JP4016367B2 - 編集装置及び編集方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は編集装置及び編集方法に関し、素材のデータをディスクに記録してノンリニア編集を実行する編集装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビデオカメラから得られたビデオテープを編集するポストプロダクションの分野においては、素材のデータを記録する記録媒体としてディスクを使用したノンリニア編集処理を行う編集装置が提案されている。この編集装置において行われる編集処理としては、さまざまな種類の編集処理が存在している。例えば、複数の素材をつなぎ合わせて所望のビデオプログラムを作成するためのビデオ編集処理や、キー信号によって複数の素材を合成するための合成処理や、素材に対して特殊効果処理を施す特殊効果処理が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成の編集装置においては、ビデオテープから再生される素材データをハードディスクに記録することによってノンリニア編集処理を行うものが提案されている。この編集装置では、例えばハードディスクに記録されている音声素材に応じたナレーションを新たに生成してこれをハードディスクに記録するような編集処理を行う場合がある。
【0004】
このような編集処理を実現するためには、ハードディスクに記録されている音声素材をプレビュー(再生)するプレビュー用の編集装置と、ナレーションのような音声素材を生成する素材生成用の編集装置とを別々に用意しておき、プレビュー用の編集装置からプレビューされる音声素材を聴きながら、素材生成用の編集装置によって音声素材を生成したり、又はハードディスクに記録されている音声素材をプレビューすることなく独立してナレーションを生成しなければならず、編集作業の効率が悪い問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、従来に比して一段と編集作業効率を向上し得る編集装置及び編集方法を提案しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、編集対象の素材であるナレーションを編集するための編集装置において、ナレーションの記録を開始する記録開始位置及び当該記録を終了する記録終了位置をタイムラインカーソルによってタイムライン上に指定する記録指定手段と、記録開始位置から遡ったタイムライン上のプレビュー開始位置をタイムライン上に指定するプレビュー指定手段と、複数の素材の中からナレーションを編集対象として選択するナレーション選択手段と、ナレーション選択手段により選択されたナレーションを貼り付けるための音声ラインを指定する音声ライン指定手段と、プレビュー開始位置から記録開始位置までのプリロール時に第1の印部を表示画面に点滅させ、記録開始位置から記録終了位置までのナレーションの記録中は第2の印部を表示画面に点滅させ、記録終了位置から以降のポストロール時には第3の印部を表示画面に点滅させる表示制御手段と、オペレータの操作に応じ、表示画面における第1の印部、第2の印部及び第3の印部の点滅状態をオペレータに視認させながら選択手段によって選択されたナレーションを音声ライン上の記録開始位置に貼り付けてナレーションの記録を開始するようにした。
【0007】
この結果、本願発明の編集装置では、オペレータの操作に応じ、表示画面における第1の印部、第2の印部及び第3の印部の点滅状態をオペレータに視認させながら選択されたナレーションを指定された音声ラインの記録開始位置に貼り付けて記録を開始することができるので、ナレーションの編集効率を向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0009】
(1)編集装置の構成
図1において、1は全体として本実施の形態による編集装置を示し、ビデオテープに記録された映像音声の所望部分をクリップとして登録し得る一方、このとき所望のクリップの映像信号及び音声信号をハードディスク装置2に取り込み得るようになされている。
【0010】
またこの編集装置1では、登録された各クリップを所望状態に繋ぎ合わせて所望の編集映像音声を得るための編集内容を規定した編集データを作成でき、さらにこの作成した編集データに従って実際に編集処理を実行することができるようになされている。
【0011】
すなわちこの編集装置1においては、コンピュータ3、システム制御部4、映像入力部5、映像出力部6、ディジタル映像音声入出力部7、映像特殊効果処理部8、音声入出力/ミキサ部9及びディスク制御部10がコントロールバス11を介して接続されることにより構成されている。
【0012】
