JP4018753B2 - 除草剤組成物 - Google Patents
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Description
「グリホセート」として一般に知られているN−ホスホノメチルグリシン及びその塩は、最初モンサント社(Monsanto Co.)により1970年代の初期に開発された非選択性系統的除草剤としてよく知られている。茎葉を通して吸収された後、それは根及び苗条を含めた代謝活性領域へ急速に転流する。グリホセートと或る表面活性助剤との配合物は、除草活性度を増大することができることが見出されている。
ワイリル(Wyrill)及びバーンサイド(Burnside)、Weed Science Vol. 25(1977), 275-287, は、グリホセートの除草作用に対する異なった表面活性剤の効果の研究を行った。或る種類の表面活性剤は、グリホセートの除草効果を増大するのに他のものより一層効果的であった(特にイソプロピルアミン塩の溶液として)。
この研究及びその後のグリホセートの活性度増大と表面活性剤構造とを関係付ける試みにも拘わらず、グリホセートと表面活性剤との効果性は一定しておらず、予測が難しい。
グリホセート配合物中の最も一般に用いられている表面活性助剤はタロー(tallow)アミンエトキシレートである。これらの表面活性剤はグリホセートの活性度を増大するのに非常に有効であるが、それらは最近かなりの水中毒性を有することが示されている。従って、多くの地方で水路及び流域に近い所でタローアミンエトキシレートを含むグリホセート組成物を使用することが厳しく規制されるようになってきた。特に約3ppmの標準エトキシル化タローアミン/グリホセート配合物は、標準48時間EC50試験に従ってDaphnia carinataに対し急性毒性効果を有することが示されている。
今度意外なことに、グリホセート組成物中に表面活性剤としてアルキルジアミンテトラアルコキシレートを使用すると、既知のグリホセート/エトキシル化タローアミン組成物に匹敵する活性度を持ち、然も、低い水中毒性を示すグリホセート配合物を与えることが発見された。
本発明の第一の態様により、N−ホスホノメチルグリシン及び(又は)その塩とアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤からなる除草剤組成物が与えられる。
ここで用いられる「グリホセート組成物」とは、N−ホスホノメチルグリシンの外、グリホセート除草剤を含有するどのような組成物又は配合物でも意味するものとする。「グリホセート除草剤」とは、適当な陽イオン又はグリホセート酸と共に水溶液中にグリホセート陰イオンを与えるどのような形のグリホセートでも意味する。グリホセート除草剤には、グリホセートのイソプロピルアミン塩及び米国特許第3,799,758号に記載されているもののようなグリホセートの農業的に許容可能な塩が含まれる。
そのような適当な陽イオンの例には、アルカリ金属陽イオン、例えば、ナトリウム及びカリウム、アンモニウム及び置換アンモニウム陽イオンである。後者は、イソプロピルアミン又はジメチルアミンのような第一級又は第二級アミン及びエチレンジアミンのようなジアミンから誘導された陽イオンが含まれる。
更に、グリホセートの農業的に許容可能な塩の例は、EP−A−0088180に記載されているようなトリメチル−スルホニウム塩〔スルホセート(sulfosate)〕又はアミノグアニジン塩である。グリホセートは一つより多くの置換可能な水素原子を有するので、モノ−及びジ−塩及びそのような塩の混合物が可能である。典型的なグリホセート塩は、ナトリウム、アンモニウム及びトリメチルスルホニウム塩の外、混合アルキルスルホニウム塩及びトリアルキル塩である。
本発明の表面活性助剤は、現在使用されている標準タローアミンエトキシレートに匹敵する効果性を有することが見出されている。このことは、タローアミン中の疎水性物質が16〜18単位の炭素鎖結合を有する脂肪モノアミンの混合物であるので全く意外である。これに対し、本発明の表面活性剤のベース(base)疎水性物質は短鎖C1〜C6アルキルのジアミンである。更に、タローアミンの親水性部分はエトキシレートだけを含むのに対し、本発明の表面活性剤は幾つかの一層高級なアルコキシレート基を含む。
更に、本発明の表面活性剤がそれらの構造から低い毒性プロファイル(profile)を有するであろうと言うことは予想されるものではなかった。本発明の表面活性剤がグリホセートのための助剤としてタローアミンと同様な性能を示すと言うことも予想されていなかった。二種類の疎水性物質が共通に持っているものはアミン官能性であり、このアミン官能性がグリホセートと共に用いるための適合性にとって重要なものとして見做されることは今までなかったことである。一層重要なのはアルキル鎖の機能であると一般に考えられていた。従って、短鎖ジアミンが長鎖モノアミンと同様な機能を果たすと言うことは予想もされていなかった。
アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤は、それらの構造に基づき、水性グリホセート組成物の高い塩分及び低いpH環境とは両立し得ないものと予想されており、従って、それらがグリホセート除草剤のための有用な助剤になると言うことは全く意外なことである。
ここで本発明の表面活性剤又は除草剤組成物に関連して用いられる用語「低い水中毒性」とは、表面活性剤成分としてエトキシル化タローアミンを含む同等の、組成物の毒性よりも低い急性水中毒性を指す。この用語は、表面活性剤又は組成物の毒性が、その表面活性剤又は組成物が用いられる場所、地方又は国での表面活性剤又は除草剤組成物の毒性を取り締まる局地的、地方又は国家的条例を満足するのに充分な低いものであることも示している。本発明による除草剤組成物は、好ましくは100ppm、一層好ましくは300ppm、最も好ましくは1000ppmの濃度で、適当な指標生物、例えばDaphnia carinataのようなDaphnia種に関して標準EC50又はLC50試験に合格する。
グリホセート配合物と一緒にした表面活性剤としてアルキルジアミンテトラアルコキシレートの水中毒性が低く効力(efficacy)がある利点の外に、それらはグリホセート配合物と共に用いられてきた他の表面活性剤よりも利点を有する。例えば、現在用いられている或る他の表面活性剤よりも発泡性が低く、取扱い易いことである。
好ましい態様として、アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤は、式(I)の化合物からなる:
式中、Qは直鎖又は分岐鎖C1〜C6アルキレンであり、各Rはオキシアルキレン重合体又はブロック共重合体鎖から独立に選択される。
Qは、好ましくは−(CH2)n−である(式中、nは、2〜6である)か、又は3〜6個の炭素原子を有する分岐鎖アルキレン基、例えば、
である。最も好ましくは、Qはエチレンである。
Rは、オキシエチレン、オキシプロピレン又はオキシブチレンのようなオキシアルキレン基の重合体である。Rは、オキシエチレン、オキシプロピレン又はオキシブチレンのような二種類以上の異なったオキシアルキレン基のブロック共重合体でもよい。Rはオキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック共重合体であるのが好ましい。
鎖中のブロックは交互になっていてもよい。例えば、式(I)の化合物は、式(II)の化合物を用いて出発することにより作ることができる:
式中、Aはアルキレン基である。式(II)の化合物は、次にアルキレンオキシドと縮合してもよく、この場合アルキル基はAと同じでも異なっていてもよい。得られる化合物を更に異なったアルキレンオキシドと縮合するなどして、最終的化合物を与えるようにしてもよい。
更に好ましい態様として、本発明の表面活性剤は次の式(III)を有する:
式中、A及びBは異なったC2〜C4アルキレン基である。
RはH又はC1〜C6アルキルであり、そして
X及びYは0〜150の整数であり、但しX及びYは共に0ではないものとする。
好ましくは、Aがプロピレンで、Bがエチレンであるか、又はAがエチレンでBがプロピレンである。
Aがプロピレンで、Bがエチレンである場合、Xは好ましくは1〜約30、一層好ましくは約4〜約25の整数であり、Yは好ましくは0〜約150、一層好ましくは約4〜約120である。
本発明の最も好ましい表面活性剤は、次の式(IV)のエチレンジアミンアルコキシレートである:
式中、x及びyは上で定義した通りである。
C2H4Oは、今後EOとして言及し、C3H6OはPOとして言及する。
表面活性剤として用いられる適当なアルキルジアミンアルコキシレートは、シンペロニック(SYNPERONIC)Tシリーズ及びテリック(TERIC)173であり、それらは市販されているエチレンジアミンアルコキシレートである。特に適切なのはシンペロニックT/304及びテリック173である。シンペロニックT/304及びテリック173は、式(IV)で、x及びyが4である化合物である。同様に適切なのは、シンペロニックT/707〔これは式(IV)で、xが16、yが50の化合物である〕、シンペロニックT/908〔これは式(IV)で、xが22.5、yが118の化合物である〕、及びテリック170〔これは式(IV)で、xが1、yが4である化合物である〕である。
濃厚な溶液中でのアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤とグリホセート除草剤との非相容性は、オキシアルキレン重合体又はブロック共重合体鎖の大きさを減少して表面活性剤の溶解度を増大することにより解決するか又は軽減することができることが思いがけず見出された。更に驚いたことに、オキシアルキレン重合体又はブロック共重合体鎖の大きさを減少しても、得られる配合物の効力及び水中毒性は許容できる状態のままになっている。
