JP4011527B2 - 通信中継装置、通信装置、通信システム並びに通信方法、通信プログラムおよびこれを記録した記録媒体 - Google Patents
通信中継装置、通信装置、通信システム並びに通信方法、通信プログラムおよびこれを記録した記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、再送制御を行う通信装置間に設けられる通信中継装置、通信装置、通信システム並びに通信方法、通信プログラムおよびこれを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、AV装置は、AV装置の処理能力の向上、ユーザのAV情報への高品位化の要望に対応すべく、アナログからデジタルへと移行しつつある。
【0003】
デジタル情報は、アナログに比べコピーしても劣化がほとんどなく、AV情報の保存には最適であるが、逆に、劣化がないためデジタルのAV装置では、アナログ装置と比較して高いコンテンツ保護システムが要求される。
【0004】
また、高速なデジタルシリアルインターフェース規格として、IEEE1394と呼ばれるものがある。
【0005】
このIEEE1394は、カムコーダやビデオ、テレビなどのデジタル情報家電、さらには、プリンタ、パソコン周辺装置とPC本体等との間において、簡単かつ低コストで大容量のリアルタイムデータ伝送を可能とするインターフェース技術である。
【0006】
このIEEE1394を用いたデジタルAV装置間におけるコンテンツの著作権保護システムとして、DTCP(Digital Transmission Content Protection)方式と呼ばれるシステムが存在する。
【0007】
このシステムは、AV装置間の機器の認証とAV装置間で伝送されるコンテンツに暗号化を施すシステムであり、安全性の高いコンテンツ保護システムであることが知られている。なお、AV装置間の機器の認証には、IEEE1394上で決められたAV/Cコマンド命令が用いられる。
【0008】
また、近年は無線インターフェース規格(IEEE802.11b)を使った無線テレビも普及し始めている。
【0009】
この無線テレビによって、従来、アンテナ供給線がある場所でしかテレビ映像が見られないという制限があったが、送信装置と受信装置との間に無線の中継装置を設けることで、広範囲な場所でテレビ映像を楽しむことができるようになった。
【0010】
このような状況下において、将来、広範囲な場所でコンテンツ情報を見られるようにするためには、IEEE1394での有線通信とIEEE802.11b等の無線通信との連携を考慮する必要がある。
【0011】
例えば、図14に示すように、送信端末と受信端末との間に、2台の通信中継装置を備えた通信システムにおいては、IEEE802.11bの無線通信とIEEE1394の有線通信とを接続し、通信中継装置を介してデータを転送する。
【0012】
しかし、IEEE802.11bとIEEE1394とは、通信方式の違いから同等な通信速度で通信を行うことができない。
【0013】
また、一般的に、機器間でデータの送受信を行う際において、送信側があるコマンドを送信した後、一定時間内に応答が得られなかった場合には、通信が遮断された場合等を考慮して、もう一度同じコマンドを自動的に送信する再送制御処理が行われる。
【0014】
このとき、ネットワーク内の通信装置間で信号のやり取りを中継する通信中継装置は、原則として、送られてきたデータをそのまま中継する。つまり、再送制御によって送信装置から再度送信された信号についても、そのまま受信装置に中継される。
【0015】
このため、IEEE1394およびIEEE802.11b等の異なるネットワーク間を接続し、送信したコマンドに対する相手側機器のレスポンスを待って次の処理を行うシーケンシャルな通信手順を有する通信装置においては、図14に示すように、通信速度の遅延などが原因で頻繁に再送制御が実行されることになる。すなわち、受信端末において、コマンド1に対するレスポンス1を正しく送信したにもかかわらず、直後にリトライコマンド1として同じコマンド1を再度受信してしまう状況が生じる場合がある。この場合、受信端末側はリトライコマンド1のレスポンスとしてエラーを送信することになる。これにより、送信端末側がエラーを受信することになるので、送信端末は、コマンド1からの送信をやり直すことになる。
【0016】
このような問題の発生を防止する対策として、以下に示すような通信装置が開示されている(特許文献1参照)。
【0017】
特許文献1に開示された通信システムは、受信GW(通信中継装置)において、Ack信号をチェックし、Ack信号が受信端末から返信されていれば、送信側からのリトライコマンドを受信端末に中継せず、返信されていなければ、リトライコマンドをそのまま受信端末に中継する。
【0018】
しかし、この通信装置では、通信速度の遅延や、レスポンスの発行遅れ等により受信機側のAck信号の返信が遅れた場合には、図15に示すように、送信機側からリトライコマンドを中継し続けてしまうため、結果として、エラーレスポンスを返してしまう可能性がある。
【0019】
従来、DTCPにおいては、図16に示すように、デジタルTV105、ビデオ装置106等の複数のデジタル機器をIEEE1394の有線通信を用いて接続し、コマンドのやり取りを行っている。
【0020】
DTCPは、高速通信が可能なIEEE1394を用いた通信を前提としており、コマンドには、高速通信を前提にした100msecの制限時間が設定されており、その制限時間を超えてもコマンドに対するレスポンスが返ってこない場合には、リトライコマンドが送信される。しかし、IEEE1394は、通信速度が非常に高速(100〜400Mbps)であるため、通信速度が遅いことに起因して、予め設定された制限時間を超えてレスポンスが返ってくる可能性は極めて小さい。
【0021】
このため、特許文献1に開示された通信システムでは、基本的に送信したコマンドとレスポンスとの対応関係を維持できる。
【0022】
【特許文献1】
特開2001−345878号公報(公開日:平成13年12月14日)
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の通信システムにおいて、通信路として、IEEE802.11b等を用いた無線通信を用いている場合には、IEEE1394と比較して通信速度が低速であるため、DTCPの規格を適用しようとすると、コマンドを送信してから対応するレスポンスを受信するまでに制限時間を超えることが多くなる。このため、リトライが頻繁に送信されて、コマンドとレスポンスとの正しい対応関係が破綻するという問題が生じる。
【0024】
ここで、図17に示すように、通信装置101と通信中継装置102との間、通信中継装置103と通信装置104との間をIEEE1394を用いた有線通信、通信中継装置102と通信中継装置103との間をIEEE802.11bを用いた無線通信でそれぞれ接続し、DTCP規格の下で通信を行う場合について説明する。
【0025】
まず、通信装置101が、認証を要求するためのステータスコマンド301を通信中継装置102に対して送信する。
【0026】
通信中継装置102は、受信したステータスコマンド301をIEEE802.11bパケットに変換し、通信中継装置103に対してステータスコマンド302を送信する。
【0027】
通信中継装置103は、受信したステータスコマンド302をIEEE1394パケットに変換して、通信装置104に対してステータスコマンド303を送信する。
【0028】
通信装置104は、受信したステータスコマンド303に対して、実装している認証方式と鍵の種類を含むレスポンスとしてステータスレスポンス304を送信する。
【0029】
通信中継装置103は、受信したステータスレスポンス304をIEEE802.11bパケットに変換して、通信中継装置102に対してステータスレスポンス305を送信する。
【0030】
またこのとき、通信装置101においては、100msecの制限時間以内にステータスコマンド301に対するレスポンスが返ってきていないため、タイムアウトとなる。よって、通信装置101は、ステータスコマンド301のリトライコマンド306を通信中継装置102に対して送信する。
【0031】
通信中継装置102は、受信したステータスレスポンス305をIEEE1394パケットに変換し、通信装置101に対してステータスレスポンス307を送信する。
【0032】
通信中継装置102は、受信したリトライコマンド306をIEEE802.11bパケットに変換し、通信装置101に対してリトライコマンド308を送信する。
【0033】
通信中継装置103は、受信したリトライコマンド308をIEEE1394パケットに変換し、通信装置104に対してリトライコマンド309を送信する。
【0034】
通信装置101は、ステータスレスポンス307を受信して、そのデータを解析し、不具合が無ければ、次のDTCP認証ステップに進んで、通信中継装置102に対してチャレンジコマンド310を送信する。
【0035】
通信装置104は、受信したリトライコマンド309に対し、直前に同じコマンド303に対してステータスレスポンス304を送信しているので、通信中継装置103に対してエラーレスポンス311を送信する。
【0036】
通信中継装置103は、受信したレスポンス311をIEEE802.11bパケットに変換し、通信中継装置102に対してレスポンス312を送信する。
【0037】
通信中継装置102は、受信したレスポンス312をIEEE1394パケットに変換し、通信装置101に対してレスポンス313を送信する。
【0038】
通信装置101は、レスポンス313を受信して、そのデータを解析する。このとき、受信したレスポンス313はエラーであるのでここで認証がストップし、最初から新たに認証を始めようとする。
【0039】
以上のように、通信中継装置102および通信中継装置103間の通信には、伝送速度の遅いIEEE802.11bが用いられているため、この間の通信に時間を要し、通信装置104のコマンド送信からレスポンス受信までの時間がDTCPのタイムアウト制限時間を超えてしまう。このため、リトライが頻繁に送信されて、リトライの存在により、エラーレスポンスが発生し、結果として認証が破綻してしまう。
【0040】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信状況、通信装置のタイムアウト検出条件、レスポンスの発行タイミング、リトライコマンドを発行するタイミング等に影響されず、かつエラーレスポンスによる再認証を最小限に防ぐことが可能な通信中継装置、通信装置、通信システム並びに通信方法、通信プログラムおよびこれを記録した記録媒体を提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信中継装置は、上記の課題を解決するために、受信側の通信装置に対して応答を要求する要求信号を送信し、所定の時間内に上記受信側の通信装置からの応答信号を受信しない場合には、上記要求信号を再送する制御手段を備えた通信装置間で送受信される信号を中継する通信中継装置であって、上記通信装置から受信した上記要求信号を記憶する要求信号記憶手段と、エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を記憶する機器情報記憶手段とを備えているとともに、上記制御手段は、上記通信装置から受信した信号が、上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定する再送信号判定手段と、上記再送信号判定手段が、上記受信した信号が上記再送信号であると判定した場合には、上記信号の中継を中止するプロトコル制御手段と、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うか否かを設定する再送制御判定手段とを備え、上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の中継を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するとともに、信号を中継する通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うものとして設定することを特徴としている。
【0042】
上記の構成によれば、所定時間内に受信側の通信装置に送信した要求信号に対応する応答信号を受信しなかった場合に再送信号を送信する再送制御を行う通信装置において、再送信号を中継しないように制御するため、再送信号の存在により要求信号と応答信号との対応関係が崩れることによる通信制御における不具合の発生を防止できる。
【0043】
すなわち、通信中継装置は、一般的に、再送制御を行う通信装置間における通信を中継するために、送受信側の通信装置のそれぞれに対応して設けられる。
【0044】
送信側の通信装置は、受信側の通信装置に対して送信した要求信号について、その応答信号を所定時間内に受信できなかった場合には、例えば、DTCP規格等に従って、再送信号を送信する。
【0045】
この再送信号は、DTCP規格の下では、所定時間としての100msec以内に応答信号を受信しなかった場合に送信されることが決められており、通信が途中で遮断されたような場合を想定して送信されるものである。
【0046】
しかし、広範囲における通信を可能にするために、送信側の通信中継装置と受信側の通信中継装置とを、例えば、IEEE802.11等の無線通信を介して接続した場合には、通信速度が遅くなるため、DTCP規格等で定められた所定時間内に応答信号を受信することができない。よって、通信が遮断されていないにもかかわらず、再送信号が何度も繰り返し送信されてしまうことから、再送信号に対する応答信号が間に割り込んで送信した要求信号と応答信号との対応関係が崩れ、適切な通信制御を行うことができなくなるという問題があった。
【0047】
そこで、本発明の通信中継装置においては、送信側の通信装置から信号を受信した場合には、要求信号判定手段が、この受信信号が要求信号記憶手段に記憶された要求信号と一致するか否かの判定を行う。
