JP4022563B2 - スポーツ手袋 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴルフ、野球、テニスなどのスポーツに好適のスポーツ手袋に関し、詳細には、フィット性を向上させるための構造の改良に関する。
スポーツ手袋として、たとえば特開平11−104287号公報や実用新案登録第3055215号公報に示すようなものが提案されている。
特開平11−104287号公報に示すゴルフ手袋は、雨や汗による手袋内部での滑りを防止するために、手袋本体の裏面側に小突起物を設けている。また、実用新案登録第3055215号公報に示すスポーツ用グローブでは、滑り止め用の無数のシリコンゴム製突起をグローブの裏面に設けている。
しかしながら、前記各公報に示す従来構造においては、手袋の使用時には、小突起物を掌に食い込ませることによって、手と手袋内面との滑りを防止しようとしている。このため、ゴルフスイングやバッティングなどの際に手の皮膚に圧迫感を与え、その結果、着用者が違和感や異物感を感じるおそれがある。また、手袋内面に突起物が形成されていることにより、手袋の着脱が容易ではない。
特開平11−104287号公報 実用新案登録第3055215号公報
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、着用者がスポーツ時に違和感や異物感を感じることなくフィット性を向上でき、しかも着脱が容易なスポーツ手袋を提供することにある。
本発明に係るスポーツ手袋は、手袋本体を備えており、手袋本体の裏面側において着用者の掌に相当する部分の少なくとも一部に、粘着性樹脂を含みかつ10〜300kPaの引張せん断接着強さを有する粘着性コーティング層を形成している。
本発明によれば、たとえばゴルフスイング時やバッティング時などのスポーツの際には、コーティング層の粘着性により手袋内部で手を滑りにくくすることによって、手を手袋に密着させて手と手袋を一体化させているので、着用者の手に違和感や異物感を感じさせることなく、フィット性を向上できる。しかも、この場合には、粘着性コーティング層の引張せん断接着強さを10〜300kPaに設定したので、手を手袋内面に密着させるだけの密着性を確保できるとともに、手袋の着脱を容易に行えるようになる。
ここで、引張せん断接着強さを上記範囲に設定したのは、以下の理由による。
引張せん断接着強さの異なる10種類の粘着剤をそれぞれ手袋の内面に同一の厚みで塗布することにより、10種類の手袋を用意する。次に、これら10種類の手袋を5名の被験者(A〜E)に着用してもらい、フィット性と着脱容易性の双方について各手袋を5段階で官能評価してもらった。
フィット性についての官能評価結果を表1に、着脱容易性についての官能評価結果を表2にそれぞれ示す。また、図1および図2は、表1および表2中の各平均値をそれぞれプロットしたものである。
Figure 0004022563
Figure 0004022563
図1中のグラフを見ると、引張せん断接着強さが10kPaにおいて屈曲点が存在していることが分かる。したがって、フィット性に関して言えば、引張せん断接着強さが10kPa未満では、着用者を満足させるだけの十分なフィット性が得られず、十分なフィット性を得るためには、引張せん断接着強さが10kPa以上が好ましいと考えられる。一方、図2中のグラフを見ると、引張せん断接着強さが300kPaにおいて屈曲点が存在していることが分かる。したがって、着脱容易性に関して言えば、引張せん断接着強さが300kPaを超えると、着脱が容易ではなくなり、十分な着脱容易性を得るためには、引張せん断接着強さが300kPa以下が好ましいと考えられる。このような官能評価結果に基づいて、粘着性コーティング層の引張せん断接着強さを10kPa以上300kPa以下に設定したのである。
なお、引張せん断接着強さは、JIS K 6850 の引張せん断接着強さの試験方法に準拠した方法で測定した。この方法の概要を表3に示す。
