JP2007136092A - 遊技機 - Google Patents

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慎治 鈴木
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豊 増倉
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Abstract

【課題】遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供する。
【解決手段】パチンコ遊技機10は、遊技球が転動する遊技領域15を有する遊技盤14と、遊技盤14における遊技領域を囲む本体枠12とを備えており、本体枠12には、遊技盤14、液晶表示装置32等を有しかつ独立して遊技可能な遊技ユニット80、81が、遊技領域15が視認可能なように、上下に並設されており、本体枠12の下部に配置されかつ遊技ユニット80、81にそれぞれ対応する発射ハンドル26L、26Rを操作することにより、遊技ユニット80、81においてそれぞれ独立して遊技が進められる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、パチンコ遊技装置、パチスロ遊技装置、スロットマシン等の遊技機に関する。
従来のパチンコ機では、遊技者が発射ハンドルを操作して、遊技盤の遊技領域へ遊技球を発射させ、遊技領域に設けられた特別入賞役物(大入賞口)などへ遊技球が入賞すると大入賞口へ入賞しやすい特別遊技状態へ移行し、多くの賞球を払い出す。前記遊技盤の遊技領域は、略円形状の枠レールによって囲まれており、遊技球がこの遊技領域内で障害釘などに衝突しつつ転動し流下する。
これらのパチンコ機では、単一の遊技領域内で遊技球を転動させるものがほとんどであり、遊技自体も単調なものになりやすい。このような単調な状態が継続されると、やがて遊技者は遊技に飽きを感じる可能性がある。
そこで、遊技の興趣性を向上させるために様々な工夫がなされている。例えば、遊技盤上に複数の大入賞口を設けて、夫々が所定の条件を満たしたときに開放するようにして、遊技者の飽きを解消しようとする遊技機が提案されている(特許文献1参照)。
また、遊技球が転動する第1遊技領域を有する第1遊技盤上と、第1遊技盤の前方に対向するように透明状の第2遊技盤を設け、当該第2遊技盤上に遊技球が転動する第2遊技領域を設けた遊技機が提案されている(特許文献2参照)。
特開2005−204680号公報 特開平11−267305号公報
しかしながら、特許文献1に記載された遊技機は、単一の遊技領域を遊技球が転動することに変わりは無い。また、特許文献2に記載された遊技機では、発射された遊技球が第1遊技領域か第2遊技領域かのどちらかを転動し、さらに遊技領域が前後方向に重なっていることから、単一の遊技領域を遊技球が転動しているように見え、遊技者の飽きを解消するには至らない。
このような状況から、今までに無いような構造を用いて、遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機の提供が望まれる。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することを目的とする。
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
(1) 遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、当該遊技盤における遊技領域を囲む枠体とを備えた遊技機であって、前記枠体は、当該枠体によって囲まれた前記遊技領域が、それぞれ独立して並設するように複数配置されていることを特徴とする遊技機。
(1)の発明によれば、一つの遊技機に、枠体によって囲まれた複数の遊技領域がそれぞれ独立して遊技可能となるように設けられている。これにより、例えば、複数の遊技領域で同時に遊技をしたり、あるいは一方の遊技領域における遊技に飽きを感じた場合に他方の遊技領域を用いて遊技するなど、新たな遊技形態によって遊技を行うことが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
(2) (1)において、遊技者による操作によって、前記遊技領域に遊技球を発射させる発射手段を設け、前記発射手段は、複数の前記遊技領域にそれぞれ対応して複数設けられていることを特徴とする遊技機。
(2)の発明によれば、(1)の発明に加えて、複数の遊技領域にそれぞれ対応した発射手段が設けられていることにより、複数の遊技領域に対して個々の発射手段の操作によって遊技球を発射することが可能になる。これにより、使用する発射手段を自ら選択することにより、遊技に使用する遊技領域を選択することが可能になる。しかも、複数の遊技領域において同時に遊技する、いずれか1つの遊技領域で遊技する、さらには遊技に使用する遊技領域を切り替えるといった遊技の進め方を選択することが可能になり、遊技に変化をもたらすことが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
(3) (1)又は(2)において、複数の前記遊技領域にそれぞれ設けられた演出表示を行う演出表示手段と、当該演出表示手段における演出表示の制御を行う演出表示制御手段とを備え、前記演出表示制御手段は、各前記遊技領域の演出表示手段において異なる演出表示の制御を行うことを特徴とする遊技機。
(3)の発明によれば、(1)又は(2)の発明に加えて、複数の遊技領域においてそれぞれ異なる演出(例えば、2つの遊技領域を有するのであれば、例えば、一方を、花火師を題材にした花火関連の演出とし、他方を、源氏物語を題材にした平安調の演出とするなど)が表示されるため、例えば、複数の遊技領域において同時に遊技を進める場合、全く異なる演出画像を同時に楽しむことが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
(4) (1)乃至(3)において、複数の前記遊技領域におけるそれぞれの遊技の実行を制御する制御手段と、複数の前記遊技領域におけるそれぞれの遊技の実行結果に関する遊技結果を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記遊技結果に基づいて所定の条件を満たすか否かを判定する遊技結果判定手段と、当該遊技結果判定手段が所定の条件を満たすと判定した場合に、遊技者に所定の利益を提供する利益提供手段とを備えたことを特徴とする遊技機。
(4)の発明によれば、(1)乃至(3)の発明に加えて、複数の遊技領域におけるそれぞれの遊技結果が所定の条件(例えば、複数の遊技領域においてそれぞれの遊技結果が、大当り、リーチ、連番になるなどの条件)を満たした場合に遊技者に所定の利益(例えば、特別な画像の表示など)を提供する。このように複数の遊技領域を有する遊技機であることによって独自かつ新たな遊技形態を提供することが可能になり、遊技の興趣性を向上させることが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
本発明によれば、枠体によって囲まれた複数の遊技領域がそれぞれ独立して遊技可能となるように備えられていることにより、例えば、複数の遊技領域で同時に遊技をしたり、あるいは一方の遊技領域における遊技に飽きを感じた場合に他方の遊技領域を用いて遊技するなど、新たな遊技形態によって遊技を行うことが可能になるため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
以下に、本発明に好適な実施形態について図面に基づいて説明する。なお、以下において説明する実施形態においては、本発明に係る遊技機に好適な実施形態として本発明を所謂、デジパチあるいはセブン機とも称されるパチンコ遊技機に適用した場合を示す。
[遊技機の構成]
まず、遊技機の概観について図1及び図2を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。なお、本実施形態を説明するための便宜上、遊技機を構成する各部材において遊技者側を向く面を前面、反対側の面を後面と称することにする。同様に、遊技者側を向く方向を前方、その反対方向を後方と称することにする。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、本体枠12と、その本体枠12の内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された上下2枚の扉11とから構成されている。この扉11は、図1に示すように、本体枠12を前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面側下部には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26L、26R等が配設されている。
本体枠12の内部でかつ上皿20の上部には、それぞれ独立して遊技可能な遊技ユニット80,81が上下に並設されている。なお、以降の説明において、上側の遊技ユニット80を上遊技ユニット80、下側の遊技ユニット81を下遊技ユニット81と称することにする。上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81の前面側には、遊技盤14a、14bが配置されており、遊技盤14a、14bの盤面が遊技者によって視認される。このように、本体枠12は、遊技盤14a、14bにおける遊技領域を囲む枠体の一例である。また、上側に上遊技ユニット80を配置し、下側に下遊技ユニット81を配置したことは、枠体によって囲まれた遊技領域が、それぞれ独立して並設するように複数配置されていることの一例である。
図2は上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81が有する遊技盤及びその後方の要部構成を示す斜視図である。遊技盤14a、14bは、少なくとも一部又は全部が透過性を有する板形状の樹脂(部材)によって形成されている取付板の前面に、障害釘13やガイドレール30、始動口25、大入賞口39を開閉するシャッタ40、その他各種の部材を取り付けることによって構成される。この取付板として用いる透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。また、遊技盤14a、14bは、その前面に、発射された遊技球が転動可能な遊技領域15a、15bを有している。この遊技領域15a、15bは、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。このように、遊技盤14a、14bは、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤の一例である。
液晶表示装置32は、スペーサー31を挟んで、遊技盤14a、14bの後方(背面側)に配設されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有している。この表示領域32aは、遊技盤14a、14bの全部又は一部に、スペーサー31を挟んで、遊技盤14a、14bの後面側に重なるように配設される。言い換えると、この表示領域32aは、少なくとも、遊技盤14a、14bにおける遊技領域15a、15bの全部又は一部と重なるように遊技盤14a、14bの後方に配設される。この液晶表示装置32における表示領域32aには、演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等、各種の画像が表示される。
スペーサー31は、遊技盤14a、14bの後方に配設されるとともに、液晶表示装置32の前方に配設される。つまり、スペーサー31は、遊技盤14a、14bと液晶表示装置32によって挟持される。このスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されており、中央に大きな貫通穴31aが設けられている。貫通穴31a内の上部には、特別図柄表示器33及び普通図柄表示器35(いずれも図10参照)、特別図柄保留ランプ及び普通図柄保留ランプ(図示せず)で構成される電飾ユニット53が設けられる。
