JP4022188B2 - 陰極線管 - Google Patents

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Description

本発明は、テレビジョン受像機やコンピューター用モニター等に用いられる陰極線管に関する。
一般的にテレビジョン受像機やコンピューター用モニターに用いられる陰極線管は、ミスランディングの発生を防止するため消磁回路を備えている。以下に、ミスランディングの発生を防止するための消磁回路を備えた従来の陰極線管について説明する。
まず、図10を用いてミスランディングについて説明する。図10は、シャドウマスクと蛍光体ドットの関係を示す模式図である。電子銃121から射出した3本の電子ビーム122は、シャドウマスク123を介して、それぞれ対応する赤(R)、緑(G)、青(B)の蛍光体ドット124のみに照射される(ランディング)。シャドウマスク123は色選別機能を有し、電子ビーム122が対応する蛍光体ドット124に射突するように制御している。しかし、地磁気や陰極線管周辺の磁性体からの磁界の影響を受けて、電子ビーム122の軌道が変化し、見かけの電子ビーム122の入射角が変化するために、対応する蛍光体ドット124に正確に射突しなくなる。つまり、それぞれの電子ビーム122が対応する蛍光体ドット124にランディングしなくなり、それによって表示画像が乱れる。この現象をミスランディングという。
ミスランディングを防ぐための従来の陰極線管について説明する。図11は従来の陰極線管101の断面図である。色選別機能を有するシャドウマスク123、シャドウマスク123を固定するためのマスクフレーム114および外部磁界を遮断するための磁気シールド115が、パネル102とファンネル103とで外囲されている。電子銃121から射出された電子ビーム122が対応する蛍光体ドット124に射突するよう、水平および垂直方向に電子ビーム122を偏向するための偏向ヨーク104は、ファンネル103のネック部外周の所定位置に設置されている。
シャドウマスク123、マスクフレーム114および磁気シールド115は、鉄などの強磁性体で構成されている。磁性体は、それぞれ材料固有の透磁率を有している。鉄においても初期透磁率に近ければ、磁界を遮蔽することができる。すなわち、磁気シールド効果を得ることができる。そのため、磁性材料である鉄で構成されるシャドウマスク123、マスクフレーム114および磁気シールド115のこれら磁性部品は、地磁気や陰極線管101周辺の磁性体からの磁界のほとんどを遮蔽する。
従来の陰極線管101は、このような構成であるため、地磁気や陰極線管101周辺の磁性体からの磁界による影響を受けることがなく、蛍光体ドットに電子ビーム122をランディングさせることができる。
また、陰極線管101の向きが変化するなど陰極線管101に相対的に磁界が加わると、地磁気程度の磁界においても透磁率の低下および着磁のために磁界の一部が陰極線管の内部に浸透してしまう。そのため電子ビーム122の軌道が変化し、ミスランディングが生じることになる。このようなミスランディングを回避するため、陰極線管101にはシャドウマスク123、マスクフレーム114および磁気シールド115を広く包含するように、パネル39およびファンネル37の外周に沿って消磁コイル105が配置されている。この消磁コイル105に漸減する交流電流を流すことにより漸減する交番磁界を発生させ、シャドウマスク123、マスクフレーム114および磁気シールド115の磁性部品のシールド効果が最大となるように磁気的状態を回復できることが一般的に知られている。この効果には大別して以下に示す二つの要因が挙げられる。
第1は、磁性体の着磁による効果である。図12は消磁処理を行う前の磁気シールド115周辺の磁界を示す模式図である。また、図13は消磁処理を行った後の磁気シールド115周辺の磁界を示す模式図である。図12に示しているように、消磁処理を行う前は、地磁気等の外部磁界131のうち一部の外部磁界131aは、磁気シールド115に吸収され、磁気シールド115内を通って噴き出されるので、電子ビーム122には影響を与えない。しかし、磁気シールド115に吸収されなかった残りの外部磁界131bは、磁気シールド115内の空間をそのまま通過するので、電子ビーム122に影響を与える。例えば、図12に示すように、電子ビーム122が紙面の表面から裏面に向かって進んでいる場合、右から左方向への磁界の影響を受けることで電子ビーム122には上向きの力がかかる。
