JP4016777B2 - 無線lanシステムの周波数設定方式とその方法 - Google Patents

無線lanシステムの周波数設定方式とその方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線LAN(Local Area Network)システムの周波数設定方式とその方法に関し、特に、少ない選定操作で周波数決定に至ることができる無線LANにおける周波数設定方式とその方法である。
【0002】
【従来の技術】
無線LANとは、パソコンなどの端末機器と構内通信網(LAN:LocalArea Network)の間の接続線(LAN支線)を無線化するものである。無線LANの導入メリットとしては大きく分けて二つあり、一つはLAN支線の配線工事が不要になることで、机の配置を変更するたびに面倒な配線工事をする必要がなくなりオフィスレイアウト変更時のコストが削減できる。
【0003】
もう一つのメリットとしては、ノートパソコンとの組み合わせにより、場所を移動してもそのまま自席と同じ環境でLANに接続できることである。例えば、応接室などでのプレゼンテーションの際に急に必要となったファイルをLAN経由で取り出したり、無線LANを装備したノートパソコンを持ち寄ってペーパーレス会議を行ったり、打合せをしながら文書を変更するような共同作業を効率的に行うことができる。その結果、業務の効率化、機動性/即応性の向上を図ることができる。
【0004】
近年、このような無線LANを設置するケースが増えており、特に無線LAN通信装置を装備したノートパソコン等の端末を所持して場所を移動しながらそれぞれの地域に設置された構内通信網(LAN)と通信する場合には、予め決められた無線通信手順に基づいて通信を確立しており、IEEE802.11.a等の規定に従う無線LANシステムのアクセスポイント(AP:Access Point)及び移動端末は、設置された地域や移動した地域に割り当てられた無線周波数と同じ周波数に同調することにより、通信できるようになっている。
【0005】
また、アクセスポイントが設置されていない地域に移動した場合は、移動端末同士で通信することができるアドホック通信があり、このような場合においても移動した地域に割り当てられた無線周波数の内、始めに通信を行う移動端末が決めた無線周波数を使って移動端末同士の通信確立を行っている。
【0006】
このようなアクセスポイント及び移動端末において無線周波数を設定する従来のやり方は、機器内において地域毎に割り当てられた複数の無線周波数を固定的に記憶しており、この記憶された周波数の内通常アクセスポイントや移動端末の工場出荷時に予め設定されている初期値(デフォルト値)を用いて通信開始時の無線周波数を決定していた。
【0007】
図11は、従来の無線LANシステムにおけるアクセスポイントと移動端末のブロック構成図である。図11に示すように、例えば日本という地域で使用されるアクセスポイント5は、日本に割り当てられた無線周波数に関する周波数データ34が予め記憶されており、この周波数データに基づいて無線周波数を設定する周波数設定回路33と、設定された無線周波数を用いて移動端末との無線通信を行う無線送受信回路27とで構成されている。
【0008】
また、日本という地域で使用される移動端末2は、日本に割り当てられた無線周波数に関する周波数データ32が予め記憶されており、この周波数データに基づいて無線周波数を設定する周波数設定回路31と、設定された無線周波数を用いてアクセスポイント又は移動端末との無線通信を行う無線送受信回路17とで構成されている。
【0009】
図12は、5.2GHz帯広帯域移動アクセスシステム(5GHz帯無線LANシステム)の日本、米国及び欧州におけるチャネル配置(無線周波数割り当て)図である。図12に示すように、日本における周波数配置は中心周波数として5170MHz、5190MHz、5210MHz、5230MHzの無線周波数が割り当てられている。
【0010】
また、米国及び欧州における周波数配置は中心周波数として5180MHz、5200MHz、5220MHz、5240MHz、5260MHz、5280MHz、5300MHz、5320MHzの無線周波数が割り当てられており、日本の周波数配置と異なる周波数が割り当てられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
これまで説明した従来の周波数設定方式は、アクセスポイントや移動端末が使用される地域に割り当てられた周波数を固定的に設定しており、予め設定完了したアクセスポイントや移動端末を他の地域に設置もしくは移動した場合は、そのままでは使用できないという問題があった。