図3は上遊技ユニット80の配置構造を示す説明図である。図3(a)に示すように、本体枠12の上部には、上遊技ユニット80の筐体80aが固定されている。本体枠12の左側下部には、発射ハンドル26Lが設置されている。この発射ハンドル26Lが上遊技ユニット80に対応しており、発射ハンドル26Lを操作することにより、上遊技ユニット80に遊技球が発射される。また、図3(b)に示すように、上遊技ユニット80の筐体80aのみが固定されたとき上遊技ユニット80の前面部は本体枠12に対して突き出しており、発射ハンドル26Lの操作部が長尺の連結部を介して本体枠12に設置されている。
図4は下遊技ユニット81の配置構造を示す説明図である。本体枠12の下部には、下遊技ユニット81の筐体81aが固定されており、筐体81aの左側下部には、発射ハンドル26Lが遊嵌する貫通孔26aが形成されている。さらに、筐体81aの右側下部には、発射ハンドル26Rが設置されている。また、筐体81aの中央下部に、上皿20及び下皿22が形成されている。
そして、本体枠12に、上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81が設置されたとき、上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81の前面は同一平面上に配置され、発射ハンドル26L、26Rは左右対称の位置に配置される。このように、発射ハンドル26L、26Rは、遊技者による操作によって、前記遊技領域に遊技球を発射させる発射手段の一例であり、さらに、複数の遊技領域にそれぞれ対応して複数設けられている枠体の一例である。
図1及び図2を用いたパチンコ遊技機10の概観の説明を続ける。扉11には、透過性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14a、14bの前面に対面するように配設されている。
発射ハンドル26Lは、下皿22の左側部に本体枠12に対して回動自在に設けられている。同様に、発射ハンドル26Rは、下皿22の右側部に本体枠12に対して回動自在に設けられている。また、発射ハンドル26L、26Rの裏側には、駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が設けられている。さらに、発射ハンドル26L、26Rの周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときには、遊技者により発射ハンドル26L、26Rが握持されたと検知される。発射ハンドル26Lが遊技者によって握持され、かつ、反時計回り方向へ回動操作されたときには、発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が上遊技ユニット80の遊技盤14aに順次発射され、遊技球が遊技領域15aを転動することにより遊技が進められる。同様に、発射ハンドル26Rが遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が下遊技ユニット81の遊技盤14bに順次発射され、遊技球が遊技領域15bを転動することにより遊技が進められる。
例えば、遊技者が、左手で発射ハンドル26Lを握持し、右手で発射ハンドル26Rを握持し、発射ハンドル26L、26Rを同時に回動させることにより、上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81において同時に遊技が進められる。なお、発射ハンドル26L、26Rのいずれか一方を回動させることにより、一方の遊技ユニットのみを用いて遊技を進めることも可能である。
また、発射ハンドル26Lに、時計回りあるいは反時計回りに回動方向を切り替える機構を設けても良い。これにより、二人の遊技者の一方が発射ハンドル26Rを右手で操作し、他方が発射ハンドル26Lを右手で操作する、といった遊技形態が可能になる。
液晶表示装置32の表示領域32a及び表示領域32bでは、電飾ユニット53(図2参照)に備えた特別図柄表示器33(図10参照)において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。詳しくは後述するが、例えば、特別図柄表示器33(図10参照)で表示される特別図柄の変動表示中においては、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、複数の図柄列(本実施形態においては3列)毎に数字や記号等からなる図柄(演出用の識別情報でもある。例えば、“0”から“9”までの数字)が変動表示される。また、特別図柄表示器33(図10参照)において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32a及び表示領域32bにおける演出用の識別情報が停止表示される。
また、特別図柄表示器33(図10参照)において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、大当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32a及び表示領域32bにおいて表示される。具体的には、特別図柄表示器33(図10参照)において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32a及び表示領域32bにおいて表示される演出用の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“1”から“9”のいずれかが全て揃った状態で停止表示される態様)となる。
この演出用の識別情報の組合せとして、特定の数字図柄(例えば、“奇数”の数字図柄)が全て揃った状態で停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R大当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。また、大当り遊技状態の終了後は、大当り遊技状態に移行する確率が通常より高い確変状態(特別モード)に移行する。
特定の数字図柄(例えば、“偶数”の数字図柄)が全て揃った状態で停止表示された場合は、通常遊技状態から遊技者に有利なラウンドゲームを最大15回継続して行われる15R大当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。ただし、大当り遊技状態の終了後は、大当り遊技状態に移行する確率が通常より高い確変状態(特別モード)には移行しない。
このように、大当り遊技状態に移行するか否かを、換言すれば、後述する特別遊技を実行するか否かを決定するゲームが、液晶表示装置32の表示領域32a及び表示領域32bにおいて表示される。このようなゲームを「可変表示ゲーム」という。なお、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の識別情報の組合せが特定の表示態様となった場合には、さらに、「大当り!!」などの文字画像とともに、喜んでいるキャラクタ画像が液晶表示装置32の表示領域32a及び表示領域32bにおいて表示される。
15R大当り遊技状態(特別遊技状態)となった場合には、シャッタ40が開放状態に制御され、大入賞口39に遊技球が受け入れ可能な状態となる。
一方、特別図柄表示器33(図10参照)において、特別図柄として、特定の数字図柄以外の数字図柄(例えば、“3”、“5”、又は“7”以外の数字図柄)が停止表示された場合は、通常遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
普通図柄表示器35(図10参照)は、2つの表示用ランプ(図示せず)で構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、例えば“○”、“×”等の記号が普通図柄として変動表示される。
特別図柄保留ランプ(図示せず)は4つ設けられており、4つの特別図柄保留ランプ(図示せず)は、点灯又は消灯によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留球数」、「特別図柄に関する保留球数」)を表示する。例えば、特別図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、特別図柄保留ランプが1つのみ点灯し、保留されている特別図柄の変動表示の実行回数分だけ特別図柄保留ランプが点灯する。
普通図柄保留ランプ(図示せず)は4つ設けられており、4つ普通図柄保留ランプは、点灯又は消灯によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(所謂、「保留球数」、「普通図柄に関する保留球数」)を表示する。特別図柄と同様に、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留ランプ(図示せず)が1つのみ点灯する。
遊技盤14a、14bの左側に設けられている2つのガイドレール30は、遊技領域15a、15bを区画(画定)する外レールと、この外レールの内側に配設された内レールとから構成される。発射された遊技球は、遊技盤14a、14b上に設けられたガイドレール30に案内されて、遊技盤14a、14bの上部に移動し、複数の障害釘13、遊技盤14a、14b上に設けられた障害物等との衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14a、14bの下方に向かって流下する。
始動口25に遊技球が入賞した場合(所定の特別図柄の変動表示開始の一つである。)には、特別図柄表示器33(図10参照)による特別図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数、つまり、保留球数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として特別図柄の変動表示が保留されても良い。
また、上遊技ユニット80における液晶表示装置32の表示領域32a、及び下遊技ユニット81における液晶表示装置32の表示領域32bにおいても、前述した始動口25に遊技球が入賞した場合(所定の演出用の識別情報の変動表示開始の一つである。)には、演出用の識別情報の変動表示が開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25へ入賞した場合には、変動表示中の演出用の識別情報が停止表示されるまで、始動口25への遊技球の入賞に基づく演出用の識別情報の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた演出用の識別情報が停止表示された場合には、保留されていた演出用の識別情報の変動表示が開始される。
なお、本実施形態においては、始動口25に遊技球が入賞したこと等を、所定の特別図柄の変動表示開始条件又は所定の演出用の識別情報の変動表示開始条件としたが、これに限らず、別の態様であっても良い。
通過ゲート54a、54bには、それぞれ通過球センサが設けられている。通過球センサは、遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したことを検出する。そして、通過球センサ114、115(図10参照)によって遊技球の通過が検出されたときには、普通図柄表示器35(図10参照)において普通図柄の変動表示が開始され、所定の時間が経過した後、普通図柄の変動表示が停止する。前述したように、この普通図柄は、“○”、“×”等の記号である。
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、始動口25の左右の両側に設けられている羽根部材(所謂、普通電動役物)が閉鎖状態から開放状態となり、始動口25に遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材を開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材を閉鎖状態として、始動口25に遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