消磁コイル105(図11)により磁気シールド115に消磁処理を行うと、磁気シールド115は着磁する。磁気シールド115の極性は、図13に示すように右がS極となり左がN極となるため、磁気シールド115により磁界133が生じる。磁界133の電子ビーム122周辺の空間134では、磁気シールド115による磁界133の向きは、外部磁界131を打ち消す方向である。それにより、空間134は外部磁界131の影響を受けない領域となり、電子ビーム122を外部磁界131から保護することができる。
第2は透磁率の増加による効果である。図14は磁性部品の一般的なヒステリシスカーブを示している。図14において、縦軸は磁束密度Bを、横軸は磁界Hを示している。図14に示したヒステリシスカーブの傾きが透磁率を表わし、縦軸とヒステリシスカーブの交点が着磁量を表わしている。図11に示す陰極線管101において、地磁気や陰極線管周辺の磁性体からの磁界により磁気シールド115が着磁すると、ヒステリシスカーブに従って透磁率が減少する。したがって、シャドウマスク123、マスクフレーム114および磁気シールド115の磁性部品を通過する磁束が減り、結果として電子ビーム122が存在する内部空間へ磁界が浸透する。この磁界の影響を受け、電子ビーム122の軌道が変化してミスランディングが発生するが、消磁コイル105により消磁を行なう。すなわち、図14で示すように、磁性部品の飽和磁束密度であるB1、B2まで磁界H1、H2を加えた後に、漸減する交番磁界を0となるまで加える。それにより、ヒステリシスカーブに示すように矢印の経路で着磁が減少していき、図14に示すように、磁性部品の初期透磁率に回復する。
シャドウマスク123、マスクフレーム114および磁気シールド115等の、陰極線管101内部の着磁した磁性部品を消磁するため、消磁コイル105は、これら磁性部品を広く包含するような構成であることが望ましい。
上述したような従来の陰極線管は、例えば特許文献1に開示されている。
特開平6−62419号公報
陰極線管を設計する場合には、使用する偏向ヨークの特性を考慮することが重要である。また、単に部品を組み合わせるだけでは所望の性能を得ることができず、偏向ヨークの位置決め、ランディングおよびコンバーゼンスなどの調整が必須となる。一般的には陰極線管の製造元でこれらの調整を行なう。テレビジョン受像機やコンピューター用モニターなどの表示装置の製造元は、調整の済んだ陰極線管を用いて表示装置を作製するので、消磁コイルの取り付けや駆動回路の調整を行なうだけでよく、組み立てや調整の効率を上げることができる。
図15は、従来の陰極線管101の背面図である。図11および図15に示すように、消磁コイル105は、ファンネル103に沿って設置されている。このとき、アノード電圧供給点106と、消磁コイル105との最短距離である沿面距離Aを一定距離確保し、アノード電圧のリークを避けなければならない。沿面距離Aは、陰極線管の画面サイズやアノード電圧にもよるが、通常は7cm以上を確保している。前述のように、偏向ヨーク104が取り付けられ、その調整がされてから、消磁コイル105を取り付ける。そのため、アノード電圧供給点106と偏向ヨーク104との位置関係が決まっている状態で、沿面距離Aを確保しなければならない。したがって、必然的に消磁コイル105と偏向ヨーク104が近接してしまう。
このように、上述の偏向ヨーク104の取り付けおよび調整において、ミスランディングのない状態に調整されているが、後から取り付ける消磁コイル105の設置位置により、ミスランディングが生じるおそれがある。すなわち、例えば、消磁コイル105が偏向ヨーク104と近接すると、消磁コイル105と偏向ヨーク104との相互の磁気結合が強くなり、ミスランディングが発生するおそれがある。特に、全長短縮管は、構造的に偏向ヨーク104と消磁コイル105とを近接させざるを得ない。このような、偏向ヨーク104と消磁コイル105とが近接するような陰極線管101の場合、磁気結合が原因のミスランディングによる色むらが無視できない。
