JP4017948B2 - 認識結果の確認支援装置及び方法ならびにコンピュータプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スキャナ等からの画像データをコンピュータによって処理可能なコード化データに変換するため自動認識技術に関し、特に、地図画像データの地番を自動認識した結果を確認するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
スキャナ等によって文書を光学的に読み取り、得られた画像データをコンピュータによって処理可能なコード化データに変換するための自動認識技術が知られている。自動認識技術では、コード化データとして得られた認識結果が原文書と同一であるか否かを確認する作業が必要である。
【0003】
オペレータは、表示装置に表示されている認識結果を原文書と比較し、誤りがない場合には、認識結果をそのまま出力し、誤りがある場合には修正し、修正した結果を出力する。
原文書が地図や図面のように文字、記号及び図形を含む場合には、誤認識が起こり易く、オペレータの確認作業が多大になる。
【0004】
従来、図面の自動認識及び確認方法として、特開平5−12359号公報、特開平5−225375号公報及び特開平10−228541号公報に記載された例が知られている。
【0005】
特開平5−12359号公報に記載された例では、画像データより得られた輪郭ベクトルと認識結果を同一画面に重ねて表示し、両者を見比べながら削除・作図作業を実行する。従って、原図面と認識結果を交互に見る必要が無いので、作業が能率化する。
【0006】
特開平5−225375号公報に記載された例では、予め図面に存在する文字列を正解文字データとしてデータベース化する。自動認識処理では、文字認識結果と正解文字列データとの比較を行い、正解文字列データの中に認識結果文字列と同一の文字列が存在する場合には、文字認識結果を正解とし文字列修正作業から除外する。従って、文字認識結果の正解/不正解の確認を自動的に判定することができる。また、正解文字列データベースを使用して不正解文字を修正するため、修正作業が容易となり、作業速度を速めることができる。
【0007】
また特開平10−228541号公報に記載された例では、認識結果を1つに決めずに10個程度保有し、この複数の認識結果をダイアログボックスに表示して記号の編集を行うため、誤認識記号の修正・確定を迅速に実行することができる。
【0008】
一般的な文字認識の結果確認装置では、文字として切出された画像と認識結果である文字コードを並べて表示し判定する。原画像と認識結果が同一ウィンドウ内に表示されるため確認作業が容易となる。また、切出された文字列画像のみが表示されるため、画像内に余計な情報が含まれず、正誤の判断を迅速に実行することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平5−12359号公報に記載された例では、文字列が多くない画像領域では作図作業が有効である。しかしながら、文字列が多く存在するような画像領域では、輪郭ベクトルと認識結果を同一画面に重ねて表示し両者を比較するのは困難となることがある。またこの比較作業は画像全体に対して実行する必要があり、比較対象領域の設定はオペレータが行うため修正漏れが起こる可能性があり、確認作業全体の効率が悪い。
【0010】
特開平5−225375号公報に記載された技術では、正解文字列データベースと認識結果文字列が一意になる場合は有効である。しかしながら、図面の状態が悪く、文字列候補の切出しが正しく実行されなかった場合、同一の認識結果文字列が複数個発生することがある。この公報には、このような重複した認識結果が発生した場合の処理方法が記述されていない。従がって、誤って切出された文字列を正解と判断し、修正作業が実行されないことが考えられる。
【0011】
特開平10−228541号公報に記載された例では、認識結果のシンボル図形候補は別のダイアログボックスとして表示される。そのため、図面内の対象となるシンボルとダイアログボックスが重なって表示されることも考えられる。逆に、図面内の対象となるシンボルとダイアログボックスがかなり離れて表示される場合もある。また、図面内の対象となるシンボル位置から、ダイアログボックスの表示位置を自動的に判断する方法も考えられるが、どの位置にダイアログボックスが表示されるのかオペレータが判断できないため、確認作業に手間取ることが考えられる。
【0012】
また、一般的な文字認識の結果確認装置では、切出された文字の画像と認識結果である文字コードの両者を表示して判定するが、地図のように線分、記号等の余計な情報を多く含む場合、正確に文字部分の切出しが実行されるとは限らないため、周辺情報の表示が必要となる。
【0013】
本発明の目的は、上記の事情に鑑みてなされたもので、自動認識によってコード化データとして得られた認識結果から、地図上の地番とその位置情報と文字領域を確実に且つ効率的に確認するための、自動認識結果の対話的確認支援方法及び装置ならびに記憶媒体を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、認識結果の確認支援装置は、演算処理装置とハードディスク装置と表示装置とオペレータが入力操作を行うための入力装置を有する。演算処理装置は、地図画像データより地番を読み取ってコード化データとして認識結果地番を得るための自動認識処理部と、該自動認識処理部によって得られた認識結果地番の文字コードと上記地番の文字コードとを比較して上記認識結果地番及び上記地番の文字コードを3つのリストに分類するためのデータマッチング処理部と、該データマッチング処理部によって分類された3つのリスト毎に上記認識結果地番を上記地図画像データとを比較し確認するための認識結果の確認処理部と、を有する。
【0015】
表示装置には、上記認識結果の確認処理部における処理中に認識結果確認画面が表示される。上記認識結果確認画面は上記認識結果地番を含む地図画像データを表示するための大画像表示領域と上記認識結果地番を含む小さな領域を切り取って表示する小画像表示領域と上記認識結果地番の文字コードを表示するための文字コード表示領域とを有する。上記大画像表示領域、上記小画像表示領域及び上記文字コード表示領域は、上記認識結果確認画面内にて同時に且つ異なる位置に配置される。
【0016】
こうして本発明によると、表示装置の画面に、大画像表示領域、小画像表示領域及び文字コード表示領域の3つの領域が同時に表示されるから、オペレータの確認作業が効率化されることができる。
本発明によると、認識結果地番は3つのリストに分類され、各リスト毎に確認作業がなされるから、能率的に確認作業を実行することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施する場合の一形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1は、本発明による認識結果の対話的確認支援システムの構成例を示す図である。本例の認識結果の対話的確認支援システムは、演算処理装置11とメモリ15とハードディスク装置16と画像、図形、ウィンドウ等を表示するためのディスプレイ12とオペレータが様々な入力操作を実行するためのキーボード13及びマウス14とを有する。本例の認識結果の対話的確認支援システムは、通常のパーソナルコンピュータ又はワークステーションによって実現することができる。
