JP4014204B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技者の操作により、所定の付加遊技作動を実行可能とする制御内容を備えたパチンコ遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
表示画面に図柄を変動表示する図柄表示装置と、図柄始動条件の成立を契機として変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を図柄表示装置の表示画面に表示させる図柄制御手段と、前記表示画面に所定の当り図柄態様が確定表示された場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機はよく知られている。これらには、所謂第一種パチンコ遊技機,第三種パチンコ遊技機がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかるパチンコ遊技機にあって、遊技者の操作により、遊技内容を変更可能としたものも知られている。例えば、特開2001-327703号公報には、図柄の組合せが所定の当り図柄態様となる可能性のある所謂リーチ変動中に、遊技者が操作スイッチを操作することによって、図柄変動を早送りしてリーチアクションを短縮させるようにした構成が開示されており、これによってリーチアクションが延々と表示された後で外れとなることによる遊技者の落胆感を軽減するとともに、時間効率の向上が図られている。
【0004】
しかしながら、このような付加遊技作動を実行する遊技機の場合、操作スイッチを操作した遊技者と、操作しなかった遊技者との間に利益差が生じ、操作スイッチの存在や操作方法を知らない遊技者が不利益を被るため、公平性に欠けるという問題点がある。
【0005】
本発明は、遊技内容を変更してその恩恵を受ける場合には、遊技者が遊技機に対して予め対価を供出しなければならないようにすることにより、遊技者間に利益差が生じないようにしたパチンコ遊技機を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遊技機本体の前面の所定位置に配設された媒体受入口と、該媒体受入口に投入された対価媒体を検知する媒体検知手段とを備え、さらに該媒体検知手段による所定数の対価媒体の検知に基づいて、所定の付加遊技作動を実行可能とする制御内容を具備する遊技制御手段とを備えたことを特徴とするパチンコ遊技機である。
【0007】
ここで、前記対価媒体としては、パチンコ遊技機用の遊技球,スロット遊技機用のコイン,使用済みプリペイドカードの何れかを用いることが可能であり、媒体検知手段は、これらの対価媒体の何れかを検知可能に構成される。
【0008】
かかる構成にあって、遊技者が媒体受入口に所定数の対価媒体を投入すると、媒体検知手段による所定数の対価媒体の検知に基づいて、所定の付加遊技作動が実行可能な状態となる。これにより、遊技内容を変更してその恩恵を受ける場合には、遊技者が遊技機に対して予め対価を供出しなければならないので、遊技内容を変更する遊技者と、変更しない遊技者との間の利益差がなくなり、公平性を確保することができる。
【0009】
上述のパチンコ遊技機にあって、本発明にあっては、表示画面に図柄を変動表示する図柄表示装置と、図柄始動条件の成立を契機として変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を図柄表示装置の表示画面に表示させる図柄制御手段とを備え、さらに遊技制御手段が、媒体検知手段による所定数の対価媒体の検知に基づいて、所定の付加遊技作動を実行可能とする制御内容と、前記表示画面に所定の当り図柄態様が確定表示された場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行する制御内容とを備えている。かかる構成により、第一種パチンコ遊技機又は第三種パチンコ遊技機等の図柄表示装置と図柄制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、図柄に関わる所定の付加遊技作動を実行させることが可能となる。
【0010】
ここで、遊技機本体の前面の所定位置に選択ボタンを設け、遊技者による選択ボタンのON操作を介して、付加遊技作動を実行可能な状態への移行を選択し得るようにする構成が提案される。これにより、遊技者が媒体受入口に所定数の対価媒体を投入した後でも、付加遊技作動を実行可能な状態とするか否かを選択することができる。
【0011】
本発明にあって、上記付加遊技作動としては、表示画面に所定の当り図柄態様が確定表示された場合に、所定数の補填遊技球を払い出す作動としている。かかる構成にあっては、発射する遊技球がなくなってしまった後に、当り図柄態様が確定表示されても、所定数の遊技球が払い出されることにより、遊技球の残量を気にすることなく、最後の一球まで安心して遊技球を発射することができる。
【0012】
また、他の付加遊技作動としては、表示画面に表示される図柄の変動時間を短縮する時短作動が提案される。かかる構成にあっては、時間効率のよい有利な状態で遊技を行うことができる。
【0013】
さらに、他の付加遊技作動としては、図柄の変動中に、所定の図柄態様が表示画面に確定表示されることを予告する予告報知作動が提案される。ここで、予告報知作動を実行する場合の所定の図柄態様は、リーチ図柄態様や当り図柄態様が好適であり、このようなリーチ図柄態様や当り図柄態様となることを、図柄の変動中に予告することによって、遊技の興趣性を向上させることができる。
【0014】
また、他の付加遊技作動としては、遊技情報を報知する情報報知作動が提案される。この情報報知作動は、遊技状況に応じて遊技の案内や補助を行うナビゲーション情報を遊技者に提供するものであり、これによって、初心者でも安心して遊技を行うことが可能となる。
【0015】
また、所定の付加遊技作動を実行可能とするために必要な対価媒体数を変更する媒体数設定手段を具備させる構成が提案される。このような媒体数設定手段を遊技機本体の裏面側に設けて、遊技店側で対価媒体数を変更可能にすることにより、遊技店の営業方針に基づいて対価媒体数を設定することが可能となる。
【0016】
また、遊技制御手段が、媒体検知手段による対価媒体の検知数に応じて、実行される所定の付加遊技作動の度合いを異ならせる制御内容を備えている構成が提案される。かかる構成にあっては、遊技者が投入した対価媒体数に応じて度合いの異なる付加遊技作動を享受することが可能となる。
