JP4024080B2

JP4024080B2 - False twisted yarn for adhesive tape base fabric and production method thereof

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Publication number: JP4024080B2
Application number: JP2002148819A
Authority: JP
Inventors: 正明柳原; 浩幸逢坂
Original assignee: Teijin Fibers Ltd
Current assignee: Teijin Fibers Ltd
Priority date: 2002-05-23
Filing date: 2002-05-23
Publication date: 2007-12-19
Anticipated expiration: 2022-05-23
Also published as: JP2003342849A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステルマルチフィラメント糸からなる粘着テープ用基布、特に厚物の粘着テープ用基布用仮撚加工糸及びその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
粘着テープに要求される特性の一つとして、幅方向に手で容易に引き裂けること、すなわち手切性がある。かかる手切性を向上させるため、基布の経糸に共重合変性ポリエステルフラットヤーンを使用すること（特開昭５８−９１８４５号公報）、基布の経糸に高速紡糸したポリエステル高配向未延伸糸を熱延伸して得た低伸度、低タフネスポリエステルフィラメントを用いること（特開昭６１−２１８６７６号公報）、伸度を２７％以下とし無糊、無撚で製織可能な交絡を付与したポリエステルマルチフィラメントを用いること（特公昭６４−１１７３６号公報）などが提案されている。
【０００３】
しかしながら、これらの提案は、いずれもフラットヤーン使いの基布を用いた、いわゆる薄物の粘着テープに関するものであり、かかる薄物の粘着テープでは貼り付けた後の見栄えがよいこと、凹凸感がないことなどの利点がある反面、柔らかいために貼り付ける際にしわが生じやすく、貼付作業性が悪くなるという問題が生ずる。
【０００４】
このような薄物の粘着テープの問題点を解消しようとして厚物の粘着テープも開発されている。例えば、日本特許２５５６４０２号には、高配向ポリエステルマルチフィラメントを芯部とし、その周りに該高配向ポリエステルマルチフィラメントよりも融点が２℃以上低い低配向のポリエステルマルチフィラメントが鞘部として交互撚糸状に捲付き、該鞘部のフィラメントの少なくとも３０％が互いに融着・硬化した部分を有する複合加工糸を経糸として用いた厚手の粘着テープ用基布が提案されている。しかしながら、かかる複合加工糸は、融着・硬化部の分布が糸の長手方向に不均一となりやすいために厚み斑が発生しやすく、また粘着テープに加工する際の熱処理によって糸条が収縮しやすいために基布の寸法安定性が低下して手切性が不十分になる場合がある。
【０００５】
かかる問題を改善するため、特開平１１−３２３６８９号には、高配向ポリエステルマルチフィラメントを芯部とし、その周りに低配向ポリエステルマルチフィラメントが鞘部として配され、且つ該鞘部のフィラメントの少なくとも一部が互いに融着・硬化した部分を有する加工糸で、該加工糸の熱応力ピーク温度や応力、外径、乾熱収縮率、切断伸度を規定した粘着テープ用仮撚捲縮加工糸が提案されている。しかしながら、かかる仮撚加工糸は厚み斑が少なく、手切性が良くなっている反面、製織工程でこれを緯糸に用い、高速で解舒した際や製織の際に、糸切れや断糸が発生し易く、生産性が著しく低下することが判明した。
【０００６】
また、上記従来技術には、かかる仮撚捲縮加工糸を製造する方法として、ドラフト差が１万〜１０万で紡糸された２種類の未延伸ポリエステルマルチフィラメントを混繊交絡処理した後、延伸仮撚加工する方法が提案されている。しかし、この方法では、異なるドラフトで紡糸する際、高ドラフト側がチップの水分率や溶融粘度による影響を受けて紡調が不安定となり毛羽や断糸が発生し易く、製糸時あるいはその準備段階において、それらを厳密に管理する必要がある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、手切性が良く、厚み斑、凹凸感のない外観の良好な粘着テープを得ることができ、高速で解舒しても断糸、毛羽が発生し難く、製織性に優れた仮撚加工糸を提供することにある。更に他の目的は、上記仮撚加工糸を、容易に、しかも毛羽や断糸を発生させることなく安定して製造する方法を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの研究によれば、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを含有するポリエステルマルチフィラメントと、上記ポリマーを含有しないポリエステルマルチフィラメントとを巧みに組合せ、適正な物性に調整した仮撚加工糸は、これを粘着テープ基布用繊維に用いたとき手切性や外観が良好な基布とすることができるだけでなく、高速解舒性や製織性にも優れていることを見出し本発明に到達した。
【０００９】
すなわち、本発明の第１の目的は、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で０．５〜３．０重量％含有するポリエステルマルチフィラメントＡが鞘部、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを０．０１重量％以上含有しないポリエステルマルチフィラメントＢが芯部として配され、且つ該マルチフィラメントＡの少なくとも一部のフィラメントが互いに融着硬化した部分を有する仮撚加工糸であって、捲縮率（Ｔ）が２〜７％、シルクファクター（ＳＦ）が５〜１０であることを特徴とする粘着テープ基布用仮撚加工糸により達成できることがわかった。
【００１０】
また、本発明の第２の目的は、同一又は異なる紡糸口金から同時に紡出した、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で０．５〜３．０重量％含有する未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵと、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを０．０１重量％以上含有しない未延伸ポリエステルマルチフィラメントＢＵとを集束して引き取り、集束後引き取り前、又は、引き取り後に交絡処理を施した後、２段の非接触ヒーターを有する延伸仮撚加工装置を用い下記（１）〜（５）を同時に満足する条件で延伸仮撚加工することを特徴とする粘着テープ基布用仮撚加工糸の製造方法により達成できることが見出された。
（１）解撚張力（Ｔ２）／加撚張力（Ｔ１）が２〜４
（２）解撚張力（Ｔ２）が０．２〜０．８ｃＮ／ｄｔｅｘ
（３）１段目及び２段目のヒーターの各温度が３００〜６００℃
（４）１段目及び２段目のヒーター内における糸条の各滞留時間が０．０４〜０．１２ｓｅｃ
（５）仮撚数×（仮撚糸繊度（ｄｔｅｘ））^1/2が１００００〜３００００
【００１１】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
【００１２】
本発明の仮撚加工糸は、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを含有するポリエステルマルチフィラメントＡが鞘部、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを０．０１重量％以上含有しないポリエステルマルチフィラメントＢが芯部に配された仮撚加工糸である。
【００１３】
本発明のマルチフィラメントＡ及びＢを構成するポリエステルとしては、その繰り返し単位の９５モル％以上がエチレンテレフタレートから成るものが好ましく、５モル％未満は他の成分が共重合されていてもよい。かかる他の成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、シュウ酸、セバシン酸、スベリン酸、グルタル酸、２、６−ナフタレンジカルボン酸等の酸成分や、１，４−ブタンジオール、１、６−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等のグリコール成分を挙げることができる。なお、マルチフィラメントＡ及びＢを構成するポリエステルは同種のポリエステルでなくてもよい。また、上記ポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の添加剤、例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を含んでも良い。
【００１４】
