JP4011460B2 - 情報処理システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザ端末との間でネットワークを介して送受信される情報を処理するシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
自動車等の商品の販売や、自動車点検等のサービスを提供する店舗等の商取引拠点の商圏をどのように設定するかは、商品等の販売促進の観点から重要な判断事項である。また、商取引拠点の商圏設定の判断に際しては、商取引拠点における商品等の需要・供給、商圏設定が商取引に与える影響等を予測・判断することが必要である。そして、これらの事項の予測・判断材料として非常に多種多様な情報が大量に必要となる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多種多様且つ大量の情報整理が煩雑となり、商取引拠点の商圏をどのように設定すべきか等を判断することが非常に困難であった。
【０００４】
そこで、本発明は、ユーザに対して商取引拠点の商圏の設定が容易になるような形で情報を提供し得るシステムを提供することを解決課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
第１発明の情報処理システムは、ユーザ端末との間でネットワークを介して送受信される情報を処理するシステムであって、複数の地区のそれぞれにおける需要者もしくは当該需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、ならびに、該複数の地区のそれぞれにおける特定のエンティティの市場占有率のうち全部または一部に応じて定まるパラメータが含まれる、複数の地区情報と、該複数の地区と、商取引拠点に帰属する地区により構成される商圏とを示すマップを特定するマップデータとを記憶するデータベースと、該データベースにより記憶されている該マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、該マップを当該ユーザ端末に表示させるマップ提供手段と、前記ユーザ端末に表示された前記マップに含まれる、ユーザによる設定商圏を特定する情報を、前記ネットワークを介して受信し、前記複数の地区のうち当該受信情報により表される該設定商圏を構成する地区における前記地区情報に含まれる前記パラメータを演算処理することにより、該パラメータの累計もしくは平均または該パラメータの大小に基づいて定まる該地区のランクを総合地区情報として作成する情報総合手段と、該情報総合手段により作成された該総合地区情報を、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、前記ランクが所定順位以内の地区と、その他の地区とが色彩もしくは模様またはこれらの結合により識別されるように前記マップを該ユーザ端末に表示させる情報提供手段とを備えていることを特徴とする。
【０００６】
第１発明の情報処理システムによれば、ユーザはその端末に表示されるマップにおいて仮想的に商圏を設定することで、当該設定商圏を構成する地区におけるパラメータの累計もしくは平均またはパラメータの大小に基づいて定まる地区のランクを「総合地区情報」として当該端末を通じて取得することができる。ここで「パラメータ」とは、複数の地区のそれぞれにおける需要者もしくは当該需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、ならびに、該複数の地区のそれぞれにおける特定のエンティティの市場占有率のうち全部または一部に応じて定まるパラメータを意味する。また、ユーザによる商圏の設定には、仮想的な新規商圏を構成する一または複数の地区を指定することのほか、現状商圏の一部を構成する地区を他の現状商圏の一部として追加することや、仮想的な新規商圏の一部として分割することが含まれる。
【０００７】
そして、ユーザはユーザ端末において表示されているマップに含まれている商圏を構成する地区が、各地区の色彩や模様等により、パラメータに応じたランクが所定順位以内の地区であるか否かを視覚的に認識することができる。また、ユーザは「総合地区情報」に基づき、例えば、現状商圏と仮想的な設定商圏とを比較し、当該設定商圏が複数の地区のそれぞれにおける需要者もしくは当該需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、ならびに、複数の地区のそれぞれにおける特 定のエンティティの市場占有率のうち全部または一部に鑑みて商取引の観点から適切か否かを検討し、実際にはどのように商圏を設定すべきかを判断することができる。
【０００８】
第２発明の情報処理システムは、第１発明の情報処理システムにおいて、前記情報総合手段が、前記設定商圏に加えて前記ユーザによる指定パラメータを特定する情報を前記ユーザ端末から受信し、当該受信情報を演算処理することにより、前記複数の地区のうち該設定商圏を構成する地区における当該指定パラメータの累計もしくは平均または当該指定パラメータの大小に基づいて定まる該地区のランクを総合地区情報として作成することを特徴とする。
【０００９】
第２発明の情報処理システムによれば、ユーザは複数の地区のそれぞれにおける需要者もしくは当該需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、ならびに、該複数の地区のそれぞれにおける特定のエンティティの市場占有率のうち全部または一部に応じて定まる複数のパラメータのうち、自らが重要視するパラメータを指定した上で、当該指定パラメータに基づく総合地区情報を把握することができ、当該設定商圏が指定パラメータに応じた各地区のランクの高低に鑑みて商取引の観点から適切か否かを検討し、実際にはどのように商圏を設定すべきかを判断することができる。
【００１０】