【0017】
さらに、遊技機本体の前面の所定位置に、媒体検知手段で検知した対価媒体数を表示する媒体数表示装置を備えている構成が提案される。かかる構成により、遊技者は、自己が投入した対価媒体数を明確に知得することが可能となる。
【0018】
また、所定の付加遊技作動が実行可能であることを表示する表示手段を備えている構成が提案される。かかる構成により、遊技者に対して所定の付加遊技作動が実行可能な状態であることを知らせることができる。
【0019】
さらに、遊技機本体の前面の所定位置に解除ボタンを設け、遊技者による解除ボタンのON操作を介して、媒体検知手段で検知した対価媒体の全て若しくは所定数の対価媒体を遊技者に返却するようにした構成が提案される。かかる構成にあって、遊技者が解除ボタンをON操作することにより、媒体受入口に所定数の対価媒体を投入した後でキャンセルしたり、所定の付加遊技作動が実行可能な状態であっても、これを強制的に終了させることが可能となる。
【0020】
また、遊技制御手段が、所定終了条件の成立を契機として付加遊技作動を実行不能とする制御内容を備えている構成が提案される。ここで、所定終了条件の成立要件としては、図柄の所定変動回数,所定経過時間,所定発射球数等の計数処理可能な制御要素を適用することができる。かかる構成により、所定の付加遊技作動が実行可能な有効期間が規定され、有限的な付加遊技作動の供与が可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるパチンコ遊技機の一実施例を添付図面に基づいて説明する。この実施例は、本発明を第一種パチンコ遊技機に適用した一例を示すものである。
【0022】
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される長方形状の外枠2と、該外枠2の前面開口部分を覆う遊技機本体3とからなる。
【0023】
遊技機本体3は、略正方形状の開口部が中央上部に形成された前枠4を備え、該前枠4の一側縁がヒンジ部材5,5を介して前記外枠2に開閉可能に枢着されている。また、遊技機本体3は、前枠4の開口部に着脱可能に取り付けられた遊技盤6(図5参照)と、該遊技盤6の前方を覆う透明前面扉7と、該透明前面扉7の下部に配設された上皿パネル8と、該上皿パネル8の下部に配設された下皿パネル9と、この下皿パネル9の右側に突出する発射ハンドル10を有する発射装置(図示省略)とを備えている。尚、前記透明前面扉7と上皿パネル8は夫々その一側縁がヒンジ部材(図示省略)を介して前枠4の前面側部に枢結されており、メンテナンス時等において片開き状に夫々開閉し得るようになっている。
【0024】
また、図1,図2に示すように、遊技機本体3の前面には、前記上皿パネル8の左側部に位置させて、対価媒体としての遊技球が投入される媒体受入口11が配設されており、さらに該媒体受入口11から内部に通じる球通路12内に遊技球を検知する球検知スイッチS1 が配設されている。ここで、該球検知スイッチS1 には、図3に示すように、遊技球の通過を検知して球検知信号を送出する通過検出型スイッチが用いられており、この実施例では該通過検出型スイッチによって、媒体受入口11に投入された対価媒体としての遊技球を検知する媒体検知手段が構成されている。尚、この媒体検知手段は、接触検知型スイッチや検知機能を有するその他のセンサースイッチを用いて構成することも可能である。
【0025】
前記媒体受入口11の上部位置には、7セグメント表示器からなる媒体数表示装置13a,13bが配設されている。該媒体数表示装置13a,13bは、前記球検知スイッチS1 で検知した遊技球数(対価媒体数)を表示するものであり、下側の媒体数表示装置13aは、後述する所定の付加遊技作動を実行可能とするために必要な遊技球数を上限として、球検知スイッチS1 で検知された遊技球数を0から加算表示し、上側の媒体数表示装置13bは、必要数を超えた遊技球数を0から加算表示する。ここで、媒体受入口11に投入された遊技球を球検知スイッチS1 が検知すると、その検知信号を後述する払出制御基板65(図7参照)が認識し、該払出制御基板65は、その都度、該払出制御基板65が具備する記憶装置RAMの一部領域に遊技球数を加算記憶するとともに、前記媒体数表示装置13a,13bにその遊技球数を上述した表示形態で表示させる。尚、下側の媒体数表示装置13aによって、所定の付加遊技作動を実行可能とするために必要な遊技球数を上限として加算表示し、必要数を超えて投入された遊技球を即座に返却するように構成したり、投入された遊技球数を下側の媒体数表示装置13aに全て表示して、後述する選択ボタン14のON操作時に、所定の付加遊技作動を実行可能とするために必要な遊技球数を減算し、残りの遊技球を返却したり、或いは返却せずに残りの遊技球数を媒体数表示装置13aに表示させるように構成することも可能であり、この場合には上側の媒体数表示装置13bを除去することができる。
【0026】
媒体受入口11の下部位置には、選択ボタン14と解除ボタン15が設けられている。選択ボタン14は、付加遊技作動を実行可能な状態への移行を選択するためのものであり、前記媒体数表示装置13aに、付加遊技作動を実行可能とするために必要な所定の遊技球数(例えば 5個)が表示されている状態で、遊技者が選択ボタン14をON操作すると、付加遊技作動が実行可能な状態となる。一方、解除ボタン15は、遊技者によるON操作を介して、付加遊技作動の享受をキャンセルし、球検知スイッチS1 で検知した遊技球の全て若しくは所定数の遊技球を遊技者に返却するためのものであり、媒体数表示装置13a,13bに球検知スイッチS1 で検知した遊技球数が表示されている状態において、遊技者が解除ボタン15をON操作すると、その表示球数分の遊技球が払出装置を構成する賞球ユニット(図7参照)から払い出されて遊技者に返却される。尚、後述する付加遊技作動が実行可能な有効期間中において、遊技者が解除ボタン15をON操作すると、有効期間が強制的に終了し、残りの有効期間に相当する個数の遊技球が払出装置(賞球ユニット)から払い出されて遊技者に返却されるように構成することも可能である。
【0027】