【0048】
ここで、一致する場合には、該信号が再送信号であるため、プロトコル制御部は、この再送信号を受信側の通信中継装置に対して中継しない。
【0049】
一方、一致しない場合には、該信号は再送信号ではないため、プロトコル制御部は、この信号を受信側の通信中継装置に対して中継する。
【0050】
これにより、通信速度が遅い無線通信を介して通信を行うことで、広範囲な通信を可能にするとともに、通信が遮断されていないにもかかわらず、再送信号が送信されてしまった場合でも、不要な再送信号が送信されてしまうことで生じる不具合の発生を防止して、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができる。
【0051】
また、プロトコル制御手段による再送信号の中継の中止処理を行う場合と行わない場合とを切替えることが可能となる。すなわち、再送信号が送られてもエラーが生じない通信装置が用いられる場合には、再送信号の中継を中止しないように設定することによって、実際に再送が必要となった場合にも的確に対応することが可能となる。一方、再送信号が送られるとエラーが生じる通信装置が用いられる場合には、上記のように再送信号の中継を中止するように設定することによって、エラーが生じることを防止することができる。
【0052】
また、エラーを示す信号を送信した通信装置に関する機器情報が機器情報記憶手段に記憶される。その後、機器情報記憶手段に記憶されている通信装置に対して信号の中継を行うことになった場合には、エラーが検出されるか否かに拘らず、再送信号の中継の中止処理が行われるようになる。よって、エラーが生じる可能性が高い通信装置と接続された場合に、これに迅速に対応して再送信号の中継を中止することができるので、エラーの発生を防止することが可能となる。
【0053】
また、本発明に係る通信中継装置は、上記の構成において、上記再送制御判定手段が、特定の通信装置間で送受信される信号の中継処理を開始した直後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行わないものとして設定する一方、エラーを示す信号の中継を検知した後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うものとして設定する構成としてもよい。
【0054】
上記の構成によれば、エラーを示す信号の中継が検知されるまでは、再送信号の中継の中止処理が行われないことになるので、必要なときにのみ再送信号の中継の中止処理が行われることになる。よって、再送信号が送られるとエラーが生じる通信装置が用いられる場合にのみ、的確に再送信号の中継の中止処理を行うことが可能となる。
【0055】
上記要求信号およびその再送信号は、DTCP規格に基づいて送受信されることがより好ましい。
【0056】
これにより、DTCP規格で定められた所定時間内に、通信装置が応答信号を受信しなかった場合でも、要求信号と応答信号との対応関係を維持することができ、適切な通信制御を行うことができるとともに、DTCP規格により確保された安全性の高い通信を実現できる。
【0057】
通信装置とは、無線通信によって接続されていることがより好ましい。
【0058】
これにより、DTCP規格を採用した通信を行いつつ、送信側あるいは受信側の通信装置との間を、例えば、IEEE802.11b等の無線通信を介して接続することで、離れた場所からの通信が可能になり、広範囲での通信が可能になる。
【0059】
受信側の通信装置あるいは通信中継装置とは、IEEE802.11で規定される無線通信規格、UWBあるいはPLCの通信規格に基づいて通信を行うとともに、送信側の通信装置とは、IEEE1394で規定される通信規格に基づいて通信を行うことがより好ましい。
【0060】
これにより、通信装置との間では、IEEE1394の有線通信を介して高速通信を行うとともに、受信側の通信装置あるいは通信中継装置との間では、IEEE802.11、UWB(Ultra Wide Band)、PLC(Power Line Carrier)等の通信を介して広範囲の通信を行うことができる。
【0061】
また、広範囲な通信を可能にするために、通信速度が遅い無線通信を介して、DTCP規格を採用した通信を行う場合でも、所定時間内に応答信号を受信できずに送信された再送信号を中継しないため、無駄な再送信号が送信されることで、再送信号と応答信号との関係が崩れて、適切な通信制御を行うことができなくなることを防止できる。
【0062】
本発明の通信装置は、上記の課題を解決するために、通信相手に対して応答を要求する要求信号を送信し、所定の時間内に該通信相手からの応答信号を受信しない場合には、上記要求信号を再送する制御手段を備えた通信装置であって、上記送信した要求信号を記憶する要求信号記憶手段と、エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を記憶する機器情報記憶手段とを備えているとともに、上記制御手段は、送信しようとする信号が、上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定する再送信号判定手段と、上記再送信号判定手段が上記受信した信号が上記再送信号であると判定した場合には、上記信号を送信しないように通信制御を行うプロトコル制御手段と、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うか否かを設定する再送制御判定手段とを備え、上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の受信を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するとともに、通信相手となる通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うものとして設定することを特徴としている。
【0063】
上記の構成によれば、所定時間内に要求信号に対応する応答信号を受信しなかった場合には、再送信号を送信する再送制御を行う通信装置において、再送信号を送信しないように制御するため、再送信号の存在により要求信号と応答信号との対応関係が崩れることによる通信制御における不具合の発生を防止できる。
【0064】
すなわち、本発明の通信装置は、受信側の通信装置に対して送信した要求信号について、その応答信号を所定時間内に受信できなかった場合には、例えば、DTCP規格等に従って、再送信号を送信する。
【0065】
この再送信号は、DTCP規格の下では、所定時間として100msec以内に応答信号を受信しなかった際に送信されることが決められており、通信が途中で遮断されたような場合を想定して送信されるものである。
【0066】
しかし、広範囲における通信を可能にするために、送信側の通信装置と受信側の通信装置とを、例えば、IEEE802.11等の無線通信を介して接続した場合には、通信速度が遅くなるため、DTCP規格等で定められた所定時間内に応答信号を受信することができない。よって、通信が遮断されていないにもかかわらず、再送信号が何度も繰り返し送信されてしまうことから、再送信号に対する応答信号が間に割り込んで送信した要求信号と応答信号との対応関係が崩れ、適切な通信制御を行うことができなくなるという問題があった。
【0067】
そこで、本発明の通信装置においては、信号を送信する場合には、要求信号判定手段が、この送信信号が要求信号記憶手段に記憶された要求信号と一致するか否かの判定を行う。
【0068】
ここで、一致する場合には、該信号が再送信号であるため、プロトコル制御部は、この再送信号を受信側の通信装置に対して送信しない。
【0069】
一方、一致しない場合には、該信号は再送信号ではないため、プロトコル制御部は、この信号を受信側の通信装置に対して送信する。
【0070】
これにより、通信速度が遅い無線通信を介して通信を行うことで、広範囲な通信を可能にするとともに、通信が遮断されていないにもかかわらず、再送信号が送信されてしまった場合でも、不要な再送信号が送信されてしまうことで生じる不具合の発生を防止して、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができる。
【0071】
また、プロトコル制御手段による再送信号の送信の中止処理を行う場合と行わない場合とを切替えることが可能となる。すなわち、再送信号が送られてもエラーが生じない通信装置が用いられる場合には、再送信号の送信を中止しないように設定することによって、実際に再送が必要となった場合にも的確に対応することが可能となる。一方、再送信号が送られるとエラーが生じる通信装置が用いられる場合には、上記のように再送信号の送信を中止するように設定することによって、エラーが生じることを防止することができる。
【0072】
また、エラーを示す信号を送信した通信装置に関する機器情報が機器情報記憶手段に記憶される。その後、機器情報記憶手段に記憶されている通信装置と通信を行うことになった場合には、エラーが検出されるか否かに拘らず、再送信号の送信の中止処理が行われるようになる。よって、エラーが生じる可能性が高い通信装置と接続された場合に、これに迅速に対応して再送信号の送信を中止することができるので、エラーの発生を防止することが可能となる。
【0073】
また、本発明に係る通信装置は、上記の構成において、上記再送制御判定手段が、特定の通信装置に対して信号の送信処理を開始した直後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行わないものとして設定する一方、エラーを示す信号の受信を検知した後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うものとして設定する構成としてもよい。
【0074】
上記の構成によれば、エラーを示す信号の受信が検知されるまでは、再送信号の送信の中止処理が行われないことになるので、必要なときにのみ再送信号の送信の中止処理が行われることになる。よって、再送信号が送られるとエラーが生じる通信装置が用いられる場合にのみ、的確に再送信号の送信の中止処理を行うことが可能となる。
【0075】
上記要求信号およびその再送信号は、DTCP規格に基づいて送受信されることがより好ましい。
【0076】
これにより、DTCP規格で定められた所定時間内に、応答信号を受信しなかった場合でも、要求信号と応答信号との対応関係を維持することができ、適切な通信制御を行うことができるとともに、DTCP規格により確保された安全性の高い通信を実現できる。
【0077】
IEEE802.11で規定される無線通信規格、UWBあるいはPLCの通信規格に基づいて通信を行うことがより好ましい。
【0078】
これにより、無線通信を介して通信を行うため、IEEE1394等の有線通信を介して通信する場合と比較して、離れた場所からの通信等、広範囲な通信が可能になる。
【0079】
また、DTCP規格に基づく通信では、所定時間が100msecと短い時間が設定されているが、本発明の通信装置によれば、不要な再送信号が送信されることを防止して、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができる。
【0080】
本発明の通信システムは、上記の課題を解決するために、上記通信中継装置と、互いに信号を送受信して通信を行う複数の通信装置とを備えており、上記通信装置は、上記通信中継装置を介して、受信側の通信装置に信号を送信することを特徴としている。
【0081】
上記の構成によれば、通信装置から送信される再送信号を、通信中継装置が中継しない通信システムを構築できるため、通信が遮断されていないにもかかわらず送信された再送信号に起因して要求信号と応答信号との対応関係が崩れることを防止し、適切な通信制御を行うことができる。
【0082】
なお、送信側、受信側の双方に通信中継装置が設けられている通信システムにおいては、何れか一方の通信中継装置に本発明に構成を適用し、他方の通信中継装置は従来の構成であってもよい。何れか一方の通信中継装置が、送信側の通信装置から送信される再送信号を中継しないように制御することで、本発明の効果を得ることができる。
【0083】
本発明の通信システムは、上記の課題を解決するために、上記通信装置を複数備え、該通信装置間で通信を行うことを特徴としている。
【0084】
上記の構成によれば、通信装置から再送信号を送信しない通信システムを構築できるため、通信が遮断されていないにもかかわらず送信された再送信号に起因して要求信号と応答信号との対応関係が崩れることを防止し、適切な通信制御を行うことができる。
【0085】
本発明の通信方法は、上記の課題を解決するために、受信側の通信装置に対して応答を要求する要求信号を送信し、所定の時間内に上記受信側の通信装置からの応答信号を受信しない場合には、上記要求信号を再送する制御を行う通信装置と、該通信装置間で送受信される信号を中継する通信中継装置とを備えた通信システムにおける通信方法であって、上記通信中継装置は、要求信号記憶手段、再送信号判定手段、プロトコル制御手段、機器情報記憶手段および再送制御判定手段を備えており、上記要求信号記憶手段が、上記通信装置から受信した上記要求信号を記憶するステップと、上記再送信号判定手段が、上記通信装置から受信した信号が、上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定するステップと、上記プロトコル制御手段が、上記受信した信号が上記再送信号であると上記再送信号判定手段により判定された場合には、上記信号の中継を中止するステップと、上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の中継を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するステップと、上記再送制御判定手段が、信号を中継する通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うものとして設定するステップと、を備えていることを特徴としている。