同表中に示すように、羊革などの手袋用皮革およびPP(ポリプロピレン)シートを用意する。このPPシートとしては、たとえばコクヨ株式会社製の「クリヤーホルダー(品番:フ−T750N)」などの厚み0.2mm程度のものが適している。手袋用皮革の裏面側の2個所に2枚重ねのセロハンテープを10mmの間隔で平行に貼り、その間に粘着性コーティング剤(溶液)を垂らし、上からガラス棒でセロハンテープ2枚重ねの厚みまで引き伸ばす方法で塗布する。
Figure 0004022563
その後、手袋用皮革の裏面側のセロハンテープを剥がし、JIS K 7100 に規定する標準雰囲気下(温度23℃,相対湿度50%)で24時間以上放置して十分に乾燥させる。乾燥後、エチルアルコールで洗浄して同様に乾燥させたPPシートを貼り合わせて試験片とした。
次に、試験片を2枚のステンレス板で挟み、JIS L 0848 に規定する汗試験機に水平に取り付けて、約150kPaの圧力をかけた状態で固定した。そして、37±2℃に設定した恒温槽中に入れ、試験片を恒温槽の底面に対して垂直に保持した状態で24時間放置した。その後、試験片を汗試験機から取り外し、上記標準雰囲気下で1時間以上放置して冷却した。
次に、JIS K 6850 に規定する引張試験機を用いて、試験片としての手袋用皮革およびPPシートに100m/minの一定速度で引張荷重を作用させた。そして、粘着性コーティング層が破断したときの荷重(つまり破断力[mmN])をせん断面積(ここでは100[mm])で割って、引張せん断接着強さ[kPa]を求めた。
なお、粘着性コーティング層の形成パターンが、帯状、ドット状、網目状、波目状、亀甲状などのように、接合面(10mm×10mm)全体をコーティング層が覆わない場合には、測定した破断力を、コーティング層に覆われた実質的な接合面積で割ることにより、引張せん断接着強さを求める。
また、本発明では、粘着性コーティング層の引張せん断接着強さが、着用者の指の部分において相対的に低く、子指球部分において相対的に高くなっている。
請求項の発明では、粘着性コーティング層の厚みが0.05mm以上0.2mm以下に設定されている。
ここで、粘着性コーティング層の厚みを上記範囲に設定したのは、以下の理由による。
厚みが0.05,0.1,0.15,0.2,0.25,0.3,0.5mmの7種類の厚みゲージを用意し、被験者10名にそれぞれ厚みゲージを上から掌(および指の腹)で触ってもらい、厚みゲージを段差として違和感を感じるかどうかを官能評価してもらった。
その結果を表4に示す。同表に示すように、厚みが0.25mm以上になると、8割以上の人が違和感を感じるようになることから、粘着性コーティング層の厚みとしては、0.2mm以下が好ましいことが分かった。また、粘着性コーティング層の厚みの下限値を0.05mmとしたのは、厚みが0.05mmよりも薄いと、安定した粘着力を得ることが難しくなるためである。
Figure 0004022563
請求項の発明によれば、手袋本体の裏面に凹部または貫通孔が形成されており、粘着性樹脂の一部が凹部または貫通孔内にも導入されている。
この場合には、凹部または貫通孔内に導入された粘着性樹脂がいわゆるアンカー効果を発揮することにより、手袋本体裏面から粘着性コーティング層を剥がれにくくすることができる。
請求項の発明によれば、粘着性コーティング層が、粘着性樹脂を主成分とし、これに微粒子物が配合されて構成されている。
上述したJIS K 6850 の引張せん断接着強さの試験方法に準拠した方法で試験を行うと、粘着性樹脂単体では、引張せん断接着強さが300kPaを超えることが分かったため、引張せん断接着強さを所望の範囲に収めるために、請求項4の発明では、粘着性樹脂にたとえばシリカやホワイトカーボンなどの微粒子物を配合するようにしたのである。
請求項の発明によれば、微粒子物の混合量は、粘着性樹脂100重量部に対して微粒子物1〜100重量部が配合されている。