図16は、偏向ヨーク104からの漏洩磁界を模式的に示した図である。図16は、従来の陰極線管101の左側面図である。図16に示すように、偏向ヨーク104から陰極線管101の外部に漏洩している水平偏向磁界118は、消磁コイル105と鎖交している。それにより、消磁コイル105に電流が誘起され、以下に示す2つの理由によってミスランディングが発生する。
まず、第1の理由を説明する。図17は、偏向ヨーク104の水平偏向電流と消磁コイル105に誘起された電流との時間経過に対する変化を示している。実線171は水平偏向電流を表わし、破線172は消磁コイル105に誘起された電流を表わしている。図16に示すように水平偏向磁界118が消磁コイル105と鎖交しているので、消磁コイル105には水平偏向電流と相似の電流が誘起される。それにより、図17に示すように、消磁コイル105には水平偏向磁界118と相似の磁界が発生する。この磁界によって、電子ビームの軌道が変化させられ、ミスランディングが発生する。なお、水平偏向磁界118とは、陰極線管101内での電子ビーム122の水平方向の軌道を制御するために、偏向ヨーク104で発生させられる磁界のことである。また、水平偏向電流とは、水平偏向磁界118を発生させるための電流である。このように、漏洩した水平偏向磁界118により、消磁コイル105に磁界が生じる。このような現象を磁界結合という。
図18は、水平偏向磁界118により消磁コイル105に生じた磁界によるミスランディングのパターンの一例を示す模式図である。点181は偏向ヨークの中心位置を示している。また、矢印182は正規のランディング位置からの電子ビームのずれる方向と大きさ(矢印の長さ)を示している。なお、矢印182の起点は正規のランディング位置を示している。偏向ヨーク104の中心軸(点181)を含む鉛直平面に対して、水平偏向電流は極性が反転する。したがって、この面に対して、電子ビーム122に作用する力も反転する。したがってミスランディングによる電子ビームがずれる向きは、この面に対して対称となる。
次に、第2の理由を説明する。消磁コイル105の巻数は通常50回以上150回以下と多い。そのため、消磁コイル105の線間浮遊容量と消磁コイル105自身のインダクタンスとによって共振回路が構成される。図19は水平偏向電流と共振電流との時間経過に対する変化の一例を示している。なお、この共振電流とは、消磁コイル105に誘起された電流がエネルギー源となり消磁コイル105内に流れる電流のことである。図19において、実線191は水平偏向電流を表わし、破線192は消磁コイル105に流れる共振電流を表わしている。例えば、図19の破線192で示すように、共振電流が生じる。この共振電流によって消磁コイル105に磁界が発生する。この磁界によって、電子ビームの軌道が変化させられ、ミスランディングが発生する。なお、図19において、水平偏向電流を表す実線191が山側(正)の場合は、電子ビームがパネル表面に向かって左側に偏向する。逆に、水平偏向電流を表す実線191が谷側(負)の場合は、電子ビームがパネル表面に向かって左側に偏向する。
図20は、図19で示した共振電流によって生じたミスランディングのパターンの一例を示す模式図である。点201は偏向ヨークの中心軸を示している。矢印202は正規のランディング位置からの電子ビームのずれる方向と大きさ(矢印の長さ)を示している。なお、矢印202の起点は正規のランディング位置を示している。共振電流の周期は水平周期の数倍程度であり、正および負極性の電流が交互に流れるため、ミスランディングの向きも1水平周期内で極性に合わせて内側および外側に交互に現れる。図19で示したように、水平偏向電流が正の時に共振電流が発生している場合は、図20に示すように、偏向ヨークの中心軸である点201の左側において、共振電流の影響が生じる。そのため、偏向ヨークの中心軸である点201の左側には、右向きおよび左向きの矢印202が示されている。なお、水平偏向電流が負の場合にも共振電流が発生すれば、正規のランディング位置201の右側および左側の両方で共振電流の影響が生じる。
上記説明したように第1および第2の理由により、偏向ヨーク104から漏洩した水平偏向磁界118によりミスランディングが生じる。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、偏向ヨークの漏洩磁界が消磁コイルに影響を与えることにより生じたミスランディングが低減されている陰極線管を提供することを目的とする。
