JP4020643B2 - 自転車フレーム用部材の製造方法および自転車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自転車フレーム用部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
軽量化および高剛性が要求される自転車フレーム用の部材として、比較的大きな応力が作用するパイプの継手部分である両端部(または一端部)の肉厚を厚くし、中間部の肉厚を薄くすることで、パイプの軽量化を図りながら、剛性の低下を最小限に抑えて、十分な剛性を確保させるバテッド加工方法は既に知られている。
【0003】
従来のバテッド加工方法としては、大きく分けて、冷間加工によるものと、酸洗いなどのケミカルミーリング(化学切削)によってパイプの内周を加工するものとの2種類のものがある。
【0004】
冷間加工による手法としては、図10(a)に示すように、均一な肉厚の素材管50内に円柱形状の心金51を挿入し、これらを軸心を中心に回転させた状態で、素材管50の中間部となる箇所をロール52により外周部分を側方から押圧して薄肉状に形成し、この後、図10(b)に示すように、心金51を抜いた状態で、その孔部53aの直径D1が素材管50の直径D2よりも小さい(ロール52で強制的に変形させた素材管50の細径部分の直径D3とほぼ等しい)ダイズ53から素材管50を引き抜くことで、図10(b)において2点鎖線で示すように、端部が厚肉のパイプ55を得る、いわゆるロール法による加工手法と、図11に示すように、肉厚がほぼ一定な素材管60に、端部が細径となった心金61を挿入し、この状態で、素材管60を、その孔部62aの直径D4が素材管60の直径D5よりも小さいダイズ62から引き抜くことで、端部が厚肉のパイプ65を得る、いわゆる引抜法による加工手法とがある。このような冷間加工によるバテッド加工方法を用いると、加工後におけるパイプ55、65の形状が、肉厚が徐々に変化するように形成されるので応力集中が生じ難いという利点や、冷間加工工程において加工硬化による強度が向上するという利点がある。
【0005】
また、従来のケミカルミーリングによる加工方法としては、図12(a)に示すように、均一な肉厚の素材管70の両端部内側に、中央部にケミカルミーリング用の処理液(腐食液)72を流入させるための流路71aを形成したマスキング用のゴム栓71をそれぞれ挿入し、この後、前記流路71aから処理液72を素材管70の内部に導入することで、処理液72により素材管70の内周面を溶かして(エッチングして)、図12(b)に示すように、中間部が薄肉形状になったパイプ75を形成するケミカルミーリングによる手法がある。このようなケミカルミーリングによりパイプの内周を加工する方法は、化学的にパイプの内周を溶かすため、機械的加工が難しい材料でも加工することが可能となる利点や、ダイズなどの金型が一般にいらないので、多品種少量生産に向いているなどの利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ロール法や引抜法などの冷間加工方法では、素材管50、60の素材として延性が大きな材料を用いた場合には、比較的小さな力で変形できるので、比較的容易にバテッド加工することができるが、延性が小さくて引張強度が高いチタンなどの材料では極めて大きな力で加工しなければならず、加工が困難であるという課題がある。また、ダイズ53、62などの大掛かりな金型が必要であるため、多品種少量生産を行うと製品1つ当たりの製造コストが多大となる課題もある。また、大きな力により変形させながら加工するので、パイプとして比較的長いものが必要である自転車フレーム用部材としては、加工時に、形状の誤差を生じ易くなり、精度よく生産することが困難である。さらに、加工途中での肉厚の測定などを行うことができないので、肉厚の管理が難しい欠点もある。
【0007】
また、ケミカルミーリングによってパイプの内周を加工する従来の方法では、エッチング途中での肉厚変化を外側から認識することができないため、肉厚の管理が困難である。ゆえに、ケミカルミーリングにより素材管70におけるマスキング部分とマスキングしていない部分とに大きな段差を生じた場合が生じ、パイプ75内周の段差部75aに応力集中を生じやすくなる欠点がある。
【0008】
