JP4017279B2 - 2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、2ピースブームを含む多関節型フロント作業装置を備えた2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
2ピースブームを含む多関節型フロント作業装置を備えた2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置の従来例としては、例えば特開平10−37232号公報が挙げられる。この特開平10−37232号公報に記載されている技術は、第1ブームと第2ブームから成る2ピースブームのうち第2ブームを上下方向に回動させるスイッチを操作レバーに配設し、この操作レバーのスイッチのオン、オフにより第2ブームを一定に定めた速度により駆動するようにしたものである。そしてこの第2ブーム操作動作制御装置は、上記回動速度を調整する速度調整手段を有しているが、この速度調整手段は、第2ブームの駆動アクチュエータ制御弁を比例電磁弁とし、比例電磁弁を動作する電気回路に可変抵抗器を設けることによって構成したり、あるいはアクチュエータ制御弁のパイロット操作回路に電磁比例減圧弁を設け、この減圧弁の電気動作を可変抵抗器によって切換えるようにして構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記従来技術のものは、第2ブームの動作開始から動作停止までの速度が一定で、このために、早い動きまたは遅い動きが動作開始から動作停止の間にわたって続き、迅速な動きから慎重な動き、あるいは、その逆の動きが動作開始から動作停止の間にわたって得られないものである。
【0004】
すなわち図5に示すように管工事等による掘削作業では、掘削した両側の面が崩れてこないように、矢板、腹起し、切梁A等を用いて土留めを行う必要があるが、このような工事において第2ブームの駆動速度が早すぎると、バケット6、アーム5等が切梁Aに接触し、切梁Aを壊したり、あるいはバケット6等の作業機を破損する恐れが生じるのである。このようなことは掘削作業時だけではなく、掘削後に砂をまいたり、資材を搬入する場合にも同様に生じる。
【0005】
この発明は上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、第2ブームの動作速度を2ピースブーム構成機構の動態位置に応じて制御でき、そのため第2ブームの操作性を改善することが可能であり、上記のような接触事故等の危険性を確実に回避しながらも、作業効率を向上させることが可能な2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び効果】
そこで請求項1の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置は、上部旋回体1に対して、第1ブーム3と第2ブーム4を関節結合し、さらに上記第2ブーム4の先端側に、バケット等の作業機6を装備したアーム5を関節結合して成る多関節型フロント作業装置2を取り付け、多関節型フロント作業装置及び上部旋回体1を操作する操作レバー16、18のいずれか一方側の操作レバーに第2ブーム4の上げ動作と下げ動作を指令する上げ動作スイッチ23と下げ動作スイッチ24とを設けると共に、上記上げ動作スイッチ23又は下げ動作スイッチ24が起動されたときに、2ピースブーム構成機構の動態位置に応じて、第2ブーム4の上下動作速度を漸増と漸減にする動作速度を含む動作速度制御手段を介して操作されるようにし、また、上記第2ブーム4の動作速度制御手段の漸増と漸減とは、上記2ピースブーム機構のアーム5先端が対地 GL を境にした上方向の設定高さと下方向の設定深さとの上下範囲ΔH内に位置する動態のときに、第2ブーム上げ動作をすると漸増増速、第2ブーム下げ動作をすると漸減減速となるようにし、さらに、上記第2ブーム4の動作速度制御手段の漸増と漸減とは、対地 GL を境にした下方向の設定深さ範囲を超えて2ピースブーム機構のアーム5先端が位置する動態のときには、第2ブーム4の起伏動作を上記漸減速度以下の一定の低速度で動く動作速度とし、対地 GL を境にした上方向の設定高さ範囲を超えて2ピースブーム機構のアーム5先端が位置する動態のときには、第2ブーム4の起伏動作を上記漸増速度以上の一定の高速度で動く動作速度とした速度範囲を含むことを特徴としている。
【0007】
