JP4015453B2 - 粉粒状ジエン系グラフト重合体の製造方法 - Google Patents

粉粒状ジエン系グラフト重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジエン系グラフト重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、ラテックスを凝固・脱水して得た湿粉を、気流乾燥機を使用して、安全、経済的かつ品質面に悪影響を及ぼすことなく乾燥して粉粒状ジエン系グラフト重合体を製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
MBS(メチルメタクリレート/ブタジエン/スチレン)樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)樹脂に代表されるジエン系グラフト重合体は、耐衝撃性、剛性、流動性に優れ各種プラスチックの衝撃強度改質剤などに幅広く使用されている。これらのジエン系グラフト重合体は、通常乳化重合で製造されるが、他の樹脂と溶融混練するため最終的に乾燥粉体として回収する必要がある。乳化重合で得られた重合体ラテックスから、重合体を粉体として回収する方法としては、グラフト重合体ラテックスを、酸又は塩を用いて凝集させ、凝集後のスラリーを、脱水、乾燥する方法が多く用いられる(特開1−51483、特開平6−256415号、特開8−48717)。この場合、乾燥工程においては、気流乾燥機と流動乾燥機を組み合わせたもの等が多く用いられている。
【0003】
乾燥用加熱ガスとしては、通常空気が使用されるが、ジエン系グラフト重合体の湿粉を乾燥する際には次のような問題がある。すなわち、ジエン系重合体は、一般に酸素と熱の存在下で自動酸化反応を起こす。特に、乾燥装置を連続運転すると、乾燥装置の内壁に粉体の一部が付着し、自動酸化されて発熱することにより、発火、粉塵爆発を引き起こす危険性がある。また、発火に至らない場合でも、酸化されて、変色した粉体が製品に混入すると、品質が悪化することから好ましくない。乾燥装置内に付着した粉体の滞在時間を短くするには、頻繁に乾燥装置内を洗浄し、付着物を除去する必要があるが、こうした作業は著しく生産性を低下させる。
【0004】
そこで、ジエン系グラフト重合体の湿粉を工業的に安全に乾燥する方法として、酸化安定剤をグラフト重合した後のラテックスに添加して乾燥することにより、自動酸化を防止する方法が提案されている。この方法により、ジエン系グラフト重合体の湿粉を気流乾燥する際の安全性が、従来より格段に向上した。しかしながら、一般に、上述したような安定剤は、高コストであることから、高温の乾燥ガスを使用して活発な熱交換を行うことが特徴である気流乾燥機においては、より少ない量の酸化安定剤で長時間連続運転するためには、乾燥機内に付着・滞留する粉体の自動酸化を抑制する工夫が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ジエン系重合体の湿粉を、気流乾燥機を使用して、安全、経済的かつ品質面に悪影響を与えることなく乾燥して、粉粒状重合体を製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ジエン系グラフト重合体100重量部に対してヒンダードフェノール系安定剤0.05〜2重量部およびチオエーテル系安定剤0.1〜3重量部を含むラテックスを凝固・脱水して得られる湿粉を、気流乾燥機へ供給して乾燥させるに際し、気流乾燥機内部の壁面温度Tw[℃]が、下記式(1)
Td<Tw<70 ・・・(1)
(ここで、Td:気流乾燥機出口ガスの露点温度[℃])
を満足するように冷却しながら乾燥させ、
気流乾燥機として、その底部に水を貯留することが可能で、かつ底部に滞留する粉粒物を水とともに排出可能な構造のものを使用することを特徴とする粉粒状重合体の製造方法である。
【0007】
た、気流乾燥機内の底部に、下記式(2)
Fg/17000≦Fw≦Fg/9000 ・・・(2)
(ここで、Fg:乾燥ガス風量[m3/min]、Fw:気流乾燥機底部に流す水量[m3/min])
を満足する水量の水を流しながら乾燥させることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の粉粒状重合体の製造方法に用いられるジエン系グラフト重合体ラテックスは、ジエン系の弾性幹重合体に硬質重合体形成性単量体を乳化重合法によりグラフト重合させることにより得られるものである。
【0009】
