JP4023999B2 - 粉末冶金を用いた自己ろう付け成形部品の製造方法、自己ろう付け成形部品の組付け方法、並びに、ガス・タービンの修理方法 - Google Patents

粉末冶金を用いた自己ろう付け成形部品の製造方法、自己ろう付け成形部品の組付け方法、並びに、ガス・タービンの修理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、粉末冶金を使って、自ろう付けにより、受け取り可能な金属部品を組付ける成形部品と、当該受取可能金属部品とを製造する方法に関する。
【0002】
また、本発明は、そのような成形部品を受取可能金属部品に組付ける方法に関する。
【0003】
本明細書の以下では、「自ろう付け」という用語は、受取可能金属部品の上に成形部品を自にろう付けすることを意味し、ろう付けをもたらす元素は成形部品内に含まれている。
【0004】
金属部品の上に成形部品を自ろう付けする操作は、固体状態での拡散熱処理を含み、又は、その処理に続けてろう付け拡散と一般的に呼ばれるものを構成することも可能である。その処理は、成形部品と、自ろう付けによって連結された領域との組成及び構成を均質化しようとするものである。
【0005】
【従来の技術】
EP 0 075 497には、例えばガス・タービン用に超合金で作られた構成要素のような金属部品を、ろう付け拡散によって組付ける方法が開示されている。その方法は、超合金に相当する全ての構成物の連結層を、組付けられる表面の間に介在させること、及び、この組付け部分の上でろう付け拡散処理を実行することである。
【0006】
連結層は、二種類の合金粉末、即ち第1粉末と第2粉末とをよく混ぜ合わせた物である。第1粉末は「基礎粉末」と呼ばれ、超合金の粉末である。第2粉末はNi−Co−Si−B(ニッケル、コバルト、ケイ素、及び炭素)の合金であり、その合金の液相線温度は機械部品及び基礎粉末の固相線温度より低い。
【0007】
ろう付けする粉末の融解温度が相対的に低いことは、Si(ケイ素)及び/又はB(ホウ素)の含有量によってもたらされる。
【0008】
本明細書の以下では、「融解元素」という用語は、ケイ素又はホウ素のような元素を意味し、それに限定されるものではなく、その元素を内部に導入した合金の固相線温度をかなり低くしている。
【0009】
ろう付け拡散の作用は、ろう付け粉末が融解して基礎粉末粒子の間で流れ、多孔性を急速に低下させ、そして使用された粉末容量を除いてコンパクトな連結層を得ることができるような温度で実行される。
【0010】
次に、融解元素、又は、元素B(ホウ素)及びSi(ケイ素)を拡散するように、温度の適用が維持される。そのような拡散から生じた組成を均質化することは融解領域の液相線温度を上昇させ、その温度を維持している間に、融解領域が凝固し、そして、拡散が固体の中で継続する。
【0011】
ろう付け拡散操作の最後では、組付け部品の間に切れ目の無い均質且つ高密度な構造が得られる。
【0012】
同じ文献EP 0 075 497には、ニッケル又はコバルトに基づいて作られた超合金への適用の幾つかの例が挙げられている。
【0013】
その例の1つは、固定タービン・ブレードの作り直しに関する。その固定タービン・ブレードは、AFNOR(フランス工業規格化協会)命名法によれば、コバルトに基づいて作り上げられた合金KC25NWから形成され、そして熱的疲労でクラックを生じる。
【0014】
そのため、Co超合金の基礎粉末と、Ni−Co−Si−B合金のろう付け粉末と、揮発性の結合剤とをよく混合した物を含んだペーストが、既に洗浄され、及び/又は、広げられたクラックの中に塗布される。
【0015】
結合剤は、後者におけるモノマー(単量体)内でアクリル樹脂の溶液を含んだ種類であり、1200℃でのろう付け拡散処理の間に、熱分解によって除去される。
【0016】
また、文献EP 0 075 497は、ペーストの代わりに、基礎粉末、ろう付け粉末、及び、アクリル樹脂をよく混合した物を薄層化することで得られるストライプ(帯)又はテープに適用可能であることを考慮している。
【0017】
また、文献EP 0 075 497は、基礎粉末とろう付け粉末との混合物から得られた予備燒結ブランク(半完成品)の形態で簡単な形状の基礎部品の上に、連結層として作用する予備焼結ブランクの表面を付け足し可能であることを考慮している。
【0018】
当該文献は、特に応用として、中空のタービン・ブレード上でハブ支持孔を塞ぐことに言及している。そのタービン・ブレードは、AFNOR命名法に依る合金NK15CADTから作られ、鋳造工場から出荷される。そのため、その孔の中にはプラグが導入される。そのプラグは、AFNOR命名法に依る合金NK17CDATの基礎粉末の75量%と、Ni−Co−Si−B合金のろう付け粉末の25量%とを含んだ予備燒結ブランクから成り、自己ろう付けが1200℃で15分間実行される。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
それにもかかわず、上記の文献で開示された方法を用いると、ある程度の制限を受ける。
【0020】
基礎粉末及びろう付け粉末に加えて、分解を要する結合剤と、ろう付け拡散の間に除去しなければならない結合剤の分解生成物とを含んだペースト又はテープを使用すると、結合剤の熱分解から生じる大量ガスを除去できる炉を使用しなければならない。このような炉は、約1200℃で且つ大体真空下で生じるろう付け拡散にあまり適していない。
【0021】