微粒子物の混合量を上記範囲に設定したのは、1重量部未満では、粘着性能をコントロールする効果が期待できず、また100重量部を超えると、樹脂溶液の粘度が上昇して塗布時に斑が生じるためである。
微粒子物の混合量は、より好ましくは、請求項の発明に記載されているように、粘着性樹脂100重量部に対して微粒子物1〜30重量部が配合されている。
請求項の発明のように、微粒子物の混合量を30重量部までとしたのは、混合量が30重量部を超えると、樹脂溶液の粘度が増加することにより、塗布時に斑が生じる恐れが高くなるためである。
請求項の発明では、微粒子物が0.01g/ml以上0.5g/ml以下の見掛け比重を有している。
ここで、微粒子物の見掛け比重を上記範囲に設定したのは、見掛け荷重が0.01g/ml未満では、樹脂溶液中への混合が難しく、また見掛け比重が0.5g/mlを超えると、樹脂の溶液中で微粒子物が沈降しやすくなって、粘着性に斑が生じるようになるためである。
請求項の発明では、粘着性コーティング層が、着用者の第3指、第4指、第5指および子指球部分、ならびに第3指ないし第5指にかけての指の付け根部分に形成されている。
請求項の発明では、粘着性コーティング層が、着用者の第3指、第4指、第5指および子指球部分に形成されるとともに、第3指ないし第5指における粘着性コーティング層が、各指の関節部を除く領域に形成されている。
なお、粘着性コーティング層は、手袋本体の裏面に塗布、印刷等により形成されている。
本発明によれば、コーティング層の粘着性によって手袋内部で手を滑りにくくすることにより、手を手袋に密着させて手と手袋を一体化させるようにしたので、着用者の手に違和感や異物感を感じさせることなく、フィット性を向上できる。しかも、この場合には、粘着性コーティング層の引張せん断接着強さを10〜300kPaに設定したので、手を手袋内面に密着させるだけの密着性を確保できるとともに、手袋の着脱を容易に行えるようになる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図3ないし図8は、本発明による粘着性コーティング層が形成されたスポーツ手袋としてのゴルフ手袋をそれぞれ示している。これらの図は、いずれもゴルフ手袋を裏返した状態において掌の側の正面図である。また、各図中、網掛け領域が粘着性コーティング層の形成された領域を示している。これらの図に示すように、本発明による粘着性コーティング層は、手袋の裏面側において着用者の掌に相当する部分の少なくとも一部に形成されている。
図3に示すものでは、ゴルフ手袋1の掌全面に粘着性コーティング層10が形成されており、図4に示すものでは、手袋1において第3指〜第5指および子指球部を覆う領域に粘着性コーティング層10が形成されている。
図5に示すものでは、ゴルフスイング時に力が入る第3指、第4指および第5指ならびに子指球部分に帯状の粘着性コーティング層10a,10b,10c,10dが形成されている。図6に示すものでは、図5に示した部分に加えて、手と手袋との間に隙間が生じやすい、第3指〜第5指にかけての指の付け根部分にも帯状の粘着性コーティング層10eが形成されている。図7に示すものでは、第3指ないし第5指のみならず、第1指および第2指にも帯状の粘着性コーティング層10f,10gが形成されている。また第3ないし第5中手骨にそれぞれ対応する位置に帯状の粘着性コーティング層10d’が形成されている。図8に示すものでは、図5に示したものと類似しているが、この場合には、第3指ないし第5指に形成される粘着性コーティング層10a’,10b’,10c’は、各指の関節部を除く領域に形成されている。
各コーティング層の形成パターンとしては、所定領域を一様に覆うように形成する他、多数のドット状にして形成するパターン、その逆に多数のドット部分を除いて形成するパターン、2方向の帯状コーティング層が交差する網目状のパターン、それぞれ横方向に延びる複数の波目状のパターン、ハニカム状(つまり亀甲状)のパターンなど種々のものが考えられる。この場合において、とくに網目状のパターンや波目状のパターン、ハニカム状のパターンの場合には、2方向以上の方向において手が手袋内で滑りにくくなるため、手袋の密着度合いが向上し、さらに波目状のパターンの場合には、手の屈曲ラインに沿って手が手袋に密着しやすくなる。