また、特別図柄の変動表示と同じように、普通図柄の変動表示中において通過ゲート54a、54bを遊技球が通過した場合には、変動表示中の普通図柄が停止表示されるまで、当該通過ゲート54a、54bへの遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた普通図柄が停止表示された場合には、保留されていた普通図柄の変動表示が開始される。
遊技盤14a、14bにおける始動口25の下部には大入賞口が形成されており、この、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40が設けられている。このシャッタ40は、特別図柄表示器33(図10参照)において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が15R大当り遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口には、V・カウントセンサ102(図10参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ104(図10参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる(第2の状態)。
なお、大入賞口が遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態(第1の状態)から大入賞口が遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態(第2の状態)までの遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)に駆動されたシャッタ40は、開放状態において大入賞口に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102(図10参照)を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、シャッタ40の開放状態において大入賞口に受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ102(図10参照)を通過したことを条件に、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を特別遊技といい、この遊技状態を特別遊技状態(15R大当り遊技状態)という。
特別遊技の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)は、15ラウンドである。なお、特別遊技の実行中における最大継続ラウンド数は15ラウンドに限定されない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(例えば、メインCPUなど)による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意のラウンド数であっても良い。
また、始動口25、大入賞口(図示せず)、小入賞口(図示せず)に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
一方、遊技盤14a、14b上の遊技領域15外の領域には、ラウンド数表示器51(図10参照)が設けられており、このラウンド数表示器は、現在実行されているラウンドゲームが第何ラウンドであるかを示す「ラウンド数」を表示する。
[上皿の構成]
図5は上皿20の概略構成を示す図である。上皿20における中央部の奥側壁面の一部に、パチンコ遊技機10の裏側から送り出される遊技球が排出される送出口20aが形成されている。さらに、上皿20の左右両側部の底面の一部に、発射ハンドル26L、26Rにそれぞれ対応する駆動装置に遊技球を供給する供給口20b、20bが形成されている。また、上皿20における中央部には、送出口20aから送り出された遊技球が、左右のいずれか一方、あるいは左右の両方に流れるように、遊技球の進路を分岐させる分岐装置21が設けられている。また、上皿20の前面に、左右方向にスライドして、分岐装置21を作動させる操作レバー20cが設けられている。
図6は分岐装置21の概略構成を示す説明図であり、図6(a)は分岐装置21の正面図、図6(b)は、図6(a)のAA線断面を示す断面図である。分岐装置21は、中心軸21a、中心軸21aよりも短い円筒体21b、左右の分岐爪21c、21d、左右の作動片21e、21f、トーションバネ21g及び操作レバー20cとから構成されている。まず、円筒体21bの一端に右分岐爪21dを固定し、中心軸21aの一端に左分岐爪21cを固定し、右分岐爪21dの上に左分岐爪21cが重なるように、円筒体21bに中心軸21aを挿入する。次に、上皿20の中央に形成した貫通孔に、円筒体21bを挿入して、左分岐爪21c及び右分岐爪21dを上皿20の内部に配置する。次に、上皿20の下側から円筒体21bにトーションバネ21gを遊嵌させ、さらに、円筒体21bの他端に右作動片21fを固定し、中心軸21aの他端に左作動片21eを固定する。そして、トーションバネ21gの両端をそれぞれ左右の分岐爪21c、21dに係合させる。最後に、操作レバー20cに形成されている2つの突起部20e、20eの間に、左右の作動片21e、21fを配置することにより、分岐装置21が上皿20に取り付けられる。
ここで、左分岐爪21cと左作動片21e、及び右分岐爪21dと右作動片21fは、それぞれ中心軸の両側に配置される。また、トーションバネ21gは左右の作動片21e、21fを広げる方向に付勢する。さらに、左右の作動片21e、21fの広がる方向への移動は上皿20の下面に形成された突起20d、20dによって規制される。
操作レバー20cは、左、中央、右の3箇所のスライド移動が可能であり、操作レバー20cが中央に位置するときは、図5(a)に示すように、左右の作動片21e、21fがともに突起20d、20dに当接しており、左分岐爪21cは遊技球が左側に移動する案内路を形成し、右分岐爪21dは遊技球が右側に移動する案内路が形成される。また、操作レバー20cを右に移動させた場合には、右作動片21fは突起20dに当接し、左作動片21eは右作動片21f側に移動する。その結果、図5(b)に示すように、左分岐爪21cが回動して、左分岐爪21c及び右分岐爪21dによって遊技球が右側に移動する案内路が形成される。同様に、操作レバー20cを右に移動させた場合には、左作動片21eは突起20dに当接し、右作動片21fは左作動片21e側に移動する。その結果、図5(c)に示すように、右分岐爪21dが回動して、左分岐爪21c及び右分岐爪21dによって遊技球が左側に移動する案内路が形成される。
なお、本実施形態においては、分岐装置21の切替機構を機械的に構成したが、それに限るものではなく、例えば、電磁ソレノイドを用いても良い。すなわち、送出口20aから送り出された遊技球が、左右のいずれか一方、あるいは左右の両方に流れるように、遊技球の進路を分岐させることが可能な機構であれば、切替機構の構成は特に問うものではない。
このように、本実施形態によれば、一つの遊技機に、枠体によって囲まれた複数の遊技領域がそれぞれ独立して遊技可能となるように設けられている。これにより、例えば、複数の遊技領域で同時に遊技をしたり、あるいは一方の遊技領域における遊技に飽きを感じた場合に他方の遊技領域を用いて遊技するなど、新たな遊技形態によって遊技を行うことが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、複数の遊技領域にそれぞれ対応した発射手段が設けられていることにより、複数の遊技領域に対して個々の発射手段の操作によって遊技球を発射することが可能になる。これにより、使用する発射手段を自ら選択することにより、遊技に使用する遊技領域を選択することが可能になる。しかも、複数の遊技領域において同時に遊技する、いずれか1つの遊技領域で遊技する、さらには遊技に使用する遊技領域を切り替えるといった遊技の進め方を選択することが可能になり、遊技に変化をもたらすことが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
[表示画面の説明]
次に、図7を用いて、液晶表示装置32に表示される表示画像について説明する。
図7は液晶表示装置32の表示画像の一例を示す説明図である。上遊技ユニット80の遊技領域15aにおける、液晶表示装置32の表示領域32aには、演出用の識別情報(例えば、識別図柄94a)及び演出画像91が表示される。また、演出画像91aとして、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、キャラクタ画像92a(例えば、ねじりハチマキを頭に巻いている人物(所謂、ドンちゃん)のキャラクタ画像など)が表示される。また、下遊技ユニット81の遊技領域15bにおける、液晶表示装置32の表示領域32bには、演出用の識別情報(例えば、識別図柄94b)及び演出画像91bが表示される。また、演出画像91bとして、液晶表示装置32の表示領域32bにおいて、キャラクタ画像92b(例えば、平安時代の貴族をモチーフにした人物(所謂、光源氏)のキャラクタ画像など)が表示される。このように、本実施形態においては、上遊技ユニット80における演出表示と下遊技ユニット81における演出表示とは全く異なっている。このように、液晶表示装置32は、複数の遊技領域15a、15bにそれぞれ設けられた演出表示を行う演出表示手段の一例である。
また、上遊技ユニット80における演出表示と下遊技ユニット81における演出表示において、所定の条件が満たされた場合に、特別の演出表示が行われる。所定の条件としては、上遊技ユニット80と下遊技ユニット81とにおいて同時に大当りが発生した場合、同時にリーチが発生した場合、上遊技ユニット80の識別図柄94aの停止態様と下遊技ユニット81の識別図柄94bの停止態様に関連性がある場合(例えば、同一の停止態様や連番など)などが考えられる。
図8は、所定の条件が満たされた場合の演出画像の一例であり、本実施形態においては、所定の条件として遊技ユニット80と下遊技ユニット81とにおいて同時にリーチが発生した場合を例として説明する。
例えば、下遊技ユニット81においてリーチが発生し、下遊技ユニット81におけるリーチ演出が終了するまでに上遊技ユニット80にリーチが発生した場合、上遊技ユニット80の液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、特典画像が表示される。例えば、キャラクタ画像95(例えば、浴衣を着た女の子(所謂、葉月ちゃん)のキャラクタ画像など)とともに、遊技者にとって利益になりうる情報が記憶されている二次元コード96(例えば、QRコード)が表示される。そして、二次元コード96が表示された際に、遊技者が、例えば、CCDカメラ付き携帯電話機やPDA等を操作し、携帯電話機等に備えられているバーコード読み取り機能によって二次元コード96を読み取ることにより、携帯電話機に利用する着信メロディや待ち受け画像を取得することができる。あるいは、二次元コード96を読み取ることにより携帯電話機の表示画面にURLが表示され、このURLにアクセスすることにより、携帯電話機に利用する着信メロディや待ち受け画像がもらえる、といった特典が得られる機会を取得することができる。
また、上遊技ユニット80においてリーチが発生し、上遊技ユニット80におけるリーチ演出が終了するまでに下遊技ユニット81にリーチが発生した場合には、下遊技ユニット81の液晶表示装置32の表示領域32bにおいて、特典画像(例えば、二次元コード96)が表示される。
なお、二次元コード96が表示される際に、例えば、下遊技ユニット81においてリーチが発生した後に、上遊技ユニット80においてリーチが発生した場合には「葉月からのプレゼントよ」といった音声をスピーカ46(図10参照)に出力させても良い。同様に、例えば、上遊技ユニット80においてリーチが発生した後に、下遊技ユニット81おいてリーチが発生した場合には「麻呂からの贈り物じゃ」といった音声をスピーカ46(図10参照)に出力させても良い。