【0019】
演算処理装置11は、自動認識処理S1を実行するための自動認識処理部111とデータマッチング処理S2を実行するためのデータマッチング処理部112と認識結果の確認処理S3を実行するための認識結果の確認処理部113と認識結果の確認処理S3において地図画面等をディスプレイ12に表示するための表示処理部114とを有する。これらの構成部111〜114は、ソフトウェアプログラムによって実現されてよい。自動認識処理S1、データマッチング処理S2及び認識結果の確認処理S3については後に詳細に説明する。
【0020】
ハードディスク装置16には、画像データ格納ファイル161、地番データ格納ファイル162、認識結果格納ファイル163及び位置情報付き地番データ格納ファイル164が格納される。
【0021】
画像データ格納ファイル161には、スキャナ等によって得られた自動認識処理の対象である地図画像データが予め格納されている。地番データ格納ファイル162には、画像データ格納ファイル161に格納された地図画像データに対応した地番データが格納されている。この地番データは、オペレータが予め入力したものであり、認識結果地番と比較するための正解ファイルである。認識結果格納ファイル163には地図画像データに対する自動認識処理の結果が格納されている。自動認識処理の結果の内容は、図4を参照して説明する。位置情報付き地番データ格納ファイル164には、認識結果の確認作業をすべて終了したとき、確定状態の認識結果が格納される。
【0022】
メモリ15には、画像データ記憶部151、地番データテーブル152、認識結果テーブル153及びリストインデクステーブル154が格納される。画像データ記憶部151、地番データテーブル152及び認識結果テーブル153には、ハードディスク装置16の画像データ格納ファイル161、地番データ格納ファイル162及び認識結果格納ファイル163からの各ファイルが一時的に格納される。リストインデクステーブル154には、後に説明する3つのリスト、即ち、「一意・確定リスト」「重複・曖昧リスト」「未認識リスト」を構成する。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態の手順を示すフローチャートである。本発明は、図示するように、スキャナ等からの地図画像データの地番を自動認識処理するための自動認識処理S1と、自動認識処理S1によって認識された地番、即ち、認識結果地番をハードディスクから読み出された正解ファイル、即ち、地番データと比較し3つの状態に分類するためのデータマッチング処理S2と、データマッチング処理S2にて分類された3つの状態毎に、認識結果地番を確認するための認識結果の確認処理S3とを含み、これらの順に処理を実行する。
【0024】
図3を参照して、メモリ15の地番データテーブル152の内容の例を説明する。地番データテーブル152には、ハードディスク16の地番データ格納ファイル162から読み出された一地図分の地番データレコード21が配列されて格納される。地番データレコード21は地番211とマッチフラグ212とを含む。地番211には、一地図に含まれる全ての地番が格納される。
【0025】
マッチフラグ212には、後述のデータマッチング処理S2において、地番211のマッチング情報が格納される。本実施例では、マッチフラグ212には、地番211が既にマッチング処理されている場合、即ち、地番211に対応する認識結果地番が一意・確定リストに登録されている場合には「1」が設定される。地番211が未だマッチング処理されていない場合、即ち、地番211に対応する認識結果地番が一意・確定リストに登録されていない場合には「0」が設定される。
【0026】
図4を参照して、メモリ15の認識結果テーブル153の内容の例を説明する。認識結果テーブル153には、ハードディスク16の認識結果格納ファイル163から読み出された一地図分の認識結果レコード31が配列されて格納される。認識結果レコード31は、認識結果地番311と基準点312と幅313、高さ314及び角度315と、確かさ316と状態フラグ317とを含む。認識結果地番311には、自動認識処理S1にて得られた認識結果地番の文字コードが格納される。基準点312には、認識結果地番の画像上での位置を示す座標値(X,Y)が格納される。幅313、高さ314及び角度315には、画像上で認識結果地番を囲む矩形の幅、高さ、傾きがそれぞれ格納される。
【0027】
確かさ316には、自動認識処理S1で使用される「評価値」が格納される。本実施例では、確かさ316の「評価値」は正値であり、値が小さいほど認識結果の確かさが大きいことを意味する。
状態フラグ317には、認識結果の確定情報が格納される。本実施例によると、状態フラグ317には、未確定状態のときに「0」、確定状態のときに「1」、破棄状態のときに「2」が設定される。
【0028】
未確定状態とは、認識結果地番である文字コードが未だ確定していない状態をいう。確定状態とは、認識結果地番である文字コードが確定した状態であり、ディスプレイ12にて表示されている地番の画像と認識結果地番の文字コードが同一であるか又は修正した文字コードが同一である場合をいう。破棄状態とは認識結果地番である文字コードが破棄された状態であり、ディスプレイ12にて表示されている地番の画像が、誤認識により地番以外の文字を認識したものであったために、認識結果地番を削除した場合である。
【0029】
図5を参照して、リストインデクステーブル154の内容の例を説明する。リストインデクステーブル154は、後に説明するデータマッチング処理S2及び認識結果の確認処理S3にて使用される3つのリスト、即ち、「一意・確定リスト」「重複・曖昧リスト」「未認識リスト」を構成する。リストインデクステーブル154には、一定数のインデクスレコード41が配列されて格納される。データマッチング処理S2にて、各リストにおける配列数が足りなくなった場合は、配列数を増加させることができる。
【0030】
インデクスレコード41は地番411とインデクス412とを含む。地番411には、データマッチング処理S2にて各リストに登録された認識結果地番の文字コードが格納される。インデクス412には、各リストに登録された認識結果地番の詳細情報を有する認識結果テーブル153内の認識結果レコード31のインデクスが格納される。
【0031】
図6を参照して図2にて説明した自動認識処理S1の処理手順を説明する。自動認識処理S1は、上述のように、演算処理装置11の自動認識処理部111によって実行される。ステップS10にて初期設定がなされる。初期設定では、ハードディスク16の画像データ格納ファイル161に格納された地図画像データとハードディスク16の地番データ格納ファイル162に格納された地番データが指定される。上述のように画像データ格納ファイル161には、スキャナ等によって得られた地図画像データが予め格納されている。地番データ格納ファイル162にはオペレータが予め入力した地番データが格納されている。
【0032】