【0012】
また、移動端末出荷時の初期値(デフォルト値)を用いて無線周波数を決定した場合は、無線LANに収容される多くの移動端末が同じ周波数を使うことになり、一部の周波数におけるトラヒック集中や混信等の問題を発生させていた。
【0013】
即ち、無線LANシステムの場合は地域によって使用できる周波数が異なるケースがあり、5GHz帯の無線LANではIEEE802.11a準拠のものでも日本や米国での使用可能な周波数帯が異なって定義されている。このため日本向けに出荷された装置(アクセスポイント、移動端末)は日本仕様の周波数のみ使用できるように設定され、これを米国に持っていって通信しようとすると米国仕様の周波数に再設定する必要があり、操作性のよい周波数設定方式が求められていた。
【0014】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、各地域毎の仕様に合っているか、また使用されていない空き周波数かどうかの自動識別を行った周波数情報をユーザに提示することにより、少ない選定操作で周波数決定に至ることができる操作性の良い無線LANシステムの周波数設定手段を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、マンマシンインターフェースから地域情報を入力する手段と、予め記憶されている無線周波数データの中から前記地域情報に応じた無線周波数を選択する手段と、前記選択された無線周波数について無線LANシステムの無線通信で使用可能な無線周波数であるか否かを判定する手段と、前記判定された使用可能な無線周波数の中から前記無線通信で使用する無線周波数を選択して設定する手段とを有する無線LANシステムの無線装置であって、前記判定をした結果、使用可能な無線周波数が無いと判定した場合には、前記マンマシンインターフェースを使用しての地域情報の再入力待ちとなることを具備させる。
【0016】
即ち、各地域毎の周波数仕様に合っているか、また使用されていない空き周波数かどうかの自動識別を行った周波数情報をユーザ及び保守者に提示することにより、少ない選定操作で周波数決定に至ることができる。
【0017】
また、前記記憶されている無線周波数データは、地域情報と当該地域情報に対応して許可されている無線周波数値とによって構成されていることを具備してもよい。
【0018】
また、前記使用可能な無線周波数を選択する手段は、前記入力された地域情報に対応して許可されている無線周波数値を用いて受信動作を行い、当該受信動作の結果、キャリアビジーとならなかった無線周波数を使用可能な周波数と判定することを具備してもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明を構成している無線LANシステムの移動端末に無線周波数設定手段を設けた例における全体概要ブロック構成図である。図1に示すように、地域毎に設置されるアクセスポイント4とアクセスポイント5は構内通信網(LAN)6に接続され、構内通信網6には外部の公衆通信網であるインターネット9が接続されている。各アクセスポイントにはアンテナ8が設けられており、それぞれ無線通信を行うための電波を放射している。そして、アクセスポイント4によってサービスエリア4aが構成され、アクセスポイント5によってサービスエリア5aが構成されている。
【0021】
なお、サービスエリア5a内に移動端末2が移動(在圏)しており、アンテナ3を経由してアクセスポイント5と無線通信を行っており、移動端末2にはパソコン1とメモリ15が接続されている。
【0022】
また、構内通信網(LAN)6は、有線ネットワークのことであり、ワイヤーケーブルや光ファバーケーブル等と、ルータやハブ等のネットワーク機器で構成されている。
【0023】
図2は、無線LANシステムの移動端末に無線周波数設定手段を設けた例におけるパソコン(PC)1と移動端末(MT)2のブロック構成図である。図2に示すように、パソコン1には制御を行うCPU10と、アプリケーションソフトウェアが記憶されているメモリ11と、当該CPU10と移動端末2との情報インタフェースを司るドライバー12が搭載されており、移動端末2はパソコンとのインタフェースを司るPCインタフェース回路13と、各種動作をコントロールする制御回路14と、制御動作に伴うデータ類を記憶するメモリ15と、パソコン1から送られてくる無線周波数情報を無線送受信回路17に設定する周波数設定回路16と、各地域毎の周波数が使用されていない空き周波数かどうかを調べる周波数判定回路18と、アクセスポイントとの無線通信を行う無線送受信回路17とで構成されている。
