JP4016083B2 - 車両用エアバッグ構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、主に助手席用エアバッグ装置に用いられる車両用エアバッグ構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用エアバッグ構造としては、特開平7−96811号公報等に記載されているものが知られている。
【0003】
このような従来のエアバッグ構造では、図7に示すようなトップマウント型と呼ばれるエアバッグ装置1で、助手席前方に位置するインストルメントパネル2内に、エアバッグモジュール3が設けられている。このエアバッグモジュール3内には、インフレータ4の着火により展開するエアバッグ本体5が、折り畳まれて設けられている。
【0004】
前記インストルメントパネル2には、フロントのウインドウシールドパネル6に略対向する上面部に、バッグ開口部2aが形成されている。
【0005】
このバッグ開口部2aには、樹脂製のエアバッグリッド7が、このバッグ開口部2aの周縁部2bに係止されて、このバッグ開口部2aを閉塞するように装着されている。
【0006】
このエアバッグリッド7には、展開したエアバッグ本体5の展開圧によって開裂する溝状の開裂線7aが、前側リッド部7b及び後側リッド部7cの周囲に上面視略H字型形状を呈するように設けられている。
【0007】
前記インフレータ4を収納するインフレータ収納容器8は、固定ブラケット9を介して図示省略のステアリングメンバに固定されている。このインフレータ収納容器8の上面部には、ガス噴出開口10が開放形成されている。
【0008】
そして、このガス噴出開口10の周縁には、エアバッグ展開時、エアバック本体5のガイドを行う金属製ガイド壁部材11,12が、固定されている。
【0009】
この金属製ガイド壁部材11,12の上端縁11a及び12aには、略方形状に上方へ向けてバッグ開口部13が開放するように形成されている。
【0010】
このバッグ開口部13は、塵芥等の進入を防止するラッピング部材14によって覆われている。このラッピング部材14は、図8に示すように、複数の薄紙状の層部14a…を積層して形成されている。
【0011】
そして、前記上端縁11a及び12aの外周縁部に、両面接着テープ15を介して、前,後各側縁部14b,14cを添着して、前記バッグ開口部13に張設される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の車両用エアバッグ構造では、バッグ開口部13に張設されたラッピング部材14が、エアバッグ本体8の展開で、図8に示す状態から、一部を両面接着テープに残して、引きちぎれてしまう。これは、前記ラッピング部材14が、多層構造を呈しているため、剪断方向に働く力には強いが、剥離方向に働く力には、弱いといった性質により発生すると考えられる。
【0013】
このため、本来、図9中二点鎖線に示す位置に止まらなければならないラッピング部材14の上層部が、図9中実線で示すように、落下してしまう虞があった。
【0014】
そこで、本発明は、ラッピング部材の落下を防止できる車両用エアバック構造を提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載された発明では、インフレータ収納容器の上面部に開口形成されたガス噴出開口に、該ガス噴出開口周縁から上方に向けて立設される前,後及び左,右側壁部に囲まれて、折り畳まれたエアバッグ本体を収納する収納室を設けて、該収納室の前記ガス噴出開口側に位置する下面側の対向面である上面側に、略全面を開口するエアバッグ突出口を開口形成する略ボックス状とすると共に、該エアバッグ突出口を覆い前記収納室への塵芥の進入を防止するラッピングシートを有し、該ラッピングシートには、前記エアバッグ突出口を覆う開口面部の前,後側縁部から、前記前,後側壁部に重複する位置まで延設された前,後各添着面部を設け、前,後添着面部に貼設される両面接着テープを介して、該収納室の上端縁の外周縁部に、貼設される車両用エアバッグ構造であって、前記ラッピングシートの前記開口面部の左,右両側辺部に、前記左,右側壁部に重複する位置まで延設された左,右添着面部を設けて、該左,右添着面部に各々両面接着テープを貼設すると共に、該左,右添着面部に各々貼設された両面接着テープの車両前後方向端縁部が、前記収納室の上端縁の外周縁部に、貼設された前,後添着面部に重複して貼設されるように、前記左,右添着面部の車両前後方向両端縁を舌片状に各々突設した車両用エアバッグ構造を特徴としている。
