JP4021639B2 - X線透過像撮像システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線透過像撮像システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線透過像撮像システムは、特開昭49−10085号公報、特公昭53−48045号公報、特開昭63−100360号公報及び特開平10−206352号公報に記載されている。これらのシステムにおいては、時間的に移動する被測定対象の像をX線像増強管で増強して撮像し、その出力像が移動しないように、当該出力像をミラー等で時々刻々と移動方向とは逆方向に偏向することにより、出力像を同一位置に配置された固体撮像素子上に結像させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような偏向は物理的振動を伴うため、高精度の撮像を行うことができなかった。
【0004】
そこで、X線電子変換材料及びX線電子変換材料に対向配置された出力蛍光面を備え、被測定対象の移動速度に同期した速度で、X線電子変換材料と出力蛍光面との間の電子像の流れを偏向するX線像増強管を開発した。電子像の流れを偏向する電磁気学的な偏向手段は、機械的偏向機構のように振動を伴わないため、高精度の撮像を行うことができる。すなわち、被測定対象の移動速度に同期した速度で、X線電子変換材料と出力蛍光面との間の電子像の流れを偏向すると、被測定対象の撮像時間を長くすることができ、したがって、解像度と感度を向上させることができるのである。
【0005】
ところが、電磁気学的な偏向手段を有するX線像増強管をX線透過像撮像システム内に組み込んだ場合、偏向された電子像の速度と、偏向されない場合の電子像の速度(測定対象の移動速度)とが、出力蛍光面上において逆向きで一致しない場合には、電子像が出力蛍光面上で静止しない。この場合、撮像した被測定対象像にボケや滲みが発生するため、高解像度の撮像を行うことができない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、高解像度の撮像を行うことが可能なX線透過像撮像システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明に係るX線透過像撮像システムは、通過経路上を移動する被測定対象のX線透過像の入射に応じて電子像を発生するX線電子変換材料、この電子像の入射に応じて蛍光像を発生する出力蛍光面及びX線電子変換材料と出力蛍光面との間の電子像の流れを偏向する偏向手段を有するX線像増強管と、上記蛍光像を撮像する撮像カメラと、偏向手段による電子像の偏向の速度を調整する偏向速度調整手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本システムによれば、偏向速度調整手段が偏向手段による電子像の偏向の速度を調整するので、偏向された電子像の速度と、偏向されない場合の電子像の速度(測定対象の移動速度)とを、出力蛍光面上において逆向きで一致させることができ、当該電子像を出力蛍光面上で静止させることができる。
【0009】
特に、偏向手段特性の経時変化等により、電子像が出力蛍光面上で微妙に動くこととなった場合においても、偏向速度調整手段によって電子像の偏向の速度を微調整すれば、当該電子像を出力蛍光面上で静止させることができる。偏向の速度は電気的に変化できるので、微調整時に機械的振動が加わらず、高精度に電子像を静止させることができる。
【0010】
ここで、本システムにおいては、被測定対象の移動方向の向きを特定するため、被測定対象の形状を、前記被測定対象の重心位置をX線像増強管の管軸上に配置した場合において、前記X線像増強管の管軸と交差し且つ前記X線像増強管の管軸及び前記被測定対象の移動方向の双方に垂直な軸に対して非対称とすることを特徴とする。すなわち、X線像増強管の視野内に被測定対象が入った場合において、被測定対象が当該垂直軸に対して非対称である場合には、予め被測定対象の移動方向と非対称となる蛍光像の関係とを定めておくことにより、蛍光像を撮像するのみで、移動方向の向きを特定することができる。