【0086】
上記の方法によれば、所定時間内に受信側の通信装置に送信した要求信号に対応する応答信号を受信しなかった場合に再送信号を送信する再送制御を行う通信装置において、再送信号を中継しないように制御するため、再送信号の存在により要求信号と応答信号との対応関係が崩れることによる通信制御における不具合の発生を防止できる。
【0087】
すなわち、通信中継装置は、一般的に、再送制御を行う通信装置間における通信を中継するために、送受信側の通信装置のそれぞれに対応して設けられる。
【0088】
送信側の通信装置は、受信側の通信装置に対して送信した要求信号について、その応答信号を所定時間内に受信できなかった場合には、例えば、DTCP規格等に従って、再送信号を送信する。
【0089】
この再送信号は、DTCP規格の下では、所定時間としての100msec以内に応答信号を受信しなかった場合に送信されることが決められており、通信が途中で遮断されたような場合を想定して送信されるものである。
【0090】
しかし、広範囲における通信を可能にするために、送信側の通信中継装置と受信側の通信中継装置とを、例えば、IEEE802.11等の無線通信を介して接続した場合には、通信速度が遅くなるため、DTCP規格等で定められた所定時間内に応答信号を受信することができない。よって、通信が遮断されていないにもかかわらず、再送信号が何度も繰り返し送信されてしまうことから、再送信号に対する応答信号が間に割り込んで送信した要求信号と応答信号との対応関係が崩れ、適切な通信制御を行うことができなくなるという問題があった。
【0091】
そこで、本発明の通信方法によれば、送信側の通信装置から信号を受信した場合には、要求信号判定手段が、この受信信号が要求信号記憶手段に記憶された要求信号と一致するか否かの判定を行う。
【0092】
ここで、一致する場合には、該信号が再送信号であるため、プロトコル制御部は、この再送信号を受信側の通信中継装置に対して中継しない。
【0093】
一方、一致しない場合には、該信号は再送信号ではないため、プロトコル制御部は、この信号を受信側の通信中継装置に対して中継する。
【0094】
これにより、通信速度が遅い無線通信を介して通信を行うことで、広範囲な通信を可能にするとともに、通信が遮断されていないにもかかわらず、再送信号が送信されてしまった場合でも、不要な再送信号が送信されてしまうことで生じる不具合の発生を防止して、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができる。
【0095】
本発明の通信方法は、上記の課題を解決するために、通信相手に対して応答を要求する要求信号を送信し、所定の時間内に該通信相手からの応答信号を受信しない場合には、上記要求信号を再送する制御を行う通信装置による通信方法であって、上記通信装置は、要求信号記憶手段、再送信号判定手段、プロトコル制御手段、機器情報記憶手段および再送制御判定手段を備えており、上記要求信号記憶手段が、送信した要求信号を記憶するステップと、上記再送信号判定手段が、送信しようとする信号が上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定するステップと、上記プロトコル制御手段が、上記再送信号判定手段により上記受信した信号が上記再送信号であると判定された場合には、上記信号を送信しないように通信制御を行うステップと、上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の受信を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するステップと、上記再送制御判定手段が、通信相手となる通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うものとして設定するステップと、を備えていることを特徴としている。
【0096】
上記の方法によれば、所定時間内に要求信号に対応する応答信号を受信しなかった場合には、再送信号を送信する再送制御を行う通信装置において、再送信号を送信しないように制御するため、再送信号の存在により要求信号と応答信号との対応関係が崩れることによる通信制御における不具合の発生を防止できる。
【0097】
すなわち、本発明の通信方法では、受信側の通信装置に対して送信した要求信号について、その応答信号を所定時間内に受信できなかった場合には、例えば、DTCP規格等に従って、再送信号を送信する。
【0098】
この再送信号は、DTCP規格の下では、所定時間として100msec以内に応答信号を受信しなかった際に送信されることが決められており、通信が途中で遮断されたような場合を想定して送信されるものである。
【0099】
しかし、広範囲における通信を可能にするために、送信側の通信装置と受信側の通信装置とを、例えば、IEEE802.11等の無線通信を介して接続した場合には、通信速度が遅くなるため、DTCP規格等で定められた所定時間内に応答信号を受信することができない。よって、通信が遮断されていないにもかかわらず、再送信号が何度も繰り返し送信されてしまうことから、再送信号に対する応答信号が間に割り込んで送信した要求信号と応答信号との対応関係が崩れ、適切な通信制御を行うことができなくなるという問題があった。
【0100】
そこで、本発明の通信方法においては、信号を送信する場合には、要求信号判定手段が、この送信信号が要求信号記憶手段に記憶された要求信号と一致するか否かの判定を行う。
【0101】
ここで、一致する場合には、該信号が再送信号であるため、プロトコル制御部は、この再送信号を受信側の通信装置に対して送信しない。
【0102】
一方、一致しない場合には、該信号は再送信号ではないため、プロトコル制御部は、この信号を受信側の通信装置に対して送信する。
【0103】
これにより、通信速度が遅い無線通信を介して通信を行うことで、広範囲な通信を可能にするとともに、通信が遮断されていないにもかかわらず、再送信号が送信されてしまった場合でも、不要な再送信号が送信されてしまうことで生じる不具合の発生を防止して、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができる。
【0104】
本発明の通信プログラムは、上記の課題を解決するために、上記通信中継装置を動作させる通信プログラムであって、上記制御手段が備えている各手段をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0105】
上記の構成によれば、本発明の通信プログラムがコンピュータに読み込まれることにより、各種ハードウェアと関連して、上記通信中継装置の制御手段が備えている各手段を機能させることができる。
【0106】
本発明の通信プログラムは、上記の課題を解決するために、上記通信装置を動作させる通信プログラムであって、上記制御手段が備えている各手段をコンピュータに実現させることを特徴としている。
【0107】
上記の構成によれば、本発明の通信プログラムがコンピュータに読み込まれることにより、各種ハードウェアと関連して、上記通信装置の制御手段が備えている各手段を機能させることができる。
【0108】
本発明の記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記通信プログラムを記録したことを特徴としている。
【0109】
上記の構成によれば、本発明の記録媒体に格納された通信プログラムがコンピュータに読み込まれることで、各種ハードウェアと関連して、上記通信中継装置あるいは通信装置が備えている各手段を機能ブロックとして機能させることができる。
【0110】
【発明の実施の形態】
〔実施形態1〕
本発明の通信中継装置、通信装置、通信システム並びに通信方法、通信プログラムおよびこれを記録した記録媒体に関する一実施形態について、図1〜図4に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0111】
本実施形態の通信システム10aは、図2に示すように、コマンド送信側のデジタルTV(通信装置)11、コマンド受信側のビデオ装置(通信装置)14、これらの間で無線通信を介して通信の中継を行う通信中継装置12・13を備えている。
【0112】
また、デジタルTV11と通信中継装置12との間、および通信中継装置13とビデオ装置14との間の通信については、有線通信であるIEEE1394を用い、通信中継装置12・13間の通信については、無線通信であるIEEE802.11bを用いて通信を行う。
【0113】
このように、通信装置としてのデジタルTV11とビデオ装置14との間に、互いに無線通信を行う通信中継装置を2台設けることで、広範囲な場所でビデオ装置14により再生されたテレビ映像を楽しむことができる。
【0114】
なお、本発明において、通信の種類はこれに限定されるものではない。
【0115】
ここで、デジタルTV11でビデオ装置14にあるコンテンツを、通信を介して視聴する場合には、著作権保護の観点から、ビデオ装置14がデジタルTV11を認証してからコンテンツが送信される。
【0116】
本実施形態の通信システム10aでは、その機器認証の規格として、デジタルTV11およびビデオ装置14においては、DTCP(Digital Transmission Content Protection)を用い、その規格に則って動作する。
【0117】
DTCPによると、例えば、応答を要求する信号に対する応答信号の着信タイムアウトの制限時間は、規格で100msecと定められており、100msecを越えると、先に送信した要求信号が再送されることになっている。
【0118】
また、本実施形態では、認証に用いる制御コマンドとして、DTCPの認証フロー制御用コマンドであって、ステータスコマンド、レスポンス、リトライのステータスコマンド、チャレンジコマンド等を使う場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0119】
本実施形態の通信システム10aを構成する通信中継装置12・13は、図1に示すように、IEEE802.11bインターフェース部21、IEEE1394インターフェース部22、要求信号記憶部(要求信号記憶手段)26および制御部(制御手段)27を備えている。
【0120】
さらに、制御部27は、プロトコル変換部23、プロトコル制御部(プロトコル制御手段)24、再送信号判定部(再送信号判定手段)25を備えている。
【0121】
また、制御部27が備えているプロトコル変換部23、プロトコル制御部24、再送信号判定部25は、後述する本発明の通信プログラムがCPUに読み込まれることにより、各ハードウェアと協働して実現される機能ブロックである。
【0122】
IEEE802.11bインターフェース部21は、通信中継装置12、通信中継装置13との間で無線通信を行う。
【0123】
IEEE1394インターフェース部22は、デジタルTV11、ビデオ装置14間で有線通信を行う。
【0124】
プロトコル変換部23は、IEEE1394とIEEE802.11bとで通信変換を行う。
【0125】
プロトコル制御部24は、プロトコル変換部23を監視するとともに、データ送受信の制御を行う。なお、プロトコル制御部24による制御については、後段にて詳述する。
【0126】
再送信号判定部25は、デジタルTV11、ビデオ装置14から受信したコマンドが、リトライコマンドであるか否かについて判定を行う。
【0127】
要求信号記憶部26は、デジタルTV11、ビデオ装置14から受信したコマンドを記憶する。
【0128】
ここで、本実施形態の通信システム10aにおける通信速度の異なるネットワークにおけるコマンドおよびレスポンスの送受信の流れについて、通信中継装置12・13における処理の流れを示す図3のフローチャートと、通信システム10a全体の通信状況を示す図4とを用いて説明する。
【0129】
本実施形態では、DTCPの規格で認証を行うため、デジタルTV11からの要求信号は、ステータスコマンドとチャレンジコマンド、ビデオ装置14からの応答信号は、ステータスレスポンスとチャレンジレスポンス、タイムアウト時間は100msec、再送信号は、ステータスコマンド(リトライ)、チャレンジコマンド(リトライ)を用いている。
【0130】
まず、図4に示すように、デジタルTV11が、通信中継装置12に対して、認証を要求するためのステータスコマンド51を送信する。
【0131】
通信中継装置12は、図3に示すように、ステップ(以下「S」と示す)11において、IEEE1394インターフェース部22で、ステータスコマンド51を受信する。
【0132】
そして、S12では、プロトコル変換部23,プロトコル制御部24において、ステータスコマンド51の1394パケットからデータを抽出する。
【0133】
その後、S13において、再送信号判定部25が、そのデータを要求信号記憶部26の内容と比較してリトライコマンドであるかどうか判定を行い、リトライである場合には、プロトコル制御部24は受信したリトライコマンドを通信中継装置13に対して中継しないように制御する。そして、S11へ戻り、再びコマンドを受信するまで待機する。
【0134】
ここでは、受信したコマンドは1回目のコマンドであり、リトライコマンドではないため、S14において、要求信号記憶部26にそのデータの内容を記録する。続いて、S15において、IEEE802.11bインターフェース部21から通信中継装置13に対して、IEEE802.11bパケットとしてステータスコマンド52を送信し、再びS11に戻る。これ以降、デジタルTV11,ビデオ装置12等からコマンドを受信する度に、S11〜S15の処理を繰り返す。
【0135】
通信中継装置13は、IEEE802.11bインターフェース部21を介して受信したステータスコマンド52のIEEE802.11bパケットから、プロトコル変換部23においてデータを抽出する。そして、デジタルTV11に対して、IEEE1394インターフェース部22から、IEEE1394パケットとしてステータスコマンド53を送信する。
【0136】
