JP4022478B2 - ロボットフォン - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、離れた場所に置かれた複数のロボットの形・動き・位置等を同期させることにより人がコミュニケーションを図るためのロボット・ユーザ・インタフェース(RUI)のひとつであるロボットフォンに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ペットロボットやヒューマノイド、美術館案内ロボット、介護ロボット等の人間共存型のロボットが人気を博している。これらロボットはコンピュータの画面内を動き回るCGキャラクタと比べて圧倒的な存在感を有しており、それがまた人気の一因となっていると考えられる。
【0003】
ロボットはまさに身体性を有するコンピュータであるととらえることができ、この身体の物理存在自体が圧倒的な存在感の源泉となるとともに、身体を用いた物理的相互作用を通し、実世界に対して大きな影響力を発揮することができる。
【0004】
この実世界と強力なインタラクションを可能とするロボットを実世界と情報世界とのインタフェースとしてとらえた概念がロボティックインタフェースとして提案されている(Y. Wakita, S. Hirai, K. Machida, K. Ogimoto, T. Itoko, P. Backes and S. Peters, Application of intelligent monitoring for super long distance teleoperation, Proc., IEEE IROS'96, Osaka, pp.1031-1037, 1996)。特にロボットをユーザインタフェース-Robotic User Interface (RUI)-として用いることにより、実世界に対して入力と出力を兼ね備えた実世界指向のユーザインタフェース環境を構築できると考えられる。また、ロボットの汎用機械としての特性を生かすことにより、物理インタフェースを用いつつもある程度の汎用性を確保しやすいという利点も存在する。
【0005】
そして、実世界と別の実世界を結ぶためのRUIの実装がテレイグジスタンス及びオブジェクト指向型テレイグジスタンスである。オブジェクト指向型テレイグジスタンスとは、「遠隔地の物体の形や動きなどを彼我で共有することにより、遠隔地での作業やコミュニケーションを図る」ための概念である。
【0006】
従来のテレイグジスタンス/テレプレゼンスは、遠隔ロボットの周辺の環境を取り込み、これを操作者の周辺に再構成することにより臨場感を伝達し、自らがその場にいるかのような感覚で遠隔ロボットを操作可能とするものである。テレイグジスタンスは操作者への高度な臨場感の提示を前提にした手法であるため、臨場感の計測、伝達、提示を行う部分でハードウエア及びソフトウェアの負担が高くなる傾向がある。また、テレイグジスタンスは自分があたかも遠隔ロボットそのものになったかのような感覚、つまり一人称視点で遠隔ロボットの操作を行うため、スレーブロボットが人間と同構造、同サイズ、同動特性のときに最も効果的である。しかしながら、現状では人間と同構造のロボットを製作すること自体が困難であり、人型のロボットで人間と同等以上の動特性を実現し、さらにそのロボットを用いて作業を行うことが可能になるまでには相当の技術的課題が山積している。また、移動型ロボットや建機のように作業対象や応用分野によってはスレーブロボットが人と同構造、同サイズではない場合や、あるいは視点も一人称より三人称視点(俯瞰視点)の方が操作上有利な場合も多いと考えられる。
【0007】
そこで、本願では、遠隔環境をユーザの周囲に再構成するのではなく、遠隔ロボットそのものをユーザの手元に再構成することにより、より簡便にかつ直感性を維持しつつ遠隔ロボットの制御を行うことを提案する。従来のテレイグジスタンスが「いかに遠隔環境と操作者とを密に、透明に接合するか」という環境指向システムであったのに対し、本発明は「いかに遠隔ロボットと手元のデバイスとを密に結合するか」ということに主眼をおいた、オブジェクト指向のテレイグジスタンスである。
【0008】
なお、触覚の共有を通して遠隔地とのコミュニケーションを開示した文献として次のものがある。
(1)Brave, S., and Dahley, A. inTouch : A Medium for Haptic Interpersonal Communication, Extended Abstracts of CHI'97, pp.363-364, ACM Press, 1997.
(2)Brave, S., Ishii, H., and Dahley, A. Tangible Interface for Remote Collaboration and Communication, Proceedings of CSCW'98, pp.169-178, ACM Press, 1998.
(3)Fogg, B.J., Cutler, L., Arnold, P., and Eisback C. HandJive: a device for interpersonal haptic entertainment, Proceedings of CHI'98, pp.57-64, ACM Press, 1998.
【0009】
(1)は三本の木製ローラーによる回転力のみの伝達に関し、(2)はチェスの駒状の物体、(3)は手に握ったバルーンのふくらみ、と提示される情報が極めて限定されているため、コミュニケーションを行う上ではアンビエントな情報低伝達手段に納まっている。これに対し、本願発明は人に近い自由度配置のロボットを共有させることにより自由度の高い触覚情報の共有のみならず視覚的にもジェスチャ情報を伝達可能となっている。
【0010】
ぬいぐるみをユーザインタフェースとして用いた例として次の文献がある。
(4)星野由紀子、鈴木保匡、山本英子、廣川憲隆、稲葉雅幸、井上博允、日常生活での視聴触覚対話行動研究のための卓上全身型ロボットの開発、日本ロボット学会第16回学術講演会、pp.5-6,1998.
(5)米澤朋子、ブライアン クラークソン、安村通晃、間瀬健二、文脈に応じた音楽表現を伴うセンサぬいぐるみ、インタラクション2001論文集、pp.19-20,2001.