【0011】
ここで、本システムにおいては、被測定対象の移動方向の向きを特定するため、被測定対象の形状を、前記X線像増強管の管軸と交差し且つ前記被測定対象の移動方向に平行な軸に対して非対称とすることとしてもよい。X線像増強管の視野内に被測定対象が入った場合において、被測定対象が当該平行軸に対して非対称である場合には、予め被測定対象の移動方向と非対称となる蛍光像の関係とを定めておくことにより、蛍光像を撮像するのみで、移動方向の向きを特定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態に係るX線透過像撮像システムについて説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0013】
図1はX線透過像撮像システムの斜視図である。このX線透過像撮像システムは、X線像増強装置1を備えている。このX線透過像撮像システムは、X線像増強装置1と共に被測定対象2の通過経路(ベルトコンベア)3を挟んだ位置に配置されるX線源4を更に備えている。X線源4から出射されたX線は、通過経路3上の被測定対象2を透過し、X線像として、この対向位置に配置されたX線像増強装置1、詳細にはX線像増強装置1を構成するX線像増強管のX線電子変換材料1xcに入射する。X線電子変換材料1xcは、これに入射した被測定対象2の透過X線像を電子像に変換する。
【0014】
X線像増強装置1はX線像増強管1tを備えている。X線像増強管1tは、X線電子変換材料1xc及びX線電子変換材料1xcに対向配置された出力蛍光面1sを備えており、被測定対象2の移動速度に同期した速度で、X線電子変換材料1xcと出力蛍光面1sとの間の電子像の流れを偏向する。偏向の方向は管軸Zに垂直な平面内において設定できる。被測定対象2の電子像が出力蛍光面1s上に照射されると、出力蛍光面1sからは被測定対象2の蛍光像が出力される。
【0015】
通過経路3上に載せられた被測定対象2が、管軸Zに垂直な方向Yに沿って移動し、通過経路3を幅方向に挟むように配置された光学式通過検出センサ5,5間を通過すると、この通過時刻t0を基準時刻として、電子像の偏向開始時刻が設定される。偏向開始時刻t1は、被測定対象2がX線像増強管1tの撮像視野内に入る時刻であり、通過検出センサ5,5と上記視野内の適当な位置との間の距離を被測定対象2の移動速度で割った時間Δtだけ、上記基準時刻t0から遅延させた時刻である。
【0016】
偏向開始時刻t1から電子像の偏向が開始される。偏向を行わない場合には、被測定対象2の移動に伴って出力蛍光面1s上で電子像が移動してしまう。本形態では、出力蛍光面1s上の電子像の移動速度が零となるように偏向の速度及び向きを設定する。したがって、出力蛍光面1sからは、被測定対象2の蛍光像が不動の状態で出力される。
【0017】
この蛍光像はX線像増強管1tの後段に設けられた撮像カメラ(CCDカメラ:固体撮像素子を内蔵したカメラ)1pによって撮像され、撮像カメラ1pは被測定対象2のX線透過像の映像信号を出力する。
【0018】
このように、X線電子変換材料1xcに被測定対象2のX線像が入射すると、これは電子像に変換され、この電子像は出力蛍光面1s上に照射され、電子像に応じた蛍光像がX線像増強管1tから出力され、撮像カメラ1pによって蛍光像の撮像が行われる。被測定対象2の移動速度に同期した速度で電子像の流れを偏向しているので、蛍光像の撮像カメラ撮像面内の結像位置は停止することとなる。したがって、このX線像増強管1tによれば、被測定対象2の撮像時間を長くすることができる。このように、本X線像増強管を用いれば、解像度及び感度を向上させることができる