解決すべきもう一つの問題は、予備燒結ブランクの形態で基礎部品を生成することである。文献EP 0 075 497は、そのようなブランクを生成する何らの方法も示さず、そして簡単な形状だけを予想している。
【0022】
ブランクを形作ることは、一軸性の低温減容化によって予想されるかもしれないが、この方法によって粉末粒子同士の間、又は、粒子と減容化金型の壁との間の摩擦のため、均質密度の非常に僅か又は薄い形状を生成することが不可能である。更に、摩擦を制限するために、ステアリン酸亜鉛タイプ又は類似タイプの潤滑剤が、粉末に対する添加剤として用いられている;これらの潤滑剤は亜鉛をブランク内に注入することができ、この元素は超合金の耐用年数に悪影響を及ぼしている。
【0023】
実際には、ブランクを形作る他の方法が、回転基板上へ噴霧するプラズマと、レーザに依るテープの切断とのように、使用されている。
【0024】
プラズマを噴霧することによって、回転、即ち回転している円筒状の主軸の上へ金属粉末を噴霧することで得られた管状のブランクを生成できる。このような方法の生成量は非常に少ない。噴霧された金属粉末の極めて高いコストを考慮すれば、噴霧された粉末の約90%が、回転している主軸上以外のところに噴霧され、それによって、ブランクの生成コストに激しく影響を及ぼしている。更に、この方法は、ブランクの端部に清潔な縁を確保できず、再切断を必要とし、そして部品コストを一層上昇させている。
【0025】
鋳込成形で得られたテープのレーザ切断、即ち溶媒と焼結との除去によって、相対的に薄くて平坦な部品を得ることしかできない。しかしながら、レーザ切断で生じた損失は大きく、そして使用された材料の3分の2に相当している。
【0026】
粉末冶金で得られた予備焼結ブランクを自己ろう付けすることによって強化することが、ガス・タービンにおけるフィンのうち固定して面する摩擦部品の生成に関するUSP4,937,042に、開示されている。ブランクは、Siを含まないM−Cr−Al又はM−Cr−Al−Yタイプの第1超合金粉末と、Siの約10量%を含んだM−Cr−Al−Siタイプの第2超合金粉末との混合物から成る。元素Siは融解元素であり、Mは元素Co、元素Ni、又はこれら二つの元素の組合せを意味する。ブランクは、第2超合金粉末の固相線温度より低い温度で予備燒結されている。
【0027】
超合金の低い燒結能力を考慮すれば、そのような予備燒結で生じられる強化は、きわめて限られる。それ故、このようにして得られたブランクを容易に取り扱えない。
【0028】
本発明でなされた試みは、自ろう付けによって受取可能金属部品に組付けられる成形部品を生成することである。その成形部品は、非常に変化に富んで、且つ一層複雑な形状にすることができ、相対的に精確な寸法特性を備え、そして高い生産量を有する粉末冶金方法によって得られる。即ち、得られた成形部品と、このようにするために利用された金属粉末との質量比率が1に近い。
【0029】
また、本発明でなされた試みは、1に近くなるように制御された相対密度を有し、且つ、耐久力特性のために有害元素、即ち「毒」を含まない成形部品を生成することである。1の密度は部品の容積内で均質化している。
【0030】
また、本発明でなされた試みは、長さと幅との比が例えば少なくとも5である相対的に細長い固体成形部品と、直径と厚さとの比が例えば少なくとも10である相対的に薄くて中空の成形部品とを生成することである。
【0031】
本発明の目的は、先ず、自ろう付けによって受取可能金属部品に組付けられる成形部品を製造するため粉末冶金を使った方法である。
【0032】
その方法は二種類の金属粉末、即ち第1粉末と第2粉末とを使用している。第1粉末は「基礎粉末」と呼ばれ、望ましい冶金特性を得ることができる。第2粉末は「ろう付け粉末」と呼ばれ、含有物に融解元素を含んだ合金から成り、そして融解元素の液相線温度が基礎粉末の固相線温度より低くなるようにしてある。基礎粉末は、その化学組成内で融解元素の自発的な追加を何ら含んでいない。
【0033】
必要ならば、基礎粉末の化学組成は、粉末の混合物から得ることができる。
【0034】
基礎粉末及び溶融粉末の化学組成によって、融解粉末の液相線温度より高く、且つ、基礎粉末及び受取可能金属部品の固相線温度より低い自ろう付け温度を確定することができる。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る方法は次の順序の工程を含んでいる。
【0036】
a)基礎粉末と、ろう付け粉末と、液体の結合剤との均質な混合物が調製される。
【0037】
結合剤によって、ここでは、金属粉末粒子を互いに結合させて均質な外見の混合物を形成することを可能とする1つ又は一群の構成成分が理解される。
【0038】
本明細書の以下では、結合剤は、例えば、金属粉末の拡散及び懸濁を容易にし、又は、混合物の他の特性を向上させようとする添加剤を含むことも可能である。
【0039】
結合剤に関しての限定形容詞である「液体」は融解状態を含み、粘性によって特徴づけられる様々なコンシステンシー(セメントなどに水を加えた時の軟らかさ(軟度)又は可塑性を意味する語)に対応している。
【0040】
結合剤は、所望のコンシステンシーを得ることができるように選択される。それによって、例えば液体状態と逆の形状を保持することができる状態を推測することが理解される。
【0041】
b)このようにして調製された混合物は、前記混合物に適当な圧力を利用している間に、生成される成形部品の型の中に注入される。
【0042】
