JP4013681B2 - 双ロールのサイド堰押圧装置及びサイド堰の押圧制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平行な鋳造ロールの幅方向両端面に備えるサイド堰押圧装置を簡略化できるようにした双ロールのサイド堰押圧装置及びサイド堰の押圧制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は従来装置の一例としての、双ロールのサイド堰の押圧装置の要部の概略を示す斜視図、図8は図7の要部を拡大して一部分を破断した側面図である。
【0003】
図7、図8において、51は双ロールを構成する1対の鋳造ロールであり、該鋳造ロール51は相互間にロール間隙を形成するように水平且つ平行に配置されており、内部に備えた冷却構造により冷却され、図7中矢印a,a'で示すように相反する方向に夫々回転するように回転軸55により支持されている。52は1対のサイド堰であり、その耐火物52aが鋳造ロール51の段状に形成された両端シール部51aと密接して摺動するように装設されていて、鋳造ロール51のロール間隙の上部に溶湯Rによる湯溜り(溶湯プール)を形成するようになっている。53は鋳造ロール51の軸と平行な3本の押圧シリンダであり、双方のサイド堰52の背面の3箇所にそれぞれ前端が装着されている。
【0004】
金属帯板Sの連続鋳造に際しては、先ず、双方の鋳造ロール51を回転させ、双方のサイド堰52の耐火物52aを押圧シリンダ53によって両端シール部51aに所定の力で夫々押付けて溶湯Rの漏洩れを防止する。次いで、双方の鋳造ロール51とサイド堰52とで形成する湯溜り部に溶湯Rを連続して供給し、鋳造ロール51によって板状に凝固させ、下方から金属帯板Sを引出す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の装置では、各々の押圧シリンダ53の圧力は、耐火物52aの接触面が摩耗しても均等に維持されている。しかし、耐火物52aの両端シール部51aへの押圧箇所における材質、温度、接触条件等は必ずしも同一ではなく、両端シール部51aとの摺動による耐火物52aの摩耗量に部分的な差異が発生し、摩耗しやすい部分は摩耗が進行してとどまるところがなく、この偏摩耗によって耐火物52aの寿命が短かくなる。そのため、サイド堰52を度々交換する必要があり、一回の連続鋳造時間及び連続鋳造量の増大を阻害する要因になっている。
【0006】
従って、このような問題を解決するために、特公平8−32358号公報が提案された。特公平8−32358号公報では、前記3個所に備えた各々の押圧シリンダ53の押圧量を監視し、全ての押圧シリンダ53の押圧量を均等にして、前記サイド堰52の耐火物52a面と鋳造ロール51の両端シール部51aとの平行関係を維持するために、最も大きい押圧量(=損耗量)との差を求め、その差に応じて各々の押圧シリンダ53のストロークの原点を両端シール部51a側に移動させる押圧量制御を行うようにしている。
【0007】
しかし、上記したように、サイド堰52を3点の押圧シリンダ53により支持し、両端シール部51aとサイド堰52との平行関係を保持してサイド堰52が均一損耗量になるように各押圧シリンダ53の押圧量を制御する方式においては、各押圧シリンダ53はサイド堰52自身の重量を受け、しかも両端シール部51aにサイド堰52を押付ける摩擦力によって下方への移動力を受けることになるため、押圧シリンダ53はこの荷重に耐え得る強度を有している必要がある。従って、このように強度が要求される大径の3点の押圧シリンダ53を、双ロールの回転軸55間の狭い空間に配置することは構造上の問題がある。
【0008】
