JP4023579B2 - ArFエキシマレーザのレーザガス、ArFエキシマレーザ及びスキャン式露光機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ArFエキシマレーザのレーザガス、ArFエキシマレーザ及びスキャン式露光機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体を露光する露光機の光源として、アルゴン(Ar)とフッ素(F2)とをレーザガスとして使用したArFエキシマレーザが知られている。図7は、従来技術によるArFエキシマレーザ1の構成断面図を示している。同図において、ArFエキシマレーザ1は、レーザガスを封入し、その内部で放電を起こしてレーザ光11を発振させるレーザチャンバ2と、このレーザチャンバ2から発振されるレーザ光11を狭帯域化(スペクトル幅と中心波長とを精密に制御)する狭帯域化ユニット10とを備えている。
【0003】
レーザチャンバ2の内部には、レーザガスとしてF2,Ar及びネオン(Ne)が所定の圧力比で封入されている。このうちNeはバッファガスであり、レーザガス全体の体積の約98%以上を占めている。
チャンバ2内にはモータ20によって回転する貫流ファン19が配設されており、チャンバ2内のレーザガスを循環させて放電電極間5,5間に導いている。そして、高圧電源18から放電電極5,5間に高電圧を印加し、放電によってレーザガスを励起して約193nmの波長を有するレーザ光11を発振させている。
【0004】
発振したレーザ光11は、レーザチャンバ2の外部後方に設けられた狭帯域化ユニット10で狭帯域化され、ステップアンドリピート式露光機15(以下、ステッパ15と言う)に入射して、半導体チップを露光するための光源となる。
尚、一般にこのようなArFエキシマレーザ1において、高電圧はパルス状に印加され、レーザ光11はパルス発振する。このパルス発振において、1パルス当たりの出力をパルス出力、レーザ光11の発振周波数を、パルス周波数と言う。
【0005】
放電によるレーザガスの励起は、次のようなプロセスを辿る。即ち、放電によってエネルギーを与えられたバッファガスが、F2及びArの分子に衝突することによってエネルギーをF2及びArに与え、ArFエキシマ分子を作る。このArFエキシマ分子のエネルギーが放出され、レーザ発振が起こる。
KrFエキシマレーザにおいては、かつてはバッファガスにヘリウム(He)が使用されていた。しかしながら、バッファガスとしてNeを使用すると、Heを使用する場合よりもF2及びKrの分子にエネルギーを与える効率が高く、パルス出力が増大することが知られるようになった。従って、ArFエキシマレーザ1においては、当初からバッファガスとしてNeが使用されている。
【0006】
図8に、ステッパ15の説明図を示す。同図において、ステッパ15は、IC回路の拡大原版であるレチクル38(露光用マスク)と、半導体チップを製造するウェハ41を搭載した図中XY方向に移動自在なウェハステージ43と、レーザ光11をレチクル38に照射するための照明レンズ37と、レチクル38のパターンを透過したレーザ光11をウェハ41上の半導体チップに集光して照射する投影レンズ39とを備えている。
ステッパ15に入射したレーザ光11は、照明レンズ37によって整形され、レチクル38のほぼ全面に照射される。このレチクル38を透過したレーザ光11を、投影レンズ39で半導体チップの全面積に所定のパルス数だけ照射し、半導体チップを一括露光する。そして、1つの半導体チップの露光が終了すると、ウェハステージ43を移動させ、次の半導体チップを露光するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題点がある。
【0008】
ステッパ15が単位時間当たり露光可能な半導体チップの個数(以下、ステッパ能力と言う)は、レーザ光11のパワー(パルス出力とパルス周波数との積)が大きいほど大きくなる。即ち、パルス出力を大きくすれば、半導体チップ1個当たりの照射パルス数が減少し、また、パルス周波数を高くすれば、レーザ光11を照射するのに必要な時間が短縮される。