ジエン系の弾性幹重合体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系単量体の単独重合体または共重合体、及び該単量体と共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。共重合可能な単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアルキルの炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、1,3−ブチレンジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
【0010】
硬質重合体形成性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化合物等が挙げられる。これらの単量体は、単独あるいは2種以上で用いられる。
【0011】
本発明においては、ジエン系グラフト重合体ラテックス中に、ヒンダードフェノール系安定剤およびチオエーテル系安定剤がそれぞれ添加されていることが必須である。これらの添加により一定期間ジエン系グラフト重合体並びに気流乾燥機内でのその滞留物の酸化が防止され、気流乾燥機の長期にわたる連続的な運転が可能になる。
【0012】
本発明において、ヒンダードフェノール系安定剤とは、フェノール系化合物の−OH基のオルト位に嵩高い基が存在し、フェノール性−OH基の性質を隠蔽した化合物であり、その具体例としては2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−ターシャリーブチルフェニル)ブタン、n−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−ターシャリーブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス[メチレン−3(3',5'−ジ−ターシャリーブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−ターシャリーブチル−5−メチル−4−ヒドロシフェニル)プロピオネート]、およびペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、特にn−オクタデシル−3−(3',5'−ジ−ターシャリーブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネートおよびトリエチレングリコール−ビス[3−(3−ターシャリーブチル−5−メチル−4−ヒドロシフェニル)プロピオネート]が好ましい。
【0013】
本発明において、ラテックス中に添加するヒンダードフェノール系安定剤の添加量は、ジエン系グラフト重合体100重量部に対して0.05〜2重量部である。好ましくは重合体100重量部に対して0.05〜2重量部である。添加量0.05重量部未満では、酸化防止の期間が短くなり、頻繁に気流乾燥機内を洗浄する必要が生じる。また、2重量部を超えて添加しても原料費の増加に見合うだけの生産性向上効果が得られない。
【0014】
本発明において、チオエーテル系安定剤とは、スルフィド(−s−)構造を有する安定剤であり、具体例としては3,3'−チオジプロピオン酸、ジアルキル3,3'−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−アルキルチオプロピオネート)、テトラキス[メチレン−3−(アルキルチオ)プロピオネート]メタン、およびビス[2−メチル−4{3−アルキル−チオプロピオニルオキシ}−5−ターシャリーブチルフェニル]スルフィド等が挙げられ、特にジアルキル3,3'−チオジプロピオネートおよびテトラキス[メチレン−3−(アルキルチオ)プロピオネート]メタンが好ましい。
【0015】
本発明において、重合体ラテックス中に添加するチオエーテル系安定剤の添加量は、重合体100重量部に対して0.1〜3重量部であり、好ましくは0.1〜2重量部である。添加量0.1重量部未満では、酸化防止の期間が短くなり、頻繁に気流乾燥機内を洗浄する必要が生じる。また3重量部を超えて添加しても原料費の増加に見合うだけの生産性向上効果が得られない。
【0016】
本発明において、ヒンダードフェノール系安定剤とチオエーテル系安定剤の量比については特に制限はない。チオエーテル系安定剤をヒンダードフェノール系安定剤の2〜3倍添加するのが好ましい。また、上記2種の安定剤に加え、ホスファイト系安定剤等の他の酸化防止剤を併用することも可能である。
【0017】
