JP4018999B2 - 配線基板 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開2001−160598号公報
【0003】
LSIやICなどの半導体部品を搭載したり、あるいは基板内部に種々の厚膜印刷素子を作りこんだりした配線基板として、ガラス強化樹脂等で構成された板状コアの両面に、樹脂誘電体層と金属導体層とを交互に積層した多層配線基板が使用されている。金属導体層は信号伝送用の配線部を含むが、近年、高クロック周波数のコンピュータ機器や光通信機器などに使用する基板においては、取り扱う信号周波数も1GHzを超える高周波帯域となり、配線部もストリップラインやマイクロストリップラインなどの、高周波用シールド線路が採用されている。
【0004】
上記のような多層配線基板においては、配線部の信号伝送効率を高めるための常套的手段として特性インピーダンスを規定値(50Ω)に整合させることが行なわれている。ストリップラインやマイクロストリップラインは、面導体(グランド層や電源層)と線路との対向間隔や線幅及び間に挟む誘電体の誘電率などをパラメータとして、規定の特性インピーダンスを有した伝送線路構造を、分布定数回路理論に基づいて設計可能である。
【0005】
多層配線基板において信号伝送経路は、板状コアの第一主表面側に形成されたパッド(例えば半導体部品とフリップチップ接続するための半田ランドである)から、第二主表面側に形成されたパッド(例えばマザーボードと接続するためのBGAあるいはPGAパッドである)に至る形で形成される。この場合、導体層内を引き回される導体線路部分は、上記のごとく、高周波用シールド線路の形態毎に周知の理論設計手法により、希望の特性インピーダンスを比較的容易に実現できる。しかし、基板の実製品への組み込みを考えた場合は、あくまで多層配線基板全体としての、すなわちパッド−パッド間の全体にて信号伝送経路の特性インピーダンスが規定値に整合していることが求められる。
【0006】
信号伝送経路上には、ストリップラインやマイクロストリップラインなど、特性インピーダンスが理論的に規定された線路部分(以下、標準インピーダンス部分という)以外に、ビア導体や、板状コアを貫通するスルーホール導体部分、さらには、基板表面に配置されるパッド自身など、規定値の特性インピーダンスを有さない部分(以下、標準外インピーダンス部分ともいう)が少なからず混在する。これらは、いずれもインピーダンス不整合の原因となる。この場合、標準インピーダンス部分をなすストリップラインやマイクロストリップラインの、線幅あるいは誘電体層厚などを変更してインピーダンス整合を図ることが考えられるが、これは標準外インピーダンス部分のしわ寄せを、いわば標準インピーダンス部分に押し付けるようなやり方であり、基板全体の設計変更にまでその影響が及ぶ可能性も大きいため、なるべく行ないたくない事情がある。
【0007】
標準外インピーダンス部分は、例えばビアやスルーホール導体は、標準インピーダンス部分であれば本来随伴するはずの面導体(グランドあるいは電源)が存在しないためキャパシタンスが小さくなり、標準インピーダンス部分よりもリアクタンスが大きくなる傾向にある。一方、導体パッドは、その周囲を取り囲む形で配置された、あるいは誘電体層を隔てて対向する形で配置された面導体との間に大きな寄生キャパシタンスを形成するので、リアクタンスが逆に小さくなる傾向にある。そして、キャパシタンスとインダクタンスとの間に結合が形成されると、インピーダンスの周波数特性ゼロや極を生じ、希望の周波数帯でのインピーダンス整合に少なからず影響を与える。
【0008】
例えば、電極パッドを含む基板においては、特許文献1に、次のような方法によりインピーダンス整合を図る方法が提案されている。すなわち、電極パッドの直径をwとし、誘電体層を挟んで対向する面導体層において電極パッド直下位置に形成されたビア用開口の内縁と電極パッド外縁との面内方向距離をdとして、0<d≦wとする。これにより、電極パッドと面導体層との間に形成される寄生キャパシタンスが大幅に縮小され、電極パッドを形成することによるインピーダンス不整合が解消される、というものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような標準外インピーダンス部分を含む信号伝送経路のインピーダンス整合を考える場合、上記ビアや信号用スルーホール導体、あるいは導体パッドなど要素は、いずれも伝送経路のリアクタンス項(インピーダンスの虚数部分)を変化させる点に注意しなければならない。つまり、これら標準外インピーダンス部分が形成されると、想定されるインピーダンス整合状態に対する差分項が、信号周波数に依存するリアクタンス項の形となって表れるから、インピーダンスの周波数特性にも大きな変化が生ずる。特に、インダクタンス項やキャパシタンス項への寄与が異なる多数の標準外インピーダンス部分が含まれていたり、あるいは標準外インピーダンス部分のほかに、構造上明確に把握できない寄生キャパシタンスや寄生インダクタンス(以下、総称して寄生リアクタンスという)を生じていると、キャパシタンスとインダクタンスとの結合挙動が複雑化し、インピーダンスの周波数特性を理論的に追跡することは事実上不可能となる。
【0010】
従って、特許文献1のように、電極パッドなどの標準外インピーダンス部分を個別に解析して、そのリアクタンス項の影響を対症療法的に縮小する手法では、所望の信号周波数において、パッド−パッド間における伝送経路全体のインピーダンス整合を達成できなくなってしまう不具合につながる。特に寄生リアクタンスの影響が大きくなる1GHz以上の高周波帯域では、インピーダンス不整合による伝送効率の悪化が著しくなる。
【0011】
本発明の課題は、線路導体および板状コアに形成された信号用スルーホール導体や、ビアを介して、基板の表裏にまたがるパッド−パッド間の信号伝送経路全体のインピーダンス整合を、所望の信号周波数において容易に実現できる配線基板を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
上記課題を解決するために、本発明の配線基板の第一は、
板状コアの第一主表面と第二主表面とのそれぞれに導体層と誘電体層とが交互に積層形成され、導体層上の導体線路、誘電体層を貫通するビア導体、及び板状コアを板厚方向に貫く信号用スルーホールの内面を覆う信号用スルーホール導体を含む形で、板状コアの第一主表面側に設けられた第一経路端パッドから、第二主表面側に設けられた第二経路端パッドに至る信号用伝送経路が形成され、
状コアの第二主表面上に該板状コアに近い側から、第三面導体を含む第四導体層、第三誘電体層、第四面導体を含む第五導体層及び第四誘電体層がこの順序にて積層形成され、
第四導体層において、第三面導体の、信号用スルーホール導体に対応する位置にスルーホール用開口が形成され、該スルーホール用開口の内側に、信号用スルーホール導体と導通するスルーホール用パッドが、スルーホール用開口との間に環状の隙間を形成する形で配置されてなり、
第五導体層において、第四面導体の、信号用スルーホール導体に対応する位置にビア用開口が形成され、該ビア用開口の内側に、スルーホール用パッドに接続するとともに第三誘電体層と第四誘電体層とを貫通する第三信号用ビア導体が配置され、