【0011】
星野らはぬいぐるみを物理エージェントとして利用し、米澤らは人形を音楽のインタラクティブ操作のための入力インタフェースとして利用している。
(4)(5)はいずれも、人形を物体共有型のコミュニケーションに用いているものではない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、離れた場所に置かれた複数のロボットの形・動き・位置等を同期させることにより人がコミュニケーションを図ることができるロボットフォンを提供することを目的とする。
【0013】
特に、何らかの理由で通信回線が一次的に不通になったり、不意に切断されたときに支障が生じないロボットフォンを提供することを目的とする。
【0014】
また、通信回線の帯域(通信速度)が異なるときに、通信帯域に合わせて好ましい制御を行うことができるロボットフォンを提供することを目的とする。
【0015】
また、通信遅延に起因する制御系の発振を防ぐことができるロボットフォンを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るロボットフォンは、ユーザインタフェースとして用いられ、体の一部に可動部を含むロボットであって、前記可動部を駆動する駆動部と、前記可動部の位置情報を取得する位置情報センサと、前記駆動部の動きを停止させる遮断部とを含むロボットと、通信接続部とを備え、
前記通信接続部は、通信回線を介して、前記位置情報センサからの前記可動部の位置を示す信号を相手側に伝送し、相手側から前記可動部に対応する位置情報を受けてこれを前記駆動部へ送り、
前記駆動部は受けた前記位置情報に基づき前記可動部を駆動し、
前記通信接続部は、前記通信回線の状態を監視し、これに異常を発見したときは前記遮断部を動作させて前記駆動部の動きを停止させるものである。
前記通信回線は、電話回線のような有線回線、無線LANやブルートゥースのような無線回線を含む。あるいはピアツーピア(1対1)接続の有線又は無線の通信線であってもよい。
【0017】
好ましくは、前記ロボットは、前記駆動部の駆動力を所定値以下に制限するリミッタを備える。
【0018】
好ましくは、前記通信接続部は、前記通信回線の状態を監視し、通信データの欠損を発見したときはその前及び/又は後の通信データに基づきデータの補完を行う。
【0019】
この発明に係るロボットフォンは、ユーザインタフェースとして用いられ、体の一部に可動部を含むロボットであって、前記可動部を駆動する駆動部と、前記可動部の位置情報を取得する位置情報センサと、前記可動部のインピーダンスを変化させるインピーダンス可変手段とを含むロボットと、通信接続部とを備え、
前記通信接続部は、通信回線を介して、前記位置情報センサからの前記可動部の位置を示す信号を相手側に伝送し、相手側から前記可動部に対応する位置情報を受けてこれを前記駆動部へ送り、
前記駆動部は受けた前記位置情報に基づき前記可動部を駆動し、
前記通信接続部は、前記通信回線の状態を監視し、その状態を示す信号を前記インピーダンス可変手段へ送り、前記可動部のインピーダンスを変化させるものである。
【0020】
好ましくは、前記インピーダンス可変手段は、前記可動部に設けられた機械的な機構により前記可動部のインピーダンスを変化させる。
好ましくは、前記インピーダンス可変手段は、前記駆動部に所定の制御を加えることにより前記可動部のインピーダンスを変化させる。
【0021】
好ましくは、前記通信接続部は、前記通信回線の帯域が狭くなったとき、前記インピーダンス可変手段によりインピーダンスを増加させて前記可動部を動かしにくくする。
【0022】
この発明に係るロボットフォンは、ユーザインタフェースとして用いられ、体の一部に可動部を含むロボットであって、前記可動部を駆動する駆動部と、前記可動部の位置情報を取得する位置情報センサとを含むロボットと、前記ロボットの入力信号及び/又は前記ロボットの出力信号の周波数を制限するフィルタを含む通信接続部とを備え、
前記通信接続部は、通信回線を介して、前記位置情報センサからの前記可動部の位置を示す信号を相手側に伝送し、相手側から前記可動部に対応する位置情報を受けてこれを前記駆動部へ送り、
前記駆動部は受けた前記位置情報に基づき前記可動部を駆動し、
前記通信接続部は、前記通信回線の状態を監視し、その状態に応じて前記フィルタの特性を調節するものである。
【0023】
好ましくは、前記通信接続部は、前記通信回線の帯域が予め定められた所定帯域よりも広いとき前記フィルタの入力信号をそのまま出力させ、前記通信回線の帯域が狭いとき前記フィルタにローパスフィルタ及び/又はバンドパスフィルタの特性を持たせる。
なお、前記通信接続部により送受信される前記可動部の位置を示す信号及び/又は前記位置情報は、差分情報であってもよい。この場合、前記可動部が所定時間以上動かされなかったとき及び/又は電源投入時に、前記可動部の位置を示す信号及び/又は前記位置情報は予め定められた値に設定され、これにより前記可動部が所定の状態に設定されることが望ましい。
前述の発明における前記駆動部、前記位置情報センサ及び通信接続部等の各部分の制御は例えばコンピュータにより実現される。例えば、コンピュータは、前記通信接続部が、通信回線を介して、前記位置情報センサからの前記可動部の位置を示す信号を相手側に伝送し、相手側から前記可動部に対応する位置情報を受けてこれを前記駆動部へ送るように制御し、前記駆動部は受けた前記位置情報に基づき前記可動部を駆動するように制御し、前記通信接続部は、前記通信回線の状態を監視し、これに異常を発見したときは前記遮断部を動作させて前記駆動部の動きを停止させるように制御する。
本発明はこのコンピュータのためのプログラムも含むものである。この発明の制御を実行するためのプログラムは、例えば、記録媒体に記録される。
媒体には、例えば、EPROMデバイス、フラッシュメモリデバイス、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、CD(CD−ROM、Video−CDを含む)、DVD(DVD−Video、DVD−ROM、DVD−RAMを含む)、ROMカートリッジ、バッテリバックアップ付きのRAMメモリカートリッジ、フラッシュメモリカートリッジ、不揮発性RAMカートリッジ等を含む。
