JP4018939B2

JP4018939B2 - Method for producing extra fine polyester false twisted yarn

Info

Publication number: JP4018939B2
Application number: JP2002181138A
Authority: JP
Inventors: 正洋小西; 浩幸逢坂
Original assignee: Teijin Fibers Ltd
Current assignee: Teijin Fibers Ltd
Priority date: 2002-06-21
Filing date: 2002-06-21
Publication date: 2007-12-05
Anticipated expiration: 2022-06-21
Also published as: JP2004027376A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単糸繊度が０．５ｄｔｅｘ以下、フィラメントが１００〜４００本からなる極細ポリエステル仮撚加工糸を安定して製造する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
単糸繊度が１ｄｔｅｘ以下の極細ポリエステル仮撚加工糸は、布帛にした時、通常のポリエステル仮撚加工糸に比べて柔らかな風合、および保温性、吸水、吸湿性などの性能が向上するので、衣料用途で幅広く使われるようになってきた。例えば、特開平４−１９４０３６号公報には、単糸繊度が０．７デニール（０．７８ｄｔｅｘ）以下のポリエステルマルチフィラメントからなる仮撚加工糸で、断面扁平係数および全捲縮率を限定した吸水性極細仮撚加工糸とその製造方法が開示されている。また、特開２００２−０３８３４１号公報には、含金属リン化合物およびアルカリ土類金属化合物を含むポリエステルからなり、単糸繊度が０．６ｄｔｅｘ以下の、扁平係数および熱応力ピーク値が限定された、染色された時の色の深みと鮮明性が改善されたポリエステル仮撚加工糸とその製造方法が開示されている。
【０００３】
このような、特殊な限定された方法で製造された極細ポリエステル仮撚加工糸においては、確かに限定された性能は改善されている。しかし、このような条件で、通常の未延伸ポリエステルの延伸同時仮撚加工を行うと、単糸数が増え、繊度が細くなるに従い、仮撚加工時に断糸が多発したり、得られた仮撚加工糸に毛羽あるいは未解撚スポット斑が多く発生したり、染斑など品質斑が多く仮撚加工糸として使用できないものとなるという問題があった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、単糸繊度が０．５ｄｔｅｘ以下で、フィラメント数が１００〜４００本である極細マルチフィラメントでありながら、毛羽、未解撚スポット斑、染斑が少ない極細ポリエステル仮撚加工糸を安定して延伸同時仮撚加工にて製造する方法を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、「単糸繊度が０．５ｄｔｅｘ以下、フィラメント数が１００〜４００本からなるポリエステル仮撚加工糸を製造するに際し、口金面から溶融吐出されたポリエステル重合体のポリマー流を、（１）紡糸口金面から０〜４０ｍｍの距離で、かつ温度が１００〜３００℃の範囲である雰囲気中を通過させ、（２）さらに冷却させた後、紡糸口金吐出面から３５０〜５００ｍｍの位置で集束し、（３）複屈折率が０．０３〜０．０６の未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸とし、（４）該未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸に、仮撚加工糸で測定した交絡度が５０〜９０個／ｍとなるように空気交絡を施し、（５）延伸仮撚ヒーター内の滞留時間を０．０５２〜０．３００ｓｅｃ、該ヒーター出口での走行フィラメント糸条の温度が該ポリエステル重合体のガラス転移温度（Ｔｇ）より９０〜１４０℃高い温度となるようにして、延伸倍率１．４０〜１．７０倍で延伸同時仮撚加工して仮撚加工糸とし、（６）該仮撚加工糸の重量を基準として１．３〜３．０重量％の油剤を付与し、（７）巻取張力を０．０５〜０．３０ｃＮ／ｄｔｅｘ、速度を５００〜１２００ｍ／分として巻き取る方法」によって、上記課題が解決されることを見出した。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、繰り返し単位としてエチレンテレフタレートが８５モル％以上、好ましくは９５モル％以上を占めるポリエステルである。テレフタル酸成分および／またはエチレングリコール成分以外の成分を少量（通常は、テレフタル酸成分に対して１５モル％以下）共重合したものであってもよい。これらのポリエステルには、公知の添加剤、例えば、顔料、染料、艶消し剤、防汚剤、蛍光増白剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤等を含んでもよい。
【０００７】
本発明に用いるポリエステルの固有粘度（３５℃のオルソ−クロロフェノール溶液を溶媒として使用し測定）は、通常衣料用布帛素材として使用されるポリエステルと同じ程度の０．４５〜０．７０、より好ましくは０．５５〜０．６７のものが望ましい。
【０００８】
本発明で用いる未延伸糸は、口金面から溶融吐出されたポリエステル重合体のポリマー流を、（１）紡糸口金面から０〜４０ｍｍの距離で、かつ温度が１００〜３００℃の範囲である雰囲気中を通過させ、（２）さらに冷却させた後、紡糸口金吐出面から３５０〜５００ｍｍの位置で集束し、（３）複屈折率を０．０３〜０．０６の未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸としたものである。
【０００９】
上記（１）において、紡糸口金面から０〜４０ｍｍの距離を、温度が１００〜３００℃、好ましくは１８０〜２６０℃、の範囲の雰囲気とすると、溶融吐出されたポリマー流が安定し、均斉性の高い未延伸ポリエステルが得られる。一般的に熱可塑性ポリマーを用いて通常の溶融紡糸を実施すると、吐出孔から吐出された直後のポリマー流が膨らむ、いわゆる“ベーラス効果”といわれる現象を起こし、吐出ポリマー流が安定して紡糸できることは良く知られている。しかし、０.５ｄｔｅｘ以下の細い単糸繊度となすために、ポリマー吐出量を下げて行くと、“ベーラス効果”が小さくなり、吐出ポリマーがベンディング、旋回などを起こし、得られた未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸の均斉性を著しく損ねたり、ポリマー流の液滴状の破断が起こり断糸するという現象が発生し易くなる。紡糸口金面から０〜４０ｍｍの範囲の雰囲気（以下ホットゾーンと称する）温度が１００℃未満の場合は、上記の現象を解消することができない。一方、ホットゾーン温度が３００℃を超えると、ポリマー流が冷却固化される以前に相互密着し、正常な未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸が得られないので、ホットゾーン温度は３００℃を超えないように設定しなければならない。
【００１０】
また、（２）では、冷却した後のポリエステルマルチフィラメント糸を紡糸口金吐出面から３５０〜５００ｍｍ、より好ましくは３８０〜４８０ｍｍの位置（以下、この紡糸口金吐出面から集束位置までの距離を集束距離と称する）で集束することにより、冷却過程でのポリマー糸条の揺らぎが低減され、均斉性の高い未延伸ポリエステルが得られる。集束距離が５００ｍｍを超える場合は、糸条の揺らぎが大きく、得られ未延伸ポリエステル糸の均斉性は極めて劣悪となり、延伸仮撚加工時の毛羽発生あるいは仮撚加工糸の均染性が劣悪なものとなる。集束距離が３５０ｍｍ未満の場合は、吐出ポリマーは未だ充分に冷却されていないので、ガイド等で接触すると、断糸あるいはマルチフィラメントの損傷が起こる。