その方法に起因する寸法変化、即ち、当業者が経験から予測でき、又は、予備テストから考察できる寸法変化を考慮すれば、型の幾何学的形状が、生成される成形部品の幾何学的形状に適合される。
【0043】
結合剤のコンシステンシーを得るように、射出成形が温度、注入圧力、及び時間の条件で維持される。
【0044】
c)ひとたび結合剤が変化しなくなると、成形されたブランクが型から除去される。
【0045】
d)公知の適当な方法、即ち、例えば物理的、熱的、又は化学的な方法のような方法の組み合わせによって、結合剤が、成形されたブランクから除去される。この工程が「結合剤の除去」と呼ばれ、結合剤の除去から現れるブランクが「結合剤を除去した状態」と呼ばれている。
【0046】
e)結合剤を除去した状態で、ブランクは、少なくとも95%の相対密度まで密にする焼結処理にさらされる。ろう付け粉末の液相線温度より高いが、その後の自ろう付け処理の温度より低い温度で燒結が実行される。
【0047】
最低燒結温度に関する条件によって、燒結能力の低い基礎粉末の場合でさえも、1に近い相対密度を有する成形部品を得るのに必要な液相内で燒結を確保することができる。燒結後の高密度によって、自ろう付けの間に寸法変化を制限することができる。
【0048】
最高燒結温度に関する条件によって、自ろう付けの間に成形部品を受取可能金属部品に確実に組付けるのに十分な液相の量の形成を確保できる。
【0049】
ろう付けの条件自身は、このタイプの組付けの技術分野における当業者には公知である。
【0050】
本発明の方法における工程の順序、即ち、射出可能な混合物の調製、成形、取り出し、結合剤の除去、及び、燒結は、粉末金属材料の射出成形の方法、即ち、MIM、要するに、「金属射出成形」の略語によって示される方法における工程の順序に概念的に対応している。
【0051】
このようなMIM方法の変形例が、例えば、USP4,197,118と、WO88/07902と、WO88/07903とに開示されている。
【0052】
10〜20年前に出願されたこれらの特許文献に開示されたMIM技術は、極めて1に近い相対密度を有する完成部品を生成するために用いられ、そして、当業者は、今日まで、これらのMIM技術を取り入れてMIM技術に起因する製品に関連した特性と異なる特性を有する構成部品を得るために、全然努力を払わなかった。本発明の方法によって得られた製品は、「半完成」であり、完全に高密度でなく、使用時に部分的な融解を受けている。
【0053】
本発明の方法が、Ni、Co又はFeを基にして作られた超合金の基礎的な金属粉末に、好都合であるが限定せずに、適用されている。その時、ろう付け粉末はNi、Co又はFeの合金であり、同時にその合金の中では融解元素がSi、B、又はこれら両元素である。
【0054】
好ましくは、元素Siが単独で、又は、融解元素としての組合せで用いられた場合には、ろう付け粉末はSiの2〜12量%を含有している。
【0055】
好ましくは、元素Bが単独で、又は、融解元素としての組合せで用いられた場合には、ろう付け粉末はBの1〜5量%を含有している。
【0056】
好ましくは、ろう付け粉末の合金が、Ni−Si、Ni−B、Ni−Co−Si、Ni−Co−B、Ni−Co−Si−B、Ni−Cr−Al−Si、Ni−Co−Cr−Al−Si、Ni−Cr−B、Ni−Co−Cr−Bの合金から選択される。
【0057】
ろう付け粉末の合金内には、使用された基礎粉末と、合金を調製する方法とを考慮すれば、不特定の元素が通常の含有量の中に存在している。
【0058】
好ましくは、二つの金属粉末の全量に関して、ろう付け粉末の量%は5〜40であり、二つの金属粉末の性質に依存している。
合には、ろう付け粉末はBの1〜5量%を含有している。
【0059】
更に好ましくは、金属粉末の装填率は、結合剤と一緒に生成された混合物の少なくとも50体積%である。
【0060】
上に述べたように、本発明の方法では、MIM方法の異なる変形例を好都合に利用することも可能である。
【0061】
本発明の方法における第1変形例によれば、型内のブランクのコンシステンシーを得るメカニズムは、結合剤の状態の物理的な液体−固体変化であるかもしれない。その結合剤は、前記状態変化の温度より低い温度で型を維持することによって得られる。
【0062】
もちろん、起こり得る超冷却現象にも関わらず、結合剤の固化を生成するように、そして、結合剤内で任意の添加剤の存在の影響を考慮している間に、型の温度が選択される。
【0063】
本発明の方法におけるこの第1変形例のサブ変形例によれば、結合剤が、熱可塑性樹脂であることも可能であるし、又は、熱可塑性樹脂を含むことも可能である。その時、結合剤及び(又は)金属粉末の混合物は、結合剤の融解温度より高い温度で調製され、そしてこの融解温度より高い温度でも型の中に注入されている。
【0064】
本発明の方法における第1変形例の他のサブ変形例によれば、結合剤が、周囲温度で水性系又は非水性系の液体であることも可能である。金属粉末と一緒に調製される混合物は、結合剤の固化温度より低い温度まで冷却された型の中に注入される。
【0065】
このサブ変形例において結合剤を除去する工程は、結合剤の凍結乾燥又は昇華の作用を含んでいる。
【0066】
本発明の方法における別の変形例によれば、結合剤は熱硬化性樹脂であり、結合剤のコンシステンシーを得るメカニズムは、例えば、加熱された型の中で熱硬化性樹脂の促進重合である。
【0067】