上記請求項1の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置によれば、第2ブーム4の動作速度を2ピースブーム構成機構の動態位置に応じて制御でき、そのため第2ブーム4の操作性を改善することが可能である。従って、管工事のような掘削作業においても従来のような切梁Aとバケット等の作業機6との接触事故等の危険性を確実に回避することが可能となる。また、第2ブーム4を動作して作業機を地下掘削移動するときに狭隘な場所での作業の場合は慎重に移動できて、障害物との干渉を避けることができ、作業機を地上移動するときには迅速な速度で移動できて作業効率を向上させることができる。
【0009】
また、上記装置によれば、アーム5先端の対地GLを境にして上下方向の高さと深さの設定範囲ΔHにわたって第2ブーム4の上げ/下げの動作速度を徐々に速め又は遅くして動作できる。すなわち、第2ブーム下げのときには第2ブーム4の下げ速度を次第に遅くなるようにして地下構築物との干渉を避けるための慎重なバケット等の作業機6の移動操作が得られる。また第2ブーム上げのときには第2ブーム4の上げ速度が次第に速くなるようにして速い作業機6の移動操作が得られ、位置に応じて連続的に速度変化する第2ブーム4の動作速度調整ができて、安全作業と作業効率の向上を期することが可能となる。
【0011】
さらに、上記装置によれば、慎重な作業機移動と速い作業機移動の連続的な可変移動を速度調整を加えることなく自動的に得られて、操作性を向上することが可能となる。
【0012】
請求項2の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置は、上記第2ブーム4の動作速度制御手段は、2ピースブーム機構の第1ブーム3、第2ブーム4、アーム5に備えた角度センサ41、41、43による角度検出信号からアーム5先端における上下方向の高さ位置Hを検出する検出手段と、高さ位置Hに応じた第2ブーム上げと第2ブーム下げの動作速度を定めた速度テーブルと、速度テーブルのデータを電流値に変えて出力する出力手段とから成るコントローラ31を有し、第2ブーム動作アクチュエータ制御弁34の作動パイロット圧流体を制御し、第2ブーム動作アクチュエータ制御弁34のアクチュエータ作動流体通過の開口面積を変える第2ブーム上げと第2ブーム下げの電磁比例減圧弁35、36を、上記出力電流値に応答して作動するようにしたことを特徴としている。
【0013】
上記請求項2の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置によれば、比較的簡素な構造でもって、応答性に優れると共に、確実な速度制御を行うことが可能である。
【0014】
また請求項3の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置は、上部旋回体1に対して、第1ブーム3と第2ブーム4を関節結合し、さらに上記第2ブーム4の先端側に、バケット等の作業機6を装備したアーム5を関節結合して成る多関節型フロント作業装置2を取り付け、多関節型フロント作業装置及び上部旋回体1を操作する操作レバー16、18のいずれか一方側の操作レバーに第2ブーム4の上げ動作と下げ動作を指令する上げ動作スイッチ23と下げ動作スイッチ24とを設けると共に、上記上げ動作スイッチ23又は下げ動作スイッチ24が起動されたときに、2ピースブーム構成機構の動態位置に応じて、第2ブーム4の上下動作速度を漸増と漸減にする動作速度を含む動作速度制御手段を介して操作されるようにし、また、上記第2ブーム4の動作速度制御手段の漸増と漸減とは、2ピースブーム機構の第1ブーム3の対地角度αが対地に接近した設定対地角度範囲内に位置する動態のときに、第1ブーム3の対地角度αが小さくなっていくときには第2ブーム4の動作速度が漸減減速し、第1ブーム3の対地角度αが大きくなっていくときには第2ブーム4の動作速度が漸増増速するようにしていることを特徴としている。
【0015】
