JP4018023B2 - 車両のハイブリッドシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の動力源にエンジンと回転電機(モータジェネレータ)を備える車両のハイブリッドシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のハイブリッドシステムとして、エンジンの出力を車輪へ伝達する駆動系と、駆動系を断続するクラッチと、駆動系のクラッチ出力側に回転電機の駆動軸を連結する回転伝達機構と、回転電機の電源を構成する蓄電装置と、を備えるパラレル方式のものがある(特許文献1)。
【0003】
このようなハイブリッドシステムにおいては、制御マップから蓄電装置のSOC(State Of Chage)に応じた分担比を求め、この分担比とアクセル操作量(アクセル開度)に基づいて、回転電機の出力およびエンジンの出力を制御する。
【0004】
回転電機の分担比=1(エンジンの分担比=0)の場合、クラッチを切断した状態において、アクセル操作量に相当する出力が得られるように回転電機のトルク指令値を制御する。回転電機の分担比<1(エンジンの分担比>0)の場合、クラッチを接続した状態において、蓄電装置のSOCの低下に連れて回転電機の分担トルクが小さくなり、それに応じてエンジンの分担トルクが大きくなるようにエンジンの出力および回転電機の出力を制御する。エンジンの分担比=1(回転電機の分担比=0)の場合、アクセル操作量に相当する出力がエンジンから得られるようにエンジントルク(燃料供給量)を制御するのである。
【0005】
パラレル方式のハイブリッドシステムでないが、エンジンに駆動される発電機と、発電機からの給電を受ける走行用電動機と、を備える産業用車両の走行駆動装置において、悪天候時の走行モードを設定するモード設定スイッチと、このスイッチにより悪天候時の走行モードが設定されると電動機の回転速度の変化量を一定値以内に制限する制御手段と、を備えるものが開示される(特許文献2)。悪天候時の車輪のスリップを回避するため、制御手段により、トルクカーブ(滑りやすい路面とタイヤとの摩擦抵抗から車輪の回転数毎にタイヤがスリップしないトルクを算出して設定される)に従って電動機のトルクを制限するのである。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−120602号
【特許文献2】
特開2001−112106号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
パラレル方式のハイブリッドシステム(特許文献1、参照)において、回転電機の出力のみによる走行が可能な場合、回転電機のトルク指令値は、エンジンの出力のみによる走行中と同等の要求トルクに制御される。回転電機の出力は、電気的に制御されるので、燃料供給量がメカニカルに制御されるエンジンに較べると、トルク指令値の発生から実際にトルクがその指令値へ立ち上がるまでの応答が早く、路面との摩擦抵抗が大きく働く通常の走行中は、アクセル操作に感度よく反応する加速性能が得られる。
【0008】
摩擦係数μの小さい低μ路の走行中においては、駆動輪がスリップすると、エンジンのガバナ特性が働くため、回転電機のトルク指令値は、駆動輪のスリップに伴う回転上昇を抑えるように制御される。その制御においては、回転電機の出力が敏感に応答し過ぎるのと、エンジンの駆動系の慣性モーメントと回転電機の駆動系の慣性モーメントとの差により、トルク指令値も上下に大きくハンチングするようになり、回転電機の回転が安定せず、アクセル操作による制御(コントロール)も効かない、走行状態に陥る可能性が考えられる。
【0009】
この発明は、このような課題に注目してなされたものであり、パラレル方式のハイブリッドシステムにおいて、回転電機の出力のみで低μ路を走行する場合においても、アクセル操作に応答する安定した走行状態を実現しえる手段の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、エンジンの出力を車輪へ伝達する駆動系と、駆動系を断続するクラッチと、駆動系のクラッチ出力側に回転電機の駆動軸を連結する回転伝達機構と、回転電機の電源を構成する蓄電装置と、を備える車両のハイブリッドシステムにおいて、回転電機の出力のみによる走行中はエンジンの出力のみによる走行中と同等の要求トルクに回転電機のトルク指令値を制御する手段と、回転電機の回転速度からその回転加速度を計算する手段と、回転電機の回転加速度とエンジン駆動系の慣性モーメントとから回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクを計算する手段と、駆動輪のスリップ状態を検出する手段と、その判定から駆動輪がスリップ状態にあるときは回転電機の出力のみによる走行中の要求トルクと回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクとから回転電機のトルク指令値を補正する手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