また、電話回線等の有線通信媒体、マイクロ波回線等の無線通信媒体等の通信媒体を含む。インターネットもここでいう通信媒体に含まれる。
媒体とは、何等かの物理的手段により情報(主にデジタルデータ、プログラム)が記録されているものであって、コンピュータ、専用プロセッサ等の処理装置に所定の機能を行わせることができるものである。
【0024】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
本発明は、オブジェクト指向型テレイグジスタンスの一形態としての形状共有システムに関わる。形状共有システムとは、オブジェクトの形状を同期させることにより遠隔地との形状の共有を図り、遠隔地とのインタラクションを可能とするシステムである。「形」は対象を識別、認識するに当って最も基本となる要素の一つであり、また対象の状態を知る上で重要なキーでもある。形状共有システムは、対象物の認識において重要な役割を果たす形状の同期を行うことにより、遠隔ロボットと手元のデバイスの密な結合を達成するものである。
【0025】
リアルタイムで形状の同期を行うことにより、ただ単に静的なオブジェクトの形を伝えるだけでなく、形が変化していく過程である「動き」も伝えることが可能となる。また、自分の側のオブジェクトの形状がまさに遠隔側のオブジェクト形状を示しており、ディスプレイとしての効果も有している。入力と出力は同一デバイスで行われ、入力と出力の切り替えのない直感的な操作体系が実現される。さらに、オブジェクトとのインタラクションは、手という感覚の入力と外界に対する出力が同時に可能な器官を介して行われるため、本システムは本質的にインタラクティブなインタフェースと位置付けられる。
【0026】
本発明において、実世界と強力なインタラクションを可能とするロボットが実世界と情報世界とのインタフェースとして用いられる(ロボットユーザインタフェース-Robotic User Interface (RUI))。
【0027】
RUIは次のような特徴をもつ。
・物理世界と相互作用を行うことが可能であり、実際にものを動かすといった作業が可能である。
・ロボットの形状や動作により視覚的な情報の表示を行うことできる。
・ロボットから人に力を加えることにより触覚的な情報の提示もできる。
・人の側が直接ロボットに触れ、その形状を変化させることにより、指示入力操作可能である。
・ロボットへの呼びかけ、ロボット自体の発話といった音声を介したインタラクションが可能である。
【0028】
RUIのひとつとしてロボットフォンが提案されている。ロボットフォンとは、離れた場所に置かれた複数のロボットの形・動き・位置等を同期させることにより人がコミュニケーションを図るためのRUIである。ロボットフォンでは形状の同期をリアルタイムにおこなうことにより、オブジェクトの形の情報だけでなく、その動きも伝達可能となる。また、通常のディスプレイに表示された電子的なくぼみとは異なり、実際に人に触れて力を伝えることや、物を動かして作業を行うといったことも可能となる。つまり、視覚・触覚・聴覚を統合して提示可能な電話であると言える。なお、双方の利用者が同時にロボットに力を加えた場合はお互いの相手の力を感じることになる。
【0029】
一般にロボットはセンサ等の情報に基づきロボット自身で判断を行い、自動的に動作する自律型のものと、判断は操作する人間が行う他律形のロボットに分けることができるが、このロボットフォンは後者の他律型のロボットにカテゴライズされる。
【0030】
以下、ロボットフォンの例を説明する。
図1はぬいぐるみ型のロボットフォンを示す。図1の1a,1bはそれぞれクマのぬいぐるみに収められたロボットフォンであり、通話をするためのマイク11とスピーカ12、クマのぬいぐるみの骨格の関節に設けられたモータ・遊星歯車減速機13及び位置検出手段(ポテンショメータ)14、及びこれらを制御するためのプロセッサ15、通信回線2を通して通信を行うための通信接続部16を備える。スピーカ12はぬいぐるみの胸部に、マイク11は頭部に装着されている。これらは骨格とともにクマのぬいぐるみに組み込まれている。マイク11及びスピーカ12はぬいぐるみの前側に向けて取りつけられていて、利用者はロボットフォンと向き合って通話及び操作することができる。このことにより、相手と対話しているという感覚を得ることができる。
【0031】
図では表示を省略しているが、モータ・遊星歯車減速機13及び位置検出手段14は骨組みの関節部分にそれぞれ設けられている。例えば、クマのぬいぐるみの右腕内部や頭部に設けられる。これらモータ・遊星歯車減速機13及び位置検出手段14は2自由度、頭部に2自由度の合計4自由度のアクチュエータである。より人間に近い自由度を持たせ、かつより軽い力で動作を可能にするために、四肢にそれぞれ2自由度、頭部に3自由度の全身で11の自由度をもたせることが好ましい。これにより外力によるぬいぐるみの姿勢の変化を外部に出力したり、外部からの信号に基づき姿勢を変えることができる。プロセッサ15はバイラテラル制御を行い、ロボットフォン1aと1bを同じ姿勢に保つ。バイラテラルとは双方向という意味である。バイラテラル制御は、例えば、マニピュレータが受けた重量や反力(接触感)を操作レバーなどに重さとして伝える制御方式として知られている。2つのロボットフォン1a,1bは通信網2に接続され、これを介して互いに相手方と通話できるとともに、自分のぬいぐるみに力を加えてその姿勢を変えてこれを相手に反映させる、つまり同じ姿勢にさせることができる。
【0032】
図1のように、人あるいは動物に近い形状にロボットフォンを構成することにより、ジェスチャを用いたコミュニケーションを可能にするロボットフォンを実現できる。本発明の実施の形態に係るロボットフォン1a,1bを用いて行う通話及び操作の例を図2に示す。二人の利用者がそれぞれロボットフォン1a,1bと向かい合って通話及び操作を行っている。多くのユーザは人形で遊んだ経験を持つため、容易に人形型のインタフェースを操作することができる。例えば、片方のロボットフォンの手を振ることによりもう一方のロボットフォンの手を振らせることや、首の動作によるYES/NOのジェスチャを行わせることができる。また、双方のユーザが同時に人形の手を振った場合は、人形の手を介して相手の力を感じつつ握手を行うこともできる。ロボットフォンは同時に一つの物体を操作するため、状態によってときに自分の分身として、ときに相手の分身として自分に働くことになる。