第３発明の情報処理システムは、第１または第２発明の情報処理システムにおいて、前記マップ提供手段が、前記複数の地区のそれぞれが前記地区情報に応じて定まる色彩もしくは模様またはこれらの結合により識別可能に区分されている前記マップを特定する前記マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、当該マップを当該ユーザ端末に表示させることを特徴とする。
【００１１】
第３発明の情報処理システムによれば、ユーザはユーザ端末において表示されているマップに含まれている商圏を構成する地区がどのような地区情報を有する地区であるかを、各地区の色彩や模様等により視覚的に認識することができる。
【００１２】
第４発明の情報処理システムは、第３発明の情報処理システムにおいて、前記マップ提供手段が前記地区情報としての前記商取引拠点のそれぞれによる前記複数の地区のそれぞれにおける前記需要者への商品販売数に応じ、一の前記商取引拠点の商圏を構成する複数の地区のうち、当該一の商取引拠点による需要者への商品販売数が、他の前記商取引拠点による需要者への商品販売数よりも小さい地区が、当該一の商取引拠点の商圏を構成する他の地区から識別可能に区分されている前記マップを特定する前記マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、当該マップを当該ユーザ端末に表示させることを特徴とする。
【００１３】
第４発明の情報処理システムによれば、ユーザはその端末を通じ、一の商取引拠点の商圏を構成する複数の地区のうち、当該一の商取引拠点による需要者への商品販売数が、他の商取引拠点による需要者への商品販売数よりも小さい地区を認識することができる。そして、ユーザはこの認識に基づき、各商取引拠点の現状商圏が適切か否かを判断することができる。
【００１４】
第５発明の情報処理システムは、第３発明の情報処理システムにおいて、前記マップ提供手段が前記地区情報としての前記商取引拠点のそれぞれによる前記複数の地区のそれぞれにおける前記需要者への商品販売数に基づき、一の前記商取引拠点の商圏を構成する複数の地区のそれぞれにおける当該一の商取引拠点を含むすべての前記商取引拠点による需要者への商品販売数に対する、当該一の商取引拠点による需要者への商品販売数の比率に応じて、当該複数の地区のそれぞれが識別可能に区分されている前記マップを特定する前記マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、当該マップを当該ユーザ端末に表示させることを特徴とする。
【００１５】
第５発明の情報処理システムによれば、ユーザはその端末に表示されたマップを通じ、各地区について、全商取引拠点による需要者への商品販売数に対する、一の商取引拠点による需要者への商品販売数の比率を認識することができる。そして、ユーザはこの認識に基づき、現状商圏が適切か否かを判断することができる。
【００１６】
第６発明の情報処理システムは、第３〜第５発明のうちいずれか１つの情報 処理システムにおいて、前記マップ提供手段が前記地区情報と、前記複数の地区のそれぞれの色彩もしくは模様またはこれらの結合との対応表を特定するデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、該ユーザ端末に該対応表を前記マップとともに表示させることを特徴とする。
【００１７】
第６発明の情報処理システムによれば、ユーザはその端末に表示される対応表を通じ、当該端末において表示されているマップに包含される、異なる色彩等が付されている各地区が、どのような地区情報を有する地区であるかという対応関係を視覚的に認識することができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の情報処理システムの実施形態について図面を用いて説明する。
【００１９】
図１に示す情報処理システムは、インターネットやイントラネット等のネットワークを介してユーザ端末２０やその他外部端末（図示略）と双方向通信可能に接続されたサーバ１０により構成されている。サーバ１０は複数のサーバ（図示略）により構成されていてもよい。
【００２０】
本発明の情報処理システムは、ＤＢ（データベース）１１と、マップ提供ユニット１２と、情報取得ユニット１３と、情報総合ユニット１４と、情報提供ユニット１５とを備えている。
【００２１】
ＤＢ１１はマップを特定するマップデータのほか、複数の「地区情報」およびその他種々の情報をデータとして管理または記憶する。「マップ」は複数の地区、商取引拠点に帰属する地区により構成される現状の商圏を示す。「地区」には「大字」等の行政区画単位や、その他任意の区画単位が含まれる。「商取引拠点」には自動車等の商品を販売する自動車販売店等の店舗や、自動車修理等の役務を提供する自動車修理工場等の場所が含まれる。「地区情報」には、各地区における需要者または需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、および特定のエンティティの市場占有率のうち一部または全部により定まるパラメータが含まれている。地区情報は、サーバ１０における人為的な情報入力操作や、サーバ１０による外部からの情報収集により、逐次更新される。
【００２２】
マップ提供ユニット１２は、ＤＢ１１により記憶されているマップを表すマップデータを、ネットワークを介してユーザ端末２０に送信することによりこのユーザ端末２０に表示させる。情報取得ユニット１３は、ユーザ端末２０に表示されるマップにおいてユーザにより仮想的に設定された「商圏」を特定する情報をユーザ端末２０からネットワークを介して取得または受信する。情報総合ユニット１４は、仮想的な設定商圏を構成する地区の地区情報を総合して「総合地区情報」を作成する。情報提供ユニット１５は、「総合地区情報」を、ネットワークを介してユーザ端末２０に送信することにより、このユーザ端末２０にこの総合地区情報を「マップ」とともに表示させる。
【００２３】
前記構成の本発明の情報処理システムの機能について図２〜図５を用いて説明する。
【００２４】