又、上記提案された特許では、3点の押圧シリンダ53でのサイド堰52の姿勢制御に留まるものであり、原点ストローク量と現時点でのストローク量との差分を求め、次に、押圧シリンダ53相互間の偏差値を求め、その最大偏差値に応じて、損耗量の少ない側の押圧シリンダ53を押出しサイド堰52の姿勢を制御しているが、必ずしも個々の損耗量が一定でないため偏差値をゼロに補正しようとした場合、両端シール部51aと接するサイド堰接触面の姿勢を予測維持する制御は複雑となり、更に、個々の押圧力に変動が生じ過大な押圧力が発生する問題があった。
【0009】
本発明は上記課題を解決しようとしたもので、双ロールに備えるサイド堰を簡単な構成・制御により押圧できるようにした双ロールのサイド堰押圧装置及びサイド堰の押圧制御方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、略水平に並設された一対の鋳造ロールと該鋳造ロールの幅方向両端部に一対のサイド堰を当接させ形成した溶湯プールに溶融金属を供給し、帯板状に凝固させる双ロールのサイド堰押圧装置であって、前端を各サイド堰に回動可能に連結されたスラスターと、該スラスターの後端に連結した主軸シリンダロッドを介しサイド堰を押圧する主軸シリンダと、該主軸シリンダに備えた主軸伸縮量検出器と、前記主軸シリンダロッドに備えて主軸押圧力を検出する主軸荷重検出器と、前記主軸シリンダの垂直上方に配置してチルトシリンダロッドの前端を前記サイド堰に回動可能に連結した前記主軸シリンダより小さい押圧力を有するチルトシリンダと、該チルトシリンダに備えたチルト伸縮量検出器と、チルトシリンダの押圧力を検出するチルト荷重検出器と、チルトシリンダの後端を前記主軸シリンダロッドに回動自在に連結するチルト用連結部材とを設け、前記スラスターのサイド堰側の押圧ピポット点を、前記一対の鋳造ロール共通接線上で且つ前記溶湯プールの軸直角断面の面積重心近傍に配置し、前記主軸伸縮量検出器と主軸荷重検出器とチルト伸縮量検出器とチルト荷重検出器の各検出値を初期値と比較演算し押圧力を制御してサイド堰の偏摩耗を防止する制御手段を備えたことを特徴とする双ロールのサイド堰押圧装置、に係るものである。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記チルトシリンダを2本設け、前記一対の鋳造ロールの共通接線に対称、且つ、前記主軸シリンダロッドの上方に配置したことを特徴とする請求項1記載の双ロールのサイド堰押圧装置、に係るものである。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記スラスター及びチルトシリンダロッドに冷却器を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の双ロールのサイド堰押圧装置、に係るものである。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記請求項1、2又は3記載の双ロールのサイド堰の押圧制御方法であって、鋳造開始前に主軸シリンダを作動し、所定の主軸押圧力と主軸押圧力より小さい値のチルトシリンダの押圧力によりサイド堰を鋳造ロールに押圧して主軸荷重検出器ならびにチルト荷重検出器の検出値による全体押圧力を初期値として記憶し、更に、主軸伸縮量検出器及びチルト伸縮量検出器により伸縮量を検出して各々の検出値を初期値として記憶させておき、次に、鋳造開始以降全体押圧力及び主軸シリンダとチルトシリンダの伸縮量は連続して各々の初期値との変化を比較演算させ、全体押圧力の初期値との差により主軸押圧力とチルトシリンダの押圧力を一率補正し、主軸シリンダとチルトシリンダとの伸縮量比較演算値によりサイド堰の主軸シリンダ押圧側とチルトシリンダ押圧側での偏摩耗量を検出し、偏摩耗量が所定値を超えた場合は、偏摩耗量が大きい側を押圧している主軸シリンダ又はチルトシリンダの押圧力を減少させ、偏摩耗量が所定値以内に復元した場合は、主軸シリンダとチルトシリンダによる全体押圧力を初期値に復元させることを特徴とする双ロールのサイド堰の押圧制御方法、に係るものである。