本発明においては、鞘部に配されたマルチフィラメントＡに、ポリメチルメタクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で０．５〜３．０重量％、好ましくは１．０〜２．０重量％含有されていることが大切である。さらに本発明の仮撚加工糸は、マルチフィラメントＡの少なくとも一部のフィラメントが互いに融着硬化した部分を有している必要がある。かかる融着硬化によりサイジング効果に匹敵する集束効果を発現し、必ずしも交絡を必要とせず、例え無糊、無撚であっても製織性の良好な仮撚加工糸とすることができる。しかも、本発明の加工糸からなる粘着テープ用基布はその断面方向の形保特性ならびに幅方向の生地立ち性が著しく改善され、手切性も良好となる。特に、本発明においては、上記のようにマルチフィラメントＡにポリメチルメタクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーが含有されていることによって、フィラメント同士が長さ方向に均一に融着硬化しており、より優れた手切性が得られる。
【００１５】
また、本発明の仮撚加工糸は、鞘部に配されたマルチフィラメントＡに上記ポリマーが含有されていることにより、仮撚加工糸の高速解舒性が著しく向上している。さらに、上記仮撚加工糸は、製織での開繊性が良好となり製織性も著しく改善されている。これによりかかる仮撚加工糸からは厚み斑や凹凸感のない、外観の良好な粘着テープ基布が得られる。
【００１６】
上記ポリマーの含有量が０．５％重量未満では、上記の手切性、高速解舒性、製織性の改善効果が十分でなく、一方、含有量が３．０重量％を越えると、高速で解舒した際や製織の際に毛羽や断糸が発生し易くなる。
【００１７】
なお、本発明において融着硬化とは、個々のフィラメントが溶融し隣り合うフィラメントと一体化した状態か、一体化に至らないまでもフィラメント同士の境界面で密着し分離しがたい状態になっていることをいう。
【００１８】
上記ポリメチレンメタクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーとしては、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、及びそれらに第三成分を共重合したものを挙げることができる。これらのポリマーの重量平均分子量は２０００以上、より好ましくは５０００〜１２万の範囲が好ましい。さらに、重量平均分子量８０００〜２０万の範囲であって、メルトインデックスＡ（ＡＳＴＭ−Ｄ１２３８準拠し、温度２３０℃、荷重３．８ｋｇｆで測定）が１０〜３０ｇ／１０ｍｉｎの範囲であるポリメチルメタクリレート系共重合体もしくはスチレンを主成分とするアイソタクティックポリスチレン系重合体、重量平均分子量が８０００〜２０万の範囲であって、メルトインデックスＢ（ＡＳＴＭ−Ｄ１２３８準拠し、温度３００℃、荷重２．１６ｋｇｆで測定）が６〜５０ｇ／１０ｍｉｎの範囲であるシンジオタクティックポリスチレン系重合体、重量平均分子量が８０００〜２０万の範囲であって、メルトインデックスＣ（ＡＳＴＭ−Ｄ１２３８準拠し、温度２６０℃、荷重５．０ｋｇｆで測定）が２６〜２００ｇ／１０ｍｉｎの範囲であるポリメチルペンテン系重合体が好ましく採用できる。上記ポリマーはポリエステルとブレンドして溶融紡糸する際の熱安定性や分散性の点で優れている。
【００１９】
一方、ポリエステルマルチフィラメントＢは、ポリメチルメタクリレート系ポリマーまたはポリスチレン系ポリマーを０．０１重量％以上含有しないポリエステルである。
【００２０】
また、本発明においては、仮撚加工糸の捲縮率（Ｔ）を２〜７％の範囲，好ましくは３〜５％の範囲とする必要がある。この捲縮率（Ｔ）が２％未満では高速解舒性が悪くなり、一方、捲縮率（Ｔ）が７％以上では手切性が不十分となる。
【００２１】
さらに、本発明においては、仮撚加工糸のシルクファクター（ＳＦ）を５〜１０の範囲、好ましくは６〜８の範囲とする必要がある。ここでシルクファクターとは強度（ｃＮ／ｄｔｅｘ）×（伸度（％））^1/2をいう。かかるシルクファクター（ＳＦ）が５未満では、高速で解舒したとき断糸や毛羽を発生しやすくなる。一方、シルクファクター（ＳＦ）が１０を越えると手切性が悪くなり、引き裂き後の切り口にほつれが生じ美しい切り口が得られない。
【００２２】
本発明の仮撚加工糸は製織で緯糸に用いた際、特にその効果を発揮するものである。つまり、高速で解舒される際、従来の粘着テープ基布用仮撚加工糸では毛羽や断糸が発生して著しく生産性がダウンするが、本発明の仮撚加工糸は１０００ｍ／ｍｉｎの解舒速度にも耐え得るものである。
【００２３】
以上に説明した本発明の仮撚加工糸は、以下の方法により製造することができる。すなわち、同一又は異なる紡糸口金から同時に紡出した、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを重量基準で０．５〜３．０重量％含有する未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵと、ポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーを０．０１重量％以上含有しない未延伸ポリエステルマルチフィラメントＢＵとを、混合集束して引き取り、混合集束後引き取り前、又は、引き取り後に交絡処理を施した後、２段の非接触ヒーターを有する延伸仮撚加工装置を用いて延伸仮撚加工することにより製造することができる。
【００２４】
上記の製造法においては、未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵのみに重量基準で０．５〜３．０重量％のポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーが含有されていることによって、該ＡＵの伸度がもう一方の未延伸ポリエステルマルチフィラメントＢＵの伸度より高くなり、これを延伸仮撚加工して、上記ポリマーを含有するポリエステルマルチフィラメントＡが鞘部に上記ポリマーを０．０１重量％以上含有しないポリエステルマルチフィラメントＢを芯部に配する仮撚加工糸を容易に得ることができる。しかも、マルチフィラメントＡにはポリメチルメタアクリレート系ポリマー又はポリスチレン系ポリマーが含有されているため、フィラメントを長さ方向に対して均一に融着硬化させることができる。
【００２５】
この際、未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵの伸度が未延伸ポリエステルマルチフィラメントＢＵの伸度よりも１００％以上高いことが好ましい。また、ＢＵの複屈折率がＡＵの複屈折率よりも０．０２以上高いことが好ましい。かかる伸度差や複屈折率差とすることで、容易に前述した芯鞘構造の仮撚加工糸を得ることができる。
【００２６】
上記方法においては、紡出した未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵ及びＢＵを、混合集束して引き取るが、その際の引き取り速度は、紡糸の安定性から２５００〜４０００ｍ／ｍｉｎの範囲が好ましく、より好ましくは３０００〜３５００ｍ／ｍｉｎの範囲である。かかる引き取り速度で得られた未延伸糸は、延伸仮撚工程で走行中にヒーターへの熱融着や、仮撚ディスクあるいは冷却プレートからの糸外れが起こり難くい傾向があり好ましい。
【００２７】
本発明の製造方法においては、上記の未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵ及びＢＵからなる未延伸糸に交絡処理を施す。この交絡処理は未延伸マルチフィラメントを混合集束した後で且つ引き取り前で行ってもよいし、あるいは未延伸糸を引き取った後で行ってもよいが、後者の方がより好ましい。後者の方法としては、延伸仮撚工程で装置にインターレースノズルを設置して延伸仮撚直前に空気交絡処理をする方法が好ましい。交絡の度合いは仮撚加工糸で測定した交絡度が３０〜７０個／ｍの範囲が好ましく、より好ましくは４０〜６０個／ｍの範囲である。交絡度を３０個／ｍ以上とすることでポリエステル未延伸糸を構成する糸条同士の混ざりが極めて良くなり、延伸仮撚操作中に単糸が分離せず、断糸が発生し難くなる。また、交絡度を７０個／ｍ以下とすることで仮撚加工糸を構成する単糸同士の絡み合いが強くなり過ぎず、織密度のバランスがよくなる。
【００２８】
上記製造方法においては、以下（１）〜（５）を同時に満足する条件で延伸仮撚加工を行う必要がある。
（１）解撚張力（Ｔ₂）／加撚張力（Ｔ₁）が２〜４
（２）解撚張力（Ｔ₂）が０．２〜０．８ｃＮ／ｄｔｅｘ
（３）１段目及び２段目のヒーターの各温度が３００〜６００℃
（４）１段目及び２段目のヒーター内における糸条の各滞留時間が０．０４〜０．１２ｓｅｃ
（５）仮撚数×（仮撚糸繊度（ｄｔｅｘ））^1/2が１００００〜３００００
解撚張力（Ｔ₂）／加撚張力（Ｔ₁）を２〜４の範囲とし、かつ解撚張力（Ｔ₂）は、０．２〜０．８ｃＮ／ｄｔｅｘの範囲とすることで、仮撚加工糸の直径を大きくでき厚みのある基布を得ることができるだけでなく、安定した仮撚加工ができる。より好ましい解撚張力（Ｔ₂）／加撚張力（Ｔ₁）は２．５〜３．５の範囲、解撚張力（Ｔ₂）は０．３〜０．７の範囲である。