【0016】
このように構成された請求項1記載のものでは、前記左,右添着面部の車両前後方向両端縁を舌片状に各々突設した左,右添着面部の両面接着テープが、前記前,後添着面部に重複して貼設される。
【0017】
該両面接着テープは、左,右側壁部にも添着されているので、前記ラッピング部材が、エアバッグ本体の展開で、一部を前,後壁部に添着された両面接着テープに残して、引きちぎれても、落下する虞がない。
【0018】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。
【0019】
図1乃至図7は、この発明の実施の形態1の車両用エアバッグ構造を示すものである。なお、前記従来のものと同一乃至均等な部分については、同一符号を附して説明する。
【0020】
まず、構成を説明すると、この実施の形態1の車両用エアバッグ構造は、トップマウント型と呼ばれる助手席エアバッグ装置20に適用されるもので、助手席前方に位置するインストルメントパネル2は、芯材2cのみの部位と、その芯材2cに、発泡層2dを挟んで表皮2eが設けられた部位とで構成されている。
【0021】
また、前記インストルメントパネル2には、フロントのウインドウシールドパネル6に略対向する上面部に、バッグ開口部2aが形成されている。
【0022】
このバッグ開口部2aには、樹脂製のエアバッグリッド7が、このバッグ開口部2aの周縁部2bに係止されて、このバッグ開口部2aを閉塞するように装着されている。
【0023】
このエアバッグリッド7には、展開したエアバッグ本体5の展開圧によって開裂する溝状の開裂線7aが、前側リッド部7b及び後側リッド部7cの周囲に上面視略H字型形状を呈するように設けられている。
【0024】
前記インストルメントパネル2内には、インフレータ4の着火により展開するエアバッグ本体5が、折り畳まれて格納されるエアバッグモジュール21が設けられている。
【0025】
このエアバッグモジュール21には、前記インフレータ4を収納するインフレータ収納容器8が設けられていて、固定ブラケット9を介して図示省略のステアリングメンバに固定されている。このインフレータ収納容器8の上面部には、ガス噴出開口10が開放形成されている。
【0026】
そして、このガス噴出開口10の周縁には、エアバッグ展開時、エアバック本体5のガイドを行う金属製ガイド壁部材11,12が、固定されている。これらの金属製ガイド壁部材11,12は、水平断面形状略コ字状を呈して、左右各側壁部11b,12bを一部重複させて、上面視略方形状で、全体視略ボックス状の収納室22が形成されている。
【0027】
この金属製ガイド壁部材11,12の上端縁11a及び12a、左右各側壁部11b,12bによって長方形形状を呈し、この収納室22の前記ガス噴出開口10の対向面に、エアバッグ突出口を開口形成するバッグ開口部23が、この実施の形態では、略全面に渡り、上面側を開口するように形成されている。
【0028】
このバッグ開口部23は、塵芥等の進入を防止するラッピング部材24によって覆われている。このラッピング部材24(商品名タイベックス)は、図8に示すように、複数の薄紙状の層部14a…を積層して形成されている。
【0029】
そして、前記上端縁11a及び12aの外周縁部に、両面接着テープ15a〜15dを介して、前記バッグ開口部23を覆うように位置して、破断線25aが形成された開口面部24gから前後方向に向けて延設される前後側辺部24h,24iの前,後各側縁部24a,24bを添着して、前記バッグ開口部13に張設される。
【0030】
前記ラッピングシート24の前記開口面部24gの左,右側辺部24j,24kから車幅方向に向けて、前記左,右側壁部11b,12bに重複する位置まで延設された左,右各辺に沿って、左,右添着面部24c,25dが各々設けられている。
【0031】
この左,右添着面部24c,25cの車両前後方向両端縁には、舌片状に各々突設された舌片状延長部24f,24eが設けられている。
【0032】
また、この左,右添着面部24c,25cには、これらの舌片状延長部24fから、舌片状延長部24eまでに渡って、裏面側に各々両面接着テープ15c,15dが、車両前,後方向端縁部15f,15eを前記舌片状延長部24f,24eの裏面側に位置させるように貼設されている。
【0033】
そして、各両面接着テープ15c,15dの車両前,後方向端縁部15f,15eが、前記上端縁11a及び12aに添着された前,後添着面部24a,24bに、上方から重複して貼設されるように構成されている。