従って、第二の態様として、本発明は、N−ホスホノメチルグリシン及び(又は)その塩、及びアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤からなる除草剤組成物で、前記アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤が、上で定義した式(III)で、X及びYが0〜5の整数であり、但しX及びYは共に0ではないものとし、X+Yが6に等しいか又はそれより小さいものとした場合の化合物からなる場合の除草剤組成物を与える。
本発明のこの特徴を持つ好ましい態様として、アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤は、式IIIで、Aがプロピレン、Bがエチレン、Rが水素、Xが1〜3、Yが3〜5で、X+Yが4〜6である場合の化合物からなる。
特に好ましい態様では、Xは1、Yは4である。
これらのアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤は、低い及び高い強度の両方の組成物でグリホセートと意外にも予想に反して相容性を持つことが見出された。特に、これらの表面活性剤は園芸/工業的用配合物(例えば、360g/lのグリホセート酸相当量を含有する)及び広大な土地用配合物(例えば、450g/lのグリホセート酸相当量を含有する)と相容性があることが判明している。
グリホセート除草剤とアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤との非相容性を、その組成物を水溶性又は水分散性粒子として配合することにより解消するか又は軽減することができることも意外なことに見出されている。
このことは、N−ホスホノメチルグリシンの非吸湿性塩、例えばアンモニウム塩を、固体状のアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤と一緒に用いることを含んでいる。
従って、本発明の別の態様では、N−ホスホノメチルグリシンの非吸湿性塩及び45℃より高く、好ましくは50℃より高い融点又は軟化点を有するアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤からなる水分散性又は水溶性粒子の形の除草剤組成物が与えられる。
オキシアルキル重合体又はブロック共重合体鎖の大きさを増大すると、アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤の融点又は軟化点が上昇することが見出されている。
アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤は、上で定義した式(III)で、X及びYが0〜150の整数であり、但しX+Yが50に等しいか又はそれより大きい場合の化合物からなるのが好ましい。特に好ましい態様では、Aがプロピレン、Bがエチレン、Xが10〜30、Yが50〜150である。
水溶性又は水分散性粒子は、平鍋又はドラム粒状化、押出し、流動床又は噴霧乾燥、又は圧縮又は錠剤化のような当分野で知られている標準的方法に従って製造することができる。固体粒状物は、活性表面活性剤の濃度を高くし、貯蔵性及び運搬性を良くし、組成物の量を測定し易くし、こぼれたものを奇麗にし易い利点を有し、一般に固体配合物に伴われる他の利点を有する。
本発明による表面活性剤は、アルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤と一緒に用いることができることが意外にも見出されている。アルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤は、アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤のためのハイドロトロープ(hydrotrope)として作用し、それによってアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤とグリホセート除草剤との相容性を向上させることの外に、標準エトキシル化タローアミン表面活性剤を含むグリホセート組成物に匹敵する活性度を有するグリホセート組成物を与える、アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤との相乗的効果を示す。アルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤と一緒にアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤が存在すると、アルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤の発泡特性を減少することも予想外に見出されている。
従って、本発明の更に別の態様として、N−ホスホノメチルグリシン及び(又は)その塩、アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤、及びアルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤を含む除草剤組成物が与えられる。