【００２９】
１段目ヒーター温度が３００℃未満の場合は、鞘部に配されるマルチフィラメントＡの融着硬化が不十分となり、本発明の目的とする仮撚加工糸が得られない。また、撚掛性が悪くなり捲縮を付与するのが困難となる。このため十分な捲縮が得られないだけでなく、捲縮斑も発生して、糸染め時の染液浸透性斑による染斑も発生し易くなる。また、延伸仮撚加工時に断糸やループ、毛羽の発生が多くなる。一方、１段目ヒーター温度が６００℃を越える場合は、延伸仮撚加工時にマルチフィラメントＡの単糸切れが発生し、得られた仮撚加工糸は毛羽が多いものとなる。より好ましい１段目ヒーター温度は４００〜５００℃の範囲である。
【００３０】
また、２段目ヒーター温度が３００℃未満の場合、仮撚加工糸の捲縮率（Ｔ）が７％を越えやすくなる。一方、２段目ヒーター温度が６００℃を越える場合は、マルチフィラメントＡが２段目ヒーター内で断糸が多発し易くなる。２段目ヒーター温度は１段目ヒーターより高くすることが好ましい。より好ましい２段目ヒーター温度は４５０〜５５０℃の範囲である。
【００３１】
１段目ヒーター内における糸条の滞留時間が０．０４ｓｅｃ未満の場合、ポリエステル仮撚加工糸に捲縮を付与するのが困難となる。また、走行糸条の揺れに伴う張力変動が多くなり、断糸や毛羽が発生し易くなる。一方、滞留時間が０．１２ｓｅｃを越える場合は、仮撚加工糸の捲縮率が７％を越えることが多くなる。より好ましい１段目ヒーター内における糸条の滞留時間は０．０６〜０．１０ｓｅｃの範囲内である。
【００３２】
また、２段目ヒーター内における糸条の滞留時間が、０．０４ｓｅｃ未満の場合、仮撚加工糸の捲縮率が７％を越えることが多くなる。ポリエステル仮撚加工糸に捲縮を付与するのが困難となる。また、一方、滞留時間が０．１２ｓｅｃを越える場合は、ヒーター内で断糸や毛羽を発生しやすくなる。より好ましい２段目ヒーター内における糸条の滞留時間は０．０６〜０．１０ｓｅｃの範囲内である。
【００３３】
本発明の製造方法においては、以上のように２段の非接触ヒーターが使用するが、非接触ヒーターは走行糸条が加熱面に直接接触しないため高速での延伸仮撚加工が可能である。
【００３４】
仮撚数×（仮撚糸繊度（ｄｔｅｘ））^1/2が１００００未満の場合には、張力が低くなり過ぎて糸掛けなどの作業性が悪くなる。一方、仮撚数×（仮撚糸繊度（ｄｔｅｘ））^1/2が３００００を超える場合は、張力が高くなり過ぎてマルチフィラメントＡが融着硬化せず、断糸及び毛羽の発生が多くなる。より好ましい仮撚数×（仮撚糸繊度（ｄｔｅｘ））^1/2は１５０００〜２５０００の範囲である。
【００３５】
図１は、本発明で使用できる延伸仮撚工程の１実施態様を示す模式図である。ポリエステル未延伸糸（１）は、糸ガイド（２）を経て、２対のフィードローラー（３、３’）の間に設置されたインターレースノズル（４）により空気交絡され、延伸仮撚域に供給される。次いで、フィードローラー（３’）と第１デリベリーローラー（８）との間で延伸されながら、回転している仮撚ディスク（７）との摩擦により加撚される。この間、１段目の非接触ヒーター（５）で熱処理され、冷却プレート（６）で冷却され、仮撚ディスク（７）を通過し解撚される。さらに走行糸条は、第１デリベリーローラー（８）と第２デリベリーローラー（１０）との間に設置された２段目の非接触ヒーター（９）で再熱処理され、巻取ローラー（１１）でチーズ状パッケージ（１２）として巻き取られ、ポリエステル仮撚加工糸が製造される。
【００３６】
本発明の仮撚加工糸からは、これを緯糸及び／又は経糸に配して製織し、優れた粘着テープ基布用を得ることができる。この際の経糸及び緯糸の密度は、仮撚加工糸の繊度にもよるが、前者は２３〜９０本／インチ、後者は１４〜７０本／インチの範囲が好ましい。また、経糸と緯糸は必ずしも同一繊度である必要はないが、経糸の直径と緯糸の直径の和が０．１ｍｍ以上になることが好ましい。
【００３７】
さらに、かかる粘着テープ用基布を用いて粘着テープを作成するには、例えば、常法により基布の一方の面には熱可塑性合成樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂、ＰＶＣ、特にそれらのフィルムをラミネートし、他方の面には粘着剤を塗布することによって製造することができる。
【００３８】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
【００３９】
（１）固有粘度
オルソ−クロルフェノールに溶解し、ウベローデ粘度管を用い、３５℃で測定した。
【００４０】
（２）未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵとＢＵの伸度差
ポリエステル未延伸糸を気温２５℃、湿度６０％の恒温恒湿に保たれた部屋に１昼夜放置した後、サンプル長さ１００ｍｍを（株）島津製作所製引張試験機テンシロンにセットし、２００ｍｍ／ｍｉｎの速度にて引張し荷伸曲線を記録した。記録したチャートから２群の構成糸条の荷伸曲線を特定し、各々の破断時の伸度を読み取り、その差を未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵとＢＵとの伸度差とした。
【００４１】
（３）未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵとＢＵの複屈折率（Δｎ）差
未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵ及びＢＵを分離して引き取り、夫々のフィラメントについて次の方法により複屈折率（△ｎ）を測定し、その差を算出して求めた。１−ブロモナフタレンを浸透液とし、偏光顕微鏡にて波長５３０ｎｍの単色光を用いて、干渉縞の縞数（ｎ）を測定し、下記式より複屈折率（△ｎ）を算出した。下記式でθはコンペンセーター回転角度、Ｄは繊維直径を示す。
△ｎ＝５３０×（ｎ＋θ／１８０）／Ｄ
【００４２】
（４）交絡度
約１．２ｍの仮撚加工糸の糸端に０．２ｃＮ／ｄｔｅｘの荷重をかけて、つい立上部に取り付けられた固定点から垂直にたらし、０．１ｃＮ／ｄｔｅｘの荷重に相当する重量の釣り針型のフックを用い、上部固定点より、該釣り針型フックを挿入し、フックが自然落下し止まるのを待って取り外す。次いで、停止点から２ｍｍ下の位置にフックを再び挿入する。この繰り返しを糸長１ｍにわたって行い、その間でフックの止まった回数を交絡度（個／ｍ）とした。
【００４３】
（５）捲縮率（Ｔ）
仮撚加工糸サンプルに０．０４４ｃＮ／ｄｔｅｘの張力を掛けてカセ枠に巻き取り、約３３００ｄｔｅｘのカセを作成した。該カセの一端に、０．００１７７ｃＮ／ｄｔｅｘおよび０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘの２個の荷重を負荷し、１分間経過後の長さＳ₀（ｃｍ）を測定した。次いで、０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘの荷重を除去した状態で、１００℃の沸水中にて２０分間処理した。沸水処理後０．００１７７ｃＮ／ｄｔｅｘの荷重を除去し、２４時間自由な状態で自然乾燥し、再び０．００１７７ｃＮ／ｄｔｅｘおよび０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘの荷重を負荷し、１分間経過後の長さを測定しＳ₁（ｃｍ）とした。次いで、０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘの荷重を除去し、１分間経過後の長さを測定しＳ₂とし、次の算式で捲縮率を算出し、１０回の測定値の平均値で表した。
捲縮率（％）＝［（Ｓ₁−Ｓ₂）／Ｓ₀］×１００
【００４４】
（６）延伸仮撚断糸
帝人製機製２１６錘建ＨＴＳ−１５Ｖにて、延伸仮撚加工を１週間連続実施し、延伸仮撚機１台・１日当たりの断糸回数を延伸仮撚断糸とした。ただし、糸繋ぎ前後による断糸（ノット断糸）あるいは自動切替え時の断糸等、人為的あるいは機械要因による断糸は断糸回数から除外した。
【００４５】
（７）仮撚加工糸の強度、伸度、シルクファクター（ＳＦ）
ＪＩＳＬ―１０１３―７５に準じて強度（ｇ／ｄｔｅｘ）及び伸度（％）を測定し、それらからシルクファクター、すなわち強度×（伸度）^1/2の値を算出した。
【００４６】
（８）仮撚加工糸の直径（ｍｍ）
ＥＩＫＯＩＮＤＵＳＴＲＩＡＬＣＯ．ＬＴＤ製、ＤＩＡＬＴＨＩＣＫＮＥＳＳＧＡＵＧＥ、通称ピーコックを用いて、１０ｃｍ間隔で２０回測定し、その平均値で表す。
【００４７】
（９）基布の引裂強力
織物中の経糸もしくは緯糸に沿って幅３ｃｍ、長さ３０ｃｍの長方形を５枚作成し、インストロン引張測定機を用いて、試験長１０ｃｍ、引張速度２０ｃｍ／分、最大荷重チャック固定長、上下各５ｃｍ、初荷重は織物がたるまない程度にかける。測定スタートから織物が切断するまでの伸びと荷重を記録し、破断時の最大荷重を読み取りその値をｋｇ／２．５ｃｍで表す。同じ測定を５回繰り返しその平均値で表した。
【００４８】
（１０）粘着テープの手切性
以下４段階で粘着テープの手切性を評価した。
極めて良好：極めて簡単に引き裂くことができる。