ところが、パルス出力を上げるためには、高圧電源18の電流容量を大きなものにしなければならず、ArFエキシマレーザ1が大型化するという問題がある。
また、パルス周波数を上げるためには、放電電極5,5間を流れるレーザガスの流速を増大させなければならない。これは、パルス放電によって劣化したレーザガスを、次のパルス放電までに放電電極5,5間から除去しなければレーザガスの励起に障害が生じ、パルス出力が大きく低下するためである。
しかしながら、レーザガスの流量を増大させるためには貫流ファン19を大型化し、さらにモータ20を大型化して回転数を上げる必要があり、やはりArFエキシマレーザ1が大型化するという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、装置の大型化を伴わずにパルス周波数を高くすることが可能なArFエキシマレーザのレーザガス、及びArFエキシマレーザ、及びこのような高パルス周波数ArFエキシマレーザを光源とした露光機を得ることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、第1発明は、ハロゲンガスと希ガスとバッファガスとを含み、レーザチャンバ内に封入されたArFエキシマレーザのレーザガスにおいて、レーザガス中のバッファガスがHeを主成分とし、安定した高いレーザ出力を得るために、レーザガスの希ガスに1〜100 ppm のXeを含む構成としている。
また、第2発明は、ハロゲンガスと希ガスとバッファガスとを含むレーザガスと、レーザガスを封入したレーザチャンバと、レーザチャンバ内に互いに対向して配置され、放電を起こしてレーザガスを励起する一対の放電電極と、レーザチャンバ内のレーザガスを前記一対の放電電極間に導くためにレーザガスを循環させる貫流ファンと、前記放電により発生したレーザ光を発振させると共に狭帯域化する狭帯域化ユニットとを備えたArFエキシマレーザにおいて、レーザガス中のバッファガスがHeを主成分とし、安定した高いレーザ出力を得るために、レーザガスの希ガスに1〜100 ppm のXeを含む構成としている。
【0011】
第1発明及び第2発明によれば、ArFエキシマレーザのバッファガスとして、Heを主成分としている。Heは従来バッファガスとしていたNeに比べて密度が約1/5であり、貫流ファン19のガス流速はガスの密度の平方根に反比例するので、Heをバッファとして使用することで、放電電極間のガス流速が従来の2.2倍となる。これにより、パルス周波数を増加させても、放電によって劣化した放電電極間のレーザガスが次の放電までに完全に除去されるので、高パルス周波数のレーザ光を得ることが可能となる。このとき、レーザパワーはわずかに減少するものの、パルス周波数増大の効果が大きく、露光機の能力を増大させることができる。またこのとき、貫流ファンやモータを大型化することなく放電電極間のガス流速を上げられるので、レーザ装置を大型化させる必要もない。
また、レーザガスの希ガスに1〜100 ppm のXeが含まれている。レーザガスにXeを添加することにより、パルス出力が高くなるという効果がある。しかも、Xeを添加することにより、パルス出力のばらつきが緩和されるという効果があり、安定した高いレーザ出力を得ることが可能である。また、このときHeをバッファガスとしているので、装置を大型化することなく、パルス周波数が高いレーザ光を得られる。これらにより、このようなレーザガスを用いたArFエキシマレーザを露光機に適用すると、露光機の能力が増大するとともに、露光が良好に行なえる。
【0014】
また第3発明は、ウェハ上の半導体チップを、半導体チップの面積より小さな複数の照射領域ごとにパルス状のレーザ光を照射しながら、ウェハを移動させることで半導体チップ全体を露光するスキャン式露光機において、レーザ光を発振する光源が、第2発明記載のArFエキシマレーザである構成としている。
【0015】