また、本実施形態によれば、特典画像を表示させるための所定の条件として、上遊技ユニット80と下遊技ユニット81とにおいてリーチが発生した場合を例として説明したが、それに限るものではない。例えば、所定の条件としては、上遊技ユニット80と下遊技ユニット81とにおいて同時に大当りが発生した場合、識別図柄94aと識別図柄94bによって表示される数字が同一あるいは連番になった場合などがある。
このように、本実施形態によれば、複数の遊技領域においてそれぞれ異なる演出(例えば、2つの遊技領域を有するのであれば、例えば、一方を、花火師を題材にした花火関連の演出とし、他方を、源氏物語を題材にした平安調の演出とするなど)が表示されるため、例えば、複数の遊技領域において同時に遊技を進める場合、全く異なる演出画像を同時に楽しむことが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、複数の遊技領域におけるそれぞれの遊技結果が所定の条件(例えば、複数の遊技領域においてそれぞれの遊技結果が、大当り、リーチ、連番になるなどの条件)を満たした場合に遊技者に所定の利益(例えば、特別な画像の表示など)を提供する。このように複数の遊技領域を有する遊技機であることによって独自かつ新たな遊技形態を提供することが可能になり、遊技の興趣性を向上させることが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、複数の遊技盤におけるそれぞれの遊技結果が所定の条件(例えば、複数の遊技盤においてそれぞれの遊技結果が、大当り、リーチ、連番になるなどの条件)を満たした場合に遊技者に所定の利益(例えば、特別な演出画像の表示など)を提供する。このように複数の遊技領域を有する遊技機であることによって独自かつ新たな遊技形態を提供することが可能になり、遊技の興趣性を向上させることが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
なお、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であっても良く、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、ドットLED、セグメントLED、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであっても良い。また、本実施形態においては、液晶表示装置32は、遊技機であるパチンコ遊技機10における遊技盤14a、14bの正面略中央に設けられている場合を示したが、遊技者により視認可能な位置であれば何処の位置に液晶表示装置32を設けることとしても良い。また、演出用の識別情報(例えば、識別図柄94a、94b)の変動表示手段として液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、別の態様であっても良く、例えば、回転リール、ドラム、ベルト、リーフ等を変動表示手段として採用しても良い。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図9、図10を用いて説明する。図9は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図、図10は、本実施形態における上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81の制御回路を示すブロック図である。
パチンコ遊技機10は、図9に示すように、上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81にそれぞれ主制御回路60及び副制御回路200が設けられている。また、上遊技ユニット80の副制御回路200と、下遊技ユニット81の副制御回路200との間において、コマンドの送受信が行われる。なお、上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81において主制御回路60及び副制御回路200の回路構成は略同一であり、後述するプログラムROM208、画像データROM216、音声データROM234、装飾データROMに記憶されているデータの内容が異なるものである。
遊技制御手段としての主制御回路60は、図10に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備えている。この主制御回路60は、遊技の進行を制御する。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。このように、このメインCPU66は、例えば、特別遊技実行手段や抽選手段として機能するなど、後述する各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、乱数抽選によって大当り判定をする際に参照される大当り判定テーブルや、演出を選択する際に参照される演出条件選択テーブル等の各種のテーブル、他のテーブルも記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。メインRAM70に記憶されるデータの具体例としては、以下のようなものがある。
メインRAM70には、制御状態フラグ、特定領域通過フラグ、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、はずれ図柄決定用乱数カウンタ、演出条件選択用乱数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大入賞口入賞カウンタ、特別図柄ゲーム回数カウンタ、ラウンド数表示用カウンタ、ラウンド数表示器演出始動用カウンタ、待ち時間タイマ、大入賞口開放時間タイマ、特別図柄に関する保留球数を示すデータ、普通図柄に関する保留球数を示すデータ、後述する副制御回路200にコマンドを供給するためのデータ、始動記憶数カウンタ、変数等が位置付けられている。
制御状態フラグは、特別図柄ゲームの制御状態を示すものである。特定領域通過フラグは、遊技球が特定領域を通過したか否かを判断するためのものである。
大当り判定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定するためのものである。大当り図柄決定用乱数カウンタは、特別図柄の大当りを判定した場合に、停止表示される特別図柄を決定するためのものである。はずれ図柄決定用乱数カウンタは、大当りではない場合に停止表示する特別図柄を決定するためのものである。演出条件選択用乱数カウンタは、演出用の変動パターンを決定するためのものである。ラウンド数表示器演出始動用カウンタは、通常遊技の実行中にラウンド数表示器に表示を行わせるか決定するためのものである。これらのカウンタは、メインCPU66により順次“1”増加するように記憶更新されており、所定のタイミングで各カウンタから乱数値を抽出することにより、メインCPU66の各種の機能を実行することとなる。なお、本実施形態においては、このような乱数カウンタを備え、プログラムに従って、メインCPU66が、乱数カウンタを“1”増加させるように記憶更新する構成としたが、これに限らず、別個に、乱数発生器のような装置を備えるように構成しても良い。
待ち時間タイマは、主制御回路60と副制御回路200とにおいて実行される処理の同期を取るためのものである。また、大入賞口開放時間タイマは、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放する時間を計測するためのものである。なお、本実施形態におけるタイマは、メインRAM70において、所定の周期で、その所定の周期だけ減算されるように記憶更新されるが、これに限らず、CPU等自体がタイマを備えていても良い。
大入賞口開放回数カウンタは、大当り遊技状態における大入賞口の開放回数(所謂、ラウンド数)を示す。また、大入賞口入賞カウンタは、1ラウンド中に大入賞口39(図1参照)に入賞し、V・カウントセンサ102又はカウントセンサ104を通過した遊技球の数を示す。さらに、特別図柄に関する保留球数を示すデータ(所謂、始動記憶数カウンタ)は、始動口25へ遊技球が入賞したが、特別図柄の変動表示が実行できないときに、特別図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている特別図柄ゲームの保留回数を示す。すなわち、特別図柄に関する保留球数を示すデータは、記憶されている始動記憶情報(始動記憶情報については後述する)の数を示す。さらに、普通図柄に関する保留球数を示すデータは、遊技球が通過ゲート54a、54bを通過したが、普通図柄の変動表示が実行できないときに、普通図柄ゲームの開始を保留するが、その保留されている普通図柄ゲームの保留回数を示す。ラウンド数表示用カウンタは、ラウンド数表示器51において表示されるラウンド数を示す。
また、メインRAM70には、特別図柄記憶領域、普通図柄記憶領域が位置付けられ、種々の情報が記憶されている。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されており、例えば、図10に示すように、V・カウントセンサ102、カウントセンサ104、一般入賞球センサ106、108、110、112、通過球センサ114、115、始動入賞球センサ116、大入賞口ソレノイド120、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
V・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域に設けられている。このV・カウントセンサ102は、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ104は、大入賞口39における特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ104は、大入賞口39における一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ106、108、110、112は、一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ106、108、110、112は、各一般入賞口56a〜56dを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bにそれぞれ設けられている。この通過球センサ114、115は、通過ゲート54a、54bをそれぞれ遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
遊技球検出手段である始動入賞球センサ116は、始動口25に設けられている。始動入賞球センサ116は、始動口25に遊技球が入賞(通過)したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
大入賞口ソレノイド120は、図1に示すシャッタ40に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40を駆動させ、大入賞口を開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状でシャッタ40内部に設けられているシーソー(図示せず)に接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、パチンコ遊技機10(図1参照)の左側に設置されるカードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射装置130に対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行う。