【0019】
ところで、X線像増強装置1は、X線像増強管1tの管軸Zから離隔し且つ管軸Zに平行な軸ZRを回転軸としてX線像増強管1tを支持する回転移動機構1rを備えている。また、X線像増強装置1は、回転軸ZRと管軸Zとの間の距離を調整する直線移動機構(調整手段:Xステージ)1aを更に備えている。回転移動機構1rは直線移動機構1a上に設けられ直線移動機構1aに対して相対的に回転する一方で、直線移動機構1aは支持基体1b上に設けられ支持基体1bに対して相対的に直線移動する。
【0020】
回転移動機構1rによって、X線像増強管1tの管軸Zをこれに平行な回転軸ZRの回りに回転させると、いずれかの回転位置で電子像の偏向方向と被測定対象2の移動方向Yとを逆向きで一致させることができる。これにより、被測定対象2の像が、出力蛍光面1s上で更に移動しなくなるため、画像のボケや滲みが減少する。したがって、本装置によれば、被測定対象2のX線透過像を高解像度で撮像することができる。
【0021】
管軸Zと回転軸ZRとは離隔しているので、管軸Zの回転移動によって、管軸Z上の撮像位置が被測定対象2の通過経路3上からずれる場合がある。直線移動機構1aは、回転軸ZRと管軸Zとの間の距離を調整するので、管軸Z上の撮像位置を被測定対象2の通過経路3上に移動させることができ、的確に被測定対象2を撮像することができる。
【0022】
上述の電子像の偏向は偏向コイル1ci(図2参照)によって行われ、偏向コイル1ciに供給される周期的電流の振幅及び周期によって、偏向の速度、すなわち、被測定対象静止時における出力蛍光面1s上における電子像の速度を調整することができる。これらの振幅及び周期を調整する手段を偏向速度調整手段とする。
【0023】
本システムによれば、偏向速度調整手段が偏向コイル(偏向手段)1ciによる電子像の偏向の速度を調整するので、偏向された電子像の速度と、偏向されない場合の電子像の速度(測定対象の移動速度)とを、出力蛍光面上において逆向きで一致させることができ、当該電子像を出力蛍光面上で静止させることができる。
【0024】
特に、偏向手段の経時変化等により、電子像が出力蛍光面上で微妙に動くこととなった場合においても、偏向速度調整手段によって電子像の偏向の速度を微調整すれば、当該電子像を出力蛍光面上で静止させることができる。偏向の速度は電気的に変化できるので、微調整時に機械的振動が加わらず、高精度に電子像を静止させることができる。
【0025】
図2はX線像増強管1tの縦断面図である。図3は図2に示したX線像増強管1tのIII−III矢印断面図である。筒状のハウジング1vの一端の開口は保護板1prによって、他端の開口は撮像カメラ1pによって封止されている。ハウジング1vの内部にはX線像増強管本体が配置されている。
【0026】
X線像増強管本体は、ベリリウムもしくはアルミニウム製のX線入射窓1wを有する真空容器1vcと、X線入射窓1wの内面に設けられたX線電子変換材料(陰極)1xcと、X線電子変換材料1xcから出力された電子像を管軸Zに沿って加速する加速電極1acと、電子像を集束する集束電極1fcと、集束された電子像が入射する筒状の陽極1anとを備えている。
【0027】
陽極1anの最深部には出力蛍光面1sが設けられており、出力蛍光面1s上に電子像が入射する。なお、出力蛍光面1sの表面上には図示しないメタルバック電極が設けられており、メタルバック電極の電位はX線電子変換材料1xcよりも高い電位に設定される。
【0028】
真空容器1vcの周囲には、その側面を挟むように一対の偏向コイル1ciが設けられている。偏向コイル1ciに、周期的に変動する電流(鋸波)を供給することによって、真空容器1vc内部に磁界を発生させ、管軸Zに垂直な方向に電子流を偏向する。この偏向の大きさは供給する電流量(振幅)によって、偏向の速度は電流量及びその変動周期によって調整することができる。
【0029】