この場合コンピュータ3は、初期時、ディスプレイ12に所定の操作画面(以下、これをメイン画面と呼ぶ)を表示させる。またコンピュータ3は、この状態においてマウス13が操作されることにより、クリップ登録モードが選択され、当該編集装置1に接続された複数台のビデオテープレコーダ14A〜14Dのなかから1台のビデオテープレコーダ14A〜14Dの再生動作命令が入力されると、これに応じた制御コマンドC1をシステム制御部4に送出する。
【0013】
システム制御部4は、供給される制御コマンドC1に基づいて、対応するビデオテープレコーダ14A〜14Dに制御信号S1を送出することにより、ビデオテープに記録された映像信号及び音声信号の再生動作を実行させる。
【0014】
この結果このビデオテープレコーダ14A〜14Dからはアナログ映像信号S2及びアナログ音声信号S3と、ディジタル映像信号S4及びディジタル音声信号S5とが出力され、アナログ映像信号S2及びアナログ音声信号S3がそれぞれ映像入力部5又は音声入出力/ミキサ部9に与えられ、ディジタル映像信号S4及びディジタル音声信号S5がディジタル映像音声入出力部7に与えられる。
【0015】
このときシステム制御部4は、コントロールバス11を介して映像入力部5及び音声入出力/ミキサ部9と、ディジタル映像音声入出力部7とのうちのいずれか一方を制御することにより、ビデオテープレコーダ14A〜14Dから出力されたアナログ映像信号S2及びアナログ音声信号S3と、ディジタル映像信号S4及びディジタル音声信号S5とのうちのいずれか一方のみを取り込ませる。
【0016】
かくして映像入力部5を介してアナログ映像信号S2が取り込まれた場合には、これが映像入力部5においてディジタル変換された後ディジタル映像信号S6として映像特殊効果処理部8に与えられ、ディジタル映像音声入出力部7を介してディジタル映像信号S4が取り込まれた場合には、これがそのまま映像特殊効果処理部8に与えられる。
【0017】
このとき映像特殊効果処理部8は、システム制御部4の制御のもとに、映像入力部5又はディジタル映像音声入出力部7から供給されるディジタル映像信号S6、S4をコンピュータ3に送出する。かくしてこのときディスプレイ12には、システム制御部4の制御のもとにディジタル映像信号S6、S4に基づく映像がメイン画面上の所定位置に表示される。
【0018】
またこのときアナログ音声信号S3が取り込まれた場合には、これがそのまま音声入出力/ミキサ部9からスピーカSPに送出され、またディジタル音声信号S5が取り込まれた場合には、これが音声入出力/ミキサ部9においてアナログ変換された後、スピーカSPに送出される。
【0019】
これによりこの編集装置1では、ディスプレイ12に表示された映像及びスピーカSPから出力される音声に基づいて、オペレータがマウス13及びキーボード15を用いて映像及び音声の所望部分を指定することができ、さらにこれをクリップとしてそのイン点及びアウト点のタイムコードや素材長(デュレーション)等の関連データをコンピュータ3内に登録することができるようになされている。
【0020】
このときコンピュータ3は、予め取込みモードが選択されている場合には、これに応じた制御コマンドC1をシステム制御部4に送出する。
【0021】
システム制御部4は、供給される制御コマンドC1に基づいて、対応するビデオテープレコーダ14A〜14Dに制御信号S1を送出することにより、登録されたクリップの映像音声を当該ビデオテープレコーダ14A〜14Dに再生させる一方、映像入力部5及び音声入出力/ミキサ部9と、ディジタル映像音声入出力部7とのいずれか一方をコントロールバス11を介して制御することにより、ビデオテープレコーダ14A〜14Dから出力されるアナログ映像信号S2及びアナログ音声信号S3と、ディジタル映像信号S4及びディジタル音声信号S5とのうちのいずれか一方を取り込ませる。
【0022】
この結果映像入力部5を介してアナログ映像信号S2が取り込まれた場合には、これが映像入力部5においてディジタル変換された後ディジタル映像信号S6として映像特殊効果処理部8を介してディスク制御部10に送出され、ディジタル映像音声入出力部7を介してディジタル映像信号S4が取り込まれた場合には、これがそのままディスク制御部10に送出される。
【0023】
またこのとき音声入出力/ミキサ部9を介してアナログ音声信号S3が取り込まれた場合には、これが音声入出力/ミキサ部9においてディジタル変換された後ディジタル音声信号S7としてディスク制御部10に送出され、ディジタル映像音声入出力部9を介してディジタル音声信号S5が取り込まれた場合には、これが直接ディスク制御部10に送出される。
【0024】
そしてディスク制御部10は、このときシステム制御部4からコントロールバス11を介して与えられるコマンドに基づいて、映像特殊効果処理部8又はディジタル映像音声入出力部7から与えられるディジタル映像信号S6、S4と、音声入出力/ミキサ部9又はディジタル映像音声入出力部7から与えられるディジタル音声信号S7、S5とを順次取り込み、これらをハードディスク装置2に与えてハードディスクの指定されたアドレス位置に記録させる。