また同時に、自動認識処理の終了後に認識結果を格納するためのハードディスク16の認識結果格納ファイル163が指定される。尚、自動認識処理を実行する地図画像ファイル数に関しては特別に制限を設けず、複数枚の指定が可能であってよい。
【0033】
ステップS11にて、ハードディスク16の画像データ格納ファイル161から地図画像データが読み出され、メモリ15の地図画像データ記憶部151に格納される。ステップS12にて、ハードディスク16の地番データ格納ファイル162から地番データが読み出され、メモリ15の地番データテーブル152に格納される。
ステップS13にて、地図画像データと正解ファイル、即ち、地番データテーブル152を使用して地図画像上の地番の自動認識処理が実行される。この自動認識処理には、公知の文字認識技術が使用されてよい。
【0034】
自動認識処理では、文字の切出し方法、文字の認識方法、辞書ファイル等を随時変更することによって認識率の向上を図ってよい。認識率とは、認識結果地番と地番データとが一致する割合のことである。このように複数の方法によって認識率の向上を図ると、自動認識処理が終了するまでの時間が長くなる。しかしながら、本例では、自動認識処理S1と認識結果の確認処理S3を切り離し、別々のプロセスにて実行可能なため、自動認識処理S1の認識率の向上によって、認識結果の確認処理S3の短縮化が妨げられることはない。
【0035】
自動認識処理の結果として、図4を参照して説明した認識結果レコード31の各事項に記載される内容が得られる。ステップS14にて、自動認識処理の結果は、ハードディスク16の認識結果格納ファイル163に保存される。
【0036】
図7を参照して図2にて説明したデータマッチング処理S2の処理手順を説明する。データマッチング処理S2は、上述のように、演算処理装置11のデータマッチング処理部112によって実行される。またデータマッチング処理S2は、後に図8に示す認識結果確認画面がディスプレイ12に表示される前にデータマッチング処理部112によって自動的に実行される。
【0037】
データマッチング処理S2では、認識結果地番と正解ファイル、即ち、地番データテーブル152が比較され、認識結果地番は、「一意・確定リスト」「重複・曖昧リスト」「未認識リスト」のいずれかに分類される。
【0038】
本実施例では、認識結果地番と同一の地番が地番データテーブル152中に存在する場合には、その認識結果地番は「一意・確定リスト」に登録される。「一意・確定リスト」には、原則として地番データテーブル152中の各地番に対して、1つの認識結果地番のみが登録される。例外的に、一地図に同一地番が2以上存在する場合、2つ以上の同一地番が「一意・確定リスト」に登録される。
【0039】
認識結果地番と同一の地番が地番データテーブル152中に存在するが既に一意・確定リストに登録されている場合及び認識結果地番と同一の地番が地番データテーブル152中に存在しない場合には、その認識結果地番は「重複・曖昧リスト」に登録される。
地番データテーブル152中に、認識結果地番に含まれない地番が存在するときには、その地番は認識結果テーブル153に格納され、この地番は「未認識リスト」に登録される。
【0040】
ステップS200にて、先ず、ハードディスク16の地番データ格納ファイル162から地番データが読み出され、メモリ15の地番データテーブル152に格納される。ステップS201にて、ハードディスク16の認識結果格納ファイル163から自動認識結果が読み出され、メモリ15の認識結果テーブル153に格納される。ステップS202にて、全ての自動認識結果に対して、認識結果地番と地番データテーブル152の比較が完了したか否かが判定される。
【0041】
全ての認識結果地番に対する比較処理が完了していないなら、ステップS203の比較ステップに進む。ステップS203にて、データマッチング処理S2の対象である認識結果地番rと地番データテーブル152の各地番211との比較がなされる。ここでは、認識結果テーブル153に格納された1個の認識結果レコードの認識結果地番311をrと表現した。ステップS203の比較ステップにて、地番データテーブル152中に認識結果地番rと同一の地番が存在しないと判定された場合には、ステップS204に進み、この認識結果地番rは重複・曖昧リストに登録され、ステップS202に戻り、次の認識結果地番の処理に進む。
【0042】
ステップS203の比較ステップにて、地番データテーブル152中に認識結果地番rと同一の地番が存在すると判定された場合には、その地番211をmと表現し、ステップS205に進む。ステップS205にて、地番mのマッチフラグ212が0であるか1であるかが判定される。即ち、地番mと同一の認識結果地番が一意・確定リストに未登録であるか又は既登録であるかが判定される。地番mのマッチフラグ212が0であれば、地番mと同一の認識結果地番は一意・確定リストに未登録である。ステップS206にて、地番mのマッチフラグには0の代わりに1が設定され、ステップS207にて、認識結果地番rが一意・確定リストに登録される。
【0043】
ステップS205にて、地番mのマッチフラグ212が1であれば、認識結果地番rと同一地番の認識結果地番が既に一意・確定リストに登録されていることになる。この認識結果地番をsとし、ステップS208に進む。ステップS208にて、データマッチング処理S2の対象である認識結果地番rの確かさ316と一意・確定リストに登録されている認識結果地番sの確かさ316が比較される。上述のように、自動認識処理によって得られた認識結果地番の確かさは評価値によって表される。評価値が小さいほど、認識結果地番の確かさは高い。
【0044】
認識結果地番rの評価値が認識結果地番sの評価値より大きいか又は等しい場合には、ステップS211に進み、認識結果地番rが重複・曖昧リストへ登録される。一意・確定リストに既登録の認識結果地番sはそのままである。認識結果地番rの評価値が認識結果地番sの評価値より小さい場合には、ステップS209に進み、認識結果地番rが一意・確定リストへ登録され、ステップS210にて、認識結果地番sが一意・確定リストから重複・曖昧リストへ移転登録される。
【0045】
ステップS202にて、認識結果テーブル153の全ての認識結果地番311に対して比較処理が完了すると、ステップS212に進み、地番データテーブル152の全ての地番データレコード21のマッチフラグ212が評価される。全てのマッチフラグ212が1の場合には、地番データテーブル152の全ての地番データレコード21の地番すべてが自動認識処理S1にて認識され、認識結果テーブル153に登録済みである。従がって、データマッチング処理S2を終了する。マッチフラグ212が0である地番データレコード21が存在する場合には、自動認識処理S1にて認識されなかった地番が存在し、認識結果テーブル153に未登録である。従がって、ステップS213にて、その未登録地番は認識結果テーブル153に格納され、未認識リストへ登録される。
【0046】
図8を参照して、認識結果の確認処理S3の作業中に、ディスプレイ12の画面に表示される認識処理確認画面の例を説明する。