第三面導体と第四面導体とはグランド用導体をなすか、又は電源用導体をなすものであり、第三誘電体層には、第三信号用ビア導体を伝送される高周波信号をシールドするためのシールド用ビア導体が、第三面導体と第四面導体との少なくともいずれかと接続する形で設けられていることを特徴とする。
【0013】
上記構成では、第二経路端パッドを信号用スルーホール導体と接続する、標準外インピーダンス部分の一つである第三信号用ビア導体と隣接する位置に、シールド用ビア導体を配置した。これにより、第三信号用ビア導体の遮蔽効果が高まり伝送損失の抑制を図ることができる他、信号伝送経路全体のインピーダンス整合を図る上でも有利に作用する。
【0014】
シールド用ビア導体は、ビア用開口の内周縁部にて第四面導体に接続させることができる。このようにすることで、シールド用ビア導体を信号用スルーホール導体により近づけることができ、第三信号用ビア導体の寄生キャパシタンスの不足をより効果的に補うことができる。また、第三信号用ビア導体の周囲に複数のシールド用ビア導体を配置することもできる。これにより、第三信号用ビア導体の遮蔽効果が高まり、伝送損失を一層効果的に抑制することができる。
【0015】
本発明の配線基板は、導体層が、板状コアの第一主表面側と第二主表面側にそれぞれ少なくとも1層ずつが、電源層又はグランド層として機能する面導体を形成するものとして配置され、かつ、第一主表面側の面導体と導体線路とは、一定の特性インピーダンスZ0(例えば50Ω)を有するストリップライン又はマイクロストリップラインを構成するものであり、
他方、板状コアには信号用スルーホールと隣接する位置に、該板状コアを板厚方向に貫くシールド用スルーホールが形成され、信号用スルーホール導体を伝送される高周波信号をシールドするために、該シールド用スルーホールの内面が、該板状コアの第一主表面側の面導体と第二主表面側の面導体との少なくともいずれかと接続されるシールド用スルーホール導体により覆われてなり、信号用スルーホール導体とシールド用スルーホール導体とが形成するシールド伝送経路構造の特性インピーダンスZ0’がZ0±20Ωの範囲となるように、それら信号用スルーホール導体とシールド用スルーホール導体との軸間距離が調整されてなるものとして構成することができる。
【0016】
上記の構成では、板状コアにおいて、信号用スルーホール導体と隣接する位置にシールド用スルーホール導体を設けた。また、第一経路端パッドから第二経路端パッドに至る信号用伝送経路の要部をなすストリップライン又はマイクロストリップライン(標準インピーダンス部分)の特性インピーダンスをZ0として、信号用スルーホール導体とシールド用スルーホール導体とが形成するシールド伝送経路構造(以下、スルーホール伝送経路構造という)の特性インピーダンスZ0’がZ0±20Ωの範囲となるように、それら信号用スルーホール導体とシールド用スルーホール導体との軸間距離を調整した。信号用スルーホール導体とシールド用スルーホール導体との間の寄生キャパシタンスは上記軸間距離の調整により大きく変化するから、該寄生キャパシタンスの変化代を調整マージンとする形で信号用伝送経路全体の特性インピーダンスを比較的大きな幅で調整することができる。従って、第一経路端パッドから第二経路端パッドに至る信号用伝送経路に、インピーダンス不整合の原因となるビアや信号用スルーホール導体、あるいは導体パッドなどの標準外インピーダンス部分が数多く含まれているにもかかわらず、信号用伝送経路の特性インピーダンスを規定値への整合方向に容易に調整することができ、構造上明確に把握できない寄生キャパシタンスや寄生インダクタンスの影響も縮小することができる。
【0017】
信号用スルーホール導体は、他の標準外インピーダンス部分と比較しても大寸法であり、信号用伝送経路全体のインピーダンス不整合に与える影響も顕著である。信号用スルーホール導体が単独で設けられている場合、その影響は、シールド導体不随伴に基づく寄生キャパシタンスの縮小、ひいては特性インピーダンスのリアクタンス項の増大として把握できる。従って、寸法的にほぼ等価なシールド用スルーホール導体を隣接・随伴させることで、該リアクタンス項の増大を効果的に抑制でき、信号漏洩による損失等を大幅に減ずることができる。ただし、導体面積が大きいため、両スルーホール導体の軸間距離が過度に縮小すると、スルーホール伝送経路構造における寄生キャパシタンスが逆に増大しすぎて、リアクタンス項が不足方向にずれ、インピーダンス不整合を招くこともある。換言すれば、両スルーホール導体の軸間距離が信号用伝送経路全体の特性インピーダンス変化に与える効果は相当大きい。従って、スルーホール伝送経路構造の特性インピーダンスが、整合値の基準となる標準インピーダンス部分の特性インピーダンスZ0から過度に隔たってしまうと、信号用伝送経路全体のインピーダンス整合は、もはや不可能となる。こうした不具合が起こらないよう、スルーホール伝送経路構造の特性インピーダンスZ0’がZ0±20Ωの範囲となるように、前記軸間距離を調整するようにする。
【0018】
なお、信号用スルーホール導体の周囲には、複数のシールド用スルーホール導体を配置することができる。これにより、信号用スルーホール導体の遮蔽効果が高まり、伝送損失を一層効果的に抑制することができる。
【0020】
以下、本発明の配線基板にさらに付加可能な要件について説明する。
上記の面導体には、誘電体層を隔てて信号用伝送経路に臨む位置に、該信号用伝送経路の特性インピーダンスを調整するためのインピーダンス調整用開口を形成することができる。信号用伝送経路に対向する面導体の一部を開口の形で除けば、その部分で信号用伝送経路と面導体との間に生じているキャパシタンスが減少する。従って、上記のようなインピーダンス調整用開口を設けることにより、信号用伝送経路のインピーダンスの、リアクタンス項の調整マージンを確保することができ、ひいては所望の周波数帯にて信号用伝送経路の特性インピーダンスを、規定値に対する整合方向により容易に調整することができる。また、インピーダンス調整用開口を変化させたときの、信号用伝送経路と面導体との間のL/C結合の変化挙動は、前述のスルーホール伝送経路構造における信号用スルーホール導体とシールド用スルーホール導体との軸間距離を変化させたときのL/C結合の変化挙動と大きく相違する。従って、インピーダンス調整開口とスルーホール伝送経路構造とでは、インピーダンス調整効果が現れる周波数帯も異なったものとなる。従って、これらを組み合わせることで、より広い周波数帯でのインピーダンス調整が可能となるほか、希望する周波数帯を選んでインピーダンス調整を行なうことができるようになるなど、調整の自由度が大幅にアップする効果が新たに得られる。
【0021】
具体的には、本発明の配線基板は、板状コアの第一主表面上に該板状コアに近い側から、第一面導体を含む第一導体層、第一誘電体層、導体線路を含む第二導体層及び第二誘電体層がこの順序にて積層形成され、
導体線路の第一端部に対向する位置において、板状コアを板厚方向に貫く形で信号用スルーホールが形成され、当該信号用スルーホールの内面を覆う信号用スルーホール導体の第一主表面側の端部が、第一誘電体層を貫く第一信号用ビア導体を介して導体線路の第一端部に接続され、他方、板状コアの第二主表面側には、信号用スルーホール導体の該第二主表面側の端部に接続された第二経路端パッドが配置され、