【0014】
上記手段によれば次のように作用する。
【0015】
請求項1記載の発明においては、サイド堰の押付け力制御とサイド堰保持のための主軸シリンダと、サイド堰の前後方向の押付け力制御のためのチルトシリンダとを備えた構成としているので、簡略な構成のサイド堰の押圧装置によってサイド堰の偏摩耗を防止でき、よって双ロールの回転軸間の狭い空間にサイド堰押圧装置を容易に配置できる。
【0016】
更に、主軸シリンダはサイド堰を鋳造ロールの両端シール部に対して常に必要最小限の一定圧力で押圧するように制御すればよく、又チルトシリンダはサイド堰の上部を所定の一定圧力で押圧するように制御すればよいので、制御が著しく簡単化し、よってサイド堰押圧装置を安価に提供できる。
【0017】
請求項2記載の発明においては、2本のチルトシリンダによりサイド堰の側部を鋳造ロールの端面に対して所定の一定圧力で押圧するようにしているので、サイド堰の左右方向の偏摩耗も積極的に防止できるようになる。
【0018】
請求項3記載の発明においては、スラスター及びチルトシリンダロッドに冷却器を備えたので、主軸シリンダ、チルトシリンダ及び各検出器が熱による影響を受けることを防止できる。
【0019】
請求項4記載の発明においては、主軸シリンダとチルトシリンダにより所定の全体押圧力になるようにサイド堰を鋳造ロールに押圧し、更に、主軸伸縮量検出器及びチルト伸縮量検出器により伸縮量を検出し、前記全体押圧力と主軸シリンダ及びチルトシリンダによる伸縮量の各々を初期値として記憶させておき、鋳造開始以降全体押圧力及び伸縮量は連続して各々の初期値との変化を比較演算させ、全体押圧力の初期値との差により主軸押圧力とチルトシリンダの押圧力を一率補正し、主軸シリンダとチルトシリンダとの伸縮量比較演算値によりサイド堰の主軸シリンダ押圧側とチルトシリンダ押圧側での偏摩耗量を検出し、偏摩耗量が所定値を超えた場合は、偏摩耗量が大きい側を押圧している主軸シリンダ又はチルトシリンダの押圧力を減少させ、偏摩耗量が所定値以内に復元した場合は、主軸シリンダとチルトシリンダによる全体押圧力を初期値に復元させるようにしたので、簡単な制御によりサイド堰を一定押圧力で鋳造ロール端面に押圧して偏摩耗を防止できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の形態例を図1〜図3によって具体的に説明する。なお、従来装置と同一の部材、部位には、図1〜図3において同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
図1は、双ロールのサイド堰の押圧装置の側面図、図2は図1の平面図、図3は図1のIII−III方向矢視図である。図1〜図3において、1は鋳造ロール51の両端シール部51aにサイド堰52を押付けるための主軸シリンダであり、該主軸シリンダ1は、鋳造ロール51の幅方向外側(ロール間隙の延長上)に設けた固定台2上に水平に固定されている。3は図示しないサーボバルブにより主軸シリンダ1に対して伸縮する主軸シリンダロッドであり、該主軸シリンダロッド3の先端には、ロードセル等の主軸荷重検出器4を介してスラスター5が連結されている。
【0022】
前記スラスター5の前端は、サイド堰52の後面に形成したブラケット6に設けた主軸サイド堰側ピン7に球面ブッシュ8を設けて、この球面ブッシュ8に回動可能に連結している。この時、図3に示すように、スラスター5を球面ブッシュ8によりサイド堰52に取り付けている押圧ピポット点Pは、前記一対の鋳造ロール51,51共通接線A上で且つ前記溶湯Rによる湯溜り(溶湯プール)の軸直角断面の面積重心近傍に配置している。