本発明の方法における更に別の変形例によれば、結合剤は、射出成形の工程の間に利用されたゾル−ゲル反応を行うことができる。その時、結合剤を除去する工程は、結合剤を、即ちその本質的な構成成分を溶液に戻す作用を含んでいる。
【0068】
好都合なことには、本発明のこれら異なる変形例では、結合剤を除去する工程は、結合剤の少なくとも1つの構成成分を溶液にする操作を含むことも可能である。その操作は、1つ又は複数の構成成分の溶における化学的作用によって行われる。
【0069】
結合剤がポリマーを含む時、結合剤を除去する工程は、好ましくは、特定の薬剤の化学的作用及び/又は触媒作用によって、前記ポリマー(重合体)の解重合の作用を含むことも可能である。
【0070】
更に好ましくは、結合剤を除去する工程は二つ以上の操作を含み、最終的な操作は、結合剤を熱的に除去する操作である。
【0071】
この場合、非常に好ましくは、結合剤を熱的に除去する操作は、金属粉末の強化開始、即ち金属粉末の「予備燒結」を確保する温度まで続く。この予備燒結によって、結合剤を除去した状態で、破損の危険を生じさせずに、ブランクを取り扱うことができ、その後に、ブランクが焼結工程によって密にされる。
【0072】
本明細書の以下では、「燒結」という用語は、結合剤を除去した状態で「ブランク」を、多孔性の低い自ろう付け成形部品に変形する作用のために残しておかれている。自ろう付けの間、残された多孔性の除去と焼結との物理的過程が成形部品の中で続くことが知られている。
【0073】
結合剤を除去した状態で、ブランクの予備燒結を可能にするため、結合剤の熱的な除去は、ろう付け粉末の融解範囲内の温度で、且つ、非常に好ましくは、その範囲のうち低い方の半分内で終了させられる。
【0074】
更に好ましくは、燒結の工程は、その後の自ろう付け作用の温度より約50℃低い温度で実行される。
【0075】
選択的に、結合剤を熱的に除去する操作と、燒結の工程とが、これら二つの操作又は工程の間で周囲温度に戻ることなく、同じ炉の中で連続的に実行される。
【0076】
燒結後に得られた成形部品は、受取可能金属部品に嵌合でき、且つ、密で固い自ろう付け組立品を生成できるように、機械加工によって殆ど又は全く寸法修整を必要としない非常に規則正しい寸法を有している。
【0077】
結合剤の除去の間に、結合剤を強制的に除去するため、本発明の方法に起因する成形部品は、使用される金属粉末を構成する化学的元素以外のいかなる化学的元素も含んでいない。
【0078】
また、本発明は、本発明に依る製造方法によって得られた自ろう付け成形部品を、航空機用又は地上用ガス・タービンの超合金構成要素である受取部材に組付ける方法にも及んでいる。
【0079】
この組付け方法によれば、基礎粉末を構成する合金は、受取可能金属部品の超合金と適合するように選択され、成形部品は、受取可能金属部品と接触して、又は、受取可能金属部品から僅かな隙間を置いて配置されることにより、受取可能金属部品に予備組付けされる。そのため、成形部品と受取可能金属部品におけるその対向部との形状及び寸法に関して公知の条件を課すことも可能である。
【0080】
それから、これら二つの部品に依る予備組立品が、自ろう付けを実行するために、ろう付け粉末の液相線温度より高く、且つ、基礎粉末及び受取可能金属部品の固相線温度より低い温度までもたらされる。
【0081】
好ましくは、特に、上述の方法を部品の修理に適用している間に、自ろう付け処理が、化学元素、特に1つ又は複数の融解元素を拡散しようとする拡散処理によって、直接続けられ、又は、周囲温度に戻された後に続けられ、そして修理された領域の構造を均質化する。
【0082】
以下の図面は、成形部品の1例と、本発明の製造及び組立方法を実施するための数例とを示しているが、これらの例に限定されるものではない。
【0083】
【発明の実施の形態】
図1は、ニッケルを基礎にした超合金で作られた管状の自ろう付け主軸(ブッシュ)1を示している。
【0084】
その外径Dは12mmのオーダーであり、その厚さeは0.6mmのオーダーである。それ故、自ろう付け主軸は、20のオーダーの高さ比D/eを備えた薄い部品である。その高さhは10mmのオーダーである。
【0085】
ろう付け主軸が、商品名ルネ77(NK15CDATタイプのNi合金)を有する超合金で作られた航空用ガス・タービン・ブレードにおける目に見えない孔の中に自ろう付けされるので、外径の許容誤差が非常に密、即ち数百分の1mmのオーダーである。それによって、自ろう付け主軸を完全に中心に置け、自ろう付けの間に幾何学的歪みを制限し、そして受取可能金属部品、即ちガス・タービン・ブレードへの接続を容易にするにしている。
【0086】
ろう付け主軸1は、二種類の金属粉末、即ち基礎粉末Aとろう付け粉末Bとの使用により、本発明に依る粉末冶金法によってニッケルを基礎にした超合金で作られている。
【0087】
基礎粉末Aは、商品名アストロロイ(AFNOR命名法に依るNK17CDAT)を有する公知の合金粉末である。この材料は、特に固相線温度と機械的特性とから見て、ブレードのルネ77と完全にコンパチブルである(適合する)。
【0088】
基礎粉末Aの固相線温度は1240℃である。その液相線温度は1280℃である。
【0089】
アストロロイ粉末の燒結を行い、及び、ブレードとの自己ろう付けを行うために用いられたろう付け粉末Bは、Coを17量%、Siを4量%、Bを2.7量%含んだNi−Co−Si−B合金である。
【0090】
ろう付け粉末Bの固相線温度は965℃である。その液相線温度は1065℃であり、基礎粉末Aとブレードとの固相線温度より低い。
【0091】