他方、導体線路の第二端部に、第二誘電体層を貫く第二信号用ビア導体が接続してなり、第二誘電体層上に第二信号用ビア導体と導通する第一経路端パッドが配置されてなり、さらに、
第一経路端パッドから第二経路端パッドに至る信号用伝送経路の特性インピーダンスを調整するための第一インピーダンス調整用開口が、第一面導体において、導体線路の第二端部への対向位置に形成された構成とすることができる。
【0022】
この構成では、導体線路の第二端部と第一経路端パッドとを接続するビアを第二信号用ビアとしたとき、導体線路を挟んで該第二信号用ビアと反対側に位置する第一面導体に、導体線路の第二端部に対向する形で第一インピーダンス調整用開口を設けている。第一面導体の導体線路に対向する部分は、本来は線路導体とともに規定の特性インピーダンスを有するストリップラインやマイクロストリップライン(標準インピーダンス部分)を形成する部分でもあるが、他方、2つの誘電体層を挟んではいるものの、第一経路端パッドとの間にも比較的大きな寄生キャパシタンスを生じる。その結果、ここに開口を形成することにより、上記寄生キャパシタンスがいわば調整マージンとなって、信号用伝送経路全体の特性インピーダンスを比較的大きな幅で調整することができる。従って、第一経路端パッドから第二経路端パッドに至る信号用伝送経路に、インピーダンス不整合の原因となるビアや信号用スルーホール導体、あるいは導体パッドなどの標準外インピーダンス部分が数多く含まれているにもかかわらず、開口寸法の調整により、信号用伝送経路の特性インピーダンスを規定値への整合方向に容易に調整することができ、構造上明確に把握できない寄生キャパシタンスや寄生インダクタンスの影響も縮小することができる。
【0023】
また、本発明の配線基板は、
板状コアの第一主表面上に該板状コアに近い側から、第一面導体を含む第一導体層、第一誘電体層、導体線路を含む第二導体層、第二誘電体層及び第二面導体を含む第三導体層がこの順序にて積層形成され、
導体線路が第一面導体及び第二面導体に挟まれる形でストリップラインを形成してなり、
導体線路の第一端部に対向する位置において、板状コアを板厚方向に貫く形で信号用スルーホールが形成され、当該信号用スルーホールの内面が信号用スルーホール導体にて覆われてなり、該信号用スルーホール導体の第一主表面側の端部が、第一誘電体層を貫く第一信号用ビア導体を介して導体線路の第一端部に接続され、他方、板状コアの第二主表面側には、信号用スルーホール導体の該第二主表面側の端部に接続された第二経路端パッドが配置され、
第二面導体における導体線路の第一端部への対向位置に、信号用伝送経路の特性インピーダンスを調整するための第二インピーダンス調整用開口が設けられている構成とすることもできる。
【0024】
この構成では、導体線路の第一端部と信号用スルーホール導体とを接続するビアを第一信号用ビアとしたとき、導体線路を挟んで該第一信号用ビアと反対側に位置する第二面導体に、導体線路の第一端部に対向する形で第二インピーダンス調整用開口を設けている。第二面導体の導体線路に対向する部分は、本来は線路導体とともに規定の特性インピーダンスを有するストリップライン(標準インピーダンス部分)を形成する部分でもあるが、ここに第二インピーダンス調整用開口を設けることにより、信号用伝送経路のインピーダンスの、リアクタンス項の調整マージンをすることができ、ひいては所望の周波数帯にて信号用伝送経路の特性インピーダンスを、規定値に対する整合方向に容易に調整することができる。
【0025】
また、第一インピーダンス調整用開口と第二インピーダンス調整用開口とは単独で設けることもできるが、互いに組み合わせることも可能である。これにより、信号用伝送経路のインピーダンスの、リアクタンス項の調整マージンをより拡大することができ、ひいては所望の周波数帯にて信号用伝送経路の特性インピーダンスを、規定値に対する整合方向に一層容易に調整することができる。また、第一インピーダンス調整用開口近傍の寄生キャパシタンスと、第二インピーダンス調整用開口近傍の寄生キャパシタンスとは、いずれも開口が対向する信号伝送経路側の導体形状や面積が異なるため(例えば後者の場合は、関与する導体は主に伝送線路とビア導体であるが、前者の場合はこれにやや大面積の第一経路端パッドも加わる)、結合する導体側のインダクタンスの分布も異なる。従って、開口寸法を変化させたときのL/C結合の変化挙動も顕著に相違する。従って、各インピーダンス調整開口は、その内径調整によりインピーダンス調整効果が現れる周波数帯も異なったものとなる。従って、上記のごとく、開口形成される面導体との間に寄生キャパシタンスを形成する信号伝送経路側の導体の形状、寸法及び前記面導体との相対的位置関係の少なくともいずれかが相違する複数種類のインピーダンス調整用開口を組み合わせて設けることで、調整の自由度を高める効果が一層顕著となる。
【0026】
第一インピーダンス調整用開口の内径をd1、第一経路端パッドの外径をd2としたとき、第一インピーダンス調整用開口の内径d1はd1≦d2の範囲内にて調整することが望ましい。これは、第一経路端パッドと第一インピーダンス調整用開口とを同寸法(つまりd1=d2)としたとき、第一面導体と第一経路端パッドとの寄生キャパシタンスによるリアクタンス調整マージンがほぼ食いつぶされ、信号用伝送経路に対する特性インピーダンスの調整効果は頭打ちとなる。そして、d1>d2とする形で第一インピーダンス調整用開口を拡大すると、線路導体に対向する面導体部分が不足し、逆に信号漏洩による損失が著しくなるためである。
【0027】
なお、第二インピーダンス調整用開口の内径も、この位置にはシールド用の導体が随伴しない第一信号用ビアが形成されるため、信号漏洩による損失が著しくならない程度に設定するのが望ましい。例えば、線路導体の幅をwとすれば、第二インピーダンス調整用開口の内径d7は、d7<5wの範囲で調整するのがよい。
【0028】
本発明は、特に寄生リアクタンスの影響が大きくなる1GHz以上(例えば10GHzまで、特に5GHzまで)の高周波帯域において、信号伝送経路全体にわたるインピーダンス整合の改善効果、ひいては伝送効率の向上効果を特に著しく発揮する。
【0029】
次に、本発明の配線基板は、
板状コアの第二主表面上に該板状コアに近い側から、第三面導体を含む第四導体層、第三誘電体層、第四面導体を含む第五導体層、第四誘電体層及び第五面導体を含む第六導体層がこの順序にて積層形成され、
第四導体層において、第三面導体の、信号用スルーホール導体に対応する位置にスルーホール用開口が形成され、該スルーホール用開口の内側に、信号用スルーホール導体と導通するスルーホール用パッドが、スルーホール用開口との間に環状の隙間を形成する形で配置されてなり、
第五導体層において、第四面導体の、信号用スルーホール導体に対応する位置にビア用開口が形成され、該ビア用開口の内側に、スルーホール用パッドに接続するとともに第三誘電体層と第四誘電体層とを貫通する第三信号用ビア導体が配置され、