すなわち、偏向の速度は電流量が大きいほど、周期が短いほど速くなる。管軸Zに垂直な1軸方向に磁界を発生させると、電子は管軸Zに沿って飛行しているので、これらの磁界及び電子移動方向の双方に垂直な方向に力を受けて偏向される。また、被測定対象2が撮像視野内に入った期間のみ撮像カメラ1pにて撮像を行う。更に、複数の被測定対象2間の隣接するもの同士の距離を、その移動速度で割った期間は撮像を行わず、また、偏向を行わないこととすることもできる。この場合、偏向コイル1ciに供給される電流は間欠的な鋸波とすることができる。
【0030】
なお、電流は電圧に読み替えることもできる。また、電子流の偏向に電界を用いても良い。また、偏向コイルは二対以上設けることとしてもよい。
【0031】
図4は偏向コイル1ciに偏向コイル電流を供給する偏向電流発生回路の回路図である。
【0032】
偏向コイル1ciの巻き方は様々であるが、ここでは、偏向コイル電流を所定値αよりも増加させると、管軸Zの中心を通過する電子が被測定対象2の移動方向Yの終端方向に偏向され、所定値αよりも減少させると、管軸Zの中心を通過する電子が被測定対象2の移動方向Yの始点方向に偏向される磁界が発生するように、巻かれているものとする。
【0033】
偏向コイル電流は上述の間欠的な鋸波からなる周期的電流であり、その交流成分は間欠的鋸波発生回路10から供給され、直流成分は直流レベル設定回路20から供給され、これらの交流成分と直流成分とが加算回路30によって加算され、偏向コイル電流として偏向コイル1ciに供給される。なお、上記所定値αは鋸波の振幅中心を与える電流値に設定される。
【0034】
図5は回路内の信号のタイミングチャートである。以下、図4に加えて図5を適宜参照しつつ、回路構成について詳説する。
【0035】
図1に示した通過検出センサ5,5からの出力に合わせて、上述の偏向開始時刻t1が図示しない遅延回路にて設定され、この時刻t1において遅延回路からトリガー信号がスイッチング制御回路11に入力される(図5(a)参照)。スイッチング制御回路11は、トリガー信号の入力時刻から所定期間の間、スイッチ12をオフするように制御する(図5(b)参照)。
【0036】
スイッチ12がオン状態においては、スイッチ12に対して並列に接続されたコンデンサCの両端間は短絡されるので、コンデンサCの両端間の電圧は零ボルトである。スイッチ12がオフされると、コンデンサCに定電流発生回路13から電荷が供給され、コンデンサCの両端間の電圧が徐々に増加し、鋸波電圧が発生する(図5(c)参照)。このコンデンサCの両端間電圧は、コンデンサCに接続された増幅器14に入力され、増幅された鋸波電圧として加算回路30に入力される。
【0037】
一方、直流レベル設定回路20は、中間電位をグランドとする直列電源VA,VBと、直列電源VA,VBの両端間を接続する分圧抵抗21とを備えている。すなわち、分圧抵抗21の分圧比に応じて加算回路30に入力される直流電圧レベルが決定される。この分圧比は可変である。
【0038】
加算回路30においては、増幅された鋸波電圧と直流電圧レベルが入力され、これらの電圧の和に比例した駆動電圧が偏向コイル1ciの両端間に印加される。ここでは、簡単のため、偏向コイル電流の大きさは駆動電圧の大きさに比例し、且つ、位相が一致しているものとする(図5(d)参照)。位相が異なる場合には、適当な位相回路を設ければよい。
【0039】
このように、偏向コイル1ciには鋸波の偏向コイル電流が供給され、上述の偏向が行われる。
【0040】
ここで、コンデンサCの出力電圧は比較器15の非反転入力端子に入力され、その反転入力端子の電位は電源VCに固定されている。すなわち、コンデンサCの出力電圧が電源VCの電圧を超えた場合、比較器15からハイレベルの電圧信号が出力され、スイッチング制御回路11に入力される。スイッチング制御回路11は、トリガー信号の入力時刻から所定期間の間、スイッチ12をオフするように制御するものであるが、この所定期間は比較器15の出力に基づいて規定される。すなわち、トリガー信号の入力後、比較器15からハイレベルの電圧信号が入力されるまで、スイッチング制御回路11はスイッチ12をオフするように制御する。