ビデオ装置14は、通信中継装置13に対して、受信したステータスコマンド53に対応する、実装している認証方式と鍵の種類を含むレスポンスとしてステータスレスポンス54を送信する。
【0137】
通信中継装置13は、IEEE1394インターフェース部22においてレスポンス54を受信し、プロトコル変換部23において、レスポンス54のIEEE1394パケットからデータを抽出する。そして、IEEE802.11bインターフェース部21から通信中継装置12に対して、IEEE802.11bパケットとしてステータスレスポンス55を送信する。
【0138】
通信中継装置12は、IEEE802.11bインターフェース部21でステータスレスポンス55を受信して、プロトコル変換部23において、ステータスレスポンス55のIEEE802.11bパケットからデータを抽出し、IEEE1394インターフェース部22からデジタルTV11に対して、IEEE1394パケットとしてステータスレスポンス57を送信する。
【0139】
ここで、IEEE802.11bの伝送速度が遅いため、デジタルTV11がステータスコマンド51を発信してから、レスポンスを受信しないまま、100msec以上経過している場合の処理について説明する。
【0140】
デジタルTV11は、100msecの制限時間以内にステータスコマンド51に対するレスポンスが返ってきていないため、通信中継装置12に対して、ステータスコマンド51のリトライコマンド56を送信する。
【0141】
通信中継装置12は、IEEE1394インターフェース部22においてリトライコマンドを受信し、S12において、プロトコル変換部23,プロトコル制御部24において、リトライコマンド56のIEEE1394パケットからデータを抽出する。
【0142】
S13においては、通信中継装置12は、再送信号判定部25において、抽出したデータと要求信号記憶部26に記憶された内容とを比較して、そのデータがリトライコマンドであるか否かの判定を行う。
【0143】
このとき、リトライコマンド56は、記憶されているステータスコマンド51のリトライであるため、通信中継装置12はこれを送信しない。
【0144】
その後、デジタルTV11は、最初のステータスコマンドに対する応答信号であるステータスレスポンス57を受信し、そのデータを解析して不具合が無ければ、次のDTCP認証ステップであるチャレンジコマンド58を送信する。
【0145】
通信中継装置13は、S11において、IEEE802.11bインターフェース部21においてチャレンジコマンド58を受信する。
【0146】
そして、S12において、プロトコル変換部23,プロトコル制御部24が、チャレンジコマンド58のIEEE1394パケットからデータを抽出する。
【0147】
S13においては、再送信号判定部25が、そのデータを要求信号記憶部26に記憶された内容と比較して、リトライコマンドであるか否かの判定を行う。
【0148】
ここでは、受信したコマンドは、1回目のチャレンジコマンドであり、リトライコマンドではないため、S14において、プロトコル制御部24が、要求信号記憶部26にそのデータの内容を記録させる。そして、プロトコル制御部24は、S15において、IEEE802.11bインターフェース部21から通信中継装置13に対して、IEEE802.11bパケットとしてチャレンジコマンド59を送信する。
【0149】
通信中継装置13は、IEEE802.11bインターフェース部21でチャレンジコマンド59を受信して、チャレンジコマンド59のIEEE802.11bパケットからプロトコル変換部23においてデータを抽出し、IEEE1394インターフェース部22から通信装置12に対して、IEEE1394パケットとしてチャレンジコマンド60を送信する。
【0150】
ビデオ装置14は、チャレンジコマンド60を受信して、通信中継装置13に対して、チャレンジコマンド60に対するレスポンスとしてのチャレンジレスポンス61を送信する。
【0151】
通信中継装置13は、IEEE1394インターフェース部22においてチャレンジレスポンス61を受信し、チャレンジレスポンス61のIEEE1394パケットからプロトコル変換部23によってデータを抽出し、IEEE802.11bインターフェース部21から通信中継装置12に対して、IEEE802.11bパケットとしてチャレンジレスポンス62を送信する。
【0152】
通信中継装置12は、IEEE802.11bインターフェース部21においてチャレンジレスポンス62を受信して、チャレンジレスポンス62のIEEE802.11bパケットからプロトコル変換部23によってデータを抽出し、IEEE1394インターフェース部22からデジタルTV11に対して、IEEE1394パケットとしてチャレンジレスポンス64を送信する。
【0153】
この場合にも、IEEE802.11bの伝送速度が遅いため、デジタルTV11がチャレンジコマンド58を発信してから、デジタルTV11にレスポンスが到着しないまま100msec以上経過しているものとする。
【0154】
デジタルTV11には、100msecの制限時間以内にチャレンジコマンド58に対するレスポンスが返ってきていないため、チャレンジコマンド58のリトライコマンド63が中継装置12に対して送信される。
【0155】
通信中継装置12は、S12において、IEEE1394インターフェース部22においてリトライコマンド63を受信して、リライコマンド63のIEEE1394パケットからプロトコル変換部23,プロトコル制御部24によってデータを抽出する。
【0156】
再送信号判定部25は、S13において、抽出したデータと要求信号記憶部26に記憶された内容とを比較して、そのデータがリトライコマンドであるか否かを判定する。
【0157】
ここで、リトライコマンド63は、記憶されているチャレンジコマンド58のリトライコマンドであるため、通信中継装置12はこれを送信しない。
【0158】
そのうちに、デジタルTV11はチャレンジレスポンス64を受信し、そのデータを解析し不具合が無ければ、次のDTCP認証ステップに進む。
【0159】
以下、コマンドとレスポンスとをやり取りし、通信中継装置12・13がリトライコマンドを制御することによって、デジタルTV11およびビデオ装置14の認証は正しく完了する。
【0160】
本実施形態の通信システム10aが備えている通信中継装置12・13は、以上のように、受信したコマンドが、要求信号記憶部26に記憶されているコマンドのリトライコマンドであるか否かを検出し、リトライコマンドである場合には、そのコマンドをデジタルTV11およびビデオ装置14に対して中継しない。
【0161】
これにより、通信中継装置12・13間における無線通信(IEEE802.11b)の通信速度の遅さに起因して所定時間内に応答信号が受信できない場合に、デジタルTV11から再送信号が送信されたとしても、ビデオ装置14側には再送信号が送信されないことになる。よって、ビデオ装置14側で同じコマンドを受信することによるエラーの発生を防止することが可能となるので、適正な通信制御を行うことができる。
【0162】
また、通信状況、通信装置のタイムアウト検出条件、レスポンスの発行タイミング、リトライコマンドを発行するタイミング等に影響されず、かつエラーレスポンスによる再認証を最小限に防ぐことが可能な通信中継装置、通信装置、通信システム並びに通信方法、通信プログラムおよびこれを記録した記録媒体を提供することができる。
【0163】
なお、本実施形態では、通信中継装置12・13のそれぞれが本発明の構成を備えている場合について説明したが、何れか一方の通信中継装置のみが本発明の構成を備えていればよい。
【0164】
また、本実施形態では、送信側と受信側の双方について、通信中継装置が備えられている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、通信中継装置が1台のみであって、複数の通信装置と接続されている構成であってもよい。
【0165】
ただし、この場合には、通信中継装置と通信装置とを接続する通信の何れか一方が無線通信であることが好ましい。これにより、広範囲な通信を可能にしつつ、適切な通信制御を行うことができる。
【0166】
また、通信規格として、IEEE1394、IEEE802.11bを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、UWB(Ultra Wide Band)やPLC(Power Line Carrier)等を用いてもよい。UWBとは、無線通信の規格の1つで、PLCとは電力線を用いた通信規格である。
【0167】
また、本実施形態では、通信制御規格として、著作権保護を目的とした通信装置間での認証フロー制御規格であるDTCPを用い、コマンドとしてDTCPの認証コマンドを例として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではない。後述する実施形態2においても同様である。
【0168】
また、デジタルTV11およびビデオ装置14等の通信装置間でやり取りされるコマンドの具体的な内容としては、乱数、自分のDevice Certificate、交換した情報から求めたハッシュ値、鍵の値などがあり、レスポンスとしては、実装している認証方式と鍵の種類、エラーの有無などのステータスなどがある。
【0169】
なお、本実施形態の通信中継装置12・13においては、タイムアウト時間を経過した後に送信されたリトライコマンドは中継されないため、通信装置間で通信が途切れてしまった場合の対策を講じる必要がある。このような場合には、中継装置が送信端末側に現在の認証をキャンセルし、再認証を促すコマンドを送信することによって、最初から認証を行う等の方法を採用すればよい。
【0170】
〔実施形態2〕
本発明の通信中継装置、通信装置、通信システム並びに通信方法、通信プログラムおよびこれを記録した記録媒体に関する他の実施形態について、図5〜図8に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0171】
なお、説明の便宜上、上述した実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0172】
本実施形態の通信システム10bは、図5に示すように、デジタルTV15、ビデオ装置16間に通信中継装置を設けることなく、IEEE802.11bの無線を介して接続している点で、実施形態1の通信システム10aと異なっている。
【0173】
本実施形態では、通信装置をデジタルTV15、ビデオ装置16として説明しているが、本発明の通信装置はこれに限定されるものではない。
【0174】
また、通信手段として、IEEE802.11bを例としているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0175】
デジタルTV15において、ビデオ装置16のコンテンツを視聴する場合の背景、DTCPおよびそのコマンドの位置付けと使用形態については、上述した実施形態1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0176】
ここで、本実施形態の通信システム10bが備えている通信装置としてのデジタルTV15、ビデオ装置16における処理について、図6に示すフローチャート、および図7を用いて説明すれば以下のとおりである。
【0177】
本実施形態の通信装置としてのデジタルTV15、ビデオ装置16は、図7に示すように、IEEE802.11bインターフェース部31、要求信号記憶部36および制御部(制御手段)37を備えている。
【0178】
また、制御部37は、通信制御部32、プロトコル変換部33、プロトコル制御部34および再送信号判定部35を備えている。
【0179】
なお、制御部37が備えている通信制御部32、プロトコル変換部33、プロトコル制御部34および再送信号判定部35は、後述する本発明の通信プログラムがCPUに読み込まれることにより、各ハードウェアと協働して実現される機能ブロックである。
【0180】
IEEE802.11bインターフェース部31は、デジタルTV15あるいはビデオ装置16との間で通信を行う。
【0181】
通信制御部32は、デジタルTV15およびビデオ装置16内でDTCPの処理を行う。
【0182】
プロトコル変換部33は、送信するデータをIEEE802.11b形式に変換する。
【0183】
プロトコル制御部34は、プロトコル変換部を監視し、データの送受信の制御を行う。
【0184】
再送信号判定部35は、通信制御部32が発行するコマンドがリトライコマンドであるか否かを判定する。
【0185】
要求信号記憶部36は、通信制御部32が発行するコマンドを記憶する。
【0186】
ここで、本実施形態の通信装置としてのデジタルTV15およびビデオ装置16における処理について、図6および図8を用いて説明すれば以下のとおりである。
【0187】
まず、デジタルTV15から認証を要求するためのステータスコマンド71をビデオ装置16に対して送信する場合には、図6に示すように、S21において、通信制御部32から送出されるステータスコマンド71からプロトコル変換部33、プロトコル制御部34においてデータを抽出する。そして、S22において、そのデータを要求信号記憶部36に記憶されている内容と比較して、再送信号判定部35においてリトライコマンドであるか否かを判定する。
【0188】
このとき、受信したステータスコマンド71は、1回目のコマンドであって、リトライコマンドではないため、S23において、デジタルTV15は要求信号記憶部36にステータスコマンド71を記憶し、かつS24において、IEEE802.11インターフェース部31からステータスコマンド71を送信する。
【0189】
ビデオ装置16は、IEEE802.11インターフェース部31においてステータスコマンド71を受信して、実装している認証方式と鍵の種類を含むレスポンスとして、IEEE802.11インターフェース部31からデジタルTV15に対してステータスレスポンス72を送信する。
【0190】