まず、ユーザはその端末２０において、所定のアプリケーションソフトを起動させた後、パスワードを入力する等の初期操作を実行する（図２／ｓ２１）。これにより、サーバ１０からユーザ端末２０にマップｍがダウンロードされ（マップ提供ユニット１２によりネットワークを介してユーザ端末２０にマップが提供され）（図２／矢印１）、このユーザ端末２０に図３に示すマップｍが表示される。マップｍには現存の商取引拠点（を表すアイコン）ｘ1、ｘ2、‥、拠点ｘ1、ｘ2、‥の商圏Ａ1、Ａ2、‥、および商圏Ａ1、Ａ2、‥を構成する地区ａ1、ａ2、‥が示される。マップｍの縮小、拡大、および移動はユーザによる端末２０の操作により任意に実行される。
【００２５】
マップｍには、複数のエンティティ（販売会社等）の拠点ｘiのほか、一の上位エンティティに属する複数の下位エンティティの拠点ｘ12iが、個々のエンティティに応じて相違するデザイン（形状、色彩等）を有するアイコンにより表示され得る。どのエンティティの拠点ｘiをマップｍに表示させるかは、ユーザによる端末２０の操作により選択され得る。商圏Ａ1、Ａ2、‥は、色彩および模様、補助的に地区ａ1同士の境界線、地区ａ2同士の境界線、‥と異なる境界線（図３太線参照）により区分して表示される。どのエンティティの拠点ｘの商圏Ａを表示させるかは、ユーザによる端末２０の操作により選択され得る。地区ａiは地区情報に応じた色彩および模様により区分して表示され得る。また、地区ａiとして「大字」「市」「町」「村」「区」等の行政区画単位がユーザによる端末２０の操作により変更設定され得る。
【００２６】
ユーザがその端末２０をマップｍの地区ａiをクリックする等の所定方法で操作することで、商圏Ａ1を構成する複数の地区ａ2のうちの一部（図４（ａ）斜線部）を、仮想的に商圏Ａ1の一部とすることができる（図２／ｓ２２）。また、ユーザは「拠点ｘ1の商品販売数」を「パラメータ」として指定する（図２／ｓ２３）。このとき、現状の商圏Ａ1に、商圏Ａ2を構成する一部の地区ａ2が追加されることで構成される「設定商圏Ａ1’」および「指定パラメータ」を特定する情報がユーザ端末２０からサーバ１０にアップロードされる（情報取得ユニット１３により当該情報がユーザ端末２０からネットワークを介して取得される）（図２／矢印２）。
【００２７】
また、図４（ａ）に格子縞で示す地区ａ1は、指定パラメータである拠点ｘ1の商品販売数について、現状商圏Ａ1における上位５つの地区を表す（丸数字は順位を表す）。ユーザ端末２０には、地区の色彩や模様と、地区情報の内容との対応関係を示す対応表（図示略）がマップｍとともに示される。なお、現状の商圏Ａ1と同一の商圏が仮想的な商圏Ａ1’として設定されてもよい。
【００２８】
これに応じ、情報総合ユニット１４が図４（ｂ）に示す仮想商圏Ａ1’において、地区情報である「拠点ｘ1の商品販売数」を表すパラメータについて、地区ａ1’の総合順位を付け、当該順位および上位５つの地区ａ1’を特定する情報を「総合地区情報」として作成する。
【００２９】
そして、「総合地区情報」がサーバ１０からユーザ端末２０にダウンロードされる（情報提供ユニット１５によりネットワークを介してユーザ端末２０に当該情報が提供される）（図２／矢印３参照）。これにより、ユーザ端末２０には図４（ｂ）に示すように、拠点ｘ1の商品販売数について、仮想商圏Ａ1’において上位５つの地区（格子縞部分）を他の地区と色彩や模様により区分して示すマップｍが表示される。このとき、ユーザ端末２０には、地区の色彩や模様と、地区情報の内容との対応関係を示す対応表（図示略）がマップｍとともに示される。
【００３０】
本システムによれば、ユーザはその端末２０に表示されるマップｍにおいて仮想的に商圏Ａ1’を設定することで、当該設定商圏Ａ1’について拠点ｘ1の商品販売数を表すパラメータについての地区ａ1’の順位（総合地区情報）を当該端末２０を通じて取得することができる（図４（ｂ）参照）。
【００３１】
そして、ユーザは当該順位に基づき、現状商圏Ａ1と仮想的な設定商圏Ａ1’とを比較し、当該設定商圏Ａ1’が商取引の観点から適切か否かを検討し、実際にはどのように拠点ｘ1の商圏Ａ1を設定すべきかを判断することができる。
【００３２】
具体的には、拠点ｘ1の商品販売数を表すパラメータについて、現状商圏Ａ1における上位５つの地区ａ1（図４（ａ）格子縞部分参照）と、仮想商圏Ａ1’における上位５つの地区ａ1’（図４（ｂ）格子縞部分参照）は相違する。即ち、仮想的に商圏Ａ1に追加された商圏Ａ2の４つの地区ａ2のうち２つが当該上位５つの地区ａ1’に含まれている。これは、当該２つの地区ａ2は商圏Ａ2を構成するにも関わらず、拠点ｘ1の商品販売数が大きく、拠点ｘ1からすると商取引上重要な地区であると考えられる。
【００３３】
したがって、ユーザはかかる知見から現状商圏Ａ1およびＡ2（図３参照）が、図５に示す形に変更されるのが商取引を促進させる上で適切であると判断することができる。なお、拠点ｘ2についても、商圏Ａ2を構成する各地区ａ2の商取引上の重要性を考慮して最終的な判断がされるべきである。
【００３４】
本実施形態では「拠点ｘ1の商品販売数」を表すパラメータについての順位が「総合地区情報」として作成されたが、他の実施形態として「需要者」または需要者により保有されている「商品」もしくは「役務に関する物品」の「数」、「分布」および「密度」、および特定のエンティティの「市場占有率」を表すパラメータについて、設定商圏Ａ1’（図４（ｂ）参照）を構成する地区ａ1’の累計、平均、または順位が「総合地区情報」として作成されてもよい。
【００３５】
なお「需要者」とは商品購入等の履歴がある者、および商品購入履歴は無いが将来的に商品を購入すると期待される未必的な需要者のうち一方または両方を意味する。また「需要者」は商品または役務の種類に鑑み、性別、年齢、職業等の属性に応じて適宜区分される。「商品」とは、販売者により販売された自動車等を意味する。また「役務に関する物品」とは、自動車修理や自動車洗浄等の役務の提供がされた自動車等を意味する。さらに「商品」または「役務」は、エンティティの区分や、用品または役務の種類等に応じて区分されていてもよい。