良好：簡単に引き裂くことができる。
やや不良：引き裂くことがやや困難。
不良：簡単に引き裂くことができない。
【００４９】
（１１）貼付テープの貼付外観（生地立ち性）
次の４段階で貼付テープの貼付外観（生地立ち性）を評価した。
良好：表面がフラットで凹凸斑全くなし。生地立ち性良好。
やや不良：やや凹凸感あり。
不良：凹凸、厚み斑が大きく、生地立ち性の斑大。
【００５０】
（１２）仮撚加工糸の高速解舒性
仮撚加工糸のチーズ捲き４ｋｇ品を１２本揃えて、０．０８８ｃＮ／ｄｔｅｘの張力となるように糸導を調整し、該チーズからの解舒距離を２５ｃｍとして１０００ｍ／分で引き取った。そして断糸回数をカウントし、１０ｋｇ当り断糸回数に換算した。１回/１０ｋｇ以下が良好である。
【００５１】
（１３）製織性
仮撚加工糸を緯糸として１０００ｍ／分の速度で製織に供し、緯糸１トンを製織した際の、織機１台当たりの停止断糸回数（回）をカウントし、これを４段階で示した。
良好：極めて停止断糸が少ない。（０〜２９回）
やや不良：停止断糸がやや多く、生産効率が悪い。（３０〜６９回）
不良：停止断糸多く、生産効率がかなり悪い。（７０回以上）
【００５２】
［実施例１］
固有粘度が０．６４であるポリエチレンテレフタレートのペレットＡｐに、分子量が５００００、メルトインデックスが９．０であるシンジオタクティックポリスチレンのペレットＣｐを全ペレット重量に対して１．５重量％の割合となるように均一に混合し（以下、この混合ペレットをペレットＡｐＣｐと称する）、さらにこれを常法で乾燥した。一方、固有粘度が０．６４のポリエチレンテレフタレート・ペレット（以下ペレットＢｐと称する）を常法で乾燥した。
【００５３】
混合ペレットＡｐＣｐ及びペレットＢｐの夫々の乾燥ペレットを、２基のスクリュー押出機を装備した複合紡糸設備で各々溶融し、スピンブロックを通して、複合紡糸スピンパックに導入した。混合ペレットＡｐＣｐの溶融ポリマー流は、該スピンパックに組み込まれた孔径が０．２３ｍｍ、ランド長が０．６０ｍｍの吐出孔を１５個穿設した紡糸口金から、４２ｇ／ｍｉｎの流量で吐出し、一方、ペレットＢｐの溶融ポリマー流は孔径が０．３５ｍｍ、ランド長が０．８ｍｍの吐出孔を４８個穿設した紡糸口金より４２ｇ／ｍｉｎの流量で吐出した。引き続き、吐出された２群の溶融ポリマー流を、通常のクロスフロー型紡糸筒からの冷却風で冷却・固化し、紡糸油剤を付与しつつ一つの糸条として集束し、３２００ｍ／ｍｉｎの速度で引き取り、２７０ｄｔｅｘ／６３フィラメントのポリエステル未延伸糸を得た。このポリエステル未延伸糸を構成する混合ペレットＡｐＣｐから得られた未延伸ポリエステルマルチフィラメントＡＵの伸度は３００％、複屈折率（Δｎ）は０．０１５、ペレットＢｐから得られた未延伸ポリエステルマルチフィラメントＢＵの伸度は１５０％、複屈折率（Δｎ）は０．０４５であり、伸度差は１５０％、複屈折率（Δｎ）差は０．０３であった。
【００５４】
得られたポリエステル未延伸糸を、帝人製機製２１６錘建ＨＴＳ−１５Ｖに掛け、孔径１．８ｍｍの圧空吹き出し孔を有するインターレースノズルを通過させて６０ｎＬ／ｍｉｎの流量で交絡度５１個／ｍの空気交絡処理を施し、仮撚延伸倍率を１．６５、１段目ヒーター温度を４００℃、２段目ヒーター温度を５００℃とし、仮撚ディスクを用いて、仮撚数×（仮撚糸繊度（ｄｔｅｘ））^1/2の値（ＴＦ）が２００００となるように延伸仮撚加工を行い、速度８００ｍ／ｍｉｎで引き取り、これをチーズ形状に巻き取った。得られた仮撚加工糸の繊度は１６８ｄｔｅｘ／６３フィラメントであり、捲縮率（Ｔ）は４．２％、強度は２．０ｃＮ／ｄｔｅｘ、伸度は１５％、つまりシルクファクター（ＳＦ）は７．７であった。この際、１段目ヒーター及び２段目ヒーター内における糸条の滞留時間は各々０．０８ｓｅｃであった。この仮撚加工糸を顕微鏡で観察したところ、マルチフィラメントＡが鞘部に、マルチフィラメントＢが芯部に配された構造となっていた。また、鞘部に廃されたマルチフィラメントＡのフィラメントの一部が互いに融着硬化しているのが認められた。
【００５５】
得られた仮撚加工糸を、経糸及び緯糸に用い、経糸密度５０本／インチ、緯糸密度３５本／インチで無糊、無撚で製織した。この際、緯糸は１０００ｍ／分で解除したが、この仮撚加工糸は高速解舒性に優れており、製織性も良好であった。製織して得られた生機を基布として、厚さ７０μｍのポリエチレンフィルムを溶融押出して基布の表側に貼り合せてラミネートした。そのときのフィルムと基材とを合わせた厚みは０．２８ｍｍと厚手であった。
【００５６】
このラミネートした基材の表側に離型剤、裏側にアクリル酸樹脂系の接着剤を付与して、粘着テープを作成した。得られた粘着テープの手切性は極めて良く切り口が美しく、また貼り付け外観も極めて良好であり、引裂強力が１４ｋｇ／５ｃｍと高い値を示した。
【００５７】
［実施例２〜６、比較例１〜６］
実施例１において、添加剤（ＰＳ又はＰＭＭＡ）の種類、ＰＳ又はＰＭＭＡの添加量、延伸仮撚加工の第１ヒーター温度、第２ヒーター温度、解撚張力（Ｔ２）、Ｋ（＝解撚張力（Ｔ２）／加撚張力（Ｔ１））、ＴＤ（＝仮撚数×（仮撚糸繊度（ｄｔｅｘ））^1/2）、捲縮数（Ｔ）を表１のように変更した意外は実施例１と同様にして仮撚加工糸を得た。結果を表１に示す。この仮撚加工糸を顕微鏡で観察したところ、比較例１を除き、マルチフィラメントＡが鞘部に、マルチフィラメントＢが芯部に配された構造となっていた。また、比較例１及び３以外は鞘部に配されたマルチフィラメントＡのフィラメントの一部が互いに融着硬化しているのが認められた。
【００５８】
さらに上記で得られた仮撚加工糸を実施例１と同様に、製織し、ラミネートした。結果を表２に示す。
【００５９】
【表１】

【００６０】
【表２】

【００６１】
【発明の効果】
本発明によれば、手切れ性が良く、厚み斑、凹凸感のない、外観の良好な粘着テープ用基布が得られる仮撚加工糸を提供することができる。しかも、この仮撚加工糸は高速解舒性、製織性に極めて優れている。特に、かかる仮撚加工糸を製織で緯糸に用いたときその効果を発揮し、該加工糸は１０００ｍ／ｍｉｎ以上の高速解舒にも耐え得るものである。
【００６２】
また、本発明の製造方法によれば、容易に、しかも毛羽、断糸が発生することなく安定して粘着テープ基布に適した仮撚加工糸を製造できるので、その工業的意義は極めて大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の延伸仮撚工程の１実施態様を示した模式図。
【符号の説明】
１：ポリエステル未延伸糸
２：糸ガイド
３、３’：フィードローラー
４：インターレースノズル
５：１段目ヒーター
６：冷却プレート
７：仮撚ディスクユニット
８：第１デリベリーローラー
９：２段目ヒーター
１０：第２デリベリーローラー
１１：巻取ローラー
１２：ポリエステル仮撚加工糸チーズ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an adhesive tape base fabric made of polyester multifilament yarn, and more particularly to a false twisted yarn for an adhesive tape base fabric and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
One of the properties required for the adhesive tape is that it can be easily torn in the width direction by hand, that is, has a hand cutting property. In order to improve such hand-cutting properties, a copolymer-modified polyester flat yarn is used for the warp of the base fabric (Japanese Patent Laid-Open No. 58-91845), and a polyester highly oriented unstretched yarn spun at high speed on the warp of the base fabric is used. Use of low-tensile and low-toughness polyester filaments obtained by hot drawing (Japanese Patent Laid-Open No. Sho 61-218676), polyester mulch imparted with an entanglement that can be woven without paste and without twist, with an elongation of 27% or less The use of a filament (Japanese Patent Publication No. 64-11736) has been proposed.