ここで、以上のような処理において、IEEE802.11bの伝送速度が遅いためデジタルTV15がステータスコマンド71を発信してから、レスポンスが到着しないまま、100msec以上経過している場合の処理について説明する。
【0191】
デジタルTV15には、100msecの制限時間以内にステータスコマンド71に対するレスポンスが返ってきていないため、通信制御部32がステータスコマンド71のリトライコマンド73を送信しようとする。
【0192】
しかし、この場合、再送信号判定部35が、先ほど要求信号記憶部36に記憶された内容とリトライコマンド73とを比較して、送信しようとしているコマンドがステータスコマンド71のリトライコマンドであると判定されるため、デジタルTV15は、リトライコマンド73を送信しない。
【0193】
そのうち、デジタルTV15は、ステータスレスポンス72を受信し、通信制御部32によってそのデータを解析し、エラーが無ければ次のDTCP認証ステップに用いるチャレンジコマンドを送信する。
【0194】
以下、コマンドとレスポンスとをやり取りし、デジタルTV15とビデオ装置16とがリトライコマンドを制御することによって、デジタルTV15とビデオ装置16との間における認証は正しく完了する。
【0195】
本実施形態の通信システム10bでは、以上のように、通信相手に対してコマンドを送信する際に、既に送信したコマンドのリトライコマンドであるか否かの判定を行う。ここで、送信しようとするコマンドが、既に送信したコマンドのリトライコマンドである場合には、そのコマンドを送信することを中止する。
【0196】
これにより、通信相手となる通信装置に対して、無駄な再送信号が送信されることを防止することができる。よって、ビデオ装置16側で同じコマンドを受信することによるエラーの発生を防止することが可能となるので、適正な通信制御を行うことができる。
【0197】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0198】
また、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである通信プログラムとしても達成可能である。
【0199】
また、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるプログラムのプログラムコードをコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU,MPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても達成可能である。
【0200】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した機能を実現することになり、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成する。
【0201】
なお、上記記録媒体は、磁気テープやカセットテープ、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等の磁気ディスクや、CD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスク、ICカード(メモリカードを含む)、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ等を用いることができる。
【0202】
また、本発明は、二つのネットワークの間に位置し、相手装置に応答を要求する要求信号の再送制御を行う通信装置の通信を中継する通信中継装置であって、通信装置から受信した要求信号を記憶しておく要求信号記憶手段と、通信装置から受信した信号が、上記要求信号記憶手段に記憶した要求信号の再送であることを判断する再送信号判定手段とを備え、再送信号判定手段において、通信装置から受信した信号が再送信号と判断された場合には、該信号を中継しないことを特徴とする通信中継装置であってもよい。
【0203】
また、本発明は、上記の通信中継装置であって、上記通信装置から受信する要求信号およびその再送信号は、DTCP規格に従うものであることを特徴とする通信中継装置であってもよい。
【0204】
また、本発明は、上記通信中継装置であって、上記二つのネットワークの一つはIEEE1394規格に基づいて、残りの一つのネットワークはIEEE802.11で規定される無線通信規格のうちの一つ、またはUWBあるいはPLCの通信規格に基づいて、それぞれ通信を行うことを特徴とする通信中継装置であってもよい。
【0205】
本発明は、ネットワークに接続され相手装置に応答を要求する要求信号の再送制御を行う通信装置であって、要求信号の送信と再送の制御とを行う通信制御手段と、通信制御手段から送信した要求信号を記憶しておく要求信号記憶手段と、通信制御手段が送信する信号が、上記要求信号記憶手段に記憶した要求信号の再送であることを判断する再送信号判定手段とを備え、通信制御手段が送信しようとする信号が、再送信号判定手段で再送信号と判断されれば、該信号を送信しないことを特徴とする通信装置であってもよい。
【0206】
本発明は、上記通信装置であって、上記要求信号およびその再送信号は、DTCP規格に従うものであることを特徴とする通信装置であってもよい。
【0207】
本発明の通信装置は、上記通信装置であって、上記ネットワークは、IEEE802.11で規定される無線通信規格のうちの一つ、またはUWBあるいはPLCの通信規格で通信を行うことを特徴とする通信装置であってもよい。
【0208】
〔実施形態3〕
本発明の通信中継装置、通信装置、通信システム並びに通信方法、通信プログラムおよびこれを記録した記録媒体に関するさらに他の実施形態について、図9、図11、図13に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0209】
本実施形態の通信システム10aは、基本的には、実施形態1で示した構成と同様となっており、相違点としては、図11に示すように、通信中継装置12・13が、機器情報記憶部(機器情報記憶手段)28をさらに備えているとともに、制御部27にリトライ制御判定部(再送制御判定手段)29がさらに設けられている点である。その他の構成については、実施形態1で示した構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0210】
リトライ制御判定部29は、プロトコル制御部24によるリトライコマンドの中継制御を行うか否かを判定するものである。詳しく説明すると、リトライ制御判定部29は、デジタルTV11とビデオ装置14との間で通信が開始されると、最初は上記したリトライ制御を行わずにコマンドの中継を行うように、プロトコル制御部24を制御する。この際に、リトライ制御判定部29は、ビデオ装置14からエラーを示すレスポンス(エラーレスポンス)が送信されていないかをモニターする。エラーレスポンスの送信が検出されない場合には、リトライ制御を行わずに、コマンドの中継を継続する一方、エラーレスポンスの送信が検出された場合には、最初のコマンドからやり直されることになるので、リトライ制御判定部29は、これ以降のコマンド中継処理においてはリトライ制御を行うようにプロトコル制御部24を制御する。
【0211】
また、リトライ制御判定部29は、エラーレスポンスを検出した場合に、エラーレスポンスを送信した機器の情報を機器情報記憶部28に記録する処理を行う。そして、リトライ制御判定部29は、次回以降、コマンドの中継処理を開始し、機器の情報を示すコマンドを中継した際に、該当機器が、機器情報記憶部28に記録されている機器であるかを判定する。ここで、以前にエラーレスポンスを送信した機器であると判定された場合には、リトライ制御判定部29は、その時点でリトライ制御を行うようにプロトコル制御部24を制御する。
【0212】
なお、リトライ制御判定部29は、本発明の通信プログラムがCPUに読み込まれることにより、各ハードウェアと協働して実現される機能ブロックである。
【0213】
ここで、本実施形態の通信システム10aにおける通信速度の異なるネットワークにおけるコマンドおよびレスポンスの送受信の流れについて、通信システム10a全体の通信状況を示す図9を用いて説明する。
【0214】
本実施形態では、実施形態1と同様に、DTCPの規格で認証を行うため、デジタルTV11からの要求信号は、ステータスコマンドとチャレンジコマンド、ビデオ装置14からの応答信号は、ステータスレスポンスとチャレンジレスポンス、タイムアウト時間は100msec、再送信号は、ステータスコマンド(リトライ)、チャレンジコマンド(リトライ)を用いている。
【0215】
まず、図9に示すように、デジタルTV11が、通信中継装置12に対して、認証を要求するためのステータスコマンド81を送信する。通信中継装置12は、IEEE1394インターフェース部22で、ステータスコマンド81を受信する。
【0216】
通信中継装置12では、プロトコル変換部23,プロトコル制御部24において、ステータスコマンド81の1394パケットからデータを抽出する。ここで、実施形態1では、再送信号判定部25が、抽出したデータを要求信号記憶部26の内容と比較してリトライコマンドであるかどうか判定を行っていたが、本実施形態では、中継処理の開始直後ではリトライ制御を行わない設定となっているので、以上のような判定処理は行われない。
【0217】
ここで、上記したように、エラーレスポンスは、ビデオ装置14側から送信されることが予想されている場合には、デジタルTV11側から送信されたコマンドについては、リトライ制御判定部29によって、上記で抽出されたデータがエラーレスポンスであるか否かの判定を行う必要はないが、デジタルTV11側からもエラーコマンドの送信が行われる可能性がある場合には、デジタルTV11側から送信されたコマンドについても、リトライ制御判定部29による判定を行うようにしてもよい。このことは、通信中継装置12における以降の処理でも同様である。
【0218】
続いて、IEEE802.11bインターフェース部21から通信中継装置13に対して、IEEE802.11bパケットとしてステータスコマンド82を送信する。これ以降、デジタルTV11,ビデオ装置12等からコマンドを受信する度に、上記の処理を繰り返す。
【0219】
通信中継装置13は、IEEE802.11bインターフェース部21を介して受信したステータスコマンド82のIEEE802.11bパケットから、プロトコル変換部23においてデータを抽出する。そして、デジタルTV11に対して、IEEE1394インターフェース部22から、IEEE1394パケットとしてステータスコマンド83を送信する。
【0220】
ビデオ装置14は、通信中継装置13に対して、受信したステータスコマンド83に対応する、実装している認証方式と鍵の種類を含むレスポンスとしてステータスレスポンス84を送信する。
【0221】
通信中継装置13は、IEEE1394インターフェース部22においてレスポンス84を受信し、プロトコル変換部23において、レスポンス84のIEEE1394パケットからデータを抽出する。そして、IEEE802.11bインターフェース部21から通信中継装置12に対して、IEEE802.11bパケットとしてステータスレスポンス85を送信する。
【0222】
通信中継装置12は、IEEE802.11bインターフェース部21でステータスレスポンス85を受信して、プロトコル変換部23において、ステータスレスポンス55のIEEE802.11bパケットからデータを抽出し、IEEE1394インターフェース部22からデジタルTV11に対して、IEEE1394パケットとしてステータスレスポンス87を送信する。
【0223】
また、リトライ制御判定部29が、上記で抽出されたデータがエラーレスポンスであるか否かの判定を行う。ここでは、受信したコマンドはエラーレスポンスではないため、リトライ制御を行わない状態が維持される。
【0224】
ここで、IEEE802.11bの伝送速度が遅いため、デジタルTV11がステータスコマンド81を発信してから、レスポンスを受信しないまま、100msec以上経過している場合の処理について説明する。
【0225】
デジタルTV11は、100msecの制限時間以内にステータスコマンド51に対するレスポンスが返ってきていないため、通信中継装置12に対して、ステータスコマンド81のリトライコマンド86を送信する。
【0226】
通信中継装置12は、現時点では、リトライ制御を行わない状態が維持されているので、IEEE1394インターフェース部22において受信したリトライコマンド86を、IEEE802.11bインターフェース部21から通信中継装置13に対して、IEEE802.11bパケットとしてリトライコマンド88として送信する。その後、このリトライコマンド88は、通信中継装置13を経由して、リトライコマンド89として、ビデオ装置14に伝送される。
【0227】
ビデオ装置14は、リトライコマンド89を受信すると、エラーレスポンス91を通信中継装置13に対して送信する。これは、以前に受信したステータスコマンド83に対するレスポンスを正常に返信したにも拘らず、同じ内容のコマンドを受信したことによるものである。このエラーレスポンス91は、通信中継装置13を経由して、エラーレスポンス94として通信中継装置12に送信される。
【0228】
通信中継装置12は、IEEE802.11bインターフェース部21でエラーレスポンス94を受信して、プロトコル変換部23において、エラーレスポンス94のIEEE802.11bパケットからデータを抽出し、IEEE1394インターフェース部22からビデオ装置14に対して、IEEE1394パケットとしてエラーレスポンス93を送信する。
【0229】
また、リトライ制御判定部29が、上記で抽出されたデータがエラーレスポンスであるか否かの判定を行う。ここでは、受信したコマンドはエラーレスポンスであるので、以降、リトライ制御を行うようにリトライ制御判定部29が設定を行う。
【0230】