【００３６】
当該他の実施形態によれば、特定の属性（１８歳以上の就職男性）を有する需要者の数について、仮想商圏Ａ’における累計が現状商圏Ａにおける累計より低い場合、当該属性の需要者を主な対象とする商品（自動車等）の販売促進を図るという観点からして、少なくとも仮想商圏Ａ’よりは現状商圏Ａのほうが好ましいと判断され得る。またユーザに関係するエンティティ（提携メーカー等）の商品の市場占有率について、仮想商圏Ａ’における平均が現状商圏Ａにおける平均より低い場合、現状商圏Ａよりは仮想商圏Ａ’の方が当該エンティティの商品販売の余地が多いために好ましいと判断され得る。そして、ユーザはこれらの情報の総合勘案、および検討に基づき、より適切な商圏設定を図ることができる。
【００３７】
本発明の他の実施形態として、マップ提供ユニット１２により「各拠点による地区ごとの需要者への商品販売数」という地区情報に応じ、一の拠点の商圏を構成する複数の地区のうち、該一の拠点による需要者への商品販売数が、他の拠点による需要者への商品販売数よりも小さい地区を、他の地区と区分して示すマップが、ネットワークを介してユーザ端末２０に提供されてもよい。
【００３８】
当該実施形態によれば、例えば拠点ｘ1の商圏Ａ1を構成する地区ａ1iにおいて、拠点ｘ1による商品販売数ｎ（ｘ1，ａ1i）が他の拠点ｘ2による商品販売数ｎ（ｘ2，ａ1i）よりも少なく、商圏Ａ1を構成する他の地区ａ1jにおいて、拠点ｘ1による商品販売数ｎ（ｘ1，ａ1j）が他の拠点ｘ2による需要者への商品販売数ｎ（ｘ2，ａ1j）よりも多い場合、ユーザ端末２０のマップｍにおいて地区ａ1iが地区ａ1jとは区分されて表示される（図４（ａ）参照）。ユーザはこのマップｍを見ることで、現状では地区ａ1iは拠点ｘ1の商圏Ａ1を構成しているが、商品販売数の多い拠点ｘ2の商圏Ａ2を構成するように現状の商圏Ａ1およびＡ2を変更したほうがよい等の事項を判断することができる。なお、商品に複数の種類がある場合、販売数は種類別の商品販売数が含まれている。
【００３９】
本発明の他の実施形態として、マップ提供ユニット１２により「各拠点による地区ごとの需要者への商品販売数」という地区情報に基づき、一の拠点の商圏を構成する複数の地区を「全拠点による需要者への商品販売数に対する該一の拠点による需要者への商品販売数の比率」という総合地区情報に応じ、区分して示すマップが、ユーザ端末２０に提供されてもよい。
【００４０】
当該他の実施形態によれば、例えば拠点ｘ1の商圏Ａ1を構成する地区ａ1において、全拠点による商品販売数Ｎ（ａ1）に対する拠点ｘ1による商品販売数ｎ（ｘ1，ａ1）の比率の高低に応じ、ユーザ端末２０のマップｍにおいて各地区ａ1が区分されて表示される（図４（ａ）参照）。ユーザはこのマップｍを見ることで、現状では地区ａ1は拠点ｘ1の商圏Ａ1を構成しているが、当該比率が低いので、他の拠点の商圏（例えば拠点ｘ2の商圏Ａ2）を構成するように商圏Ａ1を変更したほうがよい等の事項を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態における情報処理システムの構成説明図
【図２】本発明の一実施形態における情報処理システムの機能説明図
【図３】本発明の一実施形態における情報処理システムの機能説明図
【図４】本発明の一実施形態における情報処理システムの機能説明図
【図５】本発明の一実施形態における情報処理システムの機能説明図
【符号の説明】
１０‥サーバ（情報処理システム）、１１‥ＤＢ（情報管理手段）、１２‥マップ提供ユニット、１３‥情報取得ユニット、１４‥情報総合ユニット、１５‥情報提供ユニット、２０‥ユーザ端末、ｍ‥マップ、ｘ1 、ｘ2 ‥商取引拠点、Ａ1 、Ａ2 ‥商圏、ａ1 、ａ2 ‥地区
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザ端末との間でネットワークを介して送受信される情報を処理するシステムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
自動車等の商品の販売や、自動車点検等のサービスを提供する店舗等の商取引拠点の商圏をどのように設定するかは、商品等の販売促進の観点から重要な判断事項である。また、商取引拠点の商圏設定の判断に際しては、商取引拠点における商品等の需要・供給、商圏設定が商取引に与える影響等を予測・判断することが必要である。そして、これらの事項の予測・判断材料として非常に多種多様な情報が大量に必要となる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、多種多様且つ大量の情報整理が煩雑となり、商取引拠点の商圏をどのように設定すべきか等を判断することが非常に困難であった。
【０００４】
そこで、本発明は、ユーザに対して商取引拠点の商圏の設定が容易になるような形で情報を提供し得るシステムを提供することを解決課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
第１発明の情報処理システムは、ユーザ端末との間でネットワークを介して送受信される情報を処理するシステムであって、複数の地区のそれぞれにおける需要者もしくは当該需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、ならびに、該複数の地区のそれぞれにおける特定のエンティティの市場占有率のうち全部または一部に応じて定まるパラメータが含まれる、複数の地区情報と、該複数の地区と、商取引拠点に帰属する地区により構成される商圏とを示すマップを特定するマップデータとを記憶するデータベースと、該データベースにより記憶されている該マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、該マップを当該ユーザ端末に表示させるマップ提供手段と、前記ユーザ端末に表示された前記マップに含まれる、ユーザによる設定商圏を特定する情報を、前記ネットワークを介して受信し、前記複数の地区のうち当該受信情報により表される該設定商圏を構成する地区における前記地区情報に含まれる前記パラメータを演算処理することにより、該パラメータの累計もしくは平均または該パラメータの大小に基づいて定まる該地区のランクを総合地区情報として作成する情報総合手段と、該情報総合手段により作成された該総合地区情報を、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、前記ランクが所定順位以内の地区と、その他の地区とが色彩もしくは模様またはこれらの結合により識別されるように前記マップを該ユーザ端末に表示させる情報提供手段とを備えていることを特徴とする。
