPPの具体的構成の一例を示す図である。
【図3】 実施の形態によるオートフォーカス動作を説明するフローチャートである。
【図4】 実施の形態によるオートフォーカス動作を行うための設定動作を説明するフローチャートである。
【図5】 実施の形態による設定値を説明する図である。
【図6】 実施の形態においてズーム位置に対するフォーカス位置を調整するときに使用するテーブルを示す図である。
【図7】 実施の形態によるズームパルスモータおよびフォーカスパルスモータのドライバを示す回路図である。
【図8】 図7に示したドライバにおいてパルスモータ駆動ICの真理値表を示す図である。
【図9】 ストロボ撮影処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】 撮影距離とAGCアンプのゲイン設定範囲およびオートストロボ装置のストロボ調光部に設定される調光値の調光範囲との関係を説明するための説明図である。
【図11】 動作例1を説明するためのフローチャートである。
【図12】 動作例2で使用されるEv線図を示す図である。
【図13】 撮影距離とオートストロボ装置のストロボ調光部に設定される調光値の調光範囲の関係を示す図である。
【図14】 動作例2を説明するためのフローチャートである。
【図15】 動作例3を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
100 デジタルカメラ
101 レンズ系
101a フォーカスレンズ系
101b ズームレンズ系
102 オートフォーカス等を含むメカ機構
103 CCD(電荷結合素子)
104 CDS(相関2重サンプリング)回路
105 可変利得増幅器(AGCアンプ)
106 A/D変換器
107 IPP(Image Pre-Processor)
108 DCT(Discrete Cosine Transform)
109 コーダー(Huffman Encoder/Decoder)
110 MCC(Memory Card Controller)
111 RAM(内部メモリ)
112 PCカードインタフェース
121 CPU
122 表示部
123 操作部
126 SG部
127 オートストロボ装置
127a ストロボ充電・発光部
127b ストロボ調光部
128 バッテリ
129 DC−DCコンバータ
130 EEPROM
131 フォーカスドライバ
132 フォーカスパルスモータ
133 ズームドライバ
134 ズームパルスモータ
135 モータドライバ
150 PCカード
1071 色分離部
1072 信号補間部
1073 ペデスタル調整部
1074 ホワイトバランス調整部
1075 デジタルゲイン調整部
1076 γ変換部
1077 マトリクス部
1078 ビデオ信号処理部
1079 Y演算部
1080 BPF
1081 AF評価値回路
1082 AE評価値回路
1083 Y演算部
1084 AWB評価値回路
1085 CPUI/F
1086 DCTI/F
1075r、1075g、1075b 乗算器

Claims (5)

  1. 被写体にストロボ光を照射する照射手段と、
    前記照射手段が被写体にストロボ光を照射した際に、被写体からの反射光を測光して測光量を算出する測光手段と、
    前記測光手段で測光した測光値が、基準値に達した場合に前記照射手段のストロボ光の照射を停止させるストロボ光停止手段と、
    前記基準値を設定する設定手段と、
    被写体との撮影距離を算出する撮影距離算出手段と、
    被写体からの反射光を受光し、光電変換を行い、被写体に応じた電気信号を出力する撮像手段と、
    前記被写体に応じた電気信号の信号レベルを調整する利得調整手段と、
    ストロボ光以外の外光による露光量を算出する外光露光量算出手段と、
    を備え、
    ストロボ撮影時に、前記利得調整手段は、前記算出された撮影距離に基づいて利得を設定し、前記設定手段は、前記利得調整手段が設定した前記利得に対応させて前記基準値を設定するものであり、
    さらに、ストロボ撮影時であって、該撮影距離がほぼストロボ調光範囲であり、かつ、前記算出された露光量がほぼ適正露光量となる場合には、
    前記利得調整手段は、ストロボ光および外光による撮影全体の露光量が適正露出となるように、前記設定した前記利得を下げるように補正するとともに、前記設定手段は、補正した利得に対応させて前記基準値を設定することを特徴とするカメラ。
  2. 被写体にストロボ光を照射する照射手段と、
    前記照射手段が被写体にストロボ光を照射した際に、被写体からの反射光を 測光して測光量を算出する測光手段と、
    前記測光手段で測光した測光値が、基準値に達した場合に前記照射手段のストロボ光の照射を停止させるストロボ光停止手段と、
    前記基準値を設定する設定手段と、
    被写体との撮影距離を算出する撮影距離算出手段と、
    被写体からの反射光を受光して光電変換を行い、被写体に応じた電気信号を出力する撮像手段と、
    前記被写体に応じた電気信号の信号レベルを調整する利得調整手段と、
    ストロボ光以外の外光による露光量を算出する外光露光量算出手段と、
    を備え、
    ストロボ撮影時に、前記利得調整手段は、前記算出された撮影距離に基づいて利得を設定するものであって、前記撮影距離が所定の距離よりも遠い場合に利得を上げるように設定し、前記設定手段は、前記利得調整手段が設定した前記利得に対応させて前記基準値を設定するものであり、
    さらに、ストロボ撮影時であって、該撮影距離がほぼストロボ調光範囲であり、かつ、前記算出された露光量がほぼ適正露光量となる場合には、
    前記利得調整手段は、ストロボ光および外光による撮影全体の露光量が適正露出となるように、前記設定した前記利得を下げるように補正するとともに、前記設定手段は、補正した利得に対応させて前記基準値を設定することを特徴とするカメラ。
  3. 被写体にストロボ光を照射する照射手段と、
    前記照射手段が被写体にストロボ光を照射した際に、被写体からの反射光を測光して測光値を算出する測光手段と、
    前記測光手段で測光した測光値が、基準値に達した場合に前記照射手段のストロボ光の照射を停止させるストロボ光停止手段と、
    前記基準値を設定する設定手段と、
    被写体との撮影距離を算出する撮影距離算出手段と、
    被写体からの反射光を受光して光電変換を行い、被写体に応じた電気信号を出力する撮像手段と、
    前記被写体に応じた電気信号の信号レベルを調整する利得調整手段と、
    ストロボ光以外の外光による露光量を算出する外光露光量算出手段と、
    を備え、
    ストロボ撮影時に、前記利得調整手段は、前記算出された撮影距離に基づいて利得を設定するものであって、前記撮影距離が所定の距離よりも近い場合に利得を下げるように設定し、前記設定手段は、前記利得調整手段が設定した前記利得に対応させて前記基準値を設定するものであり、
    さらに、ストロボ撮影時であって、該撮影距離がほぼストロボ調光範囲であり、かつ、前記算出された露光量がほぼ適正露光量となる場合には、
    前記利得調整手段は、ストロボ光および外光による撮影全体の露光量が適正露出となるように、前記設定した前記利得を下げるように補正するとともに、前記設定手段は、補正した利得に対応させて前記基準値を設定することを特徴とするカメラ。
  4. 前記撮像手段が出力する被写体に応じた電気信号から、輝度データの高周波成分を積分して得られるAF評価値を出力するAF評価手段と、
    前記AF評価手段によるAF評価値を、撮影レンズを移動しながらサンプリングすることで、合焦位置を判定する自動合焦手段と、
    を備え、
    前記撮影距離算出手段は、前記撮影レンズの合焦位置に基づき、被写体との撮影距離を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のカメラ。
  5. 前記自動合焦手段のAF評価値を取得するサンプリング間隔は、ストロボ撮影を行う場合は、ストロボ撮影を行わない場合に比して小さくしたことを特徴とする請求項に記載のカメラ。
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