【００１１】
さらに、（３）において、複屈折率が０．０３未満の未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸は、後で行う延伸同時仮撚加工で、延伸仮撚ヒーターに糸条が接触したとき脆化し、断糸するので、延伸仮撚操作を開始することができない。複屈折率が０．０６を超える未延伸ポリエステル糸の場合は、延伸仮撚加工時の毛羽発生を低減することが極めて困難となる。複屈折率が０．０３〜０．０６の未延伸ポリエステルは２５００〜４０００ｍ／ｍｉｎの範囲で紡糸引き取りを行うことで得られる。
【００１２】
かくして得られた未延伸ポリエステルマルチフィラメントを用いて、例えば図１に示すような工程にて、下記（４）〜（７）を満足する条件で、延伸同時仮撚加工を行うことが必要である。
【００１３】
先ず、（４）未延伸ポリエステルマルチフィラメント糸に、仮撚加工糸で測定した交絡度が５０〜９０個／ｍ、好ましくは６０〜８０個／ｍ、となるように空気交絡を施すことが必要である。この際、かかる空気交絡は、例えばインターレースノズル（図１の４）を通すことにより付与できる。交絡度が５０個／ｍ未満の場合は、マルチフィラメント全体にわたる均一な撚りおよび延伸が阻害されるので、仮撚加工糸に毛虫状の大きな毛羽の多発および染斑の発生が起こる。また、延伸仮撚加工時の断糸も多くなる。交絡度が９０個／ｍを越す場合は仮撚加工糸に未解撚スポットおよび毛羽が多くなる。また、破断強度、伸度の低下が起こる。
【００１４】
次に、（５）延伸仮撚ヒーター内の滞留時間を０．０５２〜０．３００ｓｅｃ、該ヒーター出口での走行フィラメント糸条の温度が該ポリエステル重合体のガラス転移温度（Ｔｇ）より９０〜１４０℃高い温度となるようにして、延伸倍率１．４０〜１．７０倍で延伸同時仮撚加工して仮撚加工糸とする。
【００１５】
この際、例えば、摩擦仮撚具（図１の７）などを用いて延伸同時仮撚加工を行う。延伸倍率は１．４０〜１．７０倍、好ましくは１．５〜１．６倍、とすることが必要である。延伸倍率が１．４０倍未満では撚掛具の前後の加工張力が低くなり、未解撚スポットが多発したり、未延伸部分が残り染斑が発生する。延伸倍率が１．７０倍を超える場合は、単糸切れなどによる毛羽あるいは延伸仮撚断糸が多発する。
【００１６】
また、延伸仮撚ヒーター（図１の５）出口での走行フィラメント糸条の温度が、ポリエステル重合体のガラス転移温度（Ｔｇ）より９０〜１４０℃、好ましくは１１０〜１３０℃、高い温度であり、走行フィラメント糸条の該ヒーター内滞留時間が０．０５２〜０．３００ｓｅｃ、好ましくは０．０６０〜０．１５０ｓｅｃ、となるように熱処理を行うことが必要である。延伸仮撚ヒーター出口での走行フィラメント糸条温度は、市販の非接触型走行物温度計（例えば帝人エンジニアリング（株）のＨ−７５０８）を用いて、延伸仮撚中の走行糸条で測定することができる。延伸仮撚ヒーター出口での走行フィラメント糸条温度とポリエステル重合体のガラス転移温度（Ｔｇ）との差が９０℃未満、あるいは、走行フィラメント糸条の該ヒーター内滞留時間が０．０５２ｓｅｃ未満の場合は、繊維構造を熱固定することが出来ないので、実用に耐える物性およびを捲縮特性有する仮撚加工糸が得られない。糸温度がポリエステル重合体のガラス転移温度（Ｔｇ）より１４０℃を超えて高い、あるいは、走行フィラメント糸条の該ヒーター内滞留時間が０．３００ｓｅｃを超える場合は、延伸仮撚加工時、フィラメント単糸同士が融着し、仮撚加工糸として使用できない品質のものとなる。また、仮撚加工糸の強伸度も著しく低下し、延伸仮撚時の断糸、毛羽も多くなる。なお、本発明に用いる延伸仮撚ヒーターとしては、接触式、非接触式のいずれであっても良いが、ヒーター長が１．０〜２．５ｍのものが好ましい。
【００１７】
延伸同時仮撚加工後のポリエステルマルチフィラメント糸に、（６）該仮撚加工糸の重量を基準として１．３〜３．０重量％の油剤を付与することが必要である。通常の仮撚加工糸には重量基準で０．５〜１重量％程度の油剤（主成分鉱物油）が付与されるが、単糸繊度が０．５ｄｔｅｘ以下で、フィラメント数が１００以上となると、油剤が各フィラメント表面を均等に覆うようにするためには、１．３〜３．０重量％、好ましくは１．５〜２．３重量％、の油剤を付与する必要がある。油剤の付着量が１．３重量％未満では、撚糸、整経、製編、製織工程など後工程における糸解舒性不良あるいはガイド類との抵抗が大きくなり、単糸切れ、フィブリル化による風綿の発生が極めて多くなる。油剤の付着量が３．０重量％を超えると、後工程のガイド類への油剤スカム蓄積が多くなる。仕上げ油剤の付与は図１の１０に示すような、ローラー式あるいは計量ノズル式油剤アプリケーターで付与すれば良い。
【００１８】
得られた仮撚加工糸を、（７）巻取張力（測定位置：図１の１２）を０．０５〜０．３０ｃＮ／ｄｔｅｘ、好ましくは０．１２〜０．２３ｃＮ／ｄｔｅｘ、速度を５００〜１２００ｍ／分、好ましくは６００〜１０００ｍ／ｍｉｎ、で巻き取る（図１の１４）ことが必要である。巻取張力が０．０５ｃＮ／ｄｔｅｘ未満では、フィラメント数が１００以上の極細マルチフィラメントでは、通常用いられる糸導ガイド（図１の１１）などとの抵抗により糸弛みが発生し、巻き取り不能となる。巻取張力が０．３０ｃＮ／ｄｔｅｘを超える場合、高い巻取張力によりパッケージの巻締めが発生し、紙管の潰れが発生したり、仮撚加工糸パッケージの内外層における糸品質差が生ずるなどの問題が発生する。また、巻取速度が５００ｍ／分未満では生産性が劣り実用的でない。巻取速度が１２００ｍ／分を超える速度では、延伸仮撚ヒーターと仮撚具との間での、または、仮撚具上での糸揺れといった、いわゆるサージング現象が発生し、正常な巻き取りが困難となる。また未解撚スポットが多発する。
【００１９】
なお、延伸仮撚加工に用いる仮撚具は、硬度７５〜９５度、厚さ５〜１２ｍｍのウレタンディスクを３軸に配列した摩擦仮撚型ディスクユニットを好ましく用いることができる。該ディスクの回転軸に対し、糸条の走行角度が３０〜４５度となるようにして延伸仮撚を施すのが好ましい。また、仮撚数（回／ｍ）を（２５０００〜３５０００）／（仮撚加工糸の繊度（ｄｔｅｘ））^1/2となるように仮撚条件を設定すると、毛羽の発生をより低減することができるので好ましい。
【００２０】
かくして得られた極細ポリエステル仮撚加工糸は、以下の物性を有していることが好ましく、本発明の製造法により容易に得ることができる。
（ア）全捲縮率ＴＣ：２〜５％
（イ）熱水収縮率ＦＳ：２．５〜４．５％
（ウ）破断強度：３．０〜４．５ｃＮ／ｄｔｅｘ、破断伸度：１５〜３５％
かかる物性のポリエステル加工糸は、単糸繊度が０．５ｄｔｅｘ以下でフィラメント数が１００〜４００本である極細マルチフィラメントでありながら、毛羽、未解撚スポットが少なく均斉性（染斑）にすぐれている。
【００２１】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
（１）固有粘度
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し３５℃で測定した。
【００２２】
（２）ポリエステル重合体のガラス転移温度（Ｔｇ）
規定量のポリエステル重合体をアルミサンプルパンに封入し、ＤＳＣ測定装置にて、窒素気流下に室温〜１０℃／ｍｉｎの昇温速度で２８０℃まで昇温し、２分間保持した後、直ちに取りだして、窒素雰囲気中で急冷し、ポリマーがアモルファス状態で固まったサンプルパンを作成した。それを再度、上記の条件で昇温し、昇温曲線からガラス転移温度を測定した。
【００２３】
（３）複屈折率
オリンパスＢＨ−２偏光顕微鏡を使用し、コンペンセーター法により単糸のレターデーションと糸径を測定し、複屈折率を計算した。
【００２４】
（４）走行フィラメント糸条の温度
帝人エンジニアリング（株）製の非接触走行物温度計（Ｈ−７５０８）を用いて延伸仮撚ヒーター出口の走行フィラメント糸条の温度を測定した。