【０００６】
第１発明の情報処理システムによれば、ユーザはその端末に表示されるマップにおいて仮想的に商圏を設定することで、当該設定商圏を構成する地区におけるパラメータの累計もしくは平均またはパラメータの大小に基づいて定まる地区のランクを「総合地区情報」として当該端末を通じて取得することができる。ここで「パラメータ」とは、複数の地区のそれぞれにおける需要者もしくは当該需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、ならびに、該複数の地区のそれぞれにおける特定のエンティティの市場占有率のうち全部または一部に応じて定まるパラメータを意味する。また、ユーザによる商圏の設定には、仮想的な新規商圏を構成する一または複数の地区を指定することのほか、現状商圏の一部を構成する地区を他の現状商圏の一部として追加することや、仮想的な新規商圏の一部として分割することが含まれる。
【０００７】
そして、ユーザはユーザ端末において表示されているマップに含まれている商圏を構成する地区が、各地区の色彩や模様等により、パラメータに応じたランクが所定順位以内の地区であるか否かを視覚的に認識することができる。また、ユーザは「総合地区情報」に基づき、例えば、現状商圏と仮想的な設定商圏とを比較し、当該設定商圏が複数の地区のそれぞれにおける需要者もしくは当該需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、ならびに、複数の地区のそれぞれにおける特 定のエンティティの市場占有率のうち全部または一部に鑑みて商取引の観点から適切か否かを検討し、実際にはどのように商圏を設定すべきかを判断することができる。
【０００８】
第２発明の情報処理システムは、第１発明の情報処理システムにおいて、前記情報総合手段が、前記設定商圏に加えて前記ユーザによる指定パラメータを特定する情報を前記ユーザ端末から受信し、当該受信情報を演算処理することにより、前記複数の地区のうち該設定商圏を構成する地区における当該指定パラメータの累計もしくは平均または当該指定パラメータの大小に基づいて定まる該地区のランクを総合地区情報として作成することを特徴とする。
【０００９】
第２発明の情報処理システムによれば、ユーザは複数の地区のそれぞれにおける需要者もしくは当該需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、ならびに、該複数の地区のそれぞれにおける特定のエンティティの市場占有率のうち全部または一部に応じて定まる複数のパラメータのうち、自らが重要視するパラメータを指定した上で、当該指定パラメータに基づく総合地区情報を把握することができ、当該設定商圏が指定パラメータに応じた各地区のランクの高低に鑑みて商取引の観点から適切か否かを検討し、実際にはどのように商圏を設定すべきかを判断することができる。
【００１０】
第３発明の情報処理システムは、第１または第２発明の情報処理システムにおいて、前記マップ提供手段が、前記複数の地区のそれぞれが前記地区情報に応じて定まる色彩もしくは模様またはこれらの結合により識別可能に区分されている前記マップを特定する前記マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、当該マップを当該ユーザ端末に表示させることを特徴とする。
【００１１】
第３発明の情報処理システムによれば、ユーザはユーザ端末において表示されているマップに含まれている商圏を構成する地区がどのような地区情報を有する地区であるかを、各地区の色彩や模様等により視覚的に認識することができる。
【００１２】
第４発明の情報処理システムは、第３発明の情報処理システムにおいて、前記マップ提供手段が前記地区情報としての前記商取引拠点のそれぞれによる前記複数の地区のそれぞれにおける前記需要者への商品販売数に応じ、一の前記商取引拠点の商圏を構成する複数の地区のうち、当該一の商取引拠点による需要者への商品販売数が、他の前記商取引拠点による需要者への商品販売数よりも小さい地区が、当該一の商取引拠点の商圏を構成する他の地区から識別可能に区分されている前記マップを特定する前記マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、当該マップを当該ユーザ端末に表示させることを特徴とする。
【００１３】
第４発明の情報処理システムによれば、ユーザはその端末を通じ、一の商取引拠点の商圏を構成する複数の地区のうち、当該一の商取引拠点による需要者への商品販売数が、他の商取引拠点による需要者への商品販売数よりも小さい地区を認識することができる。そして、ユーザはこの認識に基づき、各商取引拠点の現状商圏が適切か否かを判断することができる。
【００１４】
第５発明の情報処理システムは、第３発明の情報処理システムにおいて、前記マップ提供手段が前記地区情報としての前記商取引拠点のそれぞれによる前記複数の地区のそれぞれにおける前記需要者への商品販売数に基づき、一の前記商取引拠点の商圏を構成する複数の地区のそれぞれにおける当該一の商取引拠点を含むすべての前記商取引拠点による需要者への商品販売数に対する、当該一の商取引拠点による需要者への商品販売数の比率に応じて、当該複数の地区のそれぞれが識別可能に区分されている前記マップを特定する前記マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、当該マップを当該ユーザ端末に表示させることを特徴とする。