なお、粘着性コーティング層は、手袋本体の裏面に塗布、印刷等により形成されている。
ゴルフ手袋1を構成する素材としては、天然皮革の他、人工皮革、合成皮革などが用いられる。したがって、粘着性コーティング層が形成される基材層は、不織布および織布のいずれでもよい。
粘着性コーティング層を構成する主成分である粘着性樹脂としては、たとえば、ゴム系として、天然ゴムやスチレンブタジエンゴムなどが用いられ、また樹脂系として、アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系の他、ウレタン系やシリコン系が用いられるが、粘着性を具備する樹脂であれば何でもよい。また、2種類以上の粘着性樹脂を混合して用いるようにしてもよい。この場合、ゴム系同士の組合せや樹脂系同士の組合せに限らず、ゴム系および樹脂系の組合せでもよい。
粘着性樹脂に配合される微粒子物としては、シリカ、ホワイトカーボン、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、クレー、亜鉛華、珪藻土、タルクなどが用いられる。このような微粒子物を粘着性樹脂に混合するのは、粘着性樹脂単体では高くなりすぎる傾向がある引張せん断接着強さを所望の範囲に収めるためである。
ここで、粘着性樹脂および微粒子物の配合の具体例を表5に示す。同表中に示すように、各配合例1ないし3においては、粘着性樹脂および微粒子物の他に、添加剤や可塑剤、溶媒が配合された例が示されている。
Figure 0004022563
微粒子物の混合量は、粘着性樹脂100重量部に対して微粒子物1〜100重量部、好ましくは、微粒子物1〜30重量部が配合されている(表5参照)。
微粒子物の混合量を1〜100重量部の範囲に設定したのは、1重量部未満では、粘着性能をコントロールする効果が期待できず、100重量部を超えると、樹脂溶液の粘度が上昇して塗布時に斑が生じるためである。さらに、好ましい例として、微粒子物の混合量を30重量部までとしたのは、混合量が30重量部を超えると、樹脂溶液の粘度が増加することにより、塗布時に斑が生じる恐れが高くなるためである。
微粒子物は、0.01g/ml以上0.5g/ml以下の見掛け比重を有しているのが好ましい。その理由は、見掛け荷重が0.01g/ml未満では、樹脂溶液中への混合が難しく、見掛け比重が0.5g/mlを超えると、樹脂の溶液中で微粒子物が沈降しやすくなって、粘着性に斑が生じるようになるためである。
粘着性コーティング層の厚みは、0.05mm以上0.2mm以下に設定されている。粘着性コーティング層の厚みをこのような範囲に設定したのは、既述したように、厚みが異なる7種類の厚みゲージを用いた官能評価結果に基づいている。すなわち、表4に示すように、厚みが0.25mm以上になると、8割以上の人が違和感を感じており、また、厚みが0.05mmより薄くなると、安定した粘着力を得ることが難しくなる点を考慮すると、粘着性コーティング層の厚みとしては、0.05〜0.2mmが好ましいと判断される。なお、粘着性コーティング層の厚みは、粘着性コーティング層の最表面から基材層の最表面までの深さで表される。
また、粘着性コーティング層は、10kPa以上300kPa以下の引張せん断接着強さを有している。引張せん断接着強さをこのような範囲に設定したのは、既述したように、引張せん断接着強さの異なる5種類の粘着剤からなる粘着性コーティング層がそれぞれ形成された5種類の手袋を用いた官能評価結果に基づいている。
