JP4018838B2 - 高出力レーザ用出力計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高出力レーザ用のレーザ出力計に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、レーザ発振器の進歩により、kWクラスの高出力レーザが金属の切断・溶接等を主体とした幅広い工業分野で使用されている。レーザ加工は1mm径程度の小さなエリアにレーザビームを集光し、極めて高いエネルギー密度により瞬時に加工を完了することで精度・品質に優れることが特徴である。加工品質は、レーザ出力、光学系により決定されるレーザ集光径、加工アシストガスなど加工パラメータの影響を大きく受け、特にレーザ出力を適切に設定することが良好なレーザ加工を行なう上で不可欠な要素となる。
【0003】
従来用いられている水冷パワーダンプ方式のレーザ出力計は、主として、コーン型受光部(内側コーン)と、ケーシング(外側コーン)と、両者の間に設けられた螺旋状の冷却水路からなっている。
このようなレーザ出力計のコーン型受光部の頂点に向けてレーザを照射すると、レーザはコーン内面で多重反射を繰り返しながら吸収され、レーザのエネルギーはコーン型受光部に熱エネルギーとして伝達される。ここで、コーン型受光部の外面、すなわちレーザの照射される面の裏面には、螺旋状の冷却水路が配されており、この冷却水路に冷却水を流すことによってコーン型受光部の熱は冷却水に伝達される。水冷パワーダンプ方式のレーザ出力計は、このようにして冷却水に伝達された熱量を冷却水の流量と温度上昇量から算出し、この値に必要に応じた補正を加えてレーザ出力量とするものである。
水冷パワーダンプ方式のレーザ出力計は、全レーザ出力を計測する方式であり、精度が良好で、数10kWまでの大出力レーザについても出力測定が可能であるとされ、炭酸ガスレーザの出力計として広く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者等は、従来の水冷パワーダンプ方式のレーザ出力計には、特に高出力レーザの出力を測定する際に、以下のような問題があることを知見した。
▲1▼ 水冷パワーダンプ方式のレーザ出力計は、出力計として用いられると共に、非加工時における高出力レーザのダンプ装置としても用いられるので、常に高出力レーザに晒されており、高い熱負荷を受けている。
▲2▼ 高出力レーザをコーン型受光部に照射すると、コーンの温度が極めて高くなり、コーン裏面の冷却水と接触する部分でコーン材料が酸化して銅やアルミ等の酸化物が析出し、酸化膜をなす。
▲3▼ この酸化膜が形成された部分では熱伝導率が低下するため、コーンの熱が十分に冷却水へと伝達されず、局所的に温度が上昇し、さらに酸化膜の形成が促進される。例えば、出力45kWクラスのレーザを約200時間にわたって出力測定すると、コーン裏面に付着する酸化膜の厚さは約1mmに達す る。
▲4▼ こうして熱伝導率の低下した部分にレーザが照射され続けると、いずれコーンが融点に達し、溶損に至ってしまう。
▲5▼ また、コーン裏面に形成された酸化膜が剥離して、冷却水路や水量測定器に目詰まりを発生させ、出力測定精度を低下させることもある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためのものであって、その要旨とするところは、以下の通りである。
(1) レーザ受光部と、レーザ受光部の背面に設けられた冷却水路と、冷却水路に冷却水を供給する冷却水供給装置と、冷却水路の入り側若しくは出側に設けられた流量計と、冷却水路の入り側と出側とにそれぞれ設けられた水温計とを備えたレーザ出力計において、前記レーザ受光部背面の冷却水路に露出した部分に金メッキが施されていることを特徴とする高出力レーザ用出力計。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の高出力レーザ用出力計は、照射されたレーザをレーザ受光部において多重反射させつつそのエネルギーを熱として吸収させ、該レーザ受光部の温度上昇量を冷却水を介して測定するものである。
【0007】
本発明におけるレーザ受光部は、照射されたレーザを多重反射させる構造とする必要があり、具体的には、例えば円錐コーン形状とし、その開口側からレーザが照射されるようにすると良い。またレーザ受光部には、入射したレーザを吸収しやすく、さらにレーザを吸収することによって得た熱量を冷却水に速やかに伝達することが要求される。このため、レーザ受光部は、銅やアルミ等といった熱伝導性の高い材料で構成し、さらにその内面にはレーザ吸収性の高い黒色塗装を施すことが好ましい。
【0008】
一方、レーザ受光部の背面(レーザを受光する側の反対側)には冷却水路を配置し、レーザ受光部がレーザから得た熱量を速やかに冷却水に伝達させる。例えば、円錐コーン形状であるレーザ受光部の外側に、同じく円錐コーン形状のケーシングを設け、レーザ受光部とケーシングとの間に螺旋状に冷却水路を設けるようにしてもよい。
【0009】