また、図4に示すように、払出制御基板65(図7参照)を収納する収納ケース16には、所定の付加遊技作動を実行可能とするために必要な遊技球数を変更する媒体数設定手段17が配設されている。該媒体数設定手段17は、必要とする遊技球数を例えば 5個,10個,15個の三段階で切り替えることが可能なスライド式スイッチによって構成されている。そして、該媒体数設定手段17によって、遊技店が営業方針に基づいて遊技球数を適宜に設定し得るようになっている。尚、媒体数設定手段17は、スライド式スイッチ以外に、回転ダイヤル式スイッチや押しボタン式スイッチ等の数量設定可能なスイッチを用いることも可能である。
【0028】
一方、遊技盤6には、図5に示すように、略円形の誘導レール18で囲繞された遊技領域19が設けられており、該遊技領域19の略中央にセンターケース20が配設されている。このセンターケース20には、液晶表示器,CRT表示器等からなる図柄表示装置21が組み付けられており、該図柄表示装置21の表示画面22には、通常遊技時において、三つの特別図柄A,B,Cが変動表示される。また、この表示画面22の一部領域には指標表示部23が設けられており、該指標表示部23には、後述する付加遊技作動が実行可能な状態において、図6イ,ロに示すように、これを報知する報知指標24が表示される。そして、この表示画面22の指標表示部23によって、所定の付加遊技作動が実行可能であることを表示する表示手段が構成されている。尚、かかる表示手段は、これ以外に選択ボタン14(図2参照)の近傍や、遊技盤6に報知ランプを配設して構成することもでき、付加遊技作動が実行可能である場合に該報知ランプを点灯させるようにしてもよい。
【0029】
センターケース20の右上部には、四個のパイロットランプからなる特別図柄始動記憶数表示装置25が設けられている。この特別図柄始動記憶数表示装置25は、後述する主制御基板60(図7参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された特別図柄始動記憶数をパイロットランプの点灯数によって表示する。また、前記表示画面22の一部領域には、普通図柄表示部26が設けられており、該普通図柄表示部26には右図柄と左図柄からなる二つの普通図柄E1,E2が変動表示される。この普通図柄E1,E2は、右図柄及び左図柄とも「7」と「−」の二種類の図柄で構成されており、右図柄及び左図柄ともに「7」が停止する当り図柄態様が確定表示された場合には、後述する普通電動役物27が開放される。また、センターケース20の左上部には、四個の発光ダイオードからなる普通図柄始動記憶数表示装置28が設けられており、後述の普通図柄始動スイッチS2(図7参照)からの遊技球検出信号が、所定数を上限として主制御基板60(図7参照)の記憶装置RAMの一部領域に記憶された場合に、その記憶数を発光ダイオードの点灯数によって表示する。
【0030】
一方、センターケース20の左右両側には、普通図柄始動ゲート(普通図柄始動領域)29,29が配設されており、遊技球の通過により、この普通図柄作動ゲート29,29が具備する普通図柄始動スイッチS2 から遊技球検出信号が発生すると、前記普通図柄表示部26の普通図柄E1,E2が変動し、所定時間経過後に停止して種々の組み合わせの点灯態様が表示されることとなる。
【0031】
また、センターケース20の直下位置には、内部を特別図柄始動領域30とするとともに、開閉翼片31,31により入賞口を兼ねた入り口の開口度を変化させるようにした普通電動役物27が配設されている。そして前記普通図柄表示部26の表示結果が所定の当り図柄態様の場合には、普通電動役物ソレノイド37(図7参照)等の駆動源によって開閉翼片31,31が所定時間(約 0.2秒)拡開されて、特別図柄始動領域30に遊技球が入り易い状態となる。この特別図柄始動領域30は、特別図柄始動スイッチS3(図7参照)を備えており、該特別図柄始動スイッチS3 による遊技球の入賞検知に伴って、前記図柄表示装置21の表示画面22に特別図柄A,B,Cを変動表示する図柄生成行程が実行されることとなる。
【0032】
さらに、普通電動役物27の下方には、内部に特定領域と一般領域とを有する大入賞口32を備え、かつ、横長矩形状の開閉片33を大入賞口ソレノイド34(図7参照)等の駆動源によって開閉制御することにより、大入賞口32を開放状態と閉鎖状態とに変換する可変入賞装置35が配設されている。そして、前記図柄表示装置21の表示画面22に変動表示される特別図柄A,B,Cが、所定の組み合わせの当り図柄態様で確定表示された場合に大当たりとしての特別遊技作動が実行される。この特別遊技作動は、開閉片33が前方に傾倒して開き、その開放状態で開閉片33の上面の案内作用を介して、大入賞口32内へ遊技球を案内するとともに、所定開放時間(例えば30秒)の満了、またはその所定開放時間中における所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞により開閉片33が起立して大入賞口32が閉鎖される開閉ラウンドを、特定領域の球通過を条件として所定制限回数(例えば15回)継続するものであって、この特別遊技作動の実行によって多量の遊技球が入賞し、遊技者に所定の利得が供与される。可変入賞装置35の内部には、特定領域に入った遊技球を検知する特定領域スイッチS4(図7参照)と、一回の開閉ラウンド毎の入賞個数を計数するカウントスイッチS5(図7参照)とが設けられている。また、特定領域スイッチS4 で検知される遊技球は、一回の開閉ラウンド中に計数される入賞個数に合算される。
【0033】
その他、遊技領域19には、複数の一般入賞口36が配設されており、その内部に具備する一般入賞スイッチS6(図7参照)による遊技球の入賞検知に伴って所定数の賞球が払い出される。
【0034】
図7は、上述のパチンコ遊技機の遊技制御手段を構成する制御回路を示すものである。
主制御基板60には、パチンコ遊技機の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられており、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUは、遊技に関する統括的な制御を処理実行するものであって、この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書き可能な記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。前記記憶装置ROMには、制御プログラムや、大当り特別乱数テーブルK、大当り図柄乱数テーブルL、ハズレ図柄乱数テーブルMa ,Mb ,Mc 、リーチ乱数テーブルN、リーチ図柄乱数テーブルP、リーチ態様乱数テーブルQ、当り普通乱数テーブルU、当り普通図柄乱数テーブルV等の固定データが格納されている。そして所定の図柄始動条件が成立すると主制御用中央制御装置CPUにて所要の乱数テーブルの乱数値の抽選が行われる。また、記憶装置RAMには、特別図柄始動スイッチS3 ,普通図柄始動スイッチS2 のON作動による記憶数等が一時的に記憶される記憶エリア、ソフトタイマを構成するレジスタ領域及びワークエリア等が設けられている。
