JP4021444B2 - 皮膚用化粧料 - Google Patents

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本発明は液体成分と、該液体成分に対して可溶性成分と不溶性成分とで構成されているフィルムを組み合わせて使用することによって皮膚との密着性を高め、皮膚内部の細胞の活性化による小じわの改善を目的とした皮膚用化粧料を提供することにある。
従来、小じわを改善し、皮膚を滑らかにし、より若々しく新鮮な引き締まった外観を与える手段として、顔用化粧料とシート状パック材とがある。前者としては皮膚からの化粧液成分の浸透によって皮膚への成分補給あるいは細胞の活性化により目的を達成するものであり、後者としてはフェイシャルマスクのように皮膚表面に乗せ皮膚表面での水分保持あるいは有効成分の徐放等により目的を達成するものである。前者の例として特許文献1には顔のしわを一時的に除去するために有用かつ効果的なアルブミン含有化粧品調合剤が開示されており、後者の例として特許文献2にはβ-1,3−グルカンゲル皮膜を乾燥してなる、シート状パックであって、該シート状パックが皮膚の洗浄効果、皮膚細胞の活性化等の効果を持つことが開示されている。
いずれの場合でも有効成分を皮膚から浸透させることによって効果をもたらす、あるいは皮膚に対して良好な保湿効果を与えることを目指している。しかし有効成分によっては皮膚への浸透が困難であって効果を十分に発揮できない場合がある。また保湿効果によって皮膚表面の水分保持能を高めることは、皮膚内部への直接的な効果ではなく、2次的な効果によるものと考えられ十分な効果が得られないと言う課題があった。
特開昭63−22008公報(昭和63年1月29日) 特開平6−321733公報(平成6年11月22日)
そこで、本発明者は皮膚内部への有効成分を浸透させず、皮膚外部より内部の細胞を活性化させる手段について鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成したもので、本発明の目的は皮膚外部より内部の細胞を活性化して小じわの改善効果を向上した皮膚用化粧料を提供することである。
本発明の要旨は、水を溶媒とした液体成分とフィルムとからなる皮膚用化粧料であって、前記フィルムは前記液体成分に対して可溶性成分と不溶性成分で構成され、可溶性成分としてサクシニル化コラーゲン、ヒアルロン酸Na、ペクチン、不溶性成分としてガラクトマンナン、セルロース誘導体より少なくとも一つ選び、且つ、不溶性成分がフィルム全重量の20−90重量%であることを特徴とする皮膚用化粧料である。
即ち、本発明は液体と特定の成分からなるフィルムを組み合わせて使用することにより皮膚との密着性を高め、更に本フィルムが完全に溶解しないために皮膚にテンションをかけることとなり、皮膚内部の細胞を活性化(アトラクティブ効果:引っ張り上げ効果、親和性)し、小じわの改善を向上することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の皮膚用化粧料は付属の液体とその液体によってフィルムを構成する全成分の内、一部だけが溶解するフィルムを組み合わせて使用することを特徴とする皮膚用化粧料である。皮膚にフィルムを乗せた後に、フィルムに液体を添加することによってフィルムが膨潤し一部は溶解する。(以後、該液体を溶解液という場合がある。)しかし不溶性の成分はフィルムの形状を維持に働き、フィルムの収縮をもたらすために皮膚に緊張を与える様、作用しアトラクティブ効果をもたらすものである。
本発明で使用する液体(溶解液)はフィルムを構成する成分の内一部を溶解する液体であれば何れでも良いが、通常水を使用する。そして、フィルムについては水により溶解する成分と、水に不溶性の両方の成分から構成されるフィルムである。水に溶解する成分としてはサクシニル化コラーゲン、ヒアルロン酸Na、ペクチン等を、水に不溶性の成分としてはガラクトマンナン、セルロース誘導体等をあげることができ、これら両成分のなかから少なくとも1成分以上を選ぶことが可能である。
これら両成分のうち不溶性成分がフィルム全重量の20%〜90%であり、さらには30%〜60%が望ましい。この範囲のフィルムでは水によってフィルムの一部溶解した後に、皮膚に緊張を与えることが出来る。
フィルムの成分としてはこれら溶解する成分と不溶性の成分の他に、皮膚に対しての有効成分、具体的には加水分解コラーゲン、アミノ酸等の低分子成分を加えることが可能である。これら成分は本フィルムより溶解液を添加することにより徐放化され、肌に対して有効成分を長期に放出し、接触させることが可能となる。他に添加される成分としてはフィルムに柔軟性等の化粧料として望ましい物性を与えることを目的にグリセリン、界面活性剤、スクワラン等を加えることが可能である。
添加剤によってフィルムに色を付けることも可能である。具体的にはフィルムのなめらかさを乱すことがない粒径の添加剤であれば使用することができる。例えば酸化チタンを3%以下の濃度で添加することにより、白色のフィルムを得ることができる。
溶解液は水溶液であってフィルムの溶解成分を溶解できれば問題はないが、粘性を持たせることで皮膚上において本溶解液を添加し用いる際、垂れることを防ぎ使いやすいものにすることが出来る。さらには溶解液の粘性による皮膚の引き上げ効果も期待できる。具体的にはヒアルロン酸Na、キサンタンガム、プルラン、サクシニル化コラーゲン等の水溶性高分子を添加することで、粘性を高めることができる。また当然フィルムの溶解成分と同じ成分を用いることもできる。他に皮膚に対する有効成分の添加も可能である。
フィルムの製造にあたっては原料成分に水を加え分散溶液を調製した後に、キャストし水分を蒸散することによって製造することができる。この際にフィルムの厚さを調節可能であるが、厚さに特に制限はないが、望ましくは20μm〜50μmであって、この厚さのフィルムを使用することによってアトラクティブ効果を有効に得ることができる。
フィルムの形状に特に制限はなく、使用に際して使用者が使用部位に合わせた大きさ、形状にカットして用いても良いし、最初から目周囲等の使用に適した大きさ、形状にカットしたフィルムを使用するのいずれでも良い。
市場に提供する際にはフィルムと溶解液をそれぞれ容器に入れ、特にフィルムについては乾燥状態が維持できる状態で販売される。
基本的な使用方法は、まず本化粧料を適応する部位に溶解液を垂らし、そこにフィルムを乗せフィルムを十分溶解液になじまし、更に追加で溶解液をフィルムに添加するものであって、これによりフィルムの一部が溶解、膨潤し小じわ等の皮膚の陥凹部に入り込み、その後本フィルムが収縮することでアトラクティブ効果をもたらすものである。最後にフィルム等の残分をふき取ることで施術を終了する。
本化粧料の使用によるアトラクティブ効果によって皮膚の保湿性、弾性が改善され、皮膚内部の細胞を活性化するものである。更にフィルム、溶解液に含まれる有効成分がフィルムから徐放されることで有効成分を皮膚に十分に作用させることが可能となる。
さらに本発明について、実施例により詳細に説明する。
実施例1
以下の成分からなるフィルム原料液を調製する。
Figure 0004021444

