JP4009058B2 - 冷間圧延における冷却制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の冷間圧延時において、チャタリングおよびヒートストリークを発生させない冷間圧延における冷却制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷間圧延、特に冷間タンデム圧延における冷却制御方法としては、以下に述べる方法が主流であったため、最適かつ高精度な冷却制御ができず、冷却不足によるロールと鋼板ストリップとの焼付き現象であるヒートストリークや過冷却による圧延機の共振現象であるチャタリングが発生しやすい状況であった。
【0003】
従来主流であった方法の一つは冷却水供給ポンプの圧延速度に同調した回転数制御方法である。この方法では図2に示すように、冷却水の制御遅れが生じ、特に加速途中の制御遅れによる冷却不足および過冷却によって、それぞれヒートストリーク、チャタリングを発生させやすく、最適な冷却水制御が実現できなかった。これに対して、圧延速度に対して固定の冷却水量カーブを与えて制御する方法があり、制御遅れの問題は解決できるものの、被圧延材固有の塑性変形による発熱量とは無関係な冷却水量となるため、被圧延材の発熱量によっては冷却不足あるいは過冷却状態になりヒートストリークやチャタリングを誘発しやすい状態となっていた。
【0004】
チャタリング、ヒートストリークは、一般的に図3のような圧延機出側鋼板温度と圧延速度の関係で、発生しない安定領域が存在するので、圧延機出側鋼板温度を最適な温度範囲に保つことが重要であると言われており、出側鋼板温度の実測に基づいた冷却制御も考えられている。ところがこの方法では温度測定に遅れがあるという問題があり、冷却水量の圧延速度に対する遅れを避けることができなかった。鋼板温度を測定する方法としては、冷間圧延を含む鉄鋼プロセスラインでは放射温度計を用いるのが一般的である。冷間圧延機は圧延油および蒸気等のヒュームの存在する環境にあるため、放射温度計の汚れによる測定精度の経時変化のため、正確な鋼板温度の測定はきわめて困難である。また、冷間圧延後のストリップの温度は100℃ないし170℃という放射温度計にとっては比較的低温領域の測定であるので、鋼板の表面粗度等によるわずかな放射率変化にも敏感に反応し、正確な温度測定が非常に困難である。一方、接触式鋼板温度計はストリップへの接触疵が発生する懸念もあり、冷間圧延機等の高速ラインではその実用は難しい。したがって、鋼板温度測定に基づく最適な冷却水量の制御は実用上困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、圧延速度、被圧延材の鋼種、材質、冷却水の温度等の条件に対して最適の冷却水量を算出し、冷却水量を制御できる冷間圧延における冷却制御方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
圧延消費動力、板厚、板幅、外気温度、冷却水温度、ロール入熱率およびロールと冷却水間の熱伝達係数から算出した被圧延材固有の係数を含む、圧延速度に対して必要な冷却水量を算出する数式をあらかじめ定めておき、冷却水の量を実際の圧延速度を数式に代入して算出される量に制御することを特徴とする冷間圧延における冷却制御方法によって解決できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の冷間圧延における冷却制御方法の冷却制御システムとしての実施形態について、図1を参照しながら説明する。
図1において、1は冷却水供給ポンプであって、冷却水に必要な圧力を与え、冷却水を流量制御弁2、流量計3を経てノズル5に供給する。4は流量計3により検出される冷却水の量があらかじめ定めた数式に圧延速度を代入して算出した量になるように流量制御弁2を制御する制御装置である。数式は、圧延消費動力、板厚、板幅、外気温度、冷却水温度、ロール入熱率およびロールと冷却水間の熱伝達係数から算出した被圧延材固有の係数を含むものとして定める。なお、7は図中左から右に送られる被圧延材である。
【0008】
数式は以下の手順により導き出される。すなわち、ロールを冷却水によって冷却してロールおよび鋼板ストリップの温度を適正に保つ訳であるが、最初にロールに入ってくる熱を求め、次にそのロールの熱を冷却水によって取り除く場合のロールから水への熱伝達係数を算出することにより圧延速度に対する必要な冷却水量の関係が求められるのである。本願発明者はここに得られる圧延速度と冷却水量の関係を一次方程式の形として表すことができることを見出した。この一次方程式の2つの定数は、被圧延材ごとに、過去蓄積された圧延消費動力、板厚、板幅、外気温度、冷却水温度、ロール入熱率およびロールと冷却水間の熱伝達係数等のデータ、実測値と経験的に知られる特定の圧延速度Vにおける必要な冷却水量の2組以上のデータを数式に代入することにより求めておくことができる。
【0009】
冷却すべきロールの熱は、鋼板が塑性変形することにより発生する熱である。この鋼板が塑性変形することにより発生する熱量は鋼種、材質、、板幅および圧延速度によって定まり、圧延消費動力により計測することができる。鋼板が発生する熱量のうちロールに入る熱量は、鋼板とロールの接触熱抵抗により定まる入熱率により算出できる。したがって、ロールへの入熱量は圧延消費動力を実測することにより求めることができる。
【0010】