【0025】
このようにしてこの編集装置1においては、登録されたクリップの映像音声をビデオテープから再生してハードディスク装置2に取り込むことができるようになされている。
【0026】
一方コンピュータ3は、上述のようにしてクリップが登録されると、ディスプレイ12に表示されているメイン画面内に、登録されたクリップのリストを表示させる。
【0027】
そしてオペレータは、このメイン画面を用いてどのクリップとどのクリップとをどのように繋ぎ合わせるかといった編集内容を規定した編集データを編集リストとして作成することができる。またオペレータは、編集リストの作成後又は作成途中において、その編集リストに基づく編集映像及び編集音声を確認することができる。
【0028】
実際上、コンピュータ3は、編集リストの作成後又は作成途中において、その編集リストに基づく編集映像音声のプレビューモードが選択されると、これに応じた制御コマンドC1をシステム制御部4に送出する。
【0029】
システム制御部4は、供給される制御コマンドC1に基づいて、必要に応じて対応するビデオテープレコーダ14A〜14Dに制御信号S1を送出することにより当該ビデオテープレコーダ14A〜14Dに編集処理に利用するクリップの映像音声を再生させる一方、必要に応じてコントロールバス11を介してディスク制御部10を制御することにより、編集処理に利用するクリップの映像音声をハードディスク装置2から再生させる。
【0030】
この結果このビデオテープレコーダ14A〜14Dからは指定されたクリップのアナログ映像信号S2及びアナログ音声信号S3と、ディジタル映像信号S4及びディジタル音声信号S5とが出力され、アナログ映像信号S2及びアナログ音声信号S3がそれぞれ映像入力部5又は音声入出力/ミキサ部9に与えられ、ディジタル映像信号S4及びディジタル音声信号S5がディジタル映像音声入出力部7に与えられる。
【0031】
このときシステム制御部4は、コントロールバス11を介して映像入力部5及び音声入出力/ミキサ部9と、ディジタル映像音声入出力部7とのうちのいずれか一方を制御することにより、ビデオテープレコーダ14A〜14Dから出力されたアナログ映像信号S2及びアナログ音声信号S3と、ディジタル映像信号S4及びディジタル音声信号S5とのうちのいずれか一方のみを取り込ませる。
【0032】
かくして映像入力部5を介してアナログ映像信号S2が取り込まれた場合には、これが映像入力部5においてディジタル変換された後ディジタル映像信号S6として映像特殊効果処理部8に与えられ、ディジタル映像音声入出力部7を介してディジタル映像信号S4が取り込まれた場合には、これがそのまま映像特殊効果処理部8に与えられる。
【0033】
このとき映像特殊効果処理部8は、システム制御部4の制御のもとに、供給される各クリップのディジタル映像信号S6、S4を必要に応じて指定された状態に特殊効果加工処理する。また映像特殊効果処理部8は、このとき主制御部4から必要に応じて与えられるタイトル文字や各種グラフィック等の画像データを各クリップのディジタル映像信号S6、S4間に挿入し、又はディジタル映像信号S6、S4に重畳し、かくして得られたディジタル編集映像信号S8を映像出力部6に送出する。
【0034】
そして映像出力部6は、システム制御部4の制御のもとに、供給されるディジタル編集映像信号S8をアナログ変換し、得られた編集映像信号S9をモニタ16に送出する。
【0035】
一方このときビデオテープレコーダ14A〜14Dから出力されたアナログ音声信号S3及びディジタル音声信号S5のうち、音声入出力/ミキサ部9を介してアナログ音声信号S3が取り込まれた場合には、これが音声入出力/ミキサ部9において必要に応じてミキシング等の編集処理が施された後編集音声信号としてスピーカSPに送出され、ディジタル映像音声入出力部7を介してディジタル音声信号S5が取り込まれた場合には、これが音声入出力/ミキサ部9においてアナログ変換され、ミキシング等の編集処理が施された後、編集音声信号としてスピーカSPに送出される。
【0036】
この結果この編集装置1においては、モニタ16に編集映像信号S9に基づく編集映像が表示されると共にスピーカSPから編集音声信号に基づく編集音声が出力され、かくしてオペレータが編集リストに基づく編集映像及び編集音声を確認することができるようになされている。
【0037】
さらにコンピュータ3は、編集リストが作成された後、マウス13又はキーボード15が操作されてその実行命令が入力されると、これに応じた制御コマンドC1をシステム制御部4に送出する。
【0038】