フィット性に関しては、図1のグラフ中において屈曲点となる引張せん断接着強さが10kPaであることから、着用者を満足させるだけの十分なフィット性を得るためには、引張せん断接着強さが10kPa以上であることが必要であると判断される。また、着脱容易性に関しては、図2のグラフ中において屈曲点となる引張せん断接着強さが300kPaであることから、着用者を満足させるだけの十分な着脱容易性を得るためには、引張せん断接着強さが300kPa以下であることが必要であると判断される。なお、引張せん断接着強さは、表3を用いて既述したように、JIS K 6850 の引張せん断接着強さの試験方法に準拠した方法で測定している。
上述のように構成されたゴルフ手袋によれば、ゴルフスイング時には、コーティング層自体の粘着性によってプレーヤの手が手袋内部で滑りにくくなっており、これにより、手が手袋に密着して手と手袋とを一体化できる。その結果、プレーヤが違和感や異物感を感じることなく、手袋のフィット性を向上できる。このようにして、プレーヤは安心してプレーに集中できるようになる。また、粘着性コーティング層を形成することで、皮革の耐久性が向上する。
この場合において、たとえば図3に示す態様では、掌全体のフィット性を向上でき、図4ないし図8に示す態様では、所望部位に集中させてフィット性を向上できる。さらに、図3に示すものでは、粘着性コーティング層の形成領域が掌の特定部位に限定されないので、粘着性コーティング層の形成が容易である。図4ないし図8に示すものでは、粘着性コーティング層の占有面積が小さくて済むので、製造コストを低減できる。また、図8に示すものでは、粘着性コーティング層が指の関節部分に形成されていないことにより、手袋としての吸汗性を向上できるとともに、指が自然に曲がるようになって着用感を向上できる。
しかも、この場合には、粘着性コーティング層の引張せん断接着強さを10〜300kPaに設定したので、手を手袋内面に密着させるだけの密着性を確保できるとともに、手袋の着脱を容易に行えるようになる。
また、図3ないし図8に示す各実施態様においては、粘着性コーティング層を形成する部位に応じて、引張せん断接着強さを異ならせるようにしてもよい。たとえば、指の部分の引張せん断接着強さを相対的に低くして粘着力を低く設定し、子指球部分の引張せん断接着強さを相対的に高くして粘着力を高く設定するのが好ましい。これは、指の部分は、手の指自体が元々物を把持できるように構成されているため、粘着性コーティング層による粘着力をそれ程高く設定する必要がないのに対し、手の子指球部分は元々物を把持できるように構成されていないため、粘着性コーティング層による粘着力をある程度高く設定してやる必要があるためである。
このような粘着力の設定により、手袋の着用者は、ゴルフクラブを握ったとき、手袋内部での粘着力を均等に感じるようになって、粘着力の全体のバランスが向上する。なお、引張せん断接着強さの例として、指の部分を150kPaにし、子指球部分を250kPaにすると、均等な密着感を得ることができる。
これに対して、粘着性コーティング層の引張せん断接着強さをすべての部位で同じ大きさにした場合には、手袋の着用者が指の部分の粘着力だけを強く感じたり、子指球部分の粘着力を全く感じない場合が起こり得る。
次に、図9(a)は、手袋の基材1Aに貫通孔11(開口径d)が形成された態様を示している。この場合、基材1Aの表面に形成される粘着性コーティング層10の一部が、貫通孔11内にも導入されている。これにより、貫通孔11内の粘着性コーティング層部分がいわゆるアンカー効果を発揮して、基材1A表面の粘着性コーティング層10の剥離を防止できる。
また、図9(b)は、同図9(a)の貫通孔形成部分にさらに貫通孔12(開口径d(<d))が形成された態様を示している。この場合には、基材1Aの貫通孔11内に依然として粘着性コーティング層10の一部が導入されているので、図9(a)の場合と同様に、アンカー効果により、基材1A表面の粘着性コーティング層10の剥離を防止できる。しかも、この場合には、貫通孔12が通気孔の役目を果たすようになるので、手袋内部の蒸れを防止できる。
なお、手袋の基材1Aに貫通孔を形成するかわりに、基材1Aの裏面に盲孔つまり凹部を形成するようにしてもよい。この場合、凹部に導入される粘着性コーティング層が同様にアンカー効果を発揮することにより、基材表面の粘着性コーティング層の剥離を防止できる。