図示のように、認識処理確認画面は、一意・確定リストボックス51、重複・曖昧リストボックス52、未認識リストボックス53、大画像表示領域54、小画像表示領域55、地番文字コード表示領域56、大画面表示領域切替メッシュ57、確定結果網掛けチェックボタン571、指定領域内外認識結果削除チェックボタン572、確定結果スキップチェックボタン573、大画面表示領域切替チェックボタン574、大画面表示領域表示ボタン575、チェックボタン576、クリアボタン577及び終了ボタン578を含む。
【0047】
一意・確定リストボックス51には、「一意・確定リスト」に登録された認識結果地番が表示される。重複・曖昧リストボックス52には、「重複・曖昧リスト」に登録された認識結果地番が表示される。未認識リストボックス53には、「未認識リスト」に登録された地番が表示される。各リストの認識結果地番は昇順に表示される。
【0048】
大画像表示領域54には、自動認識処理の対象となった地図画面が表示される。地図画像上の地番は、図示のように、数種類の色の矩形によって囲まれて表示される。この矩形の色及び線幅によって、各リストに格納されている認識結果地番に関する情報が得られる。本実施例では、一意・確定リストボックス51に登録されている認識結果地番を示す矩形は「緑」、重複・曖昧リストボックス52に登録されている認識結果地番を示す矩形は「赤」、未認識リストボックス53に登録されている未認識地番を示す矩形は「茶」で表示される。また、一意・確定リストボックス51又は重複・曖昧リストボックス52において選択されている認識結果地番を示す矩形は他の認識結果地番よりも太い線幅で表示される。
【0049】
小画像表示領域55には、一意・確定リストボックス51又は重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番付近の地図画像が切出されて表示される。未認識リストボックス53の地番が選択されている場合には、小画像表示領域55には何も表示されない。
【0050】
地番文字コード表示領域56には、各リストボックスにて選択されている認識結果地番の文字コードが表示される。この文字コードは、オペレータによるキーボードからの入力も可能であり、また、キーボードによって文字コードを修正することも可能である。このように本実施例では、地番文字コード表示領域56にフォーカス(カーソル又はポイント)を移動させなくても文字の入力を実行することができるため、フォーカス移動のステップを省略することができる。
【0051】
更に、オペレータが地番文字コード表示領域56に文字コードの入力を開始すると、地番文字コード表示領域56に表示されていた文字コードが自動的にクリアされる。したがって、文字コード削除のステップを省略することができる。
【0052】
本例では、小画像表示領域55と地番文字コード表示領域56が並べて配置されるため、両者を対照するときオペレータの視線の移動量が小さい。小画像表示領域55に表示される文字画像の大きさは、地番文字コード表示領域56に表示される文字コードの大きさと略同一である。従がって、オペレータは、両者の対照を容易に実行することができる。このため、オペレータの疲労が軽減され、処理速度の向上を図ることができる。
【0053】
大画面表示領域切替メッシュ57は、特開平7−249113号公報に記載されている例のように、全画像領域をメッシュに分割し、メッシュの1区画を選択すると、選択された区画に相当する画像が大画像表示領域54に表示される。更に本実施例においては、一意・確定リストボックス51に登録された認識結果地番を含む区画を塗り潰し表示することができる。
【0054】
確定結果網掛けチェックボタン571は、一意・確定リストボックス51に登録されている確定地番を示す矩形が網掛け表示されるか否かを指定する。本実施例では、ONであれば網掛け表示をし、OFFであれば網掛け表示を解除する。指定領域内外認識結果削除チェックボタン572は、オペレータが、大画像表示領域54において明らかに認識結果地番ではないと思われる部分を見つけ出したとき、それを削除する場合に使用する。当該削除チェックボタン572は指定した領域の内側が削除されるのか、外側が削除されるのかを指定する。本実施例では、ONであれば指定領域の内側が削除され、OFFであれば指定領域の外側が削除される。
【0055】
確定結果スキップチェックボタン573は、一意・確定リストボックス51の認識結果地番をマウスクリック以外で選択切替を実行するとき、一意・確定リストボックス51の確定フラグが付いている認識結果地番が選択されないようにするか否かを指定する。本実施例では、ONであれば選択されず、OFFであれば選択される。
【0056】
大画面表示領域切替チェックボタン574は、一意・確定リストボックス51又は重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番が変更される毎に、大画像表示領域54の表示を変更された地番が表示されるように切り替えるか否かを指定する。本実施例では、ONであれば表示が切り替わり、OFFであれば表示が切り替わらない。
【0057】
大画面表示領域表示ボタン575は、一意・確定リストボックス51又は重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番を大画像表示領域54の中心位置に表示する。
チェックボタン576は、大画面表示領域切替メッシュ57によって選択されたメッシュの区画に対してマーキングを実行する。クリアボタン577は、チェックボタン576によって実行されたマーキングを全てクリアする。最後に、終了ボタン578は、認識結果の確認処理S3を終了する。
【0058】
図9を参照して、図2の認識結果の確認処理S3の処理手順を説明する。認識結果の確認処理S3は、演算処理装置11の認識結果の確認処理部113によって実行される。まず、ステップS30にて、オペレータは、図8の認識結果確認画面にて、明らかに地番でない文字、記号等が地番であると誤認識されていると判断したとき、当該認識結果地番を大画面表示領域より削除する。即ち、大画面表示領域の地番部分を囲っている矩形が削除される。さらに、当該認識結果地番が登録されている「一意・曖昧リストボックス」または「重複・曖昧リストボックス」より削除される。緯度及び経度、縮尺を表す数字、地図記号等は地番であると誤認識される可能性がある。特に、線、記号、文字、数字等が密集している領域では、地番の誤認識が発生する可能性が高い。誤認識部分の削除は、前述の指定領域内外認識結果削除チェックボタン572を使用して実行する。
【0059】
次に、ステップS31にて、重複・曖昧地番の確認処理を実行する。オペレータが重複・曖昧リストボックス52にフォーカスを移すことによって処理が開始される。ステップS31の詳細は、後に、図10を参照して説明する。
次に、ステップS32にて、一意・確定地番の確認処理を実行する。オペレータが一意・確定リストボックス51にフォーカスを移すことによって処理が開始される。本実施例では、重複・曖昧地番の確認処理S31の処理が全て終わると、自動的にフォーカスが一意・確定リストボックス51に移る。ステップS32の詳細は、後に、図11を参照して説明する。
【0060】
次に、ステップS33にて、未認識地番の確認処理を実行する。オペレータが未認識リストボックス53にフォーカスを移すことによって処理が開始される。本実施例では、一意・確定地番の確認処理S32の処理が全て終わると、自動的にフォーカスが未認識リストボックス53に移る。ステップS33の詳細は、後に、図12を参照して説明する。
