JP2000205265A - 摺動部品の製造方法 - Google Patents

摺動部品の製造方法

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JP2000205265A
JP2000205265A JP11008859A JP885999A JP2000205265A JP 2000205265 A JP2000205265 A JP 2000205265A JP 11008859 A JP11008859 A JP 11008859A JP 885999 A JP885999 A JP 885999A JP 2000205265 A JP2000205265 A JP 2000205265A
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sintering
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powder
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Tetsuo Kikuchi
哲郎 菊池
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Senju Sprinkler Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】摺動部品の摺動部へ軸受合金を貼り付ける方法
として従来は、鋳造法、溶接肉盛り法、溶射法、粉末焼
結法等で行っていたが、いずれの方法も軸受合金を大量
に無駄にしたり、接合部にボイドが発生したり、或いは
縦方向の貼り付けができなかったりするものであった。 【解決手段】本発明は、摺動部に間隙をもって中子を設
置し、該間隙に軸受合金の粉末とバインダーからなるペ
ーストを射出成形機で注入した後、ペースト中のバイン
ダーを除去して、全体を焼結温度に加熱することにより
摺動部に軸受合金層を形成する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アキシャルピスト
ンポンプのシリンダーブロックのように母材の鉄鋼材に
軸受合金を貼り付けて摺動部品を得る製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ブルドーザー、大型クレーン、パワーシ
ャベルのような建設機械では、大きな力を出すところに
油圧ポンプで高圧の油を送って動かすようになってい
る。この油圧ポンプ、たとえばアキシャルピストンポン
プでは、高速で回転し高圧の油が流動するため、圧力、
温度、摺動速度が非常に苛酷となり、使用される摺動部
品はこれらの要求を充分に満たさなければならないもの
である。
【0003】アキシャルピストンポンプでは、シリンダ
ーブロックのスラスト面でスラスト荷重を受け、シリン
ダー部でピストンの往復摺動を行わしめるようになって
いる。これらのスラスト面やシリンダー部等の摺動部
は、円滑な摺動を得るため、耐摩耗性と潤滑特性に優れ
た軸受合金が用いられている。
【0004】シリンダーブロック全体を軸受合金で形成
すれば、塊状の軸受合金を切削加工するだけの手間で済
むものであるが、前述のようにアキシャルピストンポン
プは高圧、高荷重の大きな力がかかるため、機械的強度
が余り強くない軸受合金だけでシリンダーブロックを形
成すると、シリンダーブロックが変形や破壊を起こして
しまう。また軸受合金は高価なことから軸受合金だけか
らなるシリンダーブロックは非常に高価となってしまう
ものでもある。
【0005】そこで従来よりアキシャルシリンダーポン
プのシリンダーブロックは機械的強度に優れ、しかも安
価な鉄鋼を母材として用い、摺動部だけに軸受合金を貼
り付けたものを用いている。鉄鋼に軸受合金を貼り付け
る方法としては、鋳造法、溶接肉盛法、拡散接合法、溶
射法、溶融接合法、粉末焼結法等がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】鋳造法とは、摺動面に
溶融させた軸受合金を注ぎ込み、溶融状態の軸受合金と
鉄鋼とを金属的に接合させるものである。この鋳造法
は、鋳造後の表面に引け巣が生じたりスラグが付着した
りするため、必要以上に軸受合金を厚く付着させてから
引け巣やスラグを切削除去しなければならず、高価な軸
受合金を大量に無駄にするものであった。しかも鋳造法
では、軸受合金と摺動面の間に大量のボイドが発生し