【００２５】
（５）交絡度
ロッシェルド式インターレース測定器を使用して１ｍ当りの交絡数を測定した。この測定を１０回実施し、その平均値で表した。
【００２６】
（６）毛羽
東レ（株）製ＤＴ−１０４型毛羽カウンター装置を用いて、仮撚加工糸を５００ｍ／分の速度で２０分間連続測定して発生毛羽数をカウントし、１０⁶ｍあたりの個数で表記した。
【００２７】
（７）未解撚スポット
延伸仮撚加工機付属の張力モニターで解撚張力変動を検出し、限界値以上を未解撚スポット発生とし、１０⁶ｍ当たりの未解撚スポット個数で表記した。
【００２８】
（８）均染性
仮撚加工糸試料を１２ゲージ丸編機で３０ｃｍ長の筒編みとし、染料（テラシールブルーＧＦＬ）を用い、１００℃、４０ｍｉｎ染色し、均染性を検査員が目視にて下記基準で格付けした。
レベル１：均一に染色されており、染斑がほとんど認められない。
レベル２：縞状の染斑が少し認められる。
レベル３：縞状の斑が一面に認められる。
【００２９】
（９）解舒断糸回数
５ｋｇ巻きの仮撚加工糸パッケージ１８個を１０００ｍ／ｍｉｎで解舒し、５ｋｇ解舒終了までの総断糸回数を解舒断糸回数とした。
【００３０】
（１０）油剤スカム蓄積
上記解舒断糸回数試験において、糸導ガイドに蓄積した油剤スカムの状態を目視で３段階に格付けした。
レベル１：ほとんど油剤スカムが認められない。
レベル２：油剤スカムの蓄積がやや認められる。
レベル３：糸導ガイド上に油剤スカムが塊状に蓄積している。
【００３１】
（１１）風綿発生
上記解舒断糸回数試験において、糸導ガイドおよびその周辺に堆積したフィブリル化した繊維屑（風綿）の状態を目視で３段階に格付けした。
レベル１：ほとんど風綿が認められない。
レベル２：散乱した風綿がやや認められる。
レベル３：糸導ガイド上およびその周辺が風綿で白くなっている。
【００３２】
（１２）全捲縮率ＴＣ（％）
極細仮撚加工糸に０．０４４ｃＮ／ｄｔｅｘ（５０ｍｇ／デニール）の張力を掛けてカセ枠に巻き取り、約３３００ｄｔｅｘのカセを作る。カセ作成後、カセの一端に０．００１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ＋０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ（２ｍｇ／デニール＋２００ｍｇ／デニール）の荷重を負荷し、１分間経過後の長さＬ０（ｃｍ）を測定する。次いで、０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ（２００ｍｇ／デニール）の荷重を除去した状態で、１００℃の沸水中にて２０分間処理する。沸水処理後０．００１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ（２ｍｇ／デニール）の荷重を除去し、２４時間自由な状態で自然乾燥する。自然乾燥した試料に、再び０．００１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ＋０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ（２ｍｇ／デニール＋２００ｍｇ／デニール）の荷重を負荷し、１分間経過後の長さＬ１（ｃｍ）を測定する。次いで、０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ（２００ｍｇ／デニール）の荷重を除去し、１分間経過後の長さＬ２を測定し、次の算式で捲縮率を算出した。この測定を１０回実施し、その平均値で表した。
捲縮率ＴＣ（％）＝［（Ｌ１−Ｌ２）／Ｌ０］×１００
【００３３】
（１３）熱水収縮率ＦＳ（％）
極細仮撚加工糸に０．０４４ｃＮ／ｄｔｅｘ（５０ｍｇ／デニール）の張力を掛けてカセ枠に巻き取り、約３３００ｄｔｅｘのカセを作る。カセ作成後、カセの一端に０．００１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ＋０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ（２ｍｇ／デニール＋２００ｍｇ／デニール）の荷重を負荷し、１分間経過後の長さＬ０（ｃｍ）を測定する。次いで、０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ（２００ｍｇ／デニール）の荷重を除去した状態で、１００℃の沸水中にて２０分間処理する。沸水処理後０．００１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ（２ｍｇ／デニール）の荷重を除去し、２４時間自由な状態で自然乾燥する。自然乾燥した試料に、再び０．００１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ＋０．１７７ｃＮ／ｄｔｅｘ（２ｍｇ／デニール＋２００ｍｇ／デニール）の荷重を負荷し、１分間経過後の長さＬ１（ｃｍ）を測定し、次の算式で熱水収縮率を算出した。この測定を１０回実施し、その平均値で表した。
熱水収縮率ＦＳ（％）＝［（Ｌ０−Ｌ１）／Ｌ０］×１００
【００３４】
（１４）破断強度、破断伸度
（株）島津製作所製テンシロン引張試験機を用いて試料長２０ｃｍ、伸長伸度２０％／分の条件で引張試験を行い荷重・伸張曲線をから求めた。
【００３５】
（１５）仮撚加工断糸回数（回数／Ｔｏｎ）
実施例の条件で、延伸仮撚加工機を１週間連続運転し（１０ｋｇ巻未延伸ポリエステル糸パッケージを延伸仮撚加工し、５ｋｇ巻仮撚加工糸パッケージを２個作成する）、人為的あるいは機械的要因に起因する断糸を除き、その間に発生した断糸回数を記録し、（断糸）回数／Ｔｏｎで仮撚加工断糸とした。
【００３６】
［実施例１〜３、比較例１〜２］
ガラス転移温度（Ｔｇ）７３℃、固有粘度０．６４で酸化チタンを０．３重量％含有したポリエチレンテレフタレートペレットを１４０℃で５時間乾燥した後、スクリュー式押出機を装備した溶融紡糸設備にて溶融し、３１５℃に保たれたスピンブロックに導入し、紡糸パックで濾過し、直径０．１５ｍｍの円形吐出孔が２８８個穿設された紡糸口金から、吐出量３９ｇ／ｍｉｎ量で吐出した。
次いで、吐出されたポリマー流を、紡糸口金面から３０ｍｍの間の雰囲気が２３０℃に保たれたホットゾーンを通過せしめ、クロスフロー式紡糸筒からの２５℃の冷却風で冷却し、紡糸口金面から４２０ｍｍの位置（集束長）に設置されたメタリングノズル式給油ガイドで油剤を付与しつつ、フィラメント束として集束し、表面速度３０００ｍ／分で回転している１対（２個）のゴデットローラーで引き取り、ワインダーにて巻き取り、複屈折率０．０４５の未延伸ポリエステルマルチフィラメント（１３０ｄｔｅｘ／２８８ｆｉｌａｍｅｎｔ）を得た。
【００３７】
該ポリエステル極細マルチフィラメントパッケージを、帝人製機（株）製ＨＴＳ−１５Ｖ延伸仮撚加工機（１．０４ｍの非接触スリットヒーター装備）に掛け、先ず未延伸ポリエステル糸を解舒しつつ、各々表１に示す交絡度となるようにエアーノズルを通して空気交絡を施した。引き続き、硬度９０度、厚み９ｍｍ、直径５８ｍｍのウレタンディスクを３軸に配列した摩擦仮撚ディスクユニットに、該ディスクの回転軸に対し、糸条の走行角度が４０度となるように糸条を走行させ、撚数×（仮撚加工糸繊度（ｄｔｅｘ））^1/2＝３００００、走行フィラメント糸条温度２０６℃（Ｔｇより１３３℃高い）、ヒーター内滞留時間０．０８９ｓｅｃ．および延伸倍率１．５８の条件で延伸同時仮撚加工を施し、仮撚加工糸仕上げ油剤（主成分：鉱物油９０％）を繊維重量基準で１．８重量％付着させ、０．１８ｃＮ／ｄｔｅｘの巻取張力をかけ、７００ｍ／ｍｉｎの速度で極細ポリエステル仮撚加工糸（８３．５ｄｔｅｘ／２８８ｆｉｌａｍｅｎｔ、単糸繊度０．２９ｄｔｅｘ）パッケージとして巻き取った。得られた極細ポリエステル仮撚加工糸の品質を各々表１に示す。また、このときの仮撚加工断糸回数は各々表１の如くであった。
【００３８】
【表１】