しかしながら、加減速時にはロール等機械的な慣性の影響のため被圧延材の塑性変形のみに消費した圧延消費動力を実測して求めることは困難であり、また、さまざまな圧延速度に対して圧延消費動力を実測することは負担が大きい。そのため、経験値に基づく単位重量あたりの圧延消費動力が鋼種ごとにデータとして蓄積されていることから、本発明ではこの単位重量あたりの圧延消費動力と被圧延材の重量から圧延消費動力を算出するようにしている。
この算出の過程を式で表すと、
Q=a×W×h×B×η
となる。ここで、Qは単位速度あたりのロールへの入熱量、Wは単位重量当たりの圧延消費動力、hはスタンド出側の、Bは板幅、ηはあらかじめ実験により求めたロールへの入熱率、aは経験から得られる定数である。
【0011】
このロールに入った熱を取り除き、ロールの温度を適正な一定の値に保つ必要があるわけであるが、ロールと冷却水間の熱伝達係数はロールの温度と冷却水の温度の差と冷却水によるロールの冷却面積の積に反比例することになる。この関係を式で表すと、
α=Q/[(Tr−Tw)×S]
となる。ここで、αは単位速度あたりのロールと冷却水間の熱伝達係数、Qは単位速度あたりのロールへの入熱量、Trはロールの温度、Twは冷却水の温度、Sは冷却水によるロールの冷却面積すなわち冷却水がロールに当たっている面積である。一般的にはロールの熱容量は大きく、温度の変化量は小さいため、ロールの温度は一定として扱うことができる。
【0012】
この熱を取り除くのに必要な冷却水の量は、単位速度あたりのロールと冷却水間の熱伝達係数と圧延速度および定数の積に別の定数を加えたものとして表すことができる。この関係を式で表すと、
N=c×α×V+d
となる。ここで、Nは必要な冷却水量、cとdは定数、Vは圧延速度である。
【0013】
定数cとdは、鋼種、板厚、板幅、外気温度、冷却水温度により定まるもので、単位速度あたりのロールと冷却水間の熱伝達係数αと経験的に知られる特定の圧延速度Vにおける必要な冷却水量Nの2組以上のデータを数式に代入することによりあらかじめ求めておくことができる。実際の運転中は、鋼種、、板幅に対してあらかじめ求めておいた定数cとdの値と単位速度あたりのロールと冷却水間の熱伝達係数αの値、それに実際の圧延速度の値を数式に代入して冷却水量を算出し、その冷却水量を目標値として流量調整弁2を制御する。これにより最適かつ高精度な冷却制御を実現することができる。このように定めた数式による圧延速度と冷却水量の関係は図4のようになる。勾配はc・αであり、被圧延材の鋼種の発熱特性により変化する。
【0014】
【実施例】
実際に厚さ2.3mm幅880mmの炭素量約0.10%の中炭系硬質ブリキ用鋼板を厚さ0.19mm幅880mmに冷間圧延する場合、冷却水温を30℃として、cとdを単位重量当たりの圧延消費動力、スタンド出側の、板幅、ロールへの入熱率、ロールと冷却水間の熱伝達係数およびその他の蓄積されたデータから求めたところ、それぞれ0.00125、0.5となった。それを数式に代入して運転したところ、毎分2000mを超える圧延速度でもチャタリングやヒートストリークが発生することは無かった。これに対しcを0.002とした場合には、加速時にチャタリングが発生し、cを0.0016とした場合には、加速から定常速度に移行するときにチャタリングが発生した。さらに、cを0.001とした場合には、圧延速度が毎分2000mを超えたときヒートスクラッチが発生した。
【0015】
以上説明した本発明の実施形態によれば、被圧延材の鋼種、材質等の変化に関係なく圧延速度に対応した適量の冷却水を供給でき、チャタリングやヒートストリークが発生することがない。しかも、実際の運転中は、単純な一次方程式の演算ですむので、制御装置に対する負担もきわめて軽いものである。
なお、通常鋼板の冷間タンデム圧延は、複数スタンドの圧延機で冷間圧延がなされるが、特にチャタリングやヒートストリークの発生が問題となり、冷却水の精密な制御が求められるのは最終スタンドのみであることが多く、その場合上流スタンドは従来の単純な制御方式で対応可能である。
【0016】
【発明の効果】
本発明の冷間圧延における冷却制御方法は以上に説明したような方法としているので、被圧延材の鋼種、材質、冷却水温等の条件が変化した場合に対応できないという問題はなく、圧延速度の高速化も実現できるという優れた効果がある。よって本発明は従来の問題点を解消した冷間圧延における冷却制御方法として、その業界に寄与するところ極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す概念図。
【図2】従来の制御方法による冷却水量の変化を示す図。
【図3】圧延速度に対する安定領域を示す図。
【図4】本発明による圧延速度と冷却水量の関係の例を示す図。
【符号の説明】
1 冷却水ポンプ、2 流量調整弁、3 流量計、4 制御装置、5 ノズル、6 圧延ロール、7 鋼板ストリップ

Claims (1)

  1. 圧延消費動力、板厚、板幅、外気温度、冷却水温度、ロール入熱率およびロールと冷却水間の熱伝達係数から算出した被圧延材固有の係数を含む、圧延速度に対して必要な冷却水量を算出する数式をあらかじめ定めておき、冷却水の量を実際の圧延速度を数式に代入して算出される量に制御することを特徴とする冷間圧延における冷却制御方法。
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