第3発明によれば、1個の半導体チップを複数の照射領域に分け、照射領域ごとに露光を行なうスキャン式露光機の光源として、HeをバッファガスとしたArFエキシマレーザを使用している。スキャン式露光機による露光時には、ArFエキシマレーザのパルス出力のばらつきによる露光のむらを抑制するため、パルス出力を所定の範囲にして、1つの照射領域ごとに所定数以上のレーザパルスを照射する必要がある。従って、このようなスキャン式露光機においては、ステッパのようにパルス出力を増加させて半導体チップ1個あたりの照射パルス数を減少させるということができず、単位時間当たりの露光能力を向上させるためには、レーザ光のパルス周波数を上げる必要がある。このようなスキャン式露光機においては、レーザ光の光源として第2発明記載の高パルス周波数のArFエキシマレーザを使用することにより、露光能力の高い露光機を得ることが可能となる。しかも、第2発明に記載したようにXeを添加したArFエキシマレーザを光源として使用することにより、レーザ光のパルス出力が安定性を増すので、良好な露光が可能となる。また、スキャン式露光機においては、1個の半導体チップよりも小さな照射領域に対してレーザ光を照射するので、ステッパのように大きな投影レンズを必要とせず、大面積の半導体チップを製造するのに好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に関わる実施形態を詳細に説明する。尚、各実施形態において、前記従来技術の説明に使用した図、及びその実施形態よりも前出の実施形態の説明に使用した図と同一の要素には同一符号を付し、重複説明は省する。
【0017】
図1は、本発明の第1実施形態に関わるArFエキシマレーザ1(以下、ArFエキシマレーザ1と略称する)の構成断面図を示している。同図において、ArFエキシマレーザ1は、レーザガスを封入し、その内部で放電を起こしてレーザ光11を発振させるレーザチャンバ2と、このレーザチャンバ2から発振されるレーザ光11を狭帯域化する狭帯域化ユニット10とを備えている。
レーザチャンバ2には、Heで希釈されたArを充填した希ガスボンベ21と、Heで希釈されたF2を充填したハロゲンボンベ22と、Heを充填したバッファボンベ23とが配管24によって接続されている。
レーザ発振時には、レーザチャンバ2の内部にレーザガスとしてこれらのF2,Ar及びHeが、所定の圧力比で封入される。このときHeはバッファガスとして、レーザガス全体の体積の約98%以上を占めている。
【0018】
レーザチャンバ2の内部の所定位置には、1組の放電電極5,5が設置されている。また、チャンバ2内にはモータ20によって回転する貫流ファン19が配設されており、チャンバ2内のレーザガスを循環させて前記放電電極5,5間に導いている。そして、高圧電源18から放電電極5,5間に高電圧を印加し、放電によってレーザガスを励起して約193nmの波長を有するレーザ光11を発振させている。
レーザチャンバ2内で放電によってパルス発振したレーザ光11は、レーザチャンバ2の外部後方に設けられた狭帯域化ユニット10に入射し、狭帯域化される。そして、ウィンドウ7,9を通過してフロントミラー8から出射したレーザ光11は、露光機40に入射し、ウェハ41を露光するための光源となる。
【0019】
図2に、貫流ファン19の回転数を一定にしたときの、バッファガスとArFエキシマレーザ1の出力特性との関係を示す。同図において、縦軸がレーザ光11のパルス出力、横軸がパルス周波数である。また、A1が従来のNeをバッファガスとしたときのグラフ、A2が、本実施形態によるHeをバッファガスとしたときのグラフである。
同図に示すように、パルス周波数が1kHz以下においては、バッファガスをNeとした従来のArFエキシマレーザ1(以下、NeバッファArFエキシマレーザ1と言う)のほうが、バッファガスをHeとしたArFエキシマレーザ1(以下、HeバッファArFエキシマレーザ1と言う)よりもパルス出力が高い。しかしながら、パルス周波数が1kHzよりも高くなると、パルス周波数の増加に伴ってNeバッファArFエキシマレーザ1のパルス出力が低下してしまうのに対し、HeバッファArFエキシマレーザ1のパルス出力は殆んど変化しない。
【0020】