また、発射装置130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置が備えられている。発射ハンドル26L(図1参照)が遊技者によって握持され、かつ、反時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに対して電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14aに順次発射される。なお、発射ハンドル26R(図1参照)が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに対して電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が発射ソレノイドにより遊技盤14bに順次発射される。
さらに、主制御回路60には、ランプ74の制御を行うランプ制御回路76が接続されており、このランプ制御回路76には、ランプ74が接続されている。ランプ制御回路76は、ランプ74に対してランプ(LED)制御信号を供給する。なお、ランプ74には、白熱電球、LED等、具体的には、特別図柄保留ランプ、普通図柄保留ランプ、特別図柄表示器33、普通図柄表示器35(表示用ランプ)、ラウンド数表示器51等が含まれる。
一方、シリアル通信用IC72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、盤面演出ランプ(図示せず)、装飾ランプ(図示せず)等のランプ132に関する制御等を行う。このようにメインCPU66は、複数の遊技領域15a、15bにおけるそれぞれの遊技の実行を制御する制御手段の一例である。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成しても問題ない。
副制御回路200は、識別情報停止ゲーム制御手段、音発生制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行う(液晶表示装置32における演出画像を表示する制御を行う)ための表示制御回路250、スピーカから発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、盤面演出ランプ(図示せず)、装飾ランプ(図示せず)等のランプ132の制御を行うランプ制御回路240、他の遊技ユニットの副制御回路(例えば、下遊技ユニット81の副制御回路200)に接続し、コマンドの送受信を行う通信用IC260から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種のコマンド、あるいは下遊技ユニット81の副制御回路200からのコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の遊技演出を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、演出に関する決定を行うためのテーブル等の各種のテーブルも記憶されている。
また、プログラムROM208には、複数種類の演出パターンが記憶されている。この演出パターンは、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に関するものである。また、プログラムROM208には、複数種類の特別遊技の実行中の演出パターンが記憶されている。この特別遊技の実行中の演出パターンは、特別遊技におけるラウンドゲームに関連して実行される演出表示の進行に関するものである。また、プログラムROM208には、識別情報変動演出パターン、可変表示ゲームにおける複数種類数の演出画像を表示するための演出パターン、上遊技ユニット80における演出表示と下遊技ユニット81における演出表示とが所定の条件を満たした場合に表示する演出パターン等が記憶されている。また、プログラムROM208には、リーチ演出の表示期間を定めたリーチ時間テーブルや、識別情報(識別図柄94a、94b(図7参照))の変動表示から停止表示の期間を定めた識別情報変動時間テーブルが記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であっても良く、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていても良い。もちろん、プログラムROM208の代替としてメインROM68を用いても良い。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでも良い。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていても良い。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、所定の停止操作許容時間や、特定停止操作許容を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。また、ワークRAM210の所定領域には、発射手段による遊技球の発射をサブCPU206が検知した時間を累積的に記憶した発射検知時間を表すタイマ変数が位置付けられている。なお、サブCPU206は、所定時間以上、発射手段による遊技球の発射を検知しない場合は、発射検知時間を表すタイマ変数の値をクリアする。
なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であれば良い。
表示制御回路250は、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する)212、各種の画像データを記憶する画像データROM216、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ218、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路220から構成されている。
上述したVDP212は、サブCPU206、画像データROM216、D/Aコンバータ218、初期リセット回路220と接続されている。
このVDP212は、所謂スプライト回路、スクリーン回路、及びパレット回路等の回路を含み、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。つまり、VDP212は、液晶表示装置32に対する表示制御を行う。また、VDP212には、液晶表示装置32の表示領域32aに画像を表示するためのバッファとしての記憶媒体(例えば、ビデオRAM)を備えている。この記憶媒体の所定の記憶領域に画像データを記憶することによって、所定のタイミングで液晶表示装置32の表示領域32aに画像が表示されることとなる。
画像データROM216には、演出用の識別情報を示す演出用識別情報画像データ、背景画像データ、演出画像データ、特典画像(キャラクタ画像95や二次元コード96(図8参照))データ等の各種の画像データが別個に記憶されている。もちろん、関連画像を示す関連画像データも記憶されている。
VDP212は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、画像データROM216から、演出用識別情報画像データ、背景画像データ、演出画像データ、特典画像データ等、各種の画像データを読み出し、液晶表示装置32に表示させる画像データを生成する。VDP212は、生成した画像データを、後方に位置する画像データから順に重ね合わせてバッファに記憶し、所定のタイミングでD/Aコンバータ218に供給する。このD/Aコンバータ218は、画像データを画像信号として変換し、この画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像を表示させる
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC232、各種の音声データを記憶する音声データROM234、音声信号を増幅するための増幅器236(以下、AMPと称する。)から構成されている。
この音源IC232は、サブCPU206、初期リセット回路220、音声データROM234、AMP236と接続されている。この音源IC232は、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路242、複数種類のランプ装飾パターン等が記憶されている装飾データROM244から構成されている。このランプ制御回路240は、上述したサブCPU206によって直接制御されるものである。つまり、サブCPU206は、プログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、盤面演出ランプ(図示せず)、装飾ランプ(図示せず)等のランプ132の制御を行うものである。
サブCPU206は、装飾データROM244に記憶されている複数種類のランプ装飾パターンから一種類のランプ装飾パターンを読み出し、そのランプ装飾パターンに基づいてドライブ回路242に所定の発光信号を供給する。ドライブ回路242は、受け取った所定の発光信号に基づいて、装飾ランプ(図示せず)などを点灯、点滅、消灯させる。
通信用IC260には、下遊技ユニット81の副制御回路200が接続されている。図10に示す上遊技ユニット80の副制御回路200は、下遊技ユニット81の副制御回路200から供給されるコマンドに応じて液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御等を行う。また、詳しくは後述するが、上遊技ユニット80の副制御回路200は、通信用IC260を介して下遊技ユニット81の副制御回路200に、演出用停止図柄指定コマンドを送信する。
[遊技機の動作]
以下に、パチンコ遊技機10で実行される処理を図11から図17に示す。また、パチンコ遊技機10で実行される特別図柄制御処理(図13)の状態遷移について図14を用いて説明する。なお、図11から図17に示す処理は上遊技ユニット80における処理とし、下遊技ユニット81における処理は上遊技ユニット80における処理と同一であるため説明を省略する。
[メイン処理]
最初に、図11に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化、始動記憶数カウンタ等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図13を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、特別図柄表示器33において特別図柄、液晶表示装置32に表示される演出用の第1識別情報に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS15)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS15の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図12を用いて説明する。
最初に、図12に示すように、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、ラウンド数表示器演出始動用カウンタ等の各カウント値を“1”増加するように乱数更新処理を実行する(ステップS42)。そして、始動口25等の遊技球の入賞又は通過を検知する入力検出処理を実行する(ステップS43)。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、特別遊技(例えば、15R大当りなど)の実行が行われる際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS44)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS46)。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、左列、中列、右列に停止表示される演出用の識別情報の種類を示す演出用停止図柄指定コマンド、演出用の識別情報の変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS49に処理を移す。ここで、演出用停止図柄指定コマンドは副制御回路200の通信用IC260を介して他の遊技ユニット(下遊技ユニット81)に送信される。