システム制御部4は、供給される制御コマンドC1に基づいて、必要に応じて対応するビデオテープレコーダ14A〜14Dに制御信号S1を送出することにより当該ビデオテープレコーダ14A〜14Dに編集処理に利用するクリップの映像音声を再生させる一方、必要に応じてコントロールバス11を介してディスク制御部10を制御することにより、ハードディスク装置2から編集処理に利用するクリップの映像音声を再生させる。
【0039】
この結果上述のプレビューモード時と同様にして、映像特殊効果処理部8に、ビデオテープレコーダ14A〜14Dから映像入力部5若しくはディジタル映像音声入出力部7を経由して必要なクリップのディジタル映像信号S6、S4が与えられ、又はハードディスク装置2からディスク制御部10を経由して必要なクリップのディジタル映像信号S6、S4が与えられる。
【0040】
またこのとき音声入出力/ミキサ部9には、ビデオテープレコーダ14A〜14Dから直接若しくはディジタル映像音声入出力部7を経由して必要なクリップのアナログ音声信号S3若しくはディジタル音声信号S5が与えられ、又はハードディスク装置2からディスク制御部10を経由して必要なクリップのディジタル音声信号S7、S5が与えられる。
【0041】
そして映像特殊効果処理部8は、システム制御部4の制御のもとに、上述のプレビューモード時と同様にして、供給される各クリップのディジタル映像信号S6、S4を必要に応じて特殊効果加工処理し、かくして得られた編集映像の映像信号でなるディジタル編集映像信号S8を映像出力部6に送出する。
【0042】
このとき映像出力部6は、システム制御部4の制御のもとに、供給されるディジタル編集映像信号S8をアナログ変換し、得られた編集映像信号S9を対応するビデオテープレコーダ14A〜14Dに送出する。
【0043】
またこのとき音声入出力/ミキサ部9は、システム制御部の制御のもとに、上述のプレビューモード時と同様にして、供給される各クリップのアナログ音声信号S2又はディジタル音声信号S5、S7に対して必要に応じてミキシング等の編集処理を施し、かくして得られた編集音声信号S10を対応するビデオテープレコーダ14A〜14Dに送出する。
【0044】
このときこのビデオテープレコーダ14A〜14Dには、システム制御部4から制御信号S1が与えられており、かしくて当該ビデオテープレコーダ14A〜14Dは、この制御信号S1に基づいて、これら映像出力部6から供給される編集映像信号S9と、音声入出力/ミキサ部9から供給される編集音声信号S10とをビデオテープの指定された位置に記録する。
【0045】
また、音声入出力/ミキサ部9は、マイクMKによって集音された音声信号が入力されるようになされており、当該マイクMKを介して入力された音声信号に対してミキシング等の編集処理を施した後、編集音声信号としてディスク制御部10を介してハードディスク装置2に記録したり、スピーカSPから外部に出力するようになされている。
【0046】
このようにしてこの編集装置1では、作成された編集リストに従って指定されたクリップの映像音声を指定された状態に編集加工してビデオテープに記録することができるようになされている。
【0047】
(2)編集装置における記録再生系の構成
ここで編集装置1における記録再生系の構成について図2を用いて説明する。ディスク制御部10は、ハードディスク装置2が2枚の再生用ディスクと1枚の記録用ディスクとを有していることから、2枚の再生用ディスクに記録されているデータの再生をそれぞれ制御するディスク再生制御部10A及び10Bと、記録用ディスクに対するデータの記録を制御するディスク記録制御部10Cとから構成されている。また編集装置1は、ナレーションのような音声信号を入力する入力手段としてのマイクMKを有しており、当該マイクMKを介して音声を音声入出力/ミキサ部9に入力し得るようになされている。
【0048】
音声入出力/ミキサ部9は、オーディオミキサ9A〜9DとバスBでなるルーティング回路9Eとから構成されており、ミキシング等の編集処理を施すようになされている。その際、音声入出力/ミキサ部9は、システム制御部4から供給される制御コマンドに基づいて、オーディオミキサ9A〜9Dとルーティング回路9Eのバスとの接続関係を示すバスアサイン(すなわちクロスポイント)を変更し得るようになされている。
【0049】
かくしてディスク再生制御部10Aは、ハードディスク装置2内部に存在する2枚の再生用ディスクのうち、一方の再生用ディスクを制御することにより当該再生用ディスクからチャンネルCh1〜Ch4の音声信号を再生し、当該チャンネルCh1〜Ch4の音声信号を音声入出力/ミキサ部9のオーディオミキサ9Aに送出する。
【0050】
オーディオミキサ9Aは、ディスク再生制御部10Aから供給されるチャンネルCh1〜Ch4の音声信号のうち、チャンネルCh1及びCh3の音声信号をミキシングして、当該ミキシングした音声信号をルーティング回路9E内のバスBのチャンネルCh3に送出すると共に、チャンネルCh2及びCh4の音声信号をミキシングして、当該ミキシングした音声信号をルーティング回路9E内のバスBのチャンネルCh4に送出するようになされている。