第2の発明は、エンジンの出力を車輪へ伝達する駆動系と、駆動系を断続するクラッチと、駆動系のクラッチ出力側に回転電機の駆動軸を連結する回転伝達機構と、回転電機の電源を構成する蓄電装置と、を備える車両のハイブリッドシステムにおいて、回転電機の出力のみによる走行中はエンジンの出力のみによる走行中と同等の要求トルクに回転電機のトルク指令値を制御する手段と、駆動輪のスリップ状態を検出する手段と、その判定から駆動輪がスリップ状態にあるときは回転電機の出力特性にエンジン相当の応答遅れを与える手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
第3の発明は、エンジンの出力を車輪へ伝達する駆動系と、駆動系を断続するクラッチと、駆動系のクラッチ出力側に回転電機の駆動軸を連結する回転伝達機構と、回転電機の電源を構成する蓄電装置と、を備える車両のハイブリッドシステムにおいて、回転電機の出力のみによる走行中はエンジンの出力のみによる走行中と同等の要求トルクに回転電機のトルク指令値を制御する手段と、回転電機の回転速度からその回転加速度を計算する手段と、回転電機の回転加速度とエンジン駆動系の慣性モーメントとから回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクを計算する手段と、駆動輪のスリップ状態を検出する手段と、その判定から駆動輪がスリップ状態にあるときは回転電機の出力のみによる走行中の要求トルクと回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクとから回転電機のトルク指令値を補正する手段と、同じく駆動輪がスリップ状態にあるときは回転電機の出力特性にエンジン相当の応答遅れを与える手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
【発明の効果】
第1の発明においては、回転電機の出力のみによる走行の場合、回転電機のトルク指令値は、エンジンの出力のみによる走行中と同等の要求トルクに制御される。駆動輪がスリップ状態に入ると、回転電機のトルク指令値は、要求トルクと回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクとから補正されるのである。慣性トルクは、回転電機の回転加速度と、エンジンの駆動系を含む慣性モーメントと、から計算されるのであり、その駆動系に回転加速度を与える運動エネルギに相当する。回転電機のトルク指令値は、要求トルクと慣性トルクとから補正する(要求トルクから回転変動分の運動エネルギを差し引く)ことにより、駆動輪のスリップに伴う、回転電機の回転変動を抑えられるのである。つまり、回転電機の出力のみによる走行時においても、駆動輪のスリップ状態に拘わらず、アクセル操作に応答する安定した走行状態(車輪速度)が得られるようになる。
【0014】
第2の発明においては、回転電機の出力のみによる走行の場合、回転電機のトルク指令値は、エンジンの出力のみによる走行中と同等の要求トルクに制御される。駆動輪がスリップ状態に入ると、トルク指令値の出力特性にエンジン相当の応答遅れが与えられる。そのため、駆動輪のスリップに伴う、トルク指令値のハンチングも緩やかに小さく抑えられ、車輪速度が安定するようになる。
【0015】
第3の発明においては、駆動輪がスリップ状態に入ると、回転電機のトルク指令値は、回転電機の出力のみによる走行中の要求トルクと回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクとから補正され、その出力特性にエンジン相当の応答遅れが与えられるため、回転電機の回転速度を一定に抑えながら、駆動輪を滑らせることも可能となり、アクセル開度に応答する安定した走行状態が得られるのである。つまり、駆動輪のスリップ状態においても、その車輪速度のアクセルコントロールが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1において、1はエンジン、2は歯車式の変速機であり、これらの間に摩擦クラッチ3が介装される。エンジン1は、ディーゼルエンジン(または圧縮天然ガスを燃料とするCNGエンジン)が採用される。4は回転電機(モータジェネレータ)であり、その駆動軸4aは回転伝達機構5(ギヤボックス)を介して変速機2の入力軸2aに連結される。
【0017】
変速機2には、そのギヤシフトを制御するコントロールユニット6(FCT-ECU)が備えられる。コントロールユニット6は、ハイブリッド制御ユニット10(ハイブリッドECU)に接続され、運転室のチェンジレバー装置7からの変速要求に基づくハイブリッドECU10の命令に従ってギヤシフトを制御する。