【0033】
図3は、他の例であるヘビ型のロボットフォンを示す。本体の幹部は7個の節17−1〜17−7で構成される。節17−1〜17−7は回転自在の関節により互いに接続され、全体としてヘビのように体をくねらせることができる。各節にはモータ・遊星歯車機構13及びポテンショメータ14からなるモジュールをそれぞれ備える。図3のヘビ型のロボットフォンにおいてアクチュエータとしてサーボモータが6個用いられている。
【0034】
このヘビ型ロボットフォンは、動作可能な領域が二次元平面内であるという制約はあるものの、胴体そのもので形状を表現することができる。手で触ることによりその形状を自由に構成することができる。
【0035】
以上の例において、サーボモータの制御は、例えばワンボードマイコン上のソフトウェアで実現される。モータの駆動にはPWM制御が用いられる。バイラテラルサーボの制御方として図4に示すような対称型を採用し、対となるサーボモータの位置偏差を常に最小とするように制御を行っている。図4において、20は前記位置偏差を求める減算器、21a,21bは前記位置偏差に基づきロボット1a,1bの対となるサーボモータをそれぞれ駆動する位置指令部である。ロボット1a,1bから出力される角度信号はポテンショメータ14により得られる。ロボット1a,1bに加えられる力はロボットの骨格の関節に作用し、これの位置すなわち姿勢を変えるためのものである。なお、本明細書においてロボットとは、生物の形、構造、機能のいずれか、もしくは全てを規範とした機械のことである。
【0036】
図4の制御システムにおいて、利用者がロボット1a又は1bに力を加えてその姿勢を変化させると、そのことが角度信号として出力される。ロボット1aの姿勢とロボット1bの姿勢が減算器20で比較される。姿勢が異なっている場合、つまり一部又は全部の関節の位置が一致しない場合、当該関節の位置を一致させるように位置指令部21a,21bはそれぞれロボット1a,1bのサーボモータに指令を出す。各サーボモータがこれに応答することにより、ロボット1a,1bの姿勢は同じになる。例えば、ロボット1aの腕を上げたとすると、位置指令部21bはロボット1bに腕を上げるように指令する。一方、位置指令部21aはロボット1aに腕を下げるように指令するので、操作した者は反力を感じることになる。対称型のバイラテラル制御は、力センサを必要とせず、制御器を単純に構成することが可能である。
【0037】
図4の制御システムによれば、マスタとなるデバイスを操作するとスレーブデバイスはこの操作に遅れなく追従するので、マスタデバイスの操作者は自由にスレーブデバイスの形状をコントロールすることができる。
【0038】
この例において、手元の形状と操作対象の形状を一致させるようにする操作方法をとったことで、デバイスとリアルタイムのインタラクションを行いながら、形状をつくっていくことが可能となり、非常に直感的な操作方法となっている。すなわち、操作者の手元に存在するデバイスが、常にリモートの形状を提示しつづけるディスプレイデバイスとしての機能も果たしている。さらに、完全に対称なバイラテラル制御を行っているので、どちらのデバイスがマスタかスレーブかという区別はなく、相互に操作し合うことが可能である。また、位置だけでなく、力の伝達も行われており、たとえば、片方のデバイスの関節を動かさないように手で拘束すると、もう一方のデバイスで相手側のデバイスが拘束されている状態を感じることができる。
【0039】
ところで、ロボットフォンは通信回線を通じて互いに相手のロボットフォンの操作を行っているが、何らかの理由で通信回線が一次的に不通になったり、不意に切断されることも予想される。このような場合でも支障がないようにシステムが設計されることが望ましい。本システムは、従来の極限作業用ロボットなどとは違い、特定のオペレータだけではなく、広く一般に使用されることが想定されるのでなおさらである。
【0040】
このような要請に応えるシステムを図5及び図6に示す。
図5において、通信状態監視部40a,40bは回線の状態、例えば回線が切断されたか、受信したデータの一部に欠落がないかなどを監視するとともに、回線状況に応じた制御信号を位置指令部21a,21b及び/又はロボット10a,10bに対して出力する。データ補完部41a、41bは、受信したデータの一部に欠損が発見された場合、前後の通信データより欠損データを補完する。位置指令部21a,21bは、前述の位置偏差に基づきロボット本体10a,10bのサーボモータを駆動するが、その制御は前記通信状態監視部40a,40bにより制御される。
【0041】
図6は、図5のロボット10a,10bの内部構成を示すブロック図である。図6において、遮断器101は通信状態監視部40の出力に基づきモータ13aの電源を遮断する。通信に異常があるときにモータ13aの電源が遮断される。トルクリミッタ102は、例えば供給する電流の大きさを一定値以下に抑えることによりモータ13aが発生するトルクを制限する。トルクリミッタ102は機械的なものであってもよい。トルク検出器103はモータ13aが発生するトルクの大きさを検出してトルクリミッタ102に送る。トルク検出器103は、例えばモータ13aの電流値を測定して間接的にトルクを検出したり、モータ13aの軸、遊星歯車減速機13bの軸及び/又は人形の腕、足などの部分のトルクを直接検出する。
【0042】
図7は処理の概略を示すフローチャートである。通信状態監視部40が通信状態を監視し(S1)、通信に異常があるとき(S2でYES)、遮断機101に指令を出してモータ駆動電流を遮断させる(S3)。
【0043】