本発明の陰極線管は、パネルと、ファンネルと、前記パネルおよび前記ファンネルで外囲された磁性部品と、前記ファンネルのネック部内に設置された電子銃と、前記ファンネルのネック部外周に取り付けられた偏向ヨークと、前記ファンネルの外側に設置された消磁コイルとを備えた陰極線管において、前記消磁コイルの前記電子銃側部分が、前記偏向ヨークの前記パネル側端よりも前記電子銃側に延在するように、前記消磁コイルが設置されていることを特徴とする。
本発明によれば、ミスランディングが低減された陰極線管を提供することができる。
本実施の形態の陰極線管は、消磁コイルが、偏向ヨークからの漏洩磁界の影響を受けにくいので、消磁コイルの誘起電流や共振電流が低減され、ミスランディングが低減されるという効果を奏する。
また、好ましくは、前記消磁コイルの前記電子銃側部分が、前記偏向ヨークの前記パネル側端と前記電子銃側端との中央部近傍をまたぐように、前記消磁コイルが設置されている。それにより、消磁コイルは、偏向ヨークから漏洩する偏向磁界の影響を受けにくく、ミスランディング量を減少させることができる。
また、好ましくは、前記消磁コイルの前記電子銃側部分は、前記偏向ヨークの中心軸を含む水平平面および前記鉛直平面の少なくとも一方に対して対称である構成としてもよい。消磁コイルの形状が水平平面に対称であれば、水平平面の上側の消磁コイルと下側の消磁コイルとが受ける漏洩磁界の影響を等しくすることができる。また、消磁コイルの形状が鉛直平面に対称であれば、鉛直平面の右側の消磁コイルと左側の消磁コイルとが受ける漏洩磁界の影響を等しくすることができる。それにより、ミスランディング量を減少させることができる。
また、前記消磁コイルは、前記偏向ヨークの鉛直方向の位置近傍においては平面視において略コの字状としてもよい。
また、前記消磁コイルは、前記偏向ヨークの鉛直方向の位置近傍においては平面視において略円弧状としてもよい。
また、前記磁性部品は、電子ビームの色選別機能を有するシャドウマスク、前記シャドウマスクを固定するためのフレームおよび外部磁界を遮断するための磁気シールドであるとしてもよい。
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る陰極線管1について図面を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る陰極線管1の背面斜視図である。また、図2は、実施の形態1に係る陰極線管1の背面図であり、図3は実施の形態1に係る陰極線管1の平面図であり、図4は実施の形態1に係る陰極線管1の右側面図である。なお、図1において、偏向ヨーク4の中心軸方向(管軸方向)をZ軸方向とし、Z軸に垂直で陰極線管1の水平方向をX軸方向とし、陰極線管1の鉛直方向をY軸方向とする。また、他の図においても、同様の座標軸とする。
図1〜図4に示すように、陰極線管1は、パネル2と、ファンネル3と、パネル2とファンネル3とで外囲された磁性部品(図示せず)と、ファンネル3のネック部内に設置された電子銃7と、偏向ヨーク4と、消磁コイル5とを備えている。
パネル2とファンネル3とで外囲された磁性部品は、図示はしていないが、例えば、色選別機能を有するシャドウマスク、シャドウマスクを固定するためのマスクフレームおよび外部磁界を遮断するための磁気シールド等である。磁性部品は、鉄等の磁性材料で構成されている。
偏向ヨーク4は、水平コイル(図示せず)、垂直コイル41、制御回路43、絶縁枠(図示せず)およびフェライトコア42などで構成されている。偏向ヨーク4は、ファンネル3のネック部の外周に設置されている。偏向ヨーク4は、電子銃7より射出される電子ビームが対応する蛍光ドットにランディングするように、電子ビームの進路を制御する働きがある。