て、このボイド部分から軸受合金が剥離することもあっ
た。
【0007】溶接肉盛法とは、軸受合金を溶接棒にして
摺動面にアーク溶接やガス溶接で盛り付けていくもので
ある。溶接肉盛法もスラグの付着が多いため、軸受合金
の盛り付けを必要以上に厚くしなければならず、また接
合部にボイドも発生し、さらには自動化が困難であるた
め生産性に問題のあるものであった。
【0008】拡散接合法とは、摺動部に板状またはパイ
プ状の軸受合金を圧加状態で載置し、軸受合金の融点以
下に加熱して摺動部の鉄鋼の分子と軸受合金の分子を互
いに拡散させて接合する方法である。この拡散接合法で
シリンダーブロックの摺動部を製造する場合、摺動部が
凹球面となっているものでは、該凹球面と同一の凹球面
に形成した軸受合金の板を摺動部となるところに圧加し
て軸受合金の溶融温度以下の温度に加熱する。すると軸
受合金の分子とシリンダーブロックの鉄鋼の分子が互い
に拡散浸透しあって金属的な接合がなされるのである。
この拡散接合法は、特に成形が難しい凹球面に限らず平
らな面であっても軸受合金と摺動部となるところを完全
に接合することは困難であった。つまり、如何に摺動面
と軸受合金板とを正確に成形しても、この部分が接合不
良となってしまうものであった。
【0009】溶射法とは、軸受合金をアーク電流や高温
燃焼ガスで溶融させると同時に圧縮気体で吹き飛ばして
摺動面に付着させる方法である。この溶射法もボイドや
接合不良が発生し、またシリンダーのような穴の中は溶
射ガンを挿入できないため軸受合金の貼り付けが不可能
であった。
【0010】溶融接合法とは、母材の上に軸受合金を載
置し、全体を軸受合金の融点以上に加熱して溶融した軸
受合金と母材とを接合する方法である。この溶融接合法
もスラグやボイドの問題があり、しかもシリンダーの穴
内への貼り付けは無駄が多くなるものであった。
【0011】粉末焼結法とは、粉末状の軸受合金を摺動
面に散布し、軸受合金の溶融温度以下で加熱して粉末状
の軸受合金同士を焼結するとともに、粉末状の軸受合金
と鉄鋼とも焼結して軸受合金の摺動面を得る方法であ
る。粉末焼結法は、ボイドの発生や接合不良がほとんど
なく信頼性に優れ、また軸受合金の散布も容易であるこ
とから生産性にも優れている。しかしながら粉末焼結法
は、シリンダー部のように摺動部が縦方となっているも
のに対しては粉末状の軸受合金を散布できないため摺動
面への貼り付けが不可能であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、摺動部品の
製造方法として焼結法は、他の製造方法に比べてボイド
やスラグの発生がなく、また生産性も良好であるという
特長を生かすとともに、如何にして粉末状の軸受合金を
シリンダーの穴のような縦方の摺動部に対して貼り付け
ができるかについて鋭意研究を重ねて本発明を完成させ
た。
【0013】本発明の第1発明は、摺動部に軸受合金の
貼り付け代を有した摺動部品を準備する工程;摺動部品
の摺動部となるところに軸受合金層の所定の厚さよりも
少し広い間隙をあけて金型を設置する工程;摺動部品と
金型の間隙に軸受合金の粉末とバインダーからなるペー
ストを射出成形機で注入する工程;前記ペーストからバ
インダーを除去して軸受合金の粉末を摺動部となるとこ
ろに付着させる工程;摺動部となるところに軸受合金の
粉末が付着した摺動部品を軸受合金の融点以下の焼結温
度に加熱して軸受合金の粉末同士、および軸受合金の粉
末と摺動部品とを焼結して軸受合金層を形成する工程;
軸受合金層の表面を切削して所定の寸法に整える工程;
からなることを特徴とする摺動部品の製造方法である。
【0014】また本発明の第2発明は、摺動部に軸受合
金の貼り付け代を有した摺動部品を準備する工程;摺動
部品の摺動部となるところに軸受合金層の所定の厚さよ
りも少し広い間隙をあけて金型を設置する工程;摺動部
品と金型の間隙に軸受合金の粉末とバインダーからなる
ペーストを射出成形機で注入する工程;前記ペーストか
らバインダーを除去して軸受合金の粉末を摺動部となる
ところに付着させる工程;摺動部となるところに軸受合
金の粉末が付着した摺動部品を軸受合金の融点以下の焼
結温度に加熱して軸受合金の粉末同士、および軸受合金
の粉末と摺動部品とを焼結して軸受合金層を形成する工
程;前記軸受合金層を押圧して焼結密度を高める工程;
軸受合金層の焼結密度を高めた摺動部品を軸受合金の融
点以下に再度加熱して二次焼結する工程;軸受合金層の
表面を切削して所定の寸法に整える工程;からなること