【0023】
前記主軸シリンダ1は、前記サイド堰52の重量を保持でき、且つ両端シール部51aにサイド堰52を押付ける摩擦力によってサイド堰52が受ける下方への移動力も保持できる充分な強度を備えており、更に、主軸シリンダ1はサイド堰52の耐火物52aを両端シール部51aに対して所定の一定圧力で押圧するように制御されている。
【0024】
前記主軸シリンダ1には、主軸伸縮量検出器9を設置している。又、前記スラスター5の内部或いは外部には冷却水流路等による冷却器10を構成して、主軸シリンダ1及び主軸荷重検出器4を熱から保護している。
【0025】
前記主軸シリンダロッド3の垂直上方には、主軸シリンダロッド3の軸線と平行なチルトシリンダ11を配置している。図1、図2では、チルトシリンダ11のチルトシリンダロッド12の前端は、サイド堰52の後面に形成したブラケット6に設けたチルトサイド堰側ピン13に球面ブッシュ14を設けて、この球面ブッシュ14に回動可能に連結している。チルトシリンダ11の後端はロードセル等のチルト荷重検出器15を介してチルト用連結部材16に連結している。そしてチルト用連結部材16の後端は、前記主軸シリンダロッド3に固定したブラケット17に対しピン18を介して上下に回動可能に取り付けている。
【0026】
前記チルトシリンダ11には、チルト伸縮量検出器19を設置している。又、前記チルトシリンダロッド12の内部或いは外部には冷却水流路等による冷却器20を構成して、チルトシリンダ11及びチルト荷重検出器15を熱から保護している。上記チルトシリンダ11は、サイド堰52の上側部を両端シール部51aに対して押圧するように制御されている。この時のチルトシリンダ11の押圧力は、前記主軸シリンダ1がサイド堰52を押圧する押圧力より小さい値であり、チルトシリンダ11の押圧によって耐火物52aの上下の摩耗量が均等になる大きさに設定している。
【0027】
上記チルトシリンダ11は、図示の例では主軸シリンダロッド3の上側に設けた場合を示しているが、チルトシリンダ11は主軸シリンダロッド3の下側に設けるようにしてもよく、又、前記チルトシリンダ11は主軸シリンダロッド3の軸線と平行に設けた場合を示しているが、主軸シリンダロッド3の軸線に対して上下に傾けて設けるようにしてもよい。
【0028】
以下に、上記形態例の作用を説明する。
【0029】
図1〜図3の構成において、鋳造ロール51を相反回転し、鋳造ロール51の両端シール部51aに押圧したサイド堰52の耐火物52aによってロール間隙上に形成される油溜り部に溶湯Rを供給して金属帯板Sの鋳造を開始すると、主軸シリンダ1は、後述する制御手段によりサイド堰52の耐火物52aを両端シール部51aに対して所定の一定圧力で押圧する。鋳造ロール51の回転に伴うサイド堰52の振動及び摺動により両端シール部51aと摺動している耐火物52aは摩耗し、その摩耗分だけ主軸シリンダ1の主軸シリンダロッド3が追従して耐火物52aを一定圧力で押圧する。
【0030】
この時、伸縮ロッド3の上部に備えたチルトシリンダ11は、サイド堰52の上部を前記主軸シリンダ1の押圧力より小さい所定の押圧力に設定して初期の姿勢が維持されるように押圧し、鋳造ロール51への押圧力は主軸押圧力及びチルト押圧力の合計値である全体押圧力で制御を行う。更に、主軸シリンダ1とチルトシリンダ11との伸縮量比較演算値によりサイド堰52の主軸シリンダ押圧側とチルトシリンダ押圧側での偏摩耗量を検出し、偏摩耗量が所定値を超えた場合は、偏摩耗量が大きい側を押圧している主軸シリンダ1又はチルトシリンダ11の押圧力を減少させ、偏摩耗量が所定値以内に復元した場合は、主軸シリンダ1とチルトシリンダ11による全体押圧力を初期値に復元させる。これにより、サイド堰52に過大な押圧力を発生することがなく、耐火物52aは当接面に均等に押圧され偏摩耗を抑制できる。