消磁コイル5は、パネル2およびファンネル3の外側において、それらの内部に設置された磁性部品を取り囲み、包含するように設置されている。例えば、消磁コイル5は上下に二つ設置されていて、一つはパネル2およびファンネル3の上半分を、もう一つはパネル2およびファンネル3の下半分を包含していて、それぞれ対称に設置されている。すなわち、図1に示しているように、消磁コイル5は、ファンネル3のパネル2側の端部においては、ファンネル3に沿って設置されている。ファンネル3側面においては、消磁コイル5は水平方向に(Z−X平面に沿って)、偏向ヨーク4には接しないようにファンネル3に沿って偏向ヨーク4に向かって伸びていて、偏向ヨーク4の近傍ではファンネル3から離れて鉛直方向(Y軸方向)に伸びている(特に、図4参照)。消磁コイル5は、偏向ヨーク4をまたぐ際には、偏向ヨーク4の中心軸方向に沿った偏向ヨーク4の中央部に設置されている。消磁コイル5は、偏向ヨーク4の鉛直方向の位置においては平面視(Z−X平面)において略コの字状である(特に、図3参照)。
なお、図1において破線で示されている箇所は、従来の陰極線管における消磁コイル51の設置位置を比較のために図示している。実施の形態1の消磁コイル5の配置と従来の消磁コイル51の配置とは、ファンネル4をまたぐ位置が異なるが、それ以外は同一である。つまり、実施の形態1の陰極線管1は、消磁コイル5の電子銃7側部分が偏向ヨーク4のパネル2側端よりも電子銃7側に延在されている(特に、図4参照)。
図5は、偏向ヨーク4の中心軸方向における漏洩偏向磁界の強度を示した図である。偏向ヨーク4の側面図と、その位置に対応する磁界の強度を示している。図5よりわかるように、偏向ヨーク4の中心軸方向(Z軸方向)においては、両端部(偏向ヨーク4のパネル2側端および偏向ヨーク4の電子銃7側端(図4))での漏洩磁界の強さが大きく、中央部に近づくに従って小さくなっている。これは、偏向ヨーク4の外周に設置されているフェライトコア42は透磁率が高く、偏向磁界が漏洩するのは偏向ヨーク4の開口部(端部)からであるためである。このように、偏向ヨーク4の中心軸方向(Z軸方向)における、偏向ヨーク4の中央部付近は、漏洩偏向磁界の影響を受けにくい。
実施の形態1の陰極線管1において、消磁コイル5の電子銃7側部分が、偏向ヨーク4のパネル2側端と偏向ヨーク4の電子銃7側端との中央部近傍をまたぐように、消磁コイル5が設置されている(特に、図4参照)。具体的には、消磁コイル5は偏向ヨーク4の鉛直方向位置においては、偏向ヨーク4とは接触せず、かつ、偏向ヨーク4の中心軸方向に沿った偏向ヨーク4の中央部をまたぐように設置されている(特に、図2参照)。つまり、消磁コイル5は、偏向ヨーク4の中心軸方向における両端部の鉛直方向の位置には設置されていない。
図1において、破線で示した従来の消磁コイル51は、偏向磁界の漏洩が大きい、偏向ヨーク4の端部近傍に設置されている。したがって、消磁コイル51は、偏向磁界の影響を受けて電流が誘起され、ミスランディングが生じる。しかし、実施の形態1によれば、消磁コイル5は、偏向磁界の影響をほとんど受けることがない。それにより、漏洩偏向磁界により消磁コイル5に生じる誘起電流が低減される。また、誘起電流によって発生していた共振電流も低減される。したがって、ミスランディングが生じることもない。そのため、従来のように消磁コイル5の端子間にコンデンサを挿入する必要もなくなるので、コストを下げることもできる。また、アノード電圧供給点6と消磁コイル5とが離れた位置に配置されるため、アノード電圧のリークを避けることもできる。
実際に、32型CRTにおいて、図1に示した従来の消磁コイル51を設置した場合は、偏向ヨーク4の開口部との間隔a(図1)は1cm〜3cmであった。このとき、偏向ヨーク4の水平偏向電流が11Ap-pの時、50Tの消磁コイル内に生じる誘導電流は60mAp-p〜75mAp-p程度になった。なお、単位(Ap-p)は、電流の正の最大値と負の最大値との差を表している。
一方、同様に32型CRTにおいて、図1〜図4に示した実施の形態1の消磁コイル5を設置して実測をした。なお、図3において、bを6cmとし、cを12cmとした。このとき、消磁コイル5内に生じる誘導電流は従来の場合の約30%にあたる20mAp-pまで低減する事ができた。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る陰極線管11について図面を用いて説明する。図6は、実施の形態2に係る陰極線管11の背面斜視図である。また、図7は、実施の形態2に係る陰極線管11の背面図であり、図8は実施の形態2に係る陰極線管11の平面図であり、図9は実施の形態2に係る陰極線管11の右側面図である。