発明は上記課題や欠点を解決するもので、金型を必要とせずに多品種少量生産に適しておりながら、製造工程において形状の誤差や肉厚の誤差を生じ難くて、精度よく自転車フレーム用部材を生産することができる自転車フレーム用部材の製造方法および自転車を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の自転車フレーム用部材の製造方法は、中空の部材の外周の一部をマスキングし、このマスキングした中空の部材の外周における前記マスキングした部分を除く箇所の少なくとも一部をケミカルミーリングする工程を含み、中空の部材の外周の一部だけでなく、内周の一部もマスキングし、マスキングした中空の部材の外周および内周をケミカルミーリングすることを特徴とする。
【0010】
この方法により、中空の部材の外周の一部をケミカルミーリングにより薄肉状とすることができるため、金型を必要とせず、多品種少量生産に適している。また、中空の部材の外周の一部をケミカルミーリングするので、中空の部材の外周の厚みの変化を容易に確認することができ、さらに、機械加工を行わないため、自転車フレーム用部材が長尺寸法であっても良好な形状に形成でき、精度よく自転車フレーム用部材を製造できる。
【0015】
また、この方法によれば、中空の部材を外周からだけでなく内周からも同時にケミカルミーリングして処理できるため、外周だけをケミカルミーリングした場合と比べて、処理時間を短縮することができ、製造処理を能率よく行うことができる。
【0018】
発明の自転車は、請求項1に記載の自転車フレーム用部材の製造方法により製造した自転車フレーム用部材を備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。ここで、図1(a)は本発明の実施の形態にかかる自転車フレーム用パイプの製造方法で用いる素材管の一部切欠正面図、(b)は同自転車フレーム用パイプの製造方法で製造したパイプの正面図、(c)は同パイプの正面断面図であり、図2は、同自転車のフレームを示す右側面図、図3は同自転車フレーム用パイプの製造方法で製造したパイプの他の例を示す正面図、図4(a)〜(d)はそれぞれ同製造方法の各工程を示す断面図、図5は同製造方法でのマスキング部の塗布部分を展開して示す図、図6は本発明の他の実施の形態にかかる自転車フレーム用パイプの製造方法で製造したパイプの正面図、図7(a)〜(c)はそれぞれ同製造方法の各工程を示す断面図、図8は本発明のその他の実施の形態にかかる自転車フレーム用パイプの製造方法で製造したパイプの断面図、図9(a)〜(c)はそれぞれ同製造方法の各工程を示す断面図である。
【0020】
図1(a)における10は、本発明の実施の形態にかかる製造方法で用いる中空な棒状の部材としての、自転車フレーム用パイプの素材管である。素材管10は、肉厚が一定の円筒形状とされている。また、その素材材料は、例えば、チタン合金(または純粋なチタン)とされている。なお、素材管10は、円筒形状に限らず、四角柱、三角柱、三角錐、円錐、四角錐等でもよく、曲がっているものでもよい。また、チタン合金としては、Ti−3Al−2.5V、Ti−6Al−4V、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo、Ti−8Al−1Mo−1V等が挙げられる。
【0021】
また、図1(b),(c)における20は、以下に述べる製造方法により製造される自転車フレーム用部材としての自転車フレーム用パイプであり、両端部が厚肉のラグ形状に形成され、両端部間の中間部23が両端部より薄肉状となるように形成されている。この自転車フレーム用パイプ20は、内周側には段差がなく、外周側だけに段差(段付部20a)が形成されている。また、この図1に示す自転車フレーム用パイプ20は、図2に示す自転車のフレーム1における下バイプ2として用いられる場合を1例として示している。
【0022】
図1(b),(c)、図2に示すように、この自転車フレーム用パイプ20の一端部には自転車のヘッドパイプ3につながれる第1ラグ部21が形成され、他端部には自転車のハンガラグ4につながれる第2ラグ部22が形成され、これらのラグ部21、22間の中間部23が薄肉形状に形成されている。このように、中間部23を薄肉状に形成して軽量化を図りながら、ラグ部21、22は厚肉状に形成することにより、この自転車フレーム用パイプ20を自転車用フレームとして組付けた状態に製造して自転車を使用する際に、大きな応力が作用しやすい箇所を補強し、かつ、応力が作用した際でも応力を分散させて、応力集中を防止するように図られている。なお、図3に示すように、必要に応じて、中間部23に、水筒支持用の突起24や変速レバー取付用突部25などが形成される場合もある。