【0035】
上記主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは一定間隔のクロックパルスによって、時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマーも接続されている。
【0036】
また、上記主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、該出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令信号が、図柄表示制御基板62,音源制御基板63,光源制御基板64,払出制御基板65の各入力ポートに向けて発信されるようになっている。また、主制御基板60の入力ポートには、特別図柄始動スイッチS3 が接続されるとともに、盤面中継基板61を介して、普通図柄始動スイッチS2 ,特定領域スイッチS4 ,カウントスイッチS5 ,一般入賞スイッチS6 が接続されている。さらに払出制御基板65から発信される付加遊技作動実行信号が主制御基板60へ入力ポートを介して入力されるようになっている。そして、主制御基板60は2ms毎に上記各スイッチS2 〜S6 の遊技球検出状態及び払出制御基板65からの付加遊技作動実行信号の有無を調べ、信号入力があるとその信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイド34,普通電動役物ソレノイド37が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に作動される。
【0037】
また、主制御用中央制御装置CPU及び上記各制御基板62,63,64,65に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。尚、前記演算ユニットの連成数によって、各中央制御装置CPUの演算処理能力が決まる。そして、主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成した制御指令信号を各制御基板62,63,64,65に夫々送信し、各制御基板62,63,64,65の中央制御装置CPUがこの制御指令信号に従って所定の制御を処理実行することとなる。
【0038】
上記図柄表示制御基板62には、図柄表示装置21の表示画面22に表出される図柄表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、図柄表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、演出プログラムが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この記憶装置ROMには、上述した特別図柄A,B,Cの図柄表示パターン及び普通図柄E1,E2の図柄表示パターンが記憶され、さらに特別図柄A,B,Cと普通図柄E1,E2の図柄形態及び変動パターン,当りパターン,リーチ態様パターンや、報知指標24の図柄形態等の固定データやその動作プログラムが記憶されている。
【0039】
また、図柄表示制御基板62は、通常遊技時において、主制御基板60からの制御指令信号を入力ポートを介して受信すると、図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の図柄変動を演出する特別図柄A,B,Cと普通図柄E1,E2の変動態様データを、出力ポートを介して表示用ドライバに夫々送信する。該表示用ドライバは前記変動態様データに従って、図柄表示装置21の表示画面22に所定の変動態様で特別図柄A,B,Cと普通図柄E1,E2とを夫々変動表示させる。そして、この表示用ドライバ及び図柄表示制御基板62と主制御基板60とによって、変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を図柄表示装置21の表示画面22に表示させる図柄制御手段が構成されている。
【0040】
一方、上記音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して受信した制御指令信号を音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを出力ポートを介してサウンドジェネレータに送信して、スピーカから所定の効果音を出力させる。
【0041】
また、上記光源制御基板64には、パチンコ遊技機に備えられた発光ダイオードや装飾ランプ等の電飾装置を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、電飾装置の点灯,点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、発光ダイオード,装飾ランプ等を電飾するための電飾パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して受信した制御指令信号を演算処理し、所定の光演出データを出力ポートを介して光源作動基板に送信し、電飾装置や特別図柄始動記憶数表示装置25及び普通図柄始動記憶数表示装置28の発光ダイオードや装飾ランプ等を所定の演出態様で点灯,点滅させる。
【0042】