[0003]
However, these proposals all relate to a so-called thin adhesive tape using a flat yarn-based base fabric, and the thin adhesive tape has a good appearance after being applied and has no unevenness. However, since it is soft, wrinkles are likely to occur when it is applied, and the workability of application is deteriorated.
[0004]
Thick adhesive tapes have also been developed in order to solve the problems of such thin adhesive tapes. For example, in Japanese Patent No. 2556402, a highly oriented polyester multifilament is used as a core, and a low orientation polyester multifilament having a melting point of 2 ° C. lower than that of the highly oriented polyester multifilament is formed as an alternating twisted yarn around the sheath. A thick adhesive tape base fabric has been proposed that uses a composite processed yarn having a portion with a flange and a portion in which at least 30% of the filaments of the sheath portion are fused and hardened to each other. However, in such composite processed yarn, the distribution of the fused / cured portion tends to be non-uniform in the longitudinal direction of the yarn, so that thickness unevenness is likely to occur, and the yarn is likely to shrink due to heat treatment when processed into an adhesive tape. For this reason, the dimensional stability of the base fabric may be lowered, and the hand cutting property may be insufficient.
[0005]
In order to improve such a problem, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-323689 discloses that a highly oriented polyester multifilament is used as a core part, and a low oriented polyester multifilament is arranged around it as a sheath part, and at least one of the filaments in the sheath part. A processed yarn having parts fused and hardened to each other, and a false twist crimped yarn for pressure-sensitive adhesive tape that defines the thermal stress peak temperature, stress, outer diameter, dry heat shrinkage, and cut elongation of the processed yarn. Proposed. However, while these false twisted yarns have less thickness unevenness and better hand cutting properties, they are used as wefts in the weaving process, and when they are unwound at high speed or during weaving, yarn breaks and breaks occur. It was easy to generate and it turned out that productivity falls remarkably.
[0006]
Moreover, in the above prior art, as a method for producing such false twist crimped yarn, two types of unstretched polyester multifilaments spun at a draft difference of 10,000 to 100,000 are mixed and entangled and then stretched. A method of false twisting has been proposed. However, in this method, when spinning with a different draft, the high draft side is affected by the moisture content of the chip and the melt viscosity, and the spinning becomes unstable and fluff and yarn breakage easily occur. Need to manage them strictly.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made against the background of the above-described prior art, and the purpose thereof is to obtain a pressure-sensitive adhesive tape having good hand cutting properties and good appearance with no unevenness of thickness and unevenness, and is unraveled at high speed. Another object of the present invention is to provide a false twisted yarn that is less likely to break and fluff and has excellent weaving properties. Still another object is to provide a method for easily and stably producing the false twisted yarn without generating fuzz or yarn breakage.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to the researches of the present inventors, a false twist that has been adjusted to an appropriate physical property by skillfully combining a polyester multifilament containing a polymethylmethacrylate polymer or a polystyrene polymer and a polyester multifilament not containing the polymer. It is found that the processed yarn not only can be made into a base fabric with good hand cutting and appearance when it is used as a fiber for adhesive tape base fabric, but also has excellent high-speed unwinding and weaving properties. The invention has been reached.
[0009]
That is, the first object of the present invention is to provide a polyester multifilament A containing 0.5 to 3.0% by weight of a polymethyl methacrylate polymer or polystyrene polymer on a weight basis, and a polymethyl methacrylate polymer. Or polystyrene polymer 0.01% by weight or more A false twisted yarn having a polyester multifilament B which is not contained as a core and at least a part of the filaments of the multifilament A being fusion-cured to each other, and having a crimp rate (T) of 2 to 2 It was found that this can be achieved with a false twisted yarn for adhesive tape base fabric characterized by 7% and a silk factor (SF) of 5 to 10.
[0010]
The second object of the present invention is to provide an unstretched polyester containing 0.5 to 3.0% by weight of a polymethyl methacrylate polymer or polystyrene polymer spun simultaneously from the same or different spinnerets. Multifilament AU and polymethyl methacrylate polymer or polystyrene polymer 0.01% by weight or more Unstretched polyester multifilament BU not contained is collected and collected, and after the collection, before or after the entangling process is performed after the collection, a drawing false twisting apparatus having a two-stage non-contact heater is used (1) It has been found that this can be achieved by a method for producing a false twisted yarn for pressure-sensitive adhesive tape base fabric, wherein the drawn false twist is processed under the conditions satisfying (5) at the same time.
(1) Untwisting tension (T2) / twisting tension (T1) is 2 to 4
(2) Untwisting tension (T2) is 0.2 to 0.8 cN / dtex
(3) Each temperature of the first and second stage heaters is 300 to 600 ° C.
(4) Each residence time of the yarn in the first and second stage heaters is 0.04 to 0.12 sec.
(5) Number of false twists x (false twist yarn fineness (dtex)) ^1/2 Is 10000-30000
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
[0012]
In the false twisted yarn of the present invention, a polyester multifilament A containing a polymethyl methacrylate polymer or a polystyrene polymer has a sheath part, a polymethyl methacrylate polymer or a polystyrene polymer. 0.01% by weight or more This is a false twisted yarn in which the polyester multifilament B not contained is arranged in the core.
[0013]
As the polyester constituting the multifilaments A and B of the present invention, those in which 95 mol% or more of the repeating units are composed of ethylene terephthalate are preferable, and other components may be copolymerized with less than 5 mol%. Examples of such other components include acid components such as phthalic acid, isophthalic acid, adipic acid, oxalic acid, sebacic acid, suberic acid, glutaric acid, and 2,6-naphthalenedicarboxylic acid, 1,4-butanediol, Examples include glycol components such as 1,6-hexanediol, cyclohexanediol, and cyclohexanedimethanol. The polyester constituting the multifilaments A and B may not be the same kind of polyester. The polyester is a known additive, for example, a pigment, a dye, a matting agent, an antifouling agent, a fluorescent whitening agent, a flame retardant, a stabilizer, an ultraviolet absorber, as long as the effect of the present invention is not impaired. A lubricant or the like may be included.
[0014]
In the present invention, the multifilament A arranged in the sheath is 0.5 to 3.0% by weight, preferably 1.0 to 2.0% by weight, based on the weight of polymethyl methacrylate polymer or polystyrene polymer. It is important that it is contained. Furthermore, the false twisted yarn of the present invention needs to have a portion in which at least some of the filaments of the multifilament A are fused and hardened to each other. Such a fusion hardening exhibits a converging effect comparable to the sizing effect, does not necessarily require entanglement, and can be a false-twisted yarn with good weaving properties, even without glue or twisting. Moreover, the pressure-sensitive adhesive tape base fabric made of the processed yarn of the present invention is remarkably improved in shape retention characteristics in the cross-sectional direction and fabric standing in the width direction, and has good hand cutting properties. In particular, in the present invention, since the multifilament A contains a polymethyl methacrylate polymer or a polystyrene polymer as described above, the filaments are uniformly melt-cured in the length direction, and more excellent. It is possible to obtain a straight hand.
[0015]
In addition, the false twisted yarn of the present invention has the high-speed unwinding property of the false twisted yarn remarkably improved because the polymer is contained in the multifilament A arranged in the sheath. Further, the false twisted yarn has a good opening property in weaving, and the weaving property is remarkably improved. Thus, an adhesive tape base fabric having a good appearance and free from unevenness in thickness and unevenness can be obtained from such false twisted yarn.