【0024】
なお、図2のブロック構成図では、無線LANシステムのパソコン1と移動端末2における周波数設定手段に関するブロック構成部分のみを記載しており、他の動作(通常のデータ送受信動作等)に関するブロック構成部分は省略している。
【0025】
図3は、移動端末2のメモリ15内に設けられている地域/周波数情報のメモリマップ図である。図3に示すように、地域情報と当該地域で使用が許可されている周波数情報とが対になって記憶されており、パソコン1より入力された地域情報を基に図3のメモリマップ図を検索すると当該地域で使用が許可されている具体的周波数情報全てを取り出すことができる。例えば、日本における屋内使用という地域情報を基に検索すると、5170MHz、5190MHz、5210MHz、5230MHzの4波の周波数情報を取り出すことができる。
【0026】
なお、上記のメモリマップ図には、5.2GHz帯広帯域移動アクセスシステム(5GHz帯無線LANシステム)の日本(屋内)の地域/周波数情報の他に米国(屋内)、米国(屋内/屋外)、欧州(屋内)の地域/周波数情報の例が記載されており、当該検索動作と取り出した周波数情報をパソコン1に送る動作並びに最終的に選択された無線周波数を周波数設定回路16に送り込む動作は、制御回路14が司るようになっている。
【0027】
図4は、無線LANシステムの移動端末に無線周波数設定手段を設けた例における周波数設定動作フローチャート図である。図4に示すように、パソコン1と移動端末2の電源を投入すると当該移動端末は、近傍に設置されているアクセスポイントとの無線通信を可能とするために周波数設定動作を開始する(ステップS1)。最初にCPU10からの制御によりパソコン1のメモリ11に記憶されているアプリケーションソフトウェアが立ち上がり、ユーザに対して現在の位置する地域情報を入力するように促すメッセージ画面が現れ、入力待ちとなる(ステップS2)。ユーザは、パソコン1より移動端末2の位置する地域情報を入力する(ステップS3)。
【0028】
ここで入力された地域情報は、CPU10によりドライバー12と移動端末2のPCインタフェース回路13を経由して移動端末2の制御回路14に送られ、制御回路14は当該地域情報を基に予めメモリ回路に記憶されている図3に記載されているメモリマップ図を検索する。そして、メモリマップ図を検索した結果、当該地域で使用が許可されている具体的周波数情報全てを取り出し、この周波数情報を順番に周波数設定回路16に送り、無線送受信回路17の周波数設定を行ってから受信動作を行う。
【0029】
無線送受信回路17は、この受信動作の結果を周波数判定回路18に送り、周波数判定回路18では当該周波数毎に使用中か、使用されていない空きの状態かを調べ、この結果を制御回路14に送る(ステップS4)。
【0030】
なお、この無線送受信回路17と周波数判定回路18による周波数毎の使用中か、使用されていない空きの状態かの調査動作は、周波数毎に受信信号が復調できるかどうかで調査を行い、キャリアビジーとなったら使用中と判定し、キャリアビジーとならなかったら使用可能と判定する(ステップS5)。
【0031】
制御回路14は、周波数判定回路18からの判定結果から使用可能な周波数情報がある場合は、当該周波数情報をPCインタフェース回路13とドライバー12を経由してパソコン1のCPU10に送り、パソコン画面上のアプリケーションソフトウェア11に表示する(ステップS6)。ユーザは、パソコン画面上に表示された使用可能な周波数の中からクリック選択して周波数を選定し、選定された周波数情報は再び移動端末2の制御回路14に送られ、周波数設定回路16において周波数設定が行われて動作が完了する(ステップS7)。
【0032】
一方、ステップS5において、移動端末が位置する地域において使用できる周波数がない場合はユーザの指定した地域情報の入力が間違っている可能性もあり、再度PC画面上に移動端末の位置を聞くメッセージが表示され、入力待ちとなる(ステップS8)。ユーザは、パソコン1より移動端末2の位置する地域情報を再度入力する(ステップS9)。
【0033】
入力された地域情報は、CPU10によりドライバー12と移動端末2のPCインタフェース回路13を経由して制御回路14に送られ、制御回路14は当該地域情報を基に予めメモリ回路に記憶されている図3に記載されているメモリマップ図を再度検索する。そして、メモリマップ図を検索した結果、当該地域で使用が許可されている具体的周波数情報全てを取り出し、この周波数情報を順番に周波数設定回路16に送り、無線送受信回路17の周波数設定を行ってから再度受信動作を行う。