これは、次のような理由によると考えられる。即ち、レーザガスは、その体積比において98%以上がバッファガスであるため、レーザガスのガス密度はバッファガスのガス密度にほぼ相当する。従って、Ne(密度:0.900kg/m3)をバッファとして使用するのに対し、He(密度:0.1785kg/m3)をバッファガスとして使用すると、レーザガスの密度は約1/5となる。
このとき、貫流ファン19のガス流速はガスの密度の平方根に反比例するので、Heをバッファとして使用することで、レーザガスの流速はほぼ2.2倍となる。そのため、パルス周波数を上げても劣化したレーザガスが放電電極5,5間から速やかに除去され、パルス出力が低下することがない。即ち、Heをバッファガスとすることにより、パルス周波数1kHz以上の高パルス周波数で発振するArFエキシマレーザ1を得ることが可能となる。
【0021】
以上説明したように本実施形態によれば、ArFエキシマレーザ1において、Heをバッファガスとして使用している。Heは従来バッファガスとしていたNeに比べて密度が約1/5であるため、放電電極5,5間の流速が2.2倍となる。従って、パルス周波数を増加させても、放電により劣化した放電電極5,5間のレーザガスを完全に除去することが可能であり、パルス出力が低下しない。また、貫流ファン19やモータ20を大型化しなくとも、高い放電電極5,5間流速が得られる。従って、ステッパ15におけるステッパ能力を増大させることができる。
【0022】
ところで近年、半導体の高密度化と共に、半導体チップの面積の増大が求められているが、ステッパは半導体チップの全面積を一括露光するため、大面積の半導体チップを露光するためには、投影レンズ39を大面積化する必要がある。ところが、紫外線(193nm)のレーザ光11用の投影レンズ39は、使用可能な材質が限られているために非常に高価であり、また、大面積にわたって収差の小さな投影レンズ39を製作するのは技術的にも困難が伴う。
そこで、ArFエキシマレーザ1を光源とする露光機として、スキャン式露光機が注目されている。このようなスキャン式露光機に関しては、例えば電子材料1995年3月、第107〜111頁に詳細に説明されている。
【0023】
図3に、スキャン式露光機40の説明図を示す。同図において、入射したレーザ光11は、照明レンズ37によって略長方形の形状に整形され、図中Y方向に移動自在なレチクルステージ44上に搭載されたレチクル38の第1レチクルエリア45Aに照射される。
図4に、ウェハ41の拡大図を示す。第1レチクルエリア45Aを透過したレーザ光11は、投影レンズ39によって図中XY方向に移動自在なウェハステージ43上に搭載されたウェハ41上の第1チップ42Aの第1照射領域46Aに照射される。
【0024】
レーザ光11を例えばn1パルス(数十パルス〜数百パルス)照射して、第1照射領域46Aの露光を終了すると、レチクルステージ44及びウェハステージ43は、図2におけるY方向に所定幅だけ移動する。すると、略長方形のレーザ光11は、レチクル38上の第1レチクルエリア45Aの隣の第2レチクルエリア45Bに照射される。この第2レチクルエリア45Bを透過したレーザ光11が、第1チップ42Aの第1照射領域46Aの隣の第2照射領域46Bに、例えばn2パルス照射され、第2照射領域46Bを露光する。
スキャン式露光機40では、このようにして半導体チップ42をその端部から小さな照射領域46ずつ露光していくので、大きな投影レンズ39を必要としない。そして、1個の半導体チップ42の露光を終了すると、レチクルステージ44及びウェハステージ43を移動させて、隣の半導体チップ42の露光を開始する。
尚、実際の加工においては、このように照射領域46と次の照射領域46とを完全に分離して露光するのではなく、それぞれの照射領域46を少しずつ重ね合わせながら露光を行なっていく。
【0025】
ところが、ArFエキシマレーザ1においては、個々のパルス出力の大きさにかなりのばらつきがある。そのため、このようなスキャン式露光機40の光源としてArFエキシマレーザ1を使用する場合、1つの照射領域46を露光する際に、常に所定数以上のパルス数のレーザ光11を照射する必要がある。即ち、スキャン式露光機40においては、ステッパのようにパルス出力を上げて半導体チップ1個あたりの照射パルス数を減少させるということが難しい。