第六導体層において、第五面導体の、信号用スルーホール導体に対応する位置に第二経路端パッド用開口が形成され、該第二経路端パッド用開口の内側に、第三信号用ビア導体と導通する形で第二経路端パッドが、第二経路端パッド用開口との間に環状の隙間を形成する形で配置され、
スルーホール用パッド、ビア用開口、第二経路端パッド及び第二経路端パッド用開口が全て同心的に配置され、かつ、スルーホール用パッドの外径をd3、ビア用開口の内径をd4、第二経路端パッド用開口の内径をd5として、ビア用開口をインピーダンス調整開口として、d3≦d4≦d5の範囲内にて該ビア用開口の内径d4が調整されてなるものとして構成することができる。
【0030】
板状コアの第二主表面側には、LSIやIC等に必要な、マザーボード側とのグランドないし電源との多数の接続を取るために、グランド層あるいは電源層として機能する面導体が複数層に形成することが有効である。また、第一主表面側のパッドである第一経路端パッドは、LSIやIC等をフリップチップ接続する半田ランド等として形成されるので、比較的小寸法であるのに対し、第二主表面側のパッドである第二経路端パッドは、マザーボードとBGA接続あるいはPGA接続等のために、第一経路端パッドよりは大寸法に形成される。そして、該第二主表面側において上記のように3つの面導体層を形成し、かつ、スルーホール用パッド、ビア用開口、第二経路端パッド及び第二経路端パッド用開口が全て同心的に配置される場合、上記d3≦d4≦d5の範囲内にてビア用開口内径d4を調整することにより、比較的面積の大きい第二経路端パッドと、3層の中央に位置する第四面導体との寄生キャパシタンスを利用して該内径d4に応じ、信号用伝送経路のインピーダンスの、リアクタンス項の調整マージンをより大きな幅で調整することができる。その結果、所望の周波数帯にて信号用伝送経路の特性インピーダンスを、規定値に対する整合方向により容易に調整することができる。特に、インピーダンス不整合の要因となりやすい信号用スルーホール導体の影響も、ビア用開口内径d4による上記調整マージンにより、効果的に縮小することができる。
【0031】
また、標準外インピーダンス部分である第二経路端パッド、スルーホール用パッド(及び信号用スルーホール導体)は、伝送線路(通常一定幅に形成される)とは形状が全く異なり、また大面積であるので、インダクタンスの分布も伝送線路とは全く異なる。従って、開口寸法を変化させたときのL/C結合の変化挙動も顕著に相違する。そこで、ビア用開口(インピーダンス調整用開口)の内径調整を、第一主表面側の第一ないし第二インピーダンス調整用開口の内径調整と組み合わせることで、インピーダンス調整可能な周波数帯域がさらに拡がり、インピーダンス調整の自由度がさらに向上する。
【0032】
この場合、第二経路端パッドの外径をd6として、d3≦d4<d6の範囲内にてビア用開口の内径d4を調整しておくことが望ましい。これは、第二経路端パッドとビア用開口とを同寸法(つまりd4=d6)としたとき、第二経路端パッドと第五面導体との寄生キャパシタンスによるリアクタンス調整マージンがほぼ食いつぶされ、信号用伝送経路に対する特性インピーダンスの調整効果は頭打ちとなる。そして、d4>d6とする形でビア用開口を拡大すると、第三ビアや信号用スルーホール導体への遮蔽効果が不足し、信号漏洩による損失が著しくなるためである。
【0033】
インピーダンス調整用開口は、当該開口周囲の面導体部分との間に寄生キャパシタンスを形成する信号伝送経路側導体部分の形状と、同じく寸法と、面導体部分と信号伝送経路側導体部分との相対的位置関係と、の少なくともいずれかが相違する複数種類のものを組み合わせて設けることができる。
【0034】
インピーダンス調整用開口が対向する信号伝送経路側の導体形状や面積が異なれば、結合する導体側のインダクタンスの分布も異なる。従って、開口寸法を変化させたときのL/C結合の変化挙動も顕著に相違する。当然、面導体部分と信号伝送経路側導体部分との相対的位置関係が相違する場合も、L/C結合の変化挙動は異なる。従って、上記のような複数種類のインピーダンス調整開口は、その内径調整によりインピーダンス調整効果が現れる周波数帯も異なったものとなる。そこで、上記のごとく、開口形成される面導体との間に寄生キャパシタンスを形成する信号伝送経路側の導体の形状、寸法及び面導体との相対的位置関係の少なくともいずれかが相違する複数種類のインピーダンス調整用開口を組み合わせて設けることで、インピーダンス調整の自由度がさらに向上する。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の配線基板の第一実施形態を模式的に示す断面図である。配線基板1は、配線基板1は、耐熱性樹脂板(例えばビスマレイミド−トリアジン樹脂板)や、繊維強化樹脂板(例えばガラス繊維強化エポキシ樹脂)等で構成された板状の板状コア2を有する。
【0036】
板状コア2の第一主表面MP1上には、該板状コア2に近い側から、第一面導体5を含む第一導体層M1、第一誘電体層V1、導体線路7を含む第二導体層M2、第二誘電体層V2及び第二面導体9を含む第三導体層M3がこの順序にて積層形成されている。導体線路7は、第一面導体5及び第二面導体9に挟まれる形でストリップラインを形成している。導体線路7の第一端部に対向する位置において、板状コア2には、これを板厚方向に貫く形でドリル等により穿設された信号用スルーホール12が形成されている。信号用スルーホール12の内面は信号用スルーホール導体30にて覆われ、その内側はエポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材31により充填されている。他方、第二面導体9には、図2にも示すように、第二信号用ビア導体34bを取り囲む形で第一経路端パッド用開口9aが形成されてなり、該第一経路端パッド用開口9aの内側に、第二信号用ビア導体34bと導通する第一経路端パッド10が第一経路端パッド用開口9aとの間に環状の隙間10cを形成する形で配置されている。
【0037】
信号用スルーホール導体30の第一主表面MP1側の端部は、第一誘電体層V1を貫く第一信号用ビア導体34aを介して導体線路7の第一端部に接続されている。一方、導体線路7の第二端部には、第二誘電体層V2を貫く第二信号用ビア導体34bが接続してなり、第二誘電体層V2上に第二信号用ビア導体34bと導通する第一経路端パッド10が配置されている。
【0038】
次に、板状コア2の第二主表面MP2上には、該板状コア2に近い側から、第三面導体15を含む第四導体層M11、第三誘電体層V11、第四面導体17を含む第五導体層M12、第四誘電体層V12及び第五面導体19を含む第六導体層M13がこの順序にて積層形成されている。第四導体層M11において、第三面導体15の、信号用スルーホール導体30に対応する位置にスルーホール用開口15aが形成されている。該スルーホール用開口15aの内側には、信号用スルーホール導体30と導通するスルーホール用パッド18が、スルーホール用開口15aとの間に環状の隙間18cを形成する形で配置されている。また、第五導体層M12において、第四面導体17の、信号用スルーホール導体30に対応する位置にビア用開口17aが形成されている。該ビア用開口17aの内側には、スルーホール用パッド18に接続するとともに第三誘電体層V11と第四誘電体層V12とを貫通する第三信号用ビア導体34c,34dが配置されている。第三信号用ビア導体34c,34dは、第三誘電体層V11側のビア導体34cと第四誘電体層V12側のビア導体34dとは、ビアパッド34pを介して重ね合わされたスタックドビアを形成している。スルーホール用パッド18、ビア用開口17a、第二経路端パッド20及び第二経路端パッド用開口19aは、全て同心的に配置されている。