実施の形態2に係る陰極線管11の消磁コイル15は、実施の形態1に係る陰極線管1の消磁コイル5と、偏向ヨーク4の鉛直方向位置での形状が異なる。それ以外は、実施の形態2の陰極線管11は、実施の形態1の陰極線管1と同様の構成である。なお、同様の機能を有する部材においては、同一の符号を用いている。
実施の形態2に係る陰極線管11の消磁コイル15について説明する。それ以外については、実施の形態1と同様なので説明を省略する。図6〜図9において、消磁コイル15は、パネル2およびファンネル3の外側に、それらで外囲された磁性部品を取り囲み、包含するように設置されている。消磁コイル15は上下に二つ設置されていて、一つはパネル2およびファンネル3の上半分を、もう一つはパネル2およびファンネル3の下半分を包含していて、それぞれ対称に設置されている。すなわち、図6に示しているように、消磁コイル15は、ファンネル3のパネル2側の端部においては、ファンネル3に沿って設置されている。ファンネル3側面においては、消磁コイル15は水平方向に(Z−X平面に沿って)、偏向ヨーク4には接しないようにファンネル3に沿って偏向ヨーク4に向かって伸びていて、偏向ヨーク4の近傍ではファンネル3から離れて鉛直方向(Y軸方向)に伸びている(特に、図9参照)。消磁コイル5は、偏向ヨーク4をまたぐ際には、偏向ヨーク4の中心軸方向に沿った偏向ヨーク4の中央部に設置されている。消磁コイル15は、偏向ヨーク4の鉛直方向の位置近傍においては平面視(Z−X平面)において略円弧状である(特に、図8参照)。つまり、実施の形態2の陰極線管11は、消磁コイル15の電子銃7側部分が偏向ヨーク4のパネル2側端よりも電子銃7側に延在されている(特に、図9参照)。このように、偏向ヨーク4の中心軸方向(Z軸方向)においては、偏向ヨーク4の中央部付近に消磁コイル5を設置すれば、偏向磁界の影響を受けにくい。
実施の形態2の陰極線管11において、消磁コイル15の電子銃7側部分が、偏向ヨーク4のパネル2側端と偏向ヨーク4の電子銃7側端との中央部近傍をまたぐように、消磁コイル5が設置されている(特に、図9参照)。具体的には、消磁コイル15は偏向ヨーク4の鉛直方向位置においては、偏向ヨーク4とは接触せず、かつ、偏向ヨーク4の中心軸方向に沿った偏向ヨーク4の中央部をまたぐように設置されている。つまり、消磁コイル5は、偏向ヨーク4の中心軸方向における両端部の鉛直方向の位置には設置されていない。
それにより、実施の形態2によれば、消磁コイル15は、漏洩偏向磁界の影響をほとんど受けることがない。それにより、漏洩偏向磁界により消磁コイル15に生じる誘起電流が低減される。また、誘起電流によって発生していた共振電流も低減される。したがって、ミスランディングが生じることもない。そのため、従来のように消磁コイル15の端子間にコンデンサを挿入する必要もなくなるので、コストを下げることもできる。また、アノード電圧供給点6と消磁コイル15とが離れた位置に配置されるため、アノード電圧のリークを避けることもできる。
実際に、実施の形態2の陰極線管11を作製して実測を行なった。32型CRTにおいて、図6〜図9に示した実施の形態2の陰極線管11を作製した。なお、図8のdは7cmとし、eは14cmとした。このとき、偏向ヨーク4の水平偏向電流が11Ap-pの時、消磁コイル15内に生じる誘導電流は実施の形態1に示した値と同様に、20mAp-pであった。
なお、実施の形態1および2において、陰極線管1および11の構造は、陰極線管1および11の中心軸(管軸)を含むX−Z平面およびY−Z平面に対して対称である。そのため、偏向ヨーク4の鉛直方向近傍での消磁コイル5および15の形状は、陰極線管1および11の中心軸(管軸)を含む水平平面(X−Z平面)および鉛直平面(Y−Z平面)の少なくとも一方に対して対称であることが望ましい。
消磁コイル5および15の形状が水平平面に対称であれば、水平平面の上側の消磁コイル5および15と下側の消磁コイル5および15とが受ける漏洩磁界の影響を等しくすることができる。また、消磁コイル5および15の形状が鉛直平面に対称であれば、鉛直平面の右側の消磁コイル5および15と左側の消磁コイル5および15とが受ける漏洩磁界の影響を等しくすることができる。そのため、偏向ヨーク4の鉛直方向近傍での消磁コイル5および15の形状は、陰極線管1および11の中心軸(管軸)を含む水平平面(X−Z平面)および鉛直平面(Y−Z平面)の少なくとも一方に対して対称とすることにより、ミスランディング量を減少させることができる。