調製された原料液をトレーに液高さ50μmで分注し、40℃の送風のより乾燥させることで、厚さ44μmのフィルムを得る。このフィルムを直径8mmにカットし、それを円形のシャーレに入れ、さらにアルミ袋にて密封する。
別に以下の成分からなる溶解液を調整する。
Figure 0004021444
この溶解液をビンに充填し、先のアルミ袋により密閉したフィルムとセットにする。
使用例
本発明を健康的な女性5名に使用し、その効果を測定した。
測定は「CYBER SKIN CHECKER」((株)ジャパンギャルズ社)の超音波センサー(PZT)を用いて、肌表面1.5mmまでの肌内部を測定した。なお測定は保湿と弾力について実施した。
測定部分に印をつけ、使用前の肌データを3回測定し、その平均を使用前のデータとする。被験者の印を付けた測定部分に1分間フィルムとローションをなじませた後に5分間放置する。その後、ぬるま湯で洗い流す。洗い流した際の水分が残っていることを考慮し、3分後に使用後の測定を行った。使用前と同様に、印のある部分を3回測定し、その平均を使用後のデータとする。
結果は以下の通りである。
保湿性(Moisture)
Figure 0004021444
※値は測定機センサー指数で表示。
弾力(Tension)
Figure 0004021444
※値は測定機センサー指数で表示。
本発明品の使用によって適応部位の皮膚の保湿性、弾力に改善が見られた。

Claims (1)

  1. 水を溶媒とした液体成分とフィルムとからなる皮膚用化粧料であって、前記フィルムは前記液体成分に対して可溶性成分と不溶性成分で構成され、可溶性成分としてサクシニル化コラーゲン、ヒアルロン酸Na、ペクチン、不溶性成分としてガラクトマンナン、セルロース誘導体より少なくとも一つ選び、且つ、不溶性成分がフィルム全重量の20−90重量%であることを特徴とする皮膚用化粧料。
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