上記請求項3の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置によれば、第2ブーム4の動作速度を2ピースブーム構成機構の動態位置に応じて制御でき、そのため第2ブーム4の操作性を改善することが可能である。従って、管工事のような掘削作業においても従来のような切梁Aとバケット等の作業機6との接触事故等の危険性を確実に回避することが可能となる。また、第2ブーム4を動作して作業機を地下掘削移動するときに狭隘な場所での作業の場合は慎重に移動できて、障害物との干渉を避けることができ、作業機を地上移動するときには迅速な速度で移動できて作業効率を向上させることができる。しかも、第1ブーム3の対地角度αに対応して第2ブーム4の上げ/下げの動作速度を徐々に速め又は遅くして動作できる。例えば、第1ブーム3の対地角度αを小さくして、作業機6を地表から地下へ移行するときの第2ブーム4の下げ速度を遅くなるようにして地下構築物との干渉を避けるための慎重な作業機6の移動操作が得られる。また第1ブーム3の対地角度αを大きくして、作業機6を地下から地表へ移行するときの第2ブーム4の上げ速度が速くなるようにして速い作業機6の移動操作が得られ、位置に応じて連続的に速度変化する第2ブーム4の動作速度調整ができて、安全作業と作業効率の向上を期することが可能となる。
【0016】
請求項4の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置は、上記第2ブーム4の動作速度制御手段の漸増と漸減とは、2ピースブーム機構の第1ブーム3の対地角度αが設定対地角度範囲を下回る対地角度範囲に位置する動態のときには、第2ブーム起伏動作を上記漸減速度以下の一定の低速度で動く動作速度とし、2ピースブーム機構の第1ブーム3の対地角度αが設定対地角度範囲を上回る以上を超えた対地角度範囲に位置する動態のときには、第2ブーム起伏動作を上記漸増速度以上の一定の高速度で動く動作速度としたことを特徴としている。
【0017】
上記請求項4の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置によれば、慎重な作業機移動と速い作業機移動の連続的な可変移動を速度調整を加えることなく自動的に得られて、操作性を向上することが可能となる。
【0018】
請求項5の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置は、上記第2ブーム4の動作速度制御手段は、2ピースブーム機構の第1ブーム3に備えた角度センサ41による角度検出信号から第1ブーム3の対地角度αを検出する検出手段と、第1ブーム3の対地角度αに応じた第2ブーム上げと第2ブーム下げの動作速度を定めた速度テーブルと、速度テーブルのデータを電流値に変えて出力する出力手段とから成るコントローラ31を有し、第2ブーム動作アクチュエータ制御弁34の作動パイロット圧流体を制御し、第2ブーム動作アクチュエータ制御弁34のアクチュエータ作動流体通過の開口面積を変える第2ブーム上げと第2ブーム下げの電磁比例減圧弁35、36を、上記出力電流値に応答して作動するようにしたことを特徴としている。
【0019】
上記請求項5の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置によれば、比較的簡素な構造でもって、応答性に優れると共に、確実な速度制御を行うことが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図5は上部旋回体1に対して多関節型フロント作業装置2を備えた建設車両の構成図を示している。このフロント作業装置2は、基部が上部旋回体1に回動可能に連結されている第1ブーム3と、この第1ブーム3の先端に回動可能に連結されている第2ブーム4と、この第2ブーム4の先端に回動可能に連結されているアーム5と、このアーム5の先端に回動可能に連結されているバケット6等で構成されている。なおバケット6は作業機の一例を示すものであって、バケット6以外の作業機を用いる場合もある。また、第1ブームシリンダ10により第1ブーム3が起伏制御されるようになっており、第2ブーム4の基部側と第1ブーム3との間に第2ブームシリンダ11が設けられていて、この第2ブームシリンダ11により第2ブーム4が上げ/下げの起伏制御がされる。また、アームシリンダ12によりアーム5が回動制御され、バケットシリンダ13によりバケット6が回動制御されるようになっている。
【0021】
図5に示すキャブ15内には図2に示すような2本の操作レバーが設けられている。この場合、右側を第1操作レバー16とし、左側を第2操作レバー18とする。第1操作レバー16の握り部17を持って左右方向、前後方向に操作することで、バケット6をクラウドしたり、ダンプしたりでき、また第1ブーム3の上げ/下げを行なうことができるようになっている。また、第2操作レバー18を左右方向、前後方向に操作することで、アーム5をクラウドしたり、ダンプしたりでき、また上部旋回体1を左右に旋回できるようになっている。
【0022】