【0018】
クラッチ3には、これを断続するクラッチアクチュエータ8(クラッチブースタ)が備えられる。クラッチアクチュエータ8は、ハイブリッドECU10の要求に応じてエンジン1から変速機2およびギヤボックス5への動力の伝達を断続する。
【0019】
エンジン1の燃料噴射量を制御するのがエンジン制御ユニット15(エンジンECU)であり、エンジン1の回転速度を検出するエンジン回転センサ16が備えられる。エンジンECU15は、エンジン回転センサ16の検出信号およびハイブリッドECU10の要求に応じてエンジン1のラック位置を制御する。
【0020】
車両のサービスブレーキ系において、図示しないが、ブレーキペダル22の踏み量に応じたブレーキ圧を発生させるブレーキバルブと、ブレーキバルブからのブレーキ圧に基づいて各輪のブレーキチャンバへ作動圧を供給するブレーキアクチュエータと、が備えられる。また、ブレーキバルブとブレーキアクチュエータとの間に介装されるプロポーショナルバルブ21と、ブレーキバルブの発生させるブレーキ圧を検出する圧力センサ23(ブレーキペダル22の踏み量を検出する)と、が設けられる。
【0021】
ハイブリッドECU10は、圧力センサ23の検出信号および蓄電装置9のSOCに基づいて、回生制動力で賄い切れない要求制動力の不足分を補うようにプロポーショナルバルブ21を制御する。25はアンチロックブレーキシステムの制御ユニット(ABS-ECU)であり、ハイブリッドECU10と協調しつつ、車輪のスリップに応じてABSバルブ26を制御する。ABSバルブ26は、車輪のスリップ率を目標値に近づけるべく、ブレーキチャンバへの作動圧を反復的に給排するように制御されるのである。
【0022】
回転電機4は、高効率および小形軽量化の面から、永久磁石型同期電動機(IPM同期モータ)が使用され、蓄電装置9にインバータ11を介して接続される。蓄電装置9には、ブレーキエネルギを短時間で無駄なく高効率に回生するため、車両の電池許容質量に対して必要な出力密度を確保しやすい、電気二重層キャパシタが使用される。
【0023】
インバータ11は、ハイブリッドECU10の要求に応じて回転電機4を電動モードまたは発電モードに制御する。電動モードにおいては、蓄電装置9の充電電力(直流電力)を交流電力に変換して回転電機4を駆動する一方、発電モードにおいては、回転電機4の発電電力(交流電力)を直流電力に変換して蓄電装置9を充電する。
【0024】
ギヤボックス5は、回転電機4の駆動軸に連結されるドライブギヤ5aと、変速機2の入力軸2aに連結されるドリブンギヤ5bと、これらに噛み合うアイドラギヤ5cと、から構成される。回転電機4の駆動軸4aからの回転は、ギヤボックス5により減速され、変速機2の入力軸2aへ伝達される一方、変速機2の入力軸2aからの回転は、ギヤボックス5により増速され、回転電機4の駆動軸4aへ伝達される。
【0025】
ハイブリッドECU10は、クラッチ3の断続状態(ストローク)を検出するクラッチストロークセンサ14、アクセルペダル12の踏み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ13、変速機2のギヤポジションを検出するシフト位置センサ17、変速機2の出力側の回転速度(プロペラシャフトの回転速度)を検出する車速センサ18、回転電機4の回転速度(駆動軸4aに連結するドライブギヤ5aの回転速度)を検出するモータ回転センサ19、等が備えられる。
【0026】
これらの検出信号および蓄電装置のSOC(State Of Chage)を含む各種情報(回転電機4のインバータ11,エンジンECU15,変速機2のコントロールユニット6、等から得られる)に基づいて、ハイブリッドECU10は、クラッチアクチュエータ8,回転電機4のインバータ11、を制御する一方、エンジンECU15への要求、変速機2のコントロールユニット6への命令(目標ギヤ信号,ギヤ抜きのタイミング信号,ギヤ入れのタイミング信号、など)、を出力する。
【0027】
ハイブリッドECU10は、蓄電装置4のSOCに基づいて、SOCが所定レベル以上のときは、回転電機4の出力のみによる走行モード、SOCが所定レベル未満のときは、エンジン1の出力のみによる走行モード、を選定する。
【0028】
回転電機4の出力のみによる走行モードの場合、クラッチ3を切断した状態において、車速から換算されるエンジン回転速度およびアクセル開度に基づいて、エンジンECUからの情報(図2のトルク算出マップ)からラック位置を求め、ラック位置および車速に基づいて、図3のトルク算出マップからエンジン相当トルクを求め、これに基づく要求トルクにインバータ11へのトルク指令値を制御する。
【0029】