[0016]
When the content of the polymer is less than 0.5% by weight, the effects of improving the hand cutting property, the high-speed unwinding property, and the weaving property are not sufficient. On the other hand, when the content exceeds 3.0% by weight, the speed is high. Fluff and yarn breakage are likely to occur during unwinding and weaving.
[0017]
In the present invention, fusion hardening means a state in which individual filaments are melted and integrated with adjacent filaments or are in close contact with each other at the boundary surface between the filaments even if they are not integrated. It means being.
[0018]
Examples of the polymethylene methacrylate polymer or polystyrene polymer include acrylonitrile / styrene copolymer, acrylonitrile / butadiene / styrene copolymer, polystyrene, polypropylene, polymethylpentene, polyacrylate, polymethyl methacrylate, and a third component thereof. Can be mentioned. The weight average molecular weight of these polymers is 2000 or more, more preferably in the range of 5000 to 120,000. Further, a polymethyl methacrylate type having a weight average molecular weight of 8000 to 200,000 and a melt index A (according to ASTM-D1238, measured at a temperature of 230 ° C. and a load of 3.8 kgf) of 10 to 30 g / 10 min. Copolymer or isotactic polystyrene-based polymer mainly composed of styrene, having a weight average molecular weight in the range of 8000 to 200,000, melt index B (according to ASTM-D1238, temperature 300 ° C., load 2.16 kgf Is a syndiotactic polystyrene polymer in the range of 6-50 g / 10 min, the weight average molecular weight is in the range of 8000-200,000, and melt index C (according to ASTM-D1238, temperature 260 ° C., load) (Measured at 5.0 kgf) is 26 to 200 g / 10 min Polymethylpentene polymer is enclosed can be preferably employed. The above polymer is excellent in terms of thermal stability and dispersibility when melt-spun by blending with a polyester.
[0019]
On the other hand, polyester multifilament B is made of polymethyl methacrylate polymer or polystyrene polymer. 0.01% by weight or more It is a polyester that does not contain.
[0020]
In the present invention, the crimp rate (T) of the false twisted yarn needs to be in the range of 2 to 7%, preferably in the range of 3 to 5%. When the crimp rate (T) is less than 2%, the high-speed unwinding property is deteriorated. On the other hand, when the crimp rate (T) is 7% or more, the hand cutting property is insufficient.
[0021]
Furthermore, in this invention, it is necessary to make the silk factor (SF) of false twisted yarn into the range of 5-10, Preferably it is the range of 6-8. Silk factor is strength (cN / dtex) x (elongation (%)) ^1/2 Say. When the silk factor (SF) is less than 5, yarn breakage and fluff are likely to occur when unwinding at high speed. On the other hand, when the silk factor (SF) exceeds 10, hand cutting properties deteriorate, fraying occurs at the cut after tearing, and a beautiful cut cannot be obtained.
[0022]
The false twisted yarn of the present invention is particularly effective when used for weft in weaving. That is, when unraveled at a high speed, the conventional false twisted yarn for adhesive tape base fabric generates fuzz and breakage, and the productivity is remarkably lowered. However, the false twisted yarn of the present invention is 1000 m / min. It can withstand unwinding speed.
[0023]
The false twisted yarn of the present invention described above can be manufactured by the following method. That is, unstretched polyester multifilament AU containing 0.5 to 3.0% by weight of a polymethyl methacrylate polymer or polystyrene polymer spun simultaneously from the same or different spinnerets, and polymethyl methacrylate Polymer or polystyrene polymer 0.01% by weight or more Undrawn polyester multifilament BU not contained is taken up by mixing and converging, and after taking out after mixing and converging, or after entanglement treatment after taking out, using a drawing false twisting apparatus having a two-stage non-contact heater It can be produced by drawing false twisting.
[0024]
In the above production method, only the unstretched polyester multifilament AU contains 0.5 to 3.0% by weight of polymethyl methacrylate polymer or polystyrene polymer on the basis of weight, so that the elongation of the AU is increased. The degree of elongation becomes higher than that of the other unstretched polyester multifilament BU, and this is stretched false twisted so that the polyester multifilament A containing the polymer has the polymer in the sheath. 0.01% by weight or more A false twisted yarn in which the polyester multifilament B not contained is arranged in the core can be easily obtained. In addition, since the multifilament A contains a polymethyl methacrylate polymer or a polystyrene polymer, the filament can be uniformly fused and cured in the length direction.
[0025]
At this time, the elongation of the unstretched polyester multifilament AU is preferably 100% or more higher than that of the unstretched polyester multifilament BU. Moreover, it is preferable that the birefringence of BU is 0.02 or more higher than the birefringence of AU. By setting the difference in elongation and the difference in birefringence, the false twisted yarn having the core-sheath structure described above can be easily obtained.
[0026]
In the above method, the spun unstretched polyester multifilaments AU and BU are mixed and focused, and the pulling speed at that time is preferably in the range of 2500 to 4000 m / min, more preferably from the stability of spinning. The range is 3000 to 3500 m / min. The undrawn yarn obtained at such a take-off speed is preferred because it tends not to easily cause heat fusion to the heater or yarn from the false twist disk or cooling plate during running in the drawing false twisting process.
[0027]
In the production method of the present invention, the unstretched yarn composed of the unstretched polyester multifilaments AU and BU is subjected to an entanglement treatment. This entanglement treatment may be performed after mixing and converging unstretched multifilaments and before taking out, or after taking out unstretched yarn, but the latter is more preferable. The latter method is preferably a method in which an interlace nozzle is installed in the apparatus in the drawing false twisting step and the air entanglement treatment is performed immediately before the drawing false twisting. The degree of entanglement is preferably in the range of 30 to 70 / m, more preferably in the range of 40 to 60 / m, as measured by the false twisted yarn. By setting the entanglement degree to 30 pieces / m or more, the yarns constituting the polyester undrawn yarn are extremely mixed, and the single yarn is not separated during the drawing false twisting operation, so that the yarn breakage hardly occurs. Further, by setting the entanglement degree to 70 pieces / m or less, the entanglement between the single yarns constituting the false twisted yarn does not become too strong, and the balance of the weave density is improved.
[0028]
In the said manufacturing method, it is necessary to perform an extending | stretching false twist process on the conditions which satisfy the following (1)-(5) simultaneously.
(1) Untwisting tension (T ₂ ) / Twisting tension (T ₁ 2-4
(2) Untwisting tension (T ₂ ) Is 0.2 to 0.8 cN / dtex
(3) Each temperature of the first and second stage heaters is 300 to 600 ° C.
(4) Each residence time of the yarn in the first and second stage heaters is 0.04 to 0.12 sec.
(5) Number of false twists x (false twist yarn fineness (dtex)) ^1/2 Is 10000-30000
Untwisting tension (T ₂ ) / Twisting tension (T ₁ ) In the range of 2 to 4, and untwisting tension (T ₂ ) Is in the range of 0.2 to 0.8 cN / dtex, the diameter of the false twisted yarn can be increased and a thick base fabric can be obtained as well as stable false twist processing. More preferable untwisting tension (T ₂ ) / Twisting tension (T ₁ ) Is in the range of 2.5 to 3.5, untwisting tension (T ₂ ) Is in the range of 0.3 to 0.7.
[0029]
When the first-stage heater temperature is less than 300 ° C., the fusion-curing of the multifilament A disposed in the sheath portion is insufficient, and the false twisted yarn targeted by the present invention cannot be obtained. In addition, the twistability becomes worse and it becomes difficult to impart crimp. For this reason, not only a sufficient crimp cannot be obtained, but also crimp spots are generated, and stains due to dye-permeable spots at the time of yarn dyeing are also likely to occur. In addition, yarn breakage, loops, and fluff are increased during the drawing false twisting process. On the other hand, when the first stage heater temperature exceeds 600 ° C., the single filament breakage of the multifilament A occurs at the time of drawing false twisting, and the obtained false twisting yarn has a lot of fluff. A more preferable first stage heater temperature is in the range of 400 to 500 ° C.
[0030]
When the second stage heater temperature is less than 300 ° C., the crimp rate (T) of the false twisted yarn tends to exceed 7%. On the other hand, when the temperature of the second stage heater exceeds 600 ° C., the multifilament A is likely to break frequently in the second stage heater. The second stage heater temperature is preferably higher than that of the first stage heater. A more preferable second stage heater temperature is in the range of 450 to 550 ° C.