【0031】
又、鋳造ロール51の両端シール部51aに対してサイド堰52を押付ける時、前記スラスター5及びチルトシリンダロッド12の前端は球面ブッシュ8,14によりサイド堰52に取り付けられているので、サイド堰52は鋳造ロール51の両端シール部51aに倣って上下、左右が一定の押付け力で押付けられるようになる。
【0032】
上記によれば、サイド堰52の耐火物52aの偏摩耗を防止することができ、よってサイド堰52の寿命を延長することができる。
【0033】
又、サイド堰52の押付け力の制御とサイド堰52保持のため強度の高い(太い)主軸シリンダ1と、サイド堰52の前後方向の押付け力制御のためのチルトシリンダ11とを備えた構成としているので、簡略な構成として双ロールの回転軸間の狭い空間にサイド堰押圧装置を配置することが容易に可能になる。
【0034】
更に、主軸シリンダ1はサイド堰52の耐火物52aを両端シール部51aに対して常に所定の一定圧力で押圧するように制御すればよく、又チルトシリンダ11はサイド堰52の上部を前記主軸シリンダ1の押圧力より小さい所定の一定圧力で押圧するように制御すればよいので、制御を著しく簡単化することができる。
【0035】
次に本発明の他の形態例について説明する。
【0036】
図4、図5の形態は、前記図1〜図3の構成では主軸シリンダロッド3の直上に1本のチルトシリンダ11を配置していたのに対し、主軸シリンダロッド3の上部に、一対の鋳造ロール51,51の共通接線Aに対し左右対称な位置になるように2本のチルトシリンダ11a,11bを配置し、この各チルトシリンダ11a,11bを、主軸シリンダロッド3に固定したブラケット17に対してピン18により回動可能に取り付けている。このチルトシリンダ11a,11bは、前記チルトシリンダ11と同様の構成を有しており、チルト荷重検出器15a,15bとチルト伸縮量検出器19a,19bを備えている。
【0037】
次に、図4、図5の形態例での押圧の制御手段について図6を参照しつつ説明する。
【0038】
図6のサイド堰押圧装置において、鋳造開始前に主軸シリンダ1を作動し、所定の主軸押圧力になるようにサイド堰52を鋳造ロールに押圧し、主軸荷重検出器4ならびにチルト荷重検出器15a,15bによる全体押圧力を初期値として記憶させる。
【0039】
更に、主軸伸縮量検出器9及びチルト伸縮量検出器19a,19bにより伸縮量を検出し、各々の伸縮量を初期値として記憶させる。
【0040】
鋳造開始後は前記主軸荷重検出器4の検出値LC1ならびにチルト荷重検出器15a,15bの検出値LC2,LC3による全体押圧力が加算器21で加算して求められ、その加算値が比較器22に入力されて記憶された全体押圧力の初期値と比較されて、各押圧力が一率補正される。
【0041】
又、主軸伸縮量検出器9の検出値SG1とチルト伸縮量検出器19aのSG2が引算器23で引算されて偏差Δ1が求められ、主軸伸縮量検出器9の検出値SG1とチルト伸縮量検出器19bのSG3が引算されて偏差Δ2が求められ、上記偏差Δ1と偏差Δ2を比較器25で比較し、比較結果が+の場合には、チルトシリンダ11aの押圧力を案分低減し、比較結果が−の場合には、チルトシリンダ11bの押圧力を案分低減する制御を行う。
【0042】
又、前記偏差Δ1、Δ2>0の場合には、チルトシリンダ11a,11bの押圧力を低減し、前記偏差Δ1、Δ2<0の場合には、主軸シリンダ1の押圧力を低減する制御を行う。
【0043】