【0034】
無線送受信回路17は、この受信動作の結果を周波数判定回路18に送り、周波数判定回路18では当該周波数毎に使用中か、使用されていない空きの状態かを再度調べ(ステップS10)、この結果を制御回路14に送る。
【0035】
制御回路14は、周波数判定回路18からの判定結果から設定可能な周波数情報がある場合は、ステップS6へ移行し、設定可能な周波数がない場合は、周波数設定ができない旨の情報をPCインタフェース回路13とドライバー12を経由してパソコン1のCPU10に送り(ステップS11)、CPU10はパソコン画面上のアプリケーションソフトウェア11に対して周波数設定ができない旨の表示指示を行い、周波数設定ができないことによる通信不可動作となって終了する(ステップS12)。
【0036】
図5は、本発明を構成している無線LANシステムのアクセスポイントに無線周波数設定手段を設けた例における全体概要ブロック構成図である。これは、図1乃至図4で説明した移動端末に設けた無線周波数設定手段をアクセスポイントに適用したものであり、図1乃至図4で説明したものと同様の部分に関しては同一の番号を付して説明している。
【0037】
地域毎に設置されるアクセスポイント4とアクセスポイント5は構内通信網(LAN)6に接続され、構内通信網6には保守パソコン(PC)7と外部の公衆通信網であるインターネット9が接続されている。各アクセスポイントにはメモリ25とアンテナ8が設けられており、それぞれ無線通信を行うためにアンテナ8から電波を放射している。そして、アクセスポイント4によってサービスエリア4aが構成され、アクセスポイント5によってサービスエリア5aが構成されている。
【0038】
なお、サービスエリア5a内に移動端末2が移動(在圏)しており、アンテナ3を経由してアクセスポイント5と無線通信を行っており、移動端末2にはパソコン1が接続されている。
【0039】
また、構内通信網(LAN)6は、有線ネットワークのことであり、ワイヤーケーブルや光ファバーケーブル等と、ルータやハブ等のネットワーク機器で構成されている。
【0040】
図6は、無線LANシステムのアクセスポイントに無線周波数設定手段を設けた例における保守パソコン(PC)7とアクセスポイント5のブロック構成図である。図6に示すように、保守パソコン7には制御を行うCPU20と、アプリケーションソフトウェアが記憶されているメモリ21と、当該CPU20と構内通信網6を経由してアクセスポイント5との情報インタフェースを司るドライバー22が搭載されており、アクセスポイント5は構内通信網6を経由して保守パソコンとのインタフェースを司るLANインタフェース回路23と、各種動作をコントロールする制御回路24と、制御動作に伴うデータ類を記憶するメモリ回路25と、保守パソコン7から送られてくる無線周波数情報を無線送受信回路27に設定する周波数設定回路26と、各地域毎の周波数が使用されていない空き周波数かどうかを調べる周波数判定回路28と、移動端末との無線通信を行う無線送受信回路27とで構成されている。
【0041】
なお、図6のブロック構成図では、無線LANシステムの保守パソコン7とアクセスポイント5における周波数設定手段に関するブロック構成部分のみを記載しており、他の動作(通常のデータ送受信動作等)に関するブロック構成部分は省略している。
【0042】
図7は、無線LANシステムのアクセスポイントに無線周波数設定手段を設けた例における周波数設定動作フローチャート図である。図7に示すように、アクセスポイント5を設置した後に保守パソコン7とアクセスポイント5の電源を投入すると当該アクセスポイントは、近傍に移動している移動端末との無線通信を可能とするために周波数設定動作を開始する(ステップS21)。最初に保守パソコン7のCPU20からの制御により保守パソコン7のメモリ21に記憶されているアプリケーションソフトウェアが立ち上がり、保守者に対して現在の位置する地域情報を入力するように促すメッセージ画面が現れ、入力待ちとなる(ステップS22)。保守者は、保守パソコン7よりアクセスポイント5の位置する地域情報を入力する(ステップS23)。
【0043】
ここで入力された地域情報は、CPU20によりドライバー22と構内通信網6とアクセスポイント5のLANインタフェース回路23を経由してアクセスポイント5の制御回路24に送られ(ステップS24)、制御回路24は当該地域情報を基に予めメモリ25に記憶されているメモリマップ図を検索する。そして、メモリマップ図を検索した結果、当該地域で使用が許可されている具体的周波数情報全てを取り出し、この周波数情報を順番に周波数設定回路26に送り、無線送受信回路27の周波数設定を行ってから受信動作を行う。