ここで用いられる用語「アルキルグリコシド」及び「アルキルポリグリコシド」とは、グルコース又は他の単糖類、又は二糖類、例えばスクロース、又は多糖類のアルキルグリコシドを指す。これらは、単糖類、二糖類又は多糖類とアルカノールとの反応により得ることができる。この用語には、アルカノールの混合物と同様、単糖類及び二糖類の混合物から製造された表面活性剤も含まれる。市販されているアルキルグリコシド及びアルキルポリグリコシドは、一般にグルコースと、8〜10個の炭素原子を有するアルカノールの混合物との反応生成物である。1分子当たりのグリコシド単位の数(即ち、DG比)は変えることができる。
本発明のこの態様に従って用いるのに適しているアルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤の例には、アトプラス(ATPLUS)450、アトプラス258、アトプラス3001A〔インペリアル・ケミカル・インダストリーズ(Imperial Chemical Industries)PLC〕、エコテリック(ECOTERIC)AS10、アルカデット(ALKADET)15(オーストラリアICI)、トリトン(Triton)BG(ユニオン・カーバイド)、APG300、APG225〔ヘンケル(Henkel)〕、スタレイ(Staley)APG91−3、スタレイAPG23−1及びスタレイAPG23−3〔スタレイ社(Staley Corporapion)〕が含まれる。
グリホセート除草剤の相容性問題を少なくするため、アルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤対アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤の重量比を1.2:1〜2:1、一層好ましくは約1.5:1になるようにするのが好ましい。アルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤とアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤との組合せは、400g/lより少なく、一層好ましくは360g/lより少ないグリホセート酸相当物(equivalent)を含有するグリホセート組成物中に用いるのが好ましい。一層高い濃度のグリホセートを含有する組成物の場合には、式IIIのアルキルジアミンテトラアルコキシレートを用いるのが好ましい。
グリホセート除草剤との相容性を改良するためオキシアルキレン重合体又はブロック共重合体鎖の大きさを減少することは、標準エトキシル化タローアミン表面活性剤を用いた同等の配合物と比較して、グリホセート除草剤の効力を低下する結果になることが判明している。しかし、そのようなアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤と組合せてアルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤を用いると、組成物の活性度を標準配合物のレベルまで持って行くことができることが予想外に判明している。上に記載したようなアルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤とアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤との組合せは新規なものであり、本発明の更に別な特徴を表すものである。
本発明の組成物は、粉末、粒状組成物、液体エマルジョン、又は液体濃縮物として配合することができる。表面活性剤はグリホセートの噴霧タンク溶液に添加してもよく、即ち、タンク添加溶液として適用してもよい。本発明の組成物は配合物中に存在するグリホセート遊離酸相当物の約90重量%までの量でアルキルジアミンテトラアルコキシレートを含んでいてもよい。
タンク添加助剤としてアルキルジアミンテトラアルコキシレートを用いる場合には、添加される表面活性剤の量には本質的に上限はないが、使用されるグリホセートの強度により(活性表面活性剤基準で)0.025〜0.6kg/haの量で表面活性剤を用いるのが典型的である。
本発明の組成物は、防除が望まれる場所に施すことにより、望ましくない草木又は植物の防除又は撲滅のために用いることができる。通常これは撲滅したい雑草病害中の茎葉に対して行われる。従って、本発明の更に別な態様として、防除又は撲滅が望まれる場所に、上に記載した本発明による除草剤組成物を植物毒性に有効な量で施す工程を含む、望ましくない草木又は植物を防除又は撲滅するための方法が与えられる。
本発明による組成物は、一般に水で希釈した後、噴霧するか又は処置すべき植物種に別の既知のやり方で施す。希釈は、50〜600リットル/haの慣用的噴霧が1ヘクタール当たり0.125〜3kgのグリホセート酸相当物を与えるように行う。制御投下噴霧するための噴霧溶液は、他の施用の場合よりも一層濃厚にする。