さらに、上記払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等が具備する各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム,貸球や賞球の球数パターン等の固定データが記憶されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとを備えてなる。この払出制御基板65は、出力ポートを介して上述した付加遊技作動実行信号を主制御基板60へ送信する。また、入力ポートを介して主制御基板60から制御指令信号を受信し、該制御指令信号に従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動させて、所定の貸球や賞球の払い出しを実行する。また、払出制御基板65は、プリペイド金額を記憶したプリペイドカードの読み込み・書き込みを行うプリペイドカードユニットと、プリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続されており、プリペイド金額の残額データ等を送受する。
【0043】
また、図7に示した制御回路からなる遊技制御手段は、所定の付加遊技作動を実行可能とする制御内容を備えている。この付加遊技作動としては、表示画面22に所定の特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示された場合に、所定数の補填遊技球を払い出す作動と、表示画面22に表示される特別図柄A,B,Cの変動時間を短縮する時短作動と、特別図柄A,B,Cの変動中に、所定の図柄態様が表示画面22に確定表示されることを予告する予告報知作動と、遊技情報を報知する情報報知作動とがあり、これらの作動が、夫々対応する上記制御基板62,63,64,65の各記憶装置ROMに記憶されている動作プログラムに従って、単独或いは適宜組み合わされて実行される。これらの付加遊技作動は、本発明の要部にかかるものであって、詳しくは後述する。
【0044】
次に、図7に示した制御回路による制御態様をパチンコ遊技機の作動に従って説明する。
遊技球が図示しない発射装置より遊技盤6の遊技領域19に発射され、この遊技球が特別図柄始動領域30を通過し、特別図柄始動スイッチS3 がON作動すると、その信号を主制御基板60が認識する。この信号により、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、記憶装置ROMに記憶されている大当り特別乱数テーブルK、大当り図柄乱数テーブルL、ハズレ図柄乱数テーブルMa,Mb,Mc、リーチ乱数テーブルN、リーチ図柄乱数テーブルP、リーチ態様乱数テーブルQ等から抽選によって各乱数値を選出し、それらの各選出値を一旦、記憶装置RAMに格納する。
【0045】
さらには、特別図柄始動スイッチS3 のON信号に基づき、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUで演算処理して賞球指令信号を払出制御基板65に送信するとともに、賞球作動に連動する賞球音の発生指令信号を音源制御基板63に、賞球ランプ等の発生指令信号を光源制御基板64に夫々送信する。主制御基板60から賞球指令信号を受信した払出制御基板65は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて払出制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従って賞球ユニットの図示しないソレノイドを作動させて所定数量の賞球を払い出す。これと同期して、賞球音の発生指令信号を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて音源制御用中央制御装置CPUにて演算処理を行い、その結果に従ってスピーカより所定の賞球払出音を上記賞球の払出時に合わせて出力する。同時に光源制御基板64でも、受信した賞球ランプの発生指令信号に従って光源制御用中央制御装置CPUが記憶装置ROMや記憶装置RAMの記憶データを用いて演算処理を行い、その結果に従って所定の発光ダイオードや装飾ランプ等を点灯、点滅させる。
【0046】
尚、遊技球が特別図柄始動領域30を連続的に通過した場合には、特別図柄始動スイッチS3 による遊技球検出数が主制御基板60の記憶装置RAMに記憶され、その記憶に基づいて上述したように特別図柄始動記憶数表示装置25のパイロットランプが順次点灯し、最高四回まで保留される。このパイロットランプは表示画面22の特別図柄A,B,Cが変動開始する度に消灯されて、記憶数が減少する。尚、始動記憶数が満杯(四個)となっている場合には、特別図柄始動領域30を遊技球が通過しても無効となる。
【0047】
そして、特別図柄始動スイッチS3 のON作動、若しくは主制御基板60の記憶装置RAMに記憶されている特別図柄始動記憶数の消化の何れかによる図柄始動条件の成立を契機として特別図柄A,B,Cの図柄変動が開始されると、主制御用中央制御装置CPUは、大当り特別乱数テーブルKで選出された乱数値を判定し、大当り図柄乱数テーブルLでの選出乱数値とハズレ図柄乱数テーブルMa,Mb,Mc での選出乱数値の何れか一方を有効とするとともに、リーチ乱数テーブルNでの選出乱数値に従ってリーチとするかどうかを判定する。そして、これらの結果に基づき、図柄表示装置21で実行される図柄表示態様を制御するための図柄制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信する。
【0048】
上記図柄制御指令信号を受けた図柄表示制御基板62の図柄制御用中央制御装置CPUは、該図柄制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている所定の動作プログラムを用いて、表示画面22で演出する図柄表示態様を決定する。そして、該図柄表示態様に従って特別図柄A,B,Cを順次停止し、特別図柄A,B,Cを確定表示する図柄生成行程を実行する。
【0049】
また、主制御基板60の主制御用中央制御装置CPUは、音響作動と発光作動を上記図柄表示態様に連動させるため、音響制御指令信号を音源制御基板63に送信するとともに、電飾制御指令信号を光源制御基板64に送信する。音響制御指令を受けた音源制御基板63は、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて音源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の音データをサウンドジェネレータを介してスピーカより出力する。また前記光源制御基板64では、電飾制御指令信号に従って、記憶装置ROMに記憶されている動作プログラム等を用いて光源制御用中央制御装置CPUで演算処理を行い、得られた所定の光演出データに基づいて、光源作動基板を介して、発光ダイオードもしくは装飾ランプを点灯、点滅させる。