【0044】
無線送受信回路27は、この受信動作の結果を周波数判定回路28に送り、周波数判定回路28では当該周波数毎に使用中か、使用されていない空きの状態かを調べ、この結果を制御回路24に送る(ステップS25)。
【0045】
なお、この無線送受信回路27と周波数判定回路28による周波数毎の使用中か、使用されていない空きの状態かの調査動作は、周波数毎に受信信号が復調できるかどうかで調査を行い、キャリアビジーとなったら使用中と判定し、キャリアビジーとならなかったら使用可能と判定する(ステップS26)。
【0046】
制御回路24は、周波数判定回路28からの判定結果から使用可能な周波数情報がある場合は、当該周波数情報をLANインタフェース回路23と構内通信網6とドライバー22を経由して保守パソコン7のCPU20に送り、パソコン画面上のアプリケーションソフトウェアに表示する(ステップS27)。保守者は、パソコン画面上に表示された使用可能な周波数の中からクリック選択して周波数を決定し、決定された周波数情報は再びアクセスポイント5の制御回路24に送られ、周波数設定回路26において周波数設定が行われて動作が完了する(ステップS28)。
【0047】
一方、ステップS26において、アクセスポイントを設置した地域において使用できる周波数がない場合は保守者の指定した地域情報の入力が間違っている可能性もあり、再度保守パソコン画面上にアクセスポイントの設置場所(地域)を聞くメッセージが表示され、入力待ちとなる(ステップS29)。保守者は、保守パソコン7よりアクセスポイント5の位置する地域情報を再度入力する(ステップS30)。
【0048】
入力された地域情報は、CPU20によりドライバー22と構内通信網6とアクセスポイント5のLANインタフェース回路23を経由して制御回路24に送られ(ステップS31)、制御回路24は当該地域情報を基に予めメモリ回路に記憶されているメモリマップ図を再度検索する。そして、メモリマップ図を検索した結果、当該地域で使用が許可されている具体的周波数情報全てを取り出し、この周波数情報を順番に周波数設定回路26に送り、無線送受信回路27の周波数設定を行ってから再度受信動作を行う。
【0049】
無線送受信回路27は、この受信動作の結果を周波数判定回路28に送り、周波数判定回路28では当該周波数毎に使用中か、使用されていない空きの状態かを再度調べ(ステップS32)、この結果を制御回路24に送る。
【0050】
制御回路24は、周波数判定回路28からの判定結果から設定可能な周波数情報がある場合は、ステップS27へ移行し、設定可能な周波数がない場合は、周波数設定ができない旨の情報をLANインタフェース回路23と構内通信網6とドライバー22を経由して保守パソコン7のCPU20に送り(ステップS33)、CPU20はパソコン画面上のアプリケーションソフトウェアに対して周波数設定ができない旨の表示指示を行い、周波数設定ができないことによる通信不可動作となって終了する(ステップS34)。
【0051】
図8は、本発明を構成している無線LANシステムの保守パソコンに無線周波数設定手段を設けた例における全体概要ブロック構成図である。これは、図5乃至図7で説明したアクセスポイントに設けた無線周波数設定手段を保守パソコンに適用したものであり、図5乃至図7で説明したものと同様の部分に関しては同一の番号を付して説明している。
【0052】
地域毎に設置されるアクセスポイント4とアクセスポイント5は構内通信網(LAN)6に接続され、構内通信網6には保守パソコン(PC)7と外部の公衆通信網であるインターネット9が接続されており、保守パソコン7にはメモリ25が接続されている。各アクセスポイントにはアンテナ8が設けられており、それぞれ無線通信を行うためにアンテナ8から電波を放射している。そして、アクセスポイント4によってサービスエリア4aが構成され、アクセスポイント5によってサービスエリア5aが構成されている。
【0053】
なお、サービスエリア5a内に移動端末2が移動(在圏)しており、アンテナ3を経由してアクセスポイント5と無線通信を行っており、移動端末2にはパソコン1が接続されている。
【0054】
また、構内通信網(LAN)6は、有線ネットワークのことであり、ワイヤーケーブルや光ファバーケーブル等と、ルータやハブ等のネットワーク機器で構成されている。
【0055】