【００１５】
第５発明の情報処理システムによれば、ユーザはその端末に表示されたマップを通じ、各地区について、全商取引拠点による需要者への商品販売数に対する、一の商取引拠点による需要者への商品販売数の比率を認識することができる。そして、ユーザはこの認識に基づき、現状商圏が適切か否かを判断することができる。
【００１６】
第６発明の情報処理システムは、第３〜第５発明のうちいずれか１つの情報 処理システムにおいて、前記マップ提供手段が前記地区情報と、前記複数の地区のそれぞれの色彩もしくは模様またはこれらの結合との対応表を特定するデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、該ユーザ端末に該対応表を前記マップとともに表示させることを特徴とする。
【００１７】
第６発明の情報処理システムによれば、ユーザはその端末に表示される対応表を通じ、当該端末において表示されているマップに包含される、異なる色彩等が付されている各地区が、どのような地区情報を有する地区であるかという対応関係を視覚的に認識することができる。
【００１８】
【発明の実施の形態】
本発明の情報処理システムの実施形態について図面を用いて説明する。
【００１９】
図１に示す情報処理システムは、インターネットやイントラネット等のネットワークを介してユーザ端末２０やその他外部端末（図示略）と双方向通信可能に接続されたサーバ１０により構成されている。サーバ１０は複数のサーバ（図示略）により構成されていてもよい。
【００２０】
本発明の情報処理システムは、ＤＢ（データベース）１１と、マップ提供ユニット１２と、情報取得ユニット１３と、情報総合ユニット１４と、情報提供ユニット１５とを備えている。
【００２１】
ＤＢ１１はマップを特定するマップデータのほか、複数の「地区情報」およびその他種々の情報をデータとして管理または記憶する。「マップ」は複数の地区、商取引拠点に帰属する地区により構成される現状の商圏を示す。「地区」には「大字」等の行政区画単位や、その他任意の区画単位が含まれる。「商取引拠点」には自動車等の商品を販売する自動車販売店等の店舗や、自動車修理等の役務を提供する自動車修理工場等の場所が含まれる。「地区情報」には、各地区における需要者または需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、および特定のエンティティの市場占有率のうち一部または全部により定まるパラメータが含まれている。地区情報は、サーバ１０における人為的な情報入力操作や、サーバ１０による外部からの情報収集により、逐次更新される。
【００２２】
マップ提供ユニット１２は、ＤＢ１１により記憶されているマップを表すマップデータを、ネットワークを介してユーザ端末２０に送信することによりこのユーザ端末２０に表示させる。情報取得ユニット１３は、ユーザ端末２０に表示されるマップにおいてユーザにより仮想的に設定された「商圏」を特定する情報をユーザ端末２０からネットワークを介して取得または受信する。情報総合ユニット１４は、仮想的な設定商圏を構成する地区の地区情報を総合して「総合地区情報」を作成する。情報提供ユニット１５は、「総合地区情報」を、ネットワークを介してユーザ端末２０に送信することにより、このユーザ端末２０にこの総合地区情報を「マップ」とともに表示させる。
【００２３】
前記構成の本発明の情報処理システムの機能について図２〜図５を用いて説明する。
【００２４】
まず、ユーザはその端末２０において、所定のアプリケーションソフトを起動させた後、パスワードを入力する等の初期操作を実行する（図２／ｓ２１）。これにより、サーバ１０からユーザ端末２０にマップｍがダウンロードされ（マップ提供ユニット１２によりネットワークを介してユーザ端末２０にマップが提供され）（図２／矢印１）、このユーザ端末２０に図３に示すマップｍが表示される。マップｍには現存の商取引拠点（を表すアイコン）ｘ1、ｘ2、‥、拠点ｘ1、ｘ2、‥の商圏Ａ1、Ａ2、‥、および商圏Ａ1、Ａ2、‥を構成する地区ａ1、ａ2、‥が示される。マップｍの縮小、拡大、および移動はユーザによる端末２０の操作により任意に実行される。
【００２５】
マップｍには、複数のエンティティ（販売会社等）の拠点ｘiのほか、一の上位エンティティに属する複数の下位エンティティの拠点ｘ12iが、個々のエンティティに応じて相違するデザイン（形状、色彩等）を有するアイコンにより表示され得る。どのエンティティの拠点ｘiをマップｍに表示させるかは、ユーザによる端末２０の操作により選択され得る。商圏Ａ1、Ａ2、‥は、色彩および模様、補助的に地区ａ1同士の境界線、地区ａ2同士の境界線、‥と異なる境界線（図３太線参照）により区分して表示される。どのエンティティの拠点ｘの商圏Ａを表示させるかは、ユーザによる端末２０の操作により選択され得る。地区ａiは地区情報に応じた色彩および模様により区分して表示され得る。また、地区ａiとして「大字」「市」「町」「村」「区」等の行政区画単位がユーザによる端末２０の操作により変更設定され得る。
【００２６】
ユーザがその端末２０をマップｍの地区ａiをクリックする等の所定方法で操作することで、商圏Ａ1を構成する複数の地区ａ2のうちの一部（図４（ａ）斜線部）を、仮想的に商圏Ａ1の一部とすることができる（図２／ｓ２２）。また、ユーザは「拠点ｘ1の商品販売数」を「パラメータ」として指定する（図２／ｓ２３）。このとき、現状の商圏Ａ1に、商圏Ａ2を構成する一部の地区ａ2が追加されることで構成される「設定商圏Ａ1’」および「指定パラメータ」を特定する情報がユーザ端末２０からサーバ１０にアップロードされる（情報取得ユニット１３により当該情報がユーザ端末２０からネットワークを介して取得される）（図２／矢印２）。
【００２７】