【0061】
3つの確認処理が全て終了すると、最後に、ステップS34にて、認識結果テーブル153の中で状態フラグ317に確定状態を表す「1」が設定されている認識結果レコード31が、ファイルとして出力される。出力されたファイルは、位置情報付き地番データ格納ファイル164に格納される。後に説明するが、本例では、位置情報付き地番データ格納ファイル164に格納されるのは、認識結果地番311と基準点312のみである。
【0062】
本実施例では、確定した認識結果地番のみをファイルとして出力したが、最後まで未認識だった地番、重複した認識結果地番、確定率等の付随情報をログ情報としてファイル出力することも可能である。確定率とは、認識結果確定処理で確定となった地番と地番データとが一致する割合のことである。
【0063】
図10を参照して、図9の重複・曖昧地番の確認処理S31を詳細に説明する。先ず、ステップS3100にて、重複・曖昧リストボックス52に認識結果地番が存在するか否かが判定される。認識結果地番が存在しない場合には重複・曖昧地番の確認処理S31を終了する。認識結果地番が存在する場合には、自動的に重複・曖昧リストボックス52における次の認識結果地番に選択状態が移り、ステップS3101に進む。
【0064】
ステップS3101にて、メモリ15の認識結果テーブル153から重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番311を含む認識結果レコード31が読み出され、基準点312、幅313、高さ314、角度315が読み出される。選択されている認識結果地番が中心位置に配置されるように切出し画像が小画像表示領域55に表示され、認識結果地番の文字コードが地番文字コード表示領域56に表示される。
【0065】
本実施例では、図8の大画面表示領域切替チェックボタン574がOFFである。従がって、重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番が変更されたとき、大画像表示領域54の画像は切り替わらずに、小画像表示領域55及び地番文字コード表示領域56の画像及び表示のみが自動的に切り替わる。大画面表示領域切替チェックボタン574がONであれば、選択されている認識結果地番が変更されたとき、大画像表示領域54の画像も自動的に切り替わる。また、大画面表示領域切替チェックボタン574がOFFであっても、オペレータが大画面表示領域表示ボタン575をクリックすれば、大画像表示領域54の画像を意図的に切り替えることができる。
【0066】
ステップS3102にて、オペレータは、小画像表示領域55に表示されている切出し画像が地番であるか否かを判定する。地図記号や緯度/経度を表す数字などを誤認識したもので地番とは異なる場合には、ステップS3111に進む。ステップS3111にて、オペレータは削除キーを押下し、重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番を削除する。更に、認識結果テーブル153が更新される、即ち、削除された認識結果地番の状態フラグ317には破棄状態を表す2が設定される。ステップS3111の処理が終了すると、ステップS3100に戻る。
一方、ステップS3102にて、オペレータが、小画像表示領域55に表示されている切出し画像が地番であると判定すると、ステップS3103に進む。
【0067】
ステップS3103にて、オペレータは、小画像表示領域55に表示されている切出し画像の地番と地番文字コード表示領域56に表示されている文字コードとを比較する。両者が同一であれば、ステップS3104に進む。両者が異なれば、オペレータは、ステップS3112にて、地番文字コード表示領域56に表示されている文字コードを小画像表示領域55に表示されている切出し画像の地番に一致するよう修正する。
ステップS3104にて、オペレータは両者が一致したことを確認し、確定処理のためにリターンキーを押下する。
【0068】
次に、ステップS3105にて、重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番と同一の地番が既に一意・確定リストボックス51に存在するか否かが判定される。これは、ステップS3112にて、地番文字コード表示領域56の文字コードを修正した場合、一意・確定リストボックス51には認識結果地番が重複して存在する可能性があるためである。ステップS3105にて、同一地番が既に存在する場合には、ステップS3106に進み、一意・確定リストボックス51に存在する同一地番の状態フラグ317に確定状態を表す「1」が設定されているか否かが判定される。
【0069】
同一地番の状態フラグ317に「1」が設定されている場合には、ステップS3107に進み、大画像表示領域54に当該一意・確定リストボックス51に存在する同一地番が表示される。更に、一意・確定リストボックス51にすでに同一地番の確定地番が存在するが、重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番を確定地番として一意・確定リストボックス51へ登録するか否かを問うメッセージボックスが表示される。当該メッセージボックスにはメッセージのほかにOKボタンとキャンセルボタンがついている。
【0070】
ステップS3108にて、オペレータは、大画像表示領域54に表示されている同一地番を確認し、重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番を一意・確定リストボックス51へ登録する場合には、OKボタンをクリックし、登録しない場合にはキャンセルボタンをクリックする。OKボタンをクリックすると、ステップS3109に進む。キャンセルボタンをクリックすると、ステップS3102に戻る。
【0071】
ステップS3106にて、一意・確定リストボックス51に存在する同一地番の状態フラグに確定状態を表す「1」が設定されていない場合には、ステップS3113に進み、一意・確定リストボックス51に存在する同一地番は削除され、重複・曖昧リストボックス52へ登録される。
【0072】
最後に、ステップS3109にて、重複・曖昧リストボックス52にて選択されている認識結果地番が削除され、一意・確定リストボックス51へ登録される。ステップS3110にて、一意・確定リストボックス51へ登録された当該認識結果地番の状態フラグには確定状態を表す「1」が設定される。
【0073】
また一意・確定リストボックス51にて、確定状態となった認識結果地番の横に○マークが付き、大画像表示領域54の当該認識結果地番を囲む矩形が確定状態を表す色に変わる。この直後に、重複・曖昧リストボックス52における次の認識結果地番が自動的に選択状態となり、表示等が変更される。
【0074】
上述のように、ステップS3111の削除処理はオペレータによる削除キーの押下によって実行される。また、ステップS3104の確定処理はオペレータによるリターンキーの押下によって実行される。こうして、キーを使用し、マウスの使用を回避することによって、処理時間の短縮を図ることができる。
【0075】
