JP4011892B2 - 研磨装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録媒体や半導体を製造する際に用いる研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録媒体や半導体を製造する際に、表面を所定の表面粗さにすることが必要な場合がある。この場合、図5に示すような研磨装置を用いて行なわれる。
【0003】
図において、研磨テーブル1は、矢印I方向に回転駆動される。一方、研磨される記録媒体や半導体(以下、被研磨物という)3は、被研磨物3の研磨面以外の面を覆う治具5に保持され、研磨テーブル1上に載置され、さらに、治具5の外周は円弧状の押え用治具7に支持される。
【0004】
研磨テーブル1が矢印I方向に回転すると、押え用治具7に保持された治具5も同方向(矢印I方向)に回転し、研磨テーブル1上に滴下された研磨剤9により、被研磨物3が研磨される。
【0005】
そして、研磨装置で記録媒体や半導体等の被研磨物3を研磨しながら研磨層の厚さを測定し、研磨層が設定した厚さになると研磨を中断し、被研磨物3を研磨装置から取り外し、不透明な研磨材を除去するために研磨面を純水で洗浄し、三次元顕微鏡等にセットし、研磨面の表面粗さを観察・測定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の研磨の場合、研磨面の表面粗さを観察・測定する際には、研磨を中断し、研磨面を洗浄して、三次元顕微鏡等に記録媒体や半導体をセットする必要があり手間がかかる問題点がある。さらに、一回の研磨面の観察・測定で、所望の表面粗さを得られない場合、繰り返して、研磨→研磨面の洗浄→研磨面の観察・測定を行なう必要があり、所望の表面粗さを精度よく、また、高い再現性で得にくい問題点がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その第1の課題は、表面粗さの観察・計測に手間がかからない研磨装置を提供することにある。又、第2の課題は、所望の表面粗さを精度良く、高い再現性で得られる研磨装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、被研磨物の研磨面を研磨する研磨テーブルと、前記被研磨物の研磨面を洗浄する洗浄手段と、前記被研磨物の研磨面を観察・計測する研磨面検出手段と、を備えた研磨装置において、前記研磨テーブルの研摩面と面一な上面を有し、前記上面に開口を有する穴が設けられ、更に、前記上面の前記開口の回りに排水溝が形成された計測テーブルを前記研磨テーブルに隣接して設け、前記洗浄手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面を洗浄し、洗浄後の洗浄液は前記排水溝を介して装置外へ排水され、前記研磨面検出手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面の観察・計測を行なうことを特徴とする研磨装置である。
【0009】
研磨装置に被研磨物の研磨面を洗浄する洗浄手段と、前記被研磨物の研磨面を観察・計測する研磨面検出手段とを備えたことにより、被研磨物の研磨面の観察・計測がすばやく行なえるので、表面粗さの観察・計測に手間がかからない。
【0011】
また、前記研磨テーブルの研摩面と面一な上面を有し、前記上面に開口を有する穴を設けられた計測テーブルを前記研磨テーブルに隣接して設け、前記洗浄手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面を洗浄し、前記研磨面検出手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面の観察・計測を行なうことにより、被研磨物を滑らせることで研磨テーブルから計測テーブル、計測テーブルから研磨テーブルへの移動が行なえるので、表面粗さの観察・計測に手間がかからない。
【0012】
請求項2記載の発明は、被研磨物の研磨面を研磨する研磨テーブルと、前記被研磨物の研磨面を洗浄する洗浄手段と、前記被研磨物の研磨面を観察・計測する研磨面検出手段と、を備えた研磨装置において、前記研磨テーブルの研磨面上に開口を有する穴を設け、前記洗浄手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面を洗浄し、前記研磨面検出手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面の観察・計測を行なうと共に、前記被研磨物を保持する治具の上面から被研磨物まで達する穴を設け、前記研磨面検出手段は、前記治具の穴から入射し、前記被研磨物を透過した自然光又は室内光を検出することを特徴とする研磨装置である。
【0013】
前記研磨テーブルの研磨面上に開口を有する穴を設け、前記洗浄手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面を洗浄し、前記研磨面検出手段は、前記穴を介して前記被研磨物
の研磨面の観察・計測を行なうことにより、表面粗さの観察・計測に手間がかからない。
【0014】
又、研磨テーブル上の開口の位置と、研磨時の被研磨物の研磨テーブル上の位置とを同じ円周上に位置させることで、研磨しながら、研磨物の研磨面の観察・計測を行なうことも可能となる。
【0016】
前記被研磨物を保持する治具の上面から被検物まで達する穴を設け、前記研磨面検出手段は、前記治具の穴から入射し、前記被研磨物を透過した光を検出することにより、被研磨物の研磨面の観察・計測を行なう際に、被研磨物の研磨面を照射する光源が不要となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。