を特徴とする摺動部品の製造方法である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における焼結は、軸受合金
の分子同士、或いは軸受合金の分子と母材である鉄鋼の
分子とが高温で互いに拡散しあって金属的に接合するこ
とである。このように金属分子が拡散接合するために
は、それぞれの金属表面が清浄であることは勿論、酸素
が存在しない雰囲気であることが望ましい。つまり酸素
が存在する雰囲気で焼結を行うと軸受合金粉末の表面や
母材金属表面に酸化膜が生成して拡散現象を妨げてしま
うからである。従って、焼結工程では酸素がなく、しか
も粉末表面や母材表面に付着していた酸化膜や汚れを除
去するためには水素ガス−窒素ガスの混合ガスのような
活性雰囲気中で加熱するとよい。焼結温度は、軸受合金
を溶かさないで金属の分子間で拡散が充分に起こる温度
とする。一般に銅合金の焼結温度は800℃近辺であ
る。
【0016】本発明で使用する軸受合金は、一般の軸受
に使用される軸受合金、例えば鉛青銅、燐青銅、アルミ
青銅等である。従来の摺動部品を製造する焼結法で使用
されていた軸受合金の粉末の粒度は80μm以上である
が、本発明で使用する軸受合金の粉末の粒度は1〜50
μm、好ましくは5〜20μmが適当である。本発明で
使用する軸受合金の粉末の粒度が従来の焼結法で使用す
る粉末よりも細かいものを選択するのは、バインダーと
混ぜて得たペーストが射出成形機で注入でき、しかも摺
動部となるところと金型の間の狭い間隙に容易に流動で
きるような滑らかな状態にするためである。つまり軸受
合金の粉末の粒度が大きいと、滑らかな流動性を得るこ
とができず、狭い間隙に円滑に流動していかなくなるか
らである。
【0017】軸受合金の粉末と混ぜ合わせて粘調なペー
ストを得るためのバインダーとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、アタクチックポリプロピレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、酢酸ビニル、
塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル
酸エステル等の熱可塑性樹脂、蜜ろう、カルナバワック
ス、木ろう、パラフィンワックス、マイクロクリスタリ
ンワックス、各種変成ワックス等のワックス類、ジメチ
ルフタレート、ジエチルフタレート、ジプチルフタレー
ト、ジオクチルフタレート等の可塑剤、ステアリン酸、
オレイン酸等の滑剤が適当であり、これらを適宜混ぜ合
わせて適当な粘度、揮発性、溶剤に対する溶解性等を得
るようにする。
【0018】バインダーの除去方法は、加熱して揮散さ
せたり、或いは溶剤に浸漬して溶解したりする。このバ
インダーの除去は、金型をそのまま摺動部に設置したま
ま行ってもよいし、或いはペースト注入後、しばらくし
てペーストが或る程度固まってから金型を取り外し、そ
の後に行ってもよい。
【0019】本発明の第2発明で一度焼結した後に軸受
合金を押圧するのは、さらに高強度の摺動部が必要な場
合に行う。つまり一度の焼結では焼結した粉末間に空隙
が生じており、圧縮力や剥離力が充分でないことがあ
る。このような場合は、一度の焼結後の軸受合金層を押
圧して空隙をつぶす。つぶれた空隙は接着がなされてい
ないので、二次焼結を行って金属的接着を行うものであ
る。また押圧工程での衝撃で軸受合金層と鋼材とが部分
的に剥離したり、部分的に接着強度が弱くなったりする
ことがあるが、二次焼結は、この剥離した部分を接着
し、そして弱くなった部分の接着強度をさらに向上させ
る。
【0020】
【実施例】以下図面に基づいて本発明を説明する。実施
例ではシリンダーブロックのスラスト面とシリンダー部
等の摺動部を製造する方法について説明する。図1〜7
は本発明の第1発明におけるシリンダーブロックの摺動
部を形成する工程である。
【0021】(第1発明におけるシリンダーブロックの
製造方法) ○母材の準備工程(図1はシリンダーブロックの正面断
面図、図2は底面図) シリンダーブロック1のスラスト面となる上部には貼り
付け代(点線より内側)を有した貼り付け部2と、その
反対側に穿設されたシリンダー部となるところには貼り
付け代を有した貼り付け部3が形成されている。スラス
ト面となる貼り付け部2は凹球面であり、シリンダー部
となる貼り付け部3は円柱状の穴である。これら貼り付
け部2、3は実際の摺動面よりも少し深く形成されてい
る。これは摺動部となるところに軸受合金を貼り付けた
ときの貼り付け代にするためである。