そして、ステップS49の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。また、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図11のステップS15において実行されるサブルーチンについて図13を用いて説明する。なお、図13において、ステップS72からステップS81の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、その制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、図13に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS71)。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS72に処理を移す。
尚、後述するステップS72からステップS81において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS72からステップS81における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマ等に応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。尚、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することとなり、他のサブルーチンを実行することとなる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS72においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。詳しくは図15を用いて後述する。この処理が終了した場合には、ステップS73に処理を移す。
ステップS73においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS74の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS74に処理を移す。
ステップS74においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU66は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS75の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。つまり、ステップS81の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS75に処理を移す。
ステップS75においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM68から読み出された大入賞口39を開放させるためのデータをメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図12のステップS46の処理において、メインRAM70に記憶された大入賞口39を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、大入賞口ソレノイド120に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(大入賞口39が遊技球を受け入れやすい開放状態から、大入賞口39が遊技球を受け入れ難い閉鎖状態までの遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを複数回繰り返し行う可能性がある特別遊技が実行されることになる。
さらに、メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU66は、有利な遊技状態が特別遊技の場合には、開放上限時間(例えば30秒など)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。さらに、メインCPU66は、メインRAM70内のラウンド数表示カウンタに、所定の数字(例えば、“15”など)を代入する。さらに、メインCPU66は、メインRAM70内の特別遊技実行時間タイマを使用して特別遊技の実行時間の計測を開始する。この処理が終了した場合には、ステップS76に処理を移す。
ステップS76においては、ラウンド数表示管理処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に記憶されたラウンド数表示カウンタに代入された数字に基づき、ラウンド数表示器51の表示制御を行う。この処理が終了した場合には、ステップS77に処理を移す。
ステップS77においては、役物再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理において、有利な遊技が特別遊技の場合、メインCPU66は、制御状態フラグが役物再開放前待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS78の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS78に処理を移す。
ステップS78においては、役物開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが役物開放中を示す値(04)である場合に、特別遊技であれば、大入賞口入賞カウンタが“10”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。メインCPU66は、役物内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、役物内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、役物内残留球監視時間が経過した後、ステップS79の処理を実行するように設定するのである。なお、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合には、上述した処理を実行しない。この処理が終了した場合には、ステップS79に処理を移す。
ステップS79においては、役物内残留球監視処理を実行する。この処理において、有利な遊技が特別遊技の場合、メインCPU66は、制御状態フラグが役物内残留球監視を示す値(05)であり、役物内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口39における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが“15”(特別図柄表示器33において停止表示された特定の数字図柄が“7”である場合)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS80の処理を実行するように設定する。
一方、メインCPU66は、いずれの条件も満たさない場合に、役物再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。さらに、メインCPU66は、メインRAM70内部に記憶されているラウンド数表示カウンタに“1”を減算するように記憶更新する。また、メインCPU66は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS76の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS80に処理を移す。
ステップS80においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS81の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS81に処理を移す。
ステップS81においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、特別図柄に関する保留個数を示すデータ(始動記憶情報)を“1”減少するように記憶更新する。また、メインCPU66は、始動記憶情報が“1”減少する旨の始動記憶数指定コマンドを示すデータを、メインRAM70における所定の記憶領域にセットする。そして、メインCPU66は、次回の変動表示を行うために、特別図柄記憶領域の更新を行う。メインCPU66は、特別図柄記憶チェックを示す値(00)をセットする。つまり、ステップS72の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、図14に示すように、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果がはずれであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“08”と順にセットすることにより、図13に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS81の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当り遊技状態ではない場合において、大当り判定の結果が大当りであるときには、制御状態フラグを“00”、“01”、“02”、“03”と順にセットすることにより、図13に示すステップS72、ステップS73、ステップS74、ステップS75の処理を所定のタイミングで実行し、大当り遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU66は、大当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04”、“05”、“06”と順にセットすることにより、図13に示すステップS77、ステップS78、ステップS79の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技を実行することとなる。なお、特別遊技(大当り遊技状態)の終了条件(特別遊技終了条件、大当り遊技終了条件)が成立した場合には、“04”、“05”、“07”、“08”と順にセットすることにより、図13に示すステップS78からステップS81の処理を所定のタイミングで実行し、特別遊技を終了することになる。また、本実施形態においては、所定の時間が経過するまでに特定領域への遊技球の通過がなかったこと(パンク)、最大継続ラウンド数(本実施形態においては、“15”ラウンド)のラウンドゲームが終了することも特別遊技終了条件であっても良い。
[特別図柄記憶チェック処理]
図13のステップS72において実行されるサブルーチンについて図15を用いて説明する。
最初に、図15に示すように、ステップS101において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かを判断する。制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判断した場合には、ステップS102に処理を移し、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値でないと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS102において、メインCPU66は、特別図柄に関する保留個数が“0”であるか否かを判断する。特別図柄に関する保留個数を示すデータが“0”であると判断した場合には、ステップS103に処理を移し、保留個数を示すデータが“0”でないと判断した場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS103においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するための変数をメインRAM70に記憶する。これによって、副制御回路200において、デモ画面の表示が実行されることになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS104においては、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を示す値を制御状態フラグに記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105においては、大当り判断処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、大当り判定テーブルに記憶されている大当り判定値を選択する。そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、大当り判定値とを参照して、大当り抽選を行う。