本実施例では、重複・曖昧地番の確認処理S31は、ステップS3100を経由することによって、重複・曖昧リストボックス52から全ての認識結果地番がなくなるまで続けられるが、マウス等によってフォーカスを画面の他の位置に移すことも、途中で本処理を中断することも可能である。
【0076】
図11を参照して図9の一意・確定地番の確認処理S32を詳細に説明する。先ず、ステップS3200にて、一意・確定リストボックス51に認識結果地番が存在するか否かが判定される。認識結果地番が存在しない場合には、一意・確定地番の確認処理S32を終了する。認識結果地番が存在する場合には、自動的に一意・確定リストボックス51における次の認識結果地番に選択状態が移り、ステップS3201に進む。
【0077】
一意・確定リストボックス51の認識結果地番には、上述の重複・曖昧地番の確認処理S31にて確認され、既に確定地番となっているものが含まれる。従がって、本例の一意・確定地番の確認処理S32において、一意・確定リストボックス51に登録されている確定地番を再度ディスプレイに表示すると、操作の繰り返しとなり無駄である。そのため本実施例では、図8の確定結果スキップチェックボタン573をONにし、確定地番に対して本例の一意・確定地番の確認処理S32が実行されないようにする。
【0078】
ステップS3201にて、一意・確定リストボックス51にて選択されている認識結果地番の状態フラグが1であるか否かが判定される。選択されている認識結果地番の状態フラグが1であればそれは確定地番であり、ステップS3200に戻る。
【0079】
選択されている認識結果地番の状態フラグが1でなければそれは確定地番でないから、ステップS3202に進み、重複・曖昧地番の確認処理S31の場合と同様に、一意・確定リストボックス51にて選択されている認識結果地番が中心位置に配置されるように切出し画像が小画像表示領域55に表示され、認識結果地番の文字コードが地番文字コード表示領域56に表示される。
【0080】
ステップS3203にて、オペレータは、小画像表示領域55に表示されている切出し画像が地番であるか否かを判定する。地図記号や緯度/経度を表す数字などを誤認識したもので地番とは異なる場合にはステップS3214に進む。ステップS3214にて、オペレータは削除キーを押下し、一意・確定リストボックス51にて選択されている認識結果地番を削除する。それによって、一意・確定リストボックス51にて、削除された当該認識結果地番に×マークが表示される。更に、認識結果テーブル153が更新される、即ち、削除された認識結果地番の状態フラグ317には破棄状態を表す2が設定される。
【0081】
ステップS3215にて、地番文字コード表示領域56に表示されている認識結果地番の文字コードと同一の地番が一意・確定リストボックス51に存在するか否かが判定される。同一の地番が存在しない場合には、ステップS3216にて、地番文字コード表示領域56に表示されている認識結果地番の文字コードと同一の地番が重複・曖昧リストボックス52に存在するか否かが判定される。存在しない場合には、ステップS3217にて、地番文字コード表示領域56に表示されている認識結果地番が未認識リストボックス53に登録される。また、大画像表示領域54上の当該地番を示す矩形の表示が削除される。ステップS3217の処理が終了すると、ステップS3200に戻る。
【0082】
また、ステップS3215又はステップS3216にて、地番文字コード表示領域56に表示されている認識結果地番の文字コードと同一の地番が一意・確定リストボックス51又は重複・曖昧リストボックス52に存在する場合には、ステップS3200に戻る。
一方、ステップS3203にて、オペレータが、小画像表示領域55に表示されている切出し画像が地番であると判定すると、ステップS3204に進む。
【0083】
ステップS3204にて、オペレータは、小画像表示領域55に表示されている切出し画像の地番と地番文字コード表示領域56に表示されている文字コードとを比較する。両者が同一であればステップS3205に進む。両者が異なれば、オペレータは、ステップS3212にて、地番文字コード表示領域56に表示されている文字コードを小画像表示領域55に表示されている切出し画像の地番に一致するように修正する。
ステップS3205にて、オペレータは両者が一致したことを確認し、確定処理のためにリターンキーを押下する。
【0084】
次に、ステップS3206にて、一意・確定リストボックス51にて選択されている認識結果地番と同一の地番が既に一意・確定リストボックス51に存在するか否かが判定される。これは、ステップS3212にて、地番文字コード表示領域56の文字コードを修正した場合、一意・確定リストボックス51には認識結果地番が重複して存在する可能性があるためである。ステップS3206にて、同一地番が既に存在する場合には、ステップS3207に進み、一意・確定リストボックス51に存在する同一地番の状態フラグ317に確定状態を表す「1」が設定されているか否かが判定される。
【0085】
同一地番の状態フラグ317に「1」が設定されている場合には、ステップS3208進み、大画像表示領域54に当該一意・確定リストボックス51に存在する同一地番が表示される。更に、一意・確定リストボックス51にすでに同一地番の確定地番が存在するが、一意・確定リストボックス51にて選択されている認識結果地番を確定地番とするか否かを問うメッセージボックスが表示される。当該メッセージボックスにはメッセージのほかにOKボタンとキャンセルボタンがついている。
【0086】
ステップS3209にて、オペレータは、大画像表示領域54に表示されている同一地番を確認し、一意・確定リストボックス51にて選択されている認識結果地番を一意・確定リストボックス51へ登録する場合には、OKボタンをクリックし、登録をしない場合にはキャンセルボタンをクリックする。OKボタンをクリックすると、ステップS3210に進む。キャンセルボタンをクリックすると、ステップS3203に戻る。
【0087】
ステップS3207にて、一意・確定リストボックス51に存在する同一地番の状態フラグに確定状態を表す「1」が設定されていない場合には、ステップS3213に進み、一意・確定リストボックス51に存在する同一地番は削除され、重複・曖昧リストボックス52へ登録される。
【0088】
次に、ステップS3210にて、一意・確定リストボックス51にて、確定状態となった認識結果地番の横に○マークが付き、大画像表示領域54の当該認識結果地番を囲む矩形が確定状態を表す色に変わる。またステップS3211にて、一意・確定リストボックス51にて選択されている認識結果地番の状態フラグには確定状態を表す「1」が設定される。この直後に、一意・確定リストボックス51における次の認識結果地番が自動的に選択状態となり、表示等が変更される。
【0089】
図12を参照して図9の未認識地番の確認処理S33を詳細に説明する。本例では、未認識地番の確認処理方法は2通りあり、未認識リストボックス53にしたがって順次処理を進めていく方法(以下に「順次法」と言う。)と、大画像表示領域54に表示されている画像から随時未認識地番を探していく方法(以下に「随時法」と言う。)がある。
【0090】