【0039】
各誘電体層V1,V2,V11,V12は樹脂誘電体シートにて形成され、具体的には感光性樹脂組成物にて構成されたビルドアップ層とされている。本実施形態において、該感光性樹脂組成物はエポキシ樹脂等にて構成され、SiOよりなる絶縁フィラーを10質量%以上30質量%以下の比率にて配合したものであり、比誘電率εが2〜4(例えば3程度)に調整されている。なお、誘電体層は非感光性樹脂組成物で構成してもよいし、樹脂等の高分子材料以外にセラミック誘電体で形成することも可能である。
【0040】
他方、第一経路端パッド10は、集積回路などの半導体部品(図示せず)をフリップチップ実装するための半田ランドであり、無電解Ni−Pメッキ層をAuメッキ層で覆った構造を有する。また、第二経路端パッド20は、BGAやPGAなどの周知の接続形態にて、配線基板1をマザーボードなどの主基板に接続するためのランドであり、同様に、無電解Ni−Pメッキ層をAuメッキ層で覆った構造を有する。そして、第三導体層M3及び第六導体層M13上に、それぞれ、感光性樹脂組成物よりなるソルダーレジスト層SR1,SR2が形成されている。第三導体層M3側のソルダーレジスト層SR1には、半田ランドをなす第一経路端パッド10を露出させるために、該第一経路端パッド10に一対一に対応する形で開口部10dが形成されてなる。なお、第一経路端パッド10と第二経路端パッド20とは、それぞれ図では1個のみ描いているが、実際には搭載する半導体部品の端子数に応じて複数個(例えばアレー状に)形成される。
【0041】
また、面導体5,9,15,17,19はグランド層又は電源層として使用されるものであり、基板第二主表面側のランド(第二経路端パッド20)のいずれかを介してマザーボード側のグランド端子又は電源端子と接続される。本実施形態では、面導体9,15,19が電源層であり、面導体5,17がグランド層である。なお、電源層が交流的に接地される場合、面導体は、電源層もグランド層も、いずれも機能的には電位基準(あるいは電位ゼロ点)を与える導体層として把握できる。
【0042】
次に、板状コア2には信号用スルーホール12と隣接する位置には、該板状コア2を板厚方向に貫くシールド用スルーホール112が形成されている。そして、信号用スルーホール導体30を伝送される高周波信号をシールドするために、該シールド用スルーホール112の内面が、シールド用スルーホール導体130により覆われている。該シールド用スルーホール導体130は、板状コア2の第一主表面MP1側の面導体である第一面導体5と接続する形態で設けられている。そして、信号用スルーホール導体30とシールド用スルーホール導体130とが形成するシールド伝送経路構造の特性インピーダンスZ0’がZ0±20Ωの範囲となるように、それら信号用スルーホール導体30とシールド用スルーホール導体130との軸間距離wが調整されてなる。
【0043】
第一面導体5と第二面導体9の導体線路7に対向する部分は、線路導体7とともにストリップラインを形成し、ビア層V1及びV2の誘電率及び厚さと、線路導体7の線幅及び厚み(ただし、表皮効果が優位となる高周波帯域では、厚みはそれほど重要でなくなる)により、特性インピーダンスが規定値Z0(例えば50Ω)となるように設計される。上記のごとく、第一経路端パッド10から第二経路端パッド20に至る信号用伝送経路には、ストリップラインとして構成された部分(標準インピーダンス部分)以外に、ストリップラインをなさないビア導体34b,34a,34c,34d,信号用スルーホール導体30、第一経路端パッド10、第二経路端パッド20などが含まれている。これらの要素は、面導体5,9によるシールド効果が及びにくく、当然、ストリップラインとはインピーダンス等価回路構造も異なる標準外インピーダンス部分をなす。従って、標準インピーダンス部分を規定の特性インピーダンス値にて設計しても、標準外インピーダンス部分の影響によって、そのままでは第一経路端パッド10から第二経路端パッド20に至る信号用伝送経路の全体の特性インピーダンスは規定値から複素的にシフトし、インピーダンス不整合を生じてしまう。
【0044】
しかしながら、図1の実施形態においては、板状コア2において、信号用スルーホール導体30と隣接する位置にシールド用スルーホール導体130を設け、さらに信号用伝送経路の要部をなすストリップライン又はマイクロストリップライン(標準インピーダンス部分)の特性インピーダンスをZ0として、信号用スルーホール導体30とシールド用スルーホール導体130とが形成するシールド伝送経路構造(以下、スルーホール伝送経路構造という)の特性インピーダンスZ0’がZ0±20Ωの範囲となるように、両スルーホール導体30,130の軸間距離wを調整した。信号用スルーホール導体30とシールド用スルーホール導体130との間の寄生キャパシタンスは上記軸間距離wの調整により大きく変化するから、該寄生キャパシタンスの変化代を調整マージンとする形で信号用伝送経路全体の特性インピーダンスを比較的大きな幅で調整することができる。従って、軸間距離wの調整により、信号用伝送経路の特性インピーダンスを規定値への整合方向に容易に調整することができる。例えば、信号用伝送経路の希望する周波数での特性インピーダンス(あるいはその逆数であるアドミタンス)を、軸間距離wの寸法(内径)を変えながらシミュレーションし、その結果をスミスチャート上にプロットして、該スミスチャートの中心点に最も接近するプロット点を与える軸間距離wを見出せばよい。軸間距離wの変化により特に大きく変化するのは両スルーホール導体30,130間の寄生キャパシタンスであり、信号伝送経路の特性インピーダンスに対しては、等価回路的には伝送線路に対する並列キャパシタンスの変化をもたらす。従って、軸間距離wによる該寄生キャパシタンスの増減は、例えばアドミタンス表示のスミスチャートを用いる場合、アドミタンスプロット点を等サセプタンス円上にて移動させる効果となって現れる。
【0045】
なお、信号用スルーホール導体30の周囲には、図5及び図6に示すように、複数のシールド用スルーホール導体130を配置することができる。これにより、信号用スルーホール導体30の遮蔽効果が高まり、伝送損失を一層効果的に抑制することができる。図5は、信号用スルーホール導体30を挟んで対称な位置に2個のシールド用スルーホール導体130を設けた例である。また、図6は、信号用スルーホール導体30を中心として等角度間隔で4個のシールド用スルーホール導体130を設けた例である。なお、シールド用スルーホール導体130の数が増えるほど、信号用スルーホール導体30とシールド用スルーホール導体130との間に生ずる寄生キャパシタンスは増大する。従って、スルーホール伝送経路構造の特性インピーダンスを同じ値に設定したい場合は、シールド用スルーホール導体130の数が増えるほど、信号用スルーホール導体30との軸間距離wを増大しなければならなくなる。板状コア2に複数個の信号用スルーホール導体30を形成する場合、上記軸間距離wによる特性インピーダンス調整の自由度を高めるには、隣接する信号用スルーホール導体30同士の軸間距離lを、信号用スルーホール導体30とシールド用スルーホール導体130との軸間距離wの2倍よりも大きく設定するのがよく、望ましくは2.5倍よりも大きく設定するのがよい。