【0041】
コンデンサCの出力電圧は、コンデンサCに充電された電荷量に比例するので、充電された電荷量が規定値を超えた場合には、比較器15の出力に起因して、スイッチ12がオフされる。すなわち、定電流発生回路13からコンデンサCに流れる電流が大きければ、スイッチ12がオフ状態となる期間(周期)は短くなり(t1〜tA)、小さければスイッチ12がオフ状態となる期間(周期)は長くなる(t1〜tB)(図5(e)参照)。
【0042】
定電流発生回路13から出力される電流は、定電流発生回路13に接続された可変抵抗16の抵抗値によって設定される。すなわち、可変抵抗(偏向時間調整用ボリューム)16の抵抗値を変化させると、電子像の偏向期間が変化する。
【0043】
また、増幅器(偏向距離調整用アンプ)14の増幅率を増加させると、偏向コイル電流の振幅が増加するので(図5(f)参照)、偏向コイル電流は偏向コイル1ciが発生させる磁界の磁束密度、すなわち、電子が受ける力に比例するところ、この場合には、電子の偏向量(電子像の最大偏向角)は大きくなることとなる。
【0044】
また、可変分圧抵抗21は、加算回路30に入力される直流電圧レベルを変化させるものであるが、この直流電圧レベルが変化すると、偏向コイル電流の振幅中心、すなわち電子像の偏向の中心位置(振幅中心)が移動することとなる(図5(g)参照)。
【0045】
被測定対象2が静止した状態における出力蛍光面1s上の電子像の移動速度は、可変抵抗16によって偏向コイル電流の周期を短くすることによって増加し、また、増幅器14の増幅率設定用抵抗(図示せず)によって偏向コイル電流の最大値を増加させることによって増加するので、これらは単独で又は共同して偏向速度調整手段を構成している。
【0046】
次に、X線透過像撮像システムにおける偏向速度調整方法について説明する。まず、X線像増強管1tにおけるX線像の拡大率を設定する。この場合、最初に、ベルトコンベア3上の被測定対象2を上下方向に挟むようにパルスX線源4及びX線像増強管1tを配置する。次に、X線源4を直流駆動し、撮像カメラ1pから出力されたX線透過像が図示しないモニター上に所定の大きさになるようにX線源4とX線像増強管1tの間の距離を再調整する。この距離は拡大率に比例するので、当該距離を拡大率として取り扱う。
【0047】
しかる後、以下の手順で偏向速度等の調整を行う。まず、実際のサンプルの代わりに調整用の被測定対象2をベルトコンベア3上に置き、X線透過像を撮像し図示しない記憶装置内に画像を格納する。なお、被測定対象2は静止させる。この時の被測定対象2の画像を「基準画像」とする。
【0048】
次に、調整用の被測定対象2を図示しない送り出し装置にセット後、ベルトコンベア3の速度を設定し、移動方向Yに沿って被測定対象2を移動させる。ベルトコンベア3の速度及び上記拡大率から、X線像増強管1tのX線入射窓1w上のX線透過像の移動速度を演算する。
【0049】
次に、電子像の偏向距離(最大偏向角)を、X線入射窓1w上のX線透過像の移動速度に換算して決定する。X線入射窓1w上のX線透過像の移動速度と偏向距離から偏向時間(=偏向距離/移動速度)を演算する。X線源4のX線パルス照射時間(パルス幅)を偏向時間以内で設定し、続いて、偏向レベル(偏向コイル電流の最大値(増幅器14の増幅率設定用抵抗)又は周期(可変抵抗16))を偏向距離にあわせて設定する。X線源4、X線像増強装置1及び撮像カメラ1pの電源はオン状態とし、偏向コイル電流を偏向コイル1ciに供給する。
【0050】
図示しない被測定対象2の送り出し装置をオン状態とし、被測定対象2のX線透過像がモニター上の所定の位置にくるよう上述の遅延回路の遅延時間を設定する。
【0051】