これらのデータによって、1200℃の自ろう付け温度を確定できる。この温度は、ろう付け粉末の液相線温度より高いが、ルネ77で作られたブレードとアストロロイ粉末Aとの固相線温度より低い。
【0092】
図2は、本発明に依る方法を実行する第1変形例を示している。
【0093】
二つの金属粉末A及びBは、アルゴンで粉々にされた球形の粒子を備えた粉末である。等級分けしたそれぞれの粒子サイズは53μmより小さい。
【0094】
二つの金属粉末A及びBは不活性雰囲気中で互いに予備混合される。二つの金属粉末A及びBの予備混合は(A+B)で示される。
【0095】
アストロロイ粉末Aとろう付け粉末Bとの量比は3:1であり、それは二つの金属粉末の予備混合(A+B)における粉末Bの25量%に対応している。
【0096】
この第1変形例に依れば、ペースト状の混合物は、不活性ガス下でのミクサー内で約180℃で融解された結合剤Lを有する二つの予備混合された金属粉末(A+B)から調製される。
【0097】
結合剤Lは、ワックスCと、例えばポリエチレン系又はポリプロピレン系の熱可塑性樹脂Rとの混合物を含んでいる。
【0098】
混合物内の金属粉末(A+B)の体積装填率は70%である。
【0099】
得られた均質混合物は冷却され、すり砕かれて粒になる。
【0100】
金属粉末の粒子に固化した結合剤を塗っているので、周囲温度で何ら問題もなく、得られた粒を取り扱い、そして貯蔵することも可能である。
【0101】
次の射出成形の工程では、顆粒は、合成材料で作られた物を射出成形するタイプのプレス機におけるアルキメデス・スクリュー内に導入される。アルキメデス・スクリューは、約180〜200℃まで加熱され、顆粒の結合剤を融解して金属性ペーストを得るようにしている。金属性ペーストの粘度は、10〜10 センチ・ポアズ(cpoise)の間であり、それ故に、アルキメデス・スクリューによって型の中に注入されるのに適している。
【0102】
工具鋼で製造された型は二つの部品から成り、その二つの部品は接合面によって一方を他方で支えている。顆粒を一方の部品の上に配置すると、他方の部品が、アルキメデス・スクリューによって金属性ペーストを注入する管状の空洞、又は、インプレッション(彫込み)を画定する。
【0103】
ブランクが次の製造作用の間に寸法変化を、特に燒結の間に収縮を受けるので、型におけるインプレッションの寸法が、生成される自ろう付け主軸の寸法と係数を除いて同じである。
【0104】
従って、図1内の自ろう付け主軸の場合には、インプレッションが、自ろう付け主軸の寸法を1.15倍した値に等しい寸法を有している。
【0105】
収縮は等方位性でないかもしれない。即ち、型寸法を画定するために、その方向に応じて異なる収縮係数を適用している。
【0106】
必要ならば、特に、使用された結合剤と金属粉末との特性と、混合物内の金属粉末の装填率と、燒結条件との影響を考慮する何らかの予備テストによって、当業者はこのような寸法変化を予測できる。
【0107】
約1分間でインプレッションの適切な装填と、金属性ペーストの固化とを可能にするために、型は45℃のオーダーの温度で維持されている。
【0108】
ひとたびブランクが固化すると、型の二つの部品が分離され、ブランクがインプレッションから取り出される。
【0109】
型の製造には、成形されたブランクを傷めずに取り出すことができるという制約を考慮に入れるが、射出成形の分野でその制約が公知であることを考慮するべきである。
【0110】
図2に依る方法の次の工程は結合剤の除去であり、その除去は二つの連続操作によって実行される。
【0111】
第1操作は、ヘキサンであり、結合剤のワックスを溶かす溶剤の作用によって、化学的に結合剤を除去すること(DCS)である。この結合剤の除去は、液浸によって気相及び液相内で実行される。
【0112】
行われる結合剤の除去の第2操作は、水素雰囲気下の炉内で熱的に結合剤を除去すること(DT)である。
【0113】
この第2操作は、まず、ヘキサンによって融解しない熱可塑性樹脂の熱分解が生じる場所で、温度上昇と、それに次ぐ約400〜500℃での維持とを含んでいる。
【0114】
水素添加された媒質内での熱分解によって、結合剤の残留物は殆ど残らない。
【0115】
この時点で、ブランクはきわめて多孔質であり、その孔は結合剤の除去によって自由な容積を取っている。金属粉末の粒子の間には弱い粘性のみが存在している。即ち、そのことは、ブランクが衝撃に敏感であり、そして容易にブランクを取り扱えないことを意味している。
【0116】
それから、結合剤を除去した状態でブランクの予備燒結を実行するために、熱的な結合剤の除去を行う炉内の温度を1000℃まで上昇させる。ろう付け粉末Bの固相線温度(965℃)より高く、且つ、その融解範囲の1/3に置かれたこのような温度で、ろう付け粉末Bは一部分で融解し、ろう付け粉末Bから液相が、未融解の粉末粒子の表面、特に基礎粉末Aの表面に浸透し、粒子の間に金属性橋かけ(橋状結合)を形成し、それによって構造の強化を達成している。
【0117】
ブランクは約10分間1000℃で維持され、それから周囲温度まで冷却される。
【0118】
低い温度、即ちろう付け粉末Bの固相線温度より僅かに低い、例えば950℃での予備燒結によって、金属性橋かけを形成することはできない。そして、ブランクの非常に薄い厚さ、即ち1mm以下を考慮すれば、ブランクがあまりにも壊れ易いので、その後に取り扱うことができない。
【0119】
1000℃以上の高い温度で予備燒結すると、予備燒結の段階で非常に多くの液相が形成される。