つまり、始動口入賞時に抽出された大当り判定用乱数値と、大当り判定テーブル内の大当り判定値とを参照し、大当りの一例である特別遊技状態(15R大当り)の後に確変状態(特別モード)となる遊技状態へ移行するか、大当りの一例である特別遊技状態(15R大当り)の後に確変状態(特別モード)とならない遊技状態へ移行するかの判定、すなわち、大当り抽選を行う。この処理が終了した場合は、ステップS106に処理を移す。
ステップS106において、図柄決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS105の参照の結果に基づいて、特別図柄の決定処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS107に処理を移す。なお、ステップS106において決定された特別図柄に基づく演出用の識別情報の種類を示す演出用停止図柄指定コマンドは、図12のステップS47の処理において副制御回路200に送信される。
ステップS107においては、変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、演出条件選択用乱数値を抽出する。メインCPU66は、ステップS106により決定された特別図柄に基づいて、すなわち、ステップS105の処理による抽選の結果に基づき、演出表示の変動パターンを決定するための変動パターン振分テーブルを選択する。ここで、演出表示の変動パターンとは、演出用の識別情報(識別図柄94a、94b(図7参照))の変動表示パターン、演出画像の変動表示パターン等をいい、この演出表示の変動パターンに基づいて、演出用の識別情報(識別図柄94a、94b(図7参照))の変動表示及び停止表示を繰り返し行う遊技が制御され、演出画像の表示が制御される。そして、メインCPU66は、演出条件選択用乱数カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン振分テーブルとに基づいて、演出表示の変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。この処理が終了した場合には、ステップS108に処理を移す。
また、ステップS107において、メインRAM70の所定領域に記憶された演出表示の変動パターンを示すデータは、図12のステップS47の処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、演出パターンを選択し、選択された演出パターンをワークRAM210の所定領域に格納し、この格納された演出パターンに基づいて、演出パターンを表示するためのデータを表示制御回路250に送信する。また、サブCPU206は、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、ステップS106で決定された特別図柄に対応する演出用の識別情報(識別図柄94a、94b(図7参照))を表示させるためのデータを表示制御回路250に送信する。従って、サブCPU206は、変動パターン指定コマンドに基づいて、演出用の識別情報(識別図柄94a、94b(図7参照))の停止表示態様を判定することが可能である。
さらに、ステップS107において、メインCPU66は、識別情報である特別図柄の変動表示及び停止表示を繰り返し行う遊技の進行を制御する制御手段としての機能を有する。
すなわち、ステップS107においては、ステップS106の処理によって、メインRAM70の所定領域に記憶された特別図柄を示すデータに基づき、メインCPU66は、メインROM68に記憶されている複数種類のLED点灯パターンから1つのLED点灯パターンを選択し、選択されたLED点灯パターンをメインRAM70の所定の領域に記憶する。
そして、このメインRAM70の所定の領域に記憶されたLED点灯パターンを示すデータは、図12のステップS46の処理により、特別図柄表示器33を駆動制御するための信号(特別図柄駆動制御信号)として、ランプ制御回路76に送信される。ランプ制御回路76は、特別図柄駆動制御信号を受信した場合、特別図柄駆動制御信号に基づいて、特別図柄表示器33の表示制御を行う。以上の処理により、特別図柄表示器33において、特別図柄が変動表示され、変動表示されていた特別図柄が所定の時間後に停止表示されることになる。
ステップS108においては、決定した演出用の変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS107の処理により決定された演出用の変動パターンに対応する変動時間をテーブルより読み出し、その変動時間を示す値を待ち時間タイマに記憶する。そして、今回の変動表示に用いられた大当り判定用乱数値等が記憶された記憶領域をクリアする処理を実行する(ステップS109)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[副制御回路の動作]
一方、副制御回路200では、主制御回路60から送信される各種のコマンド及び他の遊技ユニット(下遊技ユニット81)の副制御回路200から送信される演出用停止図柄指定コマンドを受信し、以下のような演出を実行することとなる。
[演出表示処理]
図17を用いて、演出表示処理を説明する。なお、以下の説明は、上遊技ユニット80における処理を説明し、下遊技ユニット81における処理は上遊技ユニット80における処理と同一であるため、詳細な説明は省略する。
ステップS1600においては、演出に関わるコマンド受信処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60及び他のユニットの副制御回路200からの演出に関わる各種のコマンドを受信する処理を行う。コマンド受信処理については後述するが、サブCPU206が下遊技ユニット81の副制御回路200から送信される演出用停止図柄指定コマンドを受信した場合に、このコマンドの指示内容がワークRAM210の一部に記憶される。さらに、このワークRAM210の一部の内容は演出用停止図柄指定コマンドを受信する毎に更新する処理が行われる。この処理が終了した場合には、ステップS1610に処理を移す。
ステップS1610においては、所定の条件を満たすか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206が、ワークRAM210に一時記憶されている演出用停止図柄指定コマンドの指定内容と、主制御回路60から受信した演出用停止図柄指定コマンドの指定内容とを比較し、所定の条件として両方ともリーチ表示態様であるか否かを判定する。両方ともリーチ表示態様であると判定しない場合には、ステップS1630に処理を移し、両方ともリーチ表示態様であると判定した場合には、ステップS1620に処理を移す。このように、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶された遊技結果に基づいて所定の条件を満たすか否かを判定する遊技結果判定手段の一例である。
ステップS1630において、特典画像表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、プログラムROM208から特典画像(例えば、キャラクタ画像95及び二次元コード96(図8参照))を表示するためのデータをワークRAM210に記憶し、表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDP212は、サブCPU206からの特典画像を表示するためのデータに基づいて、各種の画像データを画像データROM216から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS1630に処理を移す。このように、表示制御回路250は、サブCPU206が所定の条件を満たすと判定した場合に、遊技者に所定の利益を提供する利益提供手段の一例である。
また、本実施形態によれば、特典画像を表示させるための所定の条件として、上遊技ユニット80と下遊技ユニット81とにおいてリーチが発生した場合を例として説明したが、それに限るものではない。例えば、所定の条件としては、上遊技ユニット80と下遊技ユニット81とにおいて同時に大当りが発生した場合、識別図柄94aと識別図柄94bによって表示される数字が同一あるいは連番になった場合などがある。
ステップS1630において、識別情報表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、プログラムROM208から識別情報演出画像を表示するためのデータをワークRAM210に記憶し、表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDP212は、サブCPU206からの識別情報演出画像を表示するためのデータに基づいて、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データを画像データROM216から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS1640に処理を移す。
ステップS1640において、演出画像表示処理を行う。この処理において、サブCPU206は、プログラムROM208から演出画像を表示するためのデータをワークRAM210に記憶し、表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDP212は、サブCPU206からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データを画像データROM216から読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、表示制御回路250は、演出表示手段における演出表示の制御を行う演出表示制御手段の一例である。
このような表示制御により、上遊技ユニット80の遊技領域15aにおける、液晶表示装置32には、演出用の識別情報(例えば、識別図柄94a)及び演出画像91aとしてキャラクタ画像92a(例えば、ねじりハチマキを頭に巻いている人物(所謂、ドンちゃん)のキャラクタ画像など)が表示される。また、下遊技ユニット81の遊技領域15bにおける、液晶表示装置32には、演出用の識別情報(例えば、識別図柄94b)及び演出画像91としてキャラクタ画像92b(例えば、平安時代の貴族をモチーフにした人物(所謂、光源氏)のキャラクタ画像など)が表示される。このように、本実施形態においては、上遊技ユニット80における演出表示と下遊技ユニット81における演出表示とは全く異なっている。このように、液晶表示装置32は、複数の遊技領域15a、15bにそれぞれ設けられた演出表示を行う演出表示手段の一例である。また、表示制御回路250が、2つの遊技領域15a、15bの液晶表示装置32、32において異なる演出表示の制御を行う演出表示制御手段の一例である。
さらに、上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81が同時にリーチ状態になった場合に、後にリーチが成立した遊技ユニットにおいて、特典画像(例えば、キャラクタ画像95や二次元コード96(図8参照))が表示される。また、特典画像は、リーチ演出画像と並行して表示されるようになるため、リーチ演出の期間に特典画像が表示され、可変表示ゲームが終了して次の可変表示ゲームが開始される時点で表示が消去される。