[0031]
When the residence time of the yarn in the first stage heater is less than 0.04 sec, it is difficult to impart crimp to the polyester false twisted yarn. In addition, the tension fluctuations associated with the swaying of the running yarn increase, and yarn breakage and fluff are likely to occur. On the other hand, when the residence time exceeds 0.12 sec, the crimp rate of the false twisted yarn often exceeds 7%. More preferably, the residence time of the yarn in the first stage heater is in the range of 0.06 to 0.10 sec.
[0032]
Moreover, when the residence time of the yarn in the second stage heater is less than 0.04 sec, the crimp rate of the false twisted yarn often exceeds 7%. It becomes difficult to impart crimp to the polyester false twisted yarn. On the other hand, when the residence time exceeds 0.12 sec, yarn breakage and fluff are likely to occur in the heater. More preferably, the residence time of the yarn in the second stage heater is in the range of 0.06 to 0.10 sec.
[0033]
In the production method of the present invention, the two-stage non-contact heater is used as described above, but the non-contact heater can be stretched false twisting at high speed because the running yarn does not directly contact the heating surface.
[0034]
Number of false twists x (false twist fineness (dtex)) ^1/2 Is less than 10,000, the tension becomes too low and workability such as threading becomes worse. On the other hand, the number of false twists x (false twist yarn fineness (dtex)) ^1/2 Is more than 30000, the tension becomes so high that the multifilament A is not fused and cured, and the occurrence of yarn breakage and fluff increases. More preferred false twist number x (false twist fineness (dtex)) ^1/2 Is in the range of 15000-25000.
[0035]
FIG. 1 is a schematic view showing one embodiment of a drawing false twisting process that can be used in the present invention. The polyester undrawn yarn (1) passes through the yarn guide (2), is air entangled by the interlace nozzle (4) installed between the two pairs of feed rollers (3, 3 '), and is supplied to the drawn false twist region. Is done. Next, the film is twisted by friction with the rotating false twisting disk (7) while being stretched between the feed roller (3 ′) and the first delivery roller (8). During this time, the first stage non-contact heater (5) is heat-treated, cooled by the cooling plate (6), passed through the false twist disk (7) and untwisted. Further, the running yarn is reheated by a second non-contact heater (9) installed between the first delivery roller (8) and the second delivery roller (10), and the winding roller (11 ) As a cheese-like package (12) to produce a polyester false twisted yarn.
[0036]
From the false twisted yarn of the present invention, it can be weaved and / or warped and woven to obtain an excellent adhesive tape base fabric. In this case, the density of the warp and the weft depends on the fineness of the false twisted yarn, but the former is preferably 23 to 90 / inch and the latter is preferably 14 to 70 / inch. Further, the warp and the weft need not necessarily have the same fineness, but the sum of the diameter of the warp and the diameter of the weft is preferably 0.1 mm or more.
[0037]
Furthermore, in order to prepare an adhesive tape using such an adhesive tape base fabric, for example, a thermoplastic synthetic resin such as polyethylene, polypropylene, polyester, acrylic resin, PVC, They can be produced by laminating these films and applying an adhesive on the other side.
[0038]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. In addition, each item in an Example was measured with the following method.
[0039]
(1) Intrinsic viscosity
It melt | dissolved in ortho-chlorophenol and measured at 35 degreeC using the Ubbelohde viscosity tube.
[0040]
(2) Elongation difference between unstretched polyester multifilament AU and BU
After leaving the polyester undrawn yarn in a room kept at a constant temperature and humidity of 25 ° C. and 60% humidity for a day and night, a sample length of 100 mm was set on a tensile tester Tensilon manufactured by Shimadzu Corporation, and 200 mm / min. The unloading curve was recorded at a speed of. The load elongation curves of the two groups of constituent yarns were specified from the recorded chart, the elongation at break of each was read, and the difference was defined as the elongation difference between the unstretched polyester multifilaments AU and BU.
[0041]
(3) Birefringence (Δn) difference between unstretched polyester multifilament AU and BU
The unstretched polyester multifilaments AU and BU were separated and taken, and the birefringence (Δn) of each filament was measured by the following method, and the difference was calculated and obtained. The number of interference fringes (n) was measured using 1-bromonaphthalene as the permeation solution and monochromatic light having a wavelength of 530 nm with a polarizing microscope, and the birefringence (Δn) was calculated from the following formula. In the following formula, θ represents the compensator rotation angle, and D represents the fiber diameter.
Δn = 530 × (n + θ / 180) / D
[0042]
(4) Entanglement degree
A weight corresponding to a load of 0.1 cN / dtex is applied by applying a load of 0.2 cN / dtex to the end of a false twisted yarn of about 1.2 m and dropping vertically from a fixed point attached to the upright part. The hook is inserted from the upper fixing point, and it is removed after the hook naturally falls and stops. The hook is then reinserted at a position 2 mm below the stop point. This repetition was performed over a length of 1 m, and the number of hooks stopped during that time was defined as the degree of entanglement (number / m).
[0043]
(5) Crimp rate (T)
A false twisted yarn sample was applied with a tension of 0.044 cN / dtex and wound on a cassette frame to produce a cassette of about 3300 dtex. Two loads of 0.00177 cN / dtex and 0.177 cN / dtex are applied to one end of the cassette, and the length S after 1 minute has passed. ₀ (Cm) was measured. Subsequently, it was treated in boiling water at 100 ° C. for 20 minutes with the load of 0.177 cN / dtex removed. Remove the load of 0.00177 cN / dtex after boiling water treatment, let it dry naturally for 24 hours, and then apply the load of 0.00177 cN / dtex and 0.177 cN / dtex again. Measure S ₁ (Cm). Next, the load of 0.177 cN / dtex was removed and the length after 1 minute was measured. ₂ Then, the crimp rate was calculated by the following formula and expressed as an average value of 10 measured values.
Crimp rate (%) = [(S ₁ -S ₂ ) / S ₀ ] × 100
[0044]
(6) drawn false twisted yarn
Stretch false twisting was continuously performed for 1 week using Teijin Seiki's 216 spindle HTS-15V, and the number of yarn breaks per draw false twister per day was taken as stretch false twist yarn. However, thread breakage due to man-made or mechanical factors such as thread breakage before and after thread joining (knot breakage) or thread breakage during automatic switching was excluded from the number of breaks.
[0045]
(7) Strength, elongation, silk factor (SF) of false twisted yarn
The strength (g / dtex) and elongation (%) are measured according to JIS L-1013-75, and the silk factor, that is, strength x (elongation) is determined from them. ^1/2 The value of was calculated.
[0046]
(8) Diameter of false twisted yarn (mm)
EIKO INDUSTRIAL CO. It is measured 20 times at 10 cm intervals using LTD, DIAL THICKNESS GAUGE, commonly known as Peacock, and expressed as an average value.
[0047]
(9) Tear strength of base fabric
Create 5 rectangles with a width of 3 cm and a length of 30 cm along the warp or weft in the fabric, and use an Instron tensile measuring machine to test length of 10 cm, tensile speed of 20 cm / min, maximum load chuck fixed length, upper and lower each 5cm, the initial load is applied to the extent that the fabric does not sag. The elongation and load from the start of measurement until the fabric is cut are recorded, the maximum load at the time of breaking is read, and the value is expressed in kg / 2.5 cm. The same measurement was repeated 5 times and expressed as an average value.
[0048]
(10) Hand cutting of adhesive tape
The hand cutting properties of the adhesive tape were evaluated in the following four stages.
Very good: very easy to tear.
Good: Can be easily torn.
Slightly bad: Slightly difficult to tear.
Bad: Cannot be torn easily.
[0049]
(11) Appearance of adhesive tape (fabric standing)
The pasting appearance (fabric standing property) of the adhesive tape was evaluated in the following four stages.
Good: The surface is flat and there are no uneven spots. Good fabric standing.
Slightly poor: Some unevenness.
Defect: Large irregularities and thick spots, large spots of fabric standing.
[0050]
(12) High speed unwinding of false twisted yarn
Twelve 4 kg pieces of cheese-twisted false-twisted yarn were prepared, and the yarn guide was adjusted so as to have a tension of 0.088 cN / dtex, and the unwinding distance from the cheese was 25 cm and taken up at 1000 m / min. The number of yarn breaks was counted and converted to the number of yarn breaks per 10 kg. 1 time / 10 kg or less is good.