【0120】
また、1000℃までの温度上昇を相対的にゆっくりすると、予備燒結の品質に影響を与える。1時間当たり500℃のオーダーでの温度上昇の速度によって、満足な結果が与えられる。
【0121】
結合剤を熱的に除去するこのような作用の後に、ブランクが真空の燒結炉内に導入される。
【0122】
800℃までの段階的な温度上昇によって、それから1150℃までの温度上昇、即ちろう付け粉末Bの液相線温度より高く、且つ、ルネ77で作られたブレード上で自ろう付け主軸を自ろう付けするのに予想される温度より50℃低い温度によって、焼結を実行する。
【0123】
ろう付け主軸は15分間1150℃で維持される。これらの条件は、部品の強制緻密化を96%以上まで得るのに十分であり、そして自ろう付けの間に液相形成の十分な可能性を保有している。
【0124】
周囲温度まで冷却した後に、管状の自ろう付け主軸が、炉内へのアルゴンの導入によって加速(促進)され、検査され、そして、もし必要ならば、特にその外径が粒径の使用に対して余りにも大き過ぎるかどうかを調整することによって修整される。
【0125】
図3は、図1内での管状のろう付け主軸を製造するための第2変形例を示している。
【0126】
融解した結合剤Lと一緒に予備混合された同じ二つの金属粉末(A+B)から、均質な混合物を調整する。結合剤Lは、この時には、熱可塑性樹脂、即ちポリアセタールを含み、金属粉末の装填率は混合物内で65体積%である。混合物は第1変形例の場合と同様に顆粒状にされている。
【0127】
第1変形例と同様に、結合剤が融解するまで、顆粒は加熱され、射出成形用のプレス機の型内に導入される。
【0128】
型から取り出した後に、固化成形されたブランクに対して、気体のHNOによって110℃で触媒作用の結合剤除去、即ちDCaが行われる。
【0129】
この薬剤は、吸い出された気体のモノマー(単量体)、即ちホルムアルデヒドに変えられたポリアセタールを解重合する。
【0130】
結合剤における触媒作用の除去を行うこの工程によって、殆ど完全に結合剤を除去でき、従って、結合剤を熱的に除去する作用が不要になる。
【0131】
それから、結合剤を除去した状態でのブランクは、第1変形例の場合と同様に、1150℃の真空下の炉内で直接燒結される。
【0132】
図4は、図1における管状のろう付け主軸を製造するための第3変形例を示している。
【0133】
ここでは、周囲温度の時に液体である結合剤Lと一緒に予備混合された同じ金属粉末(A+B)から、混合物を調製する。
【0134】
結合剤Lは水性系又は非水性系でも可能である。
【0135】
水性系を用いた場合には、結合剤の主成分は水であり、水への添加剤は金属粉末粒子の拡散及び懸濁を向上させ、周囲温度での混合物の粘性を調整することを可能とし、又は、凍結防止用の役割を有している。文献WO88/07902はこのような水性系を開示している。
【0136】
こうして、水性系Lと金属粉末(A+B)における60%のオーダーの装填率とを備えて構成された金属性泥しょう(固体粒子の懸濁液)は、10〜10センチ・ポアズの粘性を有し、そして射出成形前に閉じた容器の中に保存することも可能である。
【0137】
次に、射出成形操作が、−40℃又はそれ以下の温度まで冷却された工具鋼で作られた型の中において実行される。
【0138】
EP 587 483は、そのような泥しょうを射出するプレス機と、特に、プレス機の射出ヘッドとを開示している。
【0139】
EP 626 224は、インプレッションの表面、又は、型の接合面のつや消し仕上げをすることなく、周囲温度以下の温度でこのような泥しょうの成形を実行する装置を開示している。
【0140】
WO88/07903では、水性系への添加剤として非水性系を用いることが開示されている。
【0141】
例えば、金属粉末を拡散させるための分散剤と、混合物の粘性を調整するためのコロイドとのような添加剤と一緒にシクロヘキサンを用いることができる。
【0142】
この場合には、型は、−20℃のオーダーの温度で維持されている。
【0143】
結合剤Lが水性系又は非水性系であろうと、泥しょうの固化の後に型から取り出された金属性冷凍ブロックは低温に保たれ、それから二つの操作で結合剤が除去される。
【0144】
結合剤を除去する第1操作は公知の凍結乾燥操作であり、この操作の間に水又はシクロヘキサンが昇華によって除去される。
【0145】
結合剤を除去する第2操作は熱的な結合剤の除去である。熱的な結合剤の除去によって、凍結乾燥の間に除去されなかった水又はシクロヘキサンへの添加剤を燃焼させることができる。
【0146】
熱的な結合剤の除去は、図2の変形例の場合と同様に行われ、また、最終的に1000℃まで温度上昇させることで得られたブランクを予備燒結させることを可能にしている。
【0147】
また、燒結工程は、図2の変形例の場合と同様に実行される。
【0148】
本発明に依る自ろう付け成形部品を製造する方法は、もちろん、上述した変形例に限定されない。
【0149】
本発明に従い、図2の変形例によって製造された、図1における管状の自ろう付け主軸の上で得られる結果は以下のようである:
燒結された自ろう付け主軸の絶対密度は7.83、又は、相対密度は98%であり、
ろう付け主軸の炭素含有量=0.03%であり、
粒子の大きさ=ASTM(アメリカ材料試験協会)E112の指定に依るNo.6.5であり、
内径の通常の偏差=0.01mmであり、
内径の円形の平均偏差である。
【0150】