除草剤組成物の植物活性度も、特定の植物種を処置するために用いられるグリホセートの量に依存する。例えば、組成物の使用量は、1ヘクタール当たりのグリホセート酸相当物のg数で通常表されている。1ヘクタール当たり200〜600gの酸相当量が最も顕著な結果を与えることが判明している。
本発明の組成物は、消泡剤、増粘剤、熱安定化剤、紫外線吸収剤、分散剤及び肥料のようなグリホセート配合物と一緒に通常配合される他の慣用的助剤、及びタルク、珪藻土等のような充填剤を含めた農業的に許容可能な材料、及び水のような希釈剤を含んでいてもよい。また、それら組成物は、水中毒性の低い付加的表面活性助剤を、そのような表面活性剤の存在が許容レベルより低く除草剤組成物の効力を減少しない限り、含んでいてもよい。
助剤が蓄積される固体グリホセート組成物の場合には、大きな分子量のアルキルジアミンテトラアルコキシレートを用いるのが好ましい。表面活性剤組成物は、遊離酸相当物として、グリホセートを100重量%の存在レベルまで用いることができるが、35%より低いのが一層典型的である。
本発明を次の実施例に関連して記述する。しかし、次の実施例の詳細な点は本発明の前の記述の一般性を不要にするものではないことを理解すべきである。
本発明を次に実施例及び図面を参照して記述するが、それらは本発明の幾つかの好ましい態様及び市販配合物との或る比較を例示するものである。しかし、次の記載の詳細は本発明の前の記述の一般性にとって代わるものではないことを理解すべきである。
図中、第1図は、雑草、Ryegrass(Lolium rigidum)に対して例1及び6の組成物及び市販タローアミンエトキシレートを基にした製品(「グリフ(Glyph)360」として図中で言及する)について計算されたED50値(95%信頼区間は陰を付けて示してある)の比較を示す図である。
第2図は、Ryegrassに対する例4(比較例)及び例6、7及び8の組成物との標準タローアミンエトキシレートを基にした配合物についてのED50値(95%信頼区間は陰を付けて示してある)の比較を示す図である。
第3図は、Ryegrassに対する市販固体配合物を用いた例9及び10の組成物について計算したED50値(95%信頼区間は陰を付けて示してある)の比較を示す図である。
第4図は、広葉植物Canola(Brassica napus L.)に対する例9及び10の組成物について計算したED50値(95%信頼区間は陰を付けて示してある)の比較を示す図である。
第5図は、Canolaに対する例1、2及び6の組成物について計算したED50値(95%信頼区間は陰を付けて示してある)の比較を示す図である。
〔実施例〕
例1
イソプロピルアミン塩として存在するグリホセートの360g/l配合物を、次のように配合した:
グリホセートイソプロピルアミン塩(60%w/w) 810g/l
テリック170 170
水 所要体積まで。
(テリック170は、表1に示したように、式IVで、xが1であり、yが4である場合の市販化合物である)。
Daphnia carinataに対するテリック170についての急性EC50水中毒性を表2に示し、同様な含有量の表面活性剤を用いた標準タローアミンエトキシレート配合物に比較した生物効力(bio-efficacy)を表3に示し、他の試験については表8に示す。相対的生物効力は、第1図及び第5図にも示されている。第1図のデーターは、テリック170がRyegrassに対しタローアミンエトキシレートに匹敵することを示している。テリック170の示す急性水中毒性は、タローアミンエトキシレートに比較して著しく減少している。
例2
イソプロピルアミン塩として存在するグリホセートの360g/l配合物を、次のように配合した:
グリホセートイソプロピルアミン塩(60%w/w) 810g/l
テリック171 170
水 所要体積まで。
(テリック171は、表1に示したように、式IVで、xが12であり、yが4である場合の市販化合物である)。
標準タローアミンエトキシレート配合物に比較した生物効力を表8に示す。相対的生物効力は、第5図にも示してある。この配合物の急性水中毒性は、テリック171を用いた標準タローアミンエトキシレート配合物と比較して著しく減少している。
例3
イソプロピルアミン塩として存在するグリホセートの360g/l配合物を、次のように配合した:
グリホセートイソプロピルアミン塩(60%w/w) 810g/l
テリック172 170
水 所要体積まで。
(テリック172は、表1に示したように、式IVで、xが3であり、yが4である場合の市販化合物である)。
例4(比較例)
イソプロピルアミン塩として存在するグリホセートの360g/l配合物を、次のように配合した:
グリホセートイソプロピルアミン塩(60%w/w) 810g/l
アトプラス3001A 243
水 所要体積まで。
(アトプラス3001Aは、表1に示したように、市販アルキルポリグリコシド表面活性剤である)。存在する表面活性剤の量は170g/lである。