【0051】
同様にしてディスク再生制御部10Bは、ハードディスク装置2内部に存在する2枚の再生用ディスクのうち、他方の再生用ディスクを制御することにより当該再生用ディスクからチャンネルCh1〜Ch4の音声信号を再生し、当該チャンネルCh1〜Ch4の音声信号を音声入出力/ミキサ部9のオーディオミキサ9Bに送出する。
【0052】
オーディオミキサ9Bは、ディスク再生制御部10Bから供給されるチャンネルCh1〜Ch4の音声信号のうち、チャンネルCh1及びCh3の音声信号をミキシングして、当該ミキシングした音声信号をルーティング回路9E内のバスBのチャンネルCh3に送出すると共に、チャンネルCh2及びCh4の音声信号をミキシングして、当該ミキシングした音声信号をルーティング回路9E内のバスBのチャンネルCh4に送出するようになされている。
【0053】
マイクMKは、ユーザの音声を集音してなるチャンネルCh1及びCh2の音声信号を音声入出力/ミキサ部9のオーディオミキサ9Cに送出する。オーディオミキサ9Cは、チャンネルCh1の音声信号をルーティング回路9E内のバスBのチャンネルCh1及びCh3に送出すると共に、チャンネルCh2の音声信号をルーティング回路9E内のバスBのチャンネルCh2及びCh4に送出するようになされている。
【0054】
ところでコンピュータ3は、オペレータの操作に応じて、編集処理を実行するためのコマンドを規定した編集リスト(EDL:Edit Decision List)を生成し、このEDLに基づく制御コマンドC1をシステム制御部4に送出する。システム制御部4は、制御コマンドC1が供給されると、当該制御コマンドC1が示すEDLからルーティング回路9Eのバスアサインについてのデータを抽出し、当該抽出したバスアサインのデータに基づく制御コマンドをルーティング回路9Eに送出する。
【0055】
ルーティング回路9Eは、システム制御部4から供給される制御コマンドに基づいてバスアサインを変更し得るようになされている。すなわち図3及び図4に示すように、ルーティング回路9Eは、バスBのうちチャンネルCh3及びCh4を介して供給される音声信号をオーディオミキサ9Dに送出すると共に、チャンネルCh1及びCh2を介して供給される音声信号をディスク記録制御部10Cに送出する。
【0056】
ディスク記録制御部10Cは、ルーティング回路9E内におけるチャンネルCh1〜Ch4のバスBをそれぞれ介して供給される音声信号のうち、チャンネルCh1及びCh2のバスBを介して供給される音声信号をハードディスク装置2の記録用ディスクに記録するようになされている。
【0057】
オーディオミキサ9Dは、チャンネルCh3のバスBを介して供給される音声信号をモニタMon1を通じてスピーカSPから外部に出力すると共に、チャンネルCh4のバスBを介して供給される音声信号をモニタMon2を通じて出力手段としてのスピーカSPから外部に出力するようになされている。
【0058】
かくして音声入出力/ミキサ部9は、ハードディスク装置2からディスク再生制御部10A及び10Bを介して再生された音声信号とマイクMKから入力された音声信号とをスピーカから出力しながら、当該マイクMKから入力された音声信号のみをハードディスク装置2に記録する。
【0059】
(3)コンピュータによるナレーション作成手順
ここでコンピュータ3によるナレーション作成手順について図5及び図6に示すフローチャートを用いて説明する。まずステップSP1から入ったステップSP2において、コンピュータ3は、オペレータの操作に応じて、図7に示すようなナレーション設定画面30を表示画面に表示し、当該ナレーション設定画面30を介してナレーションに関する各種設定を行う。
【0060】
ナレーション設定画面30は、「次のクリップの直前で停止」チェックボックス31と、「プリロール再生を行う」チェックボックス32と、「プリロール時間」テキストボックス33と、「プリロール時間」スピンコントロール34と、「入力」コンボボックス35と、「トラック」コンボボックス36とを表示するようになされている。
【0061】
「次のクリップの直前で停止」チェックボックス31は、チェックされると、指定されたナレーショントラック上に現れる最初のクリップのイン点までを実行範囲とする。これにより作成済のクリップに対して上書きが行われることを回避する。「プリロール再生を行う」チェックボックス32は、チェックされると、通常数秒間のプリロール(黒と無音が出力されること)に加え、記録開始位置直前のタイムラインを数秒間再生する。これにより記録開始のタイミングを容易に判断し得る。
【0062】