但し、円形の偏差は、同じ部分での最大径と最小径との差に等しいように取られている。平均偏差は、同じ材料の部品における偏差の平均に等しいようにとられている。自ろう付け主軸の高さの25%で測定された内径上の円形の平均偏差は0.02mmである。自己ろう付け主軸の高さの75%で測定された内径上の円形の平均偏差は0.03mmである。
【0151】
ここで、本発明に従い、同じ例によって組付ける方法を急いで説明する。
【0152】
ルネ77超合金で作られたタービン・ブレード内に、非常に精密な径、例えば、数百分の1mmの許容誤差を備えたボーア(孔)が生成されている。そして、もし必要ならば、図1における自ろう付け主軸の外径が修整されて、ブレードのボーアへ強制的な嵌合を可能とされている。
【0153】
それから、強制嵌合の予備組立品は、真空下で1200℃にもたらされ、15分間この温度で維持され、そして周囲温度まで冷却される。
【0154】
この時、得られた組立品の品質を検査することができる。
【0155】
また、自ろう付け炉内で、又は、周囲温度まで戻された後に続けて、1200℃で2時間、固体内で拡散処理を実行することも可能である。
【0156】
最後に、生成された組立品上で良質の熱処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 超合金で作られた管状の自ろう付け主軸のタイプにおける自ろう付け成形部品を示す図である。
【図2】 図1内の自ろう付け主軸の発明に従った製造方法における第1変形例の各工程を示す線図であり、第1変形例が熱可塑性樹脂を用いた場合である。
【図3】 図1内の自ろう付け主軸の本発明に従った製造方法における第2変形例の各工程を示す線図であり、第2変形例が熱可塑性樹脂を用いた場合である。
【図4】 図1内の自ろう付け主軸の本発明に従った製造方法における第3変形例の各工程を示す線図であり、第3変形例が、周囲温度で液体になる結合剤を用いた場合である。
【符号の説明】
1 管状の自ろう付け主軸(ブッシュ)
e 厚さ
h 高さ
A 基礎粉末
B ろう付け粉末
C ワックス
D 外径
L 結合剤
R 熱可塑性樹脂

Claims (22)

  1. 粉末冶金を用いて、特定温度での自己ろう付けにより、超合金から作られた受取可能金属部品に組付けられるタイプの成形部品を製造する方法であり、
    所望の冶金特性を得ることが可能であり、且つ、融解元素を含まない合金から作られて「基礎粉末」と呼ばれる第1粉末と、
    含有物に融解元素と呼ばれる少なくとも1つの元素を含んだ合金で作られて「ろう付け粉末」と呼ばれ、前記少なくとも1つの元素には前記ろう付け粉末の合金における液相線温度が前記基礎粉末の合金における固相線温度より低くなるような含有量を含んだ第2粉末との二種類の金属粉末を利用し、前記基礎粉末の合金の化学組成が、Ni、Co又はFeに基づいて作られた超合金に対応し、前記ろう付け粉末の合金の化学組成が、Ni、Co又はFeに基づいて作られた合金に対応し、前記合金内の融解元素がB、Si、又は、Si及びBであり、
    前記ろう付け粉末の液相線温度が自己ろう付け温度より低く、且つ、前記基礎粉末の液相線温度が前記自己ろう付け温度より高くなるように、前記基礎粉末と前記ろう付け粉末とを選択する成形部品の製造方法であって、
    前記製造方法が、
    a)基礎粉末と、ろう付け粉末と、制御条件下で軟度又は可塑性を得ることが可能であり、且つ、液体である結合剤との均質な混合物を調製し、
    b)前記結合剤が軟度又は可塑性を得るように、温度、圧力、及び時間を維持して、生成される前記成形部品における型の中で前記混合物を射出成形し、
    c)成形されたブランクを前記型から取り出し、
    d)前記結合剤を除去し、
    e)少なくとも95%であるが100%以下の相対密度を自己ろう付けするのに適切な成形部品を得るために、前記ろう付け粉末の液相線温度より高いが、その後の自己ろう付け処理の温度より低い温度で、結合剤を除去した状態で、前記ブランクを焼結することを特徴とする成形部品の製造方法。
  2. 請求項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記ろう付け粉末の前記合金が、2〜12量%のSiを含有することを特徴とする成形部品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の成形部品の製造方法において、
    前記ろう付け粉末の前記合金が、1〜5量%のBを含有することを特徴とする成形部品の製造方法。
  4. 請求項の何れか一項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記ろう付け粉末の前記合金が、Ni−Si、Ni−B、Ni−Co−Si、Ni−Co−B、Ni−Co−Si−B、Ni−Cr−Al−Si、Ni−Co−Cr−Al−Si、Ni−Cr−B、及び、Ni−Co−Cr−Bの合金から選択されることを特徴とする成形部品の製造方法。
  5. 請求項1〜の何れか一項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記二種類の金属粉末の全量における前記ろう付け粉末の量%が、5〜40であることを特徴とする成形部品の製造方法。
  6. 請求項1〜の何れか一項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記結合剤を含んだ前記混合物の中で前記金属粉末の装填率が、少なくとも50体積%であることを特徴とする成形部品の製造方法。