この時得られるX線透過像と、既に撮像した「基準画像」とを比較する。双方の画像の面積を比較し、基準画像と測定したX線透過像の面積の差、すなわち、ボケ量が大きい場合には、偏向レベルを初期設定値より一定量ΔxN(N=1)だけ大きくしX線透過像を観察する。なお、図6に偏向レベルとボケ量の関係を示すグラフを示す。
【0052】
(A)偏向レベルの増加によって、ボケ量が前回(増加直前)のボケ量よりも大きくなった場合、偏向レベルを前回の偏向レベルより一定量ΔxN(N=1)だけ小さくし(矢印a)、X線透過像を観察し、ボケ量を測定する(図6(a)、図6(c)、図6(d)参照)。
【0053】
(B)偏向レベルの増加によって、ボケ量が前回(増加直前)のボケ量よりも小さくなった場合、偏向レベルを前回の偏向レベルよりもさらに一定量ΔxN(N=1)だけ大きくし(矢印b)、X線透過像を観察し、ボケ量を測定する(図6(b))。
【0054】
(C)偏向レベルの減少によって、ボケ量が前回(減少直前)のボケ量よりも小さくなった場合、偏向レベルを前回の偏向レベルよりもさらに一定量ΔxN(N=1)だけ減少させ、X線透過像を観察し、ボケ量を測定する(図6(a))。
【0055】
(D)偏向レベルの減少によって、ボケ量が前回(減少直前)のボケ量よりも大きくなった場合、すなわち、ボケ量の減少から増加に転じた時点で、その時の偏向レベルIとその直前の偏向レベルIIの間、偏向レベルIIとその直前の偏向レベルIIIとの間に最適値があると推定できる。ここまでで、偏向レベルの粗調整は終了する。以下、偏向レベルの微調整を行う。
【0056】
偏向レベルIと偏向レベルIIIのボケ量を比較し、小さい方の偏向レベルに「小」のフラグをたてる。偏向レベルIIを最適値探索のスタート値とし、偏向レベルIIから「小」のフラグのついた偏向レベル(I,III)の方向へ一定量ΔxN(N=2)偏向レベルを近づけ、上記工程(A)〜(D)を行う。但し、ここからの一定量ΔxN(N=2)は、前述の粗調整時に用いた一定量ΔxN(N=1)よりも小さい。この一定量ΔxN(N=2)を用いて上述のフラグを立てる工程が行われた場合には、更に小さな一定量ΔxN(N=3)を用いて上記工程(A)〜(D)を行う。最終的には、設定できる最小の一定量ΔxN(N=k:kは最大値)の範囲を誤差として、ボケ量が減少から増加に転じた偏向レベルの直前の偏向レベルを最適値、すなわち、被測定対象移動中の出力蛍光面1s上における電子像の速度を零とする偏向の速度として求め、この値に偏向速度を設定することができる。設定の終了後、被測定対象2を、半導体装置や液晶パネル等のサンプルに代え、これらのX線透過像を撮影する。
【0057】
なお、被測定対象2の移動方向Yの向きが特定されていると、移動方向Yの向きと偏向方向との関係を間違うことがないため便利である。すなわち、偏向コイル電流は掃引することで電子像を偏向することにより、電子像を出力蛍光面1s上で静止させる場合、この偏向方向は被測定対象2の移動方向Yとは逆向きに設定される。
システムの初期導入時においては、移動方向Yの向きを予め知ることによって、この方向と逆方向に電子像が偏向されているかどうかを確認する必要がある。もちろん、このような向きは正負の2つだけであるから、試行を繰り返すことによって移動方向Yの向きを特定してもよいが、ここでは特殊な調整用の被測定対象2を用いる。
【0058】
図7はベルトコンベア3上に配置された被測定対象2の平面図である。被測定対象2の形状は矢印形であり、矢印の向きが移動方向Yに一致している。なお、矢印形であることは特に重要ではなく、この形状は、被測定対象2の重心位置をX線像増強管1tの管軸Z上に配置した場合において、X線像増強管1tの管軸Zと交差し且つX線像増強管1tの管軸Z及び被測定対象2の移動方向Yの双方に垂直な軸Qに対して非対称であることが重要である。
【0059】