【0050】
上述の大当り特別乱数テーブルKから所定の当り乱数値が選出された場合、主制御基板60は、大当り図柄乱数テーブルLの選出乱数値を有効とするとともに、リーチ図柄乱数テーブルP,リーチ態様乱数テーブルQの選出乱数値を有効とし、図柄表示制御基板62に所定の制御指令信号を送信する。そして、図柄表示制御基板62は、リーチ図柄乱数テーブルPの選出乱数値に従い特別図柄をA=Cで停止して、リーチ態様乱数テーブルQの選出乱数値に従いリーチ作動を実行した後、大当り図柄乱数テーブルLの選出乱数値に従って、所定の当り図柄態様の特別図柄A,B,Cを確定表示する。同時に光源制御基板64及び音源制御基板63が所定の電飾演出と効果音を発生させる。
【0051】
このように所定の当り図柄態様が確定表示されると、主制御基板60は、盤面中継基板61を介して大入賞口ソレノイド34を駆動して、開閉片33を前方傾倒させることにより大入賞口32を開放する大当りとしての一連の特別遊技作動を実行する。
【0052】
即ち、サウンドジェネレータがファンファーレを発するとともに、大入賞口ソレノイド34が駆動し、開閉片33が所定作動態様で開閉駆動される開閉ラウンドが開始される。この開閉ラウンドは、所定制限時間(例えば30秒)が経過するか、この所定制限時間内で、カウントスイッチS5 と特定領域スイッチS4 とにより所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞検知がなされるまで継続される。また上述したように、大入賞口32の特定領域に遊技球が流入し、特定領域スイッチS4 がON作動した時は、次の開閉ラウンドへの移行条件が充足され、一旦開閉片33が閉鎖駆動して一ラウンドが終了した後、再び大入賞口32が開放されて次の開閉ラウンドへ移行する。このような開閉ラウンドが所定制限回数(例えば15回)繰り返されると特別遊技作動が終了する。
【0053】
一方、大当り特別乱数テーブルKから所定の当り乱数値が選出されなかった場合には、主制御基板60は、上述のハズレ図柄乱数テーブルMa,Mb,Mc の選出乱数値に基づく制御指令信号を図柄表示制御基板62に送信し、該図柄表示制御基板62は、この制御指令信号に従って、特別図柄A,B,Cをハズレ表示する。ここで、ハズレ図柄乱数テーブルMa,Mb,Mc が大当り図柄を選出していた場合には、再びハズレ図柄乱数テーブルMa,Mb,Mc で乱数値を選出して、ハズレ図柄態様とする。また、リーチ乱数テーブルNの選出乱数値によりリーチ作動を実行する場合にあっては、リーチ図柄乱数テーブルPの選出乱数値に従って、特別図柄をA=Cで一旦表示し、リーチ態様乱数テーブルQの選出乱数値に従って、所定のリーチ変動態様によるリーチ作動を発生させるようにした後、ハズレ図柄態様を確定表示する。
【0054】
次に、本発明の要部について説明する。
遊技者が媒体受入口11(図2参照)から対価媒体としての遊技球を投入し、媒体数表示装置13aに付加遊技作動を実行可能とする所定の遊技球数(例えば 5個)が表示されている状態で、遊技者が選択ボタン14をON操作すると、払出制御基板65がそのON操作を認識し、該払出制御基板65から付加遊技作動実行信号が主制御基板60へ送信される。また、選択ボタン14のON操作を認識した払出制御基板65は、該払出制御基板65の記憶装置RAMの一部領域に加算記憶している遊技球数と、媒体数表示装置13a,13bの表示球数を零化する。このとき、上側の媒体数表示装置13bに1以上の遊技球数が表示されている場合には、その表示数分の遊技球が払出装置(賞球ユニット)から払い出されて遊技者に返却される。これにより、誤って必要数以上の遊技球を投入しても、遊技者が不利益を被らないようになっている。
【0055】
払出制御基板65からの付加遊技作動実行信号を受信した主制御基板60は、有効期間の計測を開始する。この有効期間は、特別図柄A,B,Cの所定変動回数,所定経過時間,遊技球の所定発射数等の計数要素の何れかを用いて計測される。また、該有効期間の計測の開始と同期して主制御基板60から図柄制御基板62に有効期間表示コマンドとしての制御指令信号が送信され、図柄制御基板62は該制御指令信号に従って、図柄表示装置21の表示画面22に設けられている指標表示部23に報知指標24を表示する。これにより、付加遊技作動が実行可能であることを遊技者に分かり易く報知することができる。
【0056】
ここで、実行可能な付加遊技作動が、表示画面22に所定の特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示された場合に、所定数の補填遊技球を払い出す作動であるとすれば、図6イに示すように、所定の報知図柄からなる報知指標24や、図6ロに示すように、「大当り発生時に所定個数の遊技球を払い出す」旨の報知文字からなる報知指標24が表示画面22の指標表示部23に表示され、その表示が行われてから特別図柄A,B,Cが所定回数(例えば200回)変動するまでの有効期間内に、特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示されると、主制御基板60から払出制御基板65に制御指令信号が送信され、大当りとしての特別遊技作動開始ディレーの開始と同時に、払出装置(賞球ユニット)から所定数(例えば10個)の遊技球が払い出される。これにより、遊技者が予め所定数(例えば 5個)の遊技球を投入して、補填遊技球が払い出される作動が実行可能な状態にしておけば、発射する遊技球がなくなってしまった後に、当り図柄態様が確定表示されても、所定数(例えば10個)の遊技球が払い出されるので、遊技球の残量を気にすることなく、最後の一球まで安心して遊技球を発射することができる。
【0057】
一方、有効期間内に特別図柄A,B,Cの当り図柄態様が確定表示されず、特別図柄A,B,Cが所定回数(例えば200回)変動すると有効期間が満了する。有効期間が満了すると、主制御基板60は図柄制御基板62に非表示コマンドとしての制御指令信号を送信して、指標表示部23での報知指標24の表示を終了させる。この場合には予め投入した遊技球が無駄になることとなる。有効期間が満了した場合、新たに所定数の遊技球を投入して選択ボタン14をON操作すれば、再度有効期間の計測が開始され、付加遊技作動を実行可能な状態とすることができる。