ヒンダードフェノール系安定剤とチオエーテル系安定剤は、凝固・乾燥前のラテックスに含有されていれば、添加方法には特に制限はない。例えば上記の安定剤を同時に乳化分散させるか、あるいは別個に乳化分散させて、乳化重合の終了時にラテックス中に投入するのが好ましい。
【0018】
このようにして得たグラフト重合体ラテックスは、酸や塩等の凝固剤を使用して凝固した後、所望により水洗し、更に脱水機等によって脱水して湿粉とされる。本発明における脱水後の湿粉の下記の式(3)で定義される含水率の好ましい値は20〜100dry%である。
(湿粉含水率)=(((湿粉の質量)−(乾燥粉の質量))/(乾燥粉の質量))×100 [dry%] ・・・(3)
【0019】
本発明においては、湿粉の乾燥は少なくとも気流乾燥機を用いて実施する。すなわち、湿粉の乾燥は気流乾燥機のみを用いて行ってもよいし、気流乾燥機と、例えば流動乾燥機あるいは熱風乾燥機等と組み合わせて使用して行ってもよい。なかでも、気流乾燥機と流動乾燥機とを組み合わせて使用することが好ましい。
【0020】
ここで、本発明にいう気流乾燥機とは、粉粒体を高温の乾燥気流中で浮遊させ搬送しながら乾燥させる装置をいい、図1にその一例が示される。図1において、ホッパー5に供給された湿粉は、スクリューフィーダー6を経て乾燥管4へ供給され、送風機1およびエアヒーター2を経て送られる乾燥ガス(熱風)により、上方に搬送されつつ乾燥される。この際、湿粉の一部が気流乾燥機の底部に落下して滞留することがある。なお、この例では乾燥管の外側の一部に冷却用のジャケット3が配設されている。
【0021】
本発明においては、湿粉を気流乾燥機へ供給して気流乾燥させるに際し、気流乾燥機内部の壁面温度Tw[℃]が、下記式(1)
Td<Tw<70 ・・・(1)
(ここで、Td:気流乾燥機出口ガスの露点温度[℃])
を満足するように、冷却しながら乾燥する。また、壁面温度Twが、Td+5≦Tw≦40の条件を満足するように冷却することが好ましい。Tw≦Tdの場合は、結露により乾燥機内壁面に粉体が付着しやすくなったり、乾燥効率が悪くなったりするため適当ではない。また、Twが70℃以上になると、十分な酸化抑制効果が得られなる。
【0022】
気流乾燥機内の壁面の冷却部位は特に限定されないが、比較的温度が上昇しやすい乾燥ガスの入口周辺部から乾燥管の低い部位を中心に外部から冷却することが好ましい。冷却方法は特に限定されないが、気流乾燥機の外部にジャケットを設置し、ジャケット内に水を流すことで冷却することが好ましい。
【0023】
気流乾燥機内の底部は、フィーダーから供給された粉体(湿粉)が気流乾燥機内において最も滞留しやすい場所であり、さらにこの部分は高温になる場所でもあることから、滞留した粉体の酸化を抑制し、また滞留物を連続的に取り出せる構造にしておくことが好ましい。そのため、気流乾燥機として、その底部に水を貯留することが可能で、かつ底部に滞留する粉粒物を水とともに排出可能な構造のものを使用する。
【0024】
図2は、このような本発明で用いる気流乾燥機の底部構造の一例を示す図である。気流乾燥機の底部に水が貯留でき、底部に落下した湿粉等の滞留物を水シールすることができる。水シール部の水面高さは、供給水量、オーバーフローとドレンの排出量により制御することができる。このときの水面高さは、乾燥ガス入口(熱風ダクト)よりも下の位置になるようにすることが好ましい。さらに好ましくは、熱風ダクトから水面までの距離を0.1m以上とすることである。水面高さが熱風ダクトの位置以上になると、水を巻き上げることにより、乾燥効率が低下することがあるため好ましくない。また、気流乾燥機底部には傾斜をつけることが好ましい。これにより、特別な排出機構を設置することなく、滞留物を水流による洗い流しによって速やかにドレン口より効率よく取り出すことが可能になる。さらに、気流乾燥機底部にのぞき窓を配設することが好ましい。これにより、底部の粉体の滞留量を確認することができ、滞留物の量に応じてドレン量等を変化させることにより効率よく滞留物を取り出すことができる。
【0025】
この場合、気流乾燥機内の底部には下記式(2)
Fg/17000≦Fw≦Fg/9000 ・・・(2)
(ここで、Fg:乾燥ガス風量[m3/min]、Fw:気流乾燥機内部に流す水量[m3/min])
を満足する水量の水を流しながら乾燥を実施することが好ましい。水量Fwが、Fw<Fg/17000の場合は、滞留物の十分な酸化抑制効果・洗い流し効果が得られなくなることがあるため好ましくない。また、Fw>Fg/9000の場合は、乾燥効率が悪化するため好ましくない。
【0026】