本発明の実施の形態1に係るシステム/装置の駆動機構として比較的強いトルクのモータ13a及び減速比の小さな遊星歯車減速器13bを採用している。このため、ロボット10のサーボ電源が切れた状態では、各軸はバックドライバビリティを有しており、外力で比較的自由に動かすことができる。システム動作中は、ロボットフォン1aと1bの間で常にお互いの相手と通信が正常に行われていることを確認しあっている。万が一、通信に異常が発見された場合(例えば、通信回線が切断された、一定時間データの受信がない、相手にコマンドを送ったが返事(ACK)が一定時間経ってもない、雑音が異常に大きい、信号対雑音比(S/N)が著しく劣化した、信号に変調がかけられているときそのキャリアを検出できない、データエラーが異常に多い、明らかに異常なデータ(不自然な姿勢を示すデータ、可能な移動速度を超える腕・足の動きを示すデータ、通常考えられる限度を超えた腕・足の振りなどの動きを示すデータ、など)、遮断機101が即座にロボット10のサーボ電源を遮断する。前述のように遊星歯車減速器13bの減速比は比較的小さいので、ロボット10のサーボ電源が遮断されたとしても、各軸は使用者の力で自由に動かすことができる。例えば、ロボットフォン1の腕と体の間に使用者の指が挟まれ、この状態でサーボ電源が遮断されたとしても、使用者は腕を動かして指を外すことができる。なお、図6では遮断器101はロボット10の入力部に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、位置指令部21の出力側あるいは入力側に遮断器101を設けてもよい。また、遮断器101の代わりに入力信号をニュートラル(モータをどちらにも回転させない電圧、例えば接地電位)にするスイッチあるいはバイアス手段、あるいはモータ13aの駆動力の伝達を遮断するクラッチを用いてもよい。
【0044】
また、各軸の制御器の最終段にトルクリミッタ102を備えるので、どのような状況においても設定値以上の過大なトルクをロボット10が発生しないようにできる。
【0045】
通信回線2の品質が劣化することも考えられる。この場合に生じる通信パケットロスなど通信異常とは見なされないごく短時間の通信データ欠損に対しては、データ補完部41において前後の通信データより欠損データの補完を行い、通信データ欠損をある程度回復することができる。データ補完部41における欠損データの補完には、実装に応じて前値ホールドや直線補完、カルマンフィルタなどの手法を適宜用いる。なお、比較的短い間の間欠的なデータ欠損であれば補完も有効であるが、欠損の期間が長くなったり、連続的なバースト誤りが生じた場合は補完しきれないことが考えられる。このような場合、前述のようにサーボ電源を遮断することが望ましい。この処理を行うため、データ補完部41において補完が不能になったことを示す信号を通信状態監視部40へ送り、これを受けて通信状態監視部40がサーボ電源遮断命令を出力するようにしてもよい。
【0046】
本発明の実施の形態1に係るシステム/装置によれば、ロボットフォン間の通信回線に障害が生じたときでも、使用者に支障を与えることがない。
【0047】
発明の実施の形態1の変形例.
図5において、データ補完部41は通信網2からデータを受け、これを補完したデータを加減算器20に送っていた。本発明は係る構成に限定されない。例えば、図8に示すように、位置指令部21内にデータ補完部41を設け、差分データに対して補完を行うようにしてもよい。この場合でも同様の作用効果を奏する。
【0048】
発明の実施の形態2.
本発明の実施の形態1に係るシステム/装置は、ロボットフォン間の通信回線の障害に対処するためのものであった。通信回線の障害と言えないまでも通信速度が一時的に低下することがある。あるいは、相手の通信回線の性能・品質により通信速度(通信帯域)が大きく異なることもある。例えば、通常の電話回線でモデムを使用する場合は28.8kbps、ISDNの場合でも64kbpsであるが、ADSLの場合は8Mbps程度の通信が可能になることもある(利用者と電話局の間の距離に応じて通信速度が変化するので、同じADSLでも利用者ごとに通信速度が異なることもある)。ロボットフォンで相手とコミュニケーションする場合、通信回線の種類・状態に応じて通信帯域が異なるのでこれに合わせた制御方式を採用することが好ましい。さらに通信回線の種類・状態を使用者に知らせることができる制御方式が望ましい。本発明の実施の形態2に係るシステム/方法はこのような要請に応えるものである。
【0049】
発明の実施の形態2に係るシステムを図9及び図10に示す。
図9において、通信状態監視部40a,40bは回線の状態、すなわち通信帯域を監視する。例えば、接続時の情報に基づき相手側の通信回線が通常の電話線か、ADSLか、CATVかなどを判定し、この判定結果に応じて通信帯域を決定する。あるいは、通信時のエラーレート、信号対雑音比(S/N)などの情報に応じて実際に通信可能な速度(帯域)を判定する。プロトコルにおいて通信確立時に通信速度を決定してもよい。そして、通信帯域に応じた制御信号(通信帯域幅に関する信号)を位置指令部21a,21b及び/又はロボット10a,10bに対して出力する。位置指令部21a,21bは、前述の位置偏差に基づきロボット本体10a,10bのサーボモータを駆動するが、その制御は前記通信状態監視部40a,40bにより制御される。
【0050】
図10は、図9のロボット10a,10bの内部構成を示すブロック図である。図10において、ブレーキ104は、通信状態監視部40からの信号を受けて、遊星歯車減速機13bの出力軸(人形の腕、足などに結合されている)及び/又はモータ13aの回転軸に制動を加えるものである。ブレーキ104が作動すると人形の腕、足などを外力で動かす際の抵抗が増大する。この抵抗の大きさは調整可能であり、例えば通信帯域幅の信号により制御される。
【0051】
通信帯域が変動すると、通信帯域幅によってバイラテラル制御系が対応可能な入力周波数(操作の速さ)が変わってくる。そこで、通信状態監視部40とブレーキ104を用いて、通信帯域に応じてシステムに入力可能な周波数(操作の速さ)を制限する。すなわち、ロボット10のローカルな制御により各軸のインピーダンス(動かし易さ)をダイナミックに変化させる。例えば、帯域が確保できるとき(ADSLのように通信帯域幅が広いとき)はスムーズに動かせるようにし、逆に帯域が確保できないとき(通常のモデムを利用しているとき)はインピーダンスを増し、素早い動きを入力できなくする。このような処理により通信回線の種類・状態に応じた制御が可能になる。使用者から見れば通信相手・通信状態により操作のしやすさ(人形の腕・足などを軽く動かせるか、力を入れないと動かせないか、など)が変化することになる。いわば、ロボットフォンを通じて使用者は回線の重さを感じることができるのである。
【0052】
発明の実施の形態2の変形例.