一方、デジタルTV11は、最初のステータスコマンドに対する応答信号であるステータスレスポンス87を受信すると、そのデータを解析して不具合が無ければ、次のDTCP認証ステップであるチャレンジコマンド90を送信する。このチャレンジコマンドが、通信中継装置12および通信中継装置13を経由してビデオ装置14に送信され、これに対するチャレンジレスポンスが、通信中継装置13および通信中継装置12を経由してデジタルTV11に送信される。
【0231】
デジタルTV11は、チャレンジコマンド90を送信した後に、エラーレスポンス93を受信することによって、エラーが発生したことを認識する。そして、既に送信しているチャレンジコマンド90に対するチャレンジレスポンスを受信するのを待ってから、再認証を行うためのAKE(Authentication and Key Exchange)キャンセルコマンド99を通信中継装置12に対して送信する。
【0232】
通信中継装置12は、IEEE1394インターフェース部22で、AKEキャンセルコマンド99を受信する。
【0233】
通信中継装置12では、プロトコル変換部23,プロトコル制御部24において、AKEキャンセルコマンド99の1394パケットからデータを抽出する。この時点(図9におけるT1)では、リトライ制御判定部29によって、リトライ制御を行うように設定されているので、実施形態1で示したように、再送信号判定部25が、抽出したデータを要求信号記憶部26の内容と比較してリトライコマンドであるかどうかの判定を行う。ここでは、受信したコマンドは、1回目のAKEキャンセルコマンドであり、リトライコマンドではないため、プロトコル制御部24が、要求信号記憶部26にそのデータの内容を記録させる。そして、プロトコル制御部24は、IEEE802.11bインターフェース部21から通信中継装置13に対して、IEEE802.11bパケットとしてAKEキャンセルコマンド100を送信する。
【0234】
以降、AKEキャンセルコマンドがビデオ装置14に送信され、これに対するレスポンスがビデオ装置14からデジタルTV11に送信されると、その後、デジタルTV11は、ステータスコマンド送信からの再認証を行うことになる。そして、通信中継装置12は、AKEキャンセルコマンド以降のコマンドに対しては、リトライ制御を行う、すなわち、リトライコマンドがデジタルTV11から送信された際には、これの中継処理を行わないようにプロトコル制御部24を設定する。
【0235】
なお、通信を行っている機器に関する情報は、チャレンジコマンド・レスポンスに含まれるCertificateの中の機器IDによって把握することが可能である。一方、上記の例では、機器情報がやりとりされるチャレンジコマンド・レスポンスが行われる前にエラーレスポンスの送信が行われているので、リトライ制御判定部29は、エラーレスポンスを送信した機器の情報を機器情報記憶部38に記録する処理はできないことになる。しかしながら、チャレンジコマンド・レスポンスが行われた後にエラーが発生する場合も考えられるので、このような場合には、通信中継装置12は図13のフローチャートに示すような処理を行う。
【0236】
まず、通信中継装置12は、ビデオ装置14から受信したレスポンスコマンドがチャレンジコマンドであることを確認した際には(S31)、リトライ制御判定部29は、そのチャレンジコマンドに含まれているCertificateの中の機器IDを取得する(S32)。そして、リトライ制御判定部29は、取得された機器IDが、以前にエラーレスポンスを返した機器として機器情報記憶部28に記憶されているものか否かを判定する(S33)。
【0237】
S33においてYES、すなわち、取得された機器IDが、以前にエラーレスポンスを返した機器として機器情報記憶部28に記憶されていると判定された場合には、リトライ制御判定部29は、以降の中継処理に関してはリトライ制御を行うようにプロトコル制御部24を設定する(S34)。
【0238】
一方、S33においてNO、すなわち、取得された機器IDが、以前にエラーレスポンスを返した機器として機器情報記憶部28に記憶されていないと判定された場合には、取得された機器IDを機器情報として機器情報記憶部28に一時記憶しておく(S35)。なお、ここでの機器情報の一時記憶は、エラーレスポンスを返した機器としての記憶ではなく、後にエラーレスポンスを返してきた場合に用いるための一時的な記憶である。
【0239】
その後、通信中継装置12が中継処理を行っている間、リトライ制御判定部29は、ビデオ装置14からエラーレスポンスが送信されたか否かの判定を継続して行う(S36)。S36においてYES、すなわち、ビデオ装置14からエラーレスポンスが送信されたと判定された場合には、機器情報記憶部28に一時記憶されている該当ビデオ装置14に対応する機器情報を、エラーレスポンスを返した機器として機器情報記憶部28に記憶する(S37)。そして、S34においてリトライ制御を行うように設定が行われ、以降、リトライ制御を行った状態で中継処理が行われる。
【0240】
一方、S36においてNO、すなわち、ビデオ装置14からエラーレスポンスが送信されていないと判定された場合には、S38において通信が終了したか否かが判定され、通信が終了していない場合にはS36からの処理が繰り返される。通信が終了するまでエラーレスポンスが検出されなかった場合(S38においてYES)には、該当ビデオ装置14はリトライ制御を行う必要のない機器であると判定され、処理を終了する。
【0241】
本実施形態の構成によれば、プロトコル制御部24によるリトライ制御を行う場合と行わない場合とを切替えることが可能となる。すなわち、リトライコマンドが送られてもエラーが生じないビデオ装置14が用いられる場合には、リトライ制御を行わないように設定することによって、実際に再送が必要となった場合にも的確に対応することが可能となる。一方、リトライコマンドが送られるとエラーが生じるビデオ装置14が用いられる場合には、上記のようにリトライ制御を行うように設定することによって、エラーが生じることを防止することができる。
【0242】
また、エラーレスポンスの中継が検知されるまでは、リトライコマンドの中継の中止処理が行われないことになるので、必要なときにのみリトライ制御が行われることになる。よって、再送信号が送られるとエラーが生じる通信装置が用いられる場合にのみ、的確にリトライ制御を行うことが可能となる。
【0243】
また、上記の構成によれば、まず、エラーレスポンスを送信したビデオ装置14に関する機器情報が機器情報記憶部28に記憶される。その後、機器情報記憶部28に記憶されているビデオ装置14に対して信号の中継を行うことになった場合には、エラーが検出されるか否かに拘らず、リトライ制御が行われるようになる。よって、エラーが生じる可能性が高いビデオ装置14と接続された場合に、これに迅速に対応してリトライ制御を行うことができるので、エラーの発生を防止することが可能となる。
【0244】
〔実施形態4〕
本発明の通信中継装置、通信装置、通信システム並びに通信方法、通信プログラムおよびこれを記録した記録媒体に関するさらに他の実施形態について、図10、図12に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0245】
本実施形態の通信システム10aは、基本的には、実施形態2で示した構成と同様となっており、相違点としては、図12に示すように、デジタルTV15およびビデオ装置16が、機器情報記憶部(機器情報記憶手段)38をさらに備えているとともに、制御部37にリトライ制御判定部(再送制御判定手段)39がさらに設けられている点である。その他の構成については、実施形態2で示した構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0246】
リトライ制御判定部39は、プロトコル制御部34によるリトライコマンドの送信制御を行うか否かを判定するものである。詳しく説明すると、リトライ制御判定部39は、デジタルTV11とビデオ装置14との間で通信が開始されると、最初は上記したリトライ制御を行わずにコマンドの送信を行うように、プロトコル制御部34を制御する。この際に、リトライ制御判定部39は、ビデオ装置14からエラーを示すレスポンス(エラーレスポンス)が送信されていないかをモニターする。エラーレスポンスの送信が検出されない場合には、リトライ制御を行わずに、コマンドの送信を継続する一方、エラーレスポンスの送信が検出された場合には、最初のコマンドからやり直されることになるので、リトライ制御判定部39は、これ以降のコマンド中継処理においてはリトライ制御を行うようにプロトコル制御部34を制御する。
【0247】
また、リトライ制御判定部39は、エラーレスポンスを検出した場合に、エラーレスポンスを送信した機器の情報を機器情報記憶部28に記録する処理を行う。そして、リトライ制御判定部29は、次回以降、コマンドの中継処理を開始し、機器の情報を示すコマンドを中継した際に、該当機器が、機器情報記憶部28に記録されている機器であるかを判定する。ここで、以前にエラーレスポンスを送信した機器であると判定された場合には、リトライ制御判定部29は、その時点でリトライ制御を行うようにプロトコル制御部24を制御する。
【0248】
なお、リトライ制御判定部29は、本発明の通信プログラムがCPUに読み込まれることにより、各ハードウェアと協働して実現される機能ブロックである。
【0249】
ここで、本実施形態の通信装置としてのデジタルTV15およびビデオ装置16における処理について、図10を用いて説明すれば以下のとおりである。
【0250】
まず、デジタルTV15から認証を要求するためのステータスコマンド111をビデオ装置16に対して送信する場合には、通信制御部32から送出されるステータスコマンド111からプロトコル変換部33、プロトコル制御部34においてデータが抽出される。ここで、実施形態2では、再送信号判定部25が、抽出したデータを要求信号記憶部36の内容と比較してリトライコマンドであるかどうか判定を行っていたが、本実施形態では、通信の開始直後ではリトライ制御を行わない設定となっているので、以上のような判定処理は行われない。
【0251】
ここで、上記したように、エラーレスポンスは、ビデオ装置16側から送信されることが予想されている場合には、デジタルTV15側から送信されたコマンドについては、リトライ制御判定部39によって、上記で抽出されたデータがエラーレスポンスであるか否かの判定を行う必要はないが、デジタルTV151側からもエラーコマンドの送信が行われる可能性がある場合には、デジタルTV15側から送信されたコマンドについても、リトライ制御判定部39による判定を行うようにしてもよい。このことは、デジタルTV15における以降の処理でも同様である。
【0252】
ビデオ装置16は、IEEE802.11インターフェース部31においてステータスコマンド111を受信して、実装している認証方式と鍵の種類を含むレスポンスとして、IEEE802.11インターフェース部31からデジタルTV15に対してステータスレスポンス112を送信する。
【0253】
ここで、以上のような処理において、IEEE802.11bの伝送速度が遅いためデジタルTV15がステータスコマンド111を発信してから、レスポンスが到着しないまま、100msec以上経過している場合の処理について説明する。
【0254】
デジタルTV15には、100msecの制限時間以内にステータスコマンド111に対するレスポンスが返ってきていないため、通信制御部32がステータスコマンド111のリトライコマンド113を送信しようとする。この時点では、リトライ制御を行わない設定となっているので、リトライコマンド113はそのままビデオ装置16に送信される。
【0255】
ビデオ装置16は、リトライコマンド113を受信すると、エラーレスポンス115をデジタルTV15に対して送信する。これは、以前に受信したステータスコマンド111に対するレスポンスを正常に返信したにも拘らず、同じ内容のコマンドを受信したことによるものである。
【0256】
デジタルTV15は、IEEE802.11bインターフェース部31でエラーレスポンス115を受信して、プロトコル変換部33において、エラーレスポンス115のIEEE802.11bパケットからデータを抽出し、通信制御部32に対してエラーレスポンスを送信する。
【0257】
また、リトライ制御判定部39が、上記で抽出されたデータがエラーレスポンスであるか否かの判定を行う。ここでは、受信したコマンドはエラーレスポンスであるので、以降、リトライ制御を行うようにリトライ制御判定部39が設定を行う。
【0258】
一方、通信制御部32は、最初のステータスコマンドに対する応答信号であるステータスレスポンス112を受信すると、そのデータを解析して不具合が無ければ、次のDTCP認証ステップであるチャレンジコマンド114を送信する。このチャレンジコマンドがビデオ装置16に送信され、これに対するチャレンジレスポンスが、デジタルTV15に送信される。
【0259】
デジタルTV15は、チャレンジコマンド114を送信した後に、エラーレスポンス115を受信することによって、エラーが発生したことを認識する。そして、既に送信しているチャレンジコマンド114に対するチャレンジレスポンスを受信するのを待ってから、再認証を行うためのAKEキャンセルコマンド117をビデオ装置16に対して送信しようとする。
【0260】
ここで、プロトコル変換部33,プロトコル制御部34において、AKEキャンセルコマンド117からデータを抽出する。この時点(図10におけるT2)では、リトライ制御判定部39によって、リトライ制御を行うように設定されているので、実施形態1で示したように、再送信号判定部35が、抽出したデータを要求信号記憶部36の内容と比較してリトライコマンドであるかどうかの判定を行う。ここでは、受信したコマンドは、1回目のAKEキャンセルコマンドであり、リトライコマンドではないため、プロトコル制御部34が、要求信号記憶部36にそのデータの内容を記録させる。そして、プロトコル制御部34は、IEEE802.11bインターフェース部31からビデオ装置16に対して、IEEE802.11bパケットとしてAKEキャンセルコマンド117を送信する。
【0261】