【００３９】
［実施例４〜５、比較例３〜４］
延伸倍率を各々表２の如く変更した以外は、実施例２と同じ方法、条件で極細ポリエステル仮撚加工糸を得た。得られた極細ポリエステル仮撚加工糸の品質および仮撚加工断糸回数を各々表２に示す。
【００４０】
【表２】

【００４１】
［実施例６〜８、比較例５〜８］
延伸仮撚ヒーター出口での走行フィラメント糸条温度(Ｔｆ)を各々表３の如く変更し、延伸仮撚ヒーター長および延伸仮撚速度（巻取速度）を各々表３の如く変更し、走行フィラメント糸条のヒーター内滞留時間が各々表３となるように変更した以外は、実施例２と同じ方法、条件で極細ポリエステル仮撚加工糸を得た。得られた極細ポリエステル仮撚加工糸の品質および仮撚加工断糸回数を各々表３に示す。なお、比較例６および比較例８では、延伸仮撚時にフィラメント単糸同士の融着が頻発し、正常な極細ポリエステル仮撚加工糸を得ることができなかった。
【００４２】
【表３】

【００４３】
［比較例９］
長さ１．９０ｍの延伸仮撚ヒーターを使用し、巻取速度を１２７０ｍ／ｍｉｎ（走行フィラメント糸条のヒーター内滞留時間は０．０９０ｓｅｃ）とした以外は実施例２と同じ方法、条件で延伸同時仮撚を実施したが、運転開始直後に激しいサージングが発生し、連続運転ができなかった。
【００４４】
［実施例９〜１１、比較例１０〜１１］
巻取張力を各々表４の如く変更した以外は、実施例２と同じ方法、条件で極細ポリエステル仮撚加工糸を得た。得られた極細ポリエステル仮撚加工糸の品質および仮撚加工断糸回数を各々表４に示す。なお、巻取張力が０．０５ｃＮ／ｄｔｅｘ未満の比較例１０では、糸緩みで正常な巻取りができなかった。また、巻取張力が０．３０ｃＮ／ｄｔｅｘを超える比較例１１では、巻き締めによる紙管潰れが２５（本数）％発生した。
【００４５】
【表４】

【００４６】
［実施例１２〜１４、比較例１２〜１３］
仮撚加工糸仕上げ油剤付着量を各々表５の如く変更した以外は実施例２と同じ方法、条件で極細ポリエステル仮撚加工糸を得て、上記（９）解舒断糸回数を測定した。このときの解舒断糸回数および油剤スカム蓄積、風綿発生状態を各々表５に示す。
【００４７】
【表５】