また、図４（ａ）に格子縞で示す地区ａ1は、指定パラメータである拠点ｘ1の商品販売数について、現状商圏Ａ1における上位５つの地区を表す（丸数字は順位を表す）。ユーザ端末２０には、地区の色彩や模様と、地区情報の内容との対応関係を示す対応表（図示略）がマップｍとともに示される。なお、現状の商圏Ａ1と同一の商圏が仮想的な商圏Ａ1’として設定されてもよい。
【００２８】
これに応じ、情報総合ユニット１４が図４（ｂ）に示す仮想商圏Ａ1’において、地区情報である「拠点ｘ1の商品販売数」を表すパラメータについて、地区ａ1’の総合順位を付け、当該順位および上位５つの地区ａ1’を特定する情報を「総合地区情報」として作成する。
【００２９】
そして、「総合地区情報」がサーバ１０からユーザ端末２０にダウンロードされる（情報提供ユニット１５によりネットワークを介してユーザ端末２０に当該情報が提供される）（図２／矢印３参照）。これにより、ユーザ端末２０には図４（ｂ）に示すように、拠点ｘ1の商品販売数について、仮想商圏Ａ1’において上位５つの地区（格子縞部分）を他の地区と色彩や模様により区分して示すマップｍが表示される。このとき、ユーザ端末２０には、地区の色彩や模様と、地区情報の内容との対応関係を示す対応表（図示略）がマップｍとともに示される。
【００３０】
本システムによれば、ユーザはその端末２０に表示されるマップｍにおいて仮想的に商圏Ａ1’を設定することで、当該設定商圏Ａ1’について拠点ｘ1の商品販売数を表すパラメータについての地区ａ1’の順位（総合地区情報）を当該端末２０を通じて取得することができる（図４（ｂ）参照）。
【００３１】
そして、ユーザは当該順位に基づき、現状商圏Ａ1と仮想的な設定商圏Ａ1’とを比較し、当該設定商圏Ａ1’が商取引の観点から適切か否かを検討し、実際にはどのように拠点ｘ1の商圏Ａ1を設定すべきかを判断することができる。
【００３２】
具体的には、拠点ｘ1の商品販売数を表すパラメータについて、現状商圏Ａ1における上位５つの地区ａ1（図４（ａ）格子縞部分参照）と、仮想商圏Ａ1’における上位５つの地区ａ1’（図４（ｂ）格子縞部分参照）は相違する。即ち、仮想的に商圏Ａ1に追加された商圏Ａ2の４つの地区ａ2のうち２つが当該上位５つの地区ａ1’に含まれている。これは、当該２つの地区ａ2は商圏Ａ2を構成するにも関わらず、拠点ｘ1の商品販売数が大きく、拠点ｘ1からすると商取引上重要な地区であると考えられる。
【００３３】
したがって、ユーザはかかる知見から現状商圏Ａ1およびＡ2（図３参照）が、図５に示す形に変更されるのが商取引を促進させる上で適切であると判断することができる。なお、拠点ｘ2についても、商圏Ａ2を構成する各地区ａ2の商取引上の重要性を考慮して最終的な判断がされるべきである。
【００３４】
本実施形態では「拠点ｘ1の商品販売数」を表すパラメータについての順位が「総合地区情報」として作成されたが、他の実施形態として「需要者」または需要者により保有されている「商品」もしくは「役務に関する物品」の「数」、「分布」および「密度」、および特定のエンティティの「市場占有率」を表すパラメータについて、設定商圏Ａ1’（図４（ｂ）参照）を構成する地区ａ1’の累計、平均、または順位が「総合地区情報」として作成されてもよい。
【００３５】
なお「需要者」とは商品購入等の履歴がある者、および商品購入履歴は無いが将来的に商品を購入すると期待される未必的な需要者のうち一方または両方を意味する。また「需要者」は商品または役務の種類に鑑み、性別、年齢、職業等の属性に応じて適宜区分される。「商品」とは、販売者により販売された自動車等を意味する。また「役務に関する物品」とは、自動車修理や自動車洗浄等の役務の提供がされた自動車等を意味する。さらに「商品」または「役務」は、エンティティの区分や、用品または役務の種類等に応じて区分されていてもよい。
【００３６】
当該他の実施形態によれば、特定の属性（１８歳以上の就職男性）を有する需要者の数について、仮想商圏Ａ’における累計が現状商圏Ａにおける累計より低い場合、当該属性の需要者を主な対象とする商品（自動車等）の販売促進を図るという観点からして、少なくとも仮想商圏Ａ’よりは現状商圏Ａのほうが好ましいと判断され得る。またユーザに関係するエンティティ（提携メーカー等）の商品の市場占有率について、仮想商圏Ａ’における平均が現状商圏Ａにおける平均より低い場合、現状商圏Ａよりは仮想商圏Ａ’の方が当該エンティティの商品販売の余地が多いために好ましいと判断され得る。そして、ユーザはこれらの情報の総合勘案、および検討に基づき、より適切な商圏設定を図ることができる。
【００３７】
本発明の他の実施形態として、マップ提供ユニット１２により「各拠点による地区ごとの需要者への商品販売数」という地区情報に応じ、一の拠点の商圏を構成する複数の地区のうち、該一の拠点による需要者への商品販売数が、他の拠点による需要者への商品販売数よりも小さい地区を、他の地区と区分して示すマップが、ネットワークを介してユーザ端末２０に提供されてもよい。
【００３８】
当該実施形態によれば、例えば拠点ｘ1の商圏Ａ1を構成する地区ａ1iにおいて、拠点ｘ1による商品販売数ｎ（ｘ1，ａ1i）が他の拠点ｘ2による商品販売数ｎ（ｘ2，ａ1i）よりも少なく、商圏Ａ1を構成する他の地区ａ1jにおいて、拠点ｘ1による商品販売数ｎ（ｘ1，ａ1j）が他の拠点ｘ2による需要者への商品販売数ｎ（ｘ2，ａ1j）よりも多い場合、ユーザ端末２０のマップｍにおいて地区ａ1iが地区ａ1jとは区分されて表示される（図４（ａ）参照）。ユーザはこのマップｍを見ることで、現状では地区ａ1iは拠点ｘ1の商圏Ａ1を構成しているが、商品販売数の多い拠点ｘ2の商圏Ａ2を構成するように現状の商圏Ａ1およびＡ2を変更したほうがよい等の事項を判断することができる。なお、商品に複数の種類がある場合、販売数は種類別の商品販売数が含まれている。
【００３９】
本発明の他の実施形態として、マップ提供ユニット１２により「各拠点による地区ごとの需要者への商品販売数」という地区情報に基づき、一の拠点の商圏を構成する複数の地区を「全拠点による需要者への商品販売数に対する該一の拠点による需要者への商品販売数の比率」という総合地区情報に応じ、区分して示すマップが、ユーザ端末２０に提供されてもよい。