「プリロール時間」テキストボックス33は、「プリロール再生を行う」チェックボックス32がチェックされているときのみ有効なボックスで、記録開始位置直前のタイムライン再生時間を秒単位で指定できるものである。「プリロール時間」スピンコントロール34は、「プリロール時間」テキストボックス33と連動して、記録開始位置直前のタイムライン再生時間を1秒単位で変化させる。
【0063】
「入力」コンボボックス35は、ナレーション記録時の入力ポートをP1(ディスク再生制御部10A)/P2(ディスク再生制御部10B)/Aux(マイクMK)/Rec(ディスク記録制御部10C)のうちいずれかを選択し得るようになされている。「トラック」コンボボックス36は、記録したナレーションクリップが貼り付けられるトラックをS1〜S4のうちいずれかを選択し得るようになされている。
【0064】
ステップSP3において、コンピュータ3は、オペレータの操作に応じて、図8に示すようなツールメニュー40を表示して、そのうち「ナレーション作成」コマンド40Aを実行する。ステップSP4において、コンピュータ3は、現在のタイムラインが実行可能か否か判断する。その結果、コンピュータ3は、実行不可能と判断した場合にはステップSP5に移行し、実行可能と判断した場合にはステップSP6に移行する。
【0065】
ステップSP5において、コンピュータ3は、実行不可能であることを示すエラーメッセージを表示する。次にステップSP7に移って処理を終了する。ステップSP6において、コンピュータ3は、オペレータの操作に応じて、タイムラインカーソルによって指定された位置をプレビュー開始位置として決定する。その際、タイムラインカーソル位置がギャップ(無音)であっても、その位置がプレビュー開始位置となる。また、エフェクトの途中からはプレビューできず、当該エフェクトの先頭位置がプレビュー開始位置となる。さらにタイトルクリップの途中からは実行できず、当該タイトルクリップの先頭がプレビュー開始位置となる。
【0066】
ステップSP8において、コンピュータ3は、オペレータの操作に応じて、タイムラインカーソルによって指定された位置を記録開始位置として決定する。ステップSP9において、コンピュータ3は、オペレータの操作に応じて、実行範囲が既に指定されているか否か判断する。その結果、コンピュータ3は、実行範囲が指定されていないと判断した場合にはステップSP10に移行し、実行範囲が既に指定されていると判断した場合にはステップSP11に移行する。ステップSP10において、コンピュータ3は、オペレータの操作に応じて記録終了位置を決定する。コンピュータ3は、実行範囲が指定されていた場合には、当該実行範囲を記録範囲とする。
【0067】
ステップSP11において、コンピュータ3は、各ブロックの動作を制御するためのコマンドでなるEDLを生成し、当該EDLに基づいて各ブロックを制御する。その際、コンピュータ3は、音声入出力/ミキサ部9のルーティング回路9Eにおけるバスアサインを変更する。
【0068】
ステップSP12において、コンピュータ3は、作成したEDLに基づいてプレビューを開始するが、タイムラインカーソルが実行開始位置に到達するまでは記録は行われない。その際、コンピュータ3は、図9に示すようなオールストップ・ダイアログボックス50を表示画面に表示することにより、実行中の動作状況を表示させる。オールストップ・ダイアログボックス50は、ステータス表示用矢印51A〜51Cと、オフセット表示用タイムコード表示領域52と、クイットボタン53と、オールストップボタン54とを表示している。
【0069】
ステータス表示用矢印51Aは、プリロール時に点滅する矢印であり、ステータス表示用矢印51Bは、記録前の再生時には白色の点滅をし、記録中には赤色の点滅をする矢印であり、ステータス表示用矢印51Cは、ポストロール時に点滅する矢印である。オフセット表示用タイムコード表示領域52は、自動実行中にはハードディスク装置2への記録開始点からのタイムラインのオフセットが表示される。すなわち素材の位置が示される。
【0070】
クイットボタン53は、自動実行を直ちに停止するボタンであり、実行結果は破棄される。オールストップボタン54は、自動実行を直ちに停止するボタンであり、クイットボタン53と異なり、ボタン押下点までのクリップが保存されるようになされている。
【0071】
ステップSP13において、コンピュータ3は、タイムラインカーソルが実行開始位置へ移動すると、記録を開始する。ステップSP14において、コンピュータ3は、オペレータによって例えばオールストップ・ダイアログボックス50のオールストップボタン54が押圧される等の記録終了指示の操作が行われると、記録を停止する。その際、コンピュータ3は、記録終了指示の操作が行われなくても、実行範囲が指定されている場合には当該実行範囲の実行を終えると記録を停止する。このように音声素材の記録開始点及び記録終了点はオペレータの操作によって任意に設定される。