第1操作レバー16の握りブーム17の上端面には、ホーンスイッチ22、第2ブーム上げスイッチ(上げ動作スイッチ)23及び第2ブーム下げスイッチ(下げ動作スイッチ)24が設けられている。この第2ブーム上げスイッチ23を押操作することで第2ブーム4を上げる方向に駆動することができ、第2ブーム下げスイッチ24を押操作することで第2ブーム4を下げる方向に駆動することができる。また、第2操作レバー18の握り部19の上端面には、バケット6を振動させるためのバケット振動スイッチ26、ワンタッチデセルスイッチ27が設けられている。
【0023】
図1は本発明に関係したブロック図を示し、全体の制御を行なうコントローラ31には、第2ブーム4の上げ/下げの速度を予め記憶させておく速度テーブル(A、B)が設けられている。また上記コントローラ31には、第2ブーム上げスイッチ23と第2ブーム下げスイッチ24からの第2ブーム上げ信号と第2ブーム下げ信号とが入力される。さらに上記コントローラ31には、第1ブーム角度センサ41、第2ブーム角度センサ42、アーム角度センサ43からそれぞれ第1ブーム対地角α検出信号、第2ブーム起伏角β検出信号、アーム起伏角γ検出信号が入力されている。上記第1ブーム対地角αは、第1ブーム3が対地となす角度(車体水平面となす角度)、上記第2ブーム起伏角βは第2ブーム4が第1ブーム3となす角度、上記アーム起伏角γはアーム5が第2ブーム4となす角度のことである(図3(c)参照)。そしてコントローラ31において、上記各角度α、β、γと第1ブーム3、第2ブーム4、アーム5の各長さから、アーム5の先端と対地高さ位置Hを演算、把握し、上記速度テーブル(A、B)から上記対地高さ位置Hに応じた速度電気信号を出力する。
【0024】
さらに図1において、第2ブーム4の上げ方向または下げ方向の回動速度は、第2ブームシリンダ11を伸縮駆動する圧力流体流れの制御をする流量比例切換弁(第2ブーム動作アクチュエータ制御弁)34の開口面積によって決まり、流量比例切換弁34の開口面積は、比例電磁減圧弁35、36を通じて流量比例切換弁34に開口動作を加えるパイロット流体圧力の大きさにて制御され、パイロット流体圧力の大きさは、比例電磁減圧弁35、36に加える前記速度テーブルからの速度電気信号によって指令された電磁力に比例するパイロット流体圧力制御によって決まる。速度テーブルは、第2ブーム上げ操作スイッチ23からの操作指令によるA電流出力と、第2ブーム下げ操作スイッチ24からの操作指令によるB電流出力とからなり、第2ブームシリンダ11の伸縮速度を決める流量比例切換弁34の開口制御をするパイロット流体圧力の大きさ信号として比例電磁減圧弁35又は36の制御信号として加えられる。なお、33は油圧ポンプである。
【0025】
ここで、第2ブーム4を上げ/下げする際の速度は、安全性や作業効率を考慮してアーム5先端の対地高さ位置Hに応じて変えるようにしている(図3(a)(b)参照)。図3に示すように、上記2ピースブーム機構のアーム5先端が対地GLを境にした上方向の設定高さと下方向の設定深さとの上下範囲ΔH内に位置する動態のときに、第2ブーム上げ動作をすると漸増増速、第2ブーム下げ動作をすると漸減減速となるようにしている。すなわち、アーム5先端の対地GLを境にして上下方向の高さと深さの設定範囲ΔHにわたって第2ブーム4の上げ/下げの動作速度を徐々に速め又は遅くして動作できるようにしているのである。また、対地GLを境にした下方向の設定深さ範囲を超えてアーム5先端が位置する動態のときには、第2ブーム4の起伏動作を上記漸減速度以下の一定の低速度で動く動作速度とし、対地GLを境にした上方向の設定高さ範囲を超えてアーム5先端が位置する動態のときには、第2ブーム4の起伏動作を上記漸増速度以上の一定の高速度で動く動作速度となるようにしている。
【0026】
上記第2ブーム操作動作制御装置によれば、バケット6が対地GLに近接していく下げのとき、及び対地GLからさらに下降していく下げのときには第2ブーム4の下げ速度を次第に遅くなるようにして地下構築物との干渉を避けるための慎重なバケット6の移動操作が得られる。またバケット6を対地GLよりも深い位置から上げるとき、及び対地GLからさらに上方に上げるときには第2ブーム4の上げ速度が次第に速くなるようにして速いバケット6の移動操作が得られ、位置に応じて連続的に速度変化する第2ブーム4の動作速度調整ができて、安全作業と作業効率の向上を期することが可能となる。従って、管工事のような掘削作業においても従来のような切梁Aとバケット6との接触事故等の危険性を確実に回避することが可能となる。また第2ブーム4の動作速度を不必要に低下させることもないので、作業効率を向上させることが可能である。しかも、慎重な作業機移動と速い作業機移動の連続的な可変移動を速度調整を加えることなく自動的に得られて、操作性を向上することが可能となる。