【0058】
また、実行可能な付加遊技作動が、表示画面22に表示される特別図柄A,B,Cの変動時間を短縮する時短作動であるとすれば、有効期間の計測が開始されるとこれと同期して、図6イに示すように、所定の報知図柄からなる報知指標24や、「始動記憶 2個目から図柄変動の短縮を行う」旨の報知文字からなる報知指標(図示省略)が表示画面22の指標表示部23に表示され、その表示が行われてから特別図柄A,B,Cが所定回数(例えば100回)変動するまでの有効期間内は、通常は特別図柄始動記憶数が主制御基板60の記憶装置RAMに 4個記憶されている場合に次の図柄変動を10秒から 5秒に短縮する時短作動が、特別図柄始動記憶数が 2個記憶されていれば次の図柄変動を短縮する時短作動が実行される。これにより、時間効率のよい有利な状態で遊技を行うことができる。そして、特別図柄A,B,Cが所定回数(例えば100回)変動すると有効期間が満了し、指標表示部23での報知指標24の表示が終了する。
【0059】
また、実行可能な付加遊技作動が、特別図柄A,B,Cの変動中に、所定の図柄態様が表示画面22に確定表示されることを予告する予告報知作動であるとすれば、有効期間の計測が開始されるとこれと同期して、図6イに示すように、所定の報知図柄からなる報知指標24や、「予告演出を行う」旨の報知文字からなる報知指標(図示省略)が表示画面22の指標表示部23に表示され、その表示が行われてから特別図柄A,B,Cが所定回数(例えば300回)変動するまでの有効期間内は、リーチ図柄態様や当り図柄態様が確定表示されることを、特別図柄A,B,Cの変動中に、表示画面22に出現する所定のキャラクターや音声、或いはランプの点灯態様等によって予告する予告報知作動が実行される。これにより、遊技の興趣性を向上させることができる。そして、特別図柄A,B,Cが所定回数(例えば300回)変動すると有効期間が満了し、指標表示部23での報知指標24の表示が終了する。
【0060】
また、実行可能な付加遊技作動が、遊技情報を報知する情報報知作動であるとすれば、有効期間の計測が開始されるとこれと同期して、図6イに示すように、所定の報知図柄からなる報知指標24や、「遊技情報を報知する(遊技のナビゲーションを行う)」旨の報知文字からなる報知指標(図示省略)が表示画面22の指標表示部23に表示され、その表示が行われてから特別図柄A,B,Cが所定回数(例えば300回)変動するまでの有効期間内は、遊技状況に応じて遊技の補助,案内,解説等の遊技情報を報知する情報報知作動が実行される。即ち、例えば特別図柄始動記憶数が満杯となると「発射を止めて!」のメッセージが表示されたり、大当り確定を意味する所定のキャラクターが表示画面22に表出すると「○○は大当り確定だよ!」のメッセージがスピーカーから出力されたりする。これにより、初心者でも安心して遊技を行うことが可能となる。そして、特別図柄A,B,Cが所定回数(例えば300回)変動すると有効期間が満了し、指標表示部23での報知指標24の表示が終了する。
【0061】
尚、上記実施例では、有効期間を特別図柄A,B,Cの所定変動回数(100回,200回,300回)としたが、有効期間はこれ以外に所定経過時間(例えば、30分間,45分間,1時間)や、遊技球の所定発射数(例えば、3000個,4500個,6000個)で設定することも可能である。そして、このような特別図柄A,B,Cの所定変動回数,所定経過時間,遊技球の所定発射数によって計測される有効期間の満了を、所定終了条件の成立要件として、付加遊技作動を実行不能とする遊技内容を具備させることにより、有限的な付加遊技作動の供与を可能としている。
【0062】
また、上記実施例では、媒体数設定手段17で予め設定される所定の遊技球数によって付加遊技作動を実行可能としているが、これに代えて、選択ボタン14のON操作時における媒体検知手段の遊技球検知数に応じて、実行される所定の付加遊技作動の度合いを異ならせるように構成してもよい。例えば、検知数が 5個の場合には補填球技球を10個とし、検知数が10個の場合には補填球技球を30個としたり、検知数が 5個の場合には特別図柄A,B,Cが300回変動するまで予告報知作動を行い、検知数が10個の場合には特別図柄A,B,Cが650回変動するまで予告報知作動を行うようにすることも可能である。
【0063】
また、上記実施例では、対価媒体に遊技球を用いた場合について説明したが、対価媒体としてはスロット遊技機のコインや、使用済みプリペードカードを用いることも可能である。ここで、図8イは、対価媒体としてコインを用いる場合にあって、遊技機本体3の前面に配設される媒体受入口11aの形態を示し、図8ロは対価媒体として使用済みプリペードカードを用いる場合に配設される媒体受入口11bの形態を示す。その他の構成は、上記実施例と同じであり、同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0064】
かかる構成にあって、スロット遊技機では、通常3枚のコインで1ゲームを行うので、最後に1,2枚残ることがある。そこで、対価媒体としてコインを媒体受入口11aに投入することによって、所定の付加遊技作動を実行可能にすれば、残ったコインを有効に使うことができる。一方、使用済みプリペードカードは、パチンコ遊技機毎に備え付けられている回収箱に入れるように遊技店側で要望しているが、面倒であるため、遊技機前面の受台や通路に捨てられることが多い。そこで、対価媒体として使用済みプリペードカードを媒体受入口11bに投入することによって、所定の付加遊技作動を実行可能にすれば、遊技者は使用済みプリペードカードを有効に使うことができる一方、遊技店側では使用済みプリペードカードの回収を容易に行うことが可能となる。
【0065】
また、上記実施例では、本発明を第一種パチンコ遊技機に適用した一例について説明したが、本発明は第三種パチンコ遊技機にも適用可能である。さらに、付加遊技作動としての情報報知作動は、第二種パチンコ遊技機において図柄に関わらない所定の遊技情報を報知するものとして実行させることも可能である。
【0066】
【発明の効果】