ステップS3300にて、オペレータは順次法か随時法かを選択する。順次法では、先ずステップS3301にて、未認識リストボックス53に未認識地番が存在するか否かが判定される。未認識リストボックス53に未認識地番が存在しない場合には、未認識地番の確認処理S33を終了する。未認識リストボックス53に未認識地番が存在する場合には、ステップS3302に進み、大画像表示領域54にて、未認識リストボックス53にて選択されている未認識地番に最も近い値の確定地番の周辺が表示される。ここでは、地図上の地番は、通常、地番の値が近いものが近辺に存在するという特徴を利用する。
【0091】
ステップS3303にて、オペレータは、未認識リストボックス53にて選択されている未認識地番が大画像表示領域54に存在するか否かを判定する。大画像表示領域54に当該未認識地番が存在する場合には、ステップS3304に進み、オペレータは大画像表示領域54に表示されている当該未認識地番をクリックする。ステップS3305にて、クリックされた位置及び当該未認識地番の文字コード数から、未認識地番の位置情報、即ち、認識結果レコード31の基準点312、幅313、高さ314が求められる。当該未認識地番は未認識リストボックス53から削除され、一意・確定リストボックス51へ確定地番として登録される。また、一意・確定リストボックス51にて、登録された確定地番の横には○マークが付く。
【0092】
最後に、ステップS3306にて、認識結果テーブル153が更新される。即ち、認識結果テーブル153に格納されている当該未認識地番のレコードの基準点312、幅313、高さ314にはステップS3305にて求めた値が設定される。角度315、確かさ316には0が設定される。状態フラグ317には確定状態を表す「1」が設定される。大画像表示領域54上のクリックされた位置には確定状態を表す色の矩形が表示される。矩形の表示は、上述の基準点312、幅313及び高さ314に基づいて求められる。
【0093】
ステップS3306における認識結果テーブル153の更新処理が終了するとステップS3300に戻る。ステップS3303にて、大画像表示領域54にて、選択された未認識地番が存在しない場合には、ステップS3300に戻る。
【0094】
本実施例では、誤入力を防ぐため、Ctrlキーを押しながらクリックした位置を取得する。また、大画面表示領域切替チェックボタン574がONの状態になっているため、大画像表示領域54が自動的に切り替わる。しかし、大画面表示領域切替チェックボタン574をOFFの状態とし、大画面表示領域表示ボタン575を使用することによって大画像表示領域54の表示を変更してもよい。
【0095】
ステップS3300にて、オペレータが随時法を選択すると、先ずステップS3307にて、オペレータは大画像表示領域54に未認識地番が存在するか否かを判定する。未認識地番を見つけ出す方法としては、図8の大画面表示領域切替メッシュ57を使用して、画像全体をメッシュの1区画毎に順次チェックしていき、1区画内からすべての未認識地番を見つけ出したらチェックボタン576にて、確認済みのチェックマークをつけていく方法と、重複・曖昧地番の確認処理S31や一意・確定地番の確認処理S32のような他の作業をしているときに偶然見つける方法などがある。
【0096】
ステップS3307にて、オペレータが、大画像表示領域54にて未認識地番を見つけ出すことができた場合には、ステップS3308に進む。ステップS3308にて、オペレータは、見つけ出した未認識地番の文字コードを地番文字コード表示領域56に入力する。ステップS3309にて、オペレータは、大画像表示領域54上にて見つけ出した未認識地番をクリックする。
【0097】
ステップS3310にて、地番文字コード表示領域56に入力した文字コードと同一の地番が未認識リストボックス53に存在するか否かが判定される。未認識リストボックス53に同一地番が存在する場合には、ステップS3317に進み、未認識リストボックス53からその同一地番が削除される。ステップS3310にて、未認識リストボックス53に同一地番が存在しない場合には、ステップS3311に進み、一意・確定リストボックス51に当該未認識地番と同一の地番が存在するか否かが判定される。一意・確定リストボックス51に同一地番が存在する場合には、ステップS3312に進む。
【0098】
ステップS3312にて、一意・確定リストボックス51の同一地番の状態フラグに確定状態を表す「1」が設定されているか否かが判定される。確定フラグ「1」が設定されている場合には、ステップS3313にて、大画像表示領域54に同一地番が表示される。
【0099】
ステップS3314にて、当該未認識地番を確定地番として一意・確定リストボックス51へ登録するか否かを問うメッセージボックスが表示される。当該メッセージボックスにはメッセージのほかにOKボタンとキャンセルボタンがついている。オペレータは、同一地番を大画像表示領域54にて確認し、当該未認識地番を一意・確定リストボックス51へ登録する場合にはOKボタンをクリックし、登録しない場合にはキャンセルボタンをクリックする。オペレータがOKボタンをクリックした場合には次のステップS3315に進み、キャンセルボタンをクリックした場合にはステップS3307に戻る。
【0100】
ステップS3312にて、一意・確定リストボックス51の同一地番の状態フラグに確定状態を表す「1」が設定されていない場合、ステップS3318にて、当該同一地番は一意・確定リストボックス51から削除され、重複・曖昧リストボックス52へ登録される。
【0101】
ステップS3315にて、地番文字コード表示領域56に入力された文字コードと同一の未認識地番が一意・確定リストボックス51へ登録される。
ステップS3316にて、認識結果テーブルが更新される。当該未認識地番の状態フラグには確定状態を表す「1」が設定される。大画像表示領域54にてクリックされた位置及び当該未認識地番の文字コード数から、当該未認識地番の位置情報、即ち、認識結果レコード31の基準点312、幅313、高さ314が求められる。当該未認識地番とその基準点312、幅313、高さ314は認識結果テーブルに格納される。また、角度315、確かさ316には0が設定される。更に一意・確定リストボックス51では、確定状態となった認識結果地番の横に○マークが付き、大画像表示領域54の当該認識結果地番を囲む矩形が確定状態を表す色で新しく表示される。
【0102】
未認識地番の確認処理S33を実行する際に、確定結果網掛けチェックボタン571をONにし、確定地番を示す矩形を網掛け表示してもよい。それによって、オペレータは、大画像表示領域54にて未認識地番の確認処理S33の実行に不要な認識結果地番を見ることがない。従がって、未認識地番を大画像表示領域54の画像から探し出す操作が軽減される。
【0103】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内にて様々な変更が可能であることは当業者に理解されよう。
【0104】
【発明の効果】
本発明によれば、オペレータは簡単な操作によって認識結果地番の確認作業を実行することができる効果がある。
本発明によれば、オペレータはディスプレイに表示された1つの画面にて認識結果地番の確認を順次行うことができる効果がある。