【0027】
(第2実施形態)
上記実施形態においては、第2ブーム4を上げ/下げする速度をアーム5先端の対地高さ位置Hに応じて変えるようにしているが、上記第2ブーム角度センサ42及びアーム角度センサ43の付設を省略し、第2ブーム4を上げ/下げする際の速度を、図4に示すように、第1ブーム3の対地角αに応じて変えるようにしてもよい。すなわち図4に示すように、対地角αが−10度〜10度と、10度〜40度、40度〜112度の場合に分けて第2ブーム4の上げ/下げの際の速度を変えるのである。具体的にいうと、図4(a)(b)にも示しているように、対地角αが−10度〜10度の間はやや低速(一定)とし、また40度〜112度の間は高速(一定)とし、さらに10度〜40度の間は操作速度を対地角αに比例させて徐々に増速又は徐々に減速するように制御するのである。このように第1ブーム3の対地角αの値が小さい時には第2ブーム4の上げ/下げの速度をゆっくりとし、対地角αが大きい場合には上げ/下げの速度を早くすることによっても、安全性を保ちつつ作業効率の向上を図ることができる。なおその他の制御構成は上記第1実施形態と全く同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0028】
上記のように第2ブーム上げスイッチ23あるいは第2ブーム下げスイッチ24を操作すると、下げの場合は、第2ブーム4は、第1ブーム3が地表側に下がるほど除々に速度が遅くなって一定の低速速度に切換わって動き、地下構築物と作業機が干渉する恐れのあるような狭隘な場所のときには作業安全に有効な速度となり、また、上げの場合には、第2ブーム4は、第1ブーム3が地表側に上がるほど除々に速度が上がって一定の高速速度に切り換わり、次の作業地点への作業機の移動を速くし、作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置の第1実施形態の建設車両のブロック図である。
【図2】上記実施形態の左右の操作レバーの斜視図である。
【図3】(a)〜(c)は上記第1実施形態において第1ブームの対地高さ位置Hに対応して第2ブームの上げ/下げ時の速度を変えている状態を示している説明図である。
【図4】(a)〜(c)はこの発明の第2実施形態において第1ブームの対地角度αに対応して第2ブームの上げ/下げ時の速度を変えている状態を示している説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の多関節型フロント作業装置を備えた建設車両の構成図である。
【符号の説明】
1 上部旋回体
2 多関節型フロント作業装置
3 第1ブーム
4 第2ブーム
5 アーム
6 バケット(作業機)
16 第1操作レバー
18 第2操作レバー
23 第2ブーム上げスイッチ
24 第2ブーム下げスイッチ
31 コントローラ
34 流量比例切換弁(第2ブーム動作アクチュエータ制御弁)
35 比例電磁減圧弁
36 比例電磁減圧弁
41 第1ブーム角度センサ(角度センサ)
42 第2ブーム角度センサ(角度センサ)
43 アーム角度センサ(角度センサ)
Claims (5)
- 上部旋回体(1)に対して、第1ブーム(3)と第2ブーム(4)を関節結合し、さらに上記第2ブーム(4)の先端側に、バケット等の作業機(6)を装備したアーム(5)を関節結合して成る多関節型フロント作業装置(2)を取り付け、多関節型フロント作業装置(2)及び上部旋回体(1)を操作する操作レバー(16)(18)のいずれか一方側の操作レバーに第2ブーム(4)の上げ動作と下げ動作を指令する上げ動作スイッチ(23)と下げ動作スイッチ(24)とを設けると共に、上記上げ動作スイッチ(23)又は下げ動作スイッチ(24)が起動されたときに、2ピースブーム構成機構の動態位置に応じて、第2ブーム(4)の上下動作速度を漸増と漸減にする動作速度を含む動作速度制御手段を介して操作されるようにし、また、上記第2ブーム(4)の動作速度制御手段の漸増と漸減とは、上記2ピースブーム機構のアーム(5)先端が対地( GL )を境にした上方向の設定高さと下方向の設定高さとの上下範囲(ΔH)内に位置する動態のときに、第2ブーム上げ動作をすると漸増増速、第2ブーム下げ動作をすると漸減減速となるようにし、さらに、上記第2ブーム(4)の動作速度制御手段の漸増と漸減とは、対地( GL )を境にした下方向の設定深さ範囲を超えて2ピースブーム機構のアーム(5)先端が位置する動態のときには、第2ブーム(4)の起伏動作を上記漸減速度以下の一定の低速度で動く動作速度とし、対地( GL )を境にした上方向の設定高さ範囲を超えて2ピースブーム機構のアーム(5)先端が位置する動態のときには、第2ブーム(4)の起伏動作を上記漸増速度以上の一定の高速度で動く動作速度とした速度範囲を含むことを特徴とする2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置。