【００４８】
【発明の効果】
本発明によれば、単糸繊度が０．５ｄｔｅｘ以下でフィラメント数が１００〜４００本である極細マルチフィラメントでありながら品質欠点の少ない極細ポリエステル仮撚加工糸を安定して製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明で用いる延伸同時仮撚加工機の一実施態様を示した模式図。
【符号の説明】
１：未延伸糸パッケージ
２：糸ガイド
３、３’：フィードローラー
４：インターレースノズル
５：延伸仮撚ヒーター
６：冷却プレート
７：摩擦仮撚型ディスクユニット
８：第１デリベリーローラー
９：第２デリベリーローラー
１０：油剤アプリケーター
１１：糸導ガイド
１２：巻取張力測定位置
１３：巻取ローラー
１４：延伸仮撚加工糸パッケージ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for stably producing an ultrafine polyester false twisted yarn having a single yarn fineness of 0.5 dtex or less and 100 to 400 filaments.
[0002]
[Prior art]
Ultra fine polyester false twisted yarns with a single yarn fineness of 1 dtex or less, when made into fabrics, have improved softness and performance such as heat retention, water absorption, and moisture absorption compared to ordinary polyester false twisted yarns. It has come to be widely used for clothing. For example, JP-A-4-194036 discloses false twisted yarn made of polyester multifilament having a single yarn fineness of 0.7 denier (0.78 dtex) or less, and has a reduced cross-sectional flatness factor and total crimp rate. An ultrafine false twisted yarn and a method for producing the same are disclosed. JP 2002-038341 A is made of polyester containing a metal-containing phosphorus compound and an alkaline earth metal compound, and the flatness coefficient and thermal stress peak value with a single yarn fineness of 0.6 dtex or less are limited. A polyester false twisted yarn with improved color depth and clarity when dyed and a method for producing the same are disclosed.
[0003]
In such ultra-fine polyester false twisted yarns manufactured by a special limited method, the limited performance is certainly improved. However, when the ordinary simultaneous untwisted false twisting of unstretched polyester is performed under such conditions, the number of single yarns increases and the fineness becomes finer. There was a problem that many fluffs or undissolved spot spots were generated on the processed yarn, and there were many quality spots such as dyed spots, which could not be used as false twisted yarn.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made against the background of the above-described prior art. The purpose of the present invention is to achieve fluff, untwisted yarn even though it is an ultrafine multifilament having a single yarn fineness of 0.5 dtex or less and a filament count of 100 to 400. An object of the present invention is to provide a method for stably producing an ultrafine polyester false twisted yarn with few spot spots and dyed spots by simultaneous drawing and false twisting.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in order to solve the problem, the present inventors have found that, in producing a polyester false twisted yarn having a single yarn fineness of 0.5 dtex or less and a filament number of 100 to 400, The polymer flow of the polyester polymer melted and discharged from (1) is passed through an atmosphere having a temperature of 100 to 300 ° C. at a distance of 0 to 40 mm from the spinneret surface, and (2) is further cooled. Then, it is converged at a position of 350 to 500 mm from the spinneret discharge surface, and (3) an unstretched polyester multifilament yarn having a birefringence of 0.03 to 0.06 is used. (4) the unstretched polyester multifilament yarn. The air is entangled so that the degree of entanglement measured with false twisted yarn is 50 to 90 pieces / m, and (5) the residence time in the drawn false twist heater is 0.052 to 0.300 s. c, stretching at a draw ratio of 1.40 to 1.70 so that the temperature of the running filament yarn at the heater outlet is 90 to 140 ° C. higher than the glass transition temperature (Tg) of the polyester polymer. Simultaneously false twisting to give false twisted yarn, (6) 1.3 to 3.0% by weight of oil based on the weight of the false twisted yarn, and (7) winding tension of 0.05 It has been found that the above-mentioned problem can be solved by "a method of winding at ~ 0.30 cN / dtex and a speed of 500 to 1200 m / min".
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail.
The polyester referred to in the present invention is a polyester in which ethylene terephthalate occupies 85 mol% or more, preferably 95 mol% or more as a repeating unit. It may be obtained by copolymerizing a component other than the terephthalic acid component and / or the ethylene glycol component in a small amount (usually 15 mol% or less with respect to the terephthalic acid component). These polyesters may contain known additives such as pigments, dyes, matting agents, antifouling agents, fluorescent whitening agents, flame retardants, stabilizers, ultraviolet absorbers, lubricants and the like.
[0007]
The intrinsic viscosity (measured using a 35 ° C. ortho-chlorophenol solution as a solvent) of the polyester used in the present invention is 0.45 to 0.70, more preferably the same as that of a polyester usually used as a fabric material for clothing. Is preferably 0.55 to 0.67.
[0008]
The undrawn yarn used in the present invention is a polyester polymer melt-discharged from the die surface, (1) an atmosphere having a distance of 0 to 40 mm from the spinneret surface and a temperature in the range of 100 to 300 ° C. And (2) after further cooling, converging at a position of 350 to 500 mm from the spinneret discharge surface, and (3) an unstretched polyester multifilament yarn having a birefringence of 0.03 to 0.06 It is a thing.
[0009]
In the above (1), when the distance of 0 to 40 mm from the spinneret surface is an atmosphere having a temperature of 100 to 300 ° C., preferably 180 to 260 ° C., the melted and discharged polymer flow is stable and uniform. High unstretched polyester is obtained. In general, when normal melt spinning is performed using a thermoplastic polymer, the polymer flow immediately after being discharged from the discharge hole swells, so-called “Balas effect”, and the discharged polymer flow can be stably spun. Is well known. However, when the polymer discharge rate is lowered to reduce the fine single yarn fineness of 0.5 dtex or less, the “Balas effect” becomes smaller and the discharged polymer causes bending, swirling, etc., and the resulting unstretched polyester multi Phenomenon that the uniformity of the filament yarn is remarkably impaired or the droplet breakage of the polymer flow occurs and the yarn breaks easily occurs. When the atmosphere (hereinafter referred to as “hot zone”) in the range of 0 to 40 mm from the spinneret surface is less than 100 ° C., the above phenomenon cannot be solved. On the other hand, when the hot zone temperature exceeds 300 ° C., the polymer streams are adhered to each other before being cooled and solidified, and a normal unstretched polyester multifilament yarn cannot be obtained. Therefore, the hot zone temperature should not exceed 300 ° C. Must be set.
[0010]
In (2), after cooling, the polyester multifilament yarn is positioned 350 to 500 mm, more preferably 380 to 480 mm from the spinneret discharge surface (hereinafter, the distance from the spinneret discharge surface to the converging position is the convergence distance). ), The fluctuation of the polymer yarn in the cooling process is reduced, and an unstretched polyester with high uniformity is obtained. When the focusing distance exceeds 500 mm, the yarn fluctuates greatly, the uniformity of the obtained unstretched polyester yarn is extremely poor, and the generation of fuzz during stretch false twisting or the level dyeing of false twisted yarn is poor. It will be a thing. When the focusing distance is less than 350 mm, the discharged polymer has not been sufficiently cooled. Therefore, contact with a guide or the like may cause yarn breakage or multifilament damage.
[0011]
Furthermore, in (3), the unstretched polyester multifilament yarn having a birefringence of less than 0.03 is embrittled when the yarn contacts the stretched false twisting heater in the simultaneous drawing false twisting process to be performed later, and the yarn breaks. Therefore, the stretching false twisting operation cannot be started. In the case of an unstretched polyester yarn having a birefringence index exceeding 0.06, it is extremely difficult to reduce the occurrence of fuzz during stretch false twisting. An unstretched polyester having a birefringence of 0.03 to 0.06 can be obtained by performing spinning take-up in the range of 2500 to 4000 m / min.