ここで、レーザ受光部の背面には、冷却水と接触する部分があるが、本発明ではこの部分に酸化防止のため金コートを形成することを最大の特徴とする。レーザ受光部の背面全体に金コートを形成してもよいのは言うまでもない。このような構成とすることによって、従来の装置で問題となっていたレーザ受光部背面における酸化膜の発生を防ぐことができる。ここで、金コートの厚みは1μm以上10μm程度以下とすることが好ましい。金コートの厚みが1μm未満では金コートの酸化防止機能が十分ではない。一方、金の熱伝導率は銅等と比較すると劣るため、金コートを過度に厚くすると、レーザ受光部と冷却水との熱伝導効率が悪くなるので好ましくない。このような金コートは、メッキ法或いは蒸着処理法により形成することができる。
【0010】
本発明では、金コートによってレーザ受光部背面の酸化を防止する構成としているが、これは腐食防止機能、コーティング費用、コーティング難易度の点から、金が最も好ましいためである。
【0011】
本発明の高出力用レーザ出力計は、以上の構成に加えて、冷却水路に冷却水を供給する冷却水供給装置と、冷却水路の入側若しくは出側に設けられた流量計と、冷却水路の入り側と出側とにそれぞれ設けられた水温計とを備えている。
【0012】
例えば、前述のように、円錐コーン形状のレーザ受光部とケーシングとを組み合わせた構造とし、レーザ受光部とケーシングとの間に冷却水路を設ける際には、ケーシングの円錐頂部側に冷却水路の入側を設けて流量計及び水温計とを介して冷却水供給装置を接続し、ケーシングの円錐底部側に冷却水路の出側を設けて水温計を接続しするようにしてもよい。
【0013】
【実施例】
[実施例]
図1は本発明の一実施例にかかる高出力レーザ用出力計の概略断面図を示す。この高出力レーザ用出力計は、主として、レーザ受光部であるコーン型受光部1と、ケーシングであるケーシング3とからなっている。コーン型受光部1とケーシング3との間には、冷却水路壁5によって冷却水路7が螺旋状に構成されている。ケーシング3の頂部には冷却水路入側11が設けられていて、ケーシング3の開口部側には冷却水路出側13が設けられている。
【0014】
ここで、コーン型受光部1は銅製で、その内面には黒色塗装が施されており、かつコーン型受光部1外面の冷却水と接触する部分には金コート9が付与されている。金コート9は、コーン型受光部1外面に金とのなじみ性を確保するため厚さ約2μmのニッケルメッキを施した後、厚さ約5μmの金メッキを施して形成したものである。
【0015】
冷却水路入側11には流量計15と入側水温計17とを介して冷却水供給装置19が接続されており、冷却水路出側13は出側水温計18を介して図示しない配水系に接続されている。
【0016】
以上のような構成の高出力レーザ用出力計に、冷却水供給装置19から冷却水路7に冷却水を約40L/minで供給しつつ、1000時間連続して出力45kWのレーザビームをコーン型受光部1に照射する耐久試験を行なった。
試験後、コーン型受光部1の背面を観察したところ、酸化物は殆ど析出していなかった。
【0017】
[比較例]
比較例として、コーン型受光部1背面に金コート9を施さない点以外は実施例と同じ構成からなるレーザ出力計に、実施例と同一の耐久試験を行なったところ、試験開始後約300時間でコーン表面に溶損の兆しが見られたため試験を中止せざるを得なかった。ここで、コーン型受光部1の背面を観察したところ、背面の広い範囲にわたり約0.5〜1mm程度の厚みの酸化銅膜が形成されていた。図2に、酸化銅膜が形成された部分を概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる高出力レーザ用出力計の概略断面図である。
【図2】比較例に耐久試験を行なった際に酸化銅膜が形成された部分を概略的に示す図面である。
【符号の説明】
LB:レーザビーム
1:コーン型受光部
3:ケーシング
5:冷却水路壁
7:冷却水路
9:金コート
11:冷却水路入側
13:冷却水路出側
15:流量計
17:入側水温計
18:出側水温計
19:冷却水供給装置
Claims (1)
- レーザ受光部と、レーザ受光部の背面に設けられた冷却水路と、冷却水路に冷却水を供給する冷却水供給装置と、冷却水路の入り側若しくは出側に設けられた流量計と、冷却水路の入り側と出側とにそれぞれ設けられた水温計とを備えたレーザ出力計において、前記レーザ受光部背面の冷却水路に露出した部分に金メッキが施されていることを特徴とする高出力レーザ用出力計。
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JP08698699A Expired - Fee Related JP4018838B2 (ja) | 1999-03-29 | 1999-03-29 | 高出力レーザ用出力計 |
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1999
- 1999-03-29 JP JP08698699A patent/JP4018838B2/ja not_active Expired - Fee Related
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