(第1の実施の形態例)
最初に、図1を用いて第1の実施の形態例の研磨装置の外観形状を説明する、図1(a)は第1の実施の形態例の研磨装置の上面図、図1(b)は正面図を示している。
【0018】
これらの図において、研磨テーブル11は、矢印I方向に回転駆動される。一方、研磨される被研磨物13は、被研磨物13の研磨面13a以外の面を覆う治具15に保持され、研磨テーブル11上に載置され、さらに、治具15の外周は円弧状の押え用治具17に支持される。
【0019】
研磨テーブル11に隣接して計測テーブル51が設けられている。この計測テーブル51の上面は研磨テーブル11の上面と面一となるように設定されている。計測テーブル51には、上面に開口を有する穴53が開設されている。
【0020】
本実施の形態例の研磨装置には、被研磨物13の研磨面13aを洗浄する洗浄手段61と、被研磨物13の研磨面13aを観察・計測する研磨面検出手段71とが設けられている。
【0021】
洗浄手段61は、純水が貯留されたタンク63と、タンク63から純水を計測テーブル51の穴53を介して計測テーブル51の上面に送り込むポンプ65とからなっている。
【0022】
研磨面検出手段71は、計測テーブル51の穴53の開口に臨むように設けられ、光学計測素子73と、光学計測素子73からの信号を取り込んで、光の干渉や反射光の分布等により被研磨物13の研磨面13aを三次元計測して、研磨面13aの表面粗さの画像表示や数値表示を行なう計測手段75とからなっている。
【0023】
又、研磨テーブル11の上面の上方には、研磨剤19が貯留されたタンク23が設けられ、オンオフバルブ25により研磨剤19の研磨テーブル11上への滴下がオンオフされるようになっている。
【0024】
さらに、計測テーブル51の上面には、穴53から供給された純水を計測テーブル51の上面から装置外部へ排水する排水溝55が形成されている。
次に、上記構成の研磨装置の電気的構成を図2を用いて説明する。
【0025】
図において、81は制御部、83は研磨テーブル11を回転駆動する研磨テーブル駆動モータ、85は研磨スイッチ、87は再研磨スイッチである。
次に、図3を用いて上記構成の研磨装置の作動を説明する。
【0026】
研磨スイッチ85がオンされる(ステップ1)と、制御部81は研磨テーブル駆動モータ83を駆動し、研磨テーブル11を回転させ(ステップ2)、オンオフバルブ25を開いて、研磨テーブル11上に研磨剤を滴下する(ステップ3)。
【0027】
あらかじめ決められた設定時間中は研磨を続行し(ステップ4,5)、設定時間を過ぎると、オンオフバルブ25を閉じて、研磨テーブル11上への研磨剤の滴下を停止する(ステップ6)。
【0028】
ここで、研磨装置のオペレータが被研磨物13(治具15)を研磨テーブル11から計測テーブル51へ移動させる。
被研磨物13の移動が完了すると、制御部81は、ポンプ65を駆動して純水(洗浄液)を計測テーブル51の穴53から計測テーブル51上に放出し、被研磨物13の研磨面13aの洗浄を行なう(ステップ7)。放出された純水は排水溝55を通って装置外部に排水される。洗浄が終了したら、研磨面検出手段71の計測手段75を駆動し、被研磨物13の研磨面13aの表面粗さの画像表示や数値表示等を行なう(ステップ8)。
【0029】
研磨装置のオペレータは、表示された被研磨物13の研磨面13aの表面状態を見て、研磨が終了したかどうかを判断し、研磨終了ならば研磨スイッチ85をオフして(ステップ9)、一連の作動を終了する。
【0030】
オペレータが被研磨物13の研磨がさらに必要と判断したならば、被研磨物13(治具15)を計測テーブル51から研磨テーブル11へ移動させ、再研磨スイッチをオンする(ステップ10)。すると、制御部81はポンプ65の駆動を停止し(ステップ11)、ステップ3へ戻り、再度研磨を行なう。
【0031】
このような構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)研磨装置に被研磨物13の研磨面13aを洗浄する洗浄手段61と、被研磨物13の研磨面13aを観察・計測する研磨面検出手段71とを備えたことにより、被研磨物13の研磨面13aの観察・計測がすばやく行なえるので、表面粗さの観察・計測に手間がかからない。
(2)回転して被研磨物13の研磨を行なう研磨テーブル11に隣接し、研磨テーブル11の上面と面一で開口が設けられた上面を有する計測テーブル51を設けたことにより、被研磨物13を滑らせることで研磨テーブル11から計測テーブル51、計測テーブル51から研磨テーブル11への移動が行なえるので、さらに、表面粗さの観察・計測に手間がかからない。
(第2の実施の形態例)
図4を用いて第2の実施の形態例を説明する。尚、図1に示す第1の実施の形態例と同一部分には、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0032】
研磨テーブル111には、上面に開口を有し、研磨テーブル111を貫通する穴113が開設されている。この穴113には、ポンプで送出される純水(洗浄水)が通るチューブ115が挿通されている。さらに、チューブ115内には、光ファイバ117が設けられている。この光ファイバ117の一方の端部は穴113の開口近傍に位置し、他方の端部は図示しない光学計測素子73に当接している。
【0033】
一方、治具15には、その上面に開口を有し、被研磨物13の上面(研磨面13aと対向する面)まで達する穴119が設けられている。