[0012]
Using the unstretched polyester multifilament thus obtained, for example, in the process as shown in FIG. 1, it is necessary to perform stretching simultaneous false twisting under the conditions satisfying the following (4) to (7). .
[0013]
First, (4) it is necessary to air entangle the unstretched polyester multifilament yarn so that the entanglement degree measured with false twisted yarn is 50 to 90 pieces / m, preferably 60 to 80 pieces / m. It is. At this time, the air entanglement can be imparted, for example, by passing through an interlace nozzle (4 in FIG. 1). When the degree of entanglement is less than 50 / m, uniform twisting and stretching over the entire multifilament are hindered, so that a large number of caterpillar-like fluffs and spots appear on the false twisted yarn. Moreover, the yarn breakage at the time of drawing false twisting also increases. When the entanglement degree exceeds 90 pieces / m, the untwisted spot and the fluff increase in the false twisted yarn. In addition, the breaking strength and elongation decrease.
[0014]
Next, (5) the residence time in the drawn false twisting heater is 0.052 to 0.300 sec, and the temperature of the running filament yarn at the outlet of the heater is 90 to 140 from the glass transition temperature (Tg) of the polyester polymer. At a temperature higher by 0 ° C., a false twisting yarn is obtained by simultaneous false twisting at a draw ratio of 1.40 to 1.70.
[0015]
In this case, for example, a simultaneous false twisting process is performed using a friction false twisting tool (7 in FIG. 1). The draw ratio needs to be 1.40 to 1.70 times, preferably 1.5 to 1.6 times. When the draw ratio is less than 1.40 times, the processing tension before and after the twisting tool becomes low, so that untwisted spots occur frequently, or unstretched portions remain and stains occur. When the draw ratio exceeds 1.70 times, fluff due to single yarn breakage or stretched false twisted yarn occurs frequently.
[0016]
Moreover, the temperature of the running filament yarn at the exit of the drawing false twist heater (5 in FIG. 1) is 90 to 140 ° C., preferably 110 to 130 ° C. higher than the glass transition temperature (Tg) of the polyester polymer. It is necessary to perform heat treatment so that the residence time of the traveling filament yarn in the heater is 0.052 to 0.300 sec, preferably 0.060 to 0.150 sec. The traveling filament yarn temperature at the exit of the drawn false twisting heater is measured on the running yarn during the drawn false twist using a commercially available non-contact type traveling object thermometer (for example, H-7508 of Teijin Engineering Co., Ltd.). be able to. When the difference between the running filament yarn temperature at the exit of the drawn false twist heater and the glass transition temperature (Tg) of the polyester polymer is less than 90 ° C, or the residence time of the running filament yarn in the heater is less than 0.052 sec. Since the fiber structure cannot be heat-set, it is not possible to obtain false twisted yarns having physical properties that are practical and crimped. If the yarn temperature is higher than the glass transition temperature (Tg) of the polyester polymer by more than 140 ° C. or the residence time of the running filament yarn in the heater exceeds 0.300 sec, the filament unit The yarns are fused together, and the yarn cannot be used as false twisted yarn. In addition, the strong elongation of the false twisted yarn is significantly reduced, and the yarn breakage and fluff at the time of drawing false twist increase. In addition, as a drawing false twist heater used for this invention, although a contact type and a non-contact type may be sufficient, a heater length of 1.0-2.5 m is preferable.
[0017]
(6) It is necessary to give 1.3 to 3.0 weight% of oil agent to the polyester multifilament yarn after the simultaneous simultaneous false twist processing based on the weight of the false twist yarn. A normal false twisted yarn is provided with an oil agent (main component mineral oil) of about 0.5 to 1% by weight on the basis of weight, but when the single yarn fineness is 0.5 dtex or less and the number of filaments is 100 or more. In order for the oil agent to uniformly cover the surface of each filament, it is necessary to apply 1.3 to 3.0% by weight, preferably 1.5 to 2.3% by weight of the oil agent. If the amount of the oil agent is less than 1.3% by weight, the yarn unwinding defect or resistance to guides in the subsequent processes such as twisting, warping, knitting, and weaving processes will increase, and the wind due to single yarn breakage or fibrillation will increase. Cotton generation is extremely high. When the adhesion amount of the oil agent exceeds 3.0% by weight, the oil agent scum accumulates in the guides in the subsequent process. The finishing oil may be applied with a roller type or a metering nozzle type oil applicator as shown in FIG.
[0018]
(7) Winding tension (measurement position: 12 in FIG. 1) is 0.05 to 0.30 cN / dtex, preferably 0.12 to 0.23 cN / dtex, and the speed is 500. It is necessary to wind up at ˜1200 m / min, preferably 600 to 1000 m / min (14 in FIG. 1). When the winding tension is less than 0.05 cN / dtex, in the case of an ultra fine multifilament having 100 or more filaments, yarn slack occurs due to resistance with a normally used yarn guide (11 in FIG. 1), and winding is impossible. Become. When the winding tension exceeds 0.30 cN / dtex, the package is tightened due to the high winding tension, the paper tube is crushed, and there is a difference in yarn quality between the inner and outer layers of the false twisted yarn package. Problems occur. Further, when the winding speed is less than 500 m / min, the productivity is inferior and it is not practical. When the winding speed exceeds 1200 m / min, a so-called surging phenomenon such as yarn swaying occurs between the drawing false twist heater and the false twisting tool or on the false twisting tool. It becomes difficult. Moreover, untwisted spots occur frequently.
[0019]
In addition, the false twisting tool used for extending | stretching false twisting can use preferably the friction false twist type disk unit which arranged the urethane disk of hardness 75-95 degree | times and thickness 5-12mm to 3 axis | shafts. The drawing false twist is preferably performed so that the running angle of the yarn is 30 to 45 degrees with respect to the rotational axis of the disk. Moreover, if false twisting conditions are set so that the number of false twists (times / m) is (25000-35000) / (fineness of false twisted yarn (dtex)) ^1/2 , generation of fluff is further reduced. Is preferable.
[0020]
The ultrafine polyester false twisted yarn thus obtained preferably has the following physical properties and can be easily obtained by the production method of the present invention.
(A) Total crimp rate TC: 2 to 5%
(I) Hot water shrinkage FS: 2.5-4.5%
(C) Breaking strength: 3.0 to 4.5 cN / dtex, breaking elongation: 15 to 35%
Polyester processed yarn with such physical properties is an ultra-fine multifilament with a single yarn fineness of 0.5 dtex or less and a filament count of 100 to 400, but it has few fuzz and untwisted spots and is excellent in uniformity (stain). Yes.
[0021]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples. In addition, each item in an Example was measured with the following method.
(1) Intrinsic viscosity Measured at 35 ° C. using orthochlorophenol as a solvent.
[0022]
(2) Glass transition temperature (Tg) of polyester polymer
A specified amount of polyester polymer is sealed in an aluminum sample pan, heated to 280 ° C. at a temperature rising rate of room temperature to 10 ° C./min under a nitrogen stream in a DSC measuring apparatus, held for 2 minutes, and then immediately taken out. The sample pan was rapidly cooled in a nitrogen atmosphere and the polymer solidified in an amorphous state. The temperature was raised again under the above conditions, and the glass transition temperature was measured from the temperature rise curve.