【0022】○金型の設置工程(図3) スラスト面となるところの貼り付け部2の上、およびシ
リンダーの摺動部となる貼り付け部3に所定の軸受合金
層の厚さよりも少し広い間隙4、5をもって金型を設置
する。スラスト面の金型6は、スラスト面とほぼ同一形
状の凹球面となっており、またシリンダー部の金型はシ
リンダー部の内径よりも細い棒状の金型7とシリンダー
部の穿設面全体を覆う金型8から構成されている。金型
と摺動部となる間隙を少し広くするのは、軸受合金を所
定の厚さよりも厚く付着させ最後に軸受合金の表面を少
し切削して精密に仕上げるためである。金型6、8には
端部に注入口9、10が形成されており、該注入口は流
通路11、12で間隙4、5と通じている。
【0023】○ペーストの注入工程(図4) 金型6、8の注入口9、10に図示しない射出成形機を
接続し、該射出成形機から圧力をかけて軸受合金の粉末
とバインダーからなるペースト13を注入する。射出成
形機から注入されたペースト13は、注入口9、10か
ら流通路11、12を通って間隙4、5内に流入してい
く。
【0024】○バインダーの除去工程(図5) ペースト注入後、金型を取り外し、全体を徐々に加熱し
てペースト中のバインダーを揮散させる。バインダーが
揮散してシリンダーブロックに残った軸受合金の粉末1
4は、バインダーの接着作用で粉末同士が付着しあうと
ともに、シリンダーブロック1とも付着して崩れること
なく形状を保っている。
【0025】○焼結工程(図6) 軸受合金の粉末が付着したシリンダーブロック1を図示
しない不活性ガス雰囲気の加熱炉中で焼結温度に加熱し
て粉末同士、および粉末とシリンダーブロック1とを焼
結し、軸受合金層15、16を形成する。
【0026】○仕上げ工程(図7) 金型を如何に正確に形成しても焼結後の軸受合金層の表
面は加熱時の熱歪みやバインダー除去時の膨れ等で平滑
になっていない。そこで軸受合金層15、16の表面を
切削機械17により切削加工を施して平滑面にするとと
もに、所定の寸法に仕上げる。
【0027】次に本発明の第2発明について説明する。
第2発明は第1発明の焼結工程(図6)の後に軸受合金
を押圧する工程と二次焼結する工程が入るものであり、
軸受合金の押圧工程を図8とし、二次焼結工程を図9と
して説明する。
【0028】本発明の第2発明は次の工程からなり、第
1発明と同一工程の図およびその説明は省略し、ここで
は図8の押圧工程と図9の二次焼結工程について説明す
る。
【0029】(第2発明におけるシリンダーブロックの
製造方法) ○母材の準備工程(図1、2) ○金型の設置工程(図3) ○ペーストの注入工程(図4) ○バインダーの除去工程(図5) ○焼結工程(図6)
【0030】○押圧工程(図8) 焼結によりシリンダーブロック1のスラスト面に形成さ
れた軸受合金層15を図示しないプレスに取り付けた球
面のポンチ18で押圧する。すると軸受合金層内に存在
していた空隙がつぶされ焼結密度が高くなる。
【0031】○二次焼結工程(図9) 押圧工程後、シリンダーブロックを焼結温度に加熱して
二次焼結を行う。押圧工程でつぶされた空隙が密着して
も接合されていないため機械的強度に弱く、また押圧工
程での衝撃で軸受合金層がシリンダーブロックから部分
的に剥離することがある。そこでつぶれた空隙の接合と
シリンダーブロックから剥離した軸受合金層を接合させ
るため二次焼結を行うものである。
【0032】○仕上げ工程(図7)
【0033】ここで本発明を用いた具体的なシリンダー
ブロックの製造方法について説明する。直径90mm、
高さ80mmのシリンダーブロックの上部にR150の
凹球面のスラスト面を形成するとともに、仕上げ直径2
0mmのシリンダー部に摺動部を形成するものである。
シリンダーブロックはS55Cの機械構造用炭素鋼であ
る。ペーストはLBC−2の軸受合金を平均粒度10μ
mにした粉末と、熱可塑性樹脂とワックス類と滑剤から
なるバインダーを混合したものを用いた。
【0034】先ずスラスト面となるところとシリンダー
の摺動部となるところに貼り付け代を有するシリンダー
ブロックを準備する。スラスト面にはスラスト面とほぼ
同一形状の金型を、スラスト面とは2mmの間隙をもっ
て設置する。またシリンダー部にはシリンダーの直径よ
りも少し細い棒状の金型をシリンダーと同心円にして設
置し、さらにその上を金型で覆ってから、金型の注入口
に射出成形機を接続してペーストを注入する。その後、
しばらく放置してから金型と金型を取り外し、スラスト
面とシリンダー部にペーストが付着したシリンダーブロ