図10において、人形の腕・足などのインピーダンスを増すための手段としてブレーキ104を用いた。本発明は係る構成に限定されない。例えば、図11に示すように、人形の腕・足などが外力により動かされたときポテンショメータ14の信号からこれを判定し、モータ13aを駆動して逆向きのトルクを発生させるようにしてもよい。インピーダンス発生部105は通信帯域幅に基づきこのトルクの大きさを決定する。例えば、ADSLの場合はトルクをゼロか小さい値とし、通常の電話回線の場合はトルクを大きな値とする。この場合でも同様の作用効果を奏する。
【0053】
なお、インピーダンスを変化させる手法として、インピーダンスを変化させる手法として、機械的な機構を用いるのではなく、インピーダンス制御などのモータ制御上の方法によりインピーダンスを変化させてもよい。例えば、モータ13bの端子を短絡することによる電気ブレーキを用いてもよいし(端子間に接続する抵抗値によりインピーダンスを変化させることができる)、逆向きのトルクを発生させるインピーダンス発生用のモータを設けてもよい。
【0054】
より一般的には、テレイグジスタンスにおける公知のインピーダンス制御を適用できる。インピーダンス制御はロボットと環境の動力学的相互作用に関する制御であり、可動部や環境の動特性が機械的インピーダンスのモデルで記述されるものである。この制御法は、一般的にはロボットが環境に接触する場合、ロボットと環境との動力学的相互作用をインピーダンスの変化としてとらえ、ロボットと環境とを統合して制御対象とするものである。発明の実施の形態においてインピーダンスを変化させるということは、ロボットあるいはロボットフォン全体について記述されるインピーダンスのパラメータを変化させることに相当する。
【0055】
発明の実施の形態3.
ところで、通常のバイラテラル制御を、通信遅延を有する回線経由で行うと、制御系の発振が生じやすいという問題がある。通信遅延により、相手側から常に時間的に遅れたフィードバックがかえってくるため、発振しづらい制御系を作るのが難しいためである。
【0056】
従来、対称型バイラテラル制御は、単純であるがあまり用いられていなかった。制御する相手側の装置・部分の重さが、操作者側にそのまま返ってくるためである。そのため、より高度な力帰還型の制御手法がより多く用いられている。単純な対称型バイラテラル制御において通信遅延の問題を解決するという提案はなされていなかった。
【0057】
係る通信遅延の問題の解消のために、前記発明の実施の形態で説明した、通信帯域の変動に対応して入力周波数を制限する手法を用いることができる。発明の実施の形態3において用いた、遅延による発振を防ぐための手法について図12を参照して説明する。
【0058】
図12において、通信状態監視部40a,40bは回線の状態、すなわち通信帯域を監視するとともに、通信帯域に応じた制御信号(通信帯域幅に関する信号)をフィルタ42a,42bに対して出力する。フィルタ42a,42bはロボット10が出力する角度信号から所定の帯域の信号を抽出して出力する。どの帯域の信号を抽出するか(時定数などのフィルタのパラメータ)は、通信状態監視部40の出力信号により制御される。位置指令部21a,21bは、前述の位置偏差に基づきロボット本体10a,10bのサーボモータを駆動する。
【0059】
本発明の実施の形態3において、片側の操作者がロボット10を操作し始めると、その結果が角度信号として出力される。この信号が相手側にフィードバックされる。このフィードバックされる信号の帯域を通信網2の通信帯域に合わせて制限することにより、制御系の発振を抑制することができる。
【0060】
例えば、通信帯域が所定幅のときに最適に動作するように設計・調整されたロボットフォン間において、通信帯域が前記所定幅よりも広いとき、フィルタ42は入力信号をそのまま出力する。通信帯域が前記所定幅よりも狭いとき、入力信号をそのまま出力しても相手側がそれに追従できずロボットフォンの不自然な動作を招き、これがために使用者が何度も操作を繰り返したり、操作を途中で止めたりすることも予想される。そこで、フィルタ42で利用可能な帯域幅内の信号のみを抽出し、これを相手にフィードバックする。
【0061】
なお、フィルタ42に通信帯域による制御と無関係なフィルタ機能を持たせてもよい。例えば、システムの適正な応答速度より高い周波数の信号を除去する機能をもたせる。モータ13aが駆動できる以上の速度でロボット10の人形の腕・足等を使用者が腕・足等を動かしたとき、このような操作のフィードバックを行わないようにできる。あるいはロボット10の角度信号の直流成分(角度の絶対値)を除去する機能をもたせてもよい。この場合、腕・足等が動いた角度だけ(差分)相手の腕・足等が動くので、互いに通信している2つのロボットフォンの姿勢(腕・足等の位置)を異ならせ、この状態(互いに異なる姿勢)で腕・足等を前後・左右に振るという操作が可能である。あるいは所定の低周波成分を除去する機能を持たせてもよい。ポテンショメータ14の出力のドリフトを除去できるし、また、2つのロボットフォンの姿勢が一致しないとき(例えば二人の使用者が同じ腕を異なる状態にしようとしているとき)、モータ13aがいつまでも動き続けて過負荷になる、といったことを避けることができる。
【0062】
発明の実施の形態3の変形例.