図9は、無線LANシステムの保守パソコンに無線周波数設定手段を設けた例における保守パソコン(PC)7とアクセスポイント5のブロック構成図である。図9に示すように、保守パソコン7には制御を行うCPU20と、アプリケーションソフトウェアが記憶されているメモリ21と、地域/周波数情報が記憶されているメモリ25と、当該CPU20と構内通信網6を経由してアクセスポイント5との情報インタフェースを司るドライバー22が搭載されており、アクセスポイント5は構内通信網6を経由して保守パソコンとのインタフェースを司るLANインタフェース回路23と、各種動作をコントロールする制御回路24と、保守パソコン7から送られてくる無線周波数情報を無線送受信回路27に設定する周波数設定回路26と、各地域毎の周波数が使用されていない空き周波数かどうかを調べる周波数判定回路28と、移動端末との無線通信を行う無線送受信回路27とで構成されている。
【0056】
なお、図9のブロック構成図では、無線LANシステムの保守パソコン7とアクセスポイント5における周波数設定手段に関するブロック構成部分のみを記載しており、他の動作(通常のデータ送受信動作等)に関するブロック構成部分は省略している。
【0057】
図10は、無線LANシステムの保守パソコンに無線周波数設定手段を設けた例における周波数設定動作フローチャート図である。図10に示すように、アクセスポイント5を設置した後に保守パソコン7とアクセスポイント5の電源を投入すると当該アクセスポイントは、近傍に移動している移動端末との無線通信を可能とするために周波数設定動作を開始する(ステップS41)。最初に保守パソコン7のCPU20からの制御により保守パソコン7のメモリ21に記憶されているアプリケーションソフトウェアが立ち上がり、保守者に対して現在の位置する地域情報を入力するように促すメッセージ画面が現れ、入力待ちとなる(ステップS42)。保守者は、保守パソコン7よりアクセスポイント5の位置する地域情報を入力する(ステップS43)。
【0058】
ここで、入力された地域情報を基にCPU20は予めメモリ25に記憶されているメモリマップ図を検索する。そして、メモリマップ図を検索した結果、当該地域で使用が許可されている具体的周波数情報全てを取り出し、この周波数情報をドライバー22と構内通信網6とアクセスポイント5のLANインタフェース回路23を経由してアクセスポイント5の制御回路24に送り(ステップS44)、制御回路24は受信した具体的周波数情報全てを順番に周波数設定回路26に送り、無線送受信回路27の周波数設定を行ってから受信動作を行う。
【0059】
無線送受信回路27は、この受信動作の結果を周波数判定回路28に送り、周波数判定回路28では当該周波数毎に使用中か、使用されていない空きの状態かを調べ、この結果を制御回路24に送る(ステップS45)。
【0060】
なお、この無線送受信回路27と周波数判定回路28による周波数毎の使用中か、使用されていない空きの状態かの調査動作は、周波数毎に受信信号が復調できるかどうかで調査を行い、キャリアビジーとなったら使用中と判定し、キャリアビジーとならなかったら使用可能と判定する(ステップS46)。
【0061】
制御回路24は、周波数判定回路28からの判定結果から使用可能な周波数情報がある場合は、当該周波数情報をLANインタフェース回路23と構内通信網6とドライバー22を経由して保守パソコン7のCPU20に送り、パソコン画面上のアプリケーションソフトウェアに表示する。保守者は、パソコン画面上に表示された使用可能な周波数の中からクリック選択して周波数を選定し(ステップS47)、選定された周波数情報は再びアクセスポイント5の制御回路24に送られ、周波数設定回路26において周波数設定が行われて動作が完了する(ステップS48)。
【0062】
一方、ステップS46において、アクセスポイントを設置した地域において使用できる周波数がない場合は保守者の指定した地域情報の入力が間違っている可能性もあり、再度保守パソコン画面上にアクセスポイントの設置場所(地域)を聞くメッセージが表示され、入力待ちとなる(ステップS49)。保守者は、保守パソコン7よりアクセスポイント5の位置する地域情報を再度入力する(ステップS50)。
【0063】
ここで、入力された地域情報を基にCPU20は予めメモリ25に記憶されているメモリマップ図を検索する。そして、メモリマップ図を検索した結果、当該地域で使用が許可されている具体的周波数情報全てを取り出し、この周波数情報をドライバー22と構内通信網6とアクセスポイント5のLANインタフェース回路23を経由してアクセスポイント5の制御回路24に再度送り(ステップS51)、制御回路24は受信した具体的周波数情報全てを順番に周波数設定回路26に送り、無線送受信回路27の周波数設定を行ってから受信動作を行う。