【0046】
次に、第一面導体5における導体線路7の第二端部への対向位置には、信号用伝送経路の特性インピーダンスを調整するための第一インピーダンス調整用開口5bが設けられている。また、第二面導体9における導体線路7の第一端部への対向位置に、信号用伝送経路の特性インピーダンスを調整するための第二インピーダンス調整用開口9bが設けられている。図3は、これらインピーダンス調整用開口5b,9bの形成形態の一例を、平面視にて表したものである
【0047】
第一インピーダンス調整用開口5b及び第二インピーダンス調整用開口9bの開口寸法の調整により、信号用伝送経路の特性インピーダンスを規定値への整合方向に容易に調整することができる。この場合は、信号用伝送経路の希望する周波数での特性インピーダンス(あるいはその逆数であるアドミタンス)を、開口5b,9bの寸法(内径)を変えながらシミュレーションし、その結果をスミスチャート上にプロットして、該スミスチャートの中心点に最も接近するプロット点を与える開口5b,9bの寸法を見出せばよい。特に、第一面導体5は、2つの誘電体層を挟んではいるものの、第一経路端パッド10との間にも比較的大きな寄生キャパシタンスを生じるので、該第一面導体5に形成される第一インピーダンス調整用開口5bはインピーダンスの調整マージンを大きく設定できる利点がある。
【0048】
図4に示すように、第一インピーダンス調整用開口5bの内径をd1、第一経路端パッド10の外径をd2とすれば、d1<d2のとき、第一面導体5と第一経路端パッド10との間には、図中に一点鎖線で示すように、径差t=d2−d1に相当する重なりが生じ、これが寄生キャパシタンスによるリアクタンス調整マージンとなる。tが小さいほど寄生キャパシタンスは小さくなり、リアクタンスは大きくなる。しかし、この効果はt=0(つまり、d1=d2:本実施形態ではこの条件を採用している)でほぼ頭打ちとなる。d1>d2とすることもできるが、リアクタンス調整効果は小さくなるので、線路導体7に対するシールド効果の低下、すなわち信号漏洩による損失が過度に生じないよう、該領域ではd1をむやみに大きくしないことが望ましいといえる。前述の寄生キャパシタンスは開口径を大きくするほど小さくなるから、インピーダンス整合に際してリアクタンス項をなるべく増加させたい場合は、d1をd2になるべく近づけることが望ましいといえる。また、第二インピーダンス調整用開口の内径d7は、同様に信号漏洩による損失が過度に生じないよう、線路導体の幅をwとして、d7<5wの範囲で調整するのがよい。
【0049】
次に、図7は、本発明の第二実施形態の配線基板100を示すものである。ただし、基本的な構造は図1の配線基板1と同じであり、寸法等も含め共通の要素には共通の符号を付与して詳細な説明は省略するとともに、以下、その相違点についてのみ詳しく説明する。該配線基板100においては、互いに同心的に配置された第二主表面MP2側の各要素、すなわちスルーホール用パッド18の外径をd3、ビア用開口17aの内径をd4、第二経路端パッド用開口19aの内径をd5として、図8にも示すように、d3≦d4≦d5の範囲内にてビア用開口17aの内径d4が調整されてなる。この構成では、比較的面積の大きい第二経路端パッド20と、3つの面導体15,17,19の中央に位置する第四面導体17との寄生キャパシタンスを、ビア用開口17aの内径d4に応じて調整し、信号用伝送経路のインピーダンスの、リアクタンス項の調整マージンをより大きく設定可能としている。特に、1GHz以上(例えば10GHzまで、特に5GHzまで)の高周波帯域では、信号用伝送経路全体の特性インピーダンスに占めるリアクタンス項の比率が高くなり、標準外インピーダンス部分のインピーダンス整合に及ぼす悪影響がより著しくなる。しかし、上記の構成では、第一主表面MP1側のインピーダンス調整用開口5b,9bに加え、新たにビア用開口17aもインピーダンス調整用開口として活用できるので、信号用伝送経路全体の高周波帯域でのインピーダンス整合を行ないやすい。インピーダンス整合に際してリアクタンス項をなるべく増加させたい場合は、3つの開口を全て拡大方向に調整することで、寄生キャパシタンスがより有効に削減される。また、3つの開口は、いずれも寄生キャパシタンスと伝送経路側の導体インダクタンスとの結合形態が異なり、調整可能な周波数帯域も相違する。例えば、ビア用開口17aの開口を大きくするだけでは、所望の周波数域でのインピーダンス整合が必ずしも可能とならない場合があるが、これにインピーダンス調整用開口5b,9bの調整効果が加われば、より広い帯域で良好なインピーダンス整合が得られる。
【0050】
なお、ビア用開口17aの内径d4が第二経路端パッド20の外径d6に等しくなると、d4を拡張することによる、第二経路端パッド20と第四面導体17との寄生キャパシタンス削減効果の増加が鈍くなる。d4>d6とすることもできるが、リアクタンス調整効果は小さくなるので、第三ビア34c,34dや信号用スルーホール導体30へのシールド効果の低下、すなわち信号漏洩による損失が過度に生じないよう、該領域ではd4をむやみに大きくしないことが望ましい。そして、寄生キャパシタンスはd4を大きくするほど小さくなるから、インピーダンス整合に際してリアクタンス項をなるべく増加させたい場合は、d4をd6になるべく近づけることが望ましいといえる(本実施形態ではd4=d6としている)。いずれにしても、d3≦d4とすることで、第五面導体15とスルーホール用パッド18との間の寄生キャパシタンスを削減できることには変わりはない。
【0051】
図9は、本発明の第三実施形態の配線基板200を示すものである。基本的な構造は図1の配線基板1と同じであり、寸法等も含め共通の要素には共通の符号を付与して詳細な説明は省略する。以下、その相違点についてのみ説明する。該構成においては、第三誘電体層V11に、第三信号用ビア導体34c,34dを伝送される高周波信号をシールドするためのシールド用ビア導体134が、第三面導体15と第四面導体17とを接続する形で設けられている。標準外インピーダンス部分である第三信号用ビア導体34c,34dと隣接する位置に、シールド用ビア導体134を配置することにより、第三信号用ビア導体34c,34dの遮蔽効果が高まり伝送損失の抑制を図ることができる。また、信号伝送経路全体のインピーダンス整合を図る上でも有利に作用する。本実施形態では、シールド用ビア導体134を信号用スルーホール導体30になるべく近づけるため、該シールド用ビア導体134を、ビア用開口17aの内周縁部にて第四面導体17に接続するように配置している。また、本実施形態では、図10に示すように、第三信号用ビア導体34c,34dの周囲に複数、具体的には2個のシールド用ビア導体134を配置しており、第三信号用ビア導体34c,34dの遮蔽効果が高められている。なお、図中一点鎖線にて示すように、シールド用ビア導体134の数をさらに増やすことも可能である。