【0023】
この自転車フレーム用パイプ20の製造方法について以下に述べる。なお、図4においては、素材管10などの厚みの変化がわかりやすいように誇張して図示している。
【0024】
まず、図4(a)に示すように、肉厚が一定の円筒形状とされている素材管10の、最終的に第1ラグ部21および第2ラグ部22となる外周部両端部に、それぞれマスキング材(耐薬品性保護皮膜)としてのマスキング塗料(例えば、耐酸性の樹脂やゴム等)を塗布してマスキングし、マスキング部11を形成する。マスキングは、ここでは、ハケ塗り、スプレー塗り、流し塗り、静電塗装により塗料を塗布することにより行うが、シルクスクリーン、フォトレジスト等で行ってもよい。ここで、図5はマスキング部11の塗布部分を展開して示している。また、素材管10の内周両端部に、次のエッチング工程で使用する腐食(酸洗いまたはアルカリ液処理)用の処理液12が素材管10の内部に浸入しないように、中実のマスキング用ゴム栓13を挿入する。
【0025】
次に、図4(b)に示すように、所定の容器(図示せず)に満たした処理液12中に、マスキング済みの素材管10を浸漬する。この場合に、処理液12としては、チタン合金の場合には、例えば、硝酸(HNO3)とフッ酸(HF)との混合液(硝フッ酸)を用いる。また、素材材料がアルミニウムの場合には、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)溶液や塩化ナトリウム(NaCl)溶液を用い、素材材料が炭素鋼の場合には例えば硝酸(HNO3)溶液を用い、素材材料がステンレス鋼の場合には、例えば硝酸(HNO3)と塩酸(HCl)との混合液を用い、素材材料がベリリウムの場合には、例えば、二フッ化窒素アンモニウム(NH4NF2)溶液や硫酸(H2SO4)溶液を用いる。この浸漬時間は、処理液12による加工速度(例えば、チタン合金(Ti−3Al−2.5V)に対する硝フッ酸の場合には、0.018〜0.038mm/minである)に応じたものとする。
【0026】
この後、上記浸漬時間が経過して、図4(c)に示すように、中間部23が外周側よりケミカルミーリングされて薄肉形状に形成された時点で、素材管10を処理液12から引上げて、必要に応じて光沢浸漬などの後処理を行った後、マスキング部11をシンナーなどにより取り除くとともにマスキング用ゴム栓13を外す。これにより、図4(d)および図1(c)に示すように、両端のラグ部21、22が厚肉状となり、中間部23が両端のラグ部21、22より薄肉状となるようにバテッド加工された自転車フレーム用パイプ20を得ることができる。なお、素材管10を薄肉形状に形成する方法は、ケミカルミーリングではなく、エッチングによってもよい。
【0027】
また、図6に示すように、厚肉部であるラグ部(第3の部分)21、22と薄肉部である中間部(第1の部分)23との境界部分(第2の部分)26、27の厚みが、多段階で徐々に変化するようなパイプ28を製造する場合には、図7(a)に示すように、まず、所定の容器に満たした処理液12の中に、マスキング済みの素材管10を浸漬して、素材管10の中間部23の外周をケミカルミーリングして、外周寄りの段付部28aまで薄肉状に形成した後に、一旦、処理液12から引き上げて、マスキングした部分であるマスキング部11における段付部28a近傍箇所を除去することにより、マスキング部11の一部のみを残した状態で、この後、図7(b)に示すように、再度ケミカルミーリングする。これにより、第2の部分が第1の部分より厚くなり、パイプ28の厚肉部であるラグ部21、22と薄肉部である中間部23との境界部分26、27の厚みが多段(図6に示す場合には2段)の段付部28aとなるようにバテッド加工された自転車フレーム用パイプ28を得ることができる。なお、マスキング部11としてシール状のものを代わりに用いてもよく、この場合には、このマスキング部11を除去するかわりに、両端側へずらせてもよい。
【0028】
なお、マスキング部11の近傍をさらにマスキングした状態で、ケミカルミーリングすることにより多段(3段以上)に形成してもよい。また、ここでは素材管10の厚みを3段階で徐々に変化させているが、3段階に限らず、何段階であってもよい。
【0029】