従って、その単位時間当たり露光可能な半導体チップ42の個数(以下、スキャン能力と言う)を増やすためには、レーザ光のパルス周波数を上げてレーザ光11を照射する時間を短縮する必要がある。即ち、上述したようなHeをバッファガスとしたArFエキシマレーザ1を光源として使用することにより、スキャン式露光機40のスキャン能力を向上させることが可能である。
【0026】
次に、第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態に関わるArFエキシマレーザ1の構成断面図である。同図において、ArFエキシマレーザ1のレーザチャンバ2には、Heで希釈されたAr及びキセノン(Xe)を充填した希ガスボンベ21と、Heで希釈されたF2を充填したハロゲンボンベ22と、バッファガスとしてHeを充填したバッファボンベ23とが配管24によって接続されている。
レーザチャンバ2の内部には、レーザガスとしてこれらのF2,Ar,He及びXeが、所定の圧力比で封入される。このとき、Xeの濃度は、1〜100ppm程度が好ましい。
【0027】
前述した図2において、A3が本実施形態による、バッファガスをHeとしてこれにXeを加えた場合のグラフである。
同図に示すように、HeバッファArFエキシマレーザ1のレーザガスにXeを添加することにより、周波数1kHz以下においてNeバッファArFエキシマレーザ1と同等のパルス出力が得られ、しかも周波数1kHz以上になってもパルス出力が低下しないことがわかる。
これは、放電電極5,5間の放電の直前に行なう予備電離と呼ばれる紫外線照射が、Xeを添加することで効率良く行なわれるためであると考えられている。
以上説明したように本実施形態によれば、HeをバッファガスとしたArFエキシマレーザのレーザガスにXeを添加することにより、パルス出力が低下せず、かつパルス周波数が高いレーザ光11を得ることが可能である。しかもこのとき、従来と同様のモータ20及び貫流ファン19を使用でき、レーザ装置を大型化する必要がない。
しかも、Xeを添加することにより、図示はされていないがパルス出力のばらつきが緩和されるという効果があり、安定したレーザ出力を得ることが可能である。
【0028】
次に、第3実施形態について説明する。図6に、本実施形態によるArFエキシマレーザ1の構成図を示す。このArFエキシマレーザ1は、インジェクションロック(注入同期式)レーザと呼ばれる方式であり、詳細については例えばレーザ学会研究会報告RTM−98−36第29〜34頁に説明されている。
ArFエキシマレーザ1は、狭帯域化されたシード(種)光48をパルス発振するシードレーザ47と、このシード光48を増幅するArF発振器52とを備えている。シードレーザ47としては、例えば固体レーザを波長変換素子で波長変換したものが好適であり、波長193nm、スペクトル幅1pm未満のシード光48を発振させる。或いは、小型の狭帯域化ArFエキシマレーザを使用してもよい。
【0029】
ArF発振器52は、レーザガスを封入するレーザチャンバ2と、レーザチャンバ2の両端部に光軸に対してブリュースター角をなして設けられたウィンドウ7,9と、ウィンドウ7,9の後方外側に設けられて略中央に小孔49を有する有孔凹面鏡50と、前方外側に設けられた凸面鏡51とを有している。
また、レーザチャンバ2の内部には所定位置に放電電極5,5が設置され、図示しない高圧電源により高電圧を印加可能となっている。チャンバ2内にはモータ20によって回転する貫流ファン19が配設されており、チャンバ2内のレーザガスを循環させて放電電極5,5間に導いている。さらに、レーザチャンバ2の内部には、第1、第2実施形態と同様にレーザガスとしてF2、Ar、及びHeが封入されている。これに、Xeが封入されていればさらに好適である。
【0030】
同図において、シードレーザ47から発振した例えば波長193nm、スペクトル幅0.5pmのシード光48は、有孔凹面鏡50の小孔49からウィンドウ9を透過してArF発振器52に入射する。そして、凸面鏡51で反射して有孔凹面鏡50に反射し、凸面鏡51の周囲から断面がドーナツ状のレーザ光11として取り出される。