ックを加熱炉で徐々に加熱してバインダーを揮散させ
た。
【0035】バインダーが揮散した後、シリンダーブロ
ックを分解アンモニアガス(水素67%、窒素33%)
雰囲気中820℃で1時間加熱して焼結を行いスラスト
面とシリンダー部に軸受合金層を形成した。スラスト面
の軸受合金層をプレス(球状のポンチ)で押圧して焼結
密度を高め、その後、さらに820℃30分間加熱して
二次焼結を行った。この二次焼結したシリンダーブロッ
クのスラスト面とシリンダー部を切削加工により精密に
仕上げた。
【0036】このようにして製造したシリンダーブロッ
クをアキシャルピストンポンプに使用し、350Kg/cm
2の高圧下で2,000rpmの高速回転を1,000
時間の長期間行ったところ、軸受合金層の剥離、油漏れ
もなく、またその間、キャビテーションによるエロージ
ョンやコロージョンの発生も全くなかった。現在実用化
されているシリンダーブロックが210Kg/cm2の高圧
下で1,500rpmの回転を行って通常500時間の
寿命があるのと比較して本発明で得られたシリンダーブ
ロックがいかに優れているかが理解できる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば摺
動面での軸受合金の貼り付け部にボイドやスラグの巻き
込みが全く発生せず、しかもアキシャルピストンポンプ
のシリンダーブロックのような苛酷な条件下で使用する
のものを製造した場合、キャビテーションによるエロー
ジョンやコロージョンの発生がないばかりでなく、高価
な軸受合金の使用量も無駄がほとんどなく、さらには製
造が容易であるという信頼性、経済性、生産性に優れた
摺動部品を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】母材の準備工程を説明する図(母材の正面断面
図)
【図2】母材の準備工程を説明する図(母材の底面図)
【図3】金型の設置工程を説明する図
【図4】ペーストの注入工程を説明する図
【図5】バインダーの除去工程を説明する図
【図6】焼結工程を説明する図
【図7】仕上げ工程を説明する図
【図8】押圧工程を説明する図
【図9】二次焼結工程を説明する図
【符号の説明】
1 シリンダーブロック 2、3 貼り付け面 4、5 間隙 6、7、8 金型 13 ペースト

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摺動部に軸受合金の貼り付け代を有した
    摺動部品を準備する工程;摺動部品の摺動部となるとこ
    ろに軸受合金層の所定の厚さよりも少し広い間隙をあけ
    て金型を設置する工程;摺動部品と金型の間隙に軸受合
    金の粉末とバインダーからなるペーストを射出成形機で
    注入する工程;前記ペーストからバインダーを除去して
    軸受合金の粉末を摺動部となるところに付着させる工
    程;摺動部となるところに軸受合金の粉末が付着した摺
    動部品を軸受合金の融点以下の焼結温度に加熱して軸受
    合金の粉末同士、および軸受合金の粉末と摺動部品とを
    焼結して軸受合金層を形成する工程;軸受合金層の表面
    を切削して所定の寸法に整える工程;からなることを特
    徴とする摺動部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 摺動部に軸受合金の貼り付け代を有した
    摺動部品を準備する工程;摺動部品の摺動部となるとこ
    ろに軸受合金層の所定の厚さよりも少し広い間隙をあけ
    て金型を設置する工程;摺動部品と金型の間隙に軸受合
    金の粉末とバインダーからなるペーストを射出成形機で
    注入する工程;前記ペーストからバインダーを除去して
    軸受合金の粉末を摺動部となるところに付着させる工
    程;摺動部となるところに軸受合金の粉末が付着した摺
    動部品を軸受合金の融点以下の焼結温度に加熱して軸受
    合金の粉末同士、および軸受合金の粉末と摺動部品とを
    焼結して軸受合金層を形成する工程;前記軸受合金層を
    押圧して焼結密度を高める工程;軸受合金層の焼結密度
    を高めた摺動部品を軸受合金の融点以下に再度加熱して
    二次焼結する工程;軸受合金層の表面を切削して所定の
    寸法に整える工程;からなることを特徴とする摺動部品
    の製造方法。
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