Daphnia carinataに対するアトプラス3001Aについての急性EC50水中毒性データーを表2に示し、標準タローアミンエトキシレート配合物に比較した生物効力を表4に示す。相対的生物効力は第2図にも示されている。アトプラス3001Aは、アルキルジアミンテトラアルコキシレートよりも大きな急性水中毒性を有する。
例5
イソプロピルアミン塩として存在するグリホセートの360g/l配合物を、次のように配合した:
グリホセートイソプロピルアミン塩(60%w/w) 810g/l
アトプラス436 213
水 所要体積まで。
(アトプラス436は、表1に示したように、市販表面活性剤である)。配合物中に存在する活性表面活性剤の量は170g/lである。
Daphnia carinata、Litoria Lesueuri、及びOncorhynchus mykissに対する上記配合物中のアトプラス436についての急性EC50水中毒性データーを表2に示す。グリホセート評価での標準タローアミンエトキシレート配合物に比較した生物効力を表5A及び5Bに示す。それらの結果は、360g/lで用いた場合の標準タローアミンエトキシレートと比較すると、効力に大きな差はないことを示している。しかし、アトプラス436を用いた配合物の水中毒性は著しく減少している。
例6
イソプロピルアミン塩として存在するグリホセートの360g/l配合物を、次のように配合した:
グリホセートイソプロピルアミン塩(60%w/w) 810g/l
DS2529 206
水 所要体積まで。
(DS2529は、表1に示したように、テリック170とアトプラス3001Aとの混合物である)。
Daphnia carinata、Litoria Lesueuri、及びOncorhynchus mykissに対する上記組成物について急性EC50水中毒性データーを表2に示す。Ryegrassに対する標準タローアミンエトキシレート配合物及びテリック170に比較した生物効力を表3に示し、Canolaの場合については表8に示す。アトプラス3001Aとの比較を表4に示す。その相対的生物効力を第1図、第2図及び第3図に示す。これらの結果は、アトプラス3001Aとテリック170との組合せが、同じ割合で単独で用いたアトプラス3001Aと同じか又は一層よい性能を与える結果になったことを示している。これらの結果は、アトプラス3001Aとテリック170との組合せが、テリック170単独よりも良い効力結果を与えると同時に、配合物の水中毒性プロファイルを著しく改良する結果になったことも示している。
例7
イソプロピルアミン塩として存在するグリホセートの360g/l配合物を、次のように配合した:
グリホセートイソプロピルアミン塩(60%w/w) 810g/l
DS2547 192
水 所要体積まで。
(DS2547は、表1に示したように、テリック170とアトプラス3001Aとの混合物である)。
標準タローアミンエトキシレートに比較した生物効力を表4に示し、その相対的生物効力を表2に示す。これらの結果は、アトプラス3001Aとテリック170との組合せが、同じ割合で単独で用いたアトプラス3001AよりもこれらのRyegrass雑草に対し一層良い性能を与える結果になったことを示している。これらの結果は、アトプラス3001Aとテリック170との組合せが、テリック170単独よりも良い効力結果を与えると同時に、それは配合物の水中毒性プロファイルを著しく改良する結果になったことも示している。
例8
イソプロピルアミン塩として存在するグリホセートの360g/l配合物を、次のように配合した:
グリホセートイソプロピルアミン塩(60%w/w) 810g/l
DS2548 177
水 所要体積まで。
(DS2548は、表1に示した通りである)。
生物効力を表4に示し、その相対的生物効力を表2に示す。これらの結果は、アトプラス3001Aとテリック170との組合せが、同じ割合で単独で用いたアトプラス3001Aよりも一層良い性能を与える結果になったことを示している。これらの結果は、アトプラス3001Aとテリック170との組合せが、テリック170単独よりも良い効力結果を与えると同時に、配合物の水中毒性プロファイルを著しく改良する結果になったことも示している。
例9
モノアンモニウム塩として存在するグリホセートの固体粒状配合物を、次のように配合した:
グリホセートアンモニウム塩(96%w/w) 734g/kg
シンペロニックT/707 217
硫酸アンモニウム 49
(シンペロニックT/707は、表1に示したように、式IVで、xが約16であり、yが50である場合の化合物である)。
Daphnia carinataに対する急性EC50水中毒性データーを表2に示し、草及び広葉雑草種に対する市販固体配合物、ウィードマスター(Weedmaster)(商標名)〔ヌファーム(Nufarm)〕及びバイアクティブ(Biactive)(商標名)(モンサント)に比較した生物効力を表6及び7に示す。ウィードマスターは尿素非イオン性表面活性剤錯体を含むのに対し、バイアクティブはアルキル第四級アミンアルコキシレートとポリソルベート表面活性剤の混合物を含むと考えられている。製品の相対的生物効力を第3図及び第4図に示す。データーからシンペロニックT/707は雑草に対し市販配合物よりもかなり一層大きな効力をもち、少なくとも広葉雑草に対してはそれに匹敵するものである。