以降、AKEキャンセルコマンドがビデオ装置16に送信され、これに対するレスポンスがビデオ装置16からデジタルTV15に送信されると、その後、デジタルTV15は、ステータスコマンド送信からの再認証を行うことになる。そして、AKEキャンセルコマンド以降のコマンドに対しては、リトライ制御を行う、すなわち、リトライコマンドがデジタルTV15から送信された際には、これの送信を行わないようにプロトコル制御部34が設定される。
【0262】
なお、実施形態3で示したのと同様に、チャレンジコマンド・レスポンスが行われた後にエラーが発生する場合も考えられるので、このような場合には、デジタルTV16は図13のフローチャートに示すような処理を行う。なお、実施形態3との相違点としては、図13のフローチャートに示す処理がデジタルTV16内で行われる点のみであるので、ここではその説明を省略する。
【0263】
本実施形態の構成によれば、プロトコル制御部34によるリトライ制御を行う場合と行わない場合とを切替えることが可能となる。すなわち、リトライコマンドが送られてもエラーが生じないビデオ装置16が用いられる場合には、リトライ制御を行わないように設定することによって、実際に再送が必要となった場合にも的確に対応することが可能となる。一方、リトライコマンドが送られるとエラーが生じるビデオ装置16が用いられる場合には、上記のようにリトライ制御を行うように設定することによって、エラーが生じることを防止することができる。
【0264】
また、エラーレスポンスの受信が検知されるまでは、リトライ制御が行われないことになるので、必要なときにのみリトライ制御が行われることになる。よって、再送信号が送られるとエラーが生じるビデオ装置16が用いられる場合にのみ、的確にリトライ制御を行うことが可能となる。
【0265】
また、上記の構成によれば、まず、エラーレスポンスを送信したビデオ装置16に関する機器情報が機器情報記憶部38に記憶される。その後、機器情報記憶部38に記憶されているビデオ装置16と通信を行うことになった場合には、エラーレスポンスが検出されるか否かに拘らず、リトライ制御が行われるようになる。よって、エラーが生じる可能性が高いビデオ装置16と接続された場合に、これに迅速に対応してリトライ制御行うことができるので、エラーの発生を防止することが可能となる。
【0266】
なお、リトライ制御を行うか否かの設定は、利用者によって手動で設定することが可能となっていてもよい。
【0267】
【発明の効果】
本発明の通信中継装置は、以上のように、通信装置から受信した上記要求信号を記憶する要求信号記憶手段と、エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を記憶する機器情報記憶手段とを備えているとともに、上記制御手段は、上記通信装置から受信した信号が、上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定する再送信号判定手段と、上記再送信号判定手段が、上記受信した信号が上記再送信号であると判定した場合には、上記信号の中継を中止するプロトコル制御手段と、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うか否かを設定する再送制御判定手段とを備え、上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の中継を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するとともに、信号を中継する通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うものとして設定する。
【0268】
それゆえ、所定時間内に受信側の通信装置に送信した要求信号に対応する応答信号を受信しなかった場合に再送信号を送信する再送制御を行う通信装置において、再送信号を中継しないように制御するため、再送信号の存在により要求信号と応答信号との対応関係が崩れることによる通信制御における不具合の発生を防止できる。よって、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができるという効果を奏する。
【0269】
また、上記の構成による効果に加えて、再送信号が送られてもエラーが生じない通信装置が用いられる場合には、再送信号の中継を中止しないように設定することによって、実際に再送が必要となった場合にも的確に対応することが可能となる一方、再送信号が送られるとエラーが生じる通信装置が用いられる場合には、上記のように再送信号の中継を中止するように設定することによって、エラーが生じることを防止することができるという効果を奏する。
【0270】
また、上記の構成による効果に加えて、エラーが生じる可能性が高い通信装置と接続された場合に、これに迅速に対応して再送信号の中継を中止することができるので、エラーの発生を防止することが可能となるという効果を奏する。
【0271】
また、本発明に係る通信中継装置は、上記再送制御判定手段が、特定の通信装置間で送受信される信号の中継処理を開始した直後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行わないものとして設定する一方、エラーを示す信号の中継を検知した後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うものとして設定する構成としてもよい。
【0272】
これにより、上記の構成による効果に加えて、再送信号が送られるとエラーが生じる通信装置が用いられる場合にのみ、的確に再送信号の中継の中止処理を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0273】
上記要求信号およびその再送信号は、DTCP規格に基づいて送受信されることがより好ましい。
【0274】
それゆえ、DTCP規格で定められた所定時間内に、通信装置が応答信号を受信しなかった場合でも、要求信号と応答信号との対応関係を維持することができ、適切な通信制御を行うことができるとともに、DTCP規格により確保された安全性の高い通信を実現できるという効果を奏する。
【0275】
通信装置とは、無線通信によって接続されていることがより好ましい。
【0276】
それゆえ、DTCP規格を採用した通信を行いつつ、送信側あるいは受信側の通信装置との間を、例えば、IEEE802.11b等の無線通信を介して接続することで、離れた場所からの通信が可能になり、広範囲での通信が可能になるという効果を奏する。
【0277】
受信側の通信装置あるいは通信中継装置とは、IEEE802.11で規定される無線通信規格、UWBあるいはPLCの通信規格に基づいて通信を行うとともに、送信側の通信装置とは、IEEE1394で規定される通信規格に基づいて通信を行うことがより好ましい。
【0278】
それゆえ、広範囲な通信を可能にするために、通信速度が遅い無線通信を介して、DTCP規格を採用した通信を行う場合でも、所定時間内に応答信号を受信できずに送信された再送信号を中継しないため、無駄な再送信号が送信されることで、再送信号と応答信号との関係が崩れて、適切な通信制御を行うことができなくなることを防止できるという効果を奏する。
【0279】
本発明の通信装置は、以上のように、送信した要求信号を記憶する要求信号記憶手段と、エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を記憶する機器情報記憶手段とを備えているとともに、上記制御手段は、送信しようとする信号が、上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定する再送信号判定手段と、上記再送信号判定手段が上記受信した信号が上記再送信号であると判定した場合には、上記信号を送信しないように通信制御を行うプロトコル制御手段と、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うか否かを設定する再送制御判定手段とを備え、上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の受信を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するとともに、通信相手となる通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うものとして設定する。
【0280】
それゆえ、所定時間内に要求信号に対応する応答信号を受信しなかった場合には、再送信号を送信する再送制御を行う通信装置において、再送信号を送信しないように制御するため、再送信号の存在により要求信号と応答信号との対応関係が崩れることによる通信制御における不具合の発生を防止できる。よって、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができるという効果を奏する。
【0281】
また、上記の構成による効果に加えて、再送信号が送られてもエラーが生じない通信装置が用いられる場合には、再送信号の送信を中止しないように設定することによって、実際に再送が必要となった場合にも的確に対応することが可能となる一方、再送信号が送られるとエラーが生じる通信装置が用いられる場合には、上記のように再送信号の送信を中止するように設定することによって、エラーが生じることを防止することができるという効果を奏する。
【0282】
また、上記の構成による効果に加えて、エラーが生じる可能性が高い通信装置と接続された場合に、これに迅速に対応して再送信号の送信を中止することができるので、エラーの発生を防止することが可能となるという効果を奏する。
【0283】
また、本発明に係る通信装置は、上記再送制御判定手段が、特定の通信装置に対して信号の送信処理を開始した直後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行わないものとして設定する一方、エラーを示す信号の受信を検知した後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うものとして設定する構成としてもよい。
【0284】
これにより、上記の構成による効果に加えて、再送信号が送られるとエラーが生じる通信装置が用いられる場合にのみ、的確に再送信号の送信の中止処理を行うことが可能となるという効果を奏する。
【0285】
上記要求信号およびその再送信号は、DTCP規格に基づいて送受信されることがより好ましい。
【0286】
それゆえ、DTCP規格で定められた所定時間内に、応答信号を受信しなかった場合でも、要求信号と応答信号との対応関係を維持することができ、適切な通信制御を行うことができるとともに、DTCP規格により確保された安全性の高い通信を実現できるという効果を奏する。
【0287】
IEEE802.11で規定される無線通信規格、UWBあるいはPLCの通信規格に基づいて通信を行うことがより好ましい。
【0288】
それゆえ、無線通信を介して通信を行うため、IEEE1394等の有線通信を介して通信する場合と比較して、離れた場所からの通信等、広範囲な通信が可能になる。また、DTCP規格に基づく通信では、所定時間が100msecと短い時間が設定されているが、本発明の通信装置によれば、不要な再送信号が送信されることを防止して、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができるという効果を奏する。
【0289】
本発明の通信システムは、以上のように、上記通信中継装置と、互いに信号を送受信して通信を行う複数の通信装置とを備えており、上記通信装置は、上記通信中継装置を介して、受信側の通信装置に信号を送信する構成である。
【0290】
それゆえ、通信装置から送信される再送信号を、通信中継装置が中継しない通信システムを構築できるため、通信が遮断されていないにもかかわらず送信された再送信号に起因して要求信号と応答信号との対応関係が崩れることを防止し、適切な通信制御を行うことができるという効果を奏する。
【0291】
本発明の通信システムは、以上のように、上記通信装置を複数備え、該通信装置間で通信を行う構成である。
【0292】
それゆえ、通信装置から再送信号を送信しない通信システムを構築できるため、通信が遮断されていないにもかかわらず送信された再送信号に起因して要求信号と応答信号との対応関係が崩れることを防止し、適切な通信制御を行うことができるという効果を奏する。
【0293】
本発明の通信方法は、以上のように、通信中継装置は、要求信号記憶手段、再送信号判定手段、プロトコル制御手段、機器情報記憶手段および再送制御判定手段を備えており、上記要求信号記憶手段が、上記通信装置から受信した上記要求信号を記憶するステップと、上記再送信号判定手段が、上記通信装置から受信した信号が、上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定するステップと、上記プロトコル制御手段が、上記受信した信号が上記再送信号であると上記再送信号判定手段により判定された場合には、上記信号の中継を中止するステップと、上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の中継を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するステップと、上記再送制御判定手段が、信号を中継する通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うものとして設定するステップと、を備えている。
【0294】
それゆえ、所定時間内に受信側の通信装置に送信した要求信号に対応する応答信号を受信しなかった場合に再送信号を送信する再送制御を行う通信装置において、再送信号を中継しないように制御するため、再送信号の存在により要求信号と応答信号との対応関係が崩れることによる通信制御における不具合の発生を防止できる。よって、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができるという効果を奏する。
【0295】