[0023]
(3) Birefringence Using an Olympus BH-2 polarizing microscope, the retardation and yarn diameter of a single yarn were measured by the compensator method, and the birefringence was calculated.
[0024]
(4) Temperature of running filament yarn The temperature of the running filament yarn at the outlet of the drawn false twist heater was measured using a non-contact running object thermometer (H-7508) manufactured by Teijin Engineering.
[0025]
(5) Entanglement degree The number of entanglements per meter was measured using a Rochelle interlace measuring instrument. This measurement was performed 10 times and expressed as an average value.
[0026]
(6) Using a DT-104 type fluff counter device manufactured by Fluff Toray Co., Ltd., the false twisted yarn was continuously measured at a speed of 500 m / min for 20 minutes to count the number of fluffs generated, and the number per 10 ⁶ m The notation.
[0027]
(7) Untwisted spot stretching Untwisted spot fluctuation was detected by a tension monitor attached to the false twisting machine, and the untwisted spot was generated as the untwisted spot generation above the limit value, and expressed as the number of untwisted spots per 10 ⁶ m.
[0028]
(8) Level-dyed false twisted yarn sample is made into a 30cm long tube knitting with a 12 gauge circular knitting machine, and dyed (terra seal blue GFL) is dyed at 100 ° C for 40 min. Was rated according to the following criteria.
Level 1: Uniformly dyed and scars are hardly observed.
Level 2: Striped spots are slightly observed.
Level 3: Striped spots are observed on one side.
[0029]
(9) 18 false twisted yarn packages with 5 kg unwinding yarn count were unwound at 1000 m / min, and the total number of yarn breaks up to the end of 5 kg unwinding was defined as the number of unwinding yarns.
[0030]
(10) Accumulation of oil scum In the above-described unwinding yarn frequency test, the state of the oil scum accumulated in the yarn guide was visually rated in three stages.
Level 1: Almost no oil scum is observed.
Level 2: Some accumulation of oil scum is observed.
Level 3: Oil scum is accumulated in a lump on the yarn guide.
[0031]
(11) Generation of fluff In the above-described unwinding yarn frequency test, the state of the fibrillated fiber waste (flux) accumulated around the yarn guide and its periphery was visually rated in three stages.
Level 1: Almost no fluff is observed.
Level 2: Slightly scattered cotton is observed.
Level 3: The yarn guide guide and its periphery are white with cotton.
[0032]
(12) Total crimp rate TC (%)
The extra fine false twisted yarn is applied with a tension of 0.044 cN / dtex (50 mg / denier) and wound on a cassette frame to make a casket of about 3300 dtex. After forming the case, a load of 0.00177 cN / dtex + 0.177 cN / dtex (2 mg / denier + 200 mg / denier) is applied to one end of the case, and the length L0 (cm) after 1 minute is measured. Subsequently, it is treated in boiling water at 100 ° C. for 20 minutes with the load of 0.177 cN / dtex (200 mg / denier) removed. After the boiling water treatment, the load of 0.00177 cN / dtex (2 mg / denier) is removed, and it is naturally dried in a free state for 24 hours. A load of 0.00177 cN / dtex + 0.177 cN / dtex (2 mg / denier + 200 mg / denier) is again applied to the air-dried sample, and the length L1 (cm) after 1 minute is measured. Next, the load of 0.177 cN / dtex (200 mg / denier) was removed, the length L2 after 1 minute was measured, and the crimp rate was calculated by the following formula. This measurement was performed 10 times and expressed as an average value.
Crimp rate TC (%) = [(L1-L2) / L0] × 100
[0033]
(13) Hot water shrinkage FS (%)
The extra fine false twisted yarn is applied with a tension of 0.044 cN / dtex (50 mg / denier) and wound on a cassette frame to make a casket of about 3300 dtex. After forming the case, a load of 0.00177 cN / dtex + 0.177 cN / dtex (2 mg / denier + 200 mg / denier) is applied to one end of the case, and the length L0 (cm) after 1 minute is measured. Subsequently, it is treated in boiling water at 100 ° C. for 20 minutes with the load of 0.177 cN / dtex (200 mg / denier) removed. After the boiling water treatment, the load of 0.00177 cN / dtex (2 mg / denier) is removed, and it is naturally dried in a free state for 24 hours. A load of 0.00177 cN / dtex + 0.177 cN / dtex (2 mg / denier + 200 mg / denier) was again applied to the air-dried sample, and the length L1 (cm) after 1 minute was measured. Water shrinkage was calculated. This measurement was performed 10 times and expressed as an average value.
Hot water shrinkage FS (%) = [(L0−L1) / L0] × 100
[0034]
(14) Tensile strength and elongation at break Using a Tensilon tensile tester manufactured by Shimadzu Corporation, a tensile test was performed under the conditions of a sample length of 20 cm and an elongation of elongation of 20% / min, and the load / elongation curve was obtained.
[0035]
(15) Number of false twisting yarn breaks (number of times / Ton)
Under the conditions of the examples, the drawn false twisting machine was operated continuously for one week (drawing false twisting of a 10 kg unrolled polyester yarn package to produce two 5 kg wound false twisted yarn packages). The number of yarn breaks that occurred during that time was recorded, and false twisted yarns were cut at (number of yarn breaks) / Ton.
[0036]
[Examples 1-3, Comparative Examples 1-2]
Polyethylene terephthalate pellets having a glass transition temperature (Tg) of 73 ° C. and an intrinsic viscosity of 0.64 and containing 0.3% by weight of titanium oxide were dried at 140 ° C. for 5 hours, and then melt melt spinning equipment equipped with a screw type extruder. It was melted, introduced into a spin block maintained at 315 ° C., filtered through a spinning pack, and discharged from a spinneret having 288 circular discharge holes with a diameter of 0.15 mm at a discharge rate of 39 g / min.
Next, the discharged polymer stream is allowed to pass through a hot zone in which the atmosphere between the spinneret surface and 30 mm is maintained at 230 ° C., and is cooled with the cooling air of 25 ° C. from the cross-flow type spinning cylinder. A pair of (two) godets that are focused as filament bundles and rotated at a surface speed of 3000 m / min while applying an oil agent with a metering nozzle type oiling guide installed at a position (focusing length) 420 mm from It was taken up with a roller and wound up with a winder to obtain an unstretched polyester multifilament (130 dtex / 288 filament) having a birefringence of 0.045.
[0037]
The polyester ultrafine multifilament package was applied to an HTS-15V drawing false twisting machine (equipped with a 1.04 m non-contact slit heater) manufactured by Teijin Seiki Co., Ltd. Air entanglement was performed through an air nozzle so that the degree of entanglement shown in FIG. Subsequently, the yarn is placed on a friction false twisted disk unit in which urethane disks having a hardness of 90 degrees, a thickness of 9 mm, and a diameter of 58 mm are arranged in three axes so that the running angle of the threads is 40 degrees with respect to the rotation axis of the disk. Twist number x (false twisted yarn fineness (dtex)) ^1/2 = 30000, running filament yarn temperature 206 ° C (133 ° C higher than Tg), residence time in the heater 0.089 sec. And a simultaneous false twisting process under the condition of a draw ratio of 1.58, and a false twisted yarn finishing oil agent (main component: 90% mineral oil) was adhered to 1.8% by weight based on the fiber weight, and 0.18 cN / dtex. Was wound as a package of ultra fine polyester false twisted yarn (83.5 dtex / 288 filament, single yarn fineness 0.29 dtex) at a speed of 700 m / min. Table 1 shows the quality of the obtained ultrafine polyester false twisted yarn. Further, the number of false twisting yarn breaks at this time was as shown in Table 1, respectively.
[0038]
[Table 1]