すなわち、X線像増強管1tの視野内に被測定対象2が入った場合において、被測定対象2が垂直軸Qに対して非対称である場合には、予め被測定対象2の移動方向Yと非対称となる蛍光像(X線透過像)の関係とを定めておくことにより(本例では垂直軸Qを境界として被測定対象2の面積の大きい側から小さい側に向けた方向を移動方向Yとする)、蛍光像を撮像するのみで、当該面積の大小判定を行えば、移動方向Yの向きを特定することができる。
【0060】
図8はベルトコンベア3上に配置された別の被測定対象2の平面図である。被測定対象2の形状は三角形であるが、これが三角形であることは特に重要ではなく、この形状が、X線像増強管1tの管軸Zと交差し且つ被測定対象2の移動方向Yに平行な軸Rに対して非対称であることが重要である。
X線像増強管1tの視野内に被測定対象2が入った場合において、被測定対象2が平行軸Rに対して非対称である場合には、予め被測定対象2の移動方向Yと非対称となる蛍光像(X線透過像)の関係とを定めておくことにより(本例では平行軸Rを境界として被測定対象2の面積の大きい側から小さい側に向けた方向から右に90度回転した方向を移動方向Yとする)、蛍光像を撮像するのみで、移動方向Yの向きを特定することができる。
【0062】
【発明の効果】
X線透過像撮像システムは、偏向手段による電子像の偏向の速度を調整する偏向速度調整手段を備えるので、高解像度の撮像を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線透過像撮像システムの斜視図である。
【図2】X線像増強管1tの縦断面図である。
【図3】図2に示したX線像増強管1tのIII−III矢印断面図である。
【図4】偏向コイル1ciに偏向コイル電流を供給する偏向電流発生回路の回路図である。
【図5】回路内の信号のタイミングチャートである。
【図6】偏向レベルとボケ量の関係を示すグラフである。
【図7】ベルトコンベア3上に配置された被測定対象2の平面図である。
【図8】ベルトコンベア3上に配置された別の被測定対象2の平面図である。
【符号の説明】
1ci…コイル、1v…ハウジング、1ac…加速電極、1r…回転移動機構、1p…撮像カメラ、1b…支持基体、1fc…集束電極、1s…出力蛍光面、1vc…真空容器、1…X線撮像装置、1t…X線像増強管、1xc…X線電子変換材料、1w…X線入射窓、1a…直線移動機構、1ci…偏向コイル、1pr…保護板、1an…陽極、2…被測定対象、3…ベルトコンベア(経路)、4…X線源、10…間欠的鋸波発生回路、5…通過検出センサ、11…スイッチング制御回路、12…スイッチ、13…定電流発生回路、14…増幅器、15…比較器、16…可変抵抗、20…直流レベル設定回路、21…可変分圧抵抗、30…加算回路、C…コンデンサ、Q…垂直軸、R…平行軸、VA,VB…直列電源、VC…電源、Y…移動方向、Y…被測定対象、Z…管軸、ZR…回転軸。

Claims (3)

  1. 経路上を移動する被測定対象のX線透過像の入射に応じて電子像を発生するX線電子変換材料、前記電子像の入射に応じて蛍光像を発生する出力蛍光面及び前記X線電子変換材料と前記出力蛍光面との間の電子像の流れを偏向する偏向手段を有するX線像増強管と、前記蛍光像を撮像する撮像カメラと、前記偏向手段による前記電子像の偏向の速度を調整する偏向速度調整手段とを備えることを特徴とするX線透過像撮像システム。
  2. 前記被測定対象の形状を、前記被測定対象の重心位置をX線像増強管の管軸上に配置した場合において、前記X線像増強管の管軸と交差し且つ前記X線像増強管の管軸及び前記被測定対象の移動方向の双方に垂直な軸に対して非対称とすることを特徴とする請求項1に記載のX線透過像撮像システム。
  3. 前記被測定対象の形状を、前記X線像増強管の管軸と交差し且つ前記被測定対象の移動方向に平行な軸に対して非対称とすることを特徴とする請求項1に記載のX線透過像撮像システム。
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