本発明によれば、多数の認識結果地番を無駄が無く重複作業がなく効率的に実行することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による認識結果の対話的確認支援システムの構成例を示す図である。
【図2】本発明の認識結果の対話的確認処理の実施形態の手順を示す流れ図である。
【図3】本発明による地番データテーブルの内容を説明するための説明図である。
【図4】本発明による認識結果テーブルの内容を説明するための説明図である。
【図5】本発明によるリストインデクステーブルの内容を説明するための説明図である。
【図6】本発明による自動認識処理の処理手順を説明するための流れ図である。
【図7】本発明によるデータマッチング処理の処理手順の概要を説明するための流れ図である。
【図8】本発明による認識結果の確認処理において、ディスプレイに表示された認識結果確認画面の例を示す図である。
【図9】本発明による認識結果の確認処理の処理手順の概要を説明するための流れ図である。
【図10】本発明による認識結果の確認処理に含まれる重複・曖昧地番の確認処理の処理手順の概要を説明するための流れ図である。
【図11】本発明による認識結果の確認処理に含まれる一意・確定地番の確認処理の処理手順の概要を説明するための流れ図である。
【図12】未本発明による認識結果の確認処理に含まれる未認識地番の確認処理の処理手順の概要を説明するための流れ図である。
【符号の説明】
11…演算処理装置、111…自動認識処理部、112…データマッチング処理部、113…認識結果の確認処理部、114…表示処理部、12…ディスプレイ、13…キーボード、14…マウス、15…メモリ、151…画像データ記憶部、152…地番データテーブル、153…認識結果テーブル、154…リストインデクステーブル、16…ハードディスク、161…画像データ格納ファイル、162…地番データ格納ファイル、163…認識結果格納ファイル、164…位置情報付き地番データ格納ファイル、21…地番データレコード、211…地番、212…マッチフラグ、31…認識結果レコード、311…認識結果地番、312…基準点、313…幅、314…高さ、315…角度、316…確かさ、317…状態フラグ、41…インデクスレコード、411…地番、412…インデクス、51…一意・確定リストボックス、52…重複・曖昧リストボックス、53…未認識リストボックス、54…大画像表示領域、55…小画像表示領域、56…地番文字コード表示領域、57…大画面表示領域表示切替メッシュ、571…確定結果網掛けチェックボタン、572…指定領域内外認識結果削除チェックボタン、573…確定結果スキップチェックボタン、574…大画面表示領域切替チェックボタン、575…大画面表示領域表示ボタン、576…チェックボタン、577…クリアボタン、578…終了ボタン、S1…自動認識処理、S2…データマッチング処理、S3…認識結果の確認処理、
Claims (6)
- 地図画像データより地番を読み取ってコード化データとして認識結果地番を得るための自動認識処理部と、該自動認識処理部によって得られた認識結果地番の文字コードと上記地番の文字コードとを比較して上記認識結果地番及び上記地番の文字コードを3つのリストに分類するためのデータマッチング処理部と、該データマッチング処理部によって分類された3つのリスト毎に上記認識結果地番の文字コードを上記地図画像データとを比較し確認するための認識結果の確認処理部と、上記認識結果の確認処理部における処理中に認識結果確認画面を表示するための表示装置と、オペレータが入力操作を行うための入力装置と、を有し、
上記3つのリストは、認識結果地番の文字コードと同一の地番が地番データ中に存在する場合には、その認識結果地番を登録するための「一意・確定リスト」と、認識結果地番の文字コードと同一の地番が地番データ中に存在するが既に上記一意・確定リストに登録されている場合及び認識結果地番の文字コードと同一の地番が地番データ中に存在しない場合に、その認識結果地番を登録するための「重複・曖昧リスト」と、地番データ中に、認識結果地番に含まれない地番が存在するときには、その地番を登録するための「未認識リスト」とを含み、
上記認識結果確認画面は上記認識結果地番を含む地図画像データを表示するための大画像表示領域と上記認識結果地番を含む小さな領域を切り取って表示する小画像表示領域と上記認識結果地番の文字コードを表示するための文字コード表示領域とを有し、上記大画像表示領域、上記小画像表示領域及び上記文字コード表示領域は上記認識結果確認画面内にて同時に且つ異なる位置に配置されることを特徴とする認識結果の確認支援装置。 - 上記認識結果確認画面は上記3つのリストを表示するための3つのリストボックスを含み、各リストボックスには上記データマッチング処理部によって分類された認識結果地番及び上記地番の文字コードが登録され、オペレータは上記入力装置によって上記リストボックスから1つの認識結果地番を選択することができるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の認識結果の確認支援装置。
- 上記大画像表示領域にて表示された認識結果地番は矩形によって囲まれ、該矩形の色及び線幅は認識結果地番の情報を表示していることを特徴とする請求項1記載の認識結果の確認支援装置。
- 上記自動認識処理部は地図画像データより地番を読み取って認識結果地番として、認識結果地番の文字コード、認識結果地番の位置、認識結果地番を囲む矩形の寸法、傾斜角度、認識結果の確かさを含む認識結果情報を得ることを特徴とする請求項1記載の認識結果の確認支援装置。
- 地図画像データより地番を読み取ってコード化データとして認識結果地番を得るための自動認識処理ステップと、該自動認識処理ステップによって得られた認識結果地番の文字コードと上記地番の文字コードとを比較して上記認識結果地番を3つのリストに分類するためのデータマッチング処理ステップと、該データマッチング処理ステップによって分類された3つのリスト毎に上記認識結果地番の文字コードを上記地図画像データと比較し確認するための認識結果の確認処理ステップと、上記認識結果地番を含む地図画像を大画像表示領域に表示するための大画像表示ステップと、上記認識結果地番を含む小さな領域を切り取って小画像表示領域に表示するための小画像表示ステップと、上記認識結果地番の文字コードを文字コード表示領域に表示するための文字コード表示ステップと、を含み、
上記3つのリストは、認識結果地番の文字コードと同一の地番が地番データ中に存在する場合には、その認識結果地番を登録するための「一意・確定リスト」と、認識結果地番の文字コードと同一の地番が地番データ中に存在するが既に上記一意・確定リストに登録 されている場合及び認識結果地番の文字コードと同一の地番が地番データ中に存在しない場合に、その認識結果地番を登録するための「重複・曖昧リスト」と、地番データ中に、認識結果地番に含まれない地番が存在するときには、その地番を登録するための「未認識リスト」とを含み、
上記大画像表示領域、上記小画像表示領域及び上記文字コード表示領域は上記認識結果確認画面内にて同時に且つ異なる位置に配置されることを特徴とする認識結果の対話的確認支援方法。 - 請求項5記載の各ステップをコンピュータによって実行するためのプログラム。
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