- 上記第2ブーム(4)の動作速度制御手段は、2ピースブーム機構の第1ブーム(3)、第2ブーム(4)、アーム(5)に備えた角度センサ(41)(42)(43)による角度検出信号からアーム(5)先端における上下方向の高さ位置(H)を検出する検出手段と、高さ位置(H)に応じた第2ブーム上げと第2ブーム下げの動作速度を定めた速度テーブルと、速度テーブルのデータを電流値に変えて出力する出力手段とから成るコントローラ(31)を有し、第2ブーム動作アクチュエータ制御弁(34)の作動パイロット圧流体を制御し、第2ブーム動作アクチュエータ制御弁(34)のアクチュエータ作動流体通過の開口面積を変える第2ブーム上げと第2ブーム下げの電磁比例減圧弁(35)(36)を、上記出力電流値に応答して作動するようにしたことを特徴とする請求項1の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置。
- 上部旋回体(1)に対して、第1ブーム(3)と第2ブーム(4)を関節結合し、さらに上記第2ブーム(4)の先端側に、バケット等の作業機(6)を装備したアーム(5)を関節結合して成る多関節型フロント作業装置(2)を取り付け、多関節型フロント作業装置(2)及び上部旋回体(1)を操作する操作レバー(16)(18)のいずれか一方側の操作レバーに第2ブーム(4)の上げ動作と下げ動作を指令する上げ動作スイッチ(23)と下げ動作スイッチ(24)とを設けると共に、上記上げ動作スイッチ(23)又は下げ動作スイッチ(24)が起動されたときに、2ピースブーム構成機構の動態位置に応じて、第2ブーム(4)の上下動作速度を漸増と漸減にする動作速度を含む動作速度制御手段を介して操作されるようにし、また、上記第2ブーム(4)の動作速度制御手段の漸増と漸減とは、2ピースブーム機構の第1ブーム(3)の対地角度(α)が対地に接近した設定対地角度範囲内に位置する動態のときに、第1ブーム(3)の対地角度(α)が小さくなっていくときには第2ブーム(4)の動作速度が漸減減速し、第1ブーム(3)の対地角度(α)が大きくなっていくときには第2ブーム(4)の動作速度が漸増増速するようにしていることを特徴とする2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置。
- 上記第2ブーム(4)の動作速度制御手段の漸増と漸減とは、2ピースブーム機構の第1ブーム(3)の対地角度(α)が設定対地角度範囲を下回る対地角度範囲に位置する動態のときには、第2ブーム起伏動作を上記漸減速度以下の一定の低速度で動く動作速度とし、2ピースブーム機構の第1ブーム(3)の対地角度(α)が設定対地角度範囲を上回る対地角度範囲に位置する動態のときには、第2ブーム起伏動作を上記漸増速度以上の一定の高速度で動く動作速度としたことを特徴とする請求項3の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置。
- 上記第2ブーム(4)の動作速度制御手段は、2ピースブーム機構の第1ブーム(3)に備えた角度センサ(41)による角度検出信号から第1ブーム(3)の対地角度(α)を検出する検出手段と、第1ブーム(3)の対地角度(α)に応じた第2ブーム上げと第2ブーム下げの動作速度を定めた速度テーブルと、速度テーブルのデータを電流値に変えて出力する出力手段とから成るコントローラ(31)を有し、第2ブーム動作アクチュエータ制御弁(34)の作動パイロット圧流体を制御し、第2ブーム動作アクチュエータ制御弁(34)のアクチュエータ作動流体通過の開口面積を変える第2ブーム上げと第2ブーム下げの電磁比例減圧弁(35)(36)を、上記出力電流値に応答して作動するようにしたことを特徴とする請求項3又は請求項4の2ピースブーム作業機の第2ブーム操作動作制御装置。
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