【0064】
無線送受信回路27は、この受信動作の結果を周波数判定回路28に送り、周波数判定回路28では当該周波数毎に使用中か、使用されていない空きの状態かを再度調べ(ステップS52)、この結果を制御回路24に送る。
【0065】
制御回路24は、周波数判定回路28からの判定結果から設定可能な周波数情報がある場合は、ステップS47へ移行し、設定可能な周波数がない場合は、周波数設定ができない旨の情報をLANインタフェース回路23と構内通信網6とドライバー22を経由して保守パソコン7のCPU20に送り(ステップS53)、CPU20はパソコン画面上のアプリケーションソフトウェアに対して周波数設定ができない旨の表示指示を行い、周波数設定ができないことによる通信不可動作となって終了する(ステップS54)。
【0066】
最後に、前記発明の実施の形態において、二つのアクセスポイントと一つの移動端末で構成され例で説明したが、本発明においてはアクセスポイント数や移動端末数はこれに限定するものではなく、システム設計に基づく任意の値をとるものとする。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、各地域毎の周波数仕様に合っているか、また使用されていない空き周波数かどうかの自動識別を行った周波数情報をユーザ及び保守者に提示することにより、少ない選定操作で周波数決定に至ることができる操作性の良い無線LANシステムの周波数設定手段を提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を構成している無線LANシステムの移動端末に無線周波数設定手段を設けた例における全体概要ブロック構成図である。
【図2】無線LANシステムの移動端末に無線周波数設定手段を設けた例におけるパソコン(PC)1と移動端末(MT)2のブロック構成図である。
【図3】移動端末2のメモリ回路15内に設けられている地域/周波数情報のメモリマップ図である。
【図4】無線LANシステムの移動端末に無線周波数設定手段を設けた例における周波数設定動作フローチャート図である。
【図5】本発明を構成している無線LANシステムのアクセスポイントに無線周波数設定手段を設けた例における全体概要ブロック構成図である。
【図6】無線LANシステムのアクセスポイントに無線周波数設定手段を設けた例における保守パソコン(PC)7とアクセスポイント5のブロック構成図である。
【図7】無線LANシステムのアクセスポイントに無線周波数設定手段を設けた例における周波数設定動作フローチャート図である。
【図8】本発明を構成している無線LANシステムの保守パソコンに無線周波数設定手段を設けた例における全体概要ブロック構成図である。
【図9】無線LANシステムの保守パソコンに無線周波数設定手段を設けた例における保守パソコン(PC)7とアクセスポイント5のブロック構成図である。
【図10】無線LANシステムの保守パソコンに無線周波数設定手段を設けた例における周波数設定動作フローチャート図である。
【図11】従来の無線LANシステムにおけるアクセスポイントと移動端末のブロック構成図である。
【図12】5.2GHz帯広帯域移動アクセスシステム(5GHz帯無線LANシステム)の日本、米国及び欧州におけるチャネル配置(無線周波数割り当て)図である。
【符号の説明】
1 パソコン(PC)
2 移動端末(MT)
3、8 アンテナ
4 アクセスポイント1
5 アクセスポイント2
6 構内通信網(LAN)
7 保守パソコン
9 インターネット
11 メモリ(アプリケーションソフトウェア)
12、22 ドライバー
13 PCインタフェース回路
14、24 制御回路
15、25 メモリ(地域/周波数情報)
16、26、31、33 周波数設定回路
17、27 無線送受信回路
18、28 周波数判定回路
23 LANインタフェース回路
32、34 周波数データ

Claims (16)

  1. マンマシンインターフェースから地域情報を入力する手段と、
    予め記憶されている無線周波数データの中から前記地域情報に応じた無線周波数を選択する手段と、
    前記選択された無線周波数について無線LANシステムの無線通信で使用可能な無線周波数であるか否かを判定する手段と、
    前記判定された使用可能な無線周波数の中から前記無線通信で使用する無線周波数を選定する手段とを有する無線LANシステムの無線装置であって、
    前記判定をした結果、使用可能な無線周波数が無いと判定した場合には、前記マンマシンインターフェースを使用しての地域情報の再入力待ちとなることを特徴とする無線LANシステムの無線装置。