また、前記実施例では、ゴルフ手袋を例にとって説明したが、本発明は、ゴルフ手袋以外に、野球のバッティング用手袋やテニス用手袋などにも同様に適用可能である。
粘着性コーティング層の引張せん断強さと手袋のフィット性官能評価との関係を示すグラフである。 粘着性コーティング層の引張せん断強さと手袋の着脱容易性官能評価との関係を示すグラフである。 ゴルフ手袋の裏面図であって、掌全面に粘着性コーティング層が形成された例を示している。 ゴルフ手袋の裏面図であって、第3指ないし第5指および子指球部を覆う領域に粘着性コーティング層が形成された例を示している。 ゴルフ手袋の裏面図であって、第3指ないし第5指および子指球部に帯状の粘着性コーティング層が形成された例を示している。 ゴルフ手袋の裏面図であって、第3指ないし第5指、子指球部および各指の付け根部分に帯状の粘着性コーティング層が形成された例を示している。 ゴルフ手袋の裏面図であって、第1指ないし第5指、および第3指ないし第5指の各中手骨に沿って帯状の粘着性コーティング層が形成された例を示している。 ゴルフ手袋の裏面図であって、第3指ないし第5指(関節部除く)および子指球部に帯状の粘着性コーティング層が形成された例を示している。 基材に貫通孔が形成されたゴルフ手袋の貫通孔形成部分の断面図であって、コーティング層のアンカー効果を説明するための図である。
符号の説明
1: ゴルフ手袋(スポーツ手袋)
1A: 基材

10,10’: 粘着性コーティング層
10a〜10f: 粘着性コーティング層
10a’〜10d’: 粘着性コーティング層

11,12: 貫通孔

Claims (9)

  1. スポーツ手袋であって、
    手袋本体と、
    前記手袋本体の裏面側において着用者の掌に相当する部分の少なくとも一部に形成された、粘着性樹脂を含みかつ10〜300kPaの引張せん断接着強さを有する粘着性コーティング層とを備え、
    前記粘着性コーティング層の引張せん断接着強さが、着用者の指の部分において相対的に低く、子指球部分において相対的に高くなっている、
    ことを特徴とするスポーツ手袋。
  2. 請求項1において、
    前記粘着性コーティング層の厚みが0.05〜0.2mmである、
    ことを特徴とするスポーツ手袋。
  3. 請求項1において、
    前記手袋本体の裏面に凹部または貫通孔が形成されており、前記粘着性樹脂の一部が前記凹部または貫通孔内にも導入されている、
    ことを特徴とするスポーツ手袋。
  4. 請求項1において、
    前記粘着性コーティング層は、粘着性樹脂を主成分としており、これに微粒子物が配合されている、
    ことを特徴とするスポーツ手袋。
  5. 請求項4において、
    前記粘着性樹脂が100重量部に対して、前記微粒子物が1〜100重量部配合されている、
    ことを特徴とするスポーツ手袋。
  6. 請求項5において、
    前記粘着性樹脂が100重量部に対して、前記微粒子物が1〜30重量部配合されている、
    ことを特徴とするスポーツ手袋。
  7. 請求項4ないし6のいずれかにおいて、
    前記微粒子物が、0.01〜0.5g/mlの見掛け比重を有している、
    ことを特徴とするスポーツ手袋。
  8. 請求項1において、
    前記粘着性コーティング層が、着用者の第3指、第4指、第5指および子指球部分、ならびに第3指ないし第5指にかけての指の付け根部分に形成されている、
    ことを特徴とするスポーツ手袋。
  9. 請求項1において、
    前記粘着性コーティング層が、着用者の第3指、第4指、第5指および子指球部分に形成されるとともに、第3指ないし第5指における前記粘着性コーティング層が、各指の関節部を除く領域に形成されている、
    ことを特徴とするスポーツ手袋。
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