例10
モノアンモニウム塩として存在するグリホセートの固体粒状配合物を、次のように配合した:
グリホセートアンモニウム塩(96%w/w) 734g/kg
シンペロニックT/908 217
硫酸アンモニウム 49
(シンペロニックT/908は、表1に示したように、式IVで、xが約16であり、yが50である場合の化合物である)。
Daphnia carinataに対する急性EC50水中毒性データーを表2に示し、草及び広葉雑草種に対する例9に記載したような市販固体配合物に比較した生物効力を表6及び7に示す。製品の相対的生物効力を第3図及び第4図に示す。データーは、シンペロニックT/908配合物はRyegrass雑草に対しウィードマスターに匹敵する効力を持ち、バイアクティブよりもかなりよい効力を持つことを示している。シンペロニックT/908配合物は、Canola雑草に対し少なくともウィードマスター配合物に匹敵する。シンペロニックT/908を用いた配合物は、用いた表面活性剤の種類についての比較結果に基づき、試験したウィードマスター試料よりもかなりよい水中毒性プロファイルを有すると予想される。
当業者は、ここに記載した発明は、特別に記載した態様とは別の変更及び修正を受けることができることを認めるであろう。本発明は、そのような変更及び修正を全て含むものと理解すべきである。本発明は、この明細書中で言及又は示した工程、特徴、組成物及び化合物は、全て個々に又は併合して含むものであり、それらの工程又は特徴のどの二つ以上の組合せでも全て含むものである。
本明細書及び後の請求の範囲全体に亙って、文脈が別に要求しない限り、用語「からなる」又は「含む」又は「有する」のように言い変えた用語は、述べた整数又は整数群を含むことを意味するが、別の整数又は整数群を排除するものではないことが分かるであろう。
Claims (18)
- N−ホスホノメチルグリシン及び(又は)その塩及びアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤を含む除草剤組成物。
- Aがプロピレンで、Bがエチレンであるか、又はAがエチレンでBがプロピレンである、請求項3に記載の除草剤組成物。
- Aがプロピレンであり、Bがエチレンであり、Rが水素であり、Xが1〜3、Yが3〜5であり、但しX+Y≦6である、請求項4に記載の除草剤組成物。
- Xが1で、Yが4である、請求項5に記載の除草剤組成物。
- 水分散性又は水溶性粒子の形の、請求項1に記載の除草剤組成物。
- N−ホスホノメチルグリシンの非吸湿性塩を含む、請求項7に記載の除草剤組成物。
- N−ホスホノメチルグリシンの塩がアンモニウム塩である、請求項8に記載の除草剤組成物。
- アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤が、45℃よりも高い融点又は軟化点を有する、請求項8又は9に記載の除草剤組成物。
- アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤が、50℃よりも高い融点又は軟化点を有する、請求項10に記載の除草剤組成物。
- アルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤を更に含む、請求項1に記載の除草剤組成物。
- アルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤対アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤の重量比が1.2:1〜2:1である、請求項12に記載の除草剤組成物。
- 比が約1.5:1である、請求項13に記載の除草剤組成物。
- アルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤及びアルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤を含む表面活性剤組成物の、グリホセート組成物のための助剤としての使用。
- アルキルグリコシド又はアルキルポリグリコシド表面活性剤対アルキルジアミンテトラアルコキシレートの重量比が1.2:1〜2:1である、請求項15に記載の使用。
- グリホセート組成物のための助剤としてのアルキルジアミンテトラアルコキシレート表面活性剤の使用。
- 防除又は撲滅が望まれる場所へ、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物を植物毒として有効な量施す工程を含む、望ましくない草木又は植物を防除又は撲滅する方法。
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