[0039]
[Examples 4-5, Comparative Examples 3-4]
An ultrafine polyester false twisted yarn was obtained by the same method and conditions as in Example 2 except that the draw ratios were changed as shown in Table 2. Table 2 shows the quality of the obtained ultrafine polyester false twisted yarn and the number of false twisted yarns.
[0040]
[Table 2]

[0041]
[Examples 6-8, Comparative Examples 5-8]
The running filament yarn temperature (Tf) at the outlet of the drawing false twisting heater is changed as shown in Table 3, the drawing false twisting heater length and the drawing false twisting speed (winding speed) are changed as shown in Table 3, respectively, and the running filament is changed. An ultrafine polyester false twisted yarn was obtained by the same method and conditions as in Example 2, except that the residence time of the yarn in the heater was changed to Table 3. Table 3 shows the quality of the obtained ultrafine polyester false twisted yarn and the number of false twisted yarns. In Comparative Example 6 and Comparative Example 8, fusion of filament single yarns frequently occurred during drawing false twist, and a normal ultra-fine polyester false twisted yarn could not be obtained.
[0042]
[Table 3]

[0043]
[Comparative Example 9]
Stretching was performed in the same manner and under the same conditions as in Example 2 except that a stretched false twisting heater having a length of 1.90 m was used and the winding speed was 1270 m / min (the residence time of the running filament yarn in the heater was 0.090 sec). Although simultaneous false twisting was performed, severe surging occurred immediately after the start of operation, and continuous operation was not possible.
[0044]
[Examples 9 to 11 and Comparative Examples 10 to 11]
An ultrafine polyester false twisted yarn was obtained by the same method and conditions as in Example 2 except that the winding tension was changed as shown in Table 4. Table 4 shows the quality of the obtained ultrafine polyester false twisted yarn and the number of false twisted yarns. In Comparative Example 10 in which the winding tension was less than 0.05 cN / dtex, normal winding could not be performed due to yarn loosening. Further, in Comparative Example 11 in which the winding tension exceeded 0.30 cN / dtex, the paper tube was crushed by winding (25)%.
[0045]
[Table 4]

[0046]
[Examples 12-14, Comparative Examples 12-13]
An ultrafine polyester false twisted yarn was obtained by the same method and conditions as in Example 2 except that the amount of false twisted yarn finishing oil adhesion was changed as shown in Table 5, and the number of times of (9) unraveling yarn was measured. Table 5 shows the number of unwinding yarns, oil agent scum accumulation, and fluff generation state at this time.
[0047]
[Table 5]

[0048]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to stably produce an ultrafine polyester false twisted yarn with few quality defects while being an ultrafine multifilament having a single yarn fineness of 0.5 dtex or less and a filament count of 100 to 400.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing one embodiment of a drawing simultaneous false twisting machine used in the present invention.
[Explanation of symbols]
1: undrawn yarn package 2: yarn guide 3, 3 ': feed roller 4: interlace nozzle 5: drawn false twist heater 6: cooling plate 7: friction false twist type disk unit 8: first delivery roller 9: second Deliberry roller 10: Oil applicator 11: Yarn guide 12: Winding tension measurement position 13: Winding roller 14: Stretch false twisted yarn package

Claims

When producing a polyester false twisted yarn having a single yarn fineness of 0.5 dtex or less and a filament number of 100 to 400, a polymer stream of a polyester polymer melt-discharged from the die surface,
(1) It is allowed to pass through an atmosphere having a temperature of 100 to 300 ° C. at a distance of 0 to 40 mm from the spinneret surface.
(2) After further cooling, focusing at a position of 350 to 500 mm from the spinneret discharge surface,
(3) An unstretched polyester multifilament yarn having a birefringence of 0.03 to 0.06,
(4) The unstretched polyester multifilament yarn is subjected to air entanglement so that the degree of entanglement measured with false twisted yarn is 50 to 90 pieces / m,
(5) The residence time in the drawing false twisting heater is 0.052 to 0.300 sec, and the temperature of the running filament yarn at the heater outlet is 90 to 140 ° C. higher than the glass transition temperature (Tg) of the polyester polymer. In such a manner, a false twisted yarn is obtained by simultaneously drawing a false twist at a draw ratio of 1.40 to 1.70,
(6) Applying 1.3 to 3.0% by weight of oil based on the weight of the false twisted yarn,
(7) A method for producing an ultra-fine polyester false twisted yarn, wherein winding is performed at a winding tension of 0.05 to 0.30 cN / dtex and a speed of 500 to 1200 m / min.