又、研磨テーブル111上の穴113の開口の位置を研磨時の被研磨物の研磨テーブル上の位置と同じ円周上とすることで、研磨しながら、研磨物の研磨面の観察・計測を行なうことも可能となる。
【0034】
そして、研磨テーブル111上の穴113の開口の位置と、研磨時の被研磨物13の研磨テーブル111上の位置とは同じ円周上にあるようにした。
このような構成によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)被研磨物13の研磨を行なう研磨テーブル111の上面に開口を有する穴113を設け、開口を介して、被研磨物13の研磨面13aの洗浄、被研磨物13の研磨面13aの観察・計測が行なえるので、表面粗さの観察・計測に手間がかからない。
(2)研磨テーブル111上の穴113の開口の位置と、研磨時の被研磨物13の研磨テーブル111上の位置とを同じ円周上に位置させることで、純水により洗浄を行なうタイミングをうまく合わせることで、研磨しながら、被研磨物13の研磨面13aの観察・計測を行なうことも可能となる。
(3)被研磨物13を保持する治具15の上面に開口を有する穴119を設け、開口から被研磨物13を透過した光を検出することで、被研磨物13の研磨面の観察・計測を行なう際に、被研磨物13の研磨面を照射する光源が不要となる
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1記載の発明によれば、研磨装置に被研磨物の研磨面を洗浄する洗浄手段と、前記被研磨物の研磨面を観察・計測する研磨面検出手段とを備えたことにより、被研磨物の研磨面の観察・計測がすばやく行なえるので、表面粗さの観察・計測に手間がかからない。
【0036】
また、前記研磨テーブルの研摩面と面一な上面を有し、前記上面に開口を有する穴を設けられた計測テーブルを前記研磨テーブルに隣接して設け、前記洗浄手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面を洗浄し、前記研磨面検出手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面の観察・計測を行なうことにより、被研磨物を滑らせることで研磨テーブルから計測テーブル、計測テーブルから研磨テーブルへの移動が行なえるので、表面粗さの観察・計測に手間がかからない。
【0037】
請求項2記載の発明によれば、前記研磨テーブルの研磨面上に開口を有する穴を設け、前記洗浄手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面を洗浄し、前記研磨面検出手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面の観察・計測を行なうことにより、表面粗さの観察・計測に手間がかからない。
【0038】
又、研磨テーブル上の開口の位置と、研磨時の被研磨物の研磨テーブル上の位置とを同じ円周上に位置させることで、研磨しながら、研磨物の研磨面の観察・計測を行なうことも可能となる。
【0039】
又、前記被研磨物を保持する治具の上面から被研磨物まで達する穴を設け、前記研磨面検出手段は、前記治具の穴から入射し、前記被研磨物を透過した自然光又は室内光を検出することにより、被研磨物の研磨面の観察・計測を行なう際に、被研磨物の研磨面を照射する光源が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態例の研磨装置を説明する図で、(a)図は上面図、(b)図は正面図である。
【図2】図1に示す研磨装置の電気的構成を説明する図である。
【図3】図1に示す研磨装置の作動を説明するフロー図である。
【図4】第2の実施の形態例の研磨装置を説明する図で、(a)図は上面図、(b)図は正面図、(c)図は(b)図のチューブの拡大斜視図である。
【図5】従来の研磨装置を説明する図で、(a)図は斜視図、(b)図は正面図である。
【符号の説明】
11 研磨テーブル
13 被研磨物
13a 研磨面
51 計測テーブル
53 穴
61 洗浄手段
71 研磨面検出手段
Claims (2)
- 被研磨物の研磨面を研磨する研磨テーブルと、
前記被研磨物の研磨面を洗浄する洗浄手段と、
前記被研磨物の研磨面を観察・計測する研磨面検出手段と、
を備えた研磨装置において、
前記研磨テーブルの研摩面と面一な上面を有し、前記上面に開口を有する穴が設けられ、更に、前記上面の前記開口の回りに排水溝が形成された計測テーブルを前記研磨テーブルに隣接して設け、
前記洗浄手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面を洗浄し、
洗浄後の洗浄液は前記排水溝を介して装置外へ排水され、
前記研磨面検出手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面の観察・計測を行なうことを特徴とする研磨装置。 - 被研磨物の研磨面を研磨する研磨テーブルと、
前記被研磨物の研磨面を洗浄する洗浄手段と、
前記被研磨物の研磨面を観察・計測する研磨面検出手段と、
を備えた研磨装置において、
前記研磨テーブルの研磨面上に開口を有する穴を設け、
前記洗浄手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面を洗浄し、
前記研磨面検出手段は、前記穴を介して前記被研磨物の研磨面の観察・計測を行なうと共に、
前記被研磨物を保持する治具の上面から被研磨物まで達する穴を設け、
前記研磨面検出手段は、前記治具の穴から入射し、前記被研磨物を透過した自然光又は室内光を検出することを特徴とする研磨装置。
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