[コマンド受信処理]
図16のステップS1600において実行されるサブルーチンについて図17を用いて説明する。
ステップS1700において、受信したコマンドが主制御回路60からのコマンドであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206が、演出用停止図柄指定コマンドが下遊技ユニット81の制御回路200からのコマンドであるか否かを判定する処理を行う。受信したコマンドが主制御回路60からのコマンドであると判定しない場合、すなわち下遊技ユニット81の制御回路200からのコマンドであると判定した場合には、ステップS1720に処理を移し、受信したコマンドが主制御回路60からのコマンドであると判定した場合には、ステップS1710に処理を移す。
ステップS1710において、演出用停止図柄指定コマンドを下遊技ユニット81に送信する送信処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から送られたコマンドの一つである演出用停止図柄指定コマンドを下遊技ユニット81の制御回路200に送信する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1720に処理を移す。
ステップS1720において、主制御回路60からのコマンド内容を解析する解析処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から送られた演出用停止図柄指定コマンドや変動パターン指定コマンド等のコマンドを解析する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1730において、ワークRAM210の記憶内容を更新する更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出用停止図柄指定コマンドをワークRAM210の一部に記憶する処理を行う。さらに、このワークRAM210の一部の内容は演出用停止図柄指定コマンドを受信する毎に更新する処理を行う。具体的には、ワークRAM210に、下遊技ユニット81において表示されている演出に対応する演出用停止図柄指定コマンド、及び4つの保留球に対応する演出用停止図柄指定コマンドを記憶する5つの記憶領域が形成されている。そして、演出用停止図柄指定コマンドを受信するたびに、演出用停止図柄指定コマンドの内容が5つの記憶領域にスタック記憶される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。このように、ワークRAM210は、複数の遊技領域15a、15bにおけるそれぞれの遊技の実行結果に関する遊技結果を記憶する記憶手段の一例である。
すなわち、上遊技ユニット80の副制御回路200に対して主制御回路60からコマンドが送られた場合には、演出用停止図柄指定コマンドを下遊技ユニット81の副制御回路200に送信してから、演出用停止図柄指定コマンドや変動パターン指定コマンドに基づく演出処理が行われる。下遊技ユニット81の副制御回路200からコマンド(演出用停止図柄指定コマンド)が送られた場合には、演出用停止図柄指定コマンドをワークRAM210に記憶する処理が行われる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、一つの遊技機に、枠体によって囲まれた複数の遊技領域がそれぞれ独立して遊技可能となるように設けられている。これにより、例えば、複数の遊技領域で同時に遊技をしたり、あるいは一方の遊技領域における遊技に飽きを感じた場合に他方の遊技領域を用いて遊技するなど、新たな遊技形態によって遊技を行うことが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、複数の遊技領域にそれぞれ対応した発射手段が設けられていることにより、複数の遊技領域に対して個々の発射手段の操作によって遊技球を発射することが可能になる。これにより、使用する発射手段を自ら選択することにより、遊技に使用する遊技領域を選択することが可能になる。しかも、複数の遊技領域において同時に遊技する、いずれか1つの遊技領域で遊技する、さらには遊技に使用する遊技領域を切り替えるといった遊技の進め方を選択することが可能になり、遊技に変化をもたらすことが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
また、本実施形態によれば、複数の遊技領域においてそれぞれ異なる演出(例えば、2つの遊技領域を有するのであれば、例えば、一方を、花火師を題材にした花火関連の演出とし、他方を、源氏物語を題材にした平安調の演出とするなど)が表示されるため、例えば、複数の遊技領域において同時に遊技を進める場合、全く異なる演出画像を同時に楽しむことが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
なお、上述した実施形態によれば、上遊技ユニット80及び下遊技ユニット81において同時にリーチが発生した場合に、特典画像が液晶表示装置32の表示させているが、本発明は、それに限るものではない。例えば、特典画像を表示させる条件として、上遊技ユニット80における識別図柄94aと下遊技ユニット81における識別図柄94bとが一致した場合に、リーチ同時発生時の特典画像よりも価値の高い情報を含む特典画像を表示させても良い。この場合は、サブCPU206が、ワークRAM210に一時記憶されている演出用停止図柄指定コマンドの指定内容と、主制御回路60から受信した演出用停止図柄指定コマンドの指定内容とを比較して、同一の指定内容であるか否かを判定する制御を行うようになる。
また、本実施形態によれば、複数の遊技領域におけるそれぞれの遊技結果が所定の条件(例えば、複数の遊技領域においてそれぞれの遊技結果が、大当り、リーチ、連番になるなどの条件)を満たした場合に遊技者に所定の利益(例えば、特別な画像の表示など)を提供する。このように複数の遊技領域を有する遊技機であることによって独自かつ新たな遊技形態を提供することが可能になり、遊技の興趣性を向上させることが可能になる。このため、遊技中における遊技者の飽きを解消しやすく、遊技性に富んだ新たな遊技形態による遊技が可能な遊技機を提供することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、主に、遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、当該遊技盤における遊技領域を囲む枠体とを備えた遊技機であって、前記枠体は、当該枠体によって囲まれた前記遊技領域が、それぞれ独立して並設するように複数配置されていることを特徴とする遊技機であるが、遊技盤、枠体などの具体的構成は、適宜設計変更可能である。
尚、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における概観を示す説明図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における要部を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における上遊技ユニットの配置を示す説明図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における下遊技ユニットの配置を示す説明図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における上皿の構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機における分岐装置の構成を示す説明図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において表示される表示画面を示す説明図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において表示される表示画面を示す説明図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路を示すブロック図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において構成される主制御回路及び副制御回路の詳細を示すブロック図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理の状態遷移を示す説明図である。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態のパチンコ遊技機において実行される制御処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10 パチンコ遊技機
11 扉
12 本体枠
13 障害釘
14a、14 遊技盤
15 遊技領域
19 保護板
20 上皿
21 分岐装置
22 下皿
25 始動口
26、26L、26R 発射ハンドル
30 ガイドレール
31 スペーサー
32 液晶表示装置
32a 表示領域
33 特別図柄表示器
35 普通図柄表示器
39 大入賞口
40 シャッタ
60 主制御回路
80 上遊技ユニット
80a、81b 筐体
81 下遊技ユニット
91、91a、91b 演出画像
92a、92b キャラクタ画像
94a、94b 識別図柄
95 キャラクタ画像
96 二次元コード
102 V・カウントセンサ
104 カウントセンサ
120 大入賞口ソレノイド
126 払出・発射制御回路
128 払出装置
130 発射装置
200 副制御回路
230 音声制御回路
236 増幅器
242 ドライブ回路
250 表示制御回路
260 通信用IC

Claims (4)

  1. 遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、
    当該遊技盤における遊技領域を囲む枠体とを備えた遊技機であって、
    前記枠体は、当該枠体によって囲まれた前記遊技領域が、それぞれ独立して並設するように複数配置されていることを特徴とする遊技機。
  2. 遊技者による操作によって、前記遊技領域に遊技球を発射させる発射手段を設け、
    前記発射手段は、複数の前記遊技領域にそれぞれ対応して複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 複数の前記遊技領域にそれぞれ設けられた演出表示を行う演出表示手段と、
    当該演出表示手段における演出表示の制御を行う演出表示制御手段とを備え、
    前記演出表示制御手段は、各前記遊技領域の演出表示手段において異なる演出表示の制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 複数の前記遊技領域におけるそれぞれの遊技の実行を制御する制御手段と、
    複数の前記遊技領域におけるそれぞれの遊技の実行結果に関する遊技結果を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された前記遊技結果に基づいて所定の条件を満たすか否かを判定する遊技結果判定手段と、
    当該遊技結果判定手段が所定の条件を満たすと判定した場合に、遊技者に所定の利益を提供する利益提供手段とを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009279354A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Kyoraku Sangyo Kk 遊技機
JP2010022496A (ja) * 2008-07-17 2010-02-04 Toyomaru Industry Co Ltd 遊技機

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