  2. 前記記憶されている無線周波数データは、地域情報と当該地域情報に対応して許可されている無線周波数値とによって構成されていることを特徴とする請求項1記載の無線LANシステムの無線装置。
  3. 前記使用可能な無線周波数を判定する手段は、前記入力された地域情報に対応して許可されている無線周波数値を用いて受信動作を行い、当該受信動作の結果、キャリアビジーとならなかった無線周波数を使用可能な周波数と判定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の無線LANシステムの無線装置。
  4. 前記使用する無線周波数を選定する手段は、前記マンマシンインターフェースからの入力に応じて、前記使用する無線周波数を選定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の無線LANシステムの無線装置。
  5. 前記地域情報の再入力待ちに際して、前記マンマシンインターフェースに、当該無線装置の位置を聞くメッセージを表示することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の無線LANシステムの無線装置。
  6. 前記無線装置は、無線LANシステムのアクセスポイントと無線通信を行う移動端末であることを特徴する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の無線LANシステムの無線装置。
  7. 前記マンマシンインターフェースは、前記移動端末に接続されたパソコンであることを特徴する請求項6記載の無線LANシステムの無線装置。
  8. 前記予め記憶されている無線周波数データは、前記移動端末又は前記パソコン内に記憶されていることを特徴する請求項7記載の無線LANシステムの無線装置。
  9. 前記無線装置は、無線LANシステムの移動端末と無線通信を行うアクセスポイントであることを特徴する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の無線LANシステムの無線装置。
  10. 前記マンマシンインターフェースは、有線ネットワークで前記アクセスポイントに接続された保守装置であることを特徴する請求項9記載の無線LANシステムの無線装置。
  11. 前記予め記憶されている無線周波数データは、前記アクセスポイント又は前記保守装置内に記憶されていることを特徴する請求項10記載の無線LANシステムの無線装置。
  12. マンマシンインターフェースを使用して地域情報を入力し、前記入力した地域情報に応じて予め記憶されている無線周波数データの中から無線周波数を選択し、前記選択された無線周波数について無線LANシステムの無線通信で使用可能な無線周波数であるか否かを判定し、前記判定された使用可能な無線周波数の中から前記無線通信で使用する無線周波数を選定する無線LANシステムの周波数設定方法であって、
    前記判定した結果、使用可能な無線周波数が無いと判定された場合には、前記マンマシンインターフェースを使用しての地域情報の再入力待ちとなることを特徴とする無線LANシステムの無線装置の周波数設定方法。
  13. 前記記憶されている無線周波数データは、地域情報と当該地域情報 に対応して許可されている無線周波数値とによって構成されていることを特徴とする請求項12記載の無線LANシステムの無線装置の周波数設定方法。
  14. 前記使用可能な無線周波数の判定は、前記入力された地域情報に対応して許可されている無線周波数値を用いて受信動作を行い、当該受信動作の結果、キャリアビジーとならなかった無線周波数を前記使用可能な周波数と判定することにより行われることを特徴とする請求項12又は請求項13記載の無線LANシステムの無線装置の周波数設定方法。
  15. 前記使用する無線周波数の選定は、前記マンマシンインターフェースからの入力に応じて、前記使用する無線周波数を選定することにより行われることを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれかに記載の無線LANシステムの無線装置の周波数設定方法。
  16. 前記地域情報の再入力待ちに際して、前記マンマシンインターフェースに、当該無線装置の位置を聞くメッセージを表示することを特徴とする請求項12乃至請求項15のいずれかに記載の無線LANシステムの無線装置の周波数設定方法。
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