【0034】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0035】
この発明の実施の形態1では、前記左,右添着面部24c,24dの車両前後方向両端縁から舌片状に各々突設されて形成された舌片状延長部24f,24eの裏面側に、左,右添着面部24cの両面接着テープ15c,15dが、延設されている。
【0036】
この舌片状延長部24f,24eの裏面側の両面接着テープ15f,15eは、図4に示すように、折り曲げられて前,後添着面部24a,24b上面側から重複されて貼設されている。
【0037】
この両面接着テープ15c,15dは、左,右側壁部11b,12bにも添着されているので、図5中矢印方向に示すように、エアバッグ本体5の展開時の上方へ引き上げられる力が働いても、このラッピング部材14を、前,後側壁上縁部11a,12aに貼設された状態に保持して止まらせることが出来る。
【0038】
また、図6に示すように、前記ラッピング部材14が、エアバッグ本体5の展開で、一部を前,後壁部上縁部11a,12aに貼設された両面接着テープ15aに残して、引きちぎれても、落下する虞がない。
【0039】
【発明の効果】
以上説明してきたように、請求項1の発明によれば、前記左,右添着面部の車両前後方向両端縁を舌片状に各々突設した左,右添着面部の両面接着テープが、前記左,右側壁部に重複する位置まで延設されて、前,後添着面部に重複して貼設される。
【0040】
該両面接着テープは、左,右側壁部にも添着されているので、前記ラッピング部材が、エアバッグ本体の展開で、一部を前,後壁部に添着された両面接着テープに残して、引きちぎれても、落下する虞がない、という実用上有益な効果を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の車両用エアバッグ構造で、車両前後方向に沿った位置での断面図である。
【図2】実施の形態1の車両用エアバッグ構造で、ラッピング部材の平面展開図である。
【図3】実施の形態1の車両用エアバッグ構造で、構成を説明するエアバックモジュールの側面図である。
【図4】実施の形態1の車両用エアバッグ構造で、取付の様子を説明する模式図である。
【図5】実施の形態1の車両用エアバッグ構造で、展開中の様子を説明する模式図である。
【図6】実施の形態1の車両用エアバッグ構造で、展開した様子を説明する模式図である。
【図7】従来例の車両用エアバッグ構造で、車両前後方向に沿った位置での断面図である。
【図8】従来例の車両用エアバック構造で、要部の断面図である。
【図9】従来例の車両用エアバッグ構造で、ラッピング部材が飛び散る様子を説明する要部の断面図である。
【符号の説明】
2 インストルメントパネル
4 インフレータ
5 エアバック本体
8 インフレータ収納容器
15 両面接着テープ
20 助手席エアバッグ装置
21 エアバッグモジュール
22 格納室
24 ラッピング部材
24a,24b 前,後添着面部
24c,24d 左,右添着面部
24f,24e 舌片状延長部部
Claims (1)
- インフレータ収納容器の上面部に開口形成されたガス噴出開口に、該ガス噴出開口周縁から上方に向けて立設される前,後及び左,右側壁部に囲まれて、折り畳まれたエアバッグ本体を収納する収納室を設けて、該収納室の前記ガス噴出開口側に位置する下面側の対向面である上面側に、略全面を開口するエアバッグ突出口を開口形成する略ボックス状とすると共に、該エアバッグ突出口を覆い前記収納室への塵芥の進入を防止するラッピングシートを有し、該ラッピングシートには、前記エアバッグ突出口を覆う開口面部の前,後側縁部から、前記前,後側壁部に重複する位置まで延設された前,後各添着面部を設け、前,後添着面部に貼設される両面接着テープを介して、該収納室の上端縁の外周縁部に、貼設される車両用エアバッグ構造であって、前記ラッピングシートの前記開口面部の左,右両側辺部に、前記左,右側壁部に重複する位置まで延設された左,右添着面部を設けて、該左,右添着面部に各々両面接着テープを貼設すると共に、該左,右添着面部に各々貼設された両面接着テープの車両前後方向端縁部が、前記収納室の上端縁の外周縁部に、貼設された前,後添着面部に重複して貼設されるように、前記左,右添着面部の車両前後方向両端縁を舌片状に各々突設したことを特徴とする車両用エアバッグ構造。
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