【0072】
ステップSP15において、コンピュータ3は、オールストップ・ダイアログボックス50のオールストップボタン54が押圧されたのか、クイットボタン53が押圧されたのか判断し、オールストップボタン54が押圧された場合にはステップSP16に移行し、クイットボタン53が押圧された場合にはステップSP17に移行する。
【0073】
ステップSP17において、コンピュータ3は、実行された素材を破棄して、ステップSP18に移って処理を終了する。ステップSP16において、コンピュータ3は、新たに音声素材(クリップ)を作成する。ステップSP19において、コンピュータ3は、作成した音声素材を貼る付けるための音声ライン、すなわちオペレータによって予め指定されているタイムライン上の音声トラックを決定する。
【0074】
コンピュータ3は、ステップSP20において音声ラインS1が選択された場合、ステップSP21に移って当該音声ラインS1に音声素材を貼り付ける。次にステップSP22に移って処理を終了する。コンピュータ3は、ステップSP23において音声ラインS2が選択された場合、ステップSP24に移って当該音声ラインS2に音声素材を貼り付ける。次にステップSP25に移って処理を終了する。
【0075】
コンピュータ3は、ステップSP26において音声ラインS3が選択された場合、ステップSP27に移って当該音声ラインS3に音声素材を貼り付ける。次にステップSP28に移って処理を終了する。コンピュータ3は、ステップSP29において音声ラインS4が選択された場合、ステップSP30に移って当該音声ラインS4に音声素材を貼り付ける。次にステップSP31に移って処理を終了する。
【0076】
10は、新たに作成された音声素材を音声ラインS3に貼付けた場合の表示画面を示す。このように編集装置1では、新規に作成された音声素材がコンピュータ3の表示画面上の指定された音声ラインSに貼り付けられる。
【0077】
(4)動作及び効果
以上の構成において、編集装置1では、オペレータの操作に応じて予め作成された編集リストに基づいて編集装置1における記録再生系の接続関係を制御することにより、ハードディスク装置2に記録されている音声素材を再生しながら、新たな音声素材を生成して当該生成された新規な音声素材のみをハードディスク装置2に記録して、従来のようにプレビュー用の編集装置と素材生成用の編集装置を別々に設けたり、予め新規の音声素材を独立して作成しておく必要がない。
【0078】
以上の構成によれば、オペレータの操作に応じて編集装置1の記録再生系におけるデータの入出力関係を制御することにより、ハードディスク装置2に記録されている音声素材を再生しながら、新たな音声素材を生成して当該生成された新規な音声素材のみをハードディスク装置2に記録することができ、かくして従来に比して一段と編集作業効率を向上し得る。
【0079】
(5)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、ハードディスク装置2に記録されている音声素材を再生しながら、新たな音声素材を生成して当該生成された新規な音声素材をハードディスク装置2に記録した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばハードディスク装置2に記録されている映像素材を再生しながら、音声素材を生成してハードディスク2に記録しても良く、要は、ハードディスク装置2に記録されている素材を再生しながら、当該素材に応じた新規な素材を生成してハードディスク装置2に記録すれば良い。
【0080】
また上述の実施の形態においては、切換手段として音声入出力/ミキサ部9を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、供給される制御信号に応じて、ディスク再生制御部10A(10B)及びマイクMK並びにディスク記録制御部10C及びスピーカSPの接続状態を切り換える切換手段であれば良い。
【0081】
さらに上述の実施の形態においては、制御手段としてコンピュータ3及びシステッム制御部4を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、オペレータの操作に応じて制御信号を生成し、これを音声入出力/ミキサ部9に与える制御手段であれば良い。