気流乾燥機に供給する乾燥ガスとしては、通常の空気が使用可能である。また、乾燥ガス温度としては、乾燥ガスの入口において100℃以上であることが好ましい。
【0027】
このようにして、本発明の方法により気流乾燥され、気流乾燥機の出口より排出される乾燥湿粉(粉粒状重合体)の含水率は、30dry%以下であることが好ましく、20dry%以下であることがより好ましい。気流乾燥機の出口より排出される粉粒状重合体の含水率が30dry%を超えた場合、気流乾燥機内の壁面に湿粉が付着したり、その後の流動乾燥機内で壁面付着がおこったり粉体が流動しなくなる等のトラブルが発生するため好ましくない。
【0028】
本発明の方法より得られた粉粒状ジエン系グラフト重合体は、塩化ビニル樹脂、スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、メチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を改良するための改質剤として使用することができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。実施例中の「部」は「質量部」を示す。なお、湿粉の含水率及び粉粒状重合体の性状は、下記の方法で評価した。
【0030】
[評価方法]
▲1▼湿粉含水率
ジエン系グラフト重合体ラテックスを凝集・脱水した後に得られた湿粉のうち2gをサンプリングし、熱風乾燥機を使用して、180℃で30分間乾燥して質量を測定し、下記の式より湿粉含水率を算出した。
(湿粉含水率)=(((湿粉の質量)−(乾燥粉の質量))/(乾燥粉の質量))×100 [dry%]
▲2▼粉粒状重合体の性状
気流乾燥機内に付着した粉体及び得られた粉粒状重合体に、変色した粉体等がないかどうかを目視で観察し、評価した。
【0031】
[実施例1]
(1)ジエン系重合体ラテックスの合成
下記の初期仕込組成物を70Lオートクレーブ(実用耐圧0.6MPaG)に仕込んで攪拌しながら昇温し、43℃になった時点で下記の触媒を反応器内に投入した。その後70℃まで昇温し、重合開始0.5時間から1.5時間かけて下記の追加乳化剤を連続添加し、また、重合開始2.5時間、3.0時間、3.5時間後に下記の追加開始剤をそれぞれ追加添加した。しかる後、重合転化率97%に達した時点で重合を終了した。得られたジエン系重合体ラテックスの固形分は40%であった。
<初期仕込み>
1,3−ブタジエン 74部
スチレン 26部
ピロリン酸Na(無水) 0.12部
パラメンタンハイドロパーオキサイド 0.3部
牛脂酸カリウム 0.2部
脱イオン水 135部
<触媒>
硫酸第一鉄 0.003部
含水結晶葡萄糖 0.2部
脱イオン水 5.0部
<追加乳化剤>
牛脂酸カリウム 2.2部
脱イオン水 10部
<追加開始剤(3回)>
パラメンタンハイドロパーオキサイド 各0.3部
【0032】
(2)ジエン系グラフト重合体ラテックスの合成
下記のグラフト仕込み原料組成物を反応器に仕込み、窒素置換した後、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート0.3部を添加し、内温を70℃に昇温した。その後、下記の1段目グラフト単量体を60分かけて連続添加した。その後80分保持した後、下記の2段目グラフト単量体を90分かけて連続添加した。その後120分保持した後、下記の3段目グラフト単量体を20分かけて連続添加し120分保持し重合を終了した。
<グラフト仕込み原料>
ブタジエン系ゴム重合体ラテックス 465部(固形分186部)
脱イオン水 20部
牛脂酸カリウム 2.0部
<1段目グラフト単量体>
メチルメタクリレート 28.8部
エチルメタクリレート 7.2部
t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.14部
<2段目グラフト単量体>
スチレン 54部
t−ブチルハイドロパーオキサイド 0.21部
<3段目グラフト単量体>
メチルメタクリレート 10部
tーブチルハイドロパーオキサイド 0.04部
【0033】
得られたグラフト共重合体(ゴム含量65%)ラテックスに、グラフト共重合体100部に対して、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−ターシャリーブチル−5−メチル−4−ヒドロシフェニル)プロピオネート]を0.21部およびジラウリル3,3’−チオジプロピオネートを0.63部乳化分散させて添加した。
【0034】
(3)ジエン系グラフト重合体の湿粉の調整
(2)で得られたグラフト共重合体ラテックスを凝固法により凝固させた後、遠心脱水機を使用して脱水し、湿粉を得た。