本発明は、上述したように、遊技機本体の前面の所定位置に配設された媒体受入口と、該媒体受入口に投入された対価媒体を検知する媒体検知手段とを備え、さらに該媒体検知手段による所定数の対価媒体の検知に基づいて、所定の付加遊技作動を実行可能とする制御内容を具備する遊技制御手段とを備えたパチンコ遊技機であるから、遊技者が媒体受入口に所定数の対価媒体を投入すると、媒体検知手段による所定数の対価媒体の検知に基づいて、所定の付加遊技作動が実行可能な状態となる。これにより、遊技内容を変更してその恩恵を受ける場合には、遊技者が遊技機に対して予め対価を供出しなければならないので、遊技内容を変更する遊技者と、変更しない遊技者との間の利益差がなくなり、公平性を確保することができる。
【0067】
上述のパチンコ遊技機にあって、表示画面に図柄を変動表示する図柄表示装置と、図柄始動条件の成立を契機として変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を図柄表示装置の表示画面に表示させる図柄制御手段とを備え、さらに遊技制御手段が、媒体検知手段による所定数の対価媒体の検知に基づいて、所定の付加遊技作動を実行可能とする制御内容と、前記表示画面に所定の当り図柄態様が確定表示された場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行する制御内容とを備えているから、第一種パチンコ遊技機又は第三種パチンコ遊技機等の図柄表示装置と図柄制御手段とを備えたパチンコ遊技機において、図柄に関わる所定の付加遊技作動を実行させることが可能となる。
【0068】
また、遊技機本体の前面の所定位置に選択ボタンを設け、遊技者による選択ボタンのON操作を介して、付加遊技作動を実行可能な状態への移行を選択し得るようにすれば、遊技者が媒体受入口に所定数の対価媒体を投入した後でも、付加遊技作動を実行可能な状態とするか否かを選択することができる。
【0069】
上記付加遊技作動を、表示画面に所定の当り図柄態様が確定表示された場合に、所定数の補填遊技球を払い出す作動としているから、発射する遊技球がなくなってしまった後に、当り図柄態様が確定表示されても、所定数の遊技球が払い出されるので、遊技球の残量を気にすることなく、最後の一球まで安心して遊技球を発射することができる。
【0070】
また、上記付加遊技作動を、表示画面に表示される図柄の変動時間を短縮する時短作動とすることにより、時間効率のよい有利な状態で遊技を行うことができる。
【0071】
さらに、上記付加遊技作動を、図柄の変動中に、所定の図柄態様が表示画面に確定表示されることを予告する予告報知作動とすることにより、リーチ図柄態様や当り図柄態様となることが、図柄の変動中に予告されるので、遊技の興趣性を向上させることができる。
【0072】
また、付加遊技作動を、遊技情報を報知する情報報知作動とすることにより、遊技状況に応じて遊技の案内や補助を行うナビゲーション情報が遊技者に提供されるので、初心者でも安心して遊技を行うことが可能となる。
【0073】
また、所定の付加遊技作動を実行可能とするために必要な対価媒体数を変更する媒体数設定手段を具備させるようにすれば、遊技店の営業方針に基づいて対価媒体数を設定することが可能となる。
【0074】
また、遊技制御手段が、媒体検知手段による対価媒体の検知数に応じて、実行される所定の付加遊技作動の度合いを異ならせる制御内容を備えているように構成すれば、遊技者が投入した対価媒体数に応じて度合いの異なる付加遊技作動を享受することが可能となる。
【0075】
さらに、遊技機本体の前面の所定位置に、媒体検知手段で検知した対価媒体数を表示する媒体数表示装置を備えているように構成すれば、遊技者は、自己が投入した対価媒体数を明確に知得することが可能となる。
【0076】
また、所定の付加遊技作動が実行可能であることを表示する表示手段を備えている構成にあっては、遊技者に対して所定の付加遊技作動が実行可能な状態であることを知らせることができる。
【0077】
さらに、遊技機本体の前面の所定位置に解除ボタンを設け、遊技者による解除ボタンのON操作を介して、媒体検知手段で検知した対価媒体の全て若しくは所定数の対価媒体を遊技者に返却するよう構成すれば、遊技者が解除ボタンをON操作することにより、媒体受入口に所定数の対価媒体を投入した後でキャンセルしたり、所定の付加遊技作動が実行可能な状態であっても、これを強制的に終了させることが可能となる。
【0078】
また、遊技制御手段が、所定終了条件の成立を契機として付加遊技作動を実行不能とする制御内容を備えているように構成すれば、所定の付加遊技作動が実行可能な有効期間が規定され、有限的な付加遊技作動の供与が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】遊技機本体前面の要部の拡大図である。
【図3】イは媒体受入口及び媒体検知手段の構成を示す側断面図、ロはその作用状態を示す側断面図である。
【図4】媒体数設定手段を備えた収納ケースの一部切欠斜視図である。
【図5】遊技盤の正面図である。
【図6】表示画面の正面図である。
【図7】遊技制御手段を構成する制御回路を示すブロック回路図である。
【図8】イはコイン用、ロは使用済みプリペードカード用の媒体受入口を夫々備えた遊技機本体前面の要部の拡大図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
3 遊技機本体
11,11a,11b 媒体受入口
13a,13b 媒体数表示装置
14 選択ボタン
15 解除ボタン
17 媒体数設定手段
21 図柄表示装置
22 表示画面
23 指標表示部(表示手段)
A,B,C 図柄(特別図柄)
S1 球検知スイッチ(媒体検知手段)
Claims (1)
- 遊技機本体の前面の所定位置に配設された媒体受入口と、該媒体受入口に投入された対価媒体を検知する媒体検知手段とを備え、
表示画面に図柄を変動表示する図柄表示装置と、図柄始動条件の成立を契機として変動開始から図柄確定に至る一連の図柄生成行程を選定し、かつその選定された図柄生成行程を図柄表示装置の表示画面に表示させる図柄制御手段とを備え、
さらに媒体検知手段による所定数の対価媒体の検知に基づいて、所定の付加遊技作動を実行可能とする制御内容と、前記表示画面に所定の当り図柄態様が確定表示された場合に、遊技者に所定の利得を供与することとなる特別遊技作動を実行する制御内容とを具備する遊技制御手段とを備えるものであり、
前記付加遊技作動が、表示画面に所定の当り図柄態様が確定表示された場合に、所定数の補填遊技球を払い出す作動であることを特徴とするパチンコ遊技機。
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