JP4014890B2 - 光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ファイバ用の多孔質母材を熱処理する加熱炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ファイバ用多孔質母材を熱処理する加熱炉としては、例えば特開平8−225337号に記載された装置が知られている。図4に特開平8−225337号に記載された加熱炉の概略図を示す。図4において、炉心管42内には多孔質母材支持棒46に取り付けられた多孔質母材41が挿入されており、多孔質母材支持棒46は母材回転用モータ47、母材トラベース用モータ48により炉心管42内を回転・昇降できる。炉心管42の外側にはヒータ43が設置されている。炉心管42の上部及び下部にはガス排気口44及びガス導入管45が設けられ、雰囲気ガスがガス導入管45から炉心管42内に導入されている。しかし、ガス導入管45は炉心管42の底部付近の側面に設けられているので、炉心管42内のガスの濃度分布が不均一になりやすい。
【0003】
上記の問題点を解決し、炉心管内のガス濃度分布を均一にするための加熱炉の例が特開2000−344538に示されている。図5に特開2000−344538に記載された加熱炉の概略図を示す。図5において、焼結装置51では、炉心管52内には支持手段54により回転・昇降自在に支持された光ファイバ多孔質母材53が挿入されており、炉心管52の周囲には光ファイバ多孔質母材53を焼結するためのヒータ57が配置されており、さらにヒータ57を覆うようにして断熱部材56が設けられている。さらに、炉心管52に沿って保温部材58a,58bが、断熱部材56の上下に隣接して設けられている。また、炉心管52の底部にガス導入管59が設けられ、雰囲気ガスがガス導入管59から炉心管52内に導入されている。
【0004】
ところで、多孔質母材を熱処理している時に、多孔質母材を形成するスートの一部が炉心管の底部に落ちて堆積することがある(多い場合には50cm堆積する)。
図5の加熱炉ではガス導入管から導入された雰囲気ガスの流れが炉心管52の底部にたまったスートを舞い上げてしまうという問題があった。そして、舞い上げられたスートがガラス化後の母材に付着すると、例えば、線引き直前の母材の場合は、線引き時に断線をひき起こすという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、多孔質ガラス母材を熱処理する加熱炉の炉心管における雰囲気ガスの導入における上記の問題点を克服することを目的とする。すなわち、本発明は、炉心管の底部にたまったスートが舞い上がりを防止した熱処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記目的を解決するために鋭意検討を重ねた結果、多孔質母材を熱処理する加熱炉の炉心管に設けられるガス導入管の先端ガス吐出口を上向きとし炉心管の底部より十分に上方に位置する構造とすることにより、炉心管内のガス濃度分布を均一にし、かつ、炉心管の底部にたまったスートの舞い上がりを防止できることを見い出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、多孔質ガラス母材を熱処理する加熱炉の炉心管に設けられるガス導入管が前記炉心管の壁面から前記炉心管の内部に突き出し、さらに前記ガス導入管の先端ガス吐出口を上向きとし炉心管の底部よりも上方に位置する構造としたことを特徴とする光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置の好ましい実施の態様について、図面を参照しながら詳細に説明をする。
【0009】
図1は、本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置の一実施態様を示す概略図である。図1において、炉心管11内には支持棒14に取り付けられた多孔質母材(図示しない)が挿入されている。炉心管11の周囲には多孔質母材を焼結するためのヒータ15が配置されている。さらにヒータ15を覆うように炉体16が配置されており、炉体16内にはAr等の雰囲気ガスが流されている。炉心管11の底部12にガス導入管13が上向きに配置され、雰囲気ガスがガス導入管13から炉心管11内に導入されている。炉体16内の圧力は炉体圧計17により測定され、炉心管11内の圧力は差圧計18により測定されて差圧制御弁19により調節される。
【0010】
本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置の一実施態様の炉心管底部を図2に拡大断面図として示す。図2において、ガス導入管23は、炉心管21内に炉心管底部22から挿入されている。ガス導入管23の先端ガス吐出口23aは炉心管底部22のスート24の堆積部より十分に上方に位置する。通常ガス吐出口23aは管底部22より30cm程度以上離れていることが好ましく、50〜100cm程度離れていることがさらに好ましい。炉心管21の底部22からガス導入管23を通し、ガス吐出口23aよりガスを導入すると、スート24の舞い上がりを防止し、ガラス化後の母材にスートが付着するのを防止することができる。
【0011】
図3は、本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置の別の一実施態様の炉心管底部を示す概略図である。図3において、ガス導入管33は、炉心管31内に炉心管31の下部側面から挿入されている。この場合、炉心管内のガス濃度分布を均一にするためにガス導入管33の先端ガス吐出口33aを上向きにすることが望ましい。ガス導入管33は炉心管底部32から30cm程度以上上方に位置することが好ましく、50〜100cm程度上方であることがさらに好ましい。また、ガス導入管33の先端ガス吐出口33aは炉心管底部32より30cm程度以上上方にあることが好ましく、50〜100cm程度上方にあることがさらに好ましい。このとき図3の構造でも図2の場合と同様に炉心管31の下部に設けられたガス導入管33を通してガスを導入すると、スート34の舞い上がりを防止し、ガラス化後の母材にスートが付着するのを防止することができる。
【0012】
【発明の効果】
本発明の熱処理装置は、炉心管内のガス濃度分布を均一化し、かつ、炉心管の底部にたまったスートの舞い上がりを防止し、ガラス化後の母材にスートが付着するのを防止することができ、これにより線引時の断線を防止することができる。したがって、極めて長距離にわたって特性が均一な光ファイバを安定に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置の一実施態様を示す全体図である。
【図2】図2は、本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置の底部の一実施態様を示す拡大断面図である。
【図3】図3は、本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置の底部の別の一実施態様を示す概略図である。
【図4】図4は、従来の熱処理装置の一例を示す概略説明図である。
【図5】図5は、従来の熱処理装置の他の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
11、21、31 炉心管
12、22、32 炉心管底部
13、23、33 ガス導入管
23a、33a 先端ガス吐出口
24、34 スート
Claims (1)
- 多孔質ガラス母材を熱処理する加熱炉の炉心管に設けられるガス導入管が前記炉心管の壁面から前記炉心管の内部に突き出し、さらに前記ガス導入管の先端ガス吐出口を上向きとし炉心管の底部よりも上方に位置する構造としたことを特徴とする光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置。
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JP2002047212A JP4014890B2 (ja) | 2002-02-22 | 2002-02-22 | 光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002047212A JP4014890B2 (ja) | 2002-02-22 | 2002-02-22 | 光ファイバ用多孔質ガラス母材の熱処理装置 |
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JP2003246640A JP2003246640A (ja) | 2003-09-02 |
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2002
- 2002-02-22 JP JP2002047212A patent/JP4014890B2/ja not_active Expired - Fee Related
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