本発明の通信方法は、以上のように、通信装置は、要求信号記憶手段、再送信号判定手段、プロトコル制御手段、機器情報記憶手段および再送制御判定手段を備えており、上記要求信号記憶手段が、送信した要求信号を記憶するステップと、上記再送信号判定手段が、送信しようとする信号が上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定するステップと、上記プロトコル制御手段が、上記再送信号判定手段により上記受信した信号が上記再送信号であると判定された場合には、上記信号を送信しないように通信制御を行うステップと、上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の受信を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するステップと、上記再送制御判定手段が、通信相手となる通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うものとして設定するステップと、を備えている。
【0296】
それゆえ、所定時間内に要求信号に対応する応答信号を受信しなかった場合には、再送信号を送信する再送制御を行う通信装置において、再送信号を送信しないように制御するため、再送信号の存在により要求信号と応答信号との対応関係が崩れることによる通信制御における不具合の発生を防止できる。よって、要求信号と応答信号との対応関係を維持しつつ、適切な通信制御を行うことができるという効果を奏する。
【0297】
本発明の通信プログラムは、以上のように、上記通信中継装置を動作させる通信プログラムであって、上記制御手段が備えている各手段をコンピュータに実現させる構成である。
【0298】
それゆえ、本発明の通信プログラムがコンピュータに読み込まれることにより、各種ハードウェアと関連して、上記通信中継装置の制御手段が備えている各手段を機能させることができるという効果を奏する。
【0299】
本発明の通信プログラムは、以上のように、上記通信装置を動作させる通信プログラムであって、上記制御手段が備えている各手段をコンピュータに実現させる構成である。
【0300】
それゆえ、本発明の通信プログラムがコンピュータに読み込まれることにより、各種ハードウェアと関連して、上記通信装置の制御手段が備えている各手段を機能させることができるという効果を奏する。
【0301】
本発明の記録媒体は、以上のように、上記通信プログラムを記録した構成である。
【0302】
それゆえ、本発明の記録媒体に格納された通信プログラムがコンピュータに読み込まれることで、各種ハードウェアと関連して、上記通信中継装置あるいは通信装置が備えている各手段を機能ブロックとして機能させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る通信中継装置の内部の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の通信中継装置における通信処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】 図2の通信システムにおける実際のデータのやり取りを示す図である。
【図5】 本発明の他の実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図6】 本発明の通信装置における通信処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】 本発明の他の実施形態に係る通信装置の内部の構成を示すブロック図である。
【図8】 図5の通信システムにおける実際のデータのやり取りを示す図である。
【図9】 本発明のさらに他の実施形態に係る通信システムにおける実際のデータのやり取りを示す図である。
【図10】 本発明のさらに他の実施形態に係る通信システムにおける実際のデータのやり取りを示す図である。
【図11】 本発明のさらに他の実施形態に係る通信装置の内部の構成を示すブロック図である。
【図12】 本発明のさらに他の実施形態に係る通信装置の内部の構成を示すブロック図である。
【図13】 本発明のさらに他の実施形態に係る通信装置における通信処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】 従来の通信システムにおけるデータのやり取りを示す図である。
【図15】 特許文献1に開示された従来の通信システムにおけるデータのやり取りを示す図である。
【図16】 従来の通信システムの構成と、データのやり取りとを示す図である。
【図17】 従来の通信システムにおけるデータのやり取りを示す図である。
【符号の説明】
10a・10b 通信システム
11・14 通信装置
12・13 通信中継装置
15・16 通信装置
21・31 IEEE802.11bインターフェース部
22 IEEE1394インターフェース部
23・33 プロトコル変換部
24・34 プロトコル制御部(プロトコル制御手段)
25・35 再送信号判定部(再送信号判定手段)
26・36 要求信号記憶部(要求信号記憶手段)
27・37 制御部(制御手段)
32 通信制御部
28・38 機器情報記憶部(機器情報記憶手段)
29・39 リトライ制御判定部(再送制御判定手段)
Claims (16)
- 受信側の通信装置に対して応答を要求する要求信号を送信し、所定の時間内に上記受信側の通信装置からの応答信号を受信しない場合には、上記要求信号を再送する制御手段を備えた通信装置間で送受信される信号を中継する通信中継装置であって、
上記通信装置から受信した上記要求信号を記憶する要求信号記憶手段と、
エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を記憶する機器情報記憶手段とを備えているとともに、
上記制御手段は、上記通信装置から受信した信号が、上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定する再送信号判定手段と、
上記再送信号判定手段が、上記受信した信号が上記再送信号であると判定した場合には、上記信号の中継を中止するプロトコル制御手段と、
上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うか否かを設定する再送制御判定手段とを備え、
上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の中継を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するとともに、
信号を中継する通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うものとして設定することを特徴とする通信中継装置。 - 上記再送制御判定手段が、特定の通信装置間で送受信される信号の中継処理を開始した直後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行わないものとして設定する一方、エラーを示す信号の中継を検知した後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うものとして設定することを特徴とする請求項1に記載の通信中継装置。
- 上記要求信号およびその再送信号は、DTCP規格に基づいて送受信されることを特徴とする請求項1または2に記載の通信中継装置。
- 通信装置とは、無線通信によって接続されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の通信中継装置。
- 受信側の通信装置あるいは通信中継装置とは、IEEE802.11で規定される無線通信規格、UWBあるいはPLCの通信規格に基づいて通信を行うとともに、
送信側の通信装置とは、IEEE1394で規定される通信規格に基づいて通信を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の通信中継装置。 - 通信相手に対して応答を要求する要求信号を送信し、所定の時間内に該通信相手からの応答信号を受信しない場合には、上記要求信号を再送する制御手段を備えた通信装置であって、
上記送信した要求信号を記憶する要求信号記憶手段と、
エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を記憶する機器情報記憶手段とを備えているとともに、
上記制御手段は、送信しようとする信号が、上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定する再送信号判定手段と、
上記再送信号判定手段が上記受信した信号が上記再送信号であると判定した場合には、上記信号を送信しないように通信制御を行うプロトコル制御手段と、
上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うか否かを設定する再送制御判定手段とを備え、
上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の受信を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するとともに、
通信相手となる通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うものとして設定することを特徴とする通信装置。 - 上記再送制御判定手段が、特定の通信装置に対して信号の送信処理を開始した直後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行わないものとして設定する一方、エラーを示す信号の受信を検知した後は、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うものとして設定することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
- 上記要求信号およびその再送信号は、DTCP規格に基づいて送受信されることを特徴とする請求項6または7に記載の通信装置。
- IEEE802.11で規定される無線通信規格、UWBあるいはPLCの通信規格に基づいて通信を行うことを特徴とする請求項6から8のいずれか一項に記載の通信装置。
- 請求項1から5の何れか1項に記載の通信中継装置と、
互いに信号を送受信して通信を行う複数の通信装置とを備えており、
上記通信装置は、上記通信中継装置を介して、受信側の通信装置に信号を送信することを特徴とする通信システム。 - 請求項6から9の何れか1項に記載の通信装置を複数備え、該通信装置間で通信を行うことを特徴とする通信システム。
- 受信側の通信装置に対して応答を要求する要求信号を送信し、所定の時間内に上記受信側の通信装置からの応答信号を受信しない場合には、上記要求信号を再送する制御を行う通信装置と、
該通信装置間で送受信される信号を中継する通信中継装置とを備えた通信システムにおける通信方法であって、
上記通信中継装置は、要求信号記憶手段、再送信号判定手段、プロトコル制御手段、機器情報記憶手段および再送制御判定手段を備えており、
上記要求信号記憶手段が、上記通信装置から受信した上記要求信号を記憶するステップと、
上記再送信号判定手段が、上記通信装置から受信した信号が、上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定するステップと、
上記プロトコル制御手段が、上記受信した信号が上記再送信号であると上記再送信号判定手段により判定された場合には、上記信号の中継を中止するステップと、
上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の中継を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するステップと、
上記再送制御判定手段が、信号を中継する通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の中継の中止処理を行うものとして設定するステップと、を備えていることを特徴とする通信方法。 - 通信相手に対して応答を要求する要求信号を送信し、所定の時間内に該通信相手からの応答信号を受信しない場合には、上記要求信号を再送する制御を行う通信装置による通信 方法であって、
上記通信装置は、要求信号記憶手段、再送信号判定手段、プロトコル制御手段、機器情報記憶手段および再送制御判定手段を備えており、
上記要求信号記憶手段が、送信した要求信号を記憶するステップと、
上記再送信号判定手段が、送信しようとする信号が上記要求信号記憶手段に記憶された要求信号の再送信号であるか否かを判定するステップと、
上記プロトコル制御手段が、上記再送信号判定手段により上記受信した信号が上記再送信号であると判定された場合には、上記信号を送信しないように通信制御を行うステップと、
上記再送制御判定手段が、エラーを示す信号の受信を検知した際に、該エラーを示す信号を送信した通信装置の機器情報を上記機器情報記憶手段に記憶するステップと、
上記再送制御判定手段が、通信相手となる通信装置が、上記機器情報記憶手段に記憶されている、エラーを示す信号を送信した通信装置である場合に、上記プロトコル制御手段における上記再送信号の送信の中止処理を行うものとして設定するステップと、を備えていることを特徴とする通信方法。 - 請求項1から5の何れか1項に記載の通信中継装置を動作させる通信プログラムであって、
上記制御手段が備えている各手段をコンピュータに実現させることを特徴とする通信プログラム。 - 請求項6から9の何れか1項に記載の通信装置を動作させる通信プログラムであって、
上記制御手段が備えている各手段をコンピュータに実現させることを特徴とする通信プログラム。 - 請求項14または15に記載の通信プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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