上記図4や図7に示す製造方法によれば、ケミカルミーリングにより中間部23を薄肉状とするため、冷間加工の場合には必要であった金型が要らず、金型作製費用が不要となり、多品種少量生産を良好に行えながら、製造単価は比較的安価となる。したがって、多品種少量生産に適することとなる。また、複数の素材管10を処理液12に一度に浸漬させることによって、複数の自転車フレーム用パイプ20、28を一度に得ることができ、この場合には、作業能率が良好となる。また、素材管10の外周をケミカルミーリングするので、試作段階などにおいても素材管10の外周の変化を比較的容易に確認することができる。さらに、機械加工を行わないため、自転車フレーム用パイプ20、28が長尺寸法であっても良好な形状に形成でき、精度よく自転車フレーム用パイプ20、28を製造できる。
【0030】
また、図6、図7に示すように、素材管10の内周をケミカルミーリングすることでは不可能であったが、素材管10における厚肉部と薄肉部との境界部を多段に薄肉形状に形成することで、境界部分26、27の段差を少なくすることが可能となる。これにより、パイプ28の境界部分26、27に応力が集中することを回避できて、さらに良好な剛性を維持できる。
【0031】
なお、中間部23に水筒支持用などの突起24や変速レバー取付用突部25などを形成する場合(図3参照)には、これに対応する場所をマスキング材によりマスキングし、浸漬時にその突起部分や突部などがケミカルミーリングされることを防止して、突起24や突部25などを形成することができ、これらの部材を簡易に形成できる。
【0032】
次に、本発明の他の実施の形態を図8を用いて説明する。図8は本発明の他の実施の形態にかかる自転車フレーム用パイプの製造方法で製造したパイプの断面図である。この自転車フレーム用パイプ30は、外周側に段差(段付部31)が形成されているだけでなく、内周側にも段差(段付部32)が形成されて、厚肉部であるラグ部31、32と薄肉部である中間部33とが設けられている。
【0033】
この自転車フレーム用パイプ30の製造方法について以下に述べる。
まず、図9(a)に示すように、肉厚が一定の円筒形状とされている素材管10の、最終的に第1ラグ部31および第2ラグ部32となる外周部両端部に、それぞれマスキング材(耐薬品性保護皮膜)としてのマスキング塗料を塗布してマスキング部11を形成する。また、素材管10の内周両端部にもマスキング塗料を塗布してマスキング部14を形成する。
【0034】
次に、図9(b)に示すように、所定の容器(図示せず)に満たした処理液12中に、マスキング済みの素材管10を浸漬する。この後、所定の浸漬時間が経過して、図9(c)に示すように、中間部33に対応する箇所が外周側および内周側よりエッチングされて薄肉形状に形成された時点で、素材管10を処理液12から引上げて、必要に応じて光沢浸漬などの後処理を行った後、マスキング部11、14をシンナーなどにより取り除く。これにより、両端のラグ部31、32が厚肉状となり、中間部33が薄肉状となるようにバテッド加工された自転車フレーム用パイプ30(図8参照)を得ることができる。
【0035】
この製造方法によれば、素材管10を外周からだけでなく内周からも同時にケミカルミーリングして処理できるため、外周だけをケミカルミーリングした場合と比べて、処理時間を短縮することができ、製造処理を能率よく行うことができる。特に、素材材料がチタンである場合には、外周のみから処理した場合と比べて、加工速度を約2.5〜3倍に増加させることができる。これは、チタンが比較的熱伝導性が悪い材料であるので、外周からだけケミカルミーリング処理した場合には、その金属面近傍の浴温度が緩い勾配でしか上昇しないが、内外周の両方から一度にケミカルミーリング処理すると、大量の反応熱が金属面近傍の浴温度を著しく高め、この結果、反応速度が増加して加工速度を大きく速めることができる。これにより、さらに、ケミカルミーリング工程での処理時間を短縮することができて、製造能率を高めることができる。
【0036】