【0052】
なお、図11の配線基板300は、図7の配線基板100に、図9のシールド用ビア導体134をさらに追加して設けた例を示す。
【0053】
以下、本発明の効果を確認するための実験結果について説明する。図1及び図7の配線基板1及び100の各層の厚み、及び各部の寸法(図1及び図7の対応符号を援用してある)を図12のごとくに調整した配線基板を、周知のビルドアップ法により作製した。なお、第一インピーダンス調整用開口5b及び第二インピーダンス開口9bの内径はいずれも115μmである。さらに、ビア用開口17aの内径d4は250μm(図1の配線基板1型)であり、シールド用スルーホール導体130は1個ないし2個を、信号用スルーホール導体30と同じ寸法・厚みにて形成した。図17に示すごとく、信号用スルーホール導体30単体の特性インピーダンスは91.2Ωである。そして、シールド用スルーホール導体130を1個〜4個形成したときの、それらの軸間距離(ピッチ)により、信号用スルーホール導体30とシールド用スルーホール導体130とが形成するスルーホール伝送経路構造の特性インピーダンスZ0’が数値的にどのように変化するかの計算結果を、図中に示している(参考のため、シールド用スルーホール導体130を2個ないし4個としたときの計算結果も示している)。本実施形態では、スルーホール伝送経路構造の特性インピーダンスZ0’が50Ωとなるようにピッチを調整してある。
【0054】
測定用の基板は、シールド用スルーホール導体130が1個のもの(基板試料▲3▼:実施例1)、及び2個のもの(基板試料▲4▼:実施例2)の2種類を作製した。また、基板試料▲3▼からシールド用スルーホール導体130を省略したもの(基板試料▲2▼:比較例2)、さらに、シールド用スルーホール導体130を省略し、かつ第一インピーダンス調整用開口5b及び第二インピーダンス調整用開口9bも形成しないもの(基板試料▲1▼:比較例1)も合わせて作製した。
【0055】
上記基板試料▲1▼〜▲4▼を、第一経路端パッド10(端子1)が信号入力側となり、第二経路端パッド20(端子2)が信号出力側となるように、プローブ(特性インピーダンス:50Ω)を装着し、市販のネットワークアナライザ(アジレント・テクノロジー製:8510C)により50GHzまでの周波数帯での、第一経路端パッド10における反射係数S11を測定した。
【0056】
図13は基板試料▲1▼(比較例1)の測定結果であるが、5GHz付近に減衰極が見られるものの、1GHz以上の周波数帯では全般に−20dB以上の高い反射係数を示し、良好なインピーダンス整合状態が得られていない。他方、図14は基板試料▲2▼(比較例2)の測定結果であり、5GHzまでの周波数帯で反射係数が若干改善されているが、まだ十分とはいえない。しかし、図15に示すように、シールド用スルーホール導体130を1個形成した基板試料▲3▼(実施例1)では、反射係数が−20dB未満となる帯域が9GHz付近まで拡張され、かつ一部の帯域を除いて反射係数を−25dB以下に縮小できている。そして、図16に示すように、シールド用スルーホール導体130を2個形成した基板試料▲4▼(実施例2)では、反射係数が−20dB未満となる帯域が10GHz付近まで確保され、一層良好なインピーダンス整合状態が得られていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の第一実施形態を模式的に示す断面図。
【図2】第一経路端パッドの形成例を示す平面図。
【図3】インピーダンス調整用開口の第一の形成形態を模式的に示す平面図。
【図4】インピーダンス調整用開口の内径調整の概念を示す平面図。
【図5】シールド用スルーホール導体を複数個設ける第一例を示す平面模式図。
【図6】シールド用スルーホール導体を複数個設ける第二例を示す平面模式図。
【図7】本発明の配線基板の第二実施形態を模式的に示す断面図。
【図8】インピーダンス調整用開口として機能するビア用開口の内径調整の概念を示す平面図。
【図9】本発明の配線基板の第三実施形態を模式的に示す断面図。
【図10】シールド用ビア導体の配置例を示す平面模式図。
【図11】本発明の配線基板の第四実施形態を模式的に示す断面図。
【図12】効果確認実験に使用した配線基板の各部の仕様を示す説明図。
【図13】第一比較例の基板の反射係数の周波数依存性を示すグラフ。
【図14】第二比較例の基板の反射係数の周波数依存性を示すグラフ。
【図15】第一実施形態の基板の反射係数の周波数依存性を示すグラフ。
【図16】第一実施形態の基板の反射係数の周波数依存性を示すグラフ。
【図17】シールド用スルーホール導体による特性インピーダンスの計算結果。
【符号の説明】
1,100, 200, 300 配線基板
2 板状コア
5 第一面導体
5b 第一インピーダンス調整用開口
7 導体線路
9 第二面導体
9a 第一経路端パッド用開口
9b 第二インピーダンス調整用開口
10 第一経路端パッド
10c 隙間
12 信号用スルーホール
15 第三面導体
15a スルーホール用開口
17 第四面導体
17a ビア用開口
18 スルーホール用パッド
18c 隙間
19 第五面導体
20 第二経路端パッド
30 信号用スルーホール導体
34a 第一信号用ビア導体
34b 第二信号用ビア導体
34c,34d 第三信号用ビア導体
112 シールド用スルーホール
130 シールド用スルーホール導体
134 シールド用ビア導体
MP1 第一主表面
MP2 第二主表面
M1 第一導体層
M2 第二導体層
M3 第三導体層
M11 第四導体層
M12 第五導体層
M13 第六導体層
V1 第一誘電体層
V2 第二誘電体層
V11 第三誘電体層
V12 第四誘電体層

Claims (12)

  1. 板状コアの第一主表面と第二主表面とのそれぞれに導体層と誘電体層とが交互に積層形成され、前記導体層上の導体線路、前記誘電体層を貫通するビア導体、及び前記板状コアを板厚方向に貫く信号用スルーホールの内面を覆う信号用スルーホール導体を含む形で、前記板状コアの第一主表面側に設けられた第一経路端パッドから、第二主表面側に設けられた第二経路端パッドに至る信号用伝送経路が形成され、
    前記板状コアの第二主表面上に該板状コアに近い側から、第三面導体を含む第四導体層、第三誘電体層、第四面導体を含む第五導体層及び第四誘電体層がこの順序にて積層形成され、
    前記第四導体層において、前記第三面導体の、前記信号用スルーホール導体に対応する位置にスルーホール用開口が形成され、該スルーホール用開口の内側に、前記信号用スルーホール導体と導通するスルーホール用パッドが、前記スルーホール用開口との間に環状の隙間を形成する形で配置されてなり、
    前記第五導体層において、前記第四面導体の、前記信号用スルーホール導体に対応する位置にビア用開口が形成され、該ビア用開口の内側に、前記スルーホール用パッドに接続するとともに前記第三誘電体層と前記第四誘電体層とを貫通する第三信号用ビア導体が配置され、