このように、主軸シリンダ1とチルトシリンダ11との伸縮量比較演算値によりサイド堰52の主軸シリンダ押圧側とチルトシリンダ押圧側での偏摩耗量を検出し、偏摩耗量が所定値を超えた場合は、偏摩耗量が大きい側を押圧している主軸シリンダ1又はチルトシリンダ11の押圧力を減少させ、偏摩耗量が所定値以内に復元した場合は、主軸シリンダ1とチルトシリンダ11による全体押圧力を初期値に復元させるように制御する。
【0044】
従って、上記したようにチルトシリンダ11a,11bを主軸シリンダロッド3に取り付けたことにより、サイド堰52の姿勢を直接的に検出でき、熱膨張等による外乱に伴う補正を行うことなしに、簡単に制御できる。
【0045】
更に、偏摩耗(チルト伸縮量の偏差)が発生した場合には、サイド堰の姿勢を直接補正するのではなく、主軸シリンダ1の押圧ピポット点Pに対する摩耗変化量を検出し、各点の押圧力分布を制御し、最大摩耗点(主軸シリンダ1、チルトシリンダ11a,11bの3点比較)の押圧力を減少させ、他の摩耗点の押圧力は所定総押圧力より案分演算する制御を行うことにより、偏摩耗量の少ない部分の摩耗を促し、これによって偏摩耗を効果的に解消できる。
【0046】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0047】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、サイド堰の押付け力制御とサイド堰保持のための主軸シリンダと、サイド堰の前後方向の押付け力制御のためのチルトシリンダとを備えた構成としているので、簡略な構成のサイド堰押圧装置によってサイド堰の偏摩耗を防止でき、よって双ロールの回転軸間の狭い空間にサイド堰押圧装置を容易に配置できる効果がある。
【0048】
更に、主軸シリンダはサイド堰を鋳造ロールの両端シール部に対して常に必要最小限の一定圧力で押圧するように制御すればよく、又チルトシリンダはサイド堰の上部を所定の一定圧力で押圧するように制御すればよいので、制御が著しく簡単化し、よってサイド堰押圧装置を安価に提供できる効果がある。
【0049】
請求項2記載の発明によれば、2本のチルトシリンダによりサイド堰の側部を鋳造ロールの端面に対して所定の一定圧力で押圧するようにしているので、サイド堰の左右方向の偏摩耗も積極的に防止できる効果がある。
【0050】
請求項3記載の発明によれば、スラスター及びチルトシリンダロッドに冷却器を備えたので、主軸シリンダ、チルトシリンダ及び各検出器が熱による影響を受けることを防止できる効果がある。
【0051】
請求項4記載の発明によれば、主軸シリンダとチルトシリンダにより所定の全体押圧力になるようにサイド堰を鋳造ロールに押圧し、更に、主軸伸縮量検出器及びチルト伸縮量検出器により伸縮量を検出し、前記全体押圧力と主軸シリンダ及びチルトシリンダによる伸縮量の各々を初期値として記憶させておき、鋳造開始以降全体押圧力及び伸縮量は連続して各々の初期値との変化を比較演算させ、全体押圧力の初期値との差により主軸押圧力とチルトシリンダの押圧力を一率補正し、主軸シリンダとチルトシリンダとの伸縮量比較演算値によりサイド堰の主軸シリンダ押圧側とチルトシリンダ押圧側での偏摩耗量を検出し、偏摩耗量が所定値を超えた場合は、偏摩耗量が大きい側を押圧している主軸シリンダ又はチルトシリンダの押圧力を減少させ、偏摩耗量が所定値以内に復元した場合は、主軸シリンダとチルトシリンダによる全体押圧力を初期値に復元させるようにしたので、簡単な制御によりサイド堰を一定押圧力で鋳造ロール端面に押圧して偏摩耗を防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る双ロールのサイド堰の押圧装置の形態例を示す側面図である。
【図2】 図1の平面図である。
【図3】 図1のIII−III方向矢視図である。
【図4】 本発明に係る双ロールのサイド堰の押圧装置の他の形態例を示す平面図である。