[0051]
(13) Weaving property
The false twisted yarn was used as a weft for weaving at a speed of 1000 m / min. When 1 ton of weft was weaved, the number of stop yarns (times) per loom was counted, and this was shown in four stages.
Good: Extremely few stop yarns. (0 to 29 times)
Slightly bad: Slightly many stop yarns and production efficiency is poor. (30-69 times)
Defective: Many stop yarns and production efficiency is considerably poor. (70 times or more)
[0052]
[Example 1]
The pellet Ap of polyethylene terephthalate having an intrinsic viscosity of 0.64 and the pellet Cp of syndiotactic polystyrene having a molecular weight of 50,000 and a melt index of 9.0 have a ratio of 1.5% by weight with respect to the total pellet weight. (Hereinafter, this mixed pellet is referred to as pellet ApCp) and further dried by a conventional method. On the other hand, polyethylene terephthalate pellets (hereinafter referred to as pellets Bp) having an intrinsic viscosity of 0.64 were dried by a conventional method.
[0053]
The dried pellets of mixed pellets ApCp and pellets Bp were each melted in a composite spinning facility equipped with two screw extruders and introduced into a composite spinning spin pack through a spin block. The molten polymer flow of the mixed pellets ApCp is discharged at a flow rate of 42 g / min from a spinneret having 15 discharge holes with a hole diameter of 0.23 mm and a land length of 0.60 mm incorporated in the spin pack. On the other hand, the molten polymer flow of pellet Bp was discharged at a flow rate of 42 g / min from a spinneret having 48 discharge holes having a hole diameter of 0.35 mm and a land length of 0.8 mm. Subsequently, the discharged two groups of molten polymer streams are cooled and solidified with cooling air from a normal cross-flow type spinning cylinder, converged as one yarn while applying a spinning oil agent, and at a speed of 3200 m / min. A polyester undrawn yarn of 270 dtex / 63 filament was obtained. The unstretched polyester multifilament AU obtained from the mixed pellets ApCp constituting the polyester unstretched yarn has an elongation of 300%, a birefringence (Δn) of 0.015, and an unstretched polyester multifilament obtained from the pellets Bp. The elongation of BU was 150%, the birefringence (Δn) was 0.045, the difference in elongation was 150%, and the difference in birefringence (Δn) was 0.03.
[0054]
The obtained polyester unstretched yarn was applied to Teijin Seiki's 216 Taken HTS-15V, passed through an interlace nozzle having a pressure air blow hole with a hole diameter of 1.8 mm, and a confounding degree of 51 / m at a flow rate of 60 nL / min. Air entanglement treatment is performed, the false twist draw ratio is 1.65, the first stage heater temperature is 400 ° C., the second stage heater temperature is 500 ° C., and the false twist number × (false twist yarn fineness ( dtex)) ^1/2 Stretch false twisting was performed so that the value of (TF) was 20000, and the film was taken up at a speed of 800 m / min and wound into a cheese shape. The fineness of the obtained false twisted yarn is 168 dtex / 63 filament, the crimp rate (T) is 4.2%, the strength is 2.0 cN / dtex, the elongation is 15%, that is, the silk factor (SF) is It was 7.7. At this time, the residence time of the yarn in the first stage heater and the second stage heater was 0.08 sec. When the false twisted yarn was observed with a microscope, the multifilament A was arranged in the sheath and the multifilament B was arranged in the core. Moreover, it was recognized that some of the filaments of the multifilament A discarded in the sheath part are fusion-cured with each other.
[0055]
The obtained false twisted yarn was used for warp and weft, and woven without warp and no twist at a warp density of 50 / inch and a weft density of 35 / inch. At this time, the weft was released at 1000 m / min, but this false twisted yarn was excellent in high-speed unwinding property and weaving property. Using a raw machine obtained by weaving as a base fabric, a polyethylene film having a thickness of 70 μm was melt-extruded and bonded to the front side of the base fabric and laminated. The total thickness of the film and the base material at that time was 0.28 mm and thick.
[0056]
A pressure-sensitive adhesive tape was prepared by applying a release agent on the front side of the laminated base material and an acrylic resin adhesive on the back side. The obtained adhesive tape had a very good hand cutting ability, a beautiful cut end, a very good appearance, and a high tear strength of 14 kg / 5 cm.
[0057]
[Examples 2-6, Comparative Examples 1-6]
In Example 1, the kind of additive (PS or PMMA), the addition amount of PS or PMMA, the first heater temperature for drawing false twisting, the second heater temperature, the untwisting tension (T2), K (= untwisting tension) (T2) / twisting tension (T1)), TD (= false twist number x (false twist yarn fineness (dtex)) ^1/2 The false twisted yarn was obtained in the same manner as in Example 1 except that the number of crimps (T) was changed as shown in Table 1. The results are shown in Table 1. When this false twisted yarn was observed with a microscope, except for Comparative Example 1, the multifilament A was arranged in the sheath and the multifilament B was arranged in the core. In addition to the comparative examples 1 and 3, it was confirmed that some of the filaments of the multifilament A arranged in the sheath part were fusion-cured.
[0058]
Further, the false twisted yarn obtained above was woven and laminated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 2.
[0059]
[Table 1]

[0060]
[Table 2]

[0061]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the false twisted thread | yarn from which the base fabric for adhesive tapes with favorable hand-cutting property, a thickness spot, an uneven feeling, and the favorable external appearance can be obtained can be provided. Moreover, this false twisted yarn is extremely excellent in high speed unwinding and weaving. In particular, when such false twisted yarn is used for weft in weaving, the effect is exhibited, and the processed yarn can withstand high-speed unwinding of 1000 m / min or more.
[0062]
In addition, according to the production method of the present invention, a false twisted yarn suitable for an adhesive tape base fabric can be produced easily and stably without the occurrence of fluff and yarn breakage, and its industrial significance is extremely large. Is.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing one embodiment of a drawing false twisting process of the present invention.
[Explanation of symbols]
1: Polyester undrawn yarn
2: Thread guide
3, 3 ': Feed roller
4: Interlace nozzle
5: 1st stage heater
6: Cooling plate
7: False twist disk unit
8: 1st deli berry roller
9: Second stage heater
10: Second delivery roller
11: Winding roller
12: Polyester false twisted yarn cheese

Claims

Polyester multifilament A containing polymethyl methacrylate polymer or polystyrene polymer in an amount of 0.5 to 3.0% by weight based on the weight is a sheath part, and polymethyl methacrylate polymer or polystyrene polymer is 0.01% by weight or more. A false twisted yarn in which a polyester multifilament B that is not contained is arranged as a core, and at least some of the filaments of the multifilament A are fusion-cured to each other, and the crimp rate (T) is 2 to 2 A false twisted yarn for adhesive tape base fabric, characterized by 7% and a silk factor (SF) of 5 to 10.

Unstretched polyester multifilament AU containing 0.5 to 3.0% by weight of polymethylmethacrylate polymer or polystyrene polymer spun simultaneously from the same or different spinnerets, and polymethylmethacrylate polymer Alternatively, a non-stretched polyester multifilament BU that does not contain 0.01% by weight or more of a polystyrene-based polymer is collected and collected, and after the collection, before or after the entangling process, the two-stage non-contact heater is provided. A method for producing a false twisted yarn for pressure-sensitive adhesive tape base fabric, characterized in that the drawn false twist is processed under conditions that simultaneously satisfy the following (1) to (5) using a drawn false twisting device.
(1) Untwisting tension (T ₂ ) / twisting tension (T ₁ ) is 2 to 4
(2) Untwisting tension (T ₂ ) is 0.2 to 0.8 cN / dtex
(3) Each temperature of the first and second stage heaters is 300 to 600
(4) Each residence time of the yarn in the first and second stage heaters is 0.04 to 0.12 sec.
(5) Number of false twists x (false twist yarn fineness (dtex)) ^1/2 is 10,000 to 30,000

The manufacturing method of the false twisted yarn for adhesive tape base fabrics of Claim 2 whose elongation of unstretched polyester multifilament AU is 100% or more higher than elongation of unstretched polyester multifilament BU.

The method for producing false twisted yarn for adhesive tape base fabric according to claim 2 or 3, wherein the birefringence of the unstretched polyester multifilament BU is 0.02% or more higher than the birefringence of the unstretched polyester multifilament AU.