    前記第三面導体と前記第四面導体とはグランド用導体をなすか、又は電源用導体をなすものであり、前記第三誘電体層には、前記第三信号用ビア導体を伝送される高周波信号をシールドするためのシールド用ビア導体が、前記第三面導体と前記第四面導体との少なくともいずれかと接続する形で設けられていることを特徴とする配線基板。
  2. 前記導体層は、前記板状コアの前記第一主表面側と前記第二主表面側にそれぞれ少なくとも1層ずつが、電源層又はグランド層として機能する面導体を形成するものとして配置され、かつ、前記第一主表面側の面導体と前記導体線路とは、一定の特性インピーダンスZ0を有するストリップライン又はマイクロストリップラインを構成するものであり、
    他方、前記板状コアには前記信号用スルーホールと隣接する位置に、該板状コアを板厚方向に貫くシールド用スルーホールが形成され、前記信号用スルーホール導体を伝送される高周波信号をシールドするために、該シールド用スルーホールの内面が、該板状コアの前記第一主表面側の面導体と第二主表面側の面導体との少なくともいずれかと接続されるシールド用スルーホール導体により覆われてなり、前記信号用スルーホール導体と前記シールド用スルーホール導体とが形成するシールド伝送経路構造の特性インピーダンスZ0’がZ0±20Ωの範囲となるように、それら信号用スルーホール導体とシールド用スルーホール導体との軸間距離が調整されてなる請求項1記載の配線基板。
  3. 前記信号用スルーホール導体の周囲に複数の前記シールド用スルーホール導体が配置されてなる請求項2記載の配線基板。
  4. 前記シールド用ビア導体は、前記ビア用開口の内周縁部にて前記第四面導体に接続してなる請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の配線基板。
  5. 前記第三信号用ビア導体の周囲に複数の前記シールド用ビア導体が配置されてなる請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の配線基板。
  6. 前記面導体には、前記誘電体層を隔てて前記信号用伝送経路に臨む位置に、該信号用伝送経路の特性インピーダンスを調整するためのインピーダンス調整用開口が形成されてなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の配線基板。
  7. 前記板状コアの第一主表面上に該板状コアに近い側から、第一面導体を含む第一導体層、第一誘電体層、導体線路を含む第二導体層及び第二誘電体層がこの順序にて積層形成され、
    前記導体線路の第一端部に対向する位置において、前記板状コアを板厚方向に貫く形で前記信号用スルーホールが形成され、当該信号用スルーホールの内面を覆う前記信号用スルーホール導体の前記第一主表面側の端部が、前記第一誘電体層を貫く第一信号用ビア導体を介して前記導体線路の第一端部に接続され、他方、前記板状コアの第二主表面側には、前記信号用スルーホール導体の該第二主表面側の端部に接続された第二経路端パッドが配置され、
    他方、前記導体線路の第二端部に、前記第二誘電体層を貫く第二信号用ビア導体が接続してなり、前記第二誘電体層上に前記第二信号用ビア導体と導通する第一経路端パッドが配置されてなり、さらに、
    前記第一経路端パッドから前記第二経路端パッドに至る信号用伝送経路の特性インピーダンスを調整するための第一インピーダンス調整用開口が、前記第一面導体において、前記導体線路の前記第二端部への対向位置に形成されてなる請求項6記載の配線基板。
  8. 前記第一インピーダンス調整用開口の内径をd1、前記第一経路端パッドの外径をd2として、d1≦d2の範囲内にて前記第一インピーダンス調整用開口の内径d1が設定されてなる請求項7記載の配線基板。
  9. 板状コアの第一主表面上に該板状コアに近い側から、前記第一導体層、前記第一誘電体層、前記第二導体層、前記第二誘電体層及び第二面導体を含む第三導体層がこの順序にて積層形成され、
    前記導体線路が前記第一面導体及び前記第二面導体に挟まれる形でストリップラインを形成してなり、
    前記第二面導体に前記第二信号用ビア導体を取り囲む形で第一経路端パッド用開口が形成されてなり、該第一経路端パッド用開口の内側に、前記第二信号用ビア導体と導通する第一経路端パッドが前記第一経路端パッド用開口との間に環状の隙間を形成する形で配置されてなり、
    前記第二面導体における前記導体線路の前記第一端部への対向位置に、前記信号用伝送経路の特性インピーダンスを調整するための第二インピーダンス調整用開口が設けられている請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の配線基板。
  10. 前記板状コアの第二主表面上に該板状コアに近い側から、第三面導体を含む第四導体層、第三誘電体層、第四面導体を含む第五導体層、第四誘電体層及び第五面導体を含む第六導体層がこの順序にて積層形成され、
    前記第四導体層において、前記第三面導体の、前記信号用スルーホール導体に対応する位置にスルーホール用開口が形成され、該スルーホール用開口の内側に、前記信号用スルーホール導体と導通するスルーホール用パッドが、前記スルーホール用開口との間に環状の隙間を形成する形で配置されてなり、
    前記第五導体層において、前記第四面導体の、前記信号用スルーホール導体に対応する位置にビア用開口が形成され、該ビア用開口の内側に、前記スルーホール用パッドに接続するとともに前記第三誘電体層と前記第四誘電体層とを貫通する第三信号用ビア導体が配置され、
    前記第六導体層において、前記第五面導体の、前記信号用スルーホール導体に対応する位置に第二経路端パッド用開口が形成され、該第二経路端パッド用開口の内側に、前記第三信号用ビア導体と導通する形で前記第二経路端パッドが、前記第二経路端パッド用開口との間に環状の隙間を形成する形で配置され、
    前記スルーホール用パッド、前記ビア用開口、前記第二経路端パッド及び前記第二経路端パッド用開口が全て同心的に配置され、かつ、前記スルーホール用パッドの外径をd3、前記ビア用開口の内径をd4、前記第二経路端パッド用開口の内径をd5として、前記ビア用開口をインピーダンス調整開口として、d3≦d4≦d5の範囲内にて該ビア用開口の内径d4が調整されてなる請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の配線基板。
  11. 前記第二経路端パッドの外径をd6として、d3≦d4<d6の範囲内にて前記ビア用開口の内径d4が調整されてなる請求項10に記載の配線基板。
  12. 前記インピーダンス調整用開口は、当該開口周囲の面導体部分との間に寄生キャパシタンスを形成する信号伝送経路側導体部分の形状と、同じく寸法と、前記面導体部分と前記信号伝送経路側導体部分との相対的位置関係と、の少なくともいずれかが相違する複数種類のものが組み合わせて設けられた請求項6ないし請求項11のいずれか1項に記載の配線基板。
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