なお、上記実施の形態においては、両端部を厚肉形状とし、これらの中間部を薄肉形状としたダブルバテッド加工のパイプ20、28、30を製造する場合について述べたが、これに限るものではなく、片方の端部のみ厚肉形状とし、中間部および他の端部を薄肉形状としたシングルバテッド加工のパイプを製造する場合や、両端部をそれぞれ互いに異なる厚みの厚肉形状とし、これらの中間部を薄肉形状としたトリプルバテッド加工のパイプを製造する場合にも適用できる。また、上記実施の形態においては、その素材材料がチタンである場合を述べ、この場合は、特に、ケミカルミーリングにより良好に加工できる利点があるが、これに限るものではなく、素材材料がアルミニウム、炭素鋼、ステンレス鋼、ベリリウムや、その他のケミカルミーリング可能な材料にも適用できることはいうまでもない。また、本発明の自転車フレーム用部材の製造方法は、下パイプに限らず、自転車フレームの他の箇所のパイプ、例えば、上パイプ、立パイプ、チェーンステー、バックホーク、ホーク足、ホークステム等を製造する場合にも適用できることはもちろんである。
【0037】
なお、パイプ形状は、円筒形状に限らず、三角柱形状、四角柱形状、円錐形状、三角錐形状、四角錐形状でもよい。また、パイプの形状は曲がっていてもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、中空の部材の外周の一部をマスキングし、このマスキングした中空の部材の外における前記マスキングした部分を除く箇所の少なくとも一部をケミカルミーリングすることで、中空の部材の外周の一部を薄肉状とすることができて、自転車フレーム用パイプを比較的安価に多品種少量生産することができ、また、自転車フレーム用パイプが長尺寸法であっても良好な形状に形成でき、精度よく自転車フレーム用パイプを製造できる。
【0040】
また、中空の部材の外周の一部だけでなく、中空の部材の内周の一部もマスキングし、マスキングした中空の部材の外周および内周をケミカルミーリングすることにより、中空の部材の内外周におけるマスキングしていない箇所を薄肉状となるように加工することができるだけでなく、処理時間を短縮することができ、製造処理を能率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の実施の形態にかかる自転車フレーム用パイプの製造方法で用いる素材管の一部切欠正面図、(b)は同自転車フレーム用パイプの製造方法で製造したパイプの正面図、(c)は同パイプの正面断面図である。
【図2】同自転車のフレームを示す右側面図である。
【図3】同自転車フレーム用パイプの製造方法で製造したパイプの他の例を示す正面図である。
【図4】(a)〜(d)はそれぞれ同製造方法の各工程を示す断面図である。
【図5】同製造方法でのマスキング部の塗布部分を展開して示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態にかかる自転車フレーム用パイプの製造方法で製造したパイプの正面図である。
【図7】(a)〜(c)はそれぞれ同製造方法の各工程を示す断面図である。
【図8】本発明のその他の実施の形態にかかる自転車フレーム用パイプの製造方法で製造したパイプの断面図である。
【図9】(a)〜(c)はそれぞれ同製造方法の各工程を示す断面図である。
【図10】(a)および(b)はそれぞれロール法の冷間加工による従来の自転車フレーム用パイプの製造方法の各工程を示す断面図である。
【図11】引抜法の冷間加工による従来の自転車フレーム用パイプの製造方法を示す断面図である。
【図12】(a)および(b)はそれぞれ従来のケミカルミーリングによる自転車フレーム用パイプの製造方法の各工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1 フレーム
10 素材管(中空の部材)
11、14 マスキング部
12 処理液
13 マスキング用ゴム栓
20、28、30 パイプ(自転車フレーム用部材)
21、22、31、32 ラグ部
23、33 中間部
28a 段付部

Claims (2)

  1. 中空の部材の外周の一部をマスキングし、このマスキングした中空の部材の外周における前記マスキングした部分を除く箇所の少なくとも一部をケミカルミーリングする工程を含み、中空の部材の外周の一部だけでなく、内周の一部もマスキングし、マスキングした中空の部材の外周および内周をケミカルミーリングすることを特徴とする自転車フレーム用部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の自転車フレーム用部材の製造方法により製造した自転車フレーム用部材を備えたことを特徴とする自転車。
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