このときシード光48はレーザチャンバ2内を通過する間に、シード光48と同期して図示しない高圧電源から放電電極5,5間に印加された放電によって、波長193nm、スペクトル幅0.5pmを保ったまま、パルス出力を増幅される。
【0031】
このように本実施形態によれば、インジェクションロックタイプのArFエキシマレーザ1においても、バッファガスをHeとすることで、放電電極5,5間のレーザガスの流速を増大できる。従って、高パルス周波数で放電を行なっても、劣化したレーザガスを放電電極5,5間から除去できるので、レーザ光11を高パルス周波数で発振させることが可能である。さらに、Xeを添加することで、パルス出力を高い値に保つことができる。
そして、インジェクションロックタイプのArFエキシマレーザ1も、第1、第2実施形態で説明したタイプのレーザと同様に、スキャン式露光機40用の光源として利用可能である。
しかも、第1、第2実施形態に説明したようなタイプのレーザでは、Heをバッファガスとするとスペクトル幅が広くなることもあるのに対し、インジェクションロックタイプのレーザにおいては、そのような現象が起こらず、常に良好なスペクトル幅が得られるので、露光が適正に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態によるArFエキシマレーザの説明図。
【図2】バッファガスと出力特性との関係を示すグラフ。
【図3】スキャン式露光機の説明図。
【図4】ウェハの拡大図。
【図5】第2実施形態によるArFエキシマレーザの説明図。
【図6】第3実施形態によるArFエキシマレーザの説明図。
【図7】従来技術によるArFエキシマレーザの構成図。
【図8】ステッパの説明図。
【符号の説明】
1:ArFエキシマレーザ、2:レーザチャンバ、5:放電電極、7:ウィンドウ、8:フロントミラー、9:ウィンドウ、10:狭帯域化ユニット、11:レーザ光、15:ステッパ、18:高圧電源、19:貫流ファン、20:モータ、21:希ガスボンベ、22:ハロゲンボンベ、23:バッファボンベ、24:配管、37:照明レンズ、38:レチクル、39:投影レンズ、40:スキャン式露光機、41:ウェハ、42:半導体チップ、43:ウェハステージ、44:スキャンステージ、45:レチクルエリア、46:照射領域、47:シードレーザ、48:シード光、49:小孔、50:有孔凹面鏡、51:凸面鏡、52:ArF発振器。
Claims (3)
- ハロゲンガスと希ガスとバッファガスとを含み、レーザチャンバ内に封入されたArFエキシマレーザのレーザガスにおいて、
レーザガス中のバッファガスがHeを主成分とし、
安定した高いレーザ出力を得るために、レーザガスの希ガスに1〜100 ppm のXeを含む
ことを特徴とするArFエキシマレーザのレーザガス。 - ハロゲンガスと希ガスとバッファガスとを含むレーザガスと、レーザガスを封入したレーザチャンバ (2)
と、レーザチャンバ (2) 内に互いに対向して配置され、放電を起こしてレーザガスを励起する一対の放電電極 (5,5) と、レーザチャンバ (2) 内のレーザガスを前記一対の放電電極 (5,5) 間に導くためにレーザガスを循環させる貫流ファン (19) と、前記放電により発生したレーザ光 (11) を発振させると共に狭帯域化する狭帯域化ユニット (10) とを備えたArFエキシマレーザにおいて、
レーザガス中のバッファガスがHeを主成分とし、
安定した高いレーザ出力を得るために、レーザガスの希ガスに1〜100 ppm のXeを含む
ことを特徴とするArFエキシマレーザ。 - ウェハ(41)上の半導体チップ(42)を、半導体チップ(42)の面積より小さな複数の照射領域(46)ごとにパルス状のレーザ光(11)を照射しながら、ウェハ(41)を移動させることで半導体チップ(42)全体を露光するスキャン式露光機において、
レーザ光(11)を発振する光源が請求項2記載のArFエキシマレーザ(1)である
ことを特徴とするスキャン式露光機。
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