図12において、フィルタ42をロボット10の出力に設けたが、フィルタ42を位置指令部21の入力に設けるようにしてもよい。この例を図13に示す。この例は、相手からフィードバックされてきた信号の帯域を制限するものである。
【0063】
例えば、通信帯域が所定幅のときに最適に動作するように設計・調整されたロボットフォン間において、通信帯域が前記所定幅よりも広いとき、フィルタ42は入力信号をそのまま出力する。通信帯域が前記所定幅よりも狭いとき、フィルタ42で利用可能な帯域幅内の信号のみを抽出する。
【0064】
また、同様にフィルタ42に通信帯域による制御と無関係なフィルタ機能を持たせてもよい。
【0065】
ところで、上記発明の実施の形態において、ロボットフォンの制御として公知のバイラテラル制御を採用している。公知のバイラテラル制御では位置情報(絶対値)を送っていた。しかし、一般的なバイラテラル制御と異なり、ロボットフォンにおいては両者の腕や足の位置等を一致させる必要はあまりない。そこで、位置情報の絶対値を送るのではなく、その差分(変化量)を送るようにすることができる。この場合、結果としてロボットフォン間の腕や足の姿勢は一致しなくなるが、相手に首を振る動作や腕や足を動かす動作をさせる点で支障はない。
【0066】
位置情報として差分を送る場合、通信しているロボットフォン間において腕や足等の絶対位置の誤差が累積し、やがて両者の姿勢が全く異なってしまうということが考えられる。そこで、適当なときにリセット処理を行い、腕や足等の位置を初期状態(デフォルト)に戻すことが望ましい。
リセットの手法としてつぎのようなものがある。
・所定時間放置されていたときデフォルトの位置に戻る。
・パワーオン時にリセットする。
【0067】
上記説明において、ロボットフォンを同じデバイスを用いた双方向性通信用のインタフェース(例えば電話機)として説明していた。ロボットフォンはこれに限定されず、異なるタイプのデバイスに接続されてもよい。例えば相手がコンピュータであってもよい。より一般的には、本ロボットフォンを人形型のフォースフィードバック(force feedback)のためのデバイスとして用いることができる。例えば、ロボットフォンを手で操作できる程度の大きさとし、ゲームコンピュータの入出力インタフェースとして使用することができる。プレイ中においてゲーム中のキャラクタの動きや環境による影響などを受けてロボットフォンが動作しその姿勢が変化する。これにより遊技者にゲーム中のキャラクタの動き等がフィードバックされる。ロボットフォンは人形・動物型であるので汎用的に使える。例えば、ロボットフォンにあたかも自動車のハンドルを持っているかのような姿勢をとらせ、この状態で腕を操作することによりゲームコンピュータにハンドル操作の情報を与え、逆にゲームコンピュータにより腕を動作させることによりハンドルに加わる力や動きを表現することができる。
【0068】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【0069】
また、本明細書において、手段(部)とは必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウェアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が、二つ以上の物理的手段により実現されても、若しくは、二つ以上の手段の機能が、一つの物理的手段により実現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態に係るロボットフォンの例を示す図である。
【図2】 発明の実施の形態に係るロボットフォンの利用形態の説明図である。
【図3】 発明の実施の形態に係るロボットフォンの他の例を示す図である。
【図4】 発明の実施の形態に係るロボットフォンの制御系の説明図である。
【図5】 発明の実施の形態1に係る制御システムの機能ブロック図である。
【図6】 発明の実施の形態1に係るロボットの機能ブロック図である。
【図7】 発明の実施の形態1に係る制御システムの動作フローチャートである。
【図8】 発明の実施の形態1に係る制御システムの他の例を示す図である。
【図9】 発明の実施の形態2に係る制御システムの機能ブロック図である。
【図10】 発明の実施の形態2に係るロボットの機能ブロック図である。
【図11】 発明の実施の形態2に係るロボットの他の例を示す図である。
【図12】 発明の実施の形態3に係る制御システムの機能ブロック図である。
【図13】 発明の実施の形態3に係る制御システムの他の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ロボットフォン
2 通信回線(通信網)
10 ロボット
11 マイク
12 スピーカ
13 サーボモータ及び遊星歯車減速機を含む駆動機構
14 位置検出器(ポテンショメータ)
15 プロセッサ
16 通信接続部(モデム等)
17 ヘビ型ロボットフォンの本体を構成する節
20 加減算器
21 位置指令部
40 通信状態監視部
41 データ補完部
42 フィルタ
101 遮断機
102 トルクリミッタ
103 トルク検出器
104 ブレーキ
105 インピーダンス発生部

Claims (17)

  1. ユーザインタフェースとして用いられ、体の一部に可動部を含むロボットであって、前記可動部を駆動する駆動部と、前記可動部の位置情報を取得する位置情報センサと、前記駆動部の動きを停止させる遮断部とを含むロボットと、通信接続部とを備え、
    前記通信接続部は、通信回線を介して、前記位置情報センサからの前記可動部の位置を示す信号を相手側に伝送し、相手側から前記可動部に対応する位置情報を受けて前記位置情報を前記駆動部へ送り、