【００４０】
当該他の実施形態によれば、例えば拠点ｘ1の商圏Ａ1を構成する地区ａ1において、全拠点による商品販売数Ｎ（ａ1）に対する拠点ｘ1による商品販売数ｎ（ｘ1，ａ1）の比率の高低に応じ、ユーザ端末２０のマップｍにおいて各地区ａ1が区分されて表示される（図４（ａ）参照）。ユーザはこのマップｍを見ることで、現状では地区ａ1は拠点ｘ1の商圏Ａ1を構成しているが、当該比率が低いので、他の拠点の商圏（例えば拠点ｘ2の商圏Ａ2）を構成するように商圏Ａ1を変更したほうがよい等の事項を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態における情報処理システムの構成説明図
【図２】本発明の一実施形態における情報処理システムの機能説明図
【図３】本発明の一実施形態における情報処理システムの機能説明図
【図４】本発明の一実施形態における情報処理システムの機能説明図
【図５】本発明の一実施形態における情報処理システムの機能説明図
【符号の説明】
１０‥サーバ（情報処理システム）、１１‥ＤＢ（情報管理手段）、１２‥マップ提供ユニット、１３‥情報取得ユニット、１４‥情報総合ユニット、１５‥情報提供ユニット、２０‥ユーザ端末、ｍ‥マップ、ｘ1 、ｘ2 ‥商取引拠点、Ａ1 、Ａ2 ‥商圏、ａ1 、ａ2 ‥地区
Claims (6)
- ユーザ端末との間でネットワークを介して送受信される情報を処理するシステムであって、
複数の地区のそれぞれにおける需要者もしくは当該需要者により保有されている商品もしくは役務に関する物品の数、分布および密度、ならびに、該複数の地区のそれぞれにおける特定のエンティティの市場占有率のうち全部または一部に応じて定まるパラメータが含まれる、複数の地区情報と、該複数の地区と、商取引拠点に帰属する地区により構成される商圏とを示すマップを特定するマップデータとを記憶するデータベースと、
該データベースにより記憶されている該マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、該マップを当該ユーザ端末に表示させるマップ提供手段と、
前記ユーザ端末に表示された前記マップに含まれる、ユーザによる設定商圏を特定する情報を、前記ネットワークを介して受信し、前記複数の地区のうち当該受信情報により表される該設定商圏を構成する地区における前記地区情報に含まれる前記パラメータを演算処理することにより、該パラメータの累計もしくは平均または該パラメータの大小に基づいて定まる該地区のランクを総合地区情報として作成する情報総合手段と、
該情報総合手段により作成された該総合地区情報を、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、前記ランクが所定順位以内の地区と、その他の地区とが色彩もしくは模様またはこれらの結合により識別されるように前記マップを該ユーザ端末に表示させる情報提供手段とを備えていることを特徴とする情報処理システム。 - 請求項１記載の情報処理システムにおいて、
前記情報総合手段が、前記設定商圏に加えて前記ユーザによる指定パラメータを特定する情報を前記ユーザ端末から受信し、当該受信情報を演算処理することにより、前記複数の地区のうち該設定商圏を構成する地区における当該指定パラメータの累計もしくは平均または当該指定パラメータの大小に基づいて定まる該地区のランクを総合地区情報として作成することを特徴とする情報処理システム。 - 請求項１または２記載の情報処理システムにおいて、
前記マップ提供手段が、前記複数の地区のそれぞれが前記地区情報に応じて定まる色彩もしくは模様またはこれらの結合により識別可能に区分されている前記マップを特定する前記マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、当該マップを当該ユーザ端末に表示させることを特徴とする情報処理システム。 - 請求項３記載の情報処理システムにおいて、
前記マップ提供手段が前記地区情報としての前記商取引拠点のそれぞれによる前記複数の地区のそれぞれにおける前記需要者への商品販売数に応じ、一の前記商取引拠点の商圏を構成する複数の地区のうち、当該一の商取引拠点による需要者への商品販売数が、他の前記商取引拠点による需要者への商品販売数よりも小さい地区が、当該一の商取引拠点の商圏を構成する他の地区から識別可能に区分されている前記マップを特定する前記マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、当該マップを当該ユーザ端末に表示させることを特徴とする情報処理システム。 - 請求項３記載の情報処理システムにおいて、
前記マップ提供手段が前記地区情報としての前記商取引拠点のそれぞれによる前記複数の地区のそれぞれにおける前記需要者への商品販売数に基づき、一の前記商取引拠点の商圏を構成する複数の地区のそれぞれにおける当該一の商取引拠点を含むすべての前記商取引拠点による需要者への商品販売数に対する、当該一の商取引拠点による需要者への商品販売数の比率に応じて、当該複数の地区のそれぞれが識別可能に区分されている前記マップを特定する前記マップデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、当該マップを当該ユーザ端末に表示させることを特徴とする情報処理システム。 - 請求項３〜５のうちいずれか１つに記載の情報処理システムにおいて、
前記マップ提供手段が前記地区情報と、前記複数の地区のそれぞれの色彩もしくは模様またはこれらの結合との対応表を特定するデータを、前記ネットワークを介して前記ユーザ端末に送信することにより、該ユーザ端末に該対応表を前記マップとともに表示させることを特徴とする情報処理システム。
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