【0035】
凝固槽には、凝析槽、固化1槽および固化2槽の全3槽の構成から成る連続槽型凝固プロセスを使用した。
【0036】
凝析槽は内径180mmの3リットルオーバーフローのパイレックスガラス製丸底フラスコに、翼直径が120mmの三方後退翼(ファウトラー翼)と、径10mmで棒下部に同径で長さ40mmの棒2本を棒上部との角度75度で取り付けたバッフル1本を、槽上面からオーバーフロー口を起点として時計回りに130度の角度で取り付けたものを使用した。続く固化1槽、固化2槽(パイレックスガラス製、5リットルオーバーフロー:内径180mm)は凝析槽に用いた攪拌翼、邪魔板を凝析槽と同様にセットしたものを使用した。
【0037】
凝固剤として1.44%硫酸水溶液(DSA)を使用し、各槽の温度を凝析槽/固化1槽/固化2槽=30/80/90℃に設定、凝析槽の攪拌回転数を400rpm、固化1槽、2層を300rpmで攪拌しながら上記重合体ラテックスを150ml/分、DSAを60ml/分[ラテックス/DSA重量比=2.5/1(凝析槽内重合体固形分濃度27.5%)]となるように滴下速度を設定し、凝析槽内に滴下、凝固を行った。凝析槽内が定常状態になった後、固化2槽出口から凝固液のサンプリングを行った。
【0038】
得られた凝固液を、遠心脱水機(田辺製、O−20型、上部排出型)で脱水処理(1800rpm:3分間)し、ジエン系重合体の湿粉を得た。得られたジエン系重合体の湿粉含水率は、60dry%であった。
【0039】
<気流乾燥>
得られたジエン系重合体の湿粉を、図1および図2に示した気流乾燥機を使用して、下記の条件で、1年間(稼働日数は315日)特に清掃等は行わず連続運転した。なお、乾燥用ガスには空気を使用した。また、気流乾燥機内部の壁面温度については、図1においてa〜cの符号を付した3箇所の測定ポイントで測定した。
ジエン系重合体の湿粉投入速度 1790kg/hr
乾燥ガス風量 390m3/min
乾燥ガス入口温度 130℃
乾燥ガス出口温度 64℃
気流乾燥機出口の湿粉含水率 15dry%
ジャケット水の温度 40℃
ジャケット水量 0.2m3/min
内部水の温度 25℃
内部水の水量 0.03m3/min
気流乾燥機出口ガスの露点温度 33[℃]
気流乾燥機内部の壁面温度
(測定ポイントa〜c) 39、38、46℃
【0040】
連続運転後、気流乾燥機の内壁には、一部付着物が存在した。しかしながら、酸化による変色等は全く見られなかった。また、気流乾燥機内の底部に少量の湿粉が滞留していたが、酸化による変色等は全く見られなかった。得られた粉粒状重合体を目視で確認したが、酸化により変色した粉体の混入等は全くなかった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、製品中に変色粉体が混入する等の品質面に問題を生ずることなく、安全かつ経済的に粉粒状重合体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する気流乾燥機の一例を示す図である。
【図2】本発明で使用する気流乾燥機の底部構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 送風機
2 エアヒーター
3 ジャケット
4 乾燥管
5 ホッパー
6 スクリューフィーダー
7 乾燥ガス入口(熱風ダクト)
8 のぞき窓
a,b,c 壁面温度の測定ポイント

Claims (2)

  1. ジエン系グラフト重合体100重量部に対してヒンダードフェノール系安定剤0.05〜2重量部およびチオエーテル系安定剤0.1〜3重量部を含むラテックスを凝固・脱水して得られる湿粉を、気流乾燥機へ供給して乾燥させるに際し、気流乾燥機内部の壁面温度Tw[℃]が、下記式(1)
    Td<Tw<70 ・・・(1)
    (ここで、Td:気流乾燥機出口ガスの露点温度[℃])
    を満足するように冷却しながら乾燥させ、
    気流乾燥機として、その底部に水を貯留することが可能で、かつ底部に滞留する粉粒物を水とともに排出可能な構造のものを使用することを特徴とする粉粒状重合体の製造方法。
  2. 気流乾燥機内の底部に、下記式(2)
    Fg/17000≦Fw≦Fg/9000 ・・・(2)
    (ここで、Fg:乾燥ガス風量[m3/min]、Fw:気流乾燥機底部に流す水量[m3/min])
    を満足する水量の水を流しながら乾燥させることを特徴とする請求項記載の粉粒状重合体の製造方法。
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