    前記駆動部は受けた前記位置情報に基づき前記可動部を駆動し、
    前記通信接続部は、前記通信回線の状態を監視し、通信データの欠損を発見したときはその前又は後の通信データに基づきデータの補完を行う、ことを特徴とするロボットフォン。
  2. 前記通信接続部は、前記通信回線の状態を監視し、前記通信回線に異常を発見したときは前記遮断部を動作させて前記駆動部の動きを停止させるとともに、
    通信回線が切断されたこと、所定時間においてデータの受信がないこと、相手にコマンドを送ったが返事が一定時間経ってもないこと、及び、信号に変調がかけられているときそのキャリアを検出できないこと、のうちのいずれかに該当するとき、前記通信回線が異常であると判定することを特徴とする請求項1記載のロボットフォン。
  3. 前記ロボットは、前記駆動部の駆動力を所定値以下に制限するリミッタを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のロボットフォン。
  4. ユーザインタフェースとして用いられ、体の一部に可動部を含むロボットであって、前記可動部を駆動する駆動部と、前記可動部の位置情報を取得する位置情報センサと、前記可動部のインピーダンスを変化させるインピーダンス可変手段とを含むロボットと、通信接続部とを備え、
    前記通信接続部は、通信回線を介して、前記位置情報センサからの前記可動部の位置を示す信号を相手側に伝送し、相手側から前記可動部に対応する位置情報を受けて前記位置情報を前記駆動部へ送り、
    前記駆動部は受けた前記位置情報に基づき前記可動部を駆動し、
    前記通信接続部は、前記通信回線の状態を監視し、その状態を示す信号を前記インピーダンス可変手段へ送り、前記可動部のインピーダンスを変化させる、ことを特徴とするロボットフォン。
  5. 前記通信接続部は、前記通信回線の帯域が確保できるときは前記可動部をスムースに動かせるようにし、逆に帯域が確保できないときは前記可動部のインピーダンスを増し、素早い動きを入力できなくするように制御することを特徴とする請求項記載のロボットフォン。
  6. 前記通信接続部は、接続時の情報に基づき相手側の通信回線の種類を判定し、この判定結果に応じて通信帯域を決定し、前記通信帯域に応じて前記可動部のインピーダンスを変化させることを特徴とする請求項記載のロボットフォン。
  7. 前記通信接続部は、通信時のエラーレート又は信号対雑音比を監視することにより通信可能な帯域を判定し、前記帯域に応じて前記可動部のインピーダンスを変化させることを特徴とする請求項記載のロボットフォン。
  8. 前記インピーダンス可変手段は、前記可動部に設けられた機械的な機構により前記可動部のインピーダンスを変化させることを特徴とする請求項記載のロボットフォン。
  9. 前記インピーダンス可変手段は、前記駆動部に所定の制御を加えることにより前記可動部のインピーダンスを変化させることを特徴とする請求項記載のロボットフォン。
  10. 前記通信接続部は、前記通信回線の帯域が変動したとき、前記イン ピーダンス可変手段により前記可動部のインピーダンスを前記帯域に応じて変化させることを特徴とする請求項記載のロボットフォン。
  11. ユーザインタフェースとして用いられ、体の一部に可動部を含むロボットであって、前記可動部を駆動する駆動部と、前記可動部の位置情報を取得する位置情報センサとを含むロボットと、前記ロボットの入力信号又は前記ロボットの出力信号の周波数を制限するフィルタを含む通信接続部とを備え、
    前記通信接続部は、通信回線を介して、前記位置情報センサからの前記可動部の位置を示す信号を相手側に伝送し、相手側から前記可動部に対応する位置情報を受けて前記位置情報を前記駆動部へ送り、
    前記駆動部は受けた前記位置情報に基づき前記可動部を駆動し、
    前記通信接続部は、前記通信回線の状態を監視し、その状態に応じて前記フィルタの特性を調節する、ことを特徴とするロボットフォン。
  12. 前記通信接続部は、前記通信回線の帯域が予め定められた所定帯域よりも広いとき前記フィルタの入力信号をそのまま出力させ、前記通信回線の帯域が狭いとき前記フィルタにローパスフィルタ又はバンドパスフィルタの特性を持たせることを特徴とする請求項11記載のロボットフォン。
  13. システムの適正な応答速度より高い周波数の信号を除去するフィルタを備え、前記駆動部の許容限度を超える速度で前記可動部が操作されたときに、この操作をフィードバックしないことを特徴とする請求項11記載のロボットフォン。
  14. 前記位置情報の直流成分を除去するフィルタを備え、自分側のロボットの姿勢と相手側のロボットの姿勢を異なった状態にできることを特徴とする請求項11記載のロボットフォン。
  15. 所定の低周波成分を除去するフィルタを備えることを特徴とする請求項11記載のロボットフォン。
  16. 前記通信接続部により送受信される前記可動部の位置を示す信号又は前記位置情報は、差分情報であることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれかに記載のロボットフォン。
  17. 前記可動部が所定時間以上動かされなかったとき又は電源投入時に、前記可動部の位置を示す信号又は前記位置情報は予め定められた値に設定され、これにより前記可動部が所定の状態に設定されることを特徴とする請求項16記載のロボットフォン。
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