特に、消磁コイル5および15の電子銃7側部分が、偏向ヨーク4の中心軸を含む水平平面および鉛直平面の少なくとも一方に対して対称であればよい。
また、偏向ヨーク4の鉛直方向での消磁コイル5および15の形状は、平面視においてコの字状および円弧状としたが、これらの形状に限られるわけではない。この箇所の形状は多少の角度の違い、寸法のバラツキがあってもよい。消磁コイル5および15が、偏向ヨーク4とは接触せず、漏洩した偏向磁界の強度が低い箇所である偏向ヨーク4の中心軸方向に沿った、偏向ヨーク4の中央部をまたぐように設置されていればよい。それにより、消磁コイル5および15は、偏向ヨーク4から漏洩する偏向磁界の影響を受けにくい。
本発明の陰極線管は、ミスランディングが低減されるという効果を有し、テレビジョン受像機やコンピューター用モニター等として有用である。
実施の形態1に係る陰極線管の背面斜視図 実施の形態1に係る陰極線管の背面図 実施の形態1に係る陰極線管の平面図 実施の形態1に係る陰極線管の右側面図 偏向ヨークの中心軸方向における漏洩偏向磁界の強度を示した図 実施の形態2に係る陰極線管の背面斜視図 実施の形態2に係る陰極線管の背面図 実施の形態2に係る陰極線管の平面図 実施の形態2に係る陰極線管の右側面図 シャドウマスクと蛍光体ドットの関係を示す模式図 従来の陰極線管の断面図 消磁処理を行う前の磁気シールド周辺の磁界を示す模式図 消磁処理を行った後の磁気シールド周辺の磁界を示す模式図 磁性部品の一般的なヒステリシスカーブを示す図 従来の陰極線管の背面図 偏向ヨークからの漏洩磁界を模式的に示した図 水平偏向電流と消磁コイルに誘起された電流との時間経過に対する変化を示す図 水平偏向磁界により消磁コイルに生じた磁界によるミスランディングのパターンの一例を示す模式図 水平偏向電流と共振電流との時間経過に対する変化の一例を示す図 図19で示した共振電流によって生じたミスランディングのパターンの一例を示す模式図
符号の説明
1、11 陰極線管
2 パネル
3 ファンネル
4 偏向ヨーク
5、15、51 消磁コイル
6 アノード電圧供給点
7 電子銃
41 垂直コイル
42 フェライトコア
43 制御回路
101 陰極線管
102 パネル
103 ファンネル
104 偏向ヨーク
105 消磁コイル
106 アノード電圧供給点
114 マスクフレーム
115 磁気シールド
118 水平偏向磁界
121 電子銃
122 電子ビーム
123 シャドウマスク
124 蛍光体ドット
131、131a、131b 外部磁界
133 磁界
134 空間
171、191 実線
172、192 破線
181、201 点

Claims (6)

  1. パネルと、ファンネルと、前記パネルおよび前記ファンネルで外囲された磁性部品と、前記ファンネルのネック部内に設置された電子銃と、前記ファンネルのネック部外周に取り付けられた偏向ヨークと、前記ファンネルの外側に設置された消磁コイルとを備えた陰極線管において、
    前記消磁コイルの前記電子銃側部分が、前記偏向ヨークの前記パネル側端よりも前記電子銃側に延在するように、前記消磁コイルが設置されていることを特徴とする陰極線管。
  2. 前記消磁コイルの前記電子銃側部分が、前記偏向ヨークの前記パネル側端と前記電子銃側端との中央部近傍をまたぐように、前記消磁コイルが設置されている、請求項1に記載の陰極線管。
  3. 前記消磁コイルの前記電子銃側部分は、前記偏向ヨークの中心軸を含む水平平面および前記鉛直平面の少なくとも一方に対して対称である、請求項1に記載の陰極線管。
  4. 前記消磁コイルは、前記偏向ヨークの鉛直方向の位置近傍においては平面視において略コの字状である、請求項1に記載の陰極線管。
  5. 前記消磁コイルは、前記偏向ヨークの鉛直方向の位置近傍においては平面視において略円弧状である、請求項1に記載の陰極線管。
  6. 前記磁性部品は、電子ビームの色選別機能を有するシャドウマスク、前記シャドウマスクを固定するためのフレームおよび外部磁界を遮断するための磁気シールドである、請求項1に記載の陰極線管。

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