【0082】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、ナレーションの記録を開始する記録開始位置及び記録を終了する記録終了位置をタイムラインカーソルによってタイムライン上に指定し、さらに記録開始位置から遡った位置をプレビュー開始位置として指定し、プレビュー開始位置から記録開始位置までのプリロール時に第1の印部を表示画面に点滅させ、記録開始位置から記録終了位置までのナレーション記録中は第2の印部を表示画面に点滅させ、記録終了位置以降のポストロール時に第3の印部を表示画面に点滅させることによって、オペレータにこれらの表示画面の印部を視認させながら予め選択した編集するナレーションの素材を編集先の音声ライン上の記録開始位置に貼り付けて記録するようにしたことにより、タイムライン上のプレビュー開始位置、記録開始位置、記録終了位置などを表示画面の印部で確認しながら予め選択したナレーションの素材を編集先の音声ライン上の記録開始位置に貼り付けて記録ことができるので、音声素材を再生する編集装置及び音声素材を生成する編集装置を別々に用意することなく編集効率を向上することができかくして編集効率の向上できる編集装置を実現することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による編集装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】編集装置における記録再生系の構成を示すブロック図である。
【図3】編集装置における記録再生系の構成を示すブロック図である。
【図4】編集装置における記録再生系の構成を示すブロック図である。
【図5】コンピュータによるナレーション作成手順を示すフローチャートである。
【図6】コンピュータによるナレーション作成手順を示すフローチャートである。
【図7】各種設定画面を示す略線図である。
【図8】ドロップダウンメニューを示す略線図である。
【図9】オールストップ・ダイアログボックスを示す略線図である。
【図10】編集処理結果を示す略線図である。
【符号の説明】
1……編集装置、2……ハードディスク装置、3……コンピュータ、4……システム制御部、7……ディジタル映像音声入出力部、9……音声入出力ミキサ部、10……ディスク制御部、11……コントロールバス、12……ディスプレイ、13……マウス、14……VTR。

Claims (2)

  1. 編集対象の素材であるナレーションを編集するための編集装置において、
    上記ナレーションの記録を開始する記録開始位置及び当該記録を終了する記録終了位置をタイムラインカーソルによってタイムライン上に指定する記録指定手段と、
    上記記録開始位置から遡った上記タイムライン上のプレビュー開始位置を当該タイムライン上に指定するプレビュー指定手段と、
    複数の上記素材の中から上記ナレーションを上記編集対象として選択するナレーション選択手段と、
    上記ナレーション選択手段により選択された上記ナレーションを貼り付けるための音声ラインを指定する音声ライン指定手段と、
    上記プレビュー開始位置から上記記録開始位置までのプリロール時に第1の印部を表示画面に点滅させ、上記記録開始位置から上記記録終了位置までの上記ナレーションの記録中は第2の印部を上記表示画面に点滅させ、上記記録終了位置から以降のポストロール時には第3の印部を上記表示画面に点滅させる表示制御手段と、
    オペレータの操作に応じ、上記表示画面における上記第1の印部、上記第2の印部及び上記第3の印部の点滅状態を上記オペレータに視認させながら上記選択手段によって選択された上記ナレーションを上記音声ライン上の上記記録開始位置に貼り付けて上記ナレーションの記録を開始する記録手段と
    を具えることを特徴とする編集装置。
  2. 編集対象の素材であるナレーションを編集するための編集方法において、
    上記ナレーションの記録を開始する記録開始位置及び当該記録を終了する記録終了位置をタイムラインカーソルによってタイムライン上に指定する記録指定ステップと、
    上記記録開始位置から遡った上記タイムライン上のプレビュー開始位置をタイムライン上に指定するプレビュー指定ステップと、
    複数の上記素材の中から上記ナレーションを上記編集対象として選択するナレーション選択ステップと、
    上記ナレーション選択ステップにより選択された上記ナレーションを貼り付けるための音声ラインを指定する音声ライン指定ステップと、
    上記プレビュー開始位置から上記記録開始位置までのプリロール時に第1の印部を点滅させ、上記記録開始位置から上記記録終了位置までの上記ナレーションの記録中は第2の印部を点滅させ、上記記録終了位置から以降のポストロール時には第3の印部を点滅させるように表示画面を制御する表示ステップと、
    オペレータの操作に応じ、上記表示画面における上記第1の印部、上記第2の印部及び上記第3の印部の点滅状態を上記オペレータに視認させながら上記選択ステップによって選択された上記ナレーションを上記音声ライン上の上記記録開始位置に貼り付けて上記ナレーションの記録を開始する記録ステップと
    を具えることを特徴とする編集方法。
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