エンジン1の出力のみによる走行モードの場合、クラッチ3を接続した状態において、アクセル開度に相当するエンジントルクが得られるようにエンジンECU15への要求を制御する。エンジンECU1において、アクセル開度およびエンジン回転速度に基づいて、図2のトルク算出マップからラック位置を求め、エンジン1の燃料噴射量を制御するのである。
【0030】
ハイブリッドECU10は、ブレーキペダル22の踏み量(要求制動力)に基づいて、蓄電装置9への充電が可能な限り、クラッチ3を切断した状態において、後輪の配分制動力に相当する回生制動力が回転電機4から得られるようにインバータ11へのトルク指令値を制御する一方、後輪の配分制動力を回生制動力で賄い切れない場合、その不足分の制動力を後輪に発生させるようにプロポーショナルバルブ21を制御する。また、蓄電装置9のSOCから、発電の必要を判定すると、クラッチ3の接続状態において、エンジン1の出力に余裕がある場合、回転電機4の発電により、蓄電装置9を充電するようにインバータ11へのトルク指令値を制御する。
【0031】
図4は、回転電機4の制御系に係る機能的なブロック構成を表すものであり、駆動輪のスリップ状態においても、アクセル開度に応答する安定した走行を可能とするため、要求トルク算出手段30のほか、回転電機4の回転速度からその回転加速度を算出する手段31、回転電機4の駆動軸の慣性トルクを算出する手段32、駆動輪のスリップ状態を判定する手段33、回転電機4のトルク指令値およびその出力特性を補正する手段34、が備えられる。
【0032】
要求トルク算出手段30は、蓄電装置9のSOCが所定レベル以上であり、回転電機の出力のみによる走行が可能なときにアクセル開度と車速とから既述のようにエンジン相当トルクを求め、要求トルク値=トルク算出マップ値(エンジン相当トルク)×ギヤボックスのギヤ比、を計算する。
【0033】
慣性トルク算出手段32は、慣性トルク値=駆動系のクラッチ3以降の慣性モーメント×回転電機の回転加速度、を計算する。駆動輪のスリップ判定手段33は、車輪速度(駆動輪の回転速度および非駆動輪の回転速度)を検出する手段(図示せず)が備えられ、クラッチ3の切断状態において、これらの車輪速度差の絶対値が既定値以上のときは駆動輪がスリップ状態にある(それ以外はスリップ状態にない)と判定するのである。
【0034】
回転電機4のトルク指令値およびその出力特性を補正する手段34においては、駆動輪がスリップ状態にあるとの判定を受けると、トルク指令値=要求トルク値−慣性トルク値、に補正する一方、その出力特性にエンジン相当の応答遅れを加える遅れ時間処理を実行する。エンジン相当の応答遅れは、トルク指令値の発生から実際にエンジントルクがトルク指令値に達するまでの応答時間であり、実験データに基づく一次遅れの伝達関数として設定される。駆動輪がスリップ状態にないとの判定時においては、回転電機4の機敏な加速性能を生かすべく、遅れ時間処理を行わず、トルク指令値=要求トルク値、をインバータ11へ出力する。
【0035】
このような構成により、回転電機4の出力のみによる走行中の場合、インバータ11へのトルク指令値は、回転電機4からエンジン1の出力のみによる走行中と同等の要求トルクに制御される。駆動輪がスリップ状態に入ると、インバータ11へのトルク指令値は、要求トルク値−慣性トルク値、に補正されるのである。
【0036】
慣性トルクは、回転電機4の回転加速度と、駆動系のクラッチ3以降の慣性モーメントと、から計算されるのであり、その駆動系の回転に加速度を生じさせる運動エネルギに相当する。このエネルギを要求トルク値から差し引くことにより、駆動輪のスリップに伴う、回転電機4の回転変動を抑えられるのである。また、トルク指令の出力特性に遅れ時間処理を加えることにより、回転電機4のガバナ特性(図2,図3、参照)にエンジン相当の応答遅れが与えられ、トルク指令値のハンチングも緩やかに小さく抑えられ、回転電機4の回転速度が安定するようになる。
【0037】
その結果、回転電機4の出力のみによる走行時においても、エンジン1の出力のみによる走行中と同様に回転電機の回転速度を一定に抑えながら、駆動輪を滑らせることも可能となり、アクセル開度に応答する安定した走行状態が得られるのである。つまり、駆動輪のスリップ状態においても、その車輪速度のアクセルコントロールが可能となる。
【0038】
図5は、回転電機4の出力のみによる走行モードに係る制御内容を説明するフローチャートであり、S1においては、アクセル開度の検出信号を読み込む。S2においては、車輪速度の検出信号(駆動輪および非駆動輪の回転速度)を読み込む。S3においては、車速の検出信号を読み込む。S4においては、蓄電装置9のSOCを読み込む。
【0039】
S4においては、蓄電装置のSOCが所定レベル以上のときは、回転電機4の出力のみによる走行モードを選定する。車速の換算値(エンジン回転速度)およびアクセル開度に基づいて、図2のトルク算出マップからラック位置を求め、ラック位置および車速に基づいて、図3のトルク算出マップからエンジン相当トルクを求め、要求トルク=エンジン相当トルク×ギヤボックスのギヤ比、を計算する。