【図5】 図4のV−V方向矢視図である。
【図6】 図4の装置の押圧の制御手段を表わすブロック図である。
【図7】 従来装置の一例としての、双ロールのサイド堰の押圧装置の要部の概略を示す斜視図である。
【図8】 図7の要部を拡大して一部分を破断した側面図である。
【符号の説明】
1 主軸シリンダ
3 主軸シリンダロッド
4 主軸荷重検出器
5 スラスター
8 球面ブッシュ
7 水平ピン
9 主軸伸縮量検出器
10 冷却器
11 チルトシリンダ
11a チルトシリンダ
11b チルトシリンダ
12 チルトシリンダロッド
14 球面ブッシュ
15 チルト荷重検出器
16 チルト用連結部材
19 チルト伸縮量検出器
20 冷却器
51 鋳造ロール
52 サイド堰
P 押圧ピポット点
A 共通接線
Claims (4)
- 略水平に並設された一対の鋳造ロールと該鋳造ロールの幅方向両端部に一対のサイド堰を当接させ形成した溶湯プールに溶融金属を供給し、帯板状に凝固させる双ロールのサイド堰押圧装置であって、前端を各サイド堰に回動可能に連結されたスラスターと、該スラスターの後端に連結した主軸シリンダロッドを介しサイド堰を押圧する主軸シリンダと、該主軸シリンダに備えた主軸伸縮量検出器と、前記主軸シリンダロッドに備えて主軸押圧力を検出する主軸荷重検出器と、前記主軸シリンダの垂直上方に配置してチルトシリンダロッドの前端を前記サイド堰に回動可能に連結した前記主軸シリンダより小さい押圧力を有するチルトシリンダと、該チルトシリンダに備えたチルト伸縮量検出器と、チルトシリンダの押圧力を検出するチルト荷重検出器と、チルトシリンダの後端を前記主軸シリンダロッドに回動自在に連結するチルト用連結部材とを設け、前記スラスターのサイド堰側の押圧ピポット点を、前記一対の鋳造ロール共通接線上で且つ前記溶湯プールの軸直角断面の面積重心近傍に配置し、前記主軸伸縮量検出器と主軸荷重検出器とチルト伸縮量検出器とチルト荷重検出器の各検出値を初期値と比較演算し押圧力を制御してサイド堰の偏摩耗を防止する制御手段を備えたことを特徴とする双ロールのサイド堰押圧装置。
- 前記チルトシリンダを2本設け、前記一対の鋳造ロールの共通接線に対称、且つ、前記主軸シリンダロッドの上方に配置したことを特徴とする請求項1記載の双ロールのサイド堰押圧装置。
- 前記スラスター及びチルトシリンダロッドに冷却器を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の双ロールのサイド堰押圧装置。
- 前記請求項1、2又は3記載の双ロールのサイド堰の押圧制御方法であって、鋳造開始前に主軸シリンダを作動し、所定の主軸押圧力と主軸押圧力より小さい値のチルトシリンダの押圧力によりサイド堰を鋳造ロールに押圧して主軸荷重検出器ならびにチルト荷重検出器の検出値による全体押圧力を初期値として記憶し、更に、主軸伸縮量検出器及びチルト伸縮量検出器により伸縮量を検出して各々の検出値を初期値として記憶させておき、次に、鋳造開始以降全体押圧力及び主軸シリンダとチルトシリンダの伸縮量は連続して各々の初期値との変化を比較演算させ、全体押圧力の初期値との差により主軸押圧力とチルトシリンダの押圧力を一率補正し、主軸シリンダとチルトシリンダとの伸縮量比較演算値によりサイド堰の主軸シリンダ押圧側とチルトシリンダ押圧側での偏摩耗量を検出し、偏摩耗量が所定値を超えた場合は、偏摩耗量が大きい側を押圧している主軸シリンダ又はチルトシリンダの押圧力を減少させ、偏摩耗量が所定値以内に復元した場合は、主軸シリンダとチルトシリンダによる全体押圧力を初期値に復元させることを特徴とする双ロールのサイド堰の押圧制御方法。
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