  7. 請求項1〜の何れか一項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記型の中で前記結合剤の軟度又は可塑性を得るメカニズムが、前記結合剤の状態における物理的な液体−固体の変化であり、前記結合剤が、前記状態変化の温度より低い温度で維持されることによって得られるようにしたことを特徴とする成形部品の製造方法。
  8. 請求項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記結合剤が熱可塑性樹脂を含むことを特徴とする成形部品の製造方法。
  9. 請求項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記結合剤が周囲温度で液体の水性系又は非水性系であり、前記結合剤を除去する工程が、前記結合剤の主成分における凍結乾燥又は昇華の作用を含むことを特徴とする成形部品の製造方法。
  10. 請求項1〜の何れか一項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記結合剤が基本的に熱可塑性樹脂を含み、前記型の中で前記結合剤の軟度又は可塑性を得るメカニズムが、前記樹脂の重合によって得られることを特徴とする成形部品の製造方法。
  11. 請求項1〜の何れか一項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記射出成形の工程の間に、前記結合剤の軟度又は可塑性を得るメカニズムは、前記結合剤が反応可能であるゾル−ゲル反応によって得られ、前記結合剤を除去する前記工程が、得られた前記ゲルを溶液に戻す作用を含むことを特徴とする成形部品の製造方法。
  12. 請求項又は1に記載の成形部品の製造方法において、
    前記結合剤を除去する前記工程が、前記結合剤の少なくとも1つの構成成分を溶液にする化学的操作を含み、前記化学的操作が前記構成成分の溶媒の作用によってなされることを特徴とする成形部品の製造方法。
  13. 請求項又は1に記載の成形部品の製造方法において、
    前記結合剤がポリマー(重合体)を含み、前記結合剤を除去する工程が、前記ポリマーの解重合作用を含むことを特徴とする成形部品の製造方法。
  14. 請求項1〜1の何れか一項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記結合剤を除去する前記工程が、最終的に、前記結合剤の熱的除去操作であるか、又は、その操作を含むかであることを特徴とする成形部品の製造方法。
  15. 請求項1に記載の成形部品の製造方法において、
    前記結合剤を熱的に除去する前記操作が、結合剤を除去した状態で、前記ブランクの予備燒結を行う温度まで続くことを特徴とする成形部品の製造方法。
  16. 請求項1に記載の成形部品の製造方法において、
    前記予備燒結が、前記ろう付け粉末の融解範囲の温度で終了させられることを特徴とする成形部品の製造方法。
  17. 請求項1又は1に記載の成形部品の製造方法において、
    前記予備燒結が、前記ろう付け粉末の前記融解範囲の温度のうち低い方の半分内で終了させられることを特徴とする成形部品の製造方法。
  18. 請求項1〜1の何れか一項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記結合剤の熱的除去操作と前記燒結の工程とが、これら二つの操作又は工程の間で周囲温度に戻すことなく、同じ炉の中で連続的に実行されることを特徴とする成形部品の製造方法。
  19. 請求項1〜1の何れか一項に記載の成形部品の製造方法において、
    前記燒結の工程が、自己ろう付けによって成形部品の組付け温度より50℃低い温度で実行されることを特徴とする成形部品の製造方法。
  20. 請求項1〜19の何れか一項に記載の成形部品の製造方法に従って得られた自己ろう付け成形部品を、超合金で作った受取能金属部品に組付ける方法であって、
    前記受取可能金属部品が航空機用又は地上用のガス・タービンの構成部品であり、
    前記成形部品を構成する前記基礎粉末が、前記受取可能金属部品の超合金と適合する合金で作られ、
    前記成形部品が前記受取可能金属部品に予備組付け可能な形状及び寸法を有し、
    前記受取可能金属部品に前記成形部品を自己ろう付けすることが、前記ろう付け粉末の液相線温度より高く、且つ、前記基礎粉末及び前記受取可能金属部品の固相線温度より低い温度で実行されることを特徴とする自己ろう付け成形部品の組付け方法。
  21. 請求項2に記載の自己ろう付け成形部品の組付け方法において、
    前記自己ろう付けの処理が固定状態の拡散処理に、直接続けられ、又は、周囲温度まで戻した後に続けられることを特徴とする自己ろう付け成形部品の組付け方法。
  22. 請求項2又は2に記載の自己ろう付け成形部品の組付け方法に従ってガス・タービンの修理をする方法であって、
    前記受取可能金属部品が、NK15CDATタイプのNi合金を含有した合金で作られ、
    前記成形部品が、AFNOR命令法に依るNK17CDATを含有した合金で作られ、
    前記自己ろう付けの処理が1200℃で実行されることを特徴とするガス・タービンの修理方法。
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