【0040】
S6においては、|非駆動輪速度値−駆動輪速度値|≧既定値、かどうかを判定する。|非駆動輪速度値−駆動輪速度値|≧既定値のときは、空転フラグ=1にセットする一方、|非駆動輪速度値−駆動輪速度値|≧既定値でないときは、空転フラグ=0にリセットする。
【0041】
S7においては、空転フラグ=1、かどうかを判定する。S7の判定がyesのときは、S8へ進む一方、S7の判定がnoのときは、RETURNへ至るのである。S8においては、回転電機4の回転速度を読み込む。S9においては、回転電機4の回転速度からその回転加速度を計算する。
【0042】
S10においては、慣性トルク値=駆動系のクラッチ3以降の慣性モーメント×回転電機の回転加速度、を計算する。S11においては、トルク指令値=要求トルク値−慣性トルク値、に補正する。また、その出力特性にエンジン相当の応答遅れを加える遅れ時間処理を実行するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を表すシステム概要図である。
【図2】同じく制御内容を説明する特性図である。
【図3】同じく制御内容を説明する特性図である。
【図4】同じく制御系の一部を表すブロック構成図である。
【図5】同じくブロック構成の制御内容を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン
2 変速機
3 クラッチ
4 回転電機
5 ギヤボックス
6 変速機のコントロールユニット
7 チェンジレバー装置
8 クラッチアクチュエータ
10 ハイブリッドECU
13 アクセル開度センサ
14 クラッチストロークセンサ
16 エンジン回転センサ
18 車速センサ
19 モータ回転センサ
30 要求トルク算出手段
31 回転電機の回転加速度算出手段
32 回転電機の慣性トルク算出手段
33 駆動輪のスリップ状態判定手段
34 回転電機のトルク指定値およびその出力特性の補正手段

Claims (3)

  1. エンジンの出力を車輪へ伝達する駆動系と、駆動系を断続するクラッチと、駆動系のクラッチ出力側に回転電機の駆動軸を連結する回転伝達機構と、回転電機の電源を構成する蓄電装置と、を備える車両のハイブリッドシステムにおいて、回転電機の出力のみによる走行中はエンジンの出力のみによる走行中と同等の要求トルクに回転電機のトルク指令値を制御する手段と、回転電機の回転速度からその回転加速度を計算する手段と、回転電機の回転加速度とエンジンの駆動系を含む慣性モーメントとから回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクを計算する手段と、駆動輪のスリップ状態を検出する手段と、その判定から駆動輪がスリップ状態にあるときは回転電機の出力のみによる走行中の要求トルクと回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクとから回転電機のトルク指令値を補正する手段と、を備えることを特徴とする車両のハイブリッドシステム。
  2. エンジンの出力を車輪へ伝達する駆動系と、駆動系を断続するクラッチと、駆動系のクラッチ出力側に回転電機の駆動軸を連結する回転伝達機構と、回転電機の電源を構成する蓄電装置と、を備える車両のハイブリッドシステムにおいて、回転電機の出力のみによる走行中はエンジンの出力のみによる走行中と同等の要求トルクに回転電機のトルク指令値を制御する手段と、駆動輪のスリップ状態を検出する手段と、その判定から駆動輪がスリップ状態にあるときは回転電機の出力特性にエンジン相当の応答遅れを与える手段と、を備えることを特徴とする車両のハイブリッドシステム。
  3. エンジンの出力を車輪へ伝達する駆動系と、駆動系を断続するクラッチと、駆動系のクラッチ出力側に回転電機の駆動軸を連結する回転伝達機構と、回転電機の電源を構成する蓄電装置と、を備える車両のハイブリッドシステムにおいて、回転電機の出力のみによる走行中はエンジンの出力のみによる走行中と同等の要求トルクに回転電機のトルク指令値を制御する手段と、回転電機の回転速度からその回転加速度を計算する手段と、回転電機の回転加速度とエンジンの駆動系を含む慣性モーメントとから回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクを計算する手段と、駆動輪のスリップ状態を検出する手段と、その判定から駆動輪がスリップ状態にあるときは回転電機の出力のみによる走行中の要求トルクと回転電機の駆動軸に掛かる慣性トルクとから回転電機のトルク指令値を補正する手段と、同じく駆動輪がスリップ状態にあるときは回転電機の出力特性にエンジン相当の応答遅れを与える手